JPH0566877A - 座標入力装置 - Google Patents

座標入力装置

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JPH0566877A
JPH0566877A JP3226791A JP22679191A JPH0566877A JP H0566877 A JPH0566877 A JP H0566877A JP 3226791 A JP3226791 A JP 3226791A JP 22679191 A JP22679191 A JP 22679191A JP H0566877 A JPH0566877 A JP H0566877A
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vibration
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pen
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coordinate
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JP3226791A
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Inventor
Masaki Tokioka
正樹 時岡
Yuichiro Yoshimura
雄一郎 吉村
Katsuyuki Kobayashi
克行 小林
Atsushi Tanaka
淳 田中
Kiyoshi Kaneko
潔 兼子
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Original Assignee
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 振動ペン3で発生する振動の電気エネルギー
からの転換効率を上げるとともに座標位置の検出精度を
向上させる。 【構成】 振動ペン3で振動伝達板を押さえるとその振
動をセンサ6で検出して振動ペンの座標を定めるが、そ
の際、振動ペンのエネルギー変換効率を上げるために振
動子は広帯域の材料で作成する。一方、広帯域の振動は
周波数成分ごとに進む速度が異なるため、精度向上のた
めにセンサ6は所定の周波数成分のみを検出する構成と
する。こうすることで座標検出の精度が上がり、防振材
等の余計な構成部材が不要になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は座標入力装置、特に座標
入力板上に振動ペンで入力した座標位置を振動センサで
検出する座標入力装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、振動伝達板に圧電素子などを内蔵
した振動ペンにより振動入力を行い、振動伝達板に設け
た複数のセンサにより入力振動を検出し、振動伝達時間
を計測することにより入力点の座標を検出する座標入力
装置があった(特開昭63−6619)。
【0003】このような座標入力装置では、振動伝達板
の端部で入力信号が反射し、その反射波のために振動セ
ンサによる検出に誤差を生じないように、振動伝達板の
端部を防振材により支持する構造が用いられる。
【0004】図3は従来の座標入力装置の振動伝達板周
辺部に制振シートを装着した場合の振動の伝播を示す図
である。このような構成では、振動している振動板8に
制振シートを貼り付けることにより制振シートの振動減
衰を利用して振動板8の振動を減少させ、振動板端部で
の反射波を抑制していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】図4は図3の断面図の
一部であり、反射波の様子を示す図である。図3・4に
おいて、8は振動伝達板、7は制振シート、3は加振源
である振動ペン、Aは振動ペン3と振動伝達板8との接
触点である加振点から伝播する振動を示す波、Bは振動
伝達端面での反射波、Cは制振シート装着界面での反射
波をそれぞり模式的に示したものである。このように、
制振シートを装着していても反射波B・Cを完全に押さ
えることはできず、いくらかは反射波が残っていた。
【0006】従来の制振シート7は、前述のとおり板全
体に発生している振動(固有振動つまり共振振動も含
む)に対しては制振効果は大きいが、図3のように、制
振シート7が装着されない領域で加振し、そこから伝播
する進行波としての振動に対しては十分な制振効果が得
られないため、図4のように制振シートの装着部分Dに
おいて若干減衰させるものの振動伝達板端面での反射波
Bを十分抑えることができない。よって制振シート7の
幅を大きくすることで、振動伝達板端面で反射波を抑え
る必要があった。そのために、振動伝達板の外径の周辺
部は幅広の制振シート7を装着する領域として、座標入
力が不可能な無効エリアとなっていた。
【0007】更に、制振シート7を装着することによ
り、新たに、制振シート装着面で反射波Cが発生した。
制振シート7の装着面からの反射を抑えるためには、制
振シート7の音響インピーダンスが振動伝達板の音響イ
ンピーダンスに比べて、小さい値を持つ材料を用いる
と、振動伝達板端面での反射を抑える能力が弱くなるの
で、さらに制振シート7の幅をさらに広くとる必要があ
った。
【0008】従って、加振源からの直接波を検出する際
に検出精度を下げる原因となる振動伝達板端面からの反
射波を抑えるために振動伝達板の周辺部に制振シートを
装着している構成では、制振シートの幅を広くしてやる
必要があり、そのために座標入力が不可能な無効エリア
が大きくなってしまうという欠点があった。
【0009】本発明は上記従来例に鑑みてなされたもの
であり、制振シートの装着による無効エリアの面積を小
さくし、しかも振動伝達板端面における反射波の悪影響
を抑えた座標入力装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の座標入力装置は次のような構成からなる。振
動伝達板に配設された振動検出手段で前記振動伝達板の
振動を検出して前記振動伝達板上にある振動源の座標を
検出する座標入力装置であって、広帯域の周波数の振動
を発生する振動発生手段と、前記振動検出手段として特
定の周波数の振動を選択的に検出する狭帯域の振動検出
手段とを備える。
【0011】
【作用】上記構成により本発明の座標入力装置は、広帯
域の振動発生手段により効率よく振動伝達板に振動を発
生させ、狭帯域の振動検出手段で特定の周波数の成分の
みを取り出すことで時間的に短いパルスとして振動を検
出する。
【0012】
【実施例】以下、図面に基づき、本発明の実施例を詳細
に説明する。
【0013】<構成>図1は本発明の実施例である座標
入力装置の構造を示している。本座標入力装置は、ドッ
トマトリクス方式などの表示方式を有するディスプレイ
20とともに文字・図形画像などの情報入出力装置を構
成する。
【0014】図において、符号8で示されたものはアク
リル板やガラス板などの透明な振動伝達板で、振動ペン
3から伝達される振動を伝達板8の周辺部に3個設けら
れた振動センサ6に伝達する。
【0015】本実施例の座標検出では、振動ペン3から
振動伝達板8を介して振動センサ6に伝達された超音波
振動の伝達時間を計測することにより、振動伝達板8上
での振動ペン3の座標を検出する。
【0016】振動伝達板8は、CRTあるいは液晶表示
器などドット表示が可能な表示器20上に配置され、振
動ペン3によりなぞられた位置にドット表示を行うよう
になっている。すなわち検出された振動ペン3の座標に
対応した表示器20上の位置にドット表示が行われ、振
動ペン3で入力された点や線などの画像要素により構成
される画像は、あたかも紙に書き込みを行ったように振
動ペンの軌跡として現れる。このような入力板と表示器
を重ねあわせた構成であれば、表示器20にはメニュー
表示を行い、振動ペンによりそのメニュー項目を選択さ
せたり、プロンプトを表示させて所定の位置に振動ペン
3を接触させるなどの入力方式を用いることもできる。
【0017】なお、振動伝達板8に超音波振動を伝達さ
せる振動ペン3は、内部に圧電素子などで構成した振動
子4を有しており、振動子4の発生した超音波振動が先
端の尖ったホーン部5を介して振動伝達板8に伝達す
る。
【0018】図5は振動ペン3の構造を示している。振
動ペン3に内蔵された振動子4は振動子駆動回路2によ
り駆動される。振動子4の駆動信号は図1の演算及び制
御回路1から低レベルのパルス信号として供給され、低
インピーダンス駆動が可能な振動子駆動回路2によって
2周期以下の時間的に短い制限波パルス駆動信号に変え
られ所定のゲインで増幅した後、振動子4に印加され
る。
【0019】電気的な駆動信号は振動子4によって機械
的な超音波振動に変換され、ホーン部5を介して振動板
8に伝達される。振動子4はPZTなどの圧電材料によ
り構成されており、PZTのなかでも誘電損失(tan
δ)が1%以上の大きな値の材料を用いて構成してい
る。さらにホーン部5(ペン3に組み込み後はペン先と
なる)を、振動子4の音響インピーダンスと同じかそれ
より大きな値の音響インピーダンスの材料で構成する。
こうして広い周波数帯域にわたって一定の電気−機械変
換効率をもつ広帯域な振動ペンを構成する。
【0020】振動子4の振動周波数はアクリルやガラス
などの振動伝達板8に板波を発生させることができる値
が選択される。また、振動子駆動の際、図5の振動伝達
板8に対して主に垂直方向に振動子4が振動するような
振動モードが選択される。また、振動子4の振動周波数
を振動子4の共振周波数とすることで効率よく振動させ
ることができる。
【0021】上記のような構成で振動伝達板8に伝えら
れる弾性波は板波であり、表面波などに比して振動伝達
板8の表面の傷や障害物などの影響を受けにくいという
利点を有する。
【0022】<振動の周波数の条件>再び図1におい
て、振動伝達板8の角部に設けられた振動センサ6も圧
電素子などの機械−電気変換素子により構成される。3
つの振動センサ6の各々の出力信号は波形検出回路6に
入力され、後段の演算制御回路1により処理可能な検出
信号に変換される。波形検出回路6は狭い周波数範囲の
信号のみを通過させる狭帯域のバンドパスフィルタを備
えており、検出信号は特定の周波数の振動に関する情報
のみを持っている。演算制御回路1は振動伝達時間の測
定処理を行い、振動ペン3の振動伝達板8上での座標位
置を検出する。
【0023】図2の(a)と(b)とに、従来の駆動信
号と本実施例で用いている短い正弦波パルスの駆動信号
とを各々示す。一般に、振動を発生して対象物からの反
射波を検出し、反射波の時間遅れから対象物までの距離
を求める構成の測定器の場合、図2(b)のような短い
パルス幅で振動を発生した方が、検出する距離の分解能
の点からみて有利であることは良く知られている。しか
し、図2(b)のような波形は広い周波数スペクトルを
もった信号であり、本実施例の方式のように板波を発生
させる場合には、これだけでは高い距離分解能は得られ
ない。というのは、板波が分散性をもった波であるため
に伝播する振動の周波数が変わると伝播する速度が変わ
り、伝播する振動自体が時間的に広がるためである。し
たがって分解能の向上のためには、前述したように特定
の周波数成分の情報のみを取り出す検出方式が必要とな
る。
【0024】図2(c)にバンドパスフィルタを含まな
い検出回路による検出波形を、(d)に本方式の検出回
路による検出波形を示す。図2(c)は多くの周波数成
分を含むため、高い周波数の振動成分は低い成分より早
く振動センサ6に到達し、検出波形全体が時間的に間伸
びした幅広の波形となっている。(d)はバンドパスフ
ィルタにより特定の周波数成分を取り出すために波形全
体が時間的に短いものとなっている。図2(c)・
(d)とも、点線で示した波形は振動伝達板8端面から
の反射波の検出波形を模式的に示したものである。
(c)では直接波と反射波が重なり合って検出されてし
まい時間的に分離していない。このため、反射波による
影響でますます分解能が低下してしまう。(d)では時
間的な重なりはほとんどなく分離して検出されている。
【0025】なお、広帯域な振動発生の手段として、広
帯域な特性を持つ振動ペン3を構成し短い駆動波形によ
り振動を発生させる構成としたが、広帯域な特性を振動
ペンに持たせるため、単に振動子4の材料を広帯域なも
のとするか、あるいはペン先5を音響インピーダンスの
大きな材料とするか、そのどちらも満足させるかはどれ
でも良い。
【0026】また、狭帯域な検出手段として、本実施例
ではバンドパスフィルタを検出回路に用いたが、センサ
の特性そのものを狭帯域にしても同じ効果を得ることが
できる。センサに狭帯域な特性を持たせるためには、振
動センサ6の材料を誘電損失が1%以下の小さい、すな
わち共振の鋭さQの大きい材料を用いるか、振動センサ
6と振動伝達板8の中間の音響インピーダンス値をもつ
材料を介して振動センサ6を振動伝達板8に装着する
か、あるいは両方とも行うかすれば狭帯域な特性の振動
センサを構成できる。
【0027】さて、検出された振動ペン3の座標情報は
演算制御回路1において表示器20による出力方式に応
じて処理される。すなわち、演算制御回路1は検出した
入力座標に基づき、ビデオ信号処理装置10を介して表
示器20の出力動作を制御する。
【0028】<振動の検出>図6は図1の演算制御回路
1の構造を示している。ここでは主に振動ペン3の駆動
系及び振動センサ6による振動検出系の構造を示してい
る。
【0029】マイクロコンピュータ11は内部カウンタ
とROMおよびRAMを内蔵している。駆動信号発生回
路12は図1の振動子駆動回路2に対して所定周波数の
駆動パルスを出力するもので、マイクロコンピュータ1
1により座標算出用の回路と同期して起動される。
【0030】カウンタ13の計数値はマイクロコンピュ
ータ11によりラッチ回路14にラッチされる。
【0031】一方、波形検出回路9は、座標検出のため
の振動伝達時間を計測するための検出信号のタイミング
情報を振動センサ6から後述のように出力する。これら
のタイミング情報は入力ポート15にそれぞれ入力され
る。
【0032】波形検出回路9から入力されるタイミング
信号は入力ポート15に入力され、ラッチ回路14内の
各振動センサ6に対応する記憶領域に記憶され、その結
果がマイクロコンピュータ11に伝えられる。すなわ
ち、カウンタ13の出力データのラッチ値として振動伝
達時間が表現され、この振動伝達時間値により座標演算
が行われる。このとき、判定回路16は複数の振動セン
サ6からの波形検出のタイミング情報がすべて入力され
たかどうかを判定し、マイクロコンピュータ11に報知
する。
【0033】表示器20の出力制御処理は入出力ポート
17を介して行われる。
【0034】図7は図1の波形検出回路9に入力される
検出波形と、それに基づく振動伝達時間の計測処理を説
明するものである。図7において符号41で示されるも
のは振動ペン3に対して印加される駆動信号パルスであ
る。このような波形により駆動された振動ペン3から振
動伝達板8に伝達された超音波振動は振動伝達板8内を
通って振動センサ6に検出される。
【0035】振動ペン3から入力された振動は振動セン
サ6までの距離に応じた時間tg をかけて振動伝達板8
内を進行した後、振動センサ6に到達する。図7の符号
42は振動センサ6が検出した信号のバンドパスフィル
タ通過後の波形を示している。
【0036】ここで、エンベロープの進速度を群速度V
g 、位相速度Vp とする。この群速度および位相速度の
違いから振動ペン3と振動センサ6間の距離を検出する
ことができる。
【0037】まず、検出波形のエンベロープ421のみ
に着目すると、その速度はVg であり、ある特定の波形
上の点、たとえばピークを図7の符号43の立ち上がり
のように検出すると、振動ペン3及び振動センサ6の間
の距離dはその振動伝達時間をtg として、 d=Vg ・tg …(1) となる。この式は振動センサ6の1つに関するものであ
るが、同じ式により他の2つの振動センサ6と振動ペン
3の距離を示すことができる。
【0038】さらに、より高精度な座標値を決定するた
めには、位相信号の検出に基づく処理を行う。図7の位
相波形422の特定の検出点、たとえば振動印加からピ
ーク通過後のゼロクロス点までの時間をtp とすれば、
振動センサと振動ペンの距離dは、 d=n・λp +Vp ・tp …(2) となる。ここでλp は弾性波の波長、nは整数である。
【0039】前記の(1)式と(2)式から上記の整数
nは、 n=[(Vp ・tp −Vp ・tp )/λp +1/N] …(3) と示される。ここでNは0以外の実数であり、適当な数
値を用いる。たとえばN=2とし、±1/2波長以内で
あれば、nを決定することができる。このようにして求
めたnを(2)式に代入することで、振動ペン3及び振
動センサ6間の距離を正確に判定することができる。
【0040】図7に示した2つの振動伝達時間tp 及び
g の測定のため、波形検出回路9は図8に示すように
構成する。
【0041】図8において、振動センサ6の出力信号は
前述のバンドパスフィルタ51により所定の周波数成分
のみを取り出す。取り出された信号はエンベロープ検出
回路52に入力され、検出信号のエンベロープのピーク
のタイミングはエンベロープピーク検出回路53によっ
て検出される。ピーク検出信号はモノマルチバイブレー
タなどから構成された信号検出回路54によって所定波
形のエンベロープ遅延時間検出信号Tg が形成され、演
算制御回路1に入力される。
【0042】また、このTg 信号のタイミングと、遅延
時間調整回路57によって遅延された元信号とから検出
回路58により位相遅延時間検出信号Tp が形成され、
演算制御回路1に入力される。
【0043】すなわち、Tg 信号は単安定マルチバイブ
レータ55により所定幅のパルスに変換される。また、
コンパレートレベル供給回路56はこのパルスタイミン
グに応じてtp を検出するためのしきい値を形成する。
この結果、コンパレートレベル供給回路56は図7の符
号44のようなレベルとタイミングを有する信号を形成
し、検出回路57に入力する。すなわち、単安定マルチ
バイブレータ55及びコンパレータレベル供給回路56
は、位相遅延時間tp の測定がエンベロープピーク検出
後の一定時間のみしか作動しないようにするためのもの
である。
【0044】この信号44はコンパレータなどから構成
された検出回路58に入力され、図4の符号422のよ
うに遅延された検出波形と比較され、この結果符号45
のようなtp 検出パルスが形成される。
【0045】以上に示した回路は振動センサ6の1つ分
のもので、他のそれぞれのセンサに対しても同じ回路が
設けられる。センサの数を一般化してh個とすると、エ
ンベロープ遅延時間Tg 1〜h、位相遅延時間Tg 1〜
hのそれぞれh個の検出信号が演算制御回路1に入力さ
れる。
【0046】図6の演算制御回路では上記Tg 1〜h、
p 1〜h信号を入力ポート15から入力し、各々のタ
イミングをトリガとしてカウンタ13のカウント値をラ
ッチ回路14に取り込む。前記のようにカウンタ13は
振動ペンの駆動と同期してスタートされているので、ラ
ッチ回路14にはエンベロープ及び位相のそれぞれの遅
延時間を示すデータが取り込まれる。
【0047】図9のように信号伝達板8の角部に3つの
振動センサ6を符号S1からS3の位置に配置すると、
図7に関連して説明した処理によって振動ペン3の位置
Pから各々の振動センサ6の位置までの直線距離d1〜
d3を求めることができる。さらに演算制御回路1でこ
の直線距離d1〜d3に基づき振動ペン3の位置Pの座
標(x,y)を3平方の定理から次式のようにして求め
ることができる。
【0048】 x=X/2+(d1+d2)・(d1−d2)/2X …(4) y=Y/2+(d1+d3)・(d1−d3)/2Y …(5) ここでX・YはセンサS2・S3の位置の振動センサ6
と原点(位置S1)のセンサのX軸・Y軸に沿った距離
である。
【0049】以上のようにして振動ペン3の位置座標を
リアルタイムで検出することができる。ここでは説明を
簡略するために、図9に示されるように直交座標系に対
応するセンサ配置を例示したが、図1のようなセンサ配
置を行う場合でも、同様の演算により座標値を決定する
ことができる。
【0050】<振動子及び振動検出センサのQ値>広帯
域か狭帯域かの目安になる振動子の誘電損失及びQの値
について説明する。まず、振動子の誘電損失についてで
ある。
【0051】振動子の誘電損失はtanδで表され機械
的損失が無視できるほど小さいとき、例えばPZTなど
の圧電体などでは次式の値をとる。
【0052】tanδ=Q-1 すなわち、1%の誘電損失はQの値では100に相当す
る。一般に圧電材料としては1%以上の誘電損失をもつ
ものを広帯域用の材料、1%以下を狭帯域の材料として
いる。実際には、圧電材料で電気−機械変換素子を構成
すると、振動の伝播媒体と組み合わせることによって損
失が大きくなりQの値で1桁程度小さくなる。よって、
1%の誘電損失の材料は素子組み込み後にはQ値で10
程度になる。
【0053】次に、Q値について説明する。Qは一般的
に共振の鋭さを表す値である。共振周波数或いは中心周
波数(f0 )での変換される振動エネルギー或いは電気
エネルギーに対して3dBダウンする周波数をf1 ,f
2 (f1 <f2 )とすると、Qは次式で示される。
【0054】Q=f0 /(f2 −f1 ) 例えば振動ペンの場合、電気−機械変換効率の最大とな
る周波数がf0 であり、効率が3dBダウンするところ
が周波数f2 ,f1である。検出回路のバンドパスフィ
ルタの場合、最も通過ロスの少ない周波数がf0 でロス
がさらに3dB大きい周波数がf2 ,f1 である。
【0055】本実施例の方式では板波の発生・検出を行
うが、前述したように板波は周波数によって伝播速度が
異なるため、特定の周波数成分のみを取り出すことが望
ましい。すなわちQは大きいほど都合が良い。しかし、
例えばバンドパスフィルタのQは、CRフィルタでは1
0程度が最大となる。また本方式のように、振動ペンを
使って振動を駆動する場合、ホーン(ペン先)の固有振
動モードが電気−機械変換効率に影響を与えており、高
次の振動モード付近で中心周波数を設定した場合、すな
わちペン先の高次の固有振動周波数と振動子の共振周波
数とを合わせて設計した場合、2〜4次の高次モードで
あれば中心周波数以外の他の固有振動モードの影響を除
去するにはQが10あれば十分である。よって検出手段
で検出する振動の狭帯域の条件は、Q値が10以上と特
定する。
【0056】また、振動発生手段の場合は、駆動波形が
時間的に短くなればなるほど最終的な検出波形を短くす
ることが可能となるが、反射波の影響を受けないために
発生する振動は2周期以下の条件であれば、Qが10以
下で発生することが可能となる。よって振動発生手段の
で発生する振動の広帯域の条件は、Q値が10以上と特
定する。
【0057】以上のようなQの値を持つ振動ペンと振動
センサ(あるいはバンドパスフィルタ)とを前記図1の
座標入力装置に備え、説明してきたような方法で振動ペ
ンの座標の特定を行えば、振動伝達板の端面での反射波
を抑制して高精度で座標の特定ができる。
【0058】
【発明の効果】以上説明した様に本発明の座標入力装置
は、制振シートの装着による無効エリアの面積を小さく
し、しかも振動伝達板端面における反射波の悪影響を抑
えることができる。また、このため制振シートを装着す
る領域が不要となり無効エリアを小さくすることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の座標入力装置の構成を示した説明図で
ある。
【図2】実施例の装置の振動検出の説明図である。
【図3】従来の座標入力装置における防振材の取り付け
構造を示した説明図である。
【図4】従来の座標入力装置における反射波を示した説
明図である。
【図5】振動ペンの構造を示した説明図である。
【図6】演算制御回路の構造を示した説明図である。
【図7】振動ペンと振動センサの間の距離測定の説明図
である。
【図8】図1の波形検出回路の構成を示したブロツク図
である。
【図9】振動センサの配置を示した説明図である。
【符号の説明】
1 演算制御回路、 2 駆動信号発生回路、 3 振動ペン、 4 振動子、 6 振動センサ、 8 振動伝達板、 51 バンドパスフィルタである。
フロントページの続き (72)発明者 田中 淳 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 兼子 潔 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動伝達板に配設された振動検出手段で
    前記振動伝達板の振動を検出して前記振動伝達板上にあ
    る振動源の座標を検出する座標入力装置であって、 広帯域の周波数の振動を発生する振動発生手段と、 前記振動検出手段として特定の周波数の振動を選択的に
    検出する狭帯域の振動検出手段と、 を備えることを特徴とする座標入力装置。
  2. 【請求項2】 前記振動発生手段のQ値は10より小さ
    いことを特徴とする請求項1記載の座標入力装置。
  3. 【請求項3】 前記振動検出手段のQ値は10以上であ
    ることを特徴とする請求項1記載の座標入力装置。
  4. 【請求項4】 前記振動発生手段は誘電損失が1%以上
    の圧電振動子と、該圧電振動子の音響インピーダンスと
    同じかそれより大きい音響インピーダンスのホーンとを
    備えることを特徴とする請求項1記載の座標入力装置。
  5. 【請求項5】 前記振動検出手段は誘電損失が1%以下
    の圧電振動子と、該振動子の音響インピーダンスと前記
    振動伝達板の音響インピーダンスとの中間の音響インピ
    ーダンスの伝達手段とを備えることを特徴とする請求項
    1記載の座標入力装置。
  6. 【請求項6】 前記振動検出手段はQ値が10以上の帯
    域フィルタを備え、該帯域フィルタを通した振動を検出
    することを特徴とする範囲項1記載の座標入力装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000039871A1 (en) * 1997-06-30 2000-07-06 Aisin Seiki Kabushiki Kaisha Fuel battery
US6965377B2 (en) 2000-10-19 2005-11-15 Canon Kabushiki Kaisha Coordinate input apparatus, coordinate input method, coordinate input-output apparatus, coordinate input-output unit, and coordinate plate
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