JP2004289012A - 誘導加熱コイルユニット並びに半導体熱処理装置及び熱処理方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】真空チャンバ24との境界面を光透過型の遮蔽板である石英板22により遮蔽されたケーシング12を備える。前記ケーシング12の内部には前記石英板22との間に断熱材を介して、樹脂18により絶縁被膜された誘導加熱コイル14を備え、前記断熱材を備える空間にはエア抜きダクト16が備えられる。前記構成の誘導加熱コイルユニット10を備え、前記真空チャンバ24の内部には、前記石英板22に近接させてサセプタ26が備えられ、前記サセプタ26の下方には半導体ウェハ28が備えられる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、誘導加熱コイルユニット並びに半導体熱処理装置及び熱処理方法に係り、特に熱処理槽に真空チャンバを用いる場合に好適な、誘導加熱コイルユニット並びに半導体熱処理装置及び熱処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に半導体製造過程において、半導体ウェハ等の基板には酸化や拡散、あるいはアニールといった熱処理が施される。通常、熱処理のために、基板はプロセスチューブに入れられてチャンバ内で加熱される。その際、前記チャンバ内は真空状態になるようにされている。真空中で基板の熱処理を行う理由は、前記基板表面に生成される膜の密着性を高めたり、結晶の品質を向上させる等といったことからである。
【0003】
このような装置、方法として、抵抗加熱型のものや、ランプ加熱型のものが一般に普及している。しかし、前記2つの形態の加熱方式は、それぞれ均等加熱・高速昇温といった面で長所・短所がある。近年では特に、半導体ウェハの大口径化に伴い、枚葉型装置ではスループット、バッチ型装置では品質保持の観点から、均等加熱・高速昇温の双方が可能な技術が考案されている。
そのような装置として特許文献1に挙げるような装置がある。特許文献1の真空加熱処理装置は、加熱源を誘導加熱コイルとし、発熱源として誘導加熱体と伝導加熱体を用いるようにしたものである。
【0004】
【特許文献1】
特開平6−290864号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献1に記載された真空加熱処理装置は、主に加熱源である誘導加熱コイルを真空チャンバ内に配設するようにしているため、コンタミネーションの原因となることがある。また、実施例として、誘導加熱コイルを前記真空チャンバの外部へ配設するものも記載されているが、この場合、発熱源である誘導加熱体や伝導加熱体も前記真空チャンバの外側に臨むような形状となってしまうため、加熱が不安定になってしまう可能性がある。さらに、加熱源を真空チャンバの外部へ配設し、誘導加熱体または伝導加熱体を前記真空チャンバ内へ配設しようとすると、各々を分割する面に、遮蔽板として薄型で光透過性のあるものが必要となる。この場合、例えば遮蔽板を石英板とすると、真空チャンバ内を真空引きする際に割れてしまうことがある。また、遮蔽板を真空耐圧のもの、例えば厚いものにした場合、誘導加熱体を十分に加熱できなくなってしまう問題がある。
【0006】
本発明では、上記問題点を解決し、コンタミネーションの原因となり得る誘導加熱コイルを、真空チャンバ外に配置し、発熱源は真空チャンバ内に配設するようにしても十分な加熱温度と昇温速度とを得られる誘導加熱コイルユニット並びに半導体熱処理装置及び熱処理方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る誘導加熱コイルユニットは、真空チャンバの蓋体となる誘導加熱コイルユニットであって、前記真空チャンバとの境界面を遮蔽板により遮蔽されたケースを備え、前記ケース内部には前記遮蔽板に近接して配設される誘導加熱コイルと、エア抜きダクトとが備えられてなることを特徴とする。
【0008】
また、上記構成の誘導加熱コイルユニットでは、前記遮蔽板は石英板であるようにすると良い。
さらに、前記誘導加熱コイルは絶縁被膜されており、前記遮蔽板と前記誘導加熱コイルとの間には断熱材が設けられるようにしても良い。
【0009】
さらに本発明に係る半導体熱処理装置としては、真空チャンバとの境界面を遮蔽板により遮蔽されたケースを備え、前記ケース内部には前記遮蔽板に近接して配設される誘導加熱コイルと、エア抜きダクトとを備える誘導加熱コイルユニットを備え、前記真空チャンバ内には前記遮蔽板に近接させてサセプタを備え、前記サセプタの下方には半導体ウェハを備えてなることを特徴とする。
【0010】
上記構成の半導体熱処理装置では、前記遮蔽板は石英板であるようにすると良い。
さらに、前記誘導加熱コイルは絶縁被膜されており、前記遮蔽板と前記誘導加熱コイルとの間には断熱材が設けられるようにしても良い。
【0011】
上記目的を達成するための、本発明に係る半導体熱処理方法は、誘導加熱コイルユニットを備える蓋体と真空チャンバとが、遮蔽板により各々遮蔽される構造の半導体熱処理装置における熱処理方法であって、前記蓋体及び真空チャンバの内部空間をそれぞれ真空引きした後、半導体ウェハの熱処理を行うことを特徴とする。
また、上記半導体熱処理方法において、前記真空引きは前記蓋体の内部空間の方が、前記真空チャンバの内部空間よりも、負圧となるように行われると良い。
【0012】
【作用】
誘導加熱コイルユニットを蓋体とし、遮蔽板によって真空チャンバとの境界面を遮蔽するようにしたことにより、誘導加熱コイルが前記真空チャンバの外部へ配設されることとなる。よって、前記真空チャンバ内のコンタミネーションの原因を抑制することができる。また、遮蔽板を石英板にすることで、光透過性が良い。また、前記遮蔽板と前記誘導加熱コイルとの間に断熱材を備えるようにすることにより、真空チャンバ内に設けられるサセプタからの輻射熱で誘導加熱コイルの絶縁被膜がだれてしまうことを防止することができる。遮蔽された蓋体のケース内にエア抜きダクト備えるようにすることにより、真空チャンバ側の真空度合いに応じて、当該蓋体側を真空にすることができる。よって遮蔽板である石英に過度の負担をかけることがない。このため、石英が薄板であっても割れる虞がない。
【0013】
上記作用を成す蓋体を真空チャンバに備え、半導体熱処理装置とすることにより、真空チャンバ内に誘導加熱コイルが配設されることがなく、コンタミネーションを抑えることができる。また、蓋体と真空チャンバとの双方でそれぞれ真空引きをできる構成としているため、各々を遮蔽する石英が薄板であったとしても、前記石英が大気圧の影響を受けて割れてしまう虞がない。さらに、石英を薄板とすることにより、誘導加熱コイルを蓋体側、サセプタを真空チャンバ側に備えるようにしても、前記サセプタを十分に誘導加熱することができる。さらにまた、サセプタを真空チャンバ内に備えるようにしたことにより、半導体ウェハを加熱する際、当該半導体ウェハと前記サセプタとの間に介在する空間を小さくすることができるため、安定・均一な輻射加熱をすることができる。
【0014】
上記のように真空引きする場合において、蓋体側の内部空間の方が、真空チャンバ側の内部空間よりも負圧となるようにすることにより、装置が大型化した場合に前記石英が自重により撓むことを防止することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下本発明に係る誘導加熱コイルユニット並びに半導体熱処理装置及び熱処理方法の実施形態について、図面を参照して詳細を説明する。
図1は、第1の実施形態に係る誘導加熱コイルユニットの断面図である。本実施形態の誘導加熱コイルユニット10の基本構成は、外装となるケーシング12と、その内部に配設されて加熱源となる誘導加熱コイル14と、前記ケーシング12の内部に充填された樹脂18とから成る。
【0016】
前記ケーシング12は、ステンレス等の、耐食性・耐熱性が比較的優れており、製造コストが安価な素材で形成される円筒状の容器であり、開口部にフランジを有する。また、前記フランジには、溝部19が全周に亙り形成される。
【0017】
前記誘導加熱コイル14は、銅等のように通電性に優れ、製造コストの安い材質により形成される。また、前記誘導加熱コイル14は、コイル自体が過熱してしまうことを防止するために、管状に形成され、内部に冷却水や冷却剤又は冷却ガスを送通可能としている(例えば水冷銅管)。前記誘導加熱コイル14は、加熱源であるため前記ケーシング12の開口部付近に配設することが望ましく、配置形状は、ケーシング12と同芯円となるように、いわゆるバームクーヘン型に配置すると良い。なお、前記ケーシング12の材質は、内部を真空にできるものであれば、ステンレスに限定するものではない。
【0018】
前記誘導加熱コイルの配設は、ケーシング12の内部であって余剰空間となる箇所に、予め熱硬化性樹脂等のエポキシ樹脂18を充填した後に行うようにすると位置決めが容易となる。前記エポキシ樹脂18は、前記誘導加熱コイル14の表面を絶縁被膜する役割を果たすと共に、余剰空間を埋めて誘導加熱コイルユニット10内部への空気混入を防ぐ。
【0019】
前記ケーシング12の開口部は、光透過型の遮蔽板であって耐熱性に優れた石英板22により遮蔽される。このとき溝部19には、シール効果を果たすOリング20が備えられる。
【0020】
上記構成において、石英板22と誘導加熱コイル14との間には、僅かに隙間が設けられるようにする。前記隙間には、アルミナ等の粉末若しくは粉末を含有したペースト又はアルミナ等で形成された板材からなる断熱材21が備えられる。当該断熱材21は、誘導加熱コイル14により後述するサセプタ26が加熱された際、その輻射熱により前記誘導加熱コイル14の表面を覆う樹脂18に熱だれ等を生じさせることを防止する。また、前記断熱材21は、サセプタ26が発する熱を水冷銅管である誘導加熱コイル14が吸収してしまい、サセプタ26を降温させてしまうことを防止する役割も果たす。
【0021】
さらに、前記断熱材21を備える隙間には、誘導加熱コイルユニット10の内部空間を後述する真空チャンバ24の内部真空度と同等以上に真空引きするためのエア抜きダクト16が臨んでいる。
本実施形態に係る半導体熱処理装置は、図1及び図2に示す構成とすれば良い。すなわち、前記誘導加熱コイルユニット10とそれを蓋体として備える真空チャンバ24とより成り、前記石英板22を各々の境界面とする構成である。
【0022】
前記真空チャンバ24は、形状、材質共に特に限定はしないが、例えば以下のような構成にすれば良い。
真空チャンバ24は、ケーシング12と同素材であるステンレス等により形成される円筒状の容器であり、開口部にはケーシング12と同様なフランジを備える。また、円筒部分には、半導体ウェハ28等を搬入又は搬出するための搬送ゲート38と、真空チャンバ24の内部を真空化するためのエア抜きダクト40とを備える。
【0023】
前記真空チャンバ24の内部には、炭素同素体の一つであるグラファイト又はカーボン(炭素)にシリコンカーバイトをコーティングして形成されるサセプタ26を石英板22の近傍に支持するためのサセプタ支持部32が備えられ、前記サセプタ26を少なくとも3点で水平に支持するようにしている。
【0024】
また、半導体ウェハ28を少なくとも3点で水平に支持するウェハ支持部30が、真空チャンバ24の底部に備えられた伸縮回転自在なシリンダ回転軸42に接続されている。
前記真空チャンバ24の開口面に沿ったフランジ面であって、石英板22に密接する面には、ケーシング12のフランジと同様な溝部19が備えられ、シール効果を成すOリング20が備えられる。
【0025】
上記構成の半導体熱処理装置1の真空引き手段としては、真空ポンプ44等によれば良い。具体的には、真空ポンプ44の吸引側へ耐圧ホース36等の一方の口を接続し、他方の口をエア抜きダクト16・40へ接続すれば良い。また、前記真空ポンプ44での真空引きは、一つのポンプに対して一箇所からの真空引きとする必要はなく、前記耐圧ホース36を途中で分岐させる等の手段により多数箇所を同時に真空引きすることもできる。なお、複数の真空ポンプ44を使用して真空引きを行う場合は、各々の空間の気圧差が大きくなり過ぎないようにシンクロさせるようにすると良い。
【0026】
以上のような構成の半導体熱処理装置1では、熱処理の準備として、まず搬送ゲート38から半導体ウェハ28を真空チャンバ24の内部のウェハ支持部30へ搬入配置する。このときウェハ支持部30は、図2中に2点鎖線で示す位置まで下降している。半導体ウェハ28を搬入後、搬送ゲート38を閉塞し、シリンダ回転軸42を伸長させてウェハ支持部30を加熱位置まで移動させる。
【0027】
その後、真空ポンプ44の電源を入れエア抜きダクト16・40及び耐圧ホース36を介して誘導加熱コイルユニット10及び真空チャンバ24の内部を真空引きする。前記真空引きは、誘導加熱コイルユニット10を真空チャンバ24に比べ、負圧(高真空)となるようにすると良い。これにより、石英板22が薄板であっても、半導体ウェハ28の大口径化に伴い、前記石英板22も大型化した場合に、自重により撓んでしまうという虞がない。また、真空引き後、図示しないチェック弁等により真空状態を保てるようにすると良い。
【0028】
上記状態においては、Oリング20が石英板22と誘導加熱コイルユニット10と真空チャンバ24との間に挟まれ、潰されつつ密着することにより、前記接合面をシールする。
【0029】
上記のようにして熱処理の準備が終了すると、誘導加熱コイル14に必要電力を投入し、サセプタ26を加熱する。これと同時に当該誘導加熱コイル14の内部には、自己の過熱を防止するための冷却水等が流される。加熱されたサセプタ26は渦電流の作用により発熱し、その輻射熱により半導体ウェハ28を加熱し、成膜等の処理を行う。このとき、誘導加熱コイル14と石英板22との間に断熱材21を設けておくことにより、前記誘導加熱コイル14を絶縁被膜する樹脂18が過熱され、だれてしまうことを防止することができる。
【0030】
また、半導体熱処理装置1の第2の実施形態として、図3に示すようなものがある。図3に示す半導体熱処理装置1の基本構成は、第1の実施形態と同様なので省略する。相異点として、本実施形態では、誘導加熱コイルユニット10のケーシング12を、真空チャンバ24の内径に嵌合する外形の円筒に底板を付けた形状にし、真空チャンバ24に嵌め込み可能とした。また、真空チャンバ24は、前記ケーシング12の開口部が位置する箇所に、遮蔽板である石英板22が配設されるようにした。これにより、真空チャンバ24の内部を石英板22により2層に分割されることとなる。この場合、真空チャンバ24に誘導加熱コイルユニット10を嵌合させるため、真空チャンバ24の内部に誘導加熱コイルユニット10が配置されるかたちとなるが、各々の内部空間は、石英板22により遮蔽されるため、別空間として真空引きを行うことができる。
誘導加熱コイルユニット10と石英板22と真空チャンバ24との間のシールは、図示しないが、第1の実施形態と同様にOリングによって行うことができる。
【0031】
以上のような誘導加熱コイルユニット10及び半導体熱処理装置1において、誘導加熱コイルユニット10を蓋体とし、石英板22によって真空チャンバとの境界面を遮蔽するようにしたことにより、誘導加熱コイル14が前記真空チャンバ24の外部へ配設されることとなり、前記真空チャンバ24内のコンタミネーションの原因を抑制することができる。また、前記石英板22と前記誘導加熱コイル14との間に断熱材21を備えるようにすることにより、真空チャンバ24の内部に設けられるサセプタ26からの輻射熱で誘導加熱コイル26を固定・絶縁被膜している樹脂18がだれてしまうことを防止することができる。また、前記誘導加熱コイル14は水冷銅管等として自己の過熱を防止するようにしているため比較的温度が低い。よって、サセプタの熱を前記誘導加熱コイル14が吸収してしまうということを防止することができる。断熱材21を有する空間にエア抜きダクト16を臨ませ、真空引き可能にすることにより、真空チャンバ24側の真空度合いに応じて、当該誘導加熱コイルユニット10側も真空引きすることができる。よって石英板22に過度の負担をかけることがない。このため、石英板22が薄板であっても割れる虞がない。
【0032】
さらに、石英板22を薄板にすることにより、加熱源である誘導加熱コイル14と、発熱源であるサセプタ26とが誘導加熱コイルユニット10と真空チャンバ24とにそれぞれ配設する場合であっても、各々の距離は比較的近いため、十分な誘導加熱を行うことができる。
【0033】
また、上記作用を成す誘導加熱コイルユニット10を真空チャンバ24に備え、半導体熱処理装置1とすることにより、真空チャンバ24も内部に誘導加熱コイル14が配設されることがなく、コンタミネーションを抑えることができる。また、前記誘導加熱コイルユニット10と真空チャンバ24との双方でそれぞれ真空引きをできる構成としているため、各々を遮蔽する石英板22が薄板であったとしても、前記石英板22が大気圧等の影響を受けて割れてしまう虞がない。さらに、石英板22を薄板とすることにより、誘導加熱コイル14を誘導加熱コイルユニット10側、サセプタ26を真空チャンバ24側に備えるようにしても、前記サセプタ26を十分に誘導加熱することができる。さらにまた、サセプタ26を真空チャンバ24の内部に備えるようにしたことにより、半導体ウェハ28を加熱する際、当該半導体ウェハ28と前記サセプタ26との間に介在する隙間を少なくすることができるため、安定・均一な輻射加熱をすることができる。
【0034】
上記した真空引きにおいて、誘導加熱コイルユニット10側の内部空間の方が、真空チャンバ24側の内部空間よりも負圧となるようにすることにより、装置が大型化した場合に前記石英板22が自重により撓むことを防止することができる。
【0035】
上記実施形態では、誘導加熱コイルユニット10と石英板22と真空チャンバ24との各々の空間のシールは、Oリングにて行うようにしていたが、シートパッキン等の他のシール手段を用いても良い。
【0036】
また、実施形態中では、真空引きに際して図2として真空ポンプ44を2機使用して、誘導加熱コイルユニット10と真空チャンバ24とで別々に真空引きを行うようにしているが、図4に示すように1機の真空ポンプにより、真空引きを行うようにしても良い。この場合において、各空間で真空度に違いを持たせるには、真空度が低い方の設定圧力に達した時点で図示しない弁を閉塞し、他方の真空引きを継続させるようにすれば良い。これにより、真空ポンプ44の設置コスト及び設置スペースを削減することができる。
【0037】
さらに、実施形態中では、誘導加熱コイル14の配設は、バームクーヘン型としているが、サセプタ26を均一に加熱することができれば、葛折状等でも良い。また、誘導加熱コイルユニット10及び真空チャンバ24の形状を円筒型としているが、好適要件であって、同様の効果を得る構造であれば、矩形や多角形であっても良い。なお、実施形態中では、真空チャンバ24の構造を具体的に説明しているが、実施形態の中の二通りの例であってこれに限定するものではなく、誘導加熱コイルユニット10との境界面を石英板22で遮蔽することができ、内部を真空化させることができる物であれば良い。
【0038】
また、実施形態には、ケーシング12の余剰空間に樹脂18を充填することを記載したが、誘導加熱コイル14を絶縁被膜するだけであっても良い。
なお、誘導加熱コイル14は、複数のゾーンに分割された物であっても良い。
その場合、各コイルの制御時に生じる相互誘導の影響を回避できるようにすれば良い。これにより、サセプタ26をゾーン毎に温度制御することができるようになり、半導体ウェハ28の温度制御をより精密に行うことができる。
【0039】
【発明の効果】
上記のように本発明の誘導加熱コイルユニットでは、真空チャンバの蓋体となる誘導加熱コイルユニットであって、前記真空チャンバとの境界面を遮蔽板により遮蔽されたケースを備え、前記ケース内部には前記遮蔽板に近接して配設される誘導加熱コイルと、エア抜きダクトとが備えられてなることを特徴とし、半導体熱処理装置では、前記誘導加熱コイルユニットを備え、前記真空チャンバ内には前記遮蔽板に近接させてサセプタを備え、前記サセプタの下方には半導体ウェハを備えてなることを特徴としたことにより、真空チャンバ内に誘導加熱コイルが配設されることがなく、コンタミネーションを抑えることができる。また、蓋体と真空チャンバとの双方でそれぞれ真空引きをできる構成としているため、各々を遮蔽する石英が薄板であったとしても、前記石英が大気圧の影響を受けて割れてしまう虞がない。さらにまた、サセプタを真空チャンバ内に備えるようにしたことにより、半導体ウェハを加熱する際、当該半導体ウェハと前記サセプタとの間を狭くすることができるため、安定・均一な輻射加熱をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る誘導加熱コイルユニットの第1の実施形態の断面図を示す。
【図2】本発明に係る半導体熱処理装置の第1の実施形態の構成を示す図である。
【図3】本発明に係る半導体熱処理装置の第2の実施形態の構成を示す図である。
【図4】本発明の実施形態における真空引きを行うための構成を示す図である。
【符号の説明】
1………半導体熱処理装置、10………誘導加熱コイルユニット、12………ケーシング、14………誘導加熱コイル、16………エア抜きダクト、18………樹脂、20………Oリング、22………石英板、24………真空チャンバ、26………サセプタ、28………半導体ウェハ。
Claims (8)
- 真空チャンバの蓋体となる誘導加熱コイルユニットであって、前記真空チャンバとの境界面を遮蔽板により遮蔽されたケースを備え、前記ケース内部には前記遮蔽板に近接して配設される誘導加熱コイルと、エア抜きダクトとが備えられてなることを特徴とする誘導加熱コイルユニット。
- 前記遮蔽板は石英板であることを特徴とする請求項1に記載の誘導加熱コイルユニット。
- 前記誘導加熱コイルは絶縁被膜されており、前記遮蔽板と前記誘導加熱コイルとの間には断熱材が設けられることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の誘導加熱コイルユニット。
- 真空チャンバとの境界面を遮蔽板により遮蔽されたケースを備え、前記ケース内部には前記遮蔽板に近接して配設される誘導加熱コイルと、エア抜きダクトとを備える誘導加熱コイルユニットを備え、前記真空チャンバ内には前記遮蔽板に近接させてサセプタを備え、前記サセプタの下方には半導体ウェハを備えてなることを特徴とする半導体熱処理装置。
- 前記遮蔽板は石英板であることを特徴とする請求項4に記載の半導体熱処理装置。
- 前記誘導加熱コイルは絶縁被膜されており、前記遮蔽板と前記誘導加熱コイルとの間には断熱材が設けられることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の半導体熱処理装置。
- 誘導加熱コイルユニットを備える蓋体と真空チャンバとが、遮蔽板により各々遮蔽される構造の半導体熱処理装置における熱処理方法であって、前記蓋体及び真空チャンバの内部空間をそれぞれ真空引きした後、半導体ウェハの熱処理を行うことを特徴とする半導体熱処理方法。
- 前記真空引きは前記蓋体の内部空間の方が、前記真空チャンバの内部空間よりも、負圧となるように行われることを特徴とする請求項4に記載の半導体熱処理方法。
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