JP2004287722A - 座標入力装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】空気中を伝播する超音波を検出して発信源の座標を算出する座標入力装置において、反射波の影響を軽減し、検出タイミングを安定化することによって座標算出精度を向上させた座標入力装置を提供する。
【解決手段】検出信号に対してエンベロープ信号を取り出すエンベロープ検出手段と、該信号に対して、微分処理を施す微分処理手段と、該出力信号のピークレベルを所定のレベルに規格化し、所定のコンパレートレベルで比較した結果を検出タイミングとして発信源の座標を算出する。
【選択図】 図1
【解決手段】検出信号に対してエンベロープ信号を取り出すエンベロープ検出手段と、該信号に対して、微分処理を施す微分処理手段と、該出力信号のピークレベルを所定のレベルに規格化し、所定のコンパレートレベルで比較した結果を検出タイミングとして発信源の座標を算出する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、表示システムと組み合わせて使用することにより、入出力一体の装置を構成することができる座標入力装置及びその制御方法に関する。特に、入力ペンから入力された超音波を入力面に複数設けられたセンサにより検出し、この超音波の伝達時間に基づいて、当該入力ペンの位置を算出する座標入力装置及びその制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、コンピュータが出力する各種情報を表示する表示装置と、座標入力面を有し、この画面上にペンで任意に指示した点の座標を検出して座標データをコンピュータに出力する座標入力装置とから構成された情報入出力装置がある。
【0003】
この情報入出力装置を構成する表示装置には、CRT,LCD,PDP,プロジェクタ等があり、近年は、液晶の表示性能技術の向上や設置面積の観点から、LCD,PDP等のフラットパネルが、表示装置市場でのシェアを拡大している。
【0004】
一方、座標入力装置は、タッチパネルやタブレットと呼ばれ、ペン型の入力装置を用いて座標入力面の入力可能領域の任意の点を指示すると、その入力点の座標を検出し、接続されたコンピュータに座標データを出力し、入力点を表示装置で表示することができる装置である。入力点を検出する方式としては、抵抗膜方式、電磁誘導方式、超音波方式が特に知られており、ユーザーが価格、用途に見合った選択ができるように多種多様化してきている。
【0005】
これらの情報入出力装置は、例えばオフィスにおいて使われていたホワイトボード、あるいは電子黒板にとって変わり、パソコン内に予め用意した資料用データを大画面ディスプレイに表示させることで、会議用途、打ち合わせ用途に使われ始めている。その場合、表示用ディスプレイに表示された情報は、ホワイトボードの如く、操作者、あるいは出席者により表示情報を更新するために、直接画面をタッチすることで、パソコンを制御して、例えば表示スクリーンの表示内容を切り替えることができるように構成されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この種の座標入力装置において、抵抗膜方式、静電方式等の座標入力装置は、完全に透明な入力板を構成することが困難であり、表示装置の画像の質を低下させると言う問題が生じる。さらには、ガラス等の伝播体を必要とする超音波方式では、例えば室内で用いる際の蛍光灯の映りこみを防止するために、そのガラスの表面を光学的に処理する必要があり、画像の画質を維持すると言う点で大幅なコストアップが避けられない。また電磁誘導方式は、表示面の裏側にマトリックス上の電極を配置し、入力ペンとの間で電磁的な信号の送受を行うので、表示装置が大型化し装置の厚みが増すと原理的に座標算出が困難なものとなる上に、会議用途、あるいはプレゼン用途といった大型の座標入力装置を構成する場合には、非常にコストの高い装置となってしまう欠点を有する。
【0007】
また、大型の表示システムを採用した場合には、大勢の聴衆が鑑賞することが想定され、画像の視野角、あるいはコントラスト等は十分な性能が要求される。従って、これらの大型表示システムと座標入力措置を組み合わせる場合には、十分な低コストで精度良く座標算出が可能となるばかりでなく、表示装置の画質を劣化させないと言うことが重要な要因となる。
【0008】
さらには、この種の大型の入出力一体のシステムを考慮した場合、大勢の参加者を想定した打ち合わせ、あるいはネットワーク時代を考慮すれば、操作者が直接画面をタッチすることでパソコンを制御するばかりでなく、例えば質問者がその場で遠隔操作により、画面を操作したり、必要に応じてネットワークより情報を引き出せるような構成になるのが好ましい形態であると言える。
【0009】
ところで、空中に放射する超音波は減衰が激しく、しかもその減衰は超音波周波数の2乗に比例するため、実用的にはある程度低い周波数帯域の超音波を利用する。しかしながら、それでも振動センサにより検出された信号は、微弱なものであり、そのまま信号処理を行うのには適していないため、前置増幅器を用いて増幅するのが一般的である。
【0010】
このような空中超音波を利用した座標入力装置においては、検出信号レベルが非常に大きく変化する。要因としては、振動伝達距離、ペンの入力角度、各部品ばらつき等があげられる。通常、検出した信号を有効と判断するためのしきい値は、前記要因による変動幅と、不要反射波のレベル、電磁的なノイズレベル、電源電圧を考慮して決定される。
【0011】
また、不要反射波に関しては、図2に示すような入力面からの反射が主たる要因ではあるが、機器を構成する筐体や入力面から離れたところから入力する場合は、入力手段の極近接にある例えば机や壁などの不特定多数の反射物が存在する。
【0012】
このような反射波は、超音波入力手段から信号検出手段までの振動伝達経路において直接波と反射波の信号の経路差が大きい場合は、超音波検出後の処理に影響しないが、経路差が得られない場合には、反射波と直接波が重畳した検出信号を処理してしまうために誤検出となり、座標算出の精度劣化の要因となってしまう。
【0013】
例えば使用周波数が40kHzであれば、直接波と反射波は、数十mm(数波長)の伝播経路差があれば、反射波と直接波の分離ができると考えられるが、該経路差を確保するためには、超音波入力手段の発振源の位置や検出センサの構成等において機器の設計自由度がなくなってしまうという課題がある。
【0014】
すなわち、上記課題を解決できない場合は、直接波と反射波が十分な経路差が得られるように、ユーザー側に機器の設置場所について制限を設けたり、或いは入力者にもその入力形態に制限をすることによって座標算出精度の劣化を解消するなどの対策を強要させることとなってしまうなど、非常に使いづらい装置となってしまう。
【0015】
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、反射波の影響を軽減して、かつレベル変動の影響を受けない安定した座標算出精度が得られる座標入力装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る座標入力装置は、
入力面を構成する表示面に対して位置入力を行う超音波入力手段と、前記表示面の周辺部に設けられた複数の振動検出手段と、前記超音波入力手段から発生した超音波を前記複数の振動検出手段が受信した受信タイミングに基づいて当該超音波入力手段の位置を獲得する座標入力装置において、前記振動検出手段が検出する信号のうち群遅延時間に関わる群信号について検出する群信号検出手段と、前記群信号検出手段が出力する信号に対して微分処理を施す微分処理手段と、前記微分処理手段が出力する信号のピークレベルを第一の所定のレベルに規格化する規格化手段と、前記正規化手段によって正規化された信号と前記第一のレベルに対して決定する第二の所定の閾値レベルとを比較して、前記超音波入力手段の群遅延信号の検出タイミングを検出する群信号タイミング検出手段と、を有する。
【0017】
さらに、前記振動検出手段が検出する信号のうち位相遅延時間に関わる位相信号について検出する位相信号検出手段と、を有する。
【0018】
したがって、反射波の影響を軽減して、かつレベル変動の影響を受けない安定した座標算出精度が得られる座標入力装置を提供することができる。
【0019】
上記構成を、改めて以下(1)〜(4)に整理して示す。
【0020】
(1)入力面を構成する表示面に対して位置入力を行う超音波入力手段と、前記表示面の周辺部に設けられた複数の振動検出手段と、前記超音波入力手段から発生した超音波を前記複数の振動検出手段が受信した受信タイミングに基づいて当該超音波入力手段の位置を獲得する座標入力装置において、
前記振動検出手段が検出する信号のうち群遅延時間に関わる群信号について検出する群信号検出手段と、
前記群信号検出手段が出力する信号に対して微分処理を施す微分処理手段と、
前記微分処理手段が出力する信号のピークレベルを第一の所定レベルに規格化する規格化手段と、
前記規格化手段によって規格化された信号と前記第一のレベルに対して決定する第二の所定の閾値レベルとを比較して、前記超音波入力手段の群遅延信号の検出タイミングを検出する群信号タイミング検出手段と、
前記群信号タイミング検出手段が出力する信号に基づいて前記超音波入力手段の座標を算出することを特徴とする座標入力装置。
【0021】
(2)前記振動検出手段が検出する信号のうち位相遅延時間に関わる位相信号について検出する位相信号検出手段と、
前記位相信号タイミング検出手段が出力する信号および前記群信号タイミング検出手段が出力する信号の両方に基づいて前記超音波入力手段の座標を算出することを特徴とする上記(1)記載の座標入力装置。
【0022】
(3)前記規格化手段は、前記微分処理手段が出力する信号に対して、第一の所定レベルになるよう増幅率を変更する増幅手段であることを特徴とする上記(1)又は(2)記載の座標入力装置。
【0023】
(4)前記規格化手段は、第一の所定レベルに対応する係数を算出し、前記微分処理手段が出力するデータ列に対して、該係数を乗算することを特徴とする上記(1)又は(2)記載の座標入力装置。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面と共に説明する。
【0025】
〔第一の実施例〕
<全体構成の説明(図2)>
図2は、本実施例における座標入力装置の構成を示している。
【0026】
図2において、1は座標入力装置を制御すると共に、座標位置を算出して、コンピュータ等のホスト装置4にシリアルケーブル等を通じて出力する演算制御回路である。2は入力ペンであって、操作者による座標入力動作により空中に音波を発生するように構成されている。3は同期信号受信回路であって、入力ペン2から出力される光信号を処理し、そのデータを演算制御回路1に出力する。5はプロジェクタ等のディスプレイ装置で、ホスト装置4が出力する各種の画像情報を8のアクリルや塩化ビニル等からなるスクリーンに出力することができる。入力ペン2による座標入力動作は、このスクリーン8に入力ペン2のペン先を向けることで行う(実際には、図示に実線で示す符号7の領域(以下有効エリア)内を入力ペン2で指定する事を行う。)。
【0027】
そして、このスクリーン8の四隅には、圧電素子等、機械的振動を電気信号に変換する振動センサ6a〜6dが固定されている。9は各振動センサ6a〜6dで振動を検出した旨の信号を演算制御回路1に出力する波形検出回路である。演算制御回路1は、入力ペン2が指示した座標位置を算出して、ホスト装置4に出力する。そして、ディスプレイ装置5は、座標位置をドットとして出力し、先述のホスト装置4の画像情報としてスクリーン8に表示される。
【0028】
<入力ペン及び振動センサの説明(図3)>
図3は本発明の実施例における入力ペン2及び振動センサ6a〜6dを説明するための図である。
【0029】
図3において、入力ペン2に内蔵された振動子25は、振動子駆動回路24により駆動される。電気的な駆動信号は振動子25によって機械的な超音波振動に変換され、アルミ等で構成される円錐形金属の反射材27で反射され、超音波通過窓28から空気中に放射される。
【0030】
振動子25は、厚み振動を行う圧電振動子の前面に音響整合層を設けており、この音響整合層はシリコンゴム等を薄層化したもので、気体との音響インピーダンスの整合をとり、高感度で広帯域特性が得られ、またパルス応答性のよい超音波信号の送受信が可能となっている。
【0031】
超音波通過窓28から空気中に放射された超音波は、円錐形金属の反射材27で反射され、振動センサ6aで検出され、後述の処理をすることによって検出タイミングを獲得する。
【0032】
振動子駆動回路24は振動子25の共振周波数の所定の発数でパルス駆動すると同時に、赤外LED等の発光素子22に所定の周波数で変調した発光タイミング信号を送信する。
【0033】
ここで、振動子駆動回路24は、電池23を電源として動作する。電池23は、アルカリ乾電池等の1次電池、またはニッケル水素電池等の2次電池で構成されていて、交換可能となっている。振動子駆動回路24は、電池23の電圧を電源電圧として動作して、振動子25のパルス駆動電圧も電源電圧と同じ電圧値で駆動される。出力レベルを上げたい場合は、振動子25の駆動は、昇圧トランス等で電源電圧よりも高い電圧で駆動することも可能である。しかし、消費電流が大きくなるので、電池寿命の観点では不利である。
【0034】
<演算制御回路の説明(図4)>
入力ペン2内の振動子駆動回路24は、振動子25を駆動するのと同時に発光素子22は所定の周波数で変調した信号を光信号として出力する。そして、同期信号受信回路3で検出された光信号は内部回路で復調処理された後、演算制御回路1に振動センサに伝達される超音波振動の計時のスタートタイミング信号として入力される。
【0035】
演算制御回路1は、前述の同期信号受信回路3から出力されるスタートタイミング信号により内部タイマ(カウンタで構成されている)による計時を開始させる。そして、入力ペン2より発生した超音波は振動センサ6a〜6d迄の距離に応じて遅延して到達する。
【0036】
波形検出回路9は各振動センサ6a〜6dからの信号を検出して、後述する波形検出処理により各振動センサ6a〜6dへの振動到達タイミングを示す信号を生成するが、演算制御回路1は各センサ毎のこの信号を入力し、各々の振動センサ6a〜6dまでの振動到達時間の検出、そして入力ペン2の座標位置を算出する。また、演算制御回路1は、この算出された入力ペン2の位置情報をホスト装置4に出力して、ディスプレイ装置5による表示を制御したりする。
【0037】
図4は実施例の演算制御回路1の概略構成を示すブロック図で、各構成要素及びその動作概略を以下に説明する。
【0038】
図中31は演算制御回路1及び本座標入力装置全体を制御するマイクロコンピュータであり、制御処理を行う主体となるCPU311、その制御プログラムを格納したROM312、ワーキングエリアとして計算等に使用するRAM313、及び定数等を記憶する不揮発性メモリ等によって構成されている。
【0039】
32a〜32dは不図示の基準クロックを計時するカウンタであって、振動子駆動回路24に入力ペン2内の振動子25の駆動を開始させるための信号と同時に駆動される光信号が、同期信号受信回路3で検出され、スタート信号を入力すると、その計時を開始する。これによって、計時開始と振動センサによる超音波振動検出の同期が取られ、振動センサ6a〜6dにより振動が検出されるまでの遅延時間が測定できることになる。
【0040】
波形検出回路9より出力される各振動センサ6a〜6dよりの振動到達タイミング信号は、検出信号入力回路34を介してカウンタ32a〜32dに入力される。カウンタ32a〜32dのそれぞれは、各振動センサ6a〜6dに対応している。
【0041】
こうして全ての検出信号の受信がなされたことを判定回路33が判定すると、マイクロコンピュータ31にその旨の信号を出力する。マイクロコンピュータ31がこの判定回路33からの信号を受信すると、カウンタ32a〜32dから各々の振動センサ6a〜6dまでの振動到達時間をラッチ回路より読み取り、所定の計算を行なって、スクリーン8上の入力ペン2の座標位置を算出する。
【0042】
そして、I/Oポート35を介してホスト装置4に算出した座標位置情報を出力することにより、ディスプレイ装置5がスクリーン8の対応する位置にドット等を表示することができる。あるいはI/Oポート35を介しインターフェース回路に、座標位置情報を出力することによって、外部機器に座標値を出力することができる。
【0043】
<振動伝搬時間検出の説明(図1、図5)>
以下、振動センサ6a〜6dまでの振動到達時間を計測する原理について説明する。
【0044】
図5は、信号波形検出回路9の構成を示すブロック図である。図1は波形検出回路9に入力される検出波形と、それに基づく振動伝達時間の計測処理を説明するための図である。なお、以下は振動センサ6aの場合について説明するが、その他の振動センサ6b〜6dについても全く同様である。
【0045】
振動センサ6aへの振動伝達時間の計測は、同期信号受信回路3から演算制御回路1へのスタートタイミング信号の出力と同時に開始することは既に説明した。このとき、入力ペン2内の振動子駆動回路24から振動子25へは駆動信号41が印加されている。駆動信号41は、短い(例えば1発の)矩形パルスである。この信号41によって、入力ペン2から出力された超音波振動は、振動センサ6aまでの距離に応じた時間をかけて進行した後、概ね42のような検出波形として振動センサ6aで検出される。駆動信号41を短いパルスとする理由は、不要反射成分と検出すべき振動との干渉(重畳)による誤検出を防ぎ、装置全体の小型化を図るためである。図示の42で示す信号は振動センサ6aが検出した信号波形を示している。振動センサ6aが検出した信号波形42は、43で示される群信号について後述する手順によって処理される。
【0046】
振動センサ6aで検出された信号は、前置増幅回路51で所定のゲインで増幅されたあと、エンベロープ検出回路52により、エンベロープ信号43が取り出される。エンベロープ信号43は、1階微分回路53に入力され、1階微分出力波形44が得られる。そして、入力された信号をフィードバックし一定のレベルとして出力するオートゲインコントロール回路であるAGC回路54に入力されて、所定のレベル441まで規格化された信号45が得られる。規格化された信号45は、閾値発生回路56により出力される所定レベルの閾値信号451とTG信号検出回路55で比較されて、TG信号46を生成する。得られたTG信号46は、検出された時間信号として演算制御回路1に供給する。
【0047】
ここで、閾値発生回路56で発生する閾値信号451は、AGC回路54によって決定される規格化レベル441に対して適宜設定される。例えばゼロレベルから規格化レベルまでを10とすると閾値は5:5などというように設定され、規格化信号45にのっているノイズレベルなどの不要信号レベルによって該不要信号レベルよりも十分に大きいレベルに適宜設定される。
【0048】
このように、検出信号を規格化して処理することによって、操作状況によって大きく検出レベルが変動する超音波信号においても安定した検出が可能となる。また、前置増幅回路51にてオートゲインコントロールによる規格化処理をすることも考えられるが、本発明のように1階微分信号について規格化することにより、波形の前方の情報のみで処理することができるので、反射波などが重畳することによって誤検出となり、結果的に精度劣化となってしまう問題を軽減できるため、座標入力装置として大幅な設計自由度の改善が可能となる。
【0049】
本実施例の装置で用いられている超音波は、空中を振動するため、検出波形のエンベロープ43は振動伝達中に、その伝達距離に関わらず一定である。ここでエンベロープ43の進む速度、即ち、群速度をVgとする。この群速度Vgから入力ペン2と振動センサ6a間の距離を検出することができる。
【0050】
すなわち、先述のとおり、ある特定の波形上の点、(本実施例では規格化された1階微分出力信号44を閾値451でスライスした点)を検出すると、振動入力ペン2及び振動センサ6aの間の距離は、演算制御回路1において、TG信号から計算されるその振動伝達時間をtgとして、
d=Vg・tg (1)
で与えられる。この式は振動センサ6aの一つに関するものであるが、同じ式により他の3つの振動センサ6b〜6dと振動入力ペン2の距離も同様にして表すことができる。
【0051】
<座標位置算出の説明(図6)>
今、スクリーン8上の4辺の頂点近傍に4つの振動センサ6a〜6dを符号Sa〜Sdの位置に設けると、先に説明した原理に基づいて、入力ペン2の位置Pから各々の振動センサ6a〜6dの位置までの直線距離da〜ddを求めることができる。更に演算制御回路1でこの直線距離da〜ddに基づき、入力ペン2の位置Pの座標(x、y)を3平方の定理から次式のようにして求めることができる。
【0052】
x=(da+dd)・(da−dd)/2X (2)
y=(da+db)・(da−db)/2Y (3)
ここでX、Yはそれぞれ振動センサ6a、6d間の距離、振動センサ6a、6b間の距離であり、以上のようにして入力ペン2の位置座標をリアルタイムで検出することができる。
【0053】
また、上記計算は3つのセンサまでの距離情報を用いて計算が可能であるが、本実施例では4個のセンサが設置されており、残りのセンサ1個の距離情報を用いて出力座標の確からしさの検証に用いてもよい。もちろん、例えば最も入力ペン−センサ間距離Lが大きくなったセンサの距離情報(距離Lが大きくなるので検出信号レベルが低下しノイズの影響を受ける確率が大きくなる)を用いず残りのセンサ3個で座標を算出しても良い。
【0054】
また、先述の通り、センサ近傍の領域に対しては、該センサの情報は使用せずに他の3センサで座標を算出するような処理をしてもよい。
【0055】
また本実施例では4個のセンサを配置しているが、製品スペックに応じてセンサの個数が設定されることは言うまでもない。
【0056】
〔第二の実施例〕
一方、より高精度な距離検出を行うための第二の実施例は、検出信号波形の位相情報より、超音波が到達する時間を導出する方法である。その詳細について、図7および図8を用いて説明する。
【0057】
位相信号について、検出波形82は、狭帯域な帯域通過フィルタ回路77によって所定幅の周波数成分の信号87が得られる。その位相信号87はTP信号検出回路78に入力される。また、第一の実施例と同様に検出されたTG信号検出回路75の出力信号も、TP信号検出回路78に入力される。
【0058】
TP信号検出回路78は、入力された位相信号87のゼロクロスから得られる信号88とTG信号検出回路75が出力するTG信号86をゲート信号として比較処理する。すなわち、図8において、ゲート信号86のパルスに同期して信号88の立上りを検出して、パルス信号89を生成する。このパルス信号89をTP信号として、演算制御回路1に供給する。演算制御回路1では、第一の実施例で説明したようにtgと、TP信号から得られるtpから下記の処理を実行する。
【0059】
すなわち、位相信号から先述のように検出した振動伝達時間TPをtpとして、振動センサ6aと振動入力ペン2の距離は、
d=n・λp+Vp・tp (4)
となる。ここでλpは弾性波の波長、nは整数である。
【0060】
前記(3)式と(4)式から上記の整数nは、(5),(6)式により求めることができる。
【0061】
n=int[(Vg・tg−Vp・tp)/λp+1/2] (5)
V=Vg=Vpより
n=int[V・(tg−tp)/λp+1/2] (6)
ここで、群遅延時間tgの距離に対する線形性が良いとは言えず、式(5)において整数化を実行しているのはこのためである。正確な整数nを求めるための必要十分条件は式(6)から導出される式(7)に示され、
n*=V・(tg−tp)/λp (7)
ΔN=n*−n≦0.5 (8)
つまり、発生する誤差量が±1/2波長以内であれば、群遅延時間tgの線形性が良くなくても、整数nを正確に決定することができる事を示すものである。上記のようにして求めたnを(4)式に代入することで、入力ペン2及び振動センサ6a間の距離dを精度良く測定することができる。
【0062】
尚、以上説明した回路は振動センサ6aに対するものであり、他の振動センサ6b〜6dにも同じ回路が設けられている。
【0063】
〔第三の実施例〕
本実施例では、構成する回路として、検出した信号をA/Dコンバータでディジタルサンプリングした場合の動作について図9〜図11を用いて説明する。
【0064】
まず、入力ペン2から発振された超音波信号を振動センサが検出し、前置増幅回路91で所定のゲインで増幅するのは、先述の実施例と同様である。その後、A/Dコンバータ92で所定のビット幅(レベル方向)およびサンプリングレート(時間軸)でアナログ・ディジタル変換を実行する。そして、外部メモリ回路93に格納されたサンプリングデータは演算制御回路1によって適宜読み出しされて演算に使用される。
【0065】
いま、図10の102のような波形データ(所定サンプリングのディジタルデータ)が外部メモリ回路93に格納されている場合、以下の処理をして超音波信号の到達時間を計測する。
【0066】
図11は、演算制御回路1で実行されるプログラムの内容を示したフローチャートである。まず、S122でA/Dコンバータ92で獲得したデータに対して、ノイズ等と区別して所望の信号のみをデータ列として獲得するために閾値A0(図10の1021)以上の出力値を持つアドレスの範囲を十分に含むデータ列S0を取得する。次にS123でデータ列S0に対して、高周波成分を除去するためにフィルタ処理をし、さらにエンベロープ信号103を取得する。次にS124で1階微分信号S1として波形104を取得する。次にS125で1階微分信号S1に対して閾値A以上でかつレベルが最小値となるアドレスS1aを取得する。この処理は、微分処理すると微小な差が強調されてノイズとして出現する場合があるので、信号に対して十分高い閾値が必要となる。次にS126でアドレスS1a〜S1a+kの範囲(図10の1041)でレベルが最大値となるアドレスS1a_maxを取得する。次にアドレスS1a_maxのレベルを規格化処理するため、S127で規格化係数Rを計算する。いま規格化レベルをα(図10の1031)、アドレスS1a_maxのレベルをVmとすると規格化係数Rは、
R=α/Vm
となる。そしてS128で規格化係数Rを1階微分信号データ列S1に乗算することによって、規格化処理信号Ssの計算を実行する。
【0067】
Ss=S1*R
規格化処理信号Ss(図10の105)は、S129でアドレスS1a_maxから前方へ所定のアドレス幅(図10の1052)において、閾値B以下でかつレベルが最大値となるアドレスSstを取得する。そして、S130でアドレスSstを検出時間、すなわちTGに換算する。その後の処理は先述の実施例と同様である。
【0068】
以上のように、アナログ−ディジタル変換したデータ列に対しても微分処理した信号に対して規格化処理をすることによって、データ列の前方アドレスの情報に対して計測処理をすることができるため、反射波の影響を軽減し安定した座標を算出することができる。
【0069】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、入力面を構成する表示面に対して位置入力を行う超音波入力手段と、前記表示面の周辺部に設けられた複数の振動検出手段と、前記超音波入力手段から発生した超音波を前記複数の振動検出手段が受信した受信タイミングに基づいて当該超音波入力手段の位置を獲得する座標入力装置において、前記振動検出手段が検出する信号のうち群遅延時間に関わる群信号について検出する群信号検出手段と、前記群信号検出手段が出力する信号に対して微分処理を施す微分処理手段と、前記微分処理手段が出力する信号のピークレベルを第一の所定のレベルに規格化する規格化手段と、前記正規化手段によって正規化された信号と前記第一のレベルに対して決定する第二の所定の閾値レベルとを比較して、前記超音波入力手段の群遅延信号の検出タイミングを検出する群信号タイミング検出手段と、前記群信号タイミング検出手段が出力する信号に基づいて前記超音波入力手段の座標を算出するので、入力操作状況によって大きく検出レベルが変動する超音波信号においても安定した検出が可能となる。また、微分信号について規格化することにより、波形の前方の情報のみで処理することができるので、反射波などが重畳することによって誤検出となり、結果的に精度劣化となってしまう問題を軽減できるため、座標入力装置として大幅な設計自由度の改善が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】波形検出回路に供給される検出波形と、それに基づく振動伝達時間の計測処理を説明する図
【図2】本発明に係る座標入力装置の実施形態の一例を示す図
【図3】入力ペン及び振動センサの概略構成を示す図
【図4】演算制御回路の詳細な構成を示す図
【図5】波形検出回路の詳細な構成を示す図
【図6】座標位置の算出例を説明するための図
【図7】第二実施例における波形検出回路の詳細な構成を示す図
【図8】第二実施例における振動伝達時間の計測処理を説明する図
【図9】第三実施例における波形検出回路の詳細な構成を示す図
【図10】第三実施例における振動伝達時間の計測処理を説明する図
【図11】第三実施例における振動伝達時間の計測処理を説明するフローチャート
【符号の説明】
1 演算制御回路
2 入力ペン
3 同期信号受信回路
4 ホスト装置
5 ディスプレイ装置
6a〜6d 振動センサ
7 有効エリア
8 スクリーン
9 波形検出回路
22 発光素子
23 電池
24 振動子駆動回路
25 振動子
27 反射材
28 超音波通過窓
31 マイクロコンピュータ
32a〜32d カウンタ
33 判定回路
34 検出信号入力回路
35 I/Oポート
51、71、91 前置増幅回路
52、72 エンベロープ検出回路
53、73 1階微分回路
54、74 AGC回路
55、75 TG信号検出回路
56、76 閾値発生回路
77 帯域通過フィルタ回路
78 TP信号検出回路
92 A/Dコンバータ
93 外部メモリ回路
【発明の属する技術分野】
本発明は、表示システムと組み合わせて使用することにより、入出力一体の装置を構成することができる座標入力装置及びその制御方法に関する。特に、入力ペンから入力された超音波を入力面に複数設けられたセンサにより検出し、この超音波の伝達時間に基づいて、当該入力ペンの位置を算出する座標入力装置及びその制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、コンピュータが出力する各種情報を表示する表示装置と、座標入力面を有し、この画面上にペンで任意に指示した点の座標を検出して座標データをコンピュータに出力する座標入力装置とから構成された情報入出力装置がある。
【0003】
この情報入出力装置を構成する表示装置には、CRT,LCD,PDP,プロジェクタ等があり、近年は、液晶の表示性能技術の向上や設置面積の観点から、LCD,PDP等のフラットパネルが、表示装置市場でのシェアを拡大している。
【0004】
一方、座標入力装置は、タッチパネルやタブレットと呼ばれ、ペン型の入力装置を用いて座標入力面の入力可能領域の任意の点を指示すると、その入力点の座標を検出し、接続されたコンピュータに座標データを出力し、入力点を表示装置で表示することができる装置である。入力点を検出する方式としては、抵抗膜方式、電磁誘導方式、超音波方式が特に知られており、ユーザーが価格、用途に見合った選択ができるように多種多様化してきている。
【0005】
これらの情報入出力装置は、例えばオフィスにおいて使われていたホワイトボード、あるいは電子黒板にとって変わり、パソコン内に予め用意した資料用データを大画面ディスプレイに表示させることで、会議用途、打ち合わせ用途に使われ始めている。その場合、表示用ディスプレイに表示された情報は、ホワイトボードの如く、操作者、あるいは出席者により表示情報を更新するために、直接画面をタッチすることで、パソコンを制御して、例えば表示スクリーンの表示内容を切り替えることができるように構成されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この種の座標入力装置において、抵抗膜方式、静電方式等の座標入力装置は、完全に透明な入力板を構成することが困難であり、表示装置の画像の質を低下させると言う問題が生じる。さらには、ガラス等の伝播体を必要とする超音波方式では、例えば室内で用いる際の蛍光灯の映りこみを防止するために、そのガラスの表面を光学的に処理する必要があり、画像の画質を維持すると言う点で大幅なコストアップが避けられない。また電磁誘導方式は、表示面の裏側にマトリックス上の電極を配置し、入力ペンとの間で電磁的な信号の送受を行うので、表示装置が大型化し装置の厚みが増すと原理的に座標算出が困難なものとなる上に、会議用途、あるいはプレゼン用途といった大型の座標入力装置を構成する場合には、非常にコストの高い装置となってしまう欠点を有する。
【0007】
また、大型の表示システムを採用した場合には、大勢の聴衆が鑑賞することが想定され、画像の視野角、あるいはコントラスト等は十分な性能が要求される。従って、これらの大型表示システムと座標入力措置を組み合わせる場合には、十分な低コストで精度良く座標算出が可能となるばかりでなく、表示装置の画質を劣化させないと言うことが重要な要因となる。
【0008】
さらには、この種の大型の入出力一体のシステムを考慮した場合、大勢の参加者を想定した打ち合わせ、あるいはネットワーク時代を考慮すれば、操作者が直接画面をタッチすることでパソコンを制御するばかりでなく、例えば質問者がその場で遠隔操作により、画面を操作したり、必要に応じてネットワークより情報を引き出せるような構成になるのが好ましい形態であると言える。
【0009】
ところで、空中に放射する超音波は減衰が激しく、しかもその減衰は超音波周波数の2乗に比例するため、実用的にはある程度低い周波数帯域の超音波を利用する。しかしながら、それでも振動センサにより検出された信号は、微弱なものであり、そのまま信号処理を行うのには適していないため、前置増幅器を用いて増幅するのが一般的である。
【0010】
このような空中超音波を利用した座標入力装置においては、検出信号レベルが非常に大きく変化する。要因としては、振動伝達距離、ペンの入力角度、各部品ばらつき等があげられる。通常、検出した信号を有効と判断するためのしきい値は、前記要因による変動幅と、不要反射波のレベル、電磁的なノイズレベル、電源電圧を考慮して決定される。
【0011】
また、不要反射波に関しては、図2に示すような入力面からの反射が主たる要因ではあるが、機器を構成する筐体や入力面から離れたところから入力する場合は、入力手段の極近接にある例えば机や壁などの不特定多数の反射物が存在する。
【0012】
このような反射波は、超音波入力手段から信号検出手段までの振動伝達経路において直接波と反射波の信号の経路差が大きい場合は、超音波検出後の処理に影響しないが、経路差が得られない場合には、反射波と直接波が重畳した検出信号を処理してしまうために誤検出となり、座標算出の精度劣化の要因となってしまう。
【0013】
例えば使用周波数が40kHzであれば、直接波と反射波は、数十mm(数波長)の伝播経路差があれば、反射波と直接波の分離ができると考えられるが、該経路差を確保するためには、超音波入力手段の発振源の位置や検出センサの構成等において機器の設計自由度がなくなってしまうという課題がある。
【0014】
すなわち、上記課題を解決できない場合は、直接波と反射波が十分な経路差が得られるように、ユーザー側に機器の設置場所について制限を設けたり、或いは入力者にもその入力形態に制限をすることによって座標算出精度の劣化を解消するなどの対策を強要させることとなってしまうなど、非常に使いづらい装置となってしまう。
【0015】
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、反射波の影響を軽減して、かつレベル変動の影響を受けない安定した座標算出精度が得られる座標入力装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る座標入力装置は、
入力面を構成する表示面に対して位置入力を行う超音波入力手段と、前記表示面の周辺部に設けられた複数の振動検出手段と、前記超音波入力手段から発生した超音波を前記複数の振動検出手段が受信した受信タイミングに基づいて当該超音波入力手段の位置を獲得する座標入力装置において、前記振動検出手段が検出する信号のうち群遅延時間に関わる群信号について検出する群信号検出手段と、前記群信号検出手段が出力する信号に対して微分処理を施す微分処理手段と、前記微分処理手段が出力する信号のピークレベルを第一の所定のレベルに規格化する規格化手段と、前記正規化手段によって正規化された信号と前記第一のレベルに対して決定する第二の所定の閾値レベルとを比較して、前記超音波入力手段の群遅延信号の検出タイミングを検出する群信号タイミング検出手段と、を有する。
【0017】
さらに、前記振動検出手段が検出する信号のうち位相遅延時間に関わる位相信号について検出する位相信号検出手段と、を有する。
【0018】
したがって、反射波の影響を軽減して、かつレベル変動の影響を受けない安定した座標算出精度が得られる座標入力装置を提供することができる。
【0019】
上記構成を、改めて以下(1)〜(4)に整理して示す。
【0020】
(1)入力面を構成する表示面に対して位置入力を行う超音波入力手段と、前記表示面の周辺部に設けられた複数の振動検出手段と、前記超音波入力手段から発生した超音波を前記複数の振動検出手段が受信した受信タイミングに基づいて当該超音波入力手段の位置を獲得する座標入力装置において、
前記振動検出手段が検出する信号のうち群遅延時間に関わる群信号について検出する群信号検出手段と、
前記群信号検出手段が出力する信号に対して微分処理を施す微分処理手段と、
前記微分処理手段が出力する信号のピークレベルを第一の所定レベルに規格化する規格化手段と、
前記規格化手段によって規格化された信号と前記第一のレベルに対して決定する第二の所定の閾値レベルとを比較して、前記超音波入力手段の群遅延信号の検出タイミングを検出する群信号タイミング検出手段と、
前記群信号タイミング検出手段が出力する信号に基づいて前記超音波入力手段の座標を算出することを特徴とする座標入力装置。
【0021】
(2)前記振動検出手段が検出する信号のうち位相遅延時間に関わる位相信号について検出する位相信号検出手段と、
前記位相信号タイミング検出手段が出力する信号および前記群信号タイミング検出手段が出力する信号の両方に基づいて前記超音波入力手段の座標を算出することを特徴とする上記(1)記載の座標入力装置。
【0022】
(3)前記規格化手段は、前記微分処理手段が出力する信号に対して、第一の所定レベルになるよう増幅率を変更する増幅手段であることを特徴とする上記(1)又は(2)記載の座標入力装置。
【0023】
(4)前記規格化手段は、第一の所定レベルに対応する係数を算出し、前記微分処理手段が出力するデータ列に対して、該係数を乗算することを特徴とする上記(1)又は(2)記載の座標入力装置。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面と共に説明する。
【0025】
〔第一の実施例〕
<全体構成の説明(図2)>
図2は、本実施例における座標入力装置の構成を示している。
【0026】
図2において、1は座標入力装置を制御すると共に、座標位置を算出して、コンピュータ等のホスト装置4にシリアルケーブル等を通じて出力する演算制御回路である。2は入力ペンであって、操作者による座標入力動作により空中に音波を発生するように構成されている。3は同期信号受信回路であって、入力ペン2から出力される光信号を処理し、そのデータを演算制御回路1に出力する。5はプロジェクタ等のディスプレイ装置で、ホスト装置4が出力する各種の画像情報を8のアクリルや塩化ビニル等からなるスクリーンに出力することができる。入力ペン2による座標入力動作は、このスクリーン8に入力ペン2のペン先を向けることで行う(実際には、図示に実線で示す符号7の領域(以下有効エリア)内を入力ペン2で指定する事を行う。)。
【0027】
そして、このスクリーン8の四隅には、圧電素子等、機械的振動を電気信号に変換する振動センサ6a〜6dが固定されている。9は各振動センサ6a〜6dで振動を検出した旨の信号を演算制御回路1に出力する波形検出回路である。演算制御回路1は、入力ペン2が指示した座標位置を算出して、ホスト装置4に出力する。そして、ディスプレイ装置5は、座標位置をドットとして出力し、先述のホスト装置4の画像情報としてスクリーン8に表示される。
【0028】
<入力ペン及び振動センサの説明(図3)>
図3は本発明の実施例における入力ペン2及び振動センサ6a〜6dを説明するための図である。
【0029】
図3において、入力ペン2に内蔵された振動子25は、振動子駆動回路24により駆動される。電気的な駆動信号は振動子25によって機械的な超音波振動に変換され、アルミ等で構成される円錐形金属の反射材27で反射され、超音波通過窓28から空気中に放射される。
【0030】
振動子25は、厚み振動を行う圧電振動子の前面に音響整合層を設けており、この音響整合層はシリコンゴム等を薄層化したもので、気体との音響インピーダンスの整合をとり、高感度で広帯域特性が得られ、またパルス応答性のよい超音波信号の送受信が可能となっている。
【0031】
超音波通過窓28から空気中に放射された超音波は、円錐形金属の反射材27で反射され、振動センサ6aで検出され、後述の処理をすることによって検出タイミングを獲得する。
【0032】
振動子駆動回路24は振動子25の共振周波数の所定の発数でパルス駆動すると同時に、赤外LED等の発光素子22に所定の周波数で変調した発光タイミング信号を送信する。
【0033】
ここで、振動子駆動回路24は、電池23を電源として動作する。電池23は、アルカリ乾電池等の1次電池、またはニッケル水素電池等の2次電池で構成されていて、交換可能となっている。振動子駆動回路24は、電池23の電圧を電源電圧として動作して、振動子25のパルス駆動電圧も電源電圧と同じ電圧値で駆動される。出力レベルを上げたい場合は、振動子25の駆動は、昇圧トランス等で電源電圧よりも高い電圧で駆動することも可能である。しかし、消費電流が大きくなるので、電池寿命の観点では不利である。
【0034】
<演算制御回路の説明(図4)>
入力ペン2内の振動子駆動回路24は、振動子25を駆動するのと同時に発光素子22は所定の周波数で変調した信号を光信号として出力する。そして、同期信号受信回路3で検出された光信号は内部回路で復調処理された後、演算制御回路1に振動センサに伝達される超音波振動の計時のスタートタイミング信号として入力される。
【0035】
演算制御回路1は、前述の同期信号受信回路3から出力されるスタートタイミング信号により内部タイマ(カウンタで構成されている)による計時を開始させる。そして、入力ペン2より発生した超音波は振動センサ6a〜6d迄の距離に応じて遅延して到達する。
【0036】
波形検出回路9は各振動センサ6a〜6dからの信号を検出して、後述する波形検出処理により各振動センサ6a〜6dへの振動到達タイミングを示す信号を生成するが、演算制御回路1は各センサ毎のこの信号を入力し、各々の振動センサ6a〜6dまでの振動到達時間の検出、そして入力ペン2の座標位置を算出する。また、演算制御回路1は、この算出された入力ペン2の位置情報をホスト装置4に出力して、ディスプレイ装置5による表示を制御したりする。
【0037】
図4は実施例の演算制御回路1の概略構成を示すブロック図で、各構成要素及びその動作概略を以下に説明する。
【0038】
図中31は演算制御回路1及び本座標入力装置全体を制御するマイクロコンピュータであり、制御処理を行う主体となるCPU311、その制御プログラムを格納したROM312、ワーキングエリアとして計算等に使用するRAM313、及び定数等を記憶する不揮発性メモリ等によって構成されている。
【0039】
32a〜32dは不図示の基準クロックを計時するカウンタであって、振動子駆動回路24に入力ペン2内の振動子25の駆動を開始させるための信号と同時に駆動される光信号が、同期信号受信回路3で検出され、スタート信号を入力すると、その計時を開始する。これによって、計時開始と振動センサによる超音波振動検出の同期が取られ、振動センサ6a〜6dにより振動が検出されるまでの遅延時間が測定できることになる。
【0040】
波形検出回路9より出力される各振動センサ6a〜6dよりの振動到達タイミング信号は、検出信号入力回路34を介してカウンタ32a〜32dに入力される。カウンタ32a〜32dのそれぞれは、各振動センサ6a〜6dに対応している。
【0041】
こうして全ての検出信号の受信がなされたことを判定回路33が判定すると、マイクロコンピュータ31にその旨の信号を出力する。マイクロコンピュータ31がこの判定回路33からの信号を受信すると、カウンタ32a〜32dから各々の振動センサ6a〜6dまでの振動到達時間をラッチ回路より読み取り、所定の計算を行なって、スクリーン8上の入力ペン2の座標位置を算出する。
【0042】
そして、I/Oポート35を介してホスト装置4に算出した座標位置情報を出力することにより、ディスプレイ装置5がスクリーン8の対応する位置にドット等を表示することができる。あるいはI/Oポート35を介しインターフェース回路に、座標位置情報を出力することによって、外部機器に座標値を出力することができる。
【0043】
<振動伝搬時間検出の説明(図1、図5)>
以下、振動センサ6a〜6dまでの振動到達時間を計測する原理について説明する。
【0044】
図5は、信号波形検出回路9の構成を示すブロック図である。図1は波形検出回路9に入力される検出波形と、それに基づく振動伝達時間の計測処理を説明するための図である。なお、以下は振動センサ6aの場合について説明するが、その他の振動センサ6b〜6dについても全く同様である。
【0045】
振動センサ6aへの振動伝達時間の計測は、同期信号受信回路3から演算制御回路1へのスタートタイミング信号の出力と同時に開始することは既に説明した。このとき、入力ペン2内の振動子駆動回路24から振動子25へは駆動信号41が印加されている。駆動信号41は、短い(例えば1発の)矩形パルスである。この信号41によって、入力ペン2から出力された超音波振動は、振動センサ6aまでの距離に応じた時間をかけて進行した後、概ね42のような検出波形として振動センサ6aで検出される。駆動信号41を短いパルスとする理由は、不要反射成分と検出すべき振動との干渉(重畳)による誤検出を防ぎ、装置全体の小型化を図るためである。図示の42で示す信号は振動センサ6aが検出した信号波形を示している。振動センサ6aが検出した信号波形42は、43で示される群信号について後述する手順によって処理される。
【0046】
振動センサ6aで検出された信号は、前置増幅回路51で所定のゲインで増幅されたあと、エンベロープ検出回路52により、エンベロープ信号43が取り出される。エンベロープ信号43は、1階微分回路53に入力され、1階微分出力波形44が得られる。そして、入力された信号をフィードバックし一定のレベルとして出力するオートゲインコントロール回路であるAGC回路54に入力されて、所定のレベル441まで規格化された信号45が得られる。規格化された信号45は、閾値発生回路56により出力される所定レベルの閾値信号451とTG信号検出回路55で比較されて、TG信号46を生成する。得られたTG信号46は、検出された時間信号として演算制御回路1に供給する。
【0047】
ここで、閾値発生回路56で発生する閾値信号451は、AGC回路54によって決定される規格化レベル441に対して適宜設定される。例えばゼロレベルから規格化レベルまでを10とすると閾値は5:5などというように設定され、規格化信号45にのっているノイズレベルなどの不要信号レベルによって該不要信号レベルよりも十分に大きいレベルに適宜設定される。
【0048】
このように、検出信号を規格化して処理することによって、操作状況によって大きく検出レベルが変動する超音波信号においても安定した検出が可能となる。また、前置増幅回路51にてオートゲインコントロールによる規格化処理をすることも考えられるが、本発明のように1階微分信号について規格化することにより、波形の前方の情報のみで処理することができるので、反射波などが重畳することによって誤検出となり、結果的に精度劣化となってしまう問題を軽減できるため、座標入力装置として大幅な設計自由度の改善が可能となる。
【0049】
本実施例の装置で用いられている超音波は、空中を振動するため、検出波形のエンベロープ43は振動伝達中に、その伝達距離に関わらず一定である。ここでエンベロープ43の進む速度、即ち、群速度をVgとする。この群速度Vgから入力ペン2と振動センサ6a間の距離を検出することができる。
【0050】
すなわち、先述のとおり、ある特定の波形上の点、(本実施例では規格化された1階微分出力信号44を閾値451でスライスした点)を検出すると、振動入力ペン2及び振動センサ6aの間の距離は、演算制御回路1において、TG信号から計算されるその振動伝達時間をtgとして、
d=Vg・tg (1)
で与えられる。この式は振動センサ6aの一つに関するものであるが、同じ式により他の3つの振動センサ6b〜6dと振動入力ペン2の距離も同様にして表すことができる。
【0051】
<座標位置算出の説明(図6)>
今、スクリーン8上の4辺の頂点近傍に4つの振動センサ6a〜6dを符号Sa〜Sdの位置に設けると、先に説明した原理に基づいて、入力ペン2の位置Pから各々の振動センサ6a〜6dの位置までの直線距離da〜ddを求めることができる。更に演算制御回路1でこの直線距離da〜ddに基づき、入力ペン2の位置Pの座標(x、y)を3平方の定理から次式のようにして求めることができる。
【0052】
x=(da+dd)・(da−dd)/2X (2)
y=(da+db)・(da−db)/2Y (3)
ここでX、Yはそれぞれ振動センサ6a、6d間の距離、振動センサ6a、6b間の距離であり、以上のようにして入力ペン2の位置座標をリアルタイムで検出することができる。
【0053】
また、上記計算は3つのセンサまでの距離情報を用いて計算が可能であるが、本実施例では4個のセンサが設置されており、残りのセンサ1個の距離情報を用いて出力座標の確からしさの検証に用いてもよい。もちろん、例えば最も入力ペン−センサ間距離Lが大きくなったセンサの距離情報(距離Lが大きくなるので検出信号レベルが低下しノイズの影響を受ける確率が大きくなる)を用いず残りのセンサ3個で座標を算出しても良い。
【0054】
また、先述の通り、センサ近傍の領域に対しては、該センサの情報は使用せずに他の3センサで座標を算出するような処理をしてもよい。
【0055】
また本実施例では4個のセンサを配置しているが、製品スペックに応じてセンサの個数が設定されることは言うまでもない。
【0056】
〔第二の実施例〕
一方、より高精度な距離検出を行うための第二の実施例は、検出信号波形の位相情報より、超音波が到達する時間を導出する方法である。その詳細について、図7および図8を用いて説明する。
【0057】
位相信号について、検出波形82は、狭帯域な帯域通過フィルタ回路77によって所定幅の周波数成分の信号87が得られる。その位相信号87はTP信号検出回路78に入力される。また、第一の実施例と同様に検出されたTG信号検出回路75の出力信号も、TP信号検出回路78に入力される。
【0058】
TP信号検出回路78は、入力された位相信号87のゼロクロスから得られる信号88とTG信号検出回路75が出力するTG信号86をゲート信号として比較処理する。すなわち、図8において、ゲート信号86のパルスに同期して信号88の立上りを検出して、パルス信号89を生成する。このパルス信号89をTP信号として、演算制御回路1に供給する。演算制御回路1では、第一の実施例で説明したようにtgと、TP信号から得られるtpから下記の処理を実行する。
【0059】
すなわち、位相信号から先述のように検出した振動伝達時間TPをtpとして、振動センサ6aと振動入力ペン2の距離は、
d=n・λp+Vp・tp (4)
となる。ここでλpは弾性波の波長、nは整数である。
【0060】
前記(3)式と(4)式から上記の整数nは、(5),(6)式により求めることができる。
【0061】
n=int[(Vg・tg−Vp・tp)/λp+1/2] (5)
V=Vg=Vpより
n=int[V・(tg−tp)/λp+1/2] (6)
ここで、群遅延時間tgの距離に対する線形性が良いとは言えず、式(5)において整数化を実行しているのはこのためである。正確な整数nを求めるための必要十分条件は式(6)から導出される式(7)に示され、
n*=V・(tg−tp)/λp (7)
ΔN=n*−n≦0.5 (8)
つまり、発生する誤差量が±1/2波長以内であれば、群遅延時間tgの線形性が良くなくても、整数nを正確に決定することができる事を示すものである。上記のようにして求めたnを(4)式に代入することで、入力ペン2及び振動センサ6a間の距離dを精度良く測定することができる。
【0062】
尚、以上説明した回路は振動センサ6aに対するものであり、他の振動センサ6b〜6dにも同じ回路が設けられている。
【0063】
〔第三の実施例〕
本実施例では、構成する回路として、検出した信号をA/Dコンバータでディジタルサンプリングした場合の動作について図9〜図11を用いて説明する。
【0064】
まず、入力ペン2から発振された超音波信号を振動センサが検出し、前置増幅回路91で所定のゲインで増幅するのは、先述の実施例と同様である。その後、A/Dコンバータ92で所定のビット幅(レベル方向)およびサンプリングレート(時間軸)でアナログ・ディジタル変換を実行する。そして、外部メモリ回路93に格納されたサンプリングデータは演算制御回路1によって適宜読み出しされて演算に使用される。
【0065】
いま、図10の102のような波形データ(所定サンプリングのディジタルデータ)が外部メモリ回路93に格納されている場合、以下の処理をして超音波信号の到達時間を計測する。
【0066】
図11は、演算制御回路1で実行されるプログラムの内容を示したフローチャートである。まず、S122でA/Dコンバータ92で獲得したデータに対して、ノイズ等と区別して所望の信号のみをデータ列として獲得するために閾値A0(図10の1021)以上の出力値を持つアドレスの範囲を十分に含むデータ列S0を取得する。次にS123でデータ列S0に対して、高周波成分を除去するためにフィルタ処理をし、さらにエンベロープ信号103を取得する。次にS124で1階微分信号S1として波形104を取得する。次にS125で1階微分信号S1に対して閾値A以上でかつレベルが最小値となるアドレスS1aを取得する。この処理は、微分処理すると微小な差が強調されてノイズとして出現する場合があるので、信号に対して十分高い閾値が必要となる。次にS126でアドレスS1a〜S1a+kの範囲(図10の1041)でレベルが最大値となるアドレスS1a_maxを取得する。次にアドレスS1a_maxのレベルを規格化処理するため、S127で規格化係数Rを計算する。いま規格化レベルをα(図10の1031)、アドレスS1a_maxのレベルをVmとすると規格化係数Rは、
R=α/Vm
となる。そしてS128で規格化係数Rを1階微分信号データ列S1に乗算することによって、規格化処理信号Ssの計算を実行する。
【0067】
Ss=S1*R
規格化処理信号Ss(図10の105)は、S129でアドレスS1a_maxから前方へ所定のアドレス幅(図10の1052)において、閾値B以下でかつレベルが最大値となるアドレスSstを取得する。そして、S130でアドレスSstを検出時間、すなわちTGに換算する。その後の処理は先述の実施例と同様である。
【0068】
以上のように、アナログ−ディジタル変換したデータ列に対しても微分処理した信号に対して規格化処理をすることによって、データ列の前方アドレスの情報に対して計測処理をすることができるため、反射波の影響を軽減し安定した座標を算出することができる。
【0069】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、入力面を構成する表示面に対して位置入力を行う超音波入力手段と、前記表示面の周辺部に設けられた複数の振動検出手段と、前記超音波入力手段から発生した超音波を前記複数の振動検出手段が受信した受信タイミングに基づいて当該超音波入力手段の位置を獲得する座標入力装置において、前記振動検出手段が検出する信号のうち群遅延時間に関わる群信号について検出する群信号検出手段と、前記群信号検出手段が出力する信号に対して微分処理を施す微分処理手段と、前記微分処理手段が出力する信号のピークレベルを第一の所定のレベルに規格化する規格化手段と、前記正規化手段によって正規化された信号と前記第一のレベルに対して決定する第二の所定の閾値レベルとを比較して、前記超音波入力手段の群遅延信号の検出タイミングを検出する群信号タイミング検出手段と、前記群信号タイミング検出手段が出力する信号に基づいて前記超音波入力手段の座標を算出するので、入力操作状況によって大きく検出レベルが変動する超音波信号においても安定した検出が可能となる。また、微分信号について規格化することにより、波形の前方の情報のみで処理することができるので、反射波などが重畳することによって誤検出となり、結果的に精度劣化となってしまう問題を軽減できるため、座標入力装置として大幅な設計自由度の改善が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】波形検出回路に供給される検出波形と、それに基づく振動伝達時間の計測処理を説明する図
【図2】本発明に係る座標入力装置の実施形態の一例を示す図
【図3】入力ペン及び振動センサの概略構成を示す図
【図4】演算制御回路の詳細な構成を示す図
【図5】波形検出回路の詳細な構成を示す図
【図6】座標位置の算出例を説明するための図
【図7】第二実施例における波形検出回路の詳細な構成を示す図
【図8】第二実施例における振動伝達時間の計測処理を説明する図
【図9】第三実施例における波形検出回路の詳細な構成を示す図
【図10】第三実施例における振動伝達時間の計測処理を説明する図
【図11】第三実施例における振動伝達時間の計測処理を説明するフローチャート
【符号の説明】
1 演算制御回路
2 入力ペン
3 同期信号受信回路
4 ホスト装置
5 ディスプレイ装置
6a〜6d 振動センサ
7 有効エリア
8 スクリーン
9 波形検出回路
22 発光素子
23 電池
24 振動子駆動回路
25 振動子
27 反射材
28 超音波通過窓
31 マイクロコンピュータ
32a〜32d カウンタ
33 判定回路
34 検出信号入力回路
35 I/Oポート
51、71、91 前置増幅回路
52、72 エンベロープ検出回路
53、73 1階微分回路
54、74 AGC回路
55、75 TG信号検出回路
56、76 閾値発生回路
77 帯域通過フィルタ回路
78 TP信号検出回路
92 A/Dコンバータ
93 外部メモリ回路
Claims (4)
- 入力面を構成する表示面に対して位置入力を行う超音波入力手段と、前記表示面の周辺部に設けられた複数の振動検出手段と、前記超音波入力手段から発生した超音波を前記複数の振動検出手段が受信した受信タイミングに基づいて当該超音波入力手段の位置を獲得する座標入力装置において、
前記振動検出手段が検出する信号のうち群遅延時間に関わる群信号について検出する群信号検出手段と、
前記群信号検出手段が出力する信号に対して微分処理を施す微分処理手段と、
前記微分処理手段が出力する信号のピークレベルを第一の所定レベルに規格化する規格化手段と、
前記規格化手段によって規格化された信号と前記第一のレベルに対して決定する第二の所定の閾値レベルとを比較して、前記超音波入力手段の群遅延信号の検出タイミングを検出する群信号タイミング検出手段と、
前記群信号タイミング検出手段が出力する信号に基づいて前記超音波入力手段の座標を算出することを特徴とする座標入力装置。 - 前記振動検出手段が検出する信号のうち位相遅延時間に関わる位相信号について検出する位相信号検出手段と、
前記位相信号タイミング検出手段が出力する信号および前記群信号タイミング検出手段が出力する信号の両方に基づいて前記超音波入力手段の座標を算出することを特徴とする請求項1記載の座標入力装置。 - 前記規格化手段は、前記微分処理手段が出力する信号に対して、第一の所定レベルになるよう増幅率を変更する増幅手段であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の座標入力装置。
- 前記規格化手段は、第一の所定レベルに対応する係数を算出し、前記微分処理手段が出力するデータ列に対して、該係数を乗算することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の座標入力装置。
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-
2003
- 2003-03-20 JP JP2003077658A patent/JP2004287722A/ja not_active Withdrawn
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