JP2004287044A - 実体顕微鏡 - Google Patents
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Abstract
【課題】この発明は、構成簡易にして、小型化の促進を図ったうえで、簡便にして容易な光路切り換え操作を実現することにある。
【解決手段】対物レンズ2aからの光束を接眼レンズ12aに案内する反射光学系を構成する第1の反射部材5aを、対物レンズ2aの光軸11a上に挿脱自在に配して、この第1の反射部材5aを光軸11a上に挿脱することにより、光路を切り換え設定し、選択的に接眼レンズ12aによる観察、あるいは撮像光路13への光束の案内を実現するように構成し、所期の目的を達成した。
【選択図】 図1
【解決手段】対物レンズ2aからの光束を接眼レンズ12aに案内する反射光学系を構成する第1の反射部材5aを、対物レンズ2aの光軸11a上に挿脱自在に配して、この第1の反射部材5aを光軸11a上に挿脱することにより、光路を切り換え設定し、選択的に接眼レンズ12aによる観察、あるいは撮像光路13への光束の案内を実現するように構成し、所期の目的を達成した。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば生きたままの生物等の標本を観察したり、各種の作業に用いたり、あるいは半導体デバイス工程での各種検査等の各種作業に用いられる実体顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、実体顕微鏡においては、左右一対で内向角を有する対物光学系の片側光路の途中に反射部材を配して、この反射部材で偏向させて分岐した撮像光路を形成して、この撮像光路に導いた観察像を写真カメラやテレビジョン(TV)カメラ等の撮像カメラで撮像する使用形態がある。
【0003】
このような撮像光路を配する構成のものとしては、撮像光路の配備手段は、アダプターに撮像光路を設けた、いわゆる3眼鏡筒タイプのものがあり、片側光路の途中に、プリズム、ミラー、ハーフミラー等の反射部材を挿脱自在に配し、この反射部材を挿脱することにより、撮像光路と観察光路を切り換え、あるいは分割する(例えば、特許文献1参照)。この際、反射部材で偏向された撮像光路は、第2の反射部材を介して片側光路と平行になるように偏向されて実体顕微鏡の光軸と撮像カメラの光軸との距離を接近させるように構成される。
【0004】
しかしながら、上記撮像光路の配備手段では、反射部材を1個、又は2個片側光路に配して、所望の撮像光路を構成しているために、部品点数が増加されることで、構成が複雑となるという不都合を有する。
【0005】
また、この配備手段にあっては、その構成上、撮像光路の光軸が、実体顕微鏡の光軸と「ずれ」が生じるために、顕微鏡本体の奥行き方向又は幅方向が大きくなり、大型となるという不具合を有する。
【0006】
係る事情は、実体顕微鏡を、プローバーやボンダー等の装置に組み込んで使用する場合、特に、撮像カメラを取付ける使用形態が多いために、小型化の促進が強く要請されている。
【0007】
【特許文献1】
実用新案登録第02519894号公報(2頁〜3頁、第1図、第2図)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
以上述べたように、従来の実体顕微鏡では、観察光路の他に撮像光路を配備するように構成すると、構成が複雑で、大型となるという不具合を有する。
【0009】
この発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、構成簡易にして、小型化の促進を図り得、且つ、簡便にして容易な光路切り換え操作を実現し得るようにした実体顕微鏡を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明は、観察部に対向して焦点調整自在に配される左右一対で内向角を有する対物光学系と、この対物光学系からの光束を結像する接眼光学系に、前記光束を案内する複数の反射部材が設けられた反射光学系と、この反射光学系の少なくとも1つの反射部材を前記対物光学系の光軸上に挿脱する挿脱手段と、前記反射光学系の反射部材が前記対物光学系の光軸上から脱された状態で、前記対物光学系からの光束が導かれる撮像光路とを備えて実体顕微鏡を構成した。
【0011】
上記構成によれば、対物光学系からの光束を接眼光学系に案内する反射光学系の少なくとも1つの反射部材を、対物光学系の光軸上から挿脱自在に配して、この反射部材を光軸上に挿脱することにより、選択的に接眼光学系による観察、あるいは撮像光路への光束の案内が実現される。従って、特別に反射部材を付加することなく、簡易な構成で、撮像光路の形成が可能となり、容易に小型化の促進を図ることができる。
【0012】
また、この発明は、前記挿脱手段を、前記反射部材を光軸上に挿脱する操作部材を備え、該操作部材の操作軸を前記反射光学系の眼幅調整軸と同軸に配して構成した。
【0013】
上記構成によれば、操作部材の操作位置において、眼幅調整が行われると、その調整に連動して操作部材が操作軸周りに回動され、その操作位置が保持された状態で眼幅が調整される。従って、反射部材の挿脱と、接眼光学系の眼幅調整との安定した分離操作が可能となる。
【0014】
また、この発明は、前記挿脱手段を、操作部材の操作軸を前記反射光学系の眼幅調整時に操作位置に位置規制する規制機構を備えて構成した。
【0015】
上記構成によれば、操作部材の操作位置において、眼幅調整が行われると、操作部材の回動が規制されて眼幅が調整される。従って、反射部材の挿脱と、接眼光学系の眼幅調整との安定した分離操作が可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0017】
図1及び図2は、この発明の一実施の形態に係る実体顕微鏡を示すもので、図1は、光学系を側面から見た状態を示し、図2は、光学系を正面から見た状態を示す。
【0018】
即ち、対物光学系を構成する一対の対物レンズ2a、2bは、顕微鏡本体1内に左右一対で所望の内向角を有して焦点調整自在に配され、観察部3からの光束がそれぞれ入射される。この一対の対物レンズ2a、2bの光軸11a、11b上には、変倍レンズ群4a、4bを介して反射光学系を構成する第1乃至第5の反射部材5a〜9a、5b〜9bがそれぞれ配される。
【0019】
この第1乃至第5の反射部材5a〜9a、5b〜9bは、それぞれ光軸11a,11bをそれぞれ観察光路10a,10bに偏向させる。そして、この観察光路10a、10bには、接眼光学系を構成する一対の接眼レンズ12a、12bがそれぞれ配され、この接眼レンズ12a、12bには、対物レンズ2a、2bより入射された光束が変倍レンズ群4a、4bを通して導かれて、観察像が結像される。
【0020】
上記第1乃至第5の反射部材5a〜9a、5b〜9bは、その一方の片側光路の第1の反射部材5aが、変倍レンズ群4aの光軸11a上に退避・挿入(挿脱)自在に配置される。この第1の反射部材5aの配置される変倍レンズ群4aの下流側の光軸11a上には、撮像光路13が設けられ、この撮像光路13には、上記第1の反射部材5aが光軸11a上から脱された状態で、変倍レンズ群4aからの光束が導かれる。
【0021】
第1の反射部材5aが光軸11a上に挿入された状態においては、変倍レンズ群4aを透過した光束が第1の反射部材5aで反射された後、第2乃至第5の反射部材6a〜9aにより偏向されて観察光路10aに導かれて接眼レンズ12aに案内される。
【0022】
上記撮像光路13には、結像レンズ22が内装される撮像光路枠23が設けられ、この撮像光路枠23の先端には、写真装置やTVカメラ装置を取付けるためのアタッチメントを装着可能とするアタッチメント取付部24が設けられる。このアタッチメント取付部24には、観察形態に応じて写真カメラやTVカメラ等の撮像カメラ25が選択的に着脱される。上記撮像光路枠23の結像レンズ22は、光束が導かれると、像を上記撮像カメラ25の結像面251に結像する。
【0023】
ここで、上記第1の反射部材5aを光軸11a上に挿脱して光路を切り換える挿脱手段について説明する。
【0024】
即ち、上記第1の反射部材5aは、図3、図4及び図5に示すように固定部材15に固定され、この固定部材15は、上記第2乃至第5の反射部材6a〜9aが搭載された眼幅調整部材16に設けたガイド17に矢印方向に移動自在に嵌装される(図5参照)。これにより、固定部材15は、ガイド17に沿って移動され、眼幅調整部材16のストッパ18、19に当接することによってその移動範囲を規制される。ここで、固定部材は、図示しない停止位置保持手段(クリック等)により、その停止位置において位置決め保持される。
【0025】
上記固定部材15の摺動機構としては、例えばアリガイド方式や、その他、コロガイド方式、ボールガイド方式等を用いて構成することが可能である。
【0026】
また、上記固定部材15には、操作部材20が突設され、この操作部材20の先端部は、上記顕微鏡本体1の挿通孔21を通して外部に操作可能に突出配置される。これにより、固定部材15は、その操作部材20を操作することにより、ガイド17に沿って矢印方向に移動されて、上記第1の反射部材5aの光軸11aからの挿脱(挿入、退避)を実行する。
【0027】
上記眼幅調整部材16は、図6に示すように変倍レンズ群4aの光軸11a中心に矢印D方向の回動可能に配される。また、他方の片側光路に配される第1乃至第5の反射部材5b〜9bは、同様に上記眼幅調整部材16に搭載される。この眼幅調整部材16は、変倍レンズ群4bの光軸中心の矢印E方向に回動可能に配される。これにより、両側光路を構成する左右一対の眼幅調整部材16は、互いに反対方向へ回動付勢することにより、一対の接眼レンズ12a、12b間の幅を変化させて眼幅調整を実行する。
【0028】
上記構成において、撮像カメラ25により観察像を撮像する場合は、操作部材20を手にして固定部材15を眼幅調整部材16のガイド17に沿って退避方向に引き出しストッパ18に当接させる。ここで、固定部材15に支持された第1の反射部材5aは、変倍レンズ群4aの光軸11a上から退避されて、該変倍レンズ群4aからの光束が撮像光路13に導かれる状態に光路が切り換え設定される。ここで、アタッチメント取付部24に取り付けた撮像カメラ25には、変倍レンズ群4aを透過した光束が結像レンズ22を介して導かれて観察像が撮像される。
【0029】
また、接眼レンズ12a、12bにより観察を行う場合は、操作部材20を手にして固定部材15を眼幅調整部材16のガイド17に沿って挿入方向に押し込みストッパ19に当接させる。ここで、固定部材15に支持された第1の反射部材5aは、再び変倍レンズ群4aの光軸11aに挿入される。ここで、変倍レンズ群4a、4bからの光束が第1乃至第5の反射部材5a〜9a、5b〜9bを介して観察光路10a、10bに導かれて接眼レンズ12a、12bより肉眼で観察することが可能に光路が切り換えられる。
【0030】
この接眼レンズ12a、12bによる観察状態において、眼幅調整は、例えば図示しない左右の接眼レンズ枠などをもち、接眼レンズ12a、12b及び眼幅調整部材16、16を回動調整することにより行われる。
【0031】
このように、上記実体顕微鏡は、対物レンズ2aからの光束を接眼レンズ12aに案内する反射光学系を構成する第1の反射部材5aを、対物レンズ2aの光軸11a上に挿脱自在に配して、この第1の反射部材5aを光軸11a上に挿脱することにより、光路を切り換え設定し、選択的に接眼レンズ12aによる観察、あるいは撮像光路13への光束の案内を実現するように構成した。
【0032】
これによれば、例えば光路切り換え専用の反射部材を付加することなく、簡易な構成で、撮像光路13の形成が可能となり、容易に小型化の促進を図ることができる。
【0033】
また、これによれば、撮像光路13を変倍レンズ群4aの光軸11a上に配置しているので、顕微鏡本体1の大きさが奥行き方向にコンパクトに形成することができ、しかも、取り付けた撮像カメラ25が顕微鏡本体1に対して奥行き方向に張り出さずにコンパクトに形成することができるため、例えばプローバーやボンダー等の装置に組み込んだ使用形態にも好適する。
【0034】
また、この発明は、上記実施の形態に限ることなく、その他、図7乃至図9、あるいは図10乃至図14に示すように構成することも可能で、さらに有効な効果が期待される。但し、この図7乃至図14の説明においては、上記図1乃至図6と同一部分について、同一符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0035】
図7乃至図9の実施の形態は、上記第1の反射部材5aを固定部材201に固定し、この固定部材201を、移動部材202に図示しないクランプビスや接着等により搭載する。この移動部材202は、眼幅調整部材203に設けられたガイド204に沿って矢印G方向に移動自在に嵌装される。そして、この移動部材202は、眼幅調整部材203に設けたストッパ205、206に当接することにより、移動範囲が規制され、図示しない停止位置保持手段(クリック等)により、その停止位置が所定の位置に保持される。この摺動機構としては、例えば上記実施の形態と同様にアリガイド方式や、その他、コロガイド方式、ボールガイド方式等を用いて構成することが可能である。
【0036】
また、上記顕微鏡本体1の撮像光路13上は、結像レンズ22を有した撮像光路枠208が図示しないクランプビスや接着等により配され、この撮像光路枠208の先端には、アタッチメント取付部209が設けられる。
【0037】
撮像光路枠208の側面2箇所には、操作部材217、218を外部にわずかに突出させるための長孔210、211が設けられる。そして、この撮像光路枠208の内側には、環枠212が撮像光路13中心と同軸的に回動自在に内装される。この環枠212の外周には、上記操作部材217、218が所定の間隔に突設され、この操作部材217、218が上記撮像光路枠208の長孔210、211に挿入される。これにより、撮像光路枠208には、上記環枠212が周方向に回動操作可能に組付けが可能に組付けられる(図7参照)。
【0038】
また、上記環枠212の底面には、ピン213が設けられ、このピン213は、上記固定部材201上面に設けられた長溝214に移動自在に収容される。これにより、操作部材217、218が長孔210、211に沿って周方向に回動付勢されると、移動部材202及び眼幅調整部材203は、そのピン213と長溝214の作用により、矢印G方向に移動される。
【0039】
上記構成において、環枠212は、その操作部材217、218を長孔210、211に沿って回動付勢すると、環枠212が回動される。すると、環枠212は、そのピン213で固定部材201の長溝214を押圧して移動部材202及び眼幅調整部材203を矢印G方向に移動させ、第1の反射部材5aを光軸11a上から挿脱させる。例えば、環枠212の操作部材217、218を、第1の反射部材5aを光軸11a上に挿入する一方方向に回動付勢して、光軸11a上に挿入すると、変倍レンズ群4aを透過した光束は、第1乃至第5の反射部材5a〜9aを介して観察光路10aに導かれる。ここで、観察光路10aに導かれた光束は、接眼レンズ12aで結像されて肉眼で観察される。
【0040】
この際、眼幅調整は、図示しない左右の接眼レンズ枠などを持ち、接眼レンズ12a、12b及び眼幅調整部材203を回動調整して実行する。この眼幅調整時、光路切り換え用の操作部材217、218は、眼幅調整の回転軸(光軸11a)と同軸で回ることで、初期位置が確保される。
【0041】
また、環枠212の操作部材217、218を逆方向に回動付勢すると、第1の反射部5が光軸11から退避される。ここで、変倍レンズ群4aを透過した光束は、撮像光路13に導かれ、アタッチメント取付部209に取り付けられた撮像カメラ25で撮像される。
【0042】
この実施の形態においては、操作部材217、218を、眼幅調整部材203と同軸的に配し、第1の反射部材5aの挿脱操作位置において、眼幅調整が行われても、環枠212が初期位置を採ることにより、高精度な眼幅調整及び光路切換操作が実現される。そして、この実施の形態によれば、環枠212の操作部材217、218を、撮像光路枠208に対してわずかに突出させるだけで安定した光路切換及び眼幅調整操作の双方に供することができることにより、該操作部材217、218が各種作業の邪魔となることもない。
【0043】
また、図10乃至図14の実施の形態は、第1の反射部材5aを光軸11a上に挿脱する挿脱手段に、眼幅調整時、眼幅調整部材16が移動調整されても、操作部材307が可変しないようにした規制機構を設けて構成したことを特徴とする。
【0044】
即ち、上記第1の反射部材5aは、固定部材301に固定され、この固定部材301は、上記第2乃至第5の反射部材6a〜9aが搭載された眼幅調整部材16に設けたガイド17に矢印方向に移動自在に嵌装されている。この固定部材に301は、第1の反射部材5aを内装してリング状の環枠302が回動自在に配される。この環枠302の外周には、案内ピン303が設けられる。
【0045】
固定部材301は、眼幅調整部材16のガイド17に沿って移動自在に設けられ、その移動により、該眼幅調整部材16のストッパ18、19に当接することによってその移動範囲を規制される。ここで、固定部材301は、図示しない停止位置保持手段(クリック等)により、その停止位置において位置決め保持される。
【0046】
上記環枠302の固定部材301には、操作部材307の湾曲状の案内溝部308に移動自在に収容される。この操作部材307は、上記顕微鏡本体1の挿通孔304に挿通されて外部操作自在に配される。
【0047】
上記構成において、操作部材307が押し込まれて固定部材301がストッパ18に当接されると、第1の反射部材5aが、光軸11aに挿入され、変倍レンズ群4aからの光束が第1乃至第5の反射部材5a〜9aを介して観察光路10aに導かれて接眼レンズ12aによる肉眼による観察が可能となる。
【0048】
ここで、眼幅調整部材16が回転調整されて眼幅調整が行われると、環枠302が固定部材301に対して回動される。この結果、操作部材307は、その案内溝部308に対して環枠302の案内ピン303が挿入されていることで、その案内ピン303が操作部材307の案内溝部308に案内されて固定部材301に対して光軸11aを中心に回動されて、操作部材307が操作位置に保たれる。
【0049】
また、操作部材307が押し込まれて固定部材301がストッパ19に当接されると、第1の反射部材5aが、光軸11aから離脱され、変倍レンズ群4aからの光束が撮像光路に導かれて撮像カメラ25による撮像が可能となる。この第1の反射部材5aが光軸11aから退避している場合、眼幅調整部材16が回転しても案内溝部308と案内ピン303とが回動自在に係合配置されているため操作部材307は、操作位置に保たれる。
【0050】
即ち、操作部材307は、第1の反射部材5aが光軸11aに挿入されている状態で、眼幅調整部材16が回転しても環枠302が固定部材301に対して光軸11aを中心に回動されて初期位置に保たれる。そして、第1の反射部材5aが光軸11aから退避している状態では、眼幅調整部材16が回転しても案内溝部308と案内ピン303との作用により回動されて初期位置に保たれる。これにより、操作部材307の位置を保持したままで、眼幅調整時の眼幅調整部材16の回動が可能で、該眼幅調整部材16がどのような状態にあっても、光路切換え操作及び眼幅調整部材16の摺動操作が実現される。
【0051】
この実施の形態においては、眼幅調整時に光路切り換え用の操作部材307が移動しないので、眼幅調整操作の邪魔になることがなく、しかも、操作部材307の操作によりガタなく第1の反射部材5aを、光軸11a上に挿入あるいは退避させることができることにより、安定した確実な光路切換え操作及び眼幅調整操作が実現される。
【0052】
なお、上記各実施の形態では、反射光学系を構成する第1乃至第5の反射部材5a〜9aの中の第1の反射部材5aのみを光軸上に挿脱するように構成した場合について説明したが、これに限ることなく、複数個を挿脱するように構成することも可能である。
【0053】
また、上記各実施の形態では、光軸11aに配される反射光学系に構成した場合で説明したが、これに限ることなく、その他、光軸11bに配される反射光学系に構成することも可能で、同様の効果が期待される。
【0054】
さらに、反射光学系としては、上記第1乃至第5の反射部材5a〜9a、5b〜9bを備える構成に限るものでなく、各種の反射光学系を用いて構成することが可能である。
【0055】
よって、この発明は、上記実施の形態に限ることなく、その他、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々の変形を実施し得ることが可能である。さらに、上記実施形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組合せにより種々の発明が抽出され得る。
【0056】
例えば実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0057】
【発明の効果】
以上詳述したように、この発明によれば、構成簡易にして、小型化の促進を図り得、且つ、簡便にして容易な光路切り換え操作を実現し得るようにした実体顕微鏡を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態に係る実体顕微鏡の光学系の配置構成を側面から示した図である。
【図2】図1の光学系を正面から示した図である。
【図3】図1の光路切換構成を示した側面から示した図である。
【図4】図3の光路切換構成を上面から示した図である。
【図5】図3の固定部材の眼幅調整部材への組付け状態を示した図である。
【図6】図3の眼幅調整部材の調整動作を説明するために示した図である。
【図7】この発明の他の実施の形態に係る実体顕微鏡の要部を断面して示した図である。
【図8】図7のX―Xを断面して示した図である。
【図9】図7の外観の要部を側面から示した図である。
【図10】この発明の他の実施の形態に係る実体顕微鏡の要部を断面して示した図である。
【図11】図10を上面から示した図である。
【図12】図10の固定部材の眼幅調整部材への組付け状態を示した図である。
【図13】図10の撮像光路切り換え状態を示した図である。
【図14】図10の観察光路切り換え状態を示した図である。
【符号の説明】
1 … 顕微鏡本体
2a、2b … 対物レンズ
3 … 観察部
4a、4b … 変倍レンズ群
5a〜9a、5b〜9b … 第1乃至第5の反射部材
10a、10b … 観察光路
11a、11b … 光軸
12a、12b … 接眼レンズ
13 … 撮像光路
15 … 固定部材
16 … 眼幅調整部材
17 … ガイド
18、19 … ストッパ
20 … 操作部材
21 … 挿通孔
22 … 結像レンズ
23 … 撮像光路枠
24 … アタッチメント取付部
25 … 撮像カメラ
251 … 結像面
201 … 固定部材
202 … 移動部材
203 … 眼幅調整部材
204 … ガイド
205、206 … ストッパ
208 … 撮像光路枠
209 … アタッチメント取付部
210、211 … 長孔
212 … 環枠
213 … ピン
214 … 長溝
217、218 … 操作部材
301 … 固定部材
302 … 環枠
303 … 案内ピン
304 … 挿通孔
307 … 操作部材
308 … 案内溝部
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば生きたままの生物等の標本を観察したり、各種の作業に用いたり、あるいは半導体デバイス工程での各種検査等の各種作業に用いられる実体顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、実体顕微鏡においては、左右一対で内向角を有する対物光学系の片側光路の途中に反射部材を配して、この反射部材で偏向させて分岐した撮像光路を形成して、この撮像光路に導いた観察像を写真カメラやテレビジョン(TV)カメラ等の撮像カメラで撮像する使用形態がある。
【0003】
このような撮像光路を配する構成のものとしては、撮像光路の配備手段は、アダプターに撮像光路を設けた、いわゆる3眼鏡筒タイプのものがあり、片側光路の途中に、プリズム、ミラー、ハーフミラー等の反射部材を挿脱自在に配し、この反射部材を挿脱することにより、撮像光路と観察光路を切り換え、あるいは分割する(例えば、特許文献1参照)。この際、反射部材で偏向された撮像光路は、第2の反射部材を介して片側光路と平行になるように偏向されて実体顕微鏡の光軸と撮像カメラの光軸との距離を接近させるように構成される。
【0004】
しかしながら、上記撮像光路の配備手段では、反射部材を1個、又は2個片側光路に配して、所望の撮像光路を構成しているために、部品点数が増加されることで、構成が複雑となるという不都合を有する。
【0005】
また、この配備手段にあっては、その構成上、撮像光路の光軸が、実体顕微鏡の光軸と「ずれ」が生じるために、顕微鏡本体の奥行き方向又は幅方向が大きくなり、大型となるという不具合を有する。
【0006】
係る事情は、実体顕微鏡を、プローバーやボンダー等の装置に組み込んで使用する場合、特に、撮像カメラを取付ける使用形態が多いために、小型化の促進が強く要請されている。
【0007】
【特許文献1】
実用新案登録第02519894号公報(2頁〜3頁、第1図、第2図)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
以上述べたように、従来の実体顕微鏡では、観察光路の他に撮像光路を配備するように構成すると、構成が複雑で、大型となるという不具合を有する。
【0009】
この発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、構成簡易にして、小型化の促進を図り得、且つ、簡便にして容易な光路切り換え操作を実現し得るようにした実体顕微鏡を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明は、観察部に対向して焦点調整自在に配される左右一対で内向角を有する対物光学系と、この対物光学系からの光束を結像する接眼光学系に、前記光束を案内する複数の反射部材が設けられた反射光学系と、この反射光学系の少なくとも1つの反射部材を前記対物光学系の光軸上に挿脱する挿脱手段と、前記反射光学系の反射部材が前記対物光学系の光軸上から脱された状態で、前記対物光学系からの光束が導かれる撮像光路とを備えて実体顕微鏡を構成した。
【0011】
上記構成によれば、対物光学系からの光束を接眼光学系に案内する反射光学系の少なくとも1つの反射部材を、対物光学系の光軸上から挿脱自在に配して、この反射部材を光軸上に挿脱することにより、選択的に接眼光学系による観察、あるいは撮像光路への光束の案内が実現される。従って、特別に反射部材を付加することなく、簡易な構成で、撮像光路の形成が可能となり、容易に小型化の促進を図ることができる。
【0012】
また、この発明は、前記挿脱手段を、前記反射部材を光軸上に挿脱する操作部材を備え、該操作部材の操作軸を前記反射光学系の眼幅調整軸と同軸に配して構成した。
【0013】
上記構成によれば、操作部材の操作位置において、眼幅調整が行われると、その調整に連動して操作部材が操作軸周りに回動され、その操作位置が保持された状態で眼幅が調整される。従って、反射部材の挿脱と、接眼光学系の眼幅調整との安定した分離操作が可能となる。
【0014】
また、この発明は、前記挿脱手段を、操作部材の操作軸を前記反射光学系の眼幅調整時に操作位置に位置規制する規制機構を備えて構成した。
【0015】
上記構成によれば、操作部材の操作位置において、眼幅調整が行われると、操作部材の回動が規制されて眼幅が調整される。従って、反射部材の挿脱と、接眼光学系の眼幅調整との安定した分離操作が可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0017】
図1及び図2は、この発明の一実施の形態に係る実体顕微鏡を示すもので、図1は、光学系を側面から見た状態を示し、図2は、光学系を正面から見た状態を示す。
【0018】
即ち、対物光学系を構成する一対の対物レンズ2a、2bは、顕微鏡本体1内に左右一対で所望の内向角を有して焦点調整自在に配され、観察部3からの光束がそれぞれ入射される。この一対の対物レンズ2a、2bの光軸11a、11b上には、変倍レンズ群4a、4bを介して反射光学系を構成する第1乃至第5の反射部材5a〜9a、5b〜9bがそれぞれ配される。
【0019】
この第1乃至第5の反射部材5a〜9a、5b〜9bは、それぞれ光軸11a,11bをそれぞれ観察光路10a,10bに偏向させる。そして、この観察光路10a、10bには、接眼光学系を構成する一対の接眼レンズ12a、12bがそれぞれ配され、この接眼レンズ12a、12bには、対物レンズ2a、2bより入射された光束が変倍レンズ群4a、4bを通して導かれて、観察像が結像される。
【0020】
上記第1乃至第5の反射部材5a〜9a、5b〜9bは、その一方の片側光路の第1の反射部材5aが、変倍レンズ群4aの光軸11a上に退避・挿入(挿脱)自在に配置される。この第1の反射部材5aの配置される変倍レンズ群4aの下流側の光軸11a上には、撮像光路13が設けられ、この撮像光路13には、上記第1の反射部材5aが光軸11a上から脱された状態で、変倍レンズ群4aからの光束が導かれる。
【0021】
第1の反射部材5aが光軸11a上に挿入された状態においては、変倍レンズ群4aを透過した光束が第1の反射部材5aで反射された後、第2乃至第5の反射部材6a〜9aにより偏向されて観察光路10aに導かれて接眼レンズ12aに案内される。
【0022】
上記撮像光路13には、結像レンズ22が内装される撮像光路枠23が設けられ、この撮像光路枠23の先端には、写真装置やTVカメラ装置を取付けるためのアタッチメントを装着可能とするアタッチメント取付部24が設けられる。このアタッチメント取付部24には、観察形態に応じて写真カメラやTVカメラ等の撮像カメラ25が選択的に着脱される。上記撮像光路枠23の結像レンズ22は、光束が導かれると、像を上記撮像カメラ25の結像面251に結像する。
【0023】
ここで、上記第1の反射部材5aを光軸11a上に挿脱して光路を切り換える挿脱手段について説明する。
【0024】
即ち、上記第1の反射部材5aは、図3、図4及び図5に示すように固定部材15に固定され、この固定部材15は、上記第2乃至第5の反射部材6a〜9aが搭載された眼幅調整部材16に設けたガイド17に矢印方向に移動自在に嵌装される(図5参照)。これにより、固定部材15は、ガイド17に沿って移動され、眼幅調整部材16のストッパ18、19に当接することによってその移動範囲を規制される。ここで、固定部材は、図示しない停止位置保持手段(クリック等)により、その停止位置において位置決め保持される。
【0025】
上記固定部材15の摺動機構としては、例えばアリガイド方式や、その他、コロガイド方式、ボールガイド方式等を用いて構成することが可能である。
【0026】
また、上記固定部材15には、操作部材20が突設され、この操作部材20の先端部は、上記顕微鏡本体1の挿通孔21を通して外部に操作可能に突出配置される。これにより、固定部材15は、その操作部材20を操作することにより、ガイド17に沿って矢印方向に移動されて、上記第1の反射部材5aの光軸11aからの挿脱(挿入、退避)を実行する。
【0027】
上記眼幅調整部材16は、図6に示すように変倍レンズ群4aの光軸11a中心に矢印D方向の回動可能に配される。また、他方の片側光路に配される第1乃至第5の反射部材5b〜9bは、同様に上記眼幅調整部材16に搭載される。この眼幅調整部材16は、変倍レンズ群4bの光軸中心の矢印E方向に回動可能に配される。これにより、両側光路を構成する左右一対の眼幅調整部材16は、互いに反対方向へ回動付勢することにより、一対の接眼レンズ12a、12b間の幅を変化させて眼幅調整を実行する。
【0028】
上記構成において、撮像カメラ25により観察像を撮像する場合は、操作部材20を手にして固定部材15を眼幅調整部材16のガイド17に沿って退避方向に引き出しストッパ18に当接させる。ここで、固定部材15に支持された第1の反射部材5aは、変倍レンズ群4aの光軸11a上から退避されて、該変倍レンズ群4aからの光束が撮像光路13に導かれる状態に光路が切り換え設定される。ここで、アタッチメント取付部24に取り付けた撮像カメラ25には、変倍レンズ群4aを透過した光束が結像レンズ22を介して導かれて観察像が撮像される。
【0029】
また、接眼レンズ12a、12bにより観察を行う場合は、操作部材20を手にして固定部材15を眼幅調整部材16のガイド17に沿って挿入方向に押し込みストッパ19に当接させる。ここで、固定部材15に支持された第1の反射部材5aは、再び変倍レンズ群4aの光軸11aに挿入される。ここで、変倍レンズ群4a、4bからの光束が第1乃至第5の反射部材5a〜9a、5b〜9bを介して観察光路10a、10bに導かれて接眼レンズ12a、12bより肉眼で観察することが可能に光路が切り換えられる。
【0030】
この接眼レンズ12a、12bによる観察状態において、眼幅調整は、例えば図示しない左右の接眼レンズ枠などをもち、接眼レンズ12a、12b及び眼幅調整部材16、16を回動調整することにより行われる。
【0031】
このように、上記実体顕微鏡は、対物レンズ2aからの光束を接眼レンズ12aに案内する反射光学系を構成する第1の反射部材5aを、対物レンズ2aの光軸11a上に挿脱自在に配して、この第1の反射部材5aを光軸11a上に挿脱することにより、光路を切り換え設定し、選択的に接眼レンズ12aによる観察、あるいは撮像光路13への光束の案内を実現するように構成した。
【0032】
これによれば、例えば光路切り換え専用の反射部材を付加することなく、簡易な構成で、撮像光路13の形成が可能となり、容易に小型化の促進を図ることができる。
【0033】
また、これによれば、撮像光路13を変倍レンズ群4aの光軸11a上に配置しているので、顕微鏡本体1の大きさが奥行き方向にコンパクトに形成することができ、しかも、取り付けた撮像カメラ25が顕微鏡本体1に対して奥行き方向に張り出さずにコンパクトに形成することができるため、例えばプローバーやボンダー等の装置に組み込んだ使用形態にも好適する。
【0034】
また、この発明は、上記実施の形態に限ることなく、その他、図7乃至図9、あるいは図10乃至図14に示すように構成することも可能で、さらに有効な効果が期待される。但し、この図7乃至図14の説明においては、上記図1乃至図6と同一部分について、同一符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0035】
図7乃至図9の実施の形態は、上記第1の反射部材5aを固定部材201に固定し、この固定部材201を、移動部材202に図示しないクランプビスや接着等により搭載する。この移動部材202は、眼幅調整部材203に設けられたガイド204に沿って矢印G方向に移動自在に嵌装される。そして、この移動部材202は、眼幅調整部材203に設けたストッパ205、206に当接することにより、移動範囲が規制され、図示しない停止位置保持手段(クリック等)により、その停止位置が所定の位置に保持される。この摺動機構としては、例えば上記実施の形態と同様にアリガイド方式や、その他、コロガイド方式、ボールガイド方式等を用いて構成することが可能である。
【0036】
また、上記顕微鏡本体1の撮像光路13上は、結像レンズ22を有した撮像光路枠208が図示しないクランプビスや接着等により配され、この撮像光路枠208の先端には、アタッチメント取付部209が設けられる。
【0037】
撮像光路枠208の側面2箇所には、操作部材217、218を外部にわずかに突出させるための長孔210、211が設けられる。そして、この撮像光路枠208の内側には、環枠212が撮像光路13中心と同軸的に回動自在に内装される。この環枠212の外周には、上記操作部材217、218が所定の間隔に突設され、この操作部材217、218が上記撮像光路枠208の長孔210、211に挿入される。これにより、撮像光路枠208には、上記環枠212が周方向に回動操作可能に組付けが可能に組付けられる(図7参照)。
【0038】
また、上記環枠212の底面には、ピン213が設けられ、このピン213は、上記固定部材201上面に設けられた長溝214に移動自在に収容される。これにより、操作部材217、218が長孔210、211に沿って周方向に回動付勢されると、移動部材202及び眼幅調整部材203は、そのピン213と長溝214の作用により、矢印G方向に移動される。
【0039】
上記構成において、環枠212は、その操作部材217、218を長孔210、211に沿って回動付勢すると、環枠212が回動される。すると、環枠212は、そのピン213で固定部材201の長溝214を押圧して移動部材202及び眼幅調整部材203を矢印G方向に移動させ、第1の反射部材5aを光軸11a上から挿脱させる。例えば、環枠212の操作部材217、218を、第1の反射部材5aを光軸11a上に挿入する一方方向に回動付勢して、光軸11a上に挿入すると、変倍レンズ群4aを透過した光束は、第1乃至第5の反射部材5a〜9aを介して観察光路10aに導かれる。ここで、観察光路10aに導かれた光束は、接眼レンズ12aで結像されて肉眼で観察される。
【0040】
この際、眼幅調整は、図示しない左右の接眼レンズ枠などを持ち、接眼レンズ12a、12b及び眼幅調整部材203を回動調整して実行する。この眼幅調整時、光路切り換え用の操作部材217、218は、眼幅調整の回転軸(光軸11a)と同軸で回ることで、初期位置が確保される。
【0041】
また、環枠212の操作部材217、218を逆方向に回動付勢すると、第1の反射部5が光軸11から退避される。ここで、変倍レンズ群4aを透過した光束は、撮像光路13に導かれ、アタッチメント取付部209に取り付けられた撮像カメラ25で撮像される。
【0042】
この実施の形態においては、操作部材217、218を、眼幅調整部材203と同軸的に配し、第1の反射部材5aの挿脱操作位置において、眼幅調整が行われても、環枠212が初期位置を採ることにより、高精度な眼幅調整及び光路切換操作が実現される。そして、この実施の形態によれば、環枠212の操作部材217、218を、撮像光路枠208に対してわずかに突出させるだけで安定した光路切換及び眼幅調整操作の双方に供することができることにより、該操作部材217、218が各種作業の邪魔となることもない。
【0043】
また、図10乃至図14の実施の形態は、第1の反射部材5aを光軸11a上に挿脱する挿脱手段に、眼幅調整時、眼幅調整部材16が移動調整されても、操作部材307が可変しないようにした規制機構を設けて構成したことを特徴とする。
【0044】
即ち、上記第1の反射部材5aは、固定部材301に固定され、この固定部材301は、上記第2乃至第5の反射部材6a〜9aが搭載された眼幅調整部材16に設けたガイド17に矢印方向に移動自在に嵌装されている。この固定部材に301は、第1の反射部材5aを内装してリング状の環枠302が回動自在に配される。この環枠302の外周には、案内ピン303が設けられる。
【0045】
固定部材301は、眼幅調整部材16のガイド17に沿って移動自在に設けられ、その移動により、該眼幅調整部材16のストッパ18、19に当接することによってその移動範囲を規制される。ここで、固定部材301は、図示しない停止位置保持手段(クリック等)により、その停止位置において位置決め保持される。
【0046】
上記環枠302の固定部材301には、操作部材307の湾曲状の案内溝部308に移動自在に収容される。この操作部材307は、上記顕微鏡本体1の挿通孔304に挿通されて外部操作自在に配される。
【0047】
上記構成において、操作部材307が押し込まれて固定部材301がストッパ18に当接されると、第1の反射部材5aが、光軸11aに挿入され、変倍レンズ群4aからの光束が第1乃至第5の反射部材5a〜9aを介して観察光路10aに導かれて接眼レンズ12aによる肉眼による観察が可能となる。
【0048】
ここで、眼幅調整部材16が回転調整されて眼幅調整が行われると、環枠302が固定部材301に対して回動される。この結果、操作部材307は、その案内溝部308に対して環枠302の案内ピン303が挿入されていることで、その案内ピン303が操作部材307の案内溝部308に案内されて固定部材301に対して光軸11aを中心に回動されて、操作部材307が操作位置に保たれる。
【0049】
また、操作部材307が押し込まれて固定部材301がストッパ19に当接されると、第1の反射部材5aが、光軸11aから離脱され、変倍レンズ群4aからの光束が撮像光路に導かれて撮像カメラ25による撮像が可能となる。この第1の反射部材5aが光軸11aから退避している場合、眼幅調整部材16が回転しても案内溝部308と案内ピン303とが回動自在に係合配置されているため操作部材307は、操作位置に保たれる。
【0050】
即ち、操作部材307は、第1の反射部材5aが光軸11aに挿入されている状態で、眼幅調整部材16が回転しても環枠302が固定部材301に対して光軸11aを中心に回動されて初期位置に保たれる。そして、第1の反射部材5aが光軸11aから退避している状態では、眼幅調整部材16が回転しても案内溝部308と案内ピン303との作用により回動されて初期位置に保たれる。これにより、操作部材307の位置を保持したままで、眼幅調整時の眼幅調整部材16の回動が可能で、該眼幅調整部材16がどのような状態にあっても、光路切換え操作及び眼幅調整部材16の摺動操作が実現される。
【0051】
この実施の形態においては、眼幅調整時に光路切り換え用の操作部材307が移動しないので、眼幅調整操作の邪魔になることがなく、しかも、操作部材307の操作によりガタなく第1の反射部材5aを、光軸11a上に挿入あるいは退避させることができることにより、安定した確実な光路切換え操作及び眼幅調整操作が実現される。
【0052】
なお、上記各実施の形態では、反射光学系を構成する第1乃至第5の反射部材5a〜9aの中の第1の反射部材5aのみを光軸上に挿脱するように構成した場合について説明したが、これに限ることなく、複数個を挿脱するように構成することも可能である。
【0053】
また、上記各実施の形態では、光軸11aに配される反射光学系に構成した場合で説明したが、これに限ることなく、その他、光軸11bに配される反射光学系に構成することも可能で、同様の効果が期待される。
【0054】
さらに、反射光学系としては、上記第1乃至第5の反射部材5a〜9a、5b〜9bを備える構成に限るものでなく、各種の反射光学系を用いて構成することが可能である。
【0055】
よって、この発明は、上記実施の形態に限ることなく、その他、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々の変形を実施し得ることが可能である。さらに、上記実施形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組合せにより種々の発明が抽出され得る。
【0056】
例えば実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0057】
【発明の効果】
以上詳述したように、この発明によれば、構成簡易にして、小型化の促進を図り得、且つ、簡便にして容易な光路切り換え操作を実現し得るようにした実体顕微鏡を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態に係る実体顕微鏡の光学系の配置構成を側面から示した図である。
【図2】図1の光学系を正面から示した図である。
【図3】図1の光路切換構成を示した側面から示した図である。
【図4】図3の光路切換構成を上面から示した図である。
【図5】図3の固定部材の眼幅調整部材への組付け状態を示した図である。
【図6】図3の眼幅調整部材の調整動作を説明するために示した図である。
【図7】この発明の他の実施の形態に係る実体顕微鏡の要部を断面して示した図である。
【図8】図7のX―Xを断面して示した図である。
【図9】図7の外観の要部を側面から示した図である。
【図10】この発明の他の実施の形態に係る実体顕微鏡の要部を断面して示した図である。
【図11】図10を上面から示した図である。
【図12】図10の固定部材の眼幅調整部材への組付け状態を示した図である。
【図13】図10の撮像光路切り換え状態を示した図である。
【図14】図10の観察光路切り換え状態を示した図である。
【符号の説明】
1 … 顕微鏡本体
2a、2b … 対物レンズ
3 … 観察部
4a、4b … 変倍レンズ群
5a〜9a、5b〜9b … 第1乃至第5の反射部材
10a、10b … 観察光路
11a、11b … 光軸
12a、12b … 接眼レンズ
13 … 撮像光路
15 … 固定部材
16 … 眼幅調整部材
17 … ガイド
18、19 … ストッパ
20 … 操作部材
21 … 挿通孔
22 … 結像レンズ
23 … 撮像光路枠
24 … アタッチメント取付部
25 … 撮像カメラ
251 … 結像面
201 … 固定部材
202 … 移動部材
203 … 眼幅調整部材
204 … ガイド
205、206 … ストッパ
208 … 撮像光路枠
209 … アタッチメント取付部
210、211 … 長孔
212 … 環枠
213 … ピン
214 … 長溝
217、218 … 操作部材
301 … 固定部材
302 … 環枠
303 … 案内ピン
304 … 挿通孔
307 … 操作部材
308 … 案内溝部
Claims (3)
- 観察部に対向して焦点調整自在に配される左右一対で内向角を有する対物光学系と、
この対物光学系からの光束を結像する接眼光学系に、前記光束を案内する複数の反射部材が設けられた反射光学系と、
この反射光学系の少なくとも1つの反射部材を前記対物光学系の光軸上に挿脱する挿脱手段と、
前記反射光学系の反射部材が前記対物光学系の光軸上から脱された状態で、前記対物光学系からの光束が導かれる撮像光路と
を具備したこと特徴とする実体顕微鏡。 - 前記挿脱手段は、前記反射部材を光軸上に挿脱する操作部材を備え、該操作部材の操作軸を前記反射光学系の眼幅調整軸と同軸に配したことを特徴とする請求項1記載の実体顕微鏡。
- 前記挿脱手段は、操作部材の操作軸を前記反射光学系の眼幅調整時に操作位置に位置規制する規制機構を有することを特徴とする請求項1又は2記載の実体顕微鏡。
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