JP2004288888A - 固体電解コンデンサの製造方法、及び固体電解コンデンサ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】コンデンサの製造方法は、金属板8を打抜き加工して、1のコンデンサ素子2の陽極2a及び陰極2bが夫々接するべき端子構成片80、81を開口84を挟んで設けるとともに、該コンデンサ素子2の陽極2aが接するべき端子構成片80及び隣のコンデンサ素子2の陰極2bが接するべき端子構成片81を繋げて形成する工程と、両コンデンサ素子2、2を開口84を跨いで対応する端子構成片80、81上に取り付ける工程と、コンデンサ素子2を樹脂にて被覆し樹脂塊7を形成する工程と、該樹脂塊7をコンデンサ素子2に干渉しない面Bに沿って切断し、1のコンデンサ素子2の陽極2aが接する端子構成片80及び隣接するコンデンサ素子2の陰極2bが接する端子構成片81を分離する工程とを具えている。金属板8を打ち抜く工程にて、両端子構成片80、81の開口84側の端部から、夫々金属板8の周縁部に繋がる連結片83が形成される。
【選択図】 図5
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体電解コンデンサの製造方法、及び該固体電解コンデンサに関する。
【0002】
【従来の技術】
出願人は、以前に図9に示すチップ型の固体電解コンデンサを提案している(例えば、特許文献1参照)。
固体電解コンデンサ(1)は、図9に示すように、下面にリードフレーム(9)(90)が取り付けられたコンデンサ素子(2)を具え、該コンデンサ素子(2)は合成樹脂製のハウジング(70)にて覆われる。リードフレーム(9)(90)はハウジング(70)に沿って折曲され、リードフレーム(9)(90)の最下位部分はハウジング(70)の下面と略同一面内に位置する。コンデンサ素子(2)は、弁金属の箔である陽極体(20)の一部に、誘電体酸化被膜(21)を形成し、該誘電体酸化被膜(21)上に、陰極層(3)、カーボン層(6)、銀ペースト層(60)を順に設けて形成される。即ち、陽極体(20)上にて誘電体酸化被膜(21)の形成部分が陰極(2b)、陽極体(20)上にて誘電体酸化被膜(21)の未形成部分が陽極(2a)となる。図9では、図示の便宜上、陰極層(3)、カーボン層(6)、銀ペースト層(60)を厚く記載しているが、実際の各層(3)(6)(60)の厚みは数十μmであり、陽極体(20)は平板に近い。
また、弁金属とは、電解酸化処理により極めて緻密で耐久性を有する誘電体酸化被膜が形成される金属を指し、Al(アルミニウム)、Ta(タンタル)、Ti(チタン)、Nb(ニオブ)等が該当する。
【0003】
該固体電解コンデンサ(1)では、ハウジング(70)の下面とコンデンサ素子(2)の下面とが高さ方向に離れているから、コンデンサ(1)の高さが高くなっている。しかし、斯種コンデンサは、薄型化を求められており、かかる要求を満たすべく、図10に示すように、リードフレーム(9)(90)を平板状に設け、コンデンサ素子(2)の下面とハウジング(70)の下面を接近させたものもある。
また、図11に示すように、複数枚の陽極体(20)(20)を重ね、陽極(2a)側を接着又は溶接し、静電容量を大きくしたものも知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
図10の固体電解コンデンサ(1)の製造方法を、以下に示す(例えば、特許文献3参照)。これは、図12に示すように、鉄とニッケルを主成分とした金属板(8)を打ち抜いて複数の孔(88)(88)を開設し、各孔(88)内に陽極側リードフレーム(9)及び陰極側リードフレーム(90)となる端子構成片(80)(81)を形成する。対となる端子構成片(80)(81)は互いに離れており、各端子構成片(80)(81)は連結片(83)にて孔(88)の周縁に繋がっている。連結片(83)は端子構成片(80)(81)よりも幅狭であり、後記のダイシングソーでの切断をし易くしている。
次に、両端子構成片(80)(81)に跨って、コンデンサ素子(2)を載置する。コンデンサ素子(2)の製法は後記する。陰極側リードフレーム(90)となるべき端子構成片(81)に、陰極(2b)を置き、陽極側リードフレーム(9)となるべき端子構成片(80)には、陽極(2a)を置く。抵抗溶接により、端子構成片(80)(81)にコンデンサ素子(2)を取り付ける。
特許文献3に開示された製造工程では、次に図13に示すように、金属板(8)全体に、金型(図示せず)を被せ、コンデンサ素子(2)をハウジング(70)となる樹脂にて被覆し、樹脂塊(7)を作成する。該樹脂塊(7)をダイシングソーにて図12及び図13の面Bに沿って端子構成片(80)(81)と連結片(83)の境目を切断する。更に図12の面Dに沿って切断し、固体電解コンデンサ(1)を得る。
【0005】
【特許文献1】
特開平8−148392号(第3図)
【特許文献2】
国際公開公報WO00/74091号(第2図A)
【特許文献3】
特許第3312246号(第2図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来のコンデンサの製造方法及びコンデンサでは、以下の問題点がある。
1.両端子構成片(80)(81)は、連結片(83)にて片持ち支持されており、且つ連結片(83)は端子構成片(80)(81)よりも幅狭である。従って、端子構成片(80)(81)が撓み易くなっており、コンデンサ素子(2)を端子構成片(80)(81)に載置した際に、端子構成片(80)(81)が撓むと、固体電解コンデンサ(1)の外形寸法にバラ付きが生じる。
また、抵抗溶接によりコンデンサ素子(2)を端子構成片(80)(81)に取り付ける際には、端子構成片(80)(81)の下面に押圧力が加わるから、端子構成片(80)(81)が上向きに撓み易い。これでは、後工程にてハウジング(70)を形成する際に、図14に矢印Cで示す撓み箇所に樹脂が回り込んで、バリが発生する虞れがある。この場合、バリを除去するには、ホーニングやサンドブラスト加工(圧搾空気にて研磨剤を吹き付ける加工)を施す必要があり、工数の増加を招来していた。
2.従来のコンデンサ(1)は、薄型化の為に、コンデンサ素子(2)の下面とハウジング(70)の下面を接近させている。故に、ハウジング(70)とリードフレーム(9)(90)の境目から侵入した湿気がコンデンサ素子(2)に達し易く、コンデンサ素子(2)の劣化を招来することがある。
3.コンデンサ素子(2)と端子構成片(80)(81)を取り付ける際に、端子構成片(80)(81)の下面から抵抗溶接するが、該溶接時のスポット痕が、残ってしまう。従って、端子構成片(80)(81)にメッキを施してスポット痕を隠す必要があり、余分な手間が掛かっていた。
4.従来の方法では、図13に示すように、例えば2つの固体電解コンデンサ(1)(1)を作るには、樹脂塊(7)を4箇所、即ち4つの面Bに沿って切断する必要があり、製造工数の増加を招来していた。
本発明の目的は、上記問題の解決にある。
【0007】
【課題を解決する為の手段】
固体電解コンデンサを製造する方法は、金属板(8)を打抜き加工して、1のコンデンサ素子(2)の陽極(2a)及び陰極(2b)が夫々接するべき端子構成片(80)(81)を開口(84)を挟んで設けるとともに、該1のコンデンサ素子(2)の陽極(2a)が接するべき端子構成片(80)及び該1のコンデンサ素子(2)に隣接するコンデンサ素子(2)の何れかの極(2a)(2b)が接するべき端子構成片(81)を繋げて形成する工程と、
1のコンデンサ素子(2)及び隣接するコンデンサ素子(2)を、開口(84)を跨いで、対応する端子構成片(80)(81)上に取り付ける工程と、
コンデンサ素子(2)をハウジング(70)を構成する樹脂にて被覆し、樹脂塊(7)を形成する工程と、
該樹脂塊(7)を、金属板(8)に直交しコンデンサ素子(2)に干渉しない面Bに沿って切断し、1のコンデンサ素子(2)の陽極(2a)が接する端子構成片(80)及び該1のコンデンサ素子(2)に隣接するコンデンサ素子(2)の何れかの極(2a)(2b)が接する端子構成片(81)を分離する工程とを具えている。
金属板(8)を打抜き加工する工程にて、両端子構成片(80)(81)の開口(84)側の端部から、夫々金属板(8)の周縁部に繋がる連結片(83)が形成される。
また、互いに対向する端子構成片(80)(81)の端部下面には、ハウジング(70)を構成する樹脂にて充填されるべき凹面(91)が形成される。
【0008】
【作用及び効果】
1.コンデンサ素子(2)は、開口(84)を跨いで、リードフレーム(9)(90)となる端子構成片(80)(81)に取り付けられる。端子構成片(80)(81)の開口(84)側の端部はコンデンサ素子(2)を受け、該端部には金属板(8)の周縁部に繋がる連結片(83)が形成されている。即ち、開口(84)を挟んで互いに対向する各端子構成片(80)(81)の先端部は、連結片(83)に支持されているから、端子構成片(80)(81)は撓みにくくなる。
これにより、固体電解コンデンサ(1)の外形寸法にバラ付きが生じる虞れを低減できる。また、固体電解コンデンサ(1)の下面にバリが生じる虞れも少ないから、バリ除去工程を省くことができ、工数を削減できる。
2.開口(84)を挟んで互いに対向する端子構成片(80)(81)の端部下面には、凹面(91)が形成され、該凹面(91)はハウジング(70)を構成する樹脂にて充填される。これにより、ハウジング(70)の下面にて凹面(91)の周縁とリードフレーム(9)(90)の境目からコンデンサ素子(2)に達するまでの距離が従来に比して長くなり、該境目から侵入する湿気はコンデンサ素子(2)に達しにくくなる。これにより、コンデンサ素子(2)の劣化を防止できる。
また、端子構成片(80)(81)の下面から抵抗溶接した際のスポット痕は、凹面(91)に残るが、該凹面(91)は樹脂にて充填されるから、スポット痕は外から見えない。従って、端子構成片(80)(81)にメッキを施す工程を削減できる。
3.金属板(8)を打ち抜く加工に於いては、1のコンデンサ素子(2)の陽極(2a)が接する端子構成片(80)及び該1のコンデンサ素子(2)に隣接するコンデンサ素子(2)の何れかの極(2a)(2b)が接するべき端子構成片(81)を繋げて形成する。その後、樹脂塊(7)を切断する工程に於いて、固体電解コンデンサ(1)を切り出すとともに、両端子構成片(80)(81)を分離する。
即ち、固体電解コンデンサ(1)を切り出す工程と、端子構成片(80)(81)を分離する工程を一度に行う。従来は、両端子構成片(80)(81)を夫々形成してから、端子構成片(80)(81)を切り離していたから、切断する箇所の増加に繋がっていた。本発明では、固体電解コンデンサ(1)を切り出す際に、端子構成片(80)(81)を分離するから、従来よりも切断する箇所を減らすことができ、該切断工程を簡略化できる。具体的には、樹脂塊(7)の切断に要するダイシングソーの数を減らすことができる。また、切断工程を簡略化することにより、固体電解コンデンサ(1)の製造に要するコストも低減できる。
【0009】
【発明の実施の形態】
(第1実施例)
以下、本発明の一例を図を用いて詳述する。
固体電解コンデンサ(1)の断面構造は、図11に示すものと同一である。即ち、固体電解コンデンサ(1)は、コンデンサ素子(2)の下面に、陽極側及び陰極側リードフレーム(9)(90)を取り付けて構成され、コンデンサ素子(2)及びリードフレーム(9)(90)は、リードフレーム(9)(90)の下面を残して合成樹脂のハウジング(70)にて覆われる。コンデンサ素子(2)は、弁金属、具体的にはアルミニウムの箔である陽極体(20)の一部に、誘電体酸化被膜(21)を形成し、該誘電体酸化被膜(21)上に、陰極層(3)、カーボン層、銀ペースト層(図示せず)を順に設けており、複数枚の陽極体(20)を重ねて形成されている。
【0010】
図11のコンデンサ素子(2)の製造方法を示すが、該方法は従来と同じである。先ずアルミニウム箔のシートを切り出して帯状の陽極体(20)を形成し、この陽極体(20)の一部を0.01〜2wt%の燐酸水溶液又はアジピン酸水溶液内に浸して電解酸化処理し、誘電体酸化被膜(21)を形成する。次に、ブタノールを溶媒とした3,4−エチレンジオキシチオフェン、P−トルエンスルホン酸第3鉄の溶液に、陽極体(20)の誘電体酸化被膜(21)の形成部分を浸漬し、ポリチオフェンである導電性高分子から成る陰極層(3)を形成する。この陰極層(3)上に、カーボン層(6)、銀ペースト層(60)を順に形成する。複数枚の陽極体(20)を重ね、陽極(2a)(2a)を接着又は溶接して、コンデンサ素子(2)が完成する。
尚、陰極層(3)を形成する材料には、前記ポリチオフェンの他に、ポリピロール、ポリアニリン、ポリフラン等の導電性高分子、TCNQ(7、7、8、8−テトラシアノキノジメタン)錯塩等が挙げられる。陰極層(3)に抵抗値の低い導電体高分子等を用いることにより、ESRを低くして、高周波特性に優れたコンデンサを形成している。
【0011】
固体電解コンデンサ ( 1 ) の製造工程
本例にあっては、コンデンサ素子(2)にリードフレーム(9)(90)を取り付け、固体電解コンデンサ(1)を形成する工程に特徴の1つがある。以下に、図1乃至図4を用いてその手順を示す。
図1は、リードフレーム(9)(90)となる金属板(8)の平面図である。先ず、銅を主成分とした金属板(8)を打ち抜いて、縦細の第1開口(84)(84)(84)を略等間隔に開設し、隣り合う第1開口(84)(84)間に、横長の第2開口(85)(85)を縦に並べて開設する。金属板(8)上にて、第1開口(84)(84)間及び第2開口(85)(85)の間の残り部分である繋ぎ部(82)が、後記の如く、1のコンデンサ素子(2)の陽極(2a)が接する端子構成片(80)、及び該1のコンデンサ素子(2)に隣接するコンデンサ素子(2)の陰極(2b)が接する端子構成片(81)となる。金属板(8)上にて第1開口(84)と第2開口(85)の間は繋ぎ部(82)に略直交した連結片(83)(83)(83)(83)を形成し、前記繋ぎ部(82)の左端部は、連結片(83)(83)にて金属板(8)の側縁部に繋がっている。繋ぎ部(82)の右端部も、連結片(83)(83)にて金属板(8)の側縁部に繋がっている。金属板(8)の隅部には、治具貫通孔(86)(86)が開設されている。
図1に一点鎖線で示すように、第1開口(84)を跨ぐように、コンデンサ素子(2)を繋ぎ部(82)上に載せる。コンデンサ素子(2)は全て同じ向き、具体的には陽極(2a)を右向きにして載せられる。コンデンサ素子(2)の陽極(2a)側は、繋ぎ部(82)の左端部上に位置し、陰極(2b)側は該繋ぎ部(82)の左隣の繋ぎ部(82)の右端部上に位置する。
コンデンサ素子(2)と金属板(8)を抵抗溶接して、コンデンサ素子(2)は金属板(8)上に取り付けられる。
【0012】
図2は、図1をC−C線を含む面内にて破断した断面正面図である。次に、図2に示すように、金属板(8)の治具貫通孔(86)を受け治具(5)に嵌める。受け治具(5)は例えば2段に形成されたピンであり、金属板(8)は受け治具(5)に載置された後に、金属板(8)を押圧手段(図示せず)により上から押さえて、金属板(8)が受け治具(5)に固定される。
図2及び図3に示すように、金属板(8)の上方及び下方から金型(4)及び受け型(40)を夫々被せ、両型(4)(40)は金属板(8)上にて受け治具(5)よりも内側に位置する。金型(4)のゲート(41)から溶融樹脂を射出する。受け型(40)は、金属板(8)の下面に接し、溶融樹脂は金型(4)内及び第1開口(84)、第2開口(85)内を充填する。両型(4)(40)を金属板(8)から離せば、金属板(8)上に樹脂塊(7)(図4参照)が形成される。
図13に示す従来の製造方法にあっては、金属板(8)の全面を樹脂塊(7)にて覆っていた。しかし、実際の製造工程では、金属板(8)を固定する受け治具(5)がないと、離型時に金属板(8)がガタ付くから、受け治具(5)は不可欠となる。金属板(8)の全面を樹脂塊(7)にて覆うと、受け治具(5)まで樹脂が覆うことになるから、金型(4)は金属板(8)上にて受け治具(5)よりも内側に位置する必要がある。
【0013】
次に、図3及び図4に示すように、繋ぎ部(82)をコンデンサ素子(2)に干渉しない面B、及び面Dに沿って樹脂塊(7)とともにダイシングソー等によって切断する。繋ぎ部(82)は、2つに切断され、1のコンデンサ素子(2)の陽極(2a)が接する端子構成片(80)と該1のコンデンサ素子(2)の右隣に位置するコンデンサ素子(2)の陰極(2b)が接する端子構成片(81)とに分かれる。両端子構成片(80)(81)がリードフレーム(9)(90)となる。こうして、固体電解コンデンサ(1)が得られる。
【0014】
図5は、繋ぎ部(82)及び連結片(83)の拡大平面図である。
金属板(8)を打ち抜いた状態では、両端子構成片(80)(81)の第1開口(84)側の端部から、夫々金属板(8)の周縁部に繋がる連結片(83)(83)が形成される。具体的には、陰極(2b)側の端子構成片(81)の右端部は、金属板(8)の側縁部とは、繋ぎ部(82)の長手方向に直交した一対の連結片(83)(83)にて繋がっている。陽極(2a)側の端子構成片(80)の左端部も、一対の連結片(83)(83)にて金属板(8)の側縁部と繋がっている。
即ち、第1開口(84)を挟んで互いに対向した端子構成片(80)(81)の先端部が、連結片(83)(83)にて支持されている。コンデンサ素子(2)は、該端子構成片(80)(81)の先端部に受けられる。これにより、端子構成片(80)(81)の下面から抵抗溶接して、コンデンサ素子(2)と端子構成片(80)(81)を取り付ける際に、端子構成片(80)(81)が上向きに撓むことは防止される。従って、後工程にて樹脂の射出成形によりハウジング(70)を形成する際に、下面にバリ等が発生することがない。従来のように、サンドブラスト等にてバリを除去する工程が不要となり、製造工数の低減に繋がる。
【0015】
また、金属板(8)にコンデンサ素子(2)を載置した状態にて、端子構成片(80)(81)が撓みにくくなっているから、固体電解コンデンサ(1)の外形寸法にバラ付きが生じる虞れは少ない。
更に、図4に示すように、例えば2つの固体電解コンデンサ(1)(1)を作るには、樹脂塊(7)を3箇所、即ち3つの面Bに沿って切断すればよい。従来の方法では、図13に示すように、2つの固体電解コンデンサ(1)(1)を作るのに、樹脂塊(7)を4箇所切断する必要があった。換言すれば、従来は、陰極が接する端子構成片(81)及び陽極が接する端子構成片(80)を夫々形成してから、端子構成片(80)(81)を切り離していたから、切断する箇所の増加に繋がっていた。本発明では、固体電解コンデンサ(1)を切り出すと同時に、端子構成片(80)(81)を分離するから、従来よりも切断する箇所を減らすことができ、該切断工程を簡略化できる。具体的には、樹脂塊(7)の切断に要するダイシングソーの数を減らすことができる。また、切断工程を簡略化することにより、固体電解コンデンサ(1)の製造に要するコストも低減できる。
【0016】
(第2実施例)
前記の金属板(8)を打ち抜く工程に於いて、図4に点線で示すように、端子構成片(80)(81)の互いに対向する端部の下面に、凹面(91)(91)を形成してもよい。成形工程にて、溶融樹脂は、第1開口(84)を通って、該凹面(91)(91)を充填する。
図6は、該凹面(91)(91)を形成した固体電解コンデンサ(1)の断面図である。図示の便宜上、陽極体(20)上に形成された誘電体酸化被膜(21)、陰極層(3)等の図示を省く。本例の固体電解コンデンサ(1)は、図11に示す従来の固体電解コンデンサ(1)に比して、凹面(91)を形成した分、ハウジング(70)とリードフレーム(9)(90)の接触部分の面積は大きくなり、ハウジング(70)とリードフレーム(9)(90)との密着強さは強くなっている。
【0017】
また、図6に示す固体電解コンデンサ(1)では、ハウジング(70)の下面にて凹面(91)の周縁とリードフレーム(9)(90)の境目Mからコンデンサ素子(2)に達するまでの距離が、図11に示す従来の固体電解コンデンサ(1)に比して長い。図6の矢印の如く、境目Mから侵入した湿気は、凹面(91)の左右幅W、W1分の距離を移動して、コンデンサ素子(2)に達する。
前記の如く、コンデンサ素子(2)の下面とハウジング(70)の下面が接近した固体電解コンデンサ(1)では、ハウジング(70)とリードフレーム(9)(90)の境目から侵入した湿気がコンデンサ素子(2)に達し易く、コンデンサ素子(2)の劣化を招来することがある。この点、図5に示す固体電解コンデンサ(1)では、ハウジング(70)とリードフレーム(9)(90)の境目Mからコンデンサ素子(2)に達するまでの距離が長いから、湿気がコンデンサ素子(2)に達しにくく、劣化しにくいメリットがある。
更に、抵抗溶接により、コンデンサ素子(2)とリードフレーム(9)(90)となる端子構成片(80)(81)を取り付けるが、凹面(91)の裏側に、抵抗溶接のスポット痕が残る。しかし、該凹面(91)は樹脂により覆われるから、スポット痕も隠される。出願人は、リードフレーム(9)(90)の厚みを約0.25mm、凹面(91)の深さとして0.125mm、凹面(91)の左右幅W、W1として約1.5mm程度を想定しているが、この厚み、深さ、左右幅に限定されない。
【0018】
出願人は、図6に示す本例の固体電解コンデンサ(1)、図11に示す従来の固体電解コンデンサ(1)、及び図11に示す陽極体(20)(20)を重ねたコンデンサ素子(2)に図9の折曲したリードフレーム(9)(90)を取り付けた固体電解コンデンサ(1)を夫々20ヶ作成し、耐湿試験を行った。図9の折曲したリードフレーム(9)(90)を取り付けたコンデンサ(1)を従来例1、図11に示す従来のコンデンサ(1)を従来例2とする。固体電解コンデンサ(1)は、何れも定格電圧2.5Vで静電容量47μFである。これらの固体電解コンデンサ(1)を、温度60℃、相対湿度90%の部屋内に500時間放置し、放置後は放置前に比して静電容量がどれだけ低下したかを測定した。各20ヶの平均結果を表1に示す。
【表1】
ここで、静電容量の変化割合とは、低下した静電容量を元の静電容量にて除した値を指す。上記の表1から判るように、リードフレーム(9)(90)の下面に凹面(91)を形成することにより、固体電解コンデンサ(1)の全体高さを低くしつつ、耐湿特性を背の高い固体電解コンデンサ(1)と同等レベルまで、改善することができた。
【0019】
尚、図7に示すように、少なくとも一方のリードフレーム(9)(90)の上面にも、凹み(92)を設けてもよい。該凹み(92)内にコンデンサ素子(2)を取り付けることにより、固体電解コンデンサ(1)の全体高さを低くできる。
【0020】
上記例では、繋ぎ部(82)を分離して、1のコンデンサ素子(2)の陽極(2a)が取り付けられる端子構成片(80)と、隣のコンデンサ素子(2)の陰極(2b)が取り付けられる端子構成片(81)を形成するとした。
しかし、図8に示すように、繋ぎ部(82)を分離して、1のコンデンサ素子(2)の陽極(2a)が取り付けられる端子構成片(80)と、隣のコンデンサ素子(2)の陽極(2a)が取り付けられる端子構成片(80)を形成してもよい。但し、隣り合うコンデンサ素子(2)(2)は、陽極(2a)と陰極(2b)の向きが互いに逆となる。従って、コンデンサ素子(2)を繋ぎ部(82)上に載置する際に、手間が掛かる虞れがあり、あまり望ましくない。
【0021】
上記実施例の説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或は範囲を減縮する様に解すべきではない。又、本発明の各部構成は上記実施例に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。
本例にあっては、樹脂の射出成形にてハウジング(70)を形成したが、スクリーン印刷にてハウジング(70)を形成してもよい。また、導電性接着剤にてコンデンサ素子(2)をリードフレーム(9)(90)に取り付けてもよい。更に、実際には1枚の金属板(8)上に数十個以上のコンデンサ素子(2)が取り付けられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】金属板の平面図である。
【図2】図1をC−C線を含む面内にて破断した断面正面図である。
【図3】金属板に金型を載置した状態を示す平面図である。
【図4】樹脂塊の断面正面図である。
【図5】繋ぎ片及び連結片の拡大平面図である。
【図6】凹面を形成した固体電解コンデンサの断面図である。
【図7】リードフレームの上面に凹みを設けた固体電解コンデンサの断面図である。
【図8】別の金属板の拡大平面図であり、望ましくない別の実施例を示す。
【図9】従来の固体電解コンデンサの断面図である。
【図10】別の従来の固体電解コンデンサの断面図である。
【図11】別の従来の固体電解コンデンサの断面図である。
【図12】従来の金属板の平面図である。
【図13】従来の固体電解コンデンサの製造工程を示す断面図であり、図12をA−A線を含む面にて破断している。
【図14】従来の固体電解コンデンサにて、下面にバリが生じた状態を示す断面図である。
【符号の説明】
(1) 固体電解コンデンサ
(2) コンデンサ素子
(3) 陰極層
(7) 樹脂塊
(8) 金属板
(9) リードフレーム
(70) ハウジング
(80) 端子構成片
(81) 端子構成片
(83) 連結片
(90) リードフレーム
(91) 凹面
(92) 凹み
Claims (6)
- 一部に陰極層(3)を形成した陽極体(20)を有するコンデンサ素子(2)と、該コンデンサ素子(2)の下面に取り付けられ互いに離間した陽極側及び陰極側リードフレーム(9)(90)と、リードフレーム(9)(90)の下面を残してコンデンサ素子(2)を被覆するハウジング(70)とを具え、リードフレーム(9)(90)は金属板(8)を打抜き加工した端子構成片(80)(81)から形成される固体電解コンデンサの製造方法であって、
金属板(8)を打抜き加工して、1のコンデンサ素子(2)の陽極(2a)及び陰極(2b)が夫々接するべき端子構成片(80)(81)を開口(84)を挟んで設けるとともに、該1のコンデンサ素子(2)の陽極(2a)が接するべき端子構成片(80)及び該1のコンデンサ素子(2)に隣接するコンデンサ素子(2)の何れかの極(2a)(2b)が接するべき端子構成片(81)を繋げて形成する工程と、
1のコンデンサ素子(2)及び隣接するコンデンサ素子(2)を、開口(84)を跨いで、対応する端子構成片(80)(81)上に取り付ける工程と、
コンデンサ素子(2)をハウジング(70)を構成する樹脂にて被覆し、樹脂塊(7)を形成する工程と、
該樹脂塊(7)を、金属板(8)に直交しコンデンサ素子(2)に干渉しない面Bに沿って切断し、1のコンデンサ素子(2)の陽極(2a)が接する端子構成片(80)及び該1のコンデンサ素子(2)に隣接するコンデンサ素子(2)の何れかの極(2a)(2b)が接する端子構成片(81)を分離する工程とを具え、
金属板(8)を打抜き加工する工程にて、両端子構成片(80)(81)の開口(84)側の端部から、夫々金属板(8)の周縁部に繋がる連結片(83)が形成されることを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。 - 1のコンデンサ素子(2)の陽極(2a)が接する端子構成片(80)に繋がった端子構成片(81)には、隣接するコンデンサ素子(2)の陰極(2b)が載置される請求項1に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
- 金属板(8)を打抜き加工する工程にて、開口(84)を挟んで互いに対向する端子構成片(80)(81)の端部下面に、ハウジング(70)を構成する樹脂にて充填されるべき凹面(91)を形成する請求項1又は2に記載の製造方法。
- 少なくとも一方の端子構成片(80)(81)の先端部上面に、コンデンサ素子(2)が載置される凹み(92)を形成する請求項3に記載の製造方法。
- 一部に陰極層(3)を形成した陽極体(20)を有するコンデンサ素子(2)と、該コンデンサ素子(2)の下面に取り付けられ互いに離間した陽極側及び陰極側リードフレーム(9)(90)と、リードフレーム(9)(90)の下面を残してコンデンサ素子(2)を被覆する樹脂製のハウジング(70)とを具えた固体電解コンデンサに於いて、
互いに対向するリードフレーム(9)(90)の端部下面には、凹面(91)が形成され、該凹面(91)内にハウジング(70)を構成する樹脂が充填されていることを特徴とする固体電解コンデンサ。 - 少なくとも一方のリードフレーム(9)(90)の先端部上面に、コンデンサ素子(2)が載置される凹み(92)が形成される請求項5に記載の固体電解コンデンサ。
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JPWO2006114917A1 (ja) * | 2005-04-20 | 2008-12-11 | 三洋電機株式会社 | 積層型固体電解コンデンサ及びその製造方法 |
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-
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