JP2004289495A - プリペイド用ユニット - Google Patents
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Abstract
【課題】
【発明が解決しようとする課題】プリペイド式移動体通信システムにおける接続の煩雑さを解消すると共に、発信者の識別機能、電話帳機能などの多機能性を付加したプリペイド用ユニットを提供すること。
【解決手段】移動体通信機器1に接続され、少なくともアクセス番号、ID番号、及び暗証番号を該移動体通信機器を介して送信可能なプリペイド用ユニット30において、操作部31、ユニット制御部32及び記憶部34を有し、該ユニット制御部は、該操作部からの入力信号に基づき、該記憶部から特定のデータを呼び出し、該データ又は該データから加工されたデータを、プリペイド用ユニットから移動体通信機器に送信することを特徴とする。
【選択図】図4
【発明が解決しようとする課題】プリペイド式移動体通信システムにおける接続の煩雑さを解消すると共に、発信者の識別機能、電話帳機能などの多機能性を付加したプリペイド用ユニットを提供すること。
【解決手段】移動体通信機器1に接続され、少なくともアクセス番号、ID番号、及び暗証番号を該移動体通信機器を介して送信可能なプリペイド用ユニット30において、操作部31、ユニット制御部32及び記憶部34を有し、該ユニット制御部は、該操作部からの入力信号に基づき、該記憶部から特定のデータを呼び出し、該データ又は該データから加工されたデータを、プリペイド用ユニットから移動体通信機器に送信することを特徴とする。
【選択図】図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリペイド用ユニットに関し、特に、携帯電話等の移動体通信機器による交信時間をプリペイド(前払い)方式により管理・運営するプリペイド式移動体通信システムで利用可能なプリペイド用ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電話等の移動体通信機器が急速に普及している。このような移動体通信機器における通話・通信料金の徴収は、一定期間の使用料を、該移動体通信機器の利用者・契約者に請求し、徴収する後払い方式が一般的である。
しかしながら、このような後払い方式では、使用料を支払う以前に携帯電話などが廃棄された場合には、通信事業者が使用料金を徴収できないという不具合を生じる。
【0003】
このような問題を解消するためには、例えば、特許第3369140号公報に示すように、移動体通信機器の利用者に対して、予め使用料金をプリペイド金額として支払わせておき、移動体通信機器が利用される毎に、前記プリペイド金額から使用料金を差し引く、いわゆるプリペイド方式が導入されている。
【0004】
また、他人の携帯電話を利用した際に使用料を利用者が支払う場合や、従業員の所有する携帯電話を職務で利用する際に使用料を雇用者が支払う場合など、携帯電話等の移動体通信機器の所有者と使用料金を支払う者とが異なる場合では、プリペイド・カードを利用する方法が、提案されている。
さらに、携帯電話を契約した通信事業者ではなく、より安い特定の電話交換機にフリーコール・システム(電話交換局が通話・通信料金を支払う通信システム)を利用してアクセスし、該電話交換機を介して通信する方法が提案され、この中でもプリペイド・カードが利用されている。
【0005】
プリペイド・カードを利用する方法は、例えば、特開2002−64638号公報に開示されているように、利用者は、まず、プリペイド・カードを、コンビニエンス・ストアなどの販売店舗で購入し、携帯電話を利用する際に、該プリペイド・カードに表示されているフリーコールのアクセス番号に電話を掛け、次に、該カードに表示されているID番号及び暗証番号を入力し、最後に、相手先の電話番号を入力することにより、通話を行う。
【0006】
プリペイド・カードは、使用料金の支払いの煩雑さが解消され、しかも、多様な利用形態を可能とすることから、高い利便性を有する反面、フリーコールのアクセス番号、ID番号、及び暗証番号など、通話に係る各種情報入力が煩雑であり、しかも、プリペイド・カード毎にこれらの番号の一部又は全部を変更するなど、不具合も生じている。
このため、これらの各種情報を入力する手間を省くための自動接続装置が、実用新案登録第3085713号公報に提案されている。
【0007】
該自動接続装置の利用方法は、別途設けられた専用入力装置により、プリペイドカードに記載された情報を、自動接続装置内に設けられたメモリに転送し、該自動接続装置を携帯電話に差し込み、該情報を携帯電話に転送することにより、利用者が各種番号を入力する手間を省略することを可能とするものである。
【0008】
また、プリペイド方式の移動体通信システムでは、通常、電話料金を割安に設定するため米国などの海外に設置された電話交換機が利用されている。このため、該電話交換機を介して行う通信は国際電話扱いとなるため、相手先電話に発信者表示機能が備えられていても、「通信者表示不能」が表示されることとなる。このため、相手側においては、通話を行うべきか否かの判断が難しいという問題を生じていた。
【0009】
さらに、通常の携帯電話などでは、相手先電話番号を予め登録する電話帳機能が付加されているが、プリペイド方式の移動体通信システムでは、フリーコールのアクセス番号が携帯電話の発信電話番号となり、しかもアクセス番号の電話交換機に接続した後では、電話帳機能を起動することが禁止されているため、相手先電話番号を呼び出すことが困難となる。また、仮に呼び出した場合でも、国際電話となるため、相手先電話番号の入力前に相手先の国番号を入力することが必要であり、該電話帳機能の利便性(相手先電話番号を入力する必要がないこと)が減少するという結果を招いていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上述した問題を解決し、プリペイド式移動体通信システムにおける接続の煩雑さを解消すると共に、発信者の識別機能、電話帳機能などの多機能性を付加したプリペイド用ユニットを提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明では、移動体通信機器に接続され、少なくともアクセス番号、ID番号、及び暗証番号を該移動体通信機器を介して送信可能なプリペイド用ユニットにおいて、操作部、ユニット制御部及び記憶部を有し、該ユニット制御部は、該操作部からの入力信号に基づき、該記憶部から特定のデータを呼び出し、該データ又は該データから加工されたデータを、プリペイド用ユニットから移動体通信機器に送信することを特徴とする。
【0012】
請求項1に係る発明により、プリペイド用ユニットは、プリペイド式移動体通信システムを利用するために必要なアクセス番号、ID番号、及び暗証番号のみを記憶するだけでなく、例えば、移動体通信機器の電話帳機能に代わるデータや、相手先の電話表示部に発信者表示を行うための電話表示制御データなど各種のデータが蓄積可能であり、必要に応じて、これらのデータを呼出し、移動体通信機器を介して発信可能とすることにより、通常の電話と同様の利便性を確保すると共に、付加価値の高い通信も可能となる。
しかも、これらのデータの呼出しは、プリペイド用ユニットに設けられた操作部の操作により実行可能としているため、移動体通信機器が電話帳機能などを有していない場合においても利用することができる。
【0013】
また、請求項2に係る発明では、移動体通信機器に接続され、少なくともアクセス番号、ID番号、及び暗証番号を該移動体通信機器を介して送信可能なプリペイド用ユニットにおいて、ユニット制御部及び記憶部を有し、該ユニット制御部は、移動体通信機器に設けられたキー入力部の操作に連動して発生された入力信号を該移動体通信機器から受信し、該入力信号に基づき、該記憶部から特定のデータを呼び出し、該データ又は該データから加工されたデータを、プリペイド用ユニットから移動体通信機器に送信することを特徴とする。
【0014】
請求項2に係る発明により、請求項1の説明で述べたように、プリペイド式移動体通信システムを利用した場合でも、通常の電話と同様の利便性を確保すると共に、付加価値の高い通信も可能となる。
さらに、プリペイド用ユニットに蓄積されたデータの呼出しを、移動体通信機器のキー入力部の操作により可能としているため、プリペイド用ユニットに操作部を設ける必要が無く、該ユニットをコンパクトに構成することが可能となると共に、製造コストも低減することができる。
【0015】
また、請求項3に係る発明では、請求項1又は2に記載のプリペイド用ユニットにおいて、該特定のデータは、相手先電話番号データ、インターネットURLデータ、音声データ、又は電話表示制御信号データのうち少なくとも1種のデータを含むことを特徴とする。
【0016】
請求項3に係る発明により、プリペイド用ユニットに相手先電話番号データを蓄積することにより、プリペイド式移動体通信システムを利用する場合においても、相手先電話番号(海外に設置された電話交換機にアクセスする場合には、国番号を含む)を入力する手間を省略することが可能となる。
また、インターネットURLデータを蓄積することにより、インターネット回線を利用して相手先の通信機器にアクセスする場合でも、相手先のURLを入力する手間が省略できる。
音声データを蓄積することにより、相手側が電話に出た際又は通話中に、該音声データを送信することが可能となり、付加価値の高い通話を実現できる。
さらに、電話表示制御信号データを蓄積することにより、海外の電話交換機を介して相手先の通信機器に接続する場合でも、相手側の呼出し信号に併せて、該電話表示制御信号データを送信し、相手側の通信機器の表示部に該電話表示制御信号データに対応した内容を表示させることにより、相手側が安心して受信することができる。
【0017】
また、請求項4に係る発明では、請求項1乃至3のいずれかに記載のプリペイド用ユニットにおいて、該特定のデータは、該移動体通信機器により入力されたデータであることを特徴とする。
【0018】
請求項4に係る発明により、プリペイド用ユニットに特定のデータを蓄積する際に、移動体通信機器を利用できるため、該ユニット自体に、多くの操作部を設ける必要が無く、該ユニットをコンパクトに構成することが可能となる。
【0019】
また、請求項5に係る発明では、請求項1乃至4のいずれかに記載のプリペイド用ユニットにおいて、該ユニット制御部は、該移動体通信機器と該プリペイド用ユニットが接続された際又は両者が接続された状態で該プリペイド用ユニットの電源がオン状態となった際には、移動体通信機器の表示部を制御する信号を該移動体通信機器に送信し、その後、該移動体通信機器と該プリペイド用ユニットとの間における交信状態に対応する内容を該表示部に表示するよう制御する信号を該移動体通信機器に送信することを特徴とする。
【0020】
請求項5に係る発明により、移動体通信機器の表示部を利用して、プリペイド用ユニットと該移動体通信機器との間の交信状態を表示することが可能となり、利用者は、該表示部を見ながら交信状態を制御できるため、多様なデータ入力が可能となると共に、確実なデータ交信が実現できる。
【0021】
また、請求項6に係る発明では、請求項1乃至5のいずれかに記載のプリペイド用ユニットにおいて、該移動体通信機器は、携帯電話であることを特徴とする。
【0022】
プリペイド式移動体通信システムは、特に、携帯電話で有効な通信システムであり、請求項6に係る発明のように、移動体通信機器を携帯電話とすることにより、これらの利便性を多くの携帯電話利用者が享受可能となる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を好適例を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明に係るプリペイド式移動体通信システムの全体構成を示す図である。以下では、移動体通信機器として携帯電話を例に説明するが、PHS、モバイルPCなど、移動可能な通信機器であり公衆回線網の電話交換機を利用するものであるならば、本発明を適用することが可能である。
携帯電話1は、電話回線又はインターネット回線などの公衆回線網4に接続された無線基地局(不図示)と交信可能に設定されている。該公衆回線網4上には電話交換機6が設置され、携帯電話1からの通信信号は、該電話交換機6を経由して、公衆回線網8(4の公衆回線網と同じであっても良い)上に接続された携帯電話9又は電話10に接続されている。携帯電話9又は電話10は、携帯電話1により指定された相手先の通信機器であり、電話に限らずパーソナル・コンピュータであっても良い。
【0024】
また、電話交換機6は、接続管理サーバ7に接続され、接続管理サーバに蓄積されたプリペイド式移動体通信システムに関係するID番号、暗証番号、接続可能時間などのプリペイド関連情報にしたがって、制御されている。電話交換機6と接続管理サーバは一体化することも可能であり、その場合には、一体化された装置の中で、電話交換機に関する機能を有する部分と接続管理サーバに関する機能を有する部分とに分かれて、相互に連携が行われている。
さらに、電話交換機6を電話利用料金が低額な海外に設置し、通常の携帯電話による接続料金と比較して、割安な料金で通信サービスを提供することも可能である。
【0025】
接続管理サーバ7に記憶されるプリペイド関連情報は、プリペイド式移動体通信システムを運営管理するよう事業者が有する通信管理事業者用ホストコンピュータ5により、公衆回線網4を介して入力される。
また、プリペイド用ユニットなどの販売に関する情報は、店舗端末2及び販売情報管理用コンピュータ3などで構成される既存のPOSシステムを利用して集められ、該ホストコンピュータ5に提供するよう構成されている。
【0026】
次に、プリペイド式移動体通信の通信プロセスについて、図2に従って説明する。
携帯電話1から、電話交換機6を特定するアクセス番号(通常、フリーダイヤルが設定された電話番号)が入力され、公衆回線網4を介して電話交換機6に接続される。電話交換機6はアクセスがあると、接続管理サーバ7の指令により、ID番号の入力を携帯電話1に要求する。このような電話交換機6から携帯電話1への各種入力要求や付加情報を送信する際には、特定の信号データ又は音声メッセージが利用される。これらの信号データ及びメッセージは、接続管理サーバ7又は電話交換機6に予め蓄積して、利用することが可能である。
【0027】
携帯電話1は、電話交換機6からのID番号入力要求に対し、予め指定されたID番号を携帯電話の入力キー又は後述するプリペイド用ユニットにより入力し、電話交換機6に送信する。
電話交換機6は入力されたID番号を接続管理サーバに照会し、接続管理サーバに蓄積されたID番号の中に、該当するID番号があるか否かが確認される。
次に(上記ID番号の確認後又はID番号の確認と並行して)、電話交換機6は、携帯電話1に対し暗証番号入力を要求する。これに対応して携帯電話1は、ID番号入力と同様に、暗証番号を入力し、電話交換機6に送信する。
電話交換機6は、再度、入力された暗証番号が、接続管理サーバに蓄積された暗証番号の中に、該当する暗証番号があるか否かを確認する。
接続管理サーバ内に、入力されたID番号又は暗証番号のいずれかが無い場合には、「入力したID番号(又は暗証番号)が、誤りです。再度、入力をして下さい。」のメッセージと共に、再度、各種番号入力を要求する。または、「該当したID番号(又は暗証番号)がありません。接続を切断します。」とのメッセージと共に、回線接続を切断するよう構成することができる。
【0028】
入力されたID番号及び暗証番号が正しい場合には、接続管理サーバに蓄積された接続可能時間を読み出し、接続可能時間が0秒の場合には、「接続可能時間が残っていません。新たに接続可能時間の延長手続をして下さい。」とのメッセージを流し、回線接続を切断する。また、接続可能時間が○○分(秒)残っている場合には、「接続可能時間は、残り○○分(秒)です。相手先の電話番号を入力して下さい。」とのメッセージと共に、相手先電話番号の入力を要求する。
携帯電話1は、電話交換機6の要求に従って相手先電話番号を、携帯電話1の入力キー又はプリペイド用ユニットを利用して入力する。
電話交換機6は、入力された相手先電話番号に従い、公衆回線網8を介して相手先の携帯電話9又は電話10を呼出し、相手先が応答した際に、両者の通話回線の接続を開始する。
【0029】
電話交換機6又は接続管理サーバ7は、通話開始より経過した時間を、接続管理サーバに蓄積されている接続可能時間から減算し、減算結果が0秒となった時点で、電話交換機6の回線接続を遮断する。なお、残り時間が少なくなった時点で、「残り時間は、○○分(秒)です。」というメッセージを携帯電話1に送信するよう構成することも可能である。
【0030】
次に、本発明のプリペイド式移動体通信システムに利用されるプリペイド用ユニットについて説明する。
図3は、携帯電話1とプリペイド用ユニット30との斜視図である。
携帯電話1には、液晶表示装置などの薄型表示パネルを利用した表示部21、テンキーや通話ボタン、電話帳機能・電子メール・インターネット機能・音量調整等の基本機能など各種機能の設定に利用されるモードボタンなどを有するキー入力部22、無線通信に利用されるアンテナ29などを有している。
また、プリペイド用ユニット30には、後述する各種機能を実現するための操作部31が設けられている。
さらに、携帯電話1には差込口40が、プリペイド用ユニット30には突起41が各々形成されており、両者を嵌め込むことで、携帯電話1とプリペイド用ユニット30を双方向通信可能に電気接続される。
【0031】
図4は、携帯電話1及びプリペイド用ユニット20の電気回路を示すブロック図である。
携帯電話側には、表示部21、キー入力部22、アンテナ29以外に、中央制御部を介して、通話部23、メモリ24、送受信部26が接続され、電源部27は、中央制御部25に電力を供給すると共に、中央制御部の制御に従い、通話部23、表示部21、メモリ24、送受信部26への必要な電力供給も行う。
メモリ24には、電話機能、電子メール・インターネット機能など携帯電話に係る基本的な機能を実現するために必要なプログラムが格納されているだけでなく、電話帳データ、電子メールデータ、インターネットURLデータ、画像・テキストデータなどの各種データを、書込み・消去可能とするためのメモリも有している。
また、携帯電話1には、外部情報機器との通信を可能とするための入出力部(I/O)28が設けられ、中央制御部25からの信号を外部出力すると共に、外部からの信号を中央制御部25に入力可能なように構成されている。
【0032】
プリペイド用ユニット30には、操作部31以外に、ユニット内の情報処理を実行するためのユニット制御部32、メモリ33、電源部34、携帯電話1と通信するための入出力部(I/O)35が形成されている。
メモリ33には、本発明に係るプリペイド式移動体通信システムに必要な情報が、プリペイド式移動体通信システムを運営管理する事業者により予め記憶させられている。具体的には、所定の電話交換機6へ接続するためのアクセス番号、利用者が利用しているプリペイド用ユニットを特定するためのID番号、不正アクセスを排除するために設けられ、該ID番号に対応して設定される暗証番号が、記憶されている。
電源部34は、ユニット制御部32に電力供給を行うと共に、メモリ33の書込み・消去動作や記憶保持のために必要な電力を、ユニット制御部32の命令により供給する。
【0033】
また、メモリ33には、携帯電話1と交信し必要な情報処理を行うための制御プログラムが記憶されていると共に、相手先電話番号データ、インターネットURLデータ、音声データ、及び電話表示制御信号データなどが格納されている。
相手先電話番号データには、相手先電話番号(海外に設置された電話交換機にアクセスする場合には、国番号を含む)を、インターネットURLデータには、インターネット回線を利用してアクセスする相手先通信機器に係るURLを、各々蓄積しており、相手側へアクセスする際に呼出され、携帯電話1を介して発信される。
【0034】
相手先電話番号データやインターネットURLデータの記憶方法を説明する。
まず、携帯電話1にプリペイド用ユニット30を接続することにより、ユニット制御部32から中央制御部25に対して、表示部21にプリペイド用ユニットの利用メニュー画面を表示させる信号を送信し、図5に示すようなメニュー画面を表示部21に表示させる。
キー入力部22のテンキー又はカーソル・ボタンにより、該メニュー画面中の「3.アクセス先登録」を選択すると共に、テンキーなどを利用して必要な情報を入力し、メモリ33に登録する。
また、メモリ33内に複数の相手先電話番号データやインターネットURLデータを登録する場合には、登録先を指定する方法として、携帯電話で利用されているような表示画面の案内に従って、順次、キー入力部22を操作することにより、登録先を選定する方法や、キー入力部22と操作部31を組み合わせて操作することにより、登録先を指定することも可能である。
【0035】
相手先電話番号データやインターネットURLデータを利用して、プリペイド式移動体通信システムに接続する方法を説明する。
まず、表示部21に図5のメニュー画面を表示し、「2.登録先へアクセス」をキー入力部22を利用して選定する。
次に、上述した登録先の指定方法と同様に、表示画面の案内に従い、キー入力部22又は操作部31を操作し、希望の相手先の電話番号又はURLを指定する。
該指定の操作により、または、該指定後にキー入力部22の通話ボタンあるいは操作部31の特定ボタンを押すことにより、プリペイド式移動体通信システムへのアクセスを開始する。
該アクセスの際には、プリペイド用ユニット30は、上記アクセス番号、ID番号、暗証番号を順次発信し、プリペイド式移動体通信システムへ接続完了後、上記指定により選定された相手先の電話番号又はURLを送信する。
【0036】
メモリ33には、音声データが蓄積可能に構成されている。
音声データは、相手側が電話に出た際又は通話中に発信する音声が蓄積されたものであり、また、会話中の音声を記録するためにも利用される。例えば、相手側が電話に出た際にオリジナルメロディーを送信し、誰からの電話であるかの識別性を高めたり、会話の録音を行うことにより、通話終了後、再生する機能を付加するなど、付加価値の高い通信を実現できる。
音声データの記憶方法は、例えば、図5のメニュー画面から「4.音声登録」を選択し、携帯電話1のマイク(不図示)を利用して音声を録音する方法や、携帯電話内に蓄積されたメロディーを転送する方法などがある。また、通話中に操作部31の特定ボタンを押すことにより、会話をメモリ33に蓄積可能とする方法もある。
音声データの再生方法は、例えば、相手側が電話に出たことを、呼出し音が途切れることで検知し、音声データとして蓄積されたオリジナルメロディーを、再生し、相手側に送信するように構成することができる。
また、操作部31の特定ボタンを押すことにより、携帯電話1のスピーカ(不図示)を利用して音声データを再生することも可能である。
【0037】
また、メモリ33には、電話表示制御信号データが蓄積可能に構成されている。
電話表示制御信号とは、相手先の通信機器に特定信号を送信することにより、該通信機器の表示部に、例えば、発信者の携帯電話番号や各種メッセージを表示させるための信号である。
電話表示制御信号データを蓄積することにより、海外の電話交換機を介して相手先の通信機器に接続する場合でも、相手側の呼出し信号に併せて、該電話表示制御信号データを自動的に送信し、相手側の通信機器の表示部に該電話表示制御信号データに対応した内容を表示させることにより、相手側が安心して受信することを可能とする。なお、該電話表示制御信号データを送信するか否かについては、プリペイド式移動体通信システムにアクセスする前に、操作部31の特定ボタンを押すことにより選択可能とすることが望ましい。
メモリ33への電話表示制御信号データの記憶方法としては、上述した電話番号データ等の登録方法と同様に、図5のメニュー画面から「5.電話表示メッセージ登録」を選択し、表示画面の案内に従い、キー入力部22又は操作部31を操作し、電話番号、やメッセージなど任意の文字情報を入力する。
【0038】
次に、プリペイド用ユニット30を用いた通信方法について説明する。
まず、プリペイド用ユニット30を携帯電話1に差し込み、メモリ33に格納されたアクセス番号を、表示部21に表示させる。この際、携帯電話1の差込口40にプリペイド用ユニット30の突起41を嵌め込むことで、両者を通信可能状態とすることも可能であるが、実用新案登録第3085713号公報に提案されているように、電源スイッチをプリペイド用ユニットに別途設け、該スイッチが操作されることによりプリペイド用ユニットが作動開始するように構成することも可能である。
【0039】
表示部21に図5のメニュー画面を表示させた後、「1.通信アクセス」又は「2.登録先へアクセス」のいずれかをキー入力部22で選定する。
「1.通信アクセス」を選定した場合には、携帯電話1から電話交換機6に対するアクセスが開始される。その後、図2のように、電話交換機6から携帯電話1に対して送信される特定の信号データ又は音声メッセージによるID番号及び暗証番号要求に応じて、例えば、中央制御部25及びユニット制御部32が連動して、メモリ33に蓄積された該当番号を送信する。
電話交換機6及び接続管理サーバ7によりID番号、暗証番号の確認が終了した後は、上述の相手先電話番号の入力要求に従い、キー入力部22のテンキーにより相手先電話番号を入力することにより、通話が開始される。
また、「2.登録先へアクセス」を選択した場合には、上述したように相手先電話番号データやインターネットURLデータから任意の相手先を選択し、送信することが可能となる。
【0040】
なお、上記説明においては、通常の電話回線を利用した通信システムを中心に説明したが、本発明はこれに限るものではなく、電話交換機6をインターネット回線を利用する電話サービスの電話交換機とすることにより、インターネット電話においても実現することが可能である。
【0041】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明のプリペイド用ユニットによれば、プリペイド式移動体通信システムにおける接続の煩雑さを解消すると共に、発信者の識別機能、電話帳機能などの様々な機能が実現でき、プリペイド式移動体通信システムの利便性を高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプリペイド式移動体通信システムの概略図
【図2】プリペイド式移動体通信の通信プロセスを説明する図
【図3】携帯電話及びプリペイド用ユニットの斜視図
【図4】携帯電話及びプリペイド用ユニットの電気回路を示すブロック図
【図5】メニュー画面の例を示す図
【符号の説明】
1,9 携帯電話
2 店舗端末
3 販売情報管理用コンピュータ
4,8 公衆回線網
5 通信管理事業者用ホストコンピュータ
6 電話交換機
7 接続管理サーバ
10 電話
30 プリペイド用ユニット
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリペイド用ユニットに関し、特に、携帯電話等の移動体通信機器による交信時間をプリペイド(前払い)方式により管理・運営するプリペイド式移動体通信システムで利用可能なプリペイド用ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電話等の移動体通信機器が急速に普及している。このような移動体通信機器における通話・通信料金の徴収は、一定期間の使用料を、該移動体通信機器の利用者・契約者に請求し、徴収する後払い方式が一般的である。
しかしながら、このような後払い方式では、使用料を支払う以前に携帯電話などが廃棄された場合には、通信事業者が使用料金を徴収できないという不具合を生じる。
【0003】
このような問題を解消するためには、例えば、特許第3369140号公報に示すように、移動体通信機器の利用者に対して、予め使用料金をプリペイド金額として支払わせておき、移動体通信機器が利用される毎に、前記プリペイド金額から使用料金を差し引く、いわゆるプリペイド方式が導入されている。
【0004】
また、他人の携帯電話を利用した際に使用料を利用者が支払う場合や、従業員の所有する携帯電話を職務で利用する際に使用料を雇用者が支払う場合など、携帯電話等の移動体通信機器の所有者と使用料金を支払う者とが異なる場合では、プリペイド・カードを利用する方法が、提案されている。
さらに、携帯電話を契約した通信事業者ではなく、より安い特定の電話交換機にフリーコール・システム(電話交換局が通話・通信料金を支払う通信システム)を利用してアクセスし、該電話交換機を介して通信する方法が提案され、この中でもプリペイド・カードが利用されている。
【0005】
プリペイド・カードを利用する方法は、例えば、特開2002−64638号公報に開示されているように、利用者は、まず、プリペイド・カードを、コンビニエンス・ストアなどの販売店舗で購入し、携帯電話を利用する際に、該プリペイド・カードに表示されているフリーコールのアクセス番号に電話を掛け、次に、該カードに表示されているID番号及び暗証番号を入力し、最後に、相手先の電話番号を入力することにより、通話を行う。
【0006】
プリペイド・カードは、使用料金の支払いの煩雑さが解消され、しかも、多様な利用形態を可能とすることから、高い利便性を有する反面、フリーコールのアクセス番号、ID番号、及び暗証番号など、通話に係る各種情報入力が煩雑であり、しかも、プリペイド・カード毎にこれらの番号の一部又は全部を変更するなど、不具合も生じている。
このため、これらの各種情報を入力する手間を省くための自動接続装置が、実用新案登録第3085713号公報に提案されている。
【0007】
該自動接続装置の利用方法は、別途設けられた専用入力装置により、プリペイドカードに記載された情報を、自動接続装置内に設けられたメモリに転送し、該自動接続装置を携帯電話に差し込み、該情報を携帯電話に転送することにより、利用者が各種番号を入力する手間を省略することを可能とするものである。
【0008】
また、プリペイド方式の移動体通信システムでは、通常、電話料金を割安に設定するため米国などの海外に設置された電話交換機が利用されている。このため、該電話交換機を介して行う通信は国際電話扱いとなるため、相手先電話に発信者表示機能が備えられていても、「通信者表示不能」が表示されることとなる。このため、相手側においては、通話を行うべきか否かの判断が難しいという問題を生じていた。
【0009】
さらに、通常の携帯電話などでは、相手先電話番号を予め登録する電話帳機能が付加されているが、プリペイド方式の移動体通信システムでは、フリーコールのアクセス番号が携帯電話の発信電話番号となり、しかもアクセス番号の電話交換機に接続した後では、電話帳機能を起動することが禁止されているため、相手先電話番号を呼び出すことが困難となる。また、仮に呼び出した場合でも、国際電話となるため、相手先電話番号の入力前に相手先の国番号を入力することが必要であり、該電話帳機能の利便性(相手先電話番号を入力する必要がないこと)が減少するという結果を招いていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上述した問題を解決し、プリペイド式移動体通信システムにおける接続の煩雑さを解消すると共に、発信者の識別機能、電話帳機能などの多機能性を付加したプリペイド用ユニットを提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明では、移動体通信機器に接続され、少なくともアクセス番号、ID番号、及び暗証番号を該移動体通信機器を介して送信可能なプリペイド用ユニットにおいて、操作部、ユニット制御部及び記憶部を有し、該ユニット制御部は、該操作部からの入力信号に基づき、該記憶部から特定のデータを呼び出し、該データ又は該データから加工されたデータを、プリペイド用ユニットから移動体通信機器に送信することを特徴とする。
【0012】
請求項1に係る発明により、プリペイド用ユニットは、プリペイド式移動体通信システムを利用するために必要なアクセス番号、ID番号、及び暗証番号のみを記憶するだけでなく、例えば、移動体通信機器の電話帳機能に代わるデータや、相手先の電話表示部に発信者表示を行うための電話表示制御データなど各種のデータが蓄積可能であり、必要に応じて、これらのデータを呼出し、移動体通信機器を介して発信可能とすることにより、通常の電話と同様の利便性を確保すると共に、付加価値の高い通信も可能となる。
しかも、これらのデータの呼出しは、プリペイド用ユニットに設けられた操作部の操作により実行可能としているため、移動体通信機器が電話帳機能などを有していない場合においても利用することができる。
【0013】
また、請求項2に係る発明では、移動体通信機器に接続され、少なくともアクセス番号、ID番号、及び暗証番号を該移動体通信機器を介して送信可能なプリペイド用ユニットにおいて、ユニット制御部及び記憶部を有し、該ユニット制御部は、移動体通信機器に設けられたキー入力部の操作に連動して発生された入力信号を該移動体通信機器から受信し、該入力信号に基づき、該記憶部から特定のデータを呼び出し、該データ又は該データから加工されたデータを、プリペイド用ユニットから移動体通信機器に送信することを特徴とする。
【0014】
請求項2に係る発明により、請求項1の説明で述べたように、プリペイド式移動体通信システムを利用した場合でも、通常の電話と同様の利便性を確保すると共に、付加価値の高い通信も可能となる。
さらに、プリペイド用ユニットに蓄積されたデータの呼出しを、移動体通信機器のキー入力部の操作により可能としているため、プリペイド用ユニットに操作部を設ける必要が無く、該ユニットをコンパクトに構成することが可能となると共に、製造コストも低減することができる。
【0015】
また、請求項3に係る発明では、請求項1又は2に記載のプリペイド用ユニットにおいて、該特定のデータは、相手先電話番号データ、インターネットURLデータ、音声データ、又は電話表示制御信号データのうち少なくとも1種のデータを含むことを特徴とする。
【0016】
請求項3に係る発明により、プリペイド用ユニットに相手先電話番号データを蓄積することにより、プリペイド式移動体通信システムを利用する場合においても、相手先電話番号(海外に設置された電話交換機にアクセスする場合には、国番号を含む)を入力する手間を省略することが可能となる。
また、インターネットURLデータを蓄積することにより、インターネット回線を利用して相手先の通信機器にアクセスする場合でも、相手先のURLを入力する手間が省略できる。
音声データを蓄積することにより、相手側が電話に出た際又は通話中に、該音声データを送信することが可能となり、付加価値の高い通話を実現できる。
さらに、電話表示制御信号データを蓄積することにより、海外の電話交換機を介して相手先の通信機器に接続する場合でも、相手側の呼出し信号に併せて、該電話表示制御信号データを送信し、相手側の通信機器の表示部に該電話表示制御信号データに対応した内容を表示させることにより、相手側が安心して受信することができる。
【0017】
また、請求項4に係る発明では、請求項1乃至3のいずれかに記載のプリペイド用ユニットにおいて、該特定のデータは、該移動体通信機器により入力されたデータであることを特徴とする。
【0018】
請求項4に係る発明により、プリペイド用ユニットに特定のデータを蓄積する際に、移動体通信機器を利用できるため、該ユニット自体に、多くの操作部を設ける必要が無く、該ユニットをコンパクトに構成することが可能となる。
【0019】
また、請求項5に係る発明では、請求項1乃至4のいずれかに記載のプリペイド用ユニットにおいて、該ユニット制御部は、該移動体通信機器と該プリペイド用ユニットが接続された際又は両者が接続された状態で該プリペイド用ユニットの電源がオン状態となった際には、移動体通信機器の表示部を制御する信号を該移動体通信機器に送信し、その後、該移動体通信機器と該プリペイド用ユニットとの間における交信状態に対応する内容を該表示部に表示するよう制御する信号を該移動体通信機器に送信することを特徴とする。
【0020】
請求項5に係る発明により、移動体通信機器の表示部を利用して、プリペイド用ユニットと該移動体通信機器との間の交信状態を表示することが可能となり、利用者は、該表示部を見ながら交信状態を制御できるため、多様なデータ入力が可能となると共に、確実なデータ交信が実現できる。
【0021】
また、請求項6に係る発明では、請求項1乃至5のいずれかに記載のプリペイド用ユニットにおいて、該移動体通信機器は、携帯電話であることを特徴とする。
【0022】
プリペイド式移動体通信システムは、特に、携帯電話で有効な通信システムであり、請求項6に係る発明のように、移動体通信機器を携帯電話とすることにより、これらの利便性を多くの携帯電話利用者が享受可能となる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を好適例を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明に係るプリペイド式移動体通信システムの全体構成を示す図である。以下では、移動体通信機器として携帯電話を例に説明するが、PHS、モバイルPCなど、移動可能な通信機器であり公衆回線網の電話交換機を利用するものであるならば、本発明を適用することが可能である。
携帯電話1は、電話回線又はインターネット回線などの公衆回線網4に接続された無線基地局(不図示)と交信可能に設定されている。該公衆回線網4上には電話交換機6が設置され、携帯電話1からの通信信号は、該電話交換機6を経由して、公衆回線網8(4の公衆回線網と同じであっても良い)上に接続された携帯電話9又は電話10に接続されている。携帯電話9又は電話10は、携帯電話1により指定された相手先の通信機器であり、電話に限らずパーソナル・コンピュータであっても良い。
【0024】
また、電話交換機6は、接続管理サーバ7に接続され、接続管理サーバに蓄積されたプリペイド式移動体通信システムに関係するID番号、暗証番号、接続可能時間などのプリペイド関連情報にしたがって、制御されている。電話交換機6と接続管理サーバは一体化することも可能であり、その場合には、一体化された装置の中で、電話交換機に関する機能を有する部分と接続管理サーバに関する機能を有する部分とに分かれて、相互に連携が行われている。
さらに、電話交換機6を電話利用料金が低額な海外に設置し、通常の携帯電話による接続料金と比較して、割安な料金で通信サービスを提供することも可能である。
【0025】
接続管理サーバ7に記憶されるプリペイド関連情報は、プリペイド式移動体通信システムを運営管理するよう事業者が有する通信管理事業者用ホストコンピュータ5により、公衆回線網4を介して入力される。
また、プリペイド用ユニットなどの販売に関する情報は、店舗端末2及び販売情報管理用コンピュータ3などで構成される既存のPOSシステムを利用して集められ、該ホストコンピュータ5に提供するよう構成されている。
【0026】
次に、プリペイド式移動体通信の通信プロセスについて、図2に従って説明する。
携帯電話1から、電話交換機6を特定するアクセス番号(通常、フリーダイヤルが設定された電話番号)が入力され、公衆回線網4を介して電話交換機6に接続される。電話交換機6はアクセスがあると、接続管理サーバ7の指令により、ID番号の入力を携帯電話1に要求する。このような電話交換機6から携帯電話1への各種入力要求や付加情報を送信する際には、特定の信号データ又は音声メッセージが利用される。これらの信号データ及びメッセージは、接続管理サーバ7又は電話交換機6に予め蓄積して、利用することが可能である。
【0027】
携帯電話1は、電話交換機6からのID番号入力要求に対し、予め指定されたID番号を携帯電話の入力キー又は後述するプリペイド用ユニットにより入力し、電話交換機6に送信する。
電話交換機6は入力されたID番号を接続管理サーバに照会し、接続管理サーバに蓄積されたID番号の中に、該当するID番号があるか否かが確認される。
次に(上記ID番号の確認後又はID番号の確認と並行して)、電話交換機6は、携帯電話1に対し暗証番号入力を要求する。これに対応して携帯電話1は、ID番号入力と同様に、暗証番号を入力し、電話交換機6に送信する。
電話交換機6は、再度、入力された暗証番号が、接続管理サーバに蓄積された暗証番号の中に、該当する暗証番号があるか否かを確認する。
接続管理サーバ内に、入力されたID番号又は暗証番号のいずれかが無い場合には、「入力したID番号(又は暗証番号)が、誤りです。再度、入力をして下さい。」のメッセージと共に、再度、各種番号入力を要求する。または、「該当したID番号(又は暗証番号)がありません。接続を切断します。」とのメッセージと共に、回線接続を切断するよう構成することができる。
【0028】
入力されたID番号及び暗証番号が正しい場合には、接続管理サーバに蓄積された接続可能時間を読み出し、接続可能時間が0秒の場合には、「接続可能時間が残っていません。新たに接続可能時間の延長手続をして下さい。」とのメッセージを流し、回線接続を切断する。また、接続可能時間が○○分(秒)残っている場合には、「接続可能時間は、残り○○分(秒)です。相手先の電話番号を入力して下さい。」とのメッセージと共に、相手先電話番号の入力を要求する。
携帯電話1は、電話交換機6の要求に従って相手先電話番号を、携帯電話1の入力キー又はプリペイド用ユニットを利用して入力する。
電話交換機6は、入力された相手先電話番号に従い、公衆回線網8を介して相手先の携帯電話9又は電話10を呼出し、相手先が応答した際に、両者の通話回線の接続を開始する。
【0029】
電話交換機6又は接続管理サーバ7は、通話開始より経過した時間を、接続管理サーバに蓄積されている接続可能時間から減算し、減算結果が0秒となった時点で、電話交換機6の回線接続を遮断する。なお、残り時間が少なくなった時点で、「残り時間は、○○分(秒)です。」というメッセージを携帯電話1に送信するよう構成することも可能である。
【0030】
次に、本発明のプリペイド式移動体通信システムに利用されるプリペイド用ユニットについて説明する。
図3は、携帯電話1とプリペイド用ユニット30との斜視図である。
携帯電話1には、液晶表示装置などの薄型表示パネルを利用した表示部21、テンキーや通話ボタン、電話帳機能・電子メール・インターネット機能・音量調整等の基本機能など各種機能の設定に利用されるモードボタンなどを有するキー入力部22、無線通信に利用されるアンテナ29などを有している。
また、プリペイド用ユニット30には、後述する各種機能を実現するための操作部31が設けられている。
さらに、携帯電話1には差込口40が、プリペイド用ユニット30には突起41が各々形成されており、両者を嵌め込むことで、携帯電話1とプリペイド用ユニット30を双方向通信可能に電気接続される。
【0031】
図4は、携帯電話1及びプリペイド用ユニット20の電気回路を示すブロック図である。
携帯電話側には、表示部21、キー入力部22、アンテナ29以外に、中央制御部を介して、通話部23、メモリ24、送受信部26が接続され、電源部27は、中央制御部25に電力を供給すると共に、中央制御部の制御に従い、通話部23、表示部21、メモリ24、送受信部26への必要な電力供給も行う。
メモリ24には、電話機能、電子メール・インターネット機能など携帯電話に係る基本的な機能を実現するために必要なプログラムが格納されているだけでなく、電話帳データ、電子メールデータ、インターネットURLデータ、画像・テキストデータなどの各種データを、書込み・消去可能とするためのメモリも有している。
また、携帯電話1には、外部情報機器との通信を可能とするための入出力部(I/O)28が設けられ、中央制御部25からの信号を外部出力すると共に、外部からの信号を中央制御部25に入力可能なように構成されている。
【0032】
プリペイド用ユニット30には、操作部31以外に、ユニット内の情報処理を実行するためのユニット制御部32、メモリ33、電源部34、携帯電話1と通信するための入出力部(I/O)35が形成されている。
メモリ33には、本発明に係るプリペイド式移動体通信システムに必要な情報が、プリペイド式移動体通信システムを運営管理する事業者により予め記憶させられている。具体的には、所定の電話交換機6へ接続するためのアクセス番号、利用者が利用しているプリペイド用ユニットを特定するためのID番号、不正アクセスを排除するために設けられ、該ID番号に対応して設定される暗証番号が、記憶されている。
電源部34は、ユニット制御部32に電力供給を行うと共に、メモリ33の書込み・消去動作や記憶保持のために必要な電力を、ユニット制御部32の命令により供給する。
【0033】
また、メモリ33には、携帯電話1と交信し必要な情報処理を行うための制御プログラムが記憶されていると共に、相手先電話番号データ、インターネットURLデータ、音声データ、及び電話表示制御信号データなどが格納されている。
相手先電話番号データには、相手先電話番号(海外に設置された電話交換機にアクセスする場合には、国番号を含む)を、インターネットURLデータには、インターネット回線を利用してアクセスする相手先通信機器に係るURLを、各々蓄積しており、相手側へアクセスする際に呼出され、携帯電話1を介して発信される。
【0034】
相手先電話番号データやインターネットURLデータの記憶方法を説明する。
まず、携帯電話1にプリペイド用ユニット30を接続することにより、ユニット制御部32から中央制御部25に対して、表示部21にプリペイド用ユニットの利用メニュー画面を表示させる信号を送信し、図5に示すようなメニュー画面を表示部21に表示させる。
キー入力部22のテンキー又はカーソル・ボタンにより、該メニュー画面中の「3.アクセス先登録」を選択すると共に、テンキーなどを利用して必要な情報を入力し、メモリ33に登録する。
また、メモリ33内に複数の相手先電話番号データやインターネットURLデータを登録する場合には、登録先を指定する方法として、携帯電話で利用されているような表示画面の案内に従って、順次、キー入力部22を操作することにより、登録先を選定する方法や、キー入力部22と操作部31を組み合わせて操作することにより、登録先を指定することも可能である。
【0035】
相手先電話番号データやインターネットURLデータを利用して、プリペイド式移動体通信システムに接続する方法を説明する。
まず、表示部21に図5のメニュー画面を表示し、「2.登録先へアクセス」をキー入力部22を利用して選定する。
次に、上述した登録先の指定方法と同様に、表示画面の案内に従い、キー入力部22又は操作部31を操作し、希望の相手先の電話番号又はURLを指定する。
該指定の操作により、または、該指定後にキー入力部22の通話ボタンあるいは操作部31の特定ボタンを押すことにより、プリペイド式移動体通信システムへのアクセスを開始する。
該アクセスの際には、プリペイド用ユニット30は、上記アクセス番号、ID番号、暗証番号を順次発信し、プリペイド式移動体通信システムへ接続完了後、上記指定により選定された相手先の電話番号又はURLを送信する。
【0036】
メモリ33には、音声データが蓄積可能に構成されている。
音声データは、相手側が電話に出た際又は通話中に発信する音声が蓄積されたものであり、また、会話中の音声を記録するためにも利用される。例えば、相手側が電話に出た際にオリジナルメロディーを送信し、誰からの電話であるかの識別性を高めたり、会話の録音を行うことにより、通話終了後、再生する機能を付加するなど、付加価値の高い通信を実現できる。
音声データの記憶方法は、例えば、図5のメニュー画面から「4.音声登録」を選択し、携帯電話1のマイク(不図示)を利用して音声を録音する方法や、携帯電話内に蓄積されたメロディーを転送する方法などがある。また、通話中に操作部31の特定ボタンを押すことにより、会話をメモリ33に蓄積可能とする方法もある。
音声データの再生方法は、例えば、相手側が電話に出たことを、呼出し音が途切れることで検知し、音声データとして蓄積されたオリジナルメロディーを、再生し、相手側に送信するように構成することができる。
また、操作部31の特定ボタンを押すことにより、携帯電話1のスピーカ(不図示)を利用して音声データを再生することも可能である。
【0037】
また、メモリ33には、電話表示制御信号データが蓄積可能に構成されている。
電話表示制御信号とは、相手先の通信機器に特定信号を送信することにより、該通信機器の表示部に、例えば、発信者の携帯電話番号や各種メッセージを表示させるための信号である。
電話表示制御信号データを蓄積することにより、海外の電話交換機を介して相手先の通信機器に接続する場合でも、相手側の呼出し信号に併せて、該電話表示制御信号データを自動的に送信し、相手側の通信機器の表示部に該電話表示制御信号データに対応した内容を表示させることにより、相手側が安心して受信することを可能とする。なお、該電話表示制御信号データを送信するか否かについては、プリペイド式移動体通信システムにアクセスする前に、操作部31の特定ボタンを押すことにより選択可能とすることが望ましい。
メモリ33への電話表示制御信号データの記憶方法としては、上述した電話番号データ等の登録方法と同様に、図5のメニュー画面から「5.電話表示メッセージ登録」を選択し、表示画面の案内に従い、キー入力部22又は操作部31を操作し、電話番号、やメッセージなど任意の文字情報を入力する。
【0038】
次に、プリペイド用ユニット30を用いた通信方法について説明する。
まず、プリペイド用ユニット30を携帯電話1に差し込み、メモリ33に格納されたアクセス番号を、表示部21に表示させる。この際、携帯電話1の差込口40にプリペイド用ユニット30の突起41を嵌め込むことで、両者を通信可能状態とすることも可能であるが、実用新案登録第3085713号公報に提案されているように、電源スイッチをプリペイド用ユニットに別途設け、該スイッチが操作されることによりプリペイド用ユニットが作動開始するように構成することも可能である。
【0039】
表示部21に図5のメニュー画面を表示させた後、「1.通信アクセス」又は「2.登録先へアクセス」のいずれかをキー入力部22で選定する。
「1.通信アクセス」を選定した場合には、携帯電話1から電話交換機6に対するアクセスが開始される。その後、図2のように、電話交換機6から携帯電話1に対して送信される特定の信号データ又は音声メッセージによるID番号及び暗証番号要求に応じて、例えば、中央制御部25及びユニット制御部32が連動して、メモリ33に蓄積された該当番号を送信する。
電話交換機6及び接続管理サーバ7によりID番号、暗証番号の確認が終了した後は、上述の相手先電話番号の入力要求に従い、キー入力部22のテンキーにより相手先電話番号を入力することにより、通話が開始される。
また、「2.登録先へアクセス」を選択した場合には、上述したように相手先電話番号データやインターネットURLデータから任意の相手先を選択し、送信することが可能となる。
【0040】
なお、上記説明においては、通常の電話回線を利用した通信システムを中心に説明したが、本発明はこれに限るものではなく、電話交換機6をインターネット回線を利用する電話サービスの電話交換機とすることにより、インターネット電話においても実現することが可能である。
【0041】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明のプリペイド用ユニットによれば、プリペイド式移動体通信システムにおける接続の煩雑さを解消すると共に、発信者の識別機能、電話帳機能などの様々な機能が実現でき、プリペイド式移動体通信システムの利便性を高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプリペイド式移動体通信システムの概略図
【図2】プリペイド式移動体通信の通信プロセスを説明する図
【図3】携帯電話及びプリペイド用ユニットの斜視図
【図4】携帯電話及びプリペイド用ユニットの電気回路を示すブロック図
【図5】メニュー画面の例を示す図
【符号の説明】
1,9 携帯電話
2 店舗端末
3 販売情報管理用コンピュータ
4,8 公衆回線網
5 通信管理事業者用ホストコンピュータ
6 電話交換機
7 接続管理サーバ
10 電話
30 プリペイド用ユニット
Claims (6)
- 移動体通信機器に接続され、少なくともアクセス番号、ID番号、及び暗証番号を該移動体通信機器を介して送信可能なプリペイド用ユニットにおいて、
操作部、ユニット制御部及び記憶部を有し、
該ユニット制御部は、該操作部からの入力信号に基づき、該記憶部から特定のデータを呼び出し、該データ又は該データから加工されたデータを、プリペイド用ユニットから移動体通信機器に送信することを特徴とするプリペイド用ユニット。 - 移動体通信機器に接続され、少なくともアクセス番号、ID番号、及び暗証番号を該移動体通信機器を介して送信可能なプリペイド用ユニットにおいて、
ユニット制御部及び記憶部を有し、
該ユニット制御部は、移動体通信機器に設けられたキー入力部の操作に連動して発生された入力信号を該移動体通信機器から受信し、該入力信号に基づき、該記憶部から特定のデータを呼び出し、該データ又は該データから加工されたデータを、プリペイド用ユニットから移動体通信機器に送信することを特徴とするプリペイド用ユニット。 - 請求項1又は2に記載のプリペイド用ユニットにおいて、該特定のデータは、相手先電話番号データ、インターネットURLデータ、音声データ、又は電話表示制御信号データのうち少なくとも1種のデータを含むことを特徴とするプリペイド用ユニット。
- 請求項1乃至3のいずれかに記載のプリペイド用ユニットにおいて、該特定のデータは、該移動体通信機器により入力されたデータであることを特徴とするプリペイド用ユニット。
- 請求項1乃至4のいずれかに記載のプリペイド用ユニットにおいて、該ユニット制御部は、該移動体通信機器と該プリペイド用ユニットが接続された際又は両者が接続された状態で該プリペイド用ユニットの電源がオン状態となった際には、移動体通信機器の表示部を制御する信号を該移動体通信機器に送信し、その後、該移動体通信機器と該プリペイド用ユニットとの間における交信状態に対応する内容を該表示部に表示するよう制御する信号を該移動体通信機器に送信することを特徴とするプリペイド用ユニット。
- 請求項1乃至5のいずれかに記載のプリペイド用ユニットにおいて、該移動体通信機器は、携帯電話であることを特徴とするプリペイド用ユニット。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2013207494A (ja) * | 2012-03-28 | 2013-10-07 | Kddi Corp | 無線lanアクセスポイントならびにその無線lan設定方法、プログラムおよびその記録媒体 |
-
2003
- 2003-03-20 JP JP2003079142A patent/JP2004289495A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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