JP2004287307A - ラマン増幅器およびそれを用いたシステム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本ラマン増幅器は、運用開始前において、運用時に実際に使用する光伝送路2に励起光供給部20で発生する励起光Lpを供給し、光伝送路2で発生する自然ラマン散乱(ASS)光のパワーを出力光モニタ部20により測定し、その結果を基にASS光パワーを計算するためのモデル式の係数をASS光処理回路31で求める。そして、運用開始後には、上記の係数を適用したモデル式に従って、励起光の供給パワーに対応したASS光パワーをASS光演算回路33で算出して出力光モニタ部20で測定される出力光パワーの補正を行い、その補正された出力光パワーに基づいてALCやシャットダウン制御等を行う。
【選択図】図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、増幅媒体に励起光を供給してラマン効果により信号光を増幅するラマン増幅器に関し、特に、ラマン増幅によって発生する雑音光の影響を考慮して励起光の供給状態を制御するラマン増幅器およびそれを用いたシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
光伝送システムにおいて、従来のエルビウム添加ファイバ増幅器(EDFA)を用いて信号光を増幅する構成に対してラマン増幅器を適用することは、信号対雑音比を大幅に改善できるなどの効果が得られ有効である。上記のラマン増幅器には、伝送用光ファイバを増幅媒体とする分布型の構成があり、具体的には、励起光源を伝送用光ファイバの信号光出力側に設置する後方励起構成が一般的である。また、分布型ラマン増幅器の他にも、ラマン増幅用光ファイバを増幅媒体とする集中定数型の構成も知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
上記のようなラマン増幅器については、出力される信号光のパワーをモニタすることによって、信号光遮断時のシャットダウン制御や出力一定制御、利得の波長依存性の制御などを行うことが提案されている(例えば、特許文献2、3参照)。なお、シャットダウン制御は、サージによるシステム破壊や光ファイバ切断等によって高パワーの励起光が外部に漏れたとき、その励起光が人体に照射されることを回避するための機能として、通常、光増幅器に備えられている。
【0004】
上記のような制御に利用される信号光のモニタ値は、例えば、モニタ系の損失、受光素子(PD)のモニタ電流ばらつき、自然ラマン散乱光などによる誤差が大きくなると、信号光が遮断されていないときにシャットダウン制御が行われたり、信号光出力パワーの誤差が拡大したりするなどの問題が生じることになる。このため、光増幅器から出力される信号光を高い精度でモニタすることが重要となる。また、例えば、光信号対雑音比(OSNR)を所要値とする制御を行う場合には、雑音光を除いた本来の信号光出力パワーのみをモニタする技術も必要となる。
【0005】
一般に、ラマン増幅器では、例えば図10に示すように、増幅媒体となる光伝送路において、信号光の増幅帯域内にラマン増幅による雑音光が発生するため、出力信号光のモニタは、前段までの中継区間で累積した雑音成分を含んだ信号光と、ラマン増幅による雑音光とを同時に受光することになる。上記のラマン増幅による雑音光は、信号光が入力されていない状態で励起光だけを増幅媒体に入射した場合にも発生する雑音光である。本明細書では、EDFA等の希土類添加ファイバ増幅器で発生する自然放出(Amplified Spontaneous Emission:ASE)光に対し、ラマン増幅器で発生する上記雑音光を自然ラマン散乱(Amplified Spontaneous Raman Scattering:ASS)光と呼ぶことにする。
【0006】
ラマン増幅器の信号光出力パワーをモニタする従来の技術としては、例えば図11に示すように、増幅媒体に供給される励起光のパワーを基にラマン増幅器で発生するASS光パワーを計算し、そのASS光パワーを実際に受光した出力光のモニタ値から差し引いて補正する方法が公知である(例えば、特許文献4参照)。また、信号光パワーとASS光パワーを分離する手段として、簡易光スペクトラムアナライザを用いる方法も知られている。ただし、簡易光スペクトラムアナライザを利用する方法については、モニタの精度が低くなると共に、高価なモニタ系になるという欠点がある。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−40496号公報
【特許文献2】
特開2002−76482号公報
【特許文献3】
特開2002−72262号公報
【特許文献4】
国際公開第02/21204号パンフレット
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来のラマン増幅器については、次のような問題点がある。例えば、希土類添加ファイバ増幅器や集中定数型ラマン増幅器のように増幅媒体が管理されている光増幅器では、前述したような公知の方法によって雑音光パワーをほぼ正しく計算することが可能であるが、伝送用光ファイバを増幅媒体とする分布型ラマン増幅器の場合には、伝送用光ファイバのファイバパラメータが未知であることが多いため、予測されるファイバパラメータの値と実際の値とが大きく異なったり、予測し得ない損失が存在したりすることも考えられ、ASS光の計算値に大きな誤差が生じる可能性がある。
【0009】
具体的に、ASS光パワーが実際よりも大きく見積もられた場合、シャットダウン処理では、信号光の伝送が可能な状態であるにも拘わらず励起光が停止等させてしまい、信号光の伝送が中断することになる。出力一定制御では、信号光が所要のパワーよりも高いレベルで出力されることになるので、非線形効果の増大による信号波形劣化等を招いてシステムパフォーマンスを低下させる可能性がある。一方、ASS光パワーが実際よりも小さく見積もられた場合、シャットダウン処理では、信号光が遮断状態であるにも拘わらず励起光が出力されてしまい、ファイバ切断などが原因で信号断となっている状況では高パワーの励起光が外部に放射されて人体に悪影響を及ぼす虞が考えられる。出力一定制御では、信号光が所要のパワーよりも低いレベルで出力されることになるので、OSNR劣化を招いてしまうことになる。
【0010】
また、ラマン増幅器の利得の波長依存性を制御する場合については、例えば上述した特許文献3で提案されている方式では、励起光パワーと信号光出力パワーの関係を行列式で表し、その逆行列を用いて各波長で所要の信号光出力パワーが得られるように励起光パワーの設定が行われることになるが、前述したASS光の計算の場合と同様にして、増幅媒体となる光ファイバのファイバパラメータが未知である場合が多く、励起光パワーの設定値に大きな誤差が生じる可能性がある。加えて、制御に用いる行列式が実際の敷設ファイバに対応していない場合は、制御が収束するまでに時間が掛かるか若しくは制御が発散してしまい、励起光パワーが定まらないなどの問題が生じる。
【0011】
本発明は上記の点に着目してなされたもので、自然ラマン散乱光のパワーを高い精度で算出して出力信号光のモニタ値の補正を行い励起光の供給状態を確実に制御できるラマン増幅器およびそれを用いたシステムを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明にかかるラマン増幅器は、増幅媒体で発生するラマン効果によって信号光を増幅するラマン増幅器において、増幅媒体に励起光を供給する励起光供給部と、増幅媒体を伝搬して出力される光のパワーを測定する出力光モニタ部と、運用開始前の準備段階において、運用時に実際に使用する増幅媒体に励起光を供給して当該増幅媒体内で発生する自然ラマン散乱光のパワーを前記出力光モニタ部で測定し、該測定された自然ラマン散乱光のパワーに基づいて、運用開始後に自然ラマン散乱光のパワーを計算するためのモデル式の係数を求める自然ラマン散乱光処理部と、該自然ラマン散乱光処理部で求められた係数を記憶する記憶部と、該記憶部に記憶された係数を適用したモデル式に従い、前記励起光供給部により増幅媒体に供給される励起光パワーに応じて、運用開始後に発生する自然ラマン散乱光のパワーを算出する自然ラマン散乱光演算部と、該自然ラマン散乱光演算部で算出された自然ラマン散乱光のパワーを用いて、前記出力光モニタ部で測定される出力光パワーを補正し、該補正された出力光パワーに基づいて、前記励起光供給部の動作を制御する励起光制御部と、を備えて構成されるものである。
【0013】
上記のような構成のラマン増幅器では、運用開始前の準備段階における現地調整等の処理として、運用時に実際に使用される増幅媒体を用いた自然ラマン散乱光パワーの測定が行われ、その測定結果に基づいて自然ラマン散乱光パワー計算用のモデル式の係数が求められて、その係数が記憶部に記憶される。そして、運用開始後には、増幅媒体への励起光の供給パワーに応じて、上記の係数を適用したモデル式に従い自然ラマン散乱光のパワーが計算により求めされ、その計算結果を用いて、出力光モニタ部で測定される出力光パワーに対する自然ラマン散乱光パワーの補正が行われ、その補正された出力光パワーを基に励起光供給部の動作制御が実行される。これにより、実際の運用状況に対応した自然ラマン散乱光パワーの補正を行うことができるようになるため、例えば出力一定制御やシャットダウン制御、波長特性偏差の制御などといったラマン増幅器の各種制御を確実に行うことが可能になる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、全図を通して同一の符号は同一または相当部分を示すものとする。
【0015】
図1は、本発明の第1実施形態によるラマン増幅器の構成を示すブロック図である。
図1において、本実施形態のラマン増幅器は、例えば、増幅媒体としての光伝送路2に対してラマン増幅用の励起光Lpを供給するラマン増幅ユニット1を備え、このラマン増幅ユニット1は、励起光供給部10、出力光モニタ部20および制御部30から構成される。
【0016】
励起光供給部10は、例えば、n台の励起光源(LD)11−1〜11−n、合成器12およびWDMカプラ13から構成される。各励起光源11−1〜11−nは、光伝送路2を伝送される信号光Lsをラマン増幅することが可能な所要の波長帯の光をそれぞれ発生して合成器12に出力する。合成器12は、各励起光源11−1〜11−nからの出力光を1つに合成して励起光Lpを生成し、その励起光LpをWDMカプラ13に出力する。WDMカプラ13は、合成器12から出力される励起光Lpをラマン励起ユニット1の信号光入力端に接続された光伝送路2に出力すると共に、光伝送路2から入力される信号光Lsを後段の出力光モニタ部20に伝える。このように本ラマン増幅器は、信号光Lsの伝搬方向に対して励起光Lpの伝搬方向が逆方向となる後方励起構成を有する。
【0017】
上記各励起光源11−1〜11−nから出力される各々の光の波長は、信号光Lsの波長帯域に対応させて設定される。例えば、石英系光ファイバが光伝送路2として用いられている場合、1550nm帯の信号光Lsに対して短波長側に約100nmシフトした1450nm帯の波長帯域内に各励起光源11−1〜11−nの出力波長がそれぞれ設定される。なお、本発明における信号光Lsおよび各励起光源11−1〜11−nの出力波長は上記の一例に限定されるものではなく、公知のラマン増幅器における波長設定を適用することが可能である。
【0018】
出力光モニタ部20は、例えば、分岐器21、光フィルタ22および受光素子(PD)23から構成される。分岐器21は、光伝送路2を伝搬した後にWDMカプラ13を通過した光の一部をモニタ光Lmとして分岐し、そのモニタ光Lmを光フィルタ22に送る。光フィルタ22は、信号光Lsの波長帯域に対応した透過帯を有するバンドパスフィルタであって、分岐器21から送られてくるモニタ光Lmより信号光波長帯域の光を抽出して受光素子23に出力する。受光素子23は、光フィルタ22を通過したモニタ光Lmを受光し、そのパワーに応じてレベルが変化する電気のモニタ信号を生成して制御部30に出力する。
【0019】
制御部30は、例えば、ASS光処理回路31、メモリ32、ASS光演算回路33、ALC回路34、シャットダウン回路35、励起光パワー制御回路36および設定値記憶回路37から構成される。なお、ここでは、ALC回路34、シャットダウン回路35および励起光パワー制御回路36が励起光供給部として機能することになる。
【0020】
ASS光処理回路31は、出力光モニタ部20の受光素子23から出力されるモニタ信号が入力され、後述するように本ラマン増幅器の運用を開始する前の準備段階において、励起光Lpを光伝送路2に供給することで発生するASS光のパワーを上記モニタ信号を基に検出し、その検出したASS光パワーを用いて、運用開始後におけるASS光パワーの計算に使用するモデル式の係数を求め、その結果をメモリ32に記憶させる。補正演算回路33は、メモリ32の記憶情報を読み出して、運用開始後における励起光Lpの供給状態に対応したASS光パワーの補正値を上記のモデル式に従って演算する。この補正演算回路33での演算結果は、ALC回路34およびシャットダウン回路35に伝えられる。
【0021】
ALC回路34は、出力光モニタ部20の受光素子23から出力されるモニタ信号と、補正演算回路33で演算されたASS光パワーの補正値とに基づいて、本ラマン増幅器から出力される信号光Lsのパワーが所要のレベルで一定となるように励起光Lpの供給状態を制御するための信号を生成し、その制御信号を励起光パワー制御回路36に出力する。シャットダウン回路35は、受光素子23からのモニタ信号と、補正演算回路33で演算されたASS光パワーの補正値とに基づいて、光伝送路2からラマン励起ユニット1に入力される信号光Lsが遮断状態にあるか否かを判定し、遮断状態にある場合には、励起光Lpの供給を停止させるか、または、人体に影響を与えない安全なレベルまで励起光Lpのパワーを抑えるようにする制御信号を生成して励起光パワー制御回路36に出力する。
【0022】
励起光パワー制御回路36は、各励起光源11−1〜11−nの駆動状態を調整することで光伝送路2に供給される励起光Lpのパワーを制御する回路である。この励起光パワー制御回路36は、運用を開始する際、設定値記憶回路37に予め記憶された励起光パワーの設定値に従って各励起光源11−1〜11−nを駆動し、その後はALC回路34およびシャットダウン回路35からそれぞれ出力される制御信号に従って各励起光源11−1〜11−nを制御する。また、上記の励起光パワー制御回路36は、現在の励起光パワーの設定状態を示す信号をASS光演算回路33に出力する機能を備えている。
【0023】
次に、第1実施形態のラマン増幅器の動作について説明する。
図2は、運用開始前の準備段階における動作を説明するためのフローチャートである。
【0024】
本ラマン増幅器では、例えば、光伝送システムの組み上げ時に行われる現地調整などといった運用開始前の準備段階における処理として、運用時に実際に使用される光伝送路2を用いた測定に基づいて、ASS光パワーを計算するためのモデル式の係数を求める一連の処理が実行される。具体的には、まず、図2のステップ1(図中S1で示し、以下同様とする)において、n台の励起光源11−1〜11−nのうちの1台が駆動され、その励起光源から出力される励起光Lpを光伝送路2に供給したときに発生するASS光のパワーが出力光モニタ部20により測定される。このASS光パワーの測定は、例えば図3の黒丸印に例示したように、励起光Lpの供給パワーを50mW、100mW、150mW、200mW、250mWなどのように段階的に変化させて行われる。具体的には、上記の各測定ポイントに対応させて供給パワーの設定された励起光Lpがラマン増幅ユニット1から光伝送路2(準備段階では信号光Lpの入力はない)に与えられると、その励起光Lpのラマン効果によってASS光が発生し、励起光Lpとは逆方向に伝搬するASS光が光伝送路2からラマン増幅ユニット1に入力され、その一部が分岐器21でモニタ光Lmとして分岐された後に光フィルタ22を介して受光素子23で受光され、光電変換されたモニタ信号がASS光処理回路31に出力される。ASS光処理回路31では、受光素子23からのモニタ信号を基にASS光のパワーが検出され、その検出結果が励起光Lpの供給パワーに対応させてメモリ32に記憶される。上記のような1台の励起光源を駆動して行われるASS光パワーの測定は、n台の励起光源11−1〜11−nのそれぞれについて順次行われ、すべての測定が完了するとステップ2に進む。
【0025】
ステップ2では、n台の励起光源11−1〜11−nのうちの任意の2台が組み合わされて同一パワーで駆動され、各々の出力光を合成した励起光Lpが光伝送路2に供給されて、その励起光Lpにより発生するASS光パワーが測定される。2台の励起光源の出力光パワーは、前述した1台の励起光源を駆動した場合の複数の測定ポイントの少なくとも1つ以上に対応させて設定されるものとする(例えば、100mW等)。この励起光源を2台組み合わせたときのASS光パワーの測定は、前述したステップ1の場合と同様して行われ、ASS光処理回路31で検出されるASS光パワーが2台の励起光源の組み合わせとパワーの設定値に対応させてメモリ32に記憶される。この2台の組み合わせによるASS光の測定は、n台の励起光源11−1〜11−nのすべての組み合わせについて順次行われ、全組み合わせの測定が完了するとステップ3に進む。
【0026】
ステップ3では、n台の励起光源11−1〜11−nのすべてを同一のパワーで駆動したときに発生するASS光パワーが測定される。ここでの測定データは、ステップ1、2における測定結果を基にして以降のステップで決定されるASS光パワー計算用のモデル式の係数を検証するためのデータとして取得されるものである。なお、検証が不要な場合には、このステップ3の処理を省略することが可能である。
【0027】
ステップ4では、メモリ32の記憶データがASS光処理回路31に読み出され、1台の励起光源を駆動した場合に発生するASS光のパワーを表すモデル式が、ステップ1で実測されたデータを用いて作成される(図2の実線参照)。ここでは、励起光パワーPPに対するASS光パワーPASSの関係を表すモデル式として次の(1)式に示す2次関数が適用され、これにメモリ32から読み出した実測値を代入して係数a,b,cを求めることで、各励起光源11−1〜11−nにそれぞれ対応したモデル式が作成され、その結果がメモリ32に記憶される。
【0028】
【数1】
【0029】
ステップ5では、2台の励起光源を駆動したときに発生するASS光パワーについて、1台の励起光源を駆動した場合との比較が行われる。複数台の励起光源を駆動したときに発生するASS光のパワーは、1台の励起光源を駆動したとき発生するASS光パワーの単純な和とはならない。これはある波長の励起光により生じたASS光が他の波長の励起光により利得を受けるためである。
【0030】
例えば、1550nm帯(Cバンド)の信号光を波長の異なる3つの励起光で増幅するラマン増幅器について考えてみる。ここで、3台の励起光源から出力される励起光のパワーを共に100mWとし、それぞれの励起光によるCバンドに対応したASS光パワーをPA1,PA2,PA3、任意の2波の励起光の組み合わせによるASS光パワーをPA12,PA23,PA31とする。この場合、2波の励起光によるASS光パワーは、一方の励起光によるASS光が他方の励起光による利得を得たパワーとなり、双方の励起光の影響を受けたASS光のパワーを足し合わせたものになる。このため、2波の励起光によるASS光パワーPA12,PA23,PA31は、次の(2)式に示すような関係式で表すことができる。
【0031】
【数2】
【0032】
この(2)式におけるG1,G2,G3は、各励起光のCバンドにおける利得(特にASS光に与える利得)であり、以下では、上記G1,G2,G3をASS利得と呼ぶことにする。
【0033】
上記の(2)式より、ASS利得G1,G2,G3は、次の(3)式によって表されることになる。
【0034】
【数3】
【0035】
上記(3)式に示すように、1台の励起光源を駆動したときのASS光パワーの実測値PA1,PA2,PA3と、2台の励起光源を組み合わせたときのASS光パワーの実測値PA12,PA23,PA31とを用いて、ASS利得G1,G2,G3を算出することができる。なお、ここでは、3台の励起光源が設けられる場合を例示したが、4台以上の励起光源が設けられる場合についても、各励起光源を1台ずつ駆動した場合の実測値と、2台を組み合わせて駆動したときの実測値が取得されていれば、各励起光源に対応したASS利得を求めることが可能である。
【0036】
上記のASS利得のデシベル(dB)値が、励起光パワーの1次関数に従うと仮定すると、ASS利得の係数を計算することが可能になる。具体的には、ASS利得係数をγ1,γ2,γ3とすると、例えば各励起光パワーを100mWとした場合のASS利得係数γ1,γ2,γ3は次の(4)式で表すことができる。
【0037】
【数4】
【0038】
この(4)式に従って求めたASS利得係数γ1,γ2,γ3が、ASS光パワーを計算するためのモデル式の係数としてメモリ32に記憶される。
ステップ6では、ステップ5で求めたASS利得係数を用いて、n台の励起光源をすべて駆動したときに発生するASS光パワーが計算される。具体的に、3台の励起光源を駆動したときにCバンドに発生するASS光のトータルパワーPASS_total(mW)は、次の(5)式により計算することができる。
【0039】
【数5】
【0040】
ただし、PASS1,PASS2,PASS3の各値は、前述のステップ4で求められた(1)式の係数a,b,cと、各PASS1,PASS2,PASS3に対応する励起光パワーPP1,PP2,PP3の設定値を基に計算されるASS光パワーである。
【0041】
ステップ7では、各波長の励起光の間で生じるラマン効果(ポンプ間ラマン効果)を考慮した実効的な励起光パワーが求められ、その実効的な励起光パワーを用いてASS光のトータルパワーが算出される。具体的に、例えばポンプ間ラマン効果によるエネルギー遷移係数をrとし、3台の励起光源から出力される励起光周波数をf1,f2,f3とした場合、各励起光パワーの実効的な強度増加率Δ1,Δ2,Δ3は、次の(6)式で表される。
【0042】
【数6】
【0043】
よって、ポンプ間ラマン効果を考慮した実効的な励起光パワーは、次の(7)式の関係に従って表すことができる。
【0044】
【数7】
【0045】
したがって、上記の(7)式により求められる実効的な励起光パワーPP1_eff,PP2_eff,PP3_effを用いてASS光のトータルパワーを算出すると、次の(8)式のようになる。
【0046】
【数8】
【0047】
ステップ8では、上記の(8)式に従って算出したASS光のトータルパワーと、前述のステップ3ですべての励起光源を駆動して測定したASS光パワーとの比較が行われる。ここでは、モデル式を用いた計算値と実測値の差が予め設定した閾値(例えば0.5dB等)以上であるか否かが判定され、閾値以上の場合にはステップ9に移り、上記のステップ7で用いられるエネルギー遷移係数rを見直して、実効的な励起光パワーの補正を行った上でASS光トータルパワーを再度計算し、その計算値と実測値の差が閾値より小さくなるまで上記励起光パワーの補正を繰り返す。
【0048】
上記のようなステップ1〜ステップ9に示した一連の処理を行うことによって、運用開始前の準備段階に、実際に使用する光伝送路2を用いた測定を基に、運用開始後におけるASS光パワーの計算に用いるモデル式の係数が求められ、その結果がメモリ32に記憶されるようになる。
【0049】
実際の運用が開始される段階になると、本ラマン増幅器では、励起光パワー制御回路36が、伝送される信号光Lsに応じた励起光パワーの初期設定値を設定値記憶回路37から読み取り、その設定値に従って各励起光源11−1〜11−nの駆動が行われる。これにより、所定のパワーを有する励起光Lpが励起光供給部10から光伝送路2に供給され、光伝送路2を伝搬する信号光Lsがラマン増幅される。このラマン増幅された信号光Lsは、上述の図10に示したように、ラマン増幅により発生するASS光と累積ASE光を含んだ光となる。光伝送路2を伝搬した信号光Lsは、ラマン励起ユニット1に入力されてWDMカプラ13を通過した後、出力光モニタ部20の分岐器21でその一部がモニタ光Lmとして分岐され、光フィルタ22で信号光帯域以外の光成分が除去されて受光素子23で電気のモニタ信号に変換される。受光素子23から出力されるモニタ信号は、ALC回路34およびシャットダウン回路35にそれぞれ送られる。
【0050】
ALC回路34では、受光素子23からのモニタ信号を基に信号光出力パワーが判断され、その信号光出力パワーについて、上述の図11に示したようなASS光の補正が、ASS光演算回路33から出力される信号によって示される補正値に従って行われる。具体的に、ASS光演算回路33では、前述した準備段階に求めた係数がメモリ32から読み出され、励起光パワー制御回路36から伝えられる現在の励起光Lpの供給パワーに対応したASS光パワーが上記の(8)式を用いて算出され、その算出結果が補正値としてALC回路34に伝えられる。なお、この補正値は、シャットダウン回路35にも出力される。ASS光パワーの補正値が伝達されたALC回路34では、受光素子23からのモニタ信号を基に判断した信号光出力パワーからASS光パワーの補正値が差し引かれることでASS光成分を補正した信号光出力パワーが求められる。そして、補正後の信号光出力パワーが所要のレベルで一定となるように励起光の供給状態を制御するための信号がALC回路34から励起光パワー制御回路36に出力される。これにより、各励起光源11−1〜11−nの駆動状態がフィードバック制御され、ラマン増幅器の出力一定制御が行われる。
【0051】
また、シャットダウン回路35では、上記ALC回路34の場合と同様にして、ASS光成分を補正した信号光出力パワーが求められ、その補正後の信号光出力パワーが予め設定した閾値以下であるか否かが判定される。閾値以下の場合には、信号光Lsが遮断状態にあると判断して励起光Lpの供給を停止させるか、または、励起光Lpのパワーを所定のレベル以下に抑えるための制御信号が、シャットダウン回路35から励起光パワー制御回路36に出力される。これにより、各励起光源11−1〜11−nの駆動状態が制御され、ラマン増幅器のシャットダウン制御が行われる。このシャットダウン制御の精度については、ASS光パワーを計算するためのモデル式の係数が、上述のステップ8およびステップ9の処理にあるように0.5dB以下の誤差でASS光パワーを算出できるように決定されているため、信号光パワーとASS光パワーの比の値が約1/10となっても信号光を検出することが可能である。これは、例えばASS光の発生量が−20dBmである場合、信号光パワーが約−30dBm(伝送路出力では1波分の信号光パワーに相当)まで小さくなってもそれを検出できるような精度となる。
【0052】
上記のように第1実施形態のラマン増幅器によれば、運用開始前の準備段階における現地調整処理として、運用時に実際に使用される光伝送路2を用いてASS光パワーの測定を行い、その測定結果に基づいてASS光パワーを算出するモデル式の係数を決定するようにしたことで、運用時におけるASS光パワーの補正を精度良く行うことができるようになるため、ラマン増幅器の出力一定制御やシャットダウン制御を確実に実行することが可能になる。
【0053】
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
図4は、本発明の第2実施形態による光増幅システムの構成を示すブロック図である。
【0054】
図4において、本実施形態の光増幅システムは、ラマン増幅器とエルビウム添加ファイバ増幅器(EDFA)を縦続接続した公知の構成を有する光増幅システムについて、前段のラマン増幅器として上述の図1に示した第1実施形態の場合と同様の構成を適用すると共に、そのラマン増幅ユニット1を構成する制御部30の一部の機能と、後段のEDFAモジュール3を制御する機能とを共通のCPU4およびメモリ5によって実現し、ラマン増幅器およびEDFAが集中管理されるようにしたものである。
【0055】
CPU4は、ラマン増幅ユニット1の受光素子23から出力されるモニタ信号に応じて、前述した第1実施形態におけるASS光処理回路31に対応した処理を実行し、ASS光パワーを算出するためのモデル式の係数を求め、その結果をメモリ5に記憶させる。また、CPU4は、励起光パワー制御回路36から出力される励起光の供給状態を示す信号に応じて、第1実施形態におけるASS光演算回路33に対応した処理を実行し、運用時におけるASS光パワーの補正値を演算して、その結果をラマン増幅ユニット1のALC回路34およびシャットダウン回路35に出力する。さらに、CPU4は、EDFAモジュール3に関する公知の制御のための信号処理を実行する機能も備え、前段のラマン増幅器で発生するASS光パワーの補正値を利用したEDFAの制御を行うことも可能な構成となっている。
【0056】
なお、第1実施形態において設定値記憶回路37に記憶させていた励起光パワーの初期設定値に関する情報は、メモリ5に記憶されているものとする。また、上記以外の他の部分の構成および動作については、前述した第1実施形態の場合と同様であるため、ここでの説明を省略する。
【0057】
このように第2実施形態の光増幅システムによれば、ラマン増幅器とEDFAを組み合わせた装置構成についても第1実施形態の場合と同様の効果を得ることができると共に、ラマン増幅器およびEDFAについて共通のCPU4およびメモリ5を設けて各々の制御を実行するようにしたことで、装置構成の簡略化を図ることが可能になる。
【0058】
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
図5は、本発明の第3実施形態によるラマン増幅器の構成を示すブロック図である。
【0059】
図5において、本実施形態のラマン増幅器は、上述した第1実施形態のラマン増幅器について、ラマン増幅された信号光Lsの波長特性が所望の特性となるように励起光Lpの供給状態を制御する機能を設けたものである。具体的に、本ラマン増幅器の構成が第1実施形態の場合と異なる部分は、出力光モニタ部20について、光フィルタ21を通過したモニタ光Lmをm個の波長ブロックに分割してモニタできるように、分波器24およびm個の受光素子23−1〜23−mを設けると共に、第1実施形態で用いていたALC回路34およびシャットダウン回路35に代えて励起光パワー演算回路38を設けるようにした部分である。なお、上記以外の他の部分の構成は第1実施形態の場合と同様であるため、ここでの説明を省略する。
【0060】
出力光モニタ部20に設けられる分波器24は、光フィルタ21を通過したモニタ光Lmが1つの入力ポートに与えられ、そのモニタ光Lmをm個の波長ブロックに分波し、各波長ブロックの光を対応する出力ポートから受光素子23−1〜23−mに出力する。各受光素子23−1〜23−mは、分波器24の各出力ポートに接続され、分波器24で波長ブロックごとに分波されたモニタ光Lmを電気のモニタ信号に変換して出力する。各受光素子23−1〜23−mから出力されるモニタ信号は、ASS光処理回路31および励起光パワー演算回路38にそれぞれ送られる。
【0061】
励起光パワー演算回路38は、各受光素子23−1〜23−mから出力される各波長ブロックに対応したモニタ信号と、ASS光演算回路33で演算されたASS光パワーの補正値を示す信号とが与えられ、これらの信号に基づいて所望の波長特性を有する出力信号光Lsが得られるような励起光パワーの設定値を演算し、その演算結果を励起光パワー制御回路36に伝える。
【0062】
上記のような構成のラマン増幅器では、上述した第1実施形態の場合と同様にして、運用開始前の準備段階において、実際に使用する光伝送路2を用いてASS光パワーの測定が行われ、その測定結果に基づいてASS光パワー算出用のモデル式の係数がASS光処理回路31で求められ、その係数がメモリ32に記憶される。そして、準備段階で求めた係数を用いてASS光演算回路33で演算されるASS光パワーの補正値を利用して、所望の波長特性の出力信号光Lsを得るための励起光パワーの設定値が演算される。
ここで、励起光パワーの具体的な設定方法を図6のフローチャートを参照しながら説明する。以下の説明では、例えば、出力信号光Lsを3つの波長ブロックに分割して励起光パワーの設定値を演算する場合を考えることにする。ただし、波長ブロックの分割数は上記の一例に限定されるものではない。
【0063】
まず、図6のステップ11では、光伝送路2に対して、伝送され得る最大波長数の信号光Lsが実際の運用時と同等のパワーで入力される。
ステップ12では、励起光Lpが光伝送路2に供給されていない状態で、3つの波長ブロックに分割した出力信号光Lsの各パワーが出力光モニタ部20により測定される。そして、ステップ11における信号光Lsの入力パワーと測定された信号光平均出力パワーとを用いて、各波長ブロックに対応した光伝送路2の平均損失L1,L2,L3が算出される。
【0064】
ステップ13では、励起光源11−1〜11nを各波長ブロックに対応したグループごとに駆動して、各々の波長ブロックについての信号光平均出力パワーの測定が行われる。ここでは、各波長ブロックに対応した励起光パワーをPP1,PP2,PP3とする。そして、各励起光パワーPP1,PP2,PP3に対応したASS光パワーの補正値がASS光演算回路33で演算され、その演算結果が励起光パワー演算回路38に伝えられる。励起光パワー演算回路38では、出力光モニタ部20で測定された各波長ブロックの信号光平均出力パワーについて、ASS光演算回路33で演算された補正値に従いASS光成分の補正が行われる。ここでは、ASS光補正を行った信号光平均出力パワーをPS1,PS2,PS3とする。この信号光平均出力パワーPS1,PS2,PS3は、各波長ブロックに対応した励起光パワーPP1,PP2,PP3および上記のステップ12で算出した損失L1,L2,L3を用いて、次の(9)式に示す関係で表すことができる。
【0065】
【数9】
【0066】
したがって、上記の測定によって得られる各値を(9)式に与えることにより、各波長ブロックに対応した比例係数Aij(i,j=1,2,3)からなる行列が求められるようになる。
【0067】
ステップ14では、ステップ13で求めた比例係数Aijからなる行列の逆行列を計算することにより、次の(10)式に示すように、所望の信号光平均出力パワーPS1,PS2,PS3を実現するのに必要となる励起光パワーPP1,PP2,PP3を算出するための関係式が導出される。
【0068】
【数10】
【0069】
例えば、上記の(10)式において信号光平均出力パワーPS1,PS2,PS3を同じ値とすれば、ラマン増幅された信号光Lsの波長特性を平坦にするために必要となる、各波長ブロックに対応した励起光パワーの設定値を得ることができるようになる。
【0070】
ステップ15では、上記の(10)式について、ポンプ間ラマン効果を考慮した比例係数が求められる。すなわち、上記の比例係数Aijは、波長ブロックごとの利得係数であり、ポンプ間ラマン効果が含まれていない係数である。実際には複数の波長ブロックに対応した励起光源を同時に駆動してラマン増幅が行われるため、ポンプ間ラマン効果を考慮した利得係数を求める必要がある。そこで、上記の(10)式に従って各波長ブロックの励起光パワーPP1,PP2,PP3を求め、すべての波長ブロックに対応した励起光を上記のパワー設定で光伝送路2に供給する。そして、すべての波長ブロックに対応した励起光のパワーを例えば10mWだけ変化させ、その励起光パワーの変化分に対する信号光平均出力パワーの変化分を測定する。この測定により、次の(11)式に示すように、励起光パワーの変化分ΔPP1,ΔPP2,ΔPP3に対する信号光平均出力パワーの変化分ΔPS1,ΔPS2,ΔPS3の関係を表す比例係数比例係数Bij(i,j=1,2,3)が求められるようになる。
【0071】
【数11】
【0072】
ステップ16では、ステップ15で求めた比例係数Bijからなる行列の逆行列を計算することにより、次の(12)式に示すように、ポンプ間ラマン効果を考慮した関係式が導出される。
【0073】
【数12】
【0074】
具体的に、ラマン増幅されたWDM信号光の波長特性偏差を小さくするということは、例えば図7に示すように、各波長ブロックB1,B2,B3に対応した信号光平均出力パワーPS1,PS2,PS3を所望の目標パワーレベルPS0に近づけることになる。出力光モニタ部20で測定される信号光平均出力パワーPS1,PS2,PS3と目標パワーレベルPS0との差をΔPS1,ΔPS2,ΔPS3とすると、この差ΔPS1,ΔPS2,ΔPS3を埋めるために必要となる励起光パワーの差分がΔPP1,ΔPP2,ΔPP3となる。
【0075】
ステップ17では、上記の差分ΔPP1,ΔPP2,ΔPP3が収束するまで、(12)式を用いて算出した励起光パワーの設定値の補正および信号光平均出力パワーPS1,PS2,PS3の測定が繰り返される。
【0076】
上記のようなステップ11〜ステップ17に示した一連の処理を行うことによって、実際に使用する光伝送路2を用いた測定結果に基づいて、所望の波長特性を有する出力信号光Lsを得るための励起光パワーの設定値が求められるようになる。このような励起光パワーの設定値の演算処理は、本ラマン増幅器の運用を開始する前に実行してその結果をメモリ等に記憶させるようにすることができる。また、運用開始後に励起光パワーの設定値の演算処理を実行して、出力信号光Lsの波長特性の制御を逐次行うようにすることも可能である。
【0077】
上記のように第3実施形態のラマン増幅器によれば、運用開始前に実際に使用する光伝送路2を用いて係数を決定したモデル式によりASS光パワーの補正値を算出し、その補正値を用いて各波長ブロックに対応した励起光パワーの設定値を演算するようにしたことで、出力信号光Lsの波長特性の制御を優れた精度で確実に実行することが可能になる。
【0078】
なお、上記の第3実施形態では、ALC回路34およびシャットダウン回路35に代えて励起光パワー演算回路38を設けた構成例を示したが、励起光パワー演算回路38と共にALC回路34およびシャットダウン回路35を設けて、各々の制御が同時に行われるようにすることも勿論可能である。また、上述の図4に示した第2実施形態の場合と同様にして、ラマン増幅器とEDFAを縦続接続した光増幅システムについて、上記の第3実施形態のラマン増幅器を適用することも可能である。この場合の装置構成を図8に例示しておく。
【0079】
次に、本発明の第4実施形態について説明する。
図9は、本発明の第4実施形態による光伝送システムの構成を示す図である。
図9の光伝送システムは、信号光送信装置(OS)6から信号光受信装置(OR)7にWDM信号光を伝送するシステムについて、信号光送信装置6および信号光受信装置7の間を接続する光伝送路2上に所要の中継間隔で配置される複数の光中継器8に、上述したようなASS光パワーの補正処理が行われるラマン増幅器を適用したものである。
【0080】
ここでは、各光中継器8が、第2実施形態の場合のようにラマン増幅ユニット1とEDFAモジュール3とを縦続接続した構成からなる。また、後段のEDFAモジュール3は、WDM信号光を分波器41で所要の波長帯に分波し各波長帯に対応したEDFA42A,42Bでそれぞれ増幅して合波器43で合波する構成となっている。さらに、各波長帯に対応したEDFA42A,42Bの前後には、前段の光中継器8から信号光と伴に伝えられる副信号光(OSC)を取り出す分波器44A,44Bと、後段の光中継器8に伝える副信号光を合波する合波器45A,45Bとがそれぞれ配置されている。制御回路50は、第2実施形態におけるCPU4およびメモリ5に対応した機能に加えて、分波器44A,44Bで取り出される前段の光中継器8からの副信号光を受信する機能と、後段の光中継器8に送信する副信号光を生成して合波器45A,45Bに出力する機能とを備えている。
【0081】
上記のような光伝送システムでは、各光中継器8を制御するために信号光と伴に伝送される副信号光を利用して、上述の各実施形態で説明したような運用開始前の準備段階におけるASS光の補正計算用の係数作成処理や励起光パワーの設定処理を実施するタイミングが各光中継器に通知される。
【0082】
この副信号光を用いた現地調整の具体的な手順としては、例えば、光伝送システムの組み上げが完了して全システムの電源が投入されると、各光中継器8間で副信号光が正常に伝達されているかの動作確認が行われる。そして、副信号光の動作確認がとれると、信号光送信装置6に最も近い光中継器8について、ASS光の補正計算用の係数作成処理が実行される。この係数作成処理が完了すると、それを知らせる副信号光が後段の光中継器8に送信される。2段目の光中継器8では、初段の光中継器8からの副信号光の受信が確認されると、ASS光の補正計算用の係数作成処理が実行される。以降これと同様にして各光中継器8での係数作成処理が順次実行される。そして、すべての光中継器8についての係数作成処理が完了すると、信号光送信装置6における全波長の信号光の立ち上げが行われ、各信号光を波長多重したWDM信号光が光伝送路2に送信される。
【0083】
信号光送信装置6から光伝送路2へのWDM信号光の送信開始が副信号光により1段目の光中継器8に通知されると、その1段目の光中継器8では、各励起光パワーの設定値の演算処理が実行される。そして、励起光パワー設定値が演算されると、その光中継器内のラマン増幅ユニット1および各波長帯のEDFA42A,42Bが立ち上げられる。1段目の光中継器の立ち上げが完了すると、それを知らせる副信号光が後段の光中継器8に送信され、その副信号光を受信した2段目の光中継器8でも、励起光パワー設定値の演算処理および光増幅器の立ち上げが実行される。以降これと同様にして各光中継器8での励起光パワー設定値の演算処理および光増幅器の立ち上げが順次実行される。そして、すべての光中継器8についての励起光パワー設定値の演算処理が完了したことによって運用開始前の現地調整が終了する。
【0084】
上記のように第4実施形態の光伝送システムによれば、信号光送信装置6および信号光受信装置7の間の光伝送路2上に配置された複数の光中継器8について運用開始前の現地調整処理を実行するタイミングを副信号光を利用して各光中継器8の間で通知するようにしたことで、光伝送システム全体での現地調整を円滑に行うことが可能になる。
【0085】
なお、上記の第4実施形態では、ラマン増幅器およびEDFAを備えた光中継器の一例を示したが、本発明はこれに限らず、ラマン増幅器だけでWDM信号光の増幅を行う構成の光中継器についても同様にして応用することができる。また、光中継器8内のEDFAモジュール3でWDM信号光が各波長帯に分波された状態において、前段の光中継器8からの副信号光の受信および後段の光中継器8への副信号光の送信が行われるようにしたが、副信号光の受信および送信は光中継器8内の任意の位置で行うことが可能である。
【0086】
以上、本明細書で開示した主な発明について以下にまとめる。
【0087】
(付記1)増幅媒体で発生するラマン効果によって信号光を増幅するラマン増幅器において、
増幅媒体に励起光を供給する励起光供給部と、
増幅媒体を伝搬して出力される光のパワーを測定する出力光モニタ部と、
運用開始前の準備段階において、運用時に実際に使用する増幅媒体に励起光を供給して当該増幅媒体内で発生する自然ラマン散乱光のパワーを前記出力光モニタ部で測定し、該測定された自然ラマン散乱光のパワーに基づいて、運用開始後に自然ラマン散乱光のパワーを計算するためのモデル式の係数を求める自然ラマン散乱光処理部と、
該自然ラマン散乱光処理部で求められた係数を記憶する記憶部と、
該記憶部に記憶された係数を適用したモデル式に従い、前記励起光供給部により増幅媒体に供給される励起光パワーに応じて、運用開始後に発生する自然ラマン散乱光のパワーを算出する自然ラマン散乱光演算部と、
該自然ラマン散乱光演算部で算出された自然ラマン散乱光のパワーを用いて、前記出力光モニタ部で測定される出力光パワーを補正し、該補正された出力光パワーに基づいて、前記励起光供給部の動作を制御する励起光制御部と、
を備えて構成されたことを特徴とするラマン増幅器。
【0088】
(付記2)付記1に記載のラマン増幅器であって、
前記励起光供給部は、波長の異なる複数台の励起光源を有し、
前記自然ラマン散乱光処理部は、前記複数台の励起光源を1台ずつ駆動したときに前記出力光モニタ部で測定される自然ラマン散乱光のパワーと、前記複数台の励起光源のうちの2台を組み合わせて駆動したときに前記出力光モニタ部で測定される自然ラマン散乱光のパワーとを用いて、前記モデル式の係数を求めることを特徴とするラマン増幅器。
【0089】
(付記3)付記2に記載のラマン増幅器であって、
前記自然ラマン散乱光処理部は、前記複数台の励起光源をすべて駆動したときに前記出力光モニタ部で測定される自然ラマン散乱光のパワーを用いて、モデル式の係数の検証を行うことを特徴とするラマン増幅器。
【0090】
(付記4)付記1に記載のラマン増幅器であって、
前記増幅媒体が伝送用光ファイバであり、該伝送用光ファイバの信号光出力側に前記励起光供給部が配置される後方励起構成であることを特徴とするラマン増幅器。
【0091】
(付記5)付記1に記載のラマン増幅器であって、
前記励起光制御部は、前記補正された出力光パワーが予め設定したレベルで一定となるように、前記励起光供給部をフィードバック制御することを特徴とするラマン増幅器。
【0092】
(付記6)付記1に記載のラマン増幅器であって、
前記励起光制御部は、前記補正された出力光パワーが予め設定した閾値以下に低下したとき、励起光の供給を停止するか、または、励起光のパワーを所定のレベル以下に抑えるためのシャットダウン制御を行うことを特徴とするラマン増幅器。
【0093】
(付記7)付記1に記載のラマン増幅器であって、
前記出力光モニタ部は、増幅媒体を伝搬して出力される光を複数の波長ブロックに分割して各々の波長ブロックに対応した出力光のパワーを測定し、
前記励起光制御部は、前記自然ラマン散乱光演算部で算出された自然ラマン散乱光のパワーを用いて、前記出力光モニタ部で測定される各波長ブロックに対応した出力光のパワーをそれぞれ補正し、該補正された各波長ブロックの出力光パワーに基づいて、ラマン増幅された信号光の波長特性が目標とする波長特性に近づくように、励起光の供給状態を制御することを特徴とするラマン増幅器。
【0094】
(付記8)付記1に記載のラマン増幅器と、該ラマン増幅器に縦続接続された希土類添加ファイバ増幅器と、を備えて構成されたことを特徴とする光増幅システム。
【0095】
(付記9)付記8に記載の光増幅システムであって、
前記自然ラマン散乱光処理部および前記自然ラマン散乱光演算部の各機能と、前記希土類添加ファイバ増幅器の動作を制御するための信号処理を実行する機能とを備え、前記ラマン増幅器および前記希土類添加ファイバ増幅器の各動作を集中管理する回路を設けたことを特徴とする光増幅システム。
【0096】
(付記10)信号光送信装置から光伝送路に送信された信号光を光伝送路上に配置された光中継器で増幅しながら信号光受信装置まで中継伝送する光伝送システムにおいて、
前記光中継器が、付記1に記載のラマン増幅器を備えて構成されたことを特徴とする光伝送システム。
【0097】
(付記11)付記10に記載の光伝送システムであって、
前記光中継器が光伝送路上に複数配置され、
該各光中継器の制御を行うための副信号光を各々の光中継器間で伝送する副信号光伝送部を有し、
前記各光中継器において前記自然ラマン散乱光処理部にモデル式の係数を求める処理を実行させるタイミングおよび前記励起光制御部に前記励起光供給部の制御を実行させるタイミングが、前記副信号光を介して各々の光中継器に通知されることを特徴とする光伝送システム。
【0098】
(付記12)付記10に記載の光伝送システムであって、
前記光中継器が、前記ラマン増幅器に縦続接続された希土類添加ファイバ増幅器を備えたことを特徴とする光伝送システム。
【0099】
【発明の効果】
以上説明したように本発明のラマン増幅器によれば、運用時に実際に使用する増幅媒体を用いた測定を運用開始前に行って、計算により自然ラマン散乱光パワーを求めるためのモデル式の係数を取得し、その係数を適用したモデル式に従って自然ラマン散乱光パワーを算出するようにしたことで、実際の運用状況に対応した自然ラマン散乱光パワーの補正を行うことができるようになるため、出力一定制御やシャットダウン制御、波長特性偏差の制御などを確実に実行できるラマン増幅器を提供することが可能になる。また、このようなラマン増幅器を用いて光増幅システムや光伝送システムを構成することにより、システムの運用を適切に行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態によるラマン増幅器の構成を示すブロック図である。
【図2】上記の第1実施形態について、運用開始前の準備段階における動作を説明するためのフローチャートである。
【図3】図2のステップ1におけるASS光パワーの測定の一例を示す図である。
【図4】本発明の第2実施形態による光増幅器の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の第3実施形態によるラマン増幅器の構成を示すブロック図である。
【図6】上記の第3実施形態について励起光パワーの設定方法を説明するためのフローチャートである。
【図7】上記の第3実施形態における信号光の波長特性制御の具体的な一例を示す図である。
【図8】上記の第3実施形態に関連した他の構成例を示すブロックである。
【図9】本発明の第4実施形態による光伝送システムの構成を示す図である。
【図10】一般的なラマン増幅器の出力信号光に含まれる雑音光を模式的に示した図である。
【図11】従来のラマン増幅器における信号光出力パワーのモニタ方式の一例を説明する図である。
【符号の説明】
1 ラマン増幅ユニット
2 光伝送路
3 EDFAモジュール
4 CPU
5,32 メモリ
6 信号光送信装置(OS)
7 信号光受信装置(OR)
8 光中継器
10 励起光供給部
11−1〜11−n 励起光源
12 合成器
13 WDMカプラ
20 出力光モニタ部
21 分岐器
22 光フィルタ
23,23−1〜23−n 受光素子(PD)
24 分波器
30 制御部
31 ASS光処理回路
33 ASS光演算回路
34 ALC回路
35 シャットダウン回路
36 励起光パワー制御回路
37 設定値記憶回路
38 励起光パワー演算回路
Ls 信号光
Lp 励起光
Lm モニタ光
Claims (5)
- 増幅媒体で発生するラマン効果によって信号光を増幅するラマン増幅器において、
増幅媒体に励起光を供給する励起光供給部と、
増幅媒体を伝搬して出力される光のパワーを測定する出力光モニタ部と、
運用開始前の準備段階において、運用時に実際に使用する増幅媒体に励起光を供給して当該増幅媒体内で発生する自然ラマン散乱光のパワーを前記出力光モニタ部で測定し、該測定された自然ラマン散乱光のパワーに基づいて、運用開始後に自然ラマン散乱光のパワーを計算するためのモデル式の係数を求める自然ラマン散乱光処理部と、
該自然ラマン散乱光処理部で求められた係数を記憶する記憶部と、
該記憶部に記憶された係数を適用したモデル式に従い、前記励起光供給部により増幅媒体に供給される励起光パワーに応じて、運用開始後に発生する自然ラマン散乱光のパワーを算出する自然ラマン散乱光演算部と、
該自然ラマン散乱光演算部で算出された自然ラマン散乱光のパワーを用いて、前記出力光モニタ部で測定される出力光パワーを補正し、該補正された出力光パワーに基づいて、前記励起光供給部の動作を制御する励起光制御部と、
を備えて構成されたことを特徴とするラマン増幅器。 - 請求項1に記載のラマン増幅器であって、
前記励起光供給部は、波長の異なる複数台の励起光源を有し、
前記自然ラマン散乱光処理部は、前記複数台の励起光源を1台ずつ駆動したときに前記出力光モニタ部で測定される自然ラマン散乱光のパワーと、前記複数台の励起光源のうちの2台を組み合わせて駆動したときに前記出力光モニタ部で測定される自然ラマン散乱光のパワーとを用いて、前記モデル式の係数を求めることを特徴とするラマン増幅器。 - 請求項1に記載のラマン増幅器であって、
前記出力光モニタ部は、増幅媒体を伝搬して出力される光を複数の波長ブロックに分割して各々の波長ブロックに対応した出力光のパワーを測定し、
前記励起光制御部は、前記自然ラマン散乱光演算部で算出された自然ラマン散乱光のパワーを用いて、前記出力光モニタ部で測定される各波長ブロックに対応した出力光のパワーをそれぞれ補正し、該補正された各波長ブロックの出力光パワーに基づいて、ラマン増幅された信号光の波長特性が目標とする波長特性に近づくように、励起光の供給状態を制御することを特徴とするラマン増幅器。 - 請求項1に記載のラマン増幅器と、該ラマン増幅器に縦続接続された希土類添加ファイバ増幅器と、を備えて構成されたことを特徴とする光増幅システム。
- 信号光送信装置から光伝送路に送信された信号光を光伝送路上に配置された光中継器で増幅しながら信号光受信装置まで中継伝送する光伝送システムにおいて、
前記光中継器が、請求項1に記載のラマン増幅器を備えて構成されたことを特徴とする光伝送システム。
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