JP2004290087A - 乾燥チーズ及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】きしみのない食感を有する乾燥チーズ及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】原料であるナチュラルチーズに、溶融塩および水または安定剤および水とともに乳化剤を添加して加熱しながら撹拌し、これを冷却後に凍結し、さらに凍結乾燥する。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は乾燥チーズ及びその製造方法に関する。特に本発明はチーズ類を加熱溶融する際に、レシチン等の乳化剤を添加して製造したチーズを凍結乾燥することで、きしみのない新規の食感を有する乾燥チーズを製造する方法及びその方法によって製造した乾燥チーズに関する。
【0002】
【従来の技術】
チーズは、使用する乳酸菌や酵素あるいは熟成温度や熟成期間等の製造条件によって、風味や食感も異なるものが得られることが知られているが、保存性の向上や用途の拡大等を意図してチーズを乾燥する方法が種々提案されている。
【0003】
例えば、原料ナチュラルチーズの一種類もしくは複数種類を組み合わせたものに水を加え、この原料ナチュラルチーズと水が全体に均一状態に混り合っているが未だ乳化状態に至らない程度に混合し、これを凍結乾燥する乾燥ナチュラルチーズの製造方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、加熱溶融処理した乳化チーズ類を主原料とする含水原料を溶融温度より低温でブロック状物乃至粒状物が視認されない程度まで撹拌し、賦形状態で乾燥する乾燥チーズの製造方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
さらに、チーズ類を低速度で撹拌しながら加熱し、これに気体を通気して含気させたチーズ類を真空下で発泡させ、つづいて凍結乾燥する乾燥チーズの製造方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【0006】
そして、繊維状組織を有し、水分を約40〜45%含有するチーズを凍結乾燥することにより、水分含有量が10〜30%重量%になるように調整する繊維状組織を有する乾燥チーズの製造方法が提案されている(例えば、特許文献4参照)。
【0007】
【特許文献1】特開昭61−135542号公報
【特許文献2】特開昭63−160548号公報
【特許文献3】特開平5−276865号公報
【特許文献4】特開平9−248131号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1には、同文献記載の方法によって製造されたものは、オイルオフがなく、トッピング材として用いることができるものであることが示されている。トッピング材として用いるためには湯戻り復元性が必要であり、水の添加を必須とし、乾燥前のチーズの水分値を一定範囲に調整する必要がある。また、加熱溶融工程を持たないことから、チーズの流動性が乏しく、また、乳化状態まで至らないような不完全なチーズと水との混合状態と記載されているが、その判定は非常に困難であり、混合が弱ければチョッパーで粉砕したナチュラルチーズ粒が残り、部分的に湯戻り不良となったり、混合が強すぎるのは良くないなど、その混合状態の終点の判断は極めて困難であり、安定な混合状態とするのは難しい。
【0009】
特許文献2には、同文献記載の方法によって製造されたものは、湯戻り時にオイルオフが生じにくく、トッピング材として用いることができるものであることが示されている。湯戻り復元性を付与するために水の添加を必須とし、乾燥前のチーズの水分値を一定範囲に調整する必要がある。また、加熱溶融処理したチーズ類と水を混合し、ブロック状物ないし粒状物が視認されない程度まで撹拌するというものであり、特許文献1記載の方法と同様に、どこまで撹拌するのか、撹拌工程の終了判断が極めて難しく、多大な手間を要する。
【0010】
特許文献3には、同文献記載の方法によって製造されたものは、湯戻り復元性に優れ、トッピング材として用いることができるものであることが示されている。そのために、凍結乾燥に先立って含気させておくことによって多孔質な組織とし、水分の浸透を早めることが記載されている。その結果得られたものは、糸引き性を有しており、トッピング材としては適していても、チーズそのものとして食するには適さない。
【0011】
特許文献4に記載された方法は、水分含有量を10〜30重量%に調整しなければならず、また、繊維状組織を有する特殊なチーズしか得られない。
【0012】
さらに、一般に、ナチュラルチーズおよびプロセスチーズを凍結乾燥した場合、きしみがあり、そのまま食べるには不適当な食感の乾燥チーズになる。
【0013】
本発明は従来の技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、きしみのない食感を有する乾燥チーズ及びその製造方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、原料であるナチュラルチーズに、溶融塩および水または安定剤および水とともに乳化剤を添加して加熱しながら撹拌し、これを冷却後に凍結し、さらに凍結乾燥することを特徴としている。
【0015】
本発明において原料として用いられるナチュラルチーズとしては、ゴーダチーズ、チェダーチーズ、エメンタールチーズ、モザレラチーズなどを単独または2種類以上を混合して用いることができるが、ナチュラルチーズの種類は限定されない。
【0016】
本発明において使用する乳化剤としては、例えば、大豆レシチン、高純度レシチン、酵素改質レシチン、ショ糖脂肪酸エステル(HLBは問わない)、モノグリセリン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル(重合度は問わない)などを挙げることができるが、適切な乳化剤を選択して適量添加することにより、きしみのない食感の乾燥チーズを製造することができる。
【0017】
程度の差はあるが、ほぼすべての乳化剤を添加することできしみをなくす効果が認められる。しかし、乳化剤の種類により得られた乾燥チーズの食感が異なるため、適宜乳化剤を選択することが好ましい。
【0018】
本発明の効果(きしみのない食感)を有する乾燥チーズを得るための乳化剤の添加量は乳化剤の種類により異なる。レシチン類を添加する場合は、全原料中に占める比率が0.3〜0.9重量%であるのが好ましいが、レシチン類の添加量が多くなると乳化状態がやや不良になることがあるので、レシチン類の添加量は0.3〜0.6重量%であるのが特に好ましい。
【0019】
乳化剤の種類によっては乳化時に脂肪が分離するため、乳化剤の添加量を脂肪が分離しない程度に抑えるのが好ましい。
【0020】
溶融塩は、イオン交換力とカゼイン蛋白質の解膠溶解作用によりチーズの乳化を促進することで、離水防止、オイルオフの抑制および充填性の向上等の目的で添加されるものであるが、溶融塩はきしみの発生を助長する傾向がある。従って、溶融塩存在下できしみのない食感の乾燥チーズを製造するためには、全原料中に占める比率は、溶融塩が1.5重量%以下であるときに、乳化剤(例えば、レシチン類)は、0.6重量%以上であるのが好ましく、溶融塩が1.5〜2.0重量%程度であるときは、乳化剤(例えば、レシチン類)は、0.9〜1.2重量%であるのが好ましい。本発明の製造方法で使用しうる溶融塩としては、例えば、リン酸塩系溶融塩(ヘキサメタリン酸Na、ピロリン酸Na、トリポリリン酸Na、ポリリン酸Na、オルソリン酸Na等)やカルボン酸塩系溶融塩(クエン酸Na等)を使用することができるが、これらに限定されるものではない。
【0021】
安定剤は、その保水力および蛋白質の安定化により、離水防止およびオイルオフの抑止等の目的で添加されるものであり、全原料中に占める比率は、0.2〜1.0重量%であるのが好ましい。本発明の製造方法で使用しうる安定剤としては、例えば、ローカストビーンガム、グアーガム、キサンタンガム、カラギーナン、ペクチン、カードラン等を使用することができるが、これらに限定されるものではない。
【0022】
きしみのない食感の乾燥チーズを製造するためには、乳化釜にナチュラルチーズ、乳化剤、水および添加剤(溶融塩または安定剤)を入れて乳化処理を行う時の乳化釜の撹拌羽根の回転数は、85〜215rpmが好ましい。85rpm以下の回転数ではチーズの乳化が困難になる傾向にあり、215rpmを超えると、硬くなる傾向が顕著になるからである。特に、その回転数を85〜170rpmとすることで、口の中でくずれてふわっとした軽い食感の乾燥チーズを得ることができるので、特に好ましい。
【0023】
また、本発明の方法で製造されるチーズに、風味付けのため、香辛料、ナッツ、魚類や獣肉の燻製等を単一もしくは2種類以上を加えることも可能である。また、原料であるナチュラルチーズに各種の脂肪、たんぱく質、糖質等を配合したチーズフードの製造にも本発明は適用できる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を説明するが、本発明は下記実施形態に限定されるものではない。本発明の技術的範囲を逸脱しない範囲において、適宜変更と修正が可能である。
(実施形態1)「乳化剤の配合量を変化させた場合」
チェダーチーズ1.7kgと、安定剤(ローカストビーンガム)9.0gと、添加水150mlからなる配合のものに、乳化剤(大豆レシチン)を0重量%、0.1重量%、0.2重量%、0.3重量%、0.6重量%、0.9重量%、1.0重量%となるように添加した(合計で100重量%)。そして、上記各配合のものをバッチ式乳化釜(図示せず)に投入し、その乳化釜に直接蒸気(125℃)を吹き込みながら、120rpmの回転数でその乳化釜の撹拌羽根を回転させつつ撹拌した。乳化釜内の温度を監視しながら85℃で加熱を止め、乳化釜内の圧力が10〜30cmHgとなるように減圧してチーズ成分を調製した。乳化時の加熱温度は釜内の原料が溶融する温度であればよく、85℃以外の温度を選択することもできる。
【0025】
得られたチーズをカルトン(図示せず)に充填して5℃の冷蔵庫で冷却後、7mm×7mm×30mmの短冊状に切断した。つづいて、−20℃の冷凍庫で一晩凍結させた。この凍結させたチーズを凍結乾燥機(東京理化器械株式会社製のもの)を用いて、真空度2.0Pa、凍結乾燥機のテーブル温度20℃の条件で、24時間乾燥してチーズ中の水分を除去した。なお、テーブル温度とは、凍結乾燥機内の加熱板の温度をいう。冷却温度はカルトン内のチーズが固化する温度であればよく、5℃以外の温度を選択することもできる。また、凍結乾燥は、水分とともに凍結させた原料を減圧状態にして水分を昇華させることにより乾燥させる操作であり、凍結温度はその乾燥処理が問題なく遂行される温度であればよい。
【0026】
以上のようにして得られた乾燥チーズについての乳化状態と、食感と、破断荷重を以下の表1に示す。
【0027】
なお、表1及び後記する表2〜表7において、乳化状態とは、「ナチュラルチーズに安定剤、乳化剤等を添加して加熱溶融した後、チーズを乳化釜から取り出したときの乳化状態を目視で観察した結果」を示す。乳化状態が良好な場合はチーズの表面に油分離(オイルオフ)や離水が生じず、乳化状態が不良な場合はチーズの表面に油分離(オイルオフ)や離水が生じる。各記号の意味は次のとおりである。
【0028】
◎=乳化良好、○=やや良好、△=やや不良、×=乳化不良
表1及び後記する表2〜表7において、食感とは、「凍結乾燥したチーズを噛んだ際の歯触りに、きしみ感があるかどうか」を示す。各記号の意味は次のとおりである。
【0029】
○=きしまない、△=ややきしむ、×=きしむ
表1及び後記する表2〜表7において、破断荷重は、「7mm×7mm×30mmの短冊状に切断した凍結乾燥チーズを半分に切断して7mm×7mm×15mmのチーズ片を得、図1に示すような外観の応力測定機(ヤマデン社製の商品名「レオナー」)1を用いて、昇降自在のシリンダー2に取り付けた試料台3に載せたチーズ片4を、シリンダー2を駆動させることにより上昇速度0.5mm/秒で上昇させたとき、鋭利な先端部を有する楔形プランジャー5でチーズ片4を破断したときの荷重(kgf)」を10個のチーズ片について測定した平均値を示す。破断荷重が大きいほど、チーズ片が硬いことを示す。6は、応力測定機1の操作盤である。
【0030】
【表1】
Figure 2004290087
【0031】
表1に示すように、大豆レシチンの添加量が0.3〜0.9重量%において、きしみがなく軽い食感の乾燥チーズが得られることが分かる。
(実施形態2)「乳化剤の配合量を変化させた場合」
乳化剤をクエン酸モノグリセリドに変えて、0.05重量%、0.075重量%、0.10重量%、0.20重量%と添加量を変化させた点を除いて、実施形態1と同様の方法で凍結乾燥チーズを製造した。得られた乾燥チーズの乳化状態と、食感と、破断荷重を以下の表2に示す。
【0032】
【表2】
Figure 2004290087
【0033】
表2に示すように、乳化剤がクエン酸モノグリセリドの場合、0.075〜0.10重量%の添加量において、きしみのない新規の食感を有する乾燥チーズが得られることが分かる。
(実施形態3)「乳化剤の種類と添加量を変えた場合」
乳化剤の種類と添加量を表3のように変化させた点を除いて、実施形態1と同様の方法で凍結乾燥チーズを製造した。得られた乾燥チーズの乳化状態と、食感と、破断荷重を以下の表3に示す。
【0034】
【表3】
Figure 2004290087
【0035】
表3に示すように、乳化剤の種類を検討することで、歯ごたえのある食感、さくさくして軽い食感など食感や硬さの異なる、きしみのない食感の凍結乾燥チーズを製造することが可能であることが分かる。
【0036】
特に、レシチン類を添加した場合、乳化状態もよく、きしみがなく軽い食感の乾燥チーズが得られる。レシチン類を添加した際は、緩やかに油分離が進む。そのため、レシチン類の添加量の調整は容易である。
【0037】
クエン酸モノグリセドは、表2に示すように、添加量を僅かに増加すると、乳化状態が悪くなり、油分離を引き起こす。同様に、ショ糖エステル類、ジアセチル酒石酸モノグリセリド、ジグリセリンモノステアレート、ペンタグリセリンモノステアレート、ヘキサグリセリンモノステアレートなどは、油分離を引き起こしやすく、乳化不良になりやすいので、添加量の微妙な調整が必要である。
【0038】
一方、グリセリンモノオレート、グリセリンモノステアレート、グリセリンモノパルミネート、牛脂硬化油モノエステル、酢酸モノグリセリドなどは、油分離を引き起こしにくく、添加量の調整は容易である。しかし、これらの乳化剤を添加した場合、きしみはないが硬くなる傾向にあり、軽い食感の乾燥チーズは得にくくなる。
【0039】
表3より、破断荷重として、約3.0kgf以下のものは、きしみがなく軽い食感の乾燥チーズであることが分かる。
(実施形態4)「乳化処理時の乳化釜の撹拌羽根の回転数を変化させた場合」
乳化剤(大豆レシチン)の添加量を0.6重量%として、乳化処理時の乳化釜の撹拌羽根の回転数を85〜290rpmと変化させた点を除いて、実施形態1と同様の方法で凍結乾燥チーズを製造した。得られた乾燥チーズの乳化状態と、食感と、破断荷重を以下の表4に示す。
【0040】
【表4】
Figure 2004290087
【0041】
表4に示すように、乳化処理時に乳化釜の撹拌羽根を85〜215rpmで回転させることにより、きしみのない乾燥チーズを製造することができ、特に、その回転数を85〜170rpmとすることで、口の中でくずれてふわっとした軽い食感の理想的な乾燥チーズを製造することができる。
(実施形態5)「凍結温度を変化させた場合」
乳化剤(大豆レシチン)の添加量を0.6重量%として、凍結温度を−10〜−50℃と変化させた点を除いて、実施形態1と同様の方法で凍結乾燥チーズを製造した。得られた乾燥チーズの食感と、破断荷重を以下の表5に示す。
【0042】
【表5】
Figure 2004290087
【0043】
表5に示すように、−10〜−50℃の範囲での凍結温度の差は、食感の違いに影響を与えないことが分かる。
(実施形態6)「ナチュラルチーズの種類を変化させた場合」
ゴーダチーズ1.7kgと、安定剤(ローカストビーンガム)9.0gと、乳化剤(大豆レシチン)13.0gと、添加水150mlからなる配合の原料と、チェダーチーズ 0.87kgと、ゴーダチーズ 0.87kgと、安定剤(ローカストビーンガム)9.0gと、乳化剤(クエン酸モノグリセリド)2.0gと、添加水150mlからなる配合の原料について、実施形態1と同様の方法で凍結乾燥チーズを製造した。得られたチーズは、きしみのない新規の食感を有するものであり、本発明によれば、原料ナチュラルチーズの種類に関わらず、新規の食感の乾燥チーズを得られることが分かる。
(実施形態7)「溶融塩と乳化剤の添加量を変化させた場合」
チェダーチーズ 1.7kgと添加水150mlからなる配合のものに、溶融塩(重量比でポリリン酸ナトリウム:クエン酸ナトリウム=8:2)および乳化剤(大豆レシチン)の添加量を表6に示すように変化させて、実施形態1と同様の方法で凍結乾燥チーズを製造した。得られた乾燥チーズの乳化状態と、食感を以下の表6に示す。
【0044】
【表6】
Figure 2004290087
【0045】
表6に示すように、乳化剤を添加せずに溶融塩を添加したものにはきしみが感じられたが、乳化剤を適量添加したものは、きしみは感じられなかった。溶融塩の添加量が増加すると、乳化剤の添加量を増加することにより、きしみをなくすことができる。
【0046】
通常、プロセスチーズは原料ナチュラルチーズ、溶融塩および水から製造され、乳化剤は添加されない。そのため、通常のプロセスチーズを凍結乾燥しても、きしみを生じる乾燥チーズしか得られないことは明らかである。
(実施例8)「安定剤の種類を変化させた場合」
チェダーチーズ 1.7kgと、乳化剤(大豆レシチン)13.0gと、添加水1 50mlからなる配合のものに、安定剤をローカストビーンガム、グアーガム、キサンタンガム、寒天というように4種類変更して9g添加し、各安定剤において実施形態1と同様の方法で凍結乾燥チーズを製造した。得られた乾燥チーズの乳化状態と、食感と、破断荷重を以下の表7に示す。
【0047】
【表7】
Figure 2004290087
【0048】
いずれの安定剤でもきしみのない食感の乾燥チーズを得ることができるが、特に安定剤として、ローカストビーンガム、グアーガムまたはキサンタンガムのいずれかを選択すれば、きしみがなく軽い食感の乾燥チーズが得られることが分かる。
【0049】
【発明の効果】
本発明は上記のとおり構成されているので、きしみのない食感を有する乾燥チーズ及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】破断荷重の測定試験機の概略斜視図である。

Claims (7)

  1. 原料であるナチュラルチーズに、溶融塩および水または安定剤および水とともに乳化剤を添加して加熱しながら撹拌し、これを冷却後に凍結し、さらに凍結乾燥することを特徴とする乾燥チーズの製造方法。
  2. 乳化剤がレシチン類、ショ糖脂肪酸エステル、モノグリセリン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリン脂肪酸エステルまたはポリグリセリン脂肪酸エステルである請求項1記載の乾燥チーズの製造方法。
  3. 乳化剤の添加量が0.07〜1.2重量%である請求項1または2記載の乾燥チーズの製造方法。
  4. 安定剤および水とともに添加する大豆レシチンの添加量が、0.3〜0.9重量%である請求項2記載の乾燥チーズの製造方法。
  5. 溶融塩および水とともに添加する大豆レシチンの添加量が、0.6〜1.2重量%である請求項2記載の乾燥チーズの製造方法。
  6. 撹拌を、85〜215rpmの回転数で行う請求項1、2、3、4または5記載の乾燥チーズの製造方法。
  7. 原料であるナチュラルチーズに、溶融塩および水または安定剤および水とともに乳化剤を添加して加熱しながら撹拌し、これを冷却後に凍結し、さらに凍結乾燥することによって製造した乾燥チーズ。
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