JP2004286915A - 光ファイバーアレイコネクタ、光ファイバーアレイコネクタの製造方法及びその接続方法 - Google Patents
光ファイバーアレイコネクタ、光ファイバーアレイコネクタの製造方法及びその接続方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】従来のMTコネクターでは、本数が多くなればなるほど、位置ずれが大きくなり、挿入損失が大きくなる。
【解決手段】平面基板に高精度に光ファイバーを並べ、該平面基板に光ファイバーアレイを接着し、接続面となる端面を研磨した光ファイバーアレイコネクタ31、31を提供し、高精度な複数の光ファイバー固定用溝33を有する基板32に2つの光ファイバーアレイコネクタ31、31を載せ、端面同士を突きあわせた後、上から押さえることにより固定する光ファイバーアレイコネクタの接続方法を提供することにより、同一の固定用溝33上にそれぞれの光ファイバー31、31が固定されることになるので、MTコネクタのようなガイドピンは必要なく、全ての光ファイバー31、31が各固定用溝33で別々に接続されることになり、非常に安定した精度で接続が可能となる。
【選択図】 図3
【解決手段】平面基板に高精度に光ファイバーを並べ、該平面基板に光ファイバーアレイを接着し、接続面となる端面を研磨した光ファイバーアレイコネクタ31、31を提供し、高精度な複数の光ファイバー固定用溝33を有する基板32に2つの光ファイバーアレイコネクタ31、31を載せ、端面同士を突きあわせた後、上から押さえることにより固定する光ファイバーアレイコネクタの接続方法を提供することにより、同一の固定用溝33上にそれぞれの光ファイバー31、31が固定されることになるので、MTコネクタのようなガイドピンは必要なく、全ての光ファイバー31、31が各固定用溝33で別々に接続されることになり、非常に安定した精度で接続が可能となる。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光通信分野における、光ファイバーアレイの接続方法並びに光ファイバーアレイコネクタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、情報通信技術の発展に伴い、非常に多くの情報を高速で伝送する技術開発が望まれている。波長多重光通信技術は異なる波長の光を用いることができるので、大容量、高速の情報通信が可能となる。
【0003】
このような波長多重光通信を実現するには複数の光ファイバーが必要であり、複数の光ファイバー同士、あるいは、複数の光ファイバーと光部品との接続をする必要がある。最近では、図5に示すような、MTコネクタが一般的に用いられている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
MTコネクタはガイドピン52と複数の光ファイバー53を挿入するフェルール部分51を一体化した構造となっている。従って、ガイドピン52の位置と光ファイバー挿入のフェルール部分51の位置を高精度に加工しなければならない。光ファイバーの位置の整列精度はおよそ±1μm程度(8芯)となっている。この2つのコネクタにガイドピン52を挿入し、端面を突きあわせて、クリップ54で押さえて接続する。それぞれの光ファイバーの位置精度はガイドピンとの位置関係で決まってくる。8芯で挿入損失はほぼ1dB以下となっている。製造方法としては、より安価に製造するために、ガイドピンの位置と光ファイバー挿入のフェルール部分の位置を高精度に加工した金型を用いて、樹脂の射出成形法により製造されるようになってきている。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−2820公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
光ファイバーを各家庭にまで引き込み、接続部分が多くなれば、接続部分での挿入損失をできるだけ小さくする必要がある。また、情報量がさらに多くなれば、光ファイバーの本数も多くなる。従来のMTコネクターでは、ガイドピンと各ファイバーを挿入するフェルールの位置関係で光ファイバーの位置精度が決まってくるので、本数が多くなればなるほど、位置ずれが大きくなり、挿入損失が大きくなる。
【0007】
さらには、樹脂製であるので、温度変化にも大きく挿入損失が影響を受けると言う課題がある。すなわち、従来のMTコネクタは複数の光ファイバーの端面同士の位置をそれぞれのコネクタのガイドピンとの位置関係によって決めているので、本数が多くなるほど、突き合わせ部分の位置ずれが大きくなったり、温度変化によってコネクタ自体が膨張したりして位置ずれが発生してしまうと言う課題があった。従って、複数本の光ファイバーを低損失で接続するコネクタの開発が必要となっている。
【0008】
本発明は従来のこのような光ファイバーのコネクタの課題を考慮し、高精度な光ファイバーコネクタ等を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明では、
平面基板に高精度に光ファイバーを並べ、該平面基板に光ファイバーアレイを接着し、接続面となる端面を研磨した光ファイバーアレイコネクタを提供し、高精度な複数の光ファイバー固定用溝を有する基板に2つの光ファイバーアレイコネクタを載せ、端面同士を突きあわせた後、上から押さえることにより固定する光ファイバーアレイコネクタの接続方法を提供することにより、同一の固定用溝上にそれぞれの光ファイバーが固定されることになるので、MTコネクタのようなガイドピンは必要なく、全ての光ファイバーが各固定用溝で別々に接続されることになり、溝間隔や基板のソリなどが温度変化などで変化しても全ての接続部分は全く変化することなく、非常に安定した精度で接続が可能となる。
【0010】
また、高精度な複数の光ファイバー位置決め用溝を有する基板に光ファイバーを設置し、接着剤を塗布した平面基板を整列させた光ファイバーの上に載せ、複数の光ファイバーを平面基板に接着し、接続面となる端面が全て同一面となるように切断して、研磨した後、光ファイバー位置決め用溝を有する基板を取り除くと言う方法で光ファイバーアレイコネクタを容易に製造する方法を提供した。
【0011】
さらには、高精度な光ファイバー固定用溝を有する基板に上記光ファイバーアレイコネクタを固定用溝が端面より突き出して、接着した光ファイバーアレイコネクタを雌コネクタとし、その雌コネクタの突き出た固定用溝の上に上記光ファイバーアレイコネクタを雄コネクタとして載せ、端面同士を突きあわせた後、上から押さえることにより固定するコネクタ、及び、接続方法を提供することで、より簡便に、高精度で信頼性の高い光ファイバーアレイの接続を可能としたものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の各実施例について図面を参照しながら説明する。
【0013】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1の光ファイバーアレイコネクタの製造方法を図1及び図2を用いて説明する。
【0014】
まず、5mm×5mm、厚さ5mmの石英ガラス基板表面中央部分に先端角度70度、深さ120μmのV溝形状となる溝を、研削加工によって、溝間隔が250μm±0.5μmで8本形成し、光ファイバー位置決め用溝を有する基板12を作製した。その各溝にそれぞれ先端から約5mmの部分の被覆をはがした光ファイバー11を並べた(図1(a))。
【0015】
続いて、5mm×5mm、厚さ5mmの石英平面基板13にUV接着剤14を塗布し、整列させた光ファイバーの上に載せた(図1(b))。
【0016】
そのまま上から圧力を加え、紫外線を照射し、UV接着剤を硬化させ、光ファイバー11を平面基板13上に接着した(図1(c))。
【0017】
このようにして光ファイバー11を平面基板13に接着した状態を光ファイバー側から観ると、図2のように先端の長さが異なっているので、先端を切断して長さを揃え、端面の表面粗さを良くするために、研磨した。図2は図1(c)の状態において、光ファイバー位置決め用溝を有する基板12を取り除いた状態を図示したもので、光ファイバーの被覆部分21を除去した光ファイバー部分22が平面ガラス基板23に接着されている状態を示している。光ファイバーの被覆部分21は平面基板上で段差を形成した部分24に接着されている。
【0018】
最後に、光ファイバー位置決め用溝を有する基板12を取り除い、光ファイバーアレイコネクタが完成する(図1(d))。
【0019】
このようにして作製したコネクタは、単に平面基板と光ファイバーアレイとからなり、高精度な加工を施したフェルールやV溝加工などの必要が無く、ガイドピントの位置精度などの制約もない。
【0020】
従って、本発明の方法によって、非常に容易に平面基板に高精度に光ファイバーアレイを整列させることが可能となり、安価で高精度な光ファイバーアレイコネクタを製造することができるようになった。
【0021】
(実施の形態2)
実施の形態1で示した方法で製造した光ファイバーアレイコネクタの接続方法について図3を用いて説明する。
【0022】
まず、8mm×5mm、厚さ5mmの石英ガラス基板表面中央部分に先端角度70度、深さ120μmのV溝形状となる溝33を、研削加工によって、溝間隔が250μm±0.5μmで8本形成し、光ファイバー固定用溝を有する基板32を作製した。そして、実施の形態1で示した方法で製造した光ファイバーアレイコネクタ31を2つ用意し、端面同士を突きあわせて、光ファイバー固定用溝を有する基板32に載せた(図3断面図参照)。そして、上からと横から押さえるために、全体をクリップ(図示せず)で留めて、2つの光ファイバーアレイコネクタを接続した。
【0023】
同じように光ファイバーアレイコネクタを接続したものを10個用意し、それぞれ接続した8本の光ファイバーの挿入損失を測定した結果を表1に示す。
【0024】
【表1】
表1から明らかなように、本発明のコネクタを用いた接続方法によれば、いずれのコネクタも、それぞれ8本全ての挿入損失が0.2dB以下の非常に低損失で接続できることが確認できる。
【0025】
また、光ファイバー固定用溝を有する基板32を金型を用いた射出成型法で樹脂を成形したものを使用しても、全く同じ様な結果が得られた。
【0026】
このように本発明の光ファイバーアレイコネクタが非常に高精度に接続できるのは、1本1本の光ファイバーは同一面上にある固定用溝上で接続されるので、従来のMTコネクタのように、突き合わせ部分がずれてしまうようなことはないからである。
【0027】
(実施の形態3)
次に、さらに効率よく接続する方法を図4を用いて説明する。
【0028】
実施の形態1で示したコネクタを用いて、実施の形態2の方法で接続した場合、2つのコネクタをクリップで同時に光ファイバー固定用溝を有する基板に押し当てて固定し、さらに、端面を突きあわせるように横方向から2つのコネクタを押さえる必要がある。
【0029】
そこで、図4のように光ファイバー固定用溝を有する基板43にUV硬化樹脂を塗布し、実施の形態1で示したコネクタ42の光ファイバー部分41を、光ファイバー固定用溝を有する基板43がコネクタ42の端面よりも突き出すように載せ、UVを照射して、予め光ファイバー固定用溝を有する基板43とコネクタ42を接着した雌コネクタを作製した。
【0030】
そして、実施の形態1で示したコネクタ45を雄コネクタとして、作製した雌コネクタの突き出た光ファイバー固定用溝の部分に、光ファイバー部分44を載せ、端面を突きあわせた後、上からクリップで押さえて光ファイバーアレイを接続した。
【0031】
接続時の挿入損失を測定したところ、8本の光ファイバー全てにおいて、実施の形態2で示した表1の結果と全く同様に、挿入損失が0.2dB以下であった。
【0032】
このようにして作製した雄雌のコネクタを用いて、光ファイバーアレイを接続することで、雄コネクタを雌コネクタに差し込むだけで接続が可能となり、実施の形態2で示した方法よりも、さらに、効率よく接続ができるようになった。
【0033】
【発明の効果】
以上のように、本発明の光ファイバーアレイコネクタの製造方法を用いることで、非常に容易に平面基板に高精度に光ファイバーアレイを整列させることが可能となり、安価で高精度な光ファイバーアレイコネクタを製造することができるようになる。
【0034】
また、本発明の光ファイバーアレイコネクターの接続方法によれば、同一の固定用溝上にそれぞれの光ファイバーが固定されることになるので、MTコネクタのようなガイドピンは必要なく、全ての光ファイバーが各固定用溝上で別々に接続されることになり、溝間隔や基板のソリなどが温度変化などで変化しても全ての接続部分は全く変化することなく、非常に安定した精度で接続が可能となる。
【0035】
さらには、高精度な光ファイバー固定用溝を有する基板に上記光ファイバーアレイコネクタを固定用溝が端面より突き出して、接着した光ファイバーアレイコネクタを雌コネクタとし、その雌コネクタの突き出た固定用溝の上に上記光ファイバーアレイコネクタを雄コネクタとして載せ、端面同士を突きあわせた後、上から押さえることにより固定するコネクタ、及び、接続方法を提供することで、より簡便に、高精度で信頼性の高い光ファイバーアレイの接続を可能としたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における光ファイバーアレイコネクタの製造方法を示す概略工程図
【図2】本発明の実施の形態1における光ファイバーアレイコネクタの製造方法の端面処理の方法を示す概略工程図
【図3】本発明の実施の形態2における光ファイバーアレイコネクタの接続方法を示す概略工程図
【図4】本発明の実施の形態3における光ファイバーアレイコネクタの側面図及び光ファイバーアレイコネクタの接続方法を示す概略工程図
【図5】従来のMTコネクターの概略図
【符号の説明】
11 光ファイバー
12 光ファイバー位置決め用溝を有する石英基板
13 石英平面基板
14 UV接着剤
21 光ファイバーアレイ(被覆部分)
22 光ファイバー
23 平面石英ガラス基板
24 平面石英ガラス基板(段差部分)
31 光ファイバーアレイコネクタ
32 光ファイバー固定用溝を有する石英基板
33 光ファイバー固定用V溝
41 光ファイバー
42 光ファイバーアレイコネクタ
43 光ファイバー固定用溝を有する石英基板
44 光ファイバー
45 光ファイバーアレイコネクタ
51 光ファイバーを挿入するフェルール部分
52 ガイドピン
53 光ファイバーアレイ
54 クリップ
【発明の属する技術分野】
本発明は、光通信分野における、光ファイバーアレイの接続方法並びに光ファイバーアレイコネクタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、情報通信技術の発展に伴い、非常に多くの情報を高速で伝送する技術開発が望まれている。波長多重光通信技術は異なる波長の光を用いることができるので、大容量、高速の情報通信が可能となる。
【0003】
このような波長多重光通信を実現するには複数の光ファイバーが必要であり、複数の光ファイバー同士、あるいは、複数の光ファイバーと光部品との接続をする必要がある。最近では、図5に示すような、MTコネクタが一般的に用いられている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
MTコネクタはガイドピン52と複数の光ファイバー53を挿入するフェルール部分51を一体化した構造となっている。従って、ガイドピン52の位置と光ファイバー挿入のフェルール部分51の位置を高精度に加工しなければならない。光ファイバーの位置の整列精度はおよそ±1μm程度(8芯)となっている。この2つのコネクタにガイドピン52を挿入し、端面を突きあわせて、クリップ54で押さえて接続する。それぞれの光ファイバーの位置精度はガイドピンとの位置関係で決まってくる。8芯で挿入損失はほぼ1dB以下となっている。製造方法としては、より安価に製造するために、ガイドピンの位置と光ファイバー挿入のフェルール部分の位置を高精度に加工した金型を用いて、樹脂の射出成形法により製造されるようになってきている。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−2820公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
光ファイバーを各家庭にまで引き込み、接続部分が多くなれば、接続部分での挿入損失をできるだけ小さくする必要がある。また、情報量がさらに多くなれば、光ファイバーの本数も多くなる。従来のMTコネクターでは、ガイドピンと各ファイバーを挿入するフェルールの位置関係で光ファイバーの位置精度が決まってくるので、本数が多くなればなるほど、位置ずれが大きくなり、挿入損失が大きくなる。
【0007】
さらには、樹脂製であるので、温度変化にも大きく挿入損失が影響を受けると言う課題がある。すなわち、従来のMTコネクタは複数の光ファイバーの端面同士の位置をそれぞれのコネクタのガイドピンとの位置関係によって決めているので、本数が多くなるほど、突き合わせ部分の位置ずれが大きくなったり、温度変化によってコネクタ自体が膨張したりして位置ずれが発生してしまうと言う課題があった。従って、複数本の光ファイバーを低損失で接続するコネクタの開発が必要となっている。
【0008】
本発明は従来のこのような光ファイバーのコネクタの課題を考慮し、高精度な光ファイバーコネクタ等を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明では、
平面基板に高精度に光ファイバーを並べ、該平面基板に光ファイバーアレイを接着し、接続面となる端面を研磨した光ファイバーアレイコネクタを提供し、高精度な複数の光ファイバー固定用溝を有する基板に2つの光ファイバーアレイコネクタを載せ、端面同士を突きあわせた後、上から押さえることにより固定する光ファイバーアレイコネクタの接続方法を提供することにより、同一の固定用溝上にそれぞれの光ファイバーが固定されることになるので、MTコネクタのようなガイドピンは必要なく、全ての光ファイバーが各固定用溝で別々に接続されることになり、溝間隔や基板のソリなどが温度変化などで変化しても全ての接続部分は全く変化することなく、非常に安定した精度で接続が可能となる。
【0010】
また、高精度な複数の光ファイバー位置決め用溝を有する基板に光ファイバーを設置し、接着剤を塗布した平面基板を整列させた光ファイバーの上に載せ、複数の光ファイバーを平面基板に接着し、接続面となる端面が全て同一面となるように切断して、研磨した後、光ファイバー位置決め用溝を有する基板を取り除くと言う方法で光ファイバーアレイコネクタを容易に製造する方法を提供した。
【0011】
さらには、高精度な光ファイバー固定用溝を有する基板に上記光ファイバーアレイコネクタを固定用溝が端面より突き出して、接着した光ファイバーアレイコネクタを雌コネクタとし、その雌コネクタの突き出た固定用溝の上に上記光ファイバーアレイコネクタを雄コネクタとして載せ、端面同士を突きあわせた後、上から押さえることにより固定するコネクタ、及び、接続方法を提供することで、より簡便に、高精度で信頼性の高い光ファイバーアレイの接続を可能としたものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の各実施例について図面を参照しながら説明する。
【0013】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1の光ファイバーアレイコネクタの製造方法を図1及び図2を用いて説明する。
【0014】
まず、5mm×5mm、厚さ5mmの石英ガラス基板表面中央部分に先端角度70度、深さ120μmのV溝形状となる溝を、研削加工によって、溝間隔が250μm±0.5μmで8本形成し、光ファイバー位置決め用溝を有する基板12を作製した。その各溝にそれぞれ先端から約5mmの部分の被覆をはがした光ファイバー11を並べた(図1(a))。
【0015】
続いて、5mm×5mm、厚さ5mmの石英平面基板13にUV接着剤14を塗布し、整列させた光ファイバーの上に載せた(図1(b))。
【0016】
そのまま上から圧力を加え、紫外線を照射し、UV接着剤を硬化させ、光ファイバー11を平面基板13上に接着した(図1(c))。
【0017】
このようにして光ファイバー11を平面基板13に接着した状態を光ファイバー側から観ると、図2のように先端の長さが異なっているので、先端を切断して長さを揃え、端面の表面粗さを良くするために、研磨した。図2は図1(c)の状態において、光ファイバー位置決め用溝を有する基板12を取り除いた状態を図示したもので、光ファイバーの被覆部分21を除去した光ファイバー部分22が平面ガラス基板23に接着されている状態を示している。光ファイバーの被覆部分21は平面基板上で段差を形成した部分24に接着されている。
【0018】
最後に、光ファイバー位置決め用溝を有する基板12を取り除い、光ファイバーアレイコネクタが完成する(図1(d))。
【0019】
このようにして作製したコネクタは、単に平面基板と光ファイバーアレイとからなり、高精度な加工を施したフェルールやV溝加工などの必要が無く、ガイドピントの位置精度などの制約もない。
【0020】
従って、本発明の方法によって、非常に容易に平面基板に高精度に光ファイバーアレイを整列させることが可能となり、安価で高精度な光ファイバーアレイコネクタを製造することができるようになった。
【0021】
(実施の形態2)
実施の形態1で示した方法で製造した光ファイバーアレイコネクタの接続方法について図3を用いて説明する。
【0022】
まず、8mm×5mm、厚さ5mmの石英ガラス基板表面中央部分に先端角度70度、深さ120μmのV溝形状となる溝33を、研削加工によって、溝間隔が250μm±0.5μmで8本形成し、光ファイバー固定用溝を有する基板32を作製した。そして、実施の形態1で示した方法で製造した光ファイバーアレイコネクタ31を2つ用意し、端面同士を突きあわせて、光ファイバー固定用溝を有する基板32に載せた(図3断面図参照)。そして、上からと横から押さえるために、全体をクリップ(図示せず)で留めて、2つの光ファイバーアレイコネクタを接続した。
【0023】
同じように光ファイバーアレイコネクタを接続したものを10個用意し、それぞれ接続した8本の光ファイバーの挿入損失を測定した結果を表1に示す。
【0024】
【表1】
表1から明らかなように、本発明のコネクタを用いた接続方法によれば、いずれのコネクタも、それぞれ8本全ての挿入損失が0.2dB以下の非常に低損失で接続できることが確認できる。
【0025】
また、光ファイバー固定用溝を有する基板32を金型を用いた射出成型法で樹脂を成形したものを使用しても、全く同じ様な結果が得られた。
【0026】
このように本発明の光ファイバーアレイコネクタが非常に高精度に接続できるのは、1本1本の光ファイバーは同一面上にある固定用溝上で接続されるので、従来のMTコネクタのように、突き合わせ部分がずれてしまうようなことはないからである。
【0027】
(実施の形態3)
次に、さらに効率よく接続する方法を図4を用いて説明する。
【0028】
実施の形態1で示したコネクタを用いて、実施の形態2の方法で接続した場合、2つのコネクタをクリップで同時に光ファイバー固定用溝を有する基板に押し当てて固定し、さらに、端面を突きあわせるように横方向から2つのコネクタを押さえる必要がある。
【0029】
そこで、図4のように光ファイバー固定用溝を有する基板43にUV硬化樹脂を塗布し、実施の形態1で示したコネクタ42の光ファイバー部分41を、光ファイバー固定用溝を有する基板43がコネクタ42の端面よりも突き出すように載せ、UVを照射して、予め光ファイバー固定用溝を有する基板43とコネクタ42を接着した雌コネクタを作製した。
【0030】
そして、実施の形態1で示したコネクタ45を雄コネクタとして、作製した雌コネクタの突き出た光ファイバー固定用溝の部分に、光ファイバー部分44を載せ、端面を突きあわせた後、上からクリップで押さえて光ファイバーアレイを接続した。
【0031】
接続時の挿入損失を測定したところ、8本の光ファイバー全てにおいて、実施の形態2で示した表1の結果と全く同様に、挿入損失が0.2dB以下であった。
【0032】
このようにして作製した雄雌のコネクタを用いて、光ファイバーアレイを接続することで、雄コネクタを雌コネクタに差し込むだけで接続が可能となり、実施の形態2で示した方法よりも、さらに、効率よく接続ができるようになった。
【0033】
【発明の効果】
以上のように、本発明の光ファイバーアレイコネクタの製造方法を用いることで、非常に容易に平面基板に高精度に光ファイバーアレイを整列させることが可能となり、安価で高精度な光ファイバーアレイコネクタを製造することができるようになる。
【0034】
また、本発明の光ファイバーアレイコネクターの接続方法によれば、同一の固定用溝上にそれぞれの光ファイバーが固定されることになるので、MTコネクタのようなガイドピンは必要なく、全ての光ファイバーが各固定用溝上で別々に接続されることになり、溝間隔や基板のソリなどが温度変化などで変化しても全ての接続部分は全く変化することなく、非常に安定した精度で接続が可能となる。
【0035】
さらには、高精度な光ファイバー固定用溝を有する基板に上記光ファイバーアレイコネクタを固定用溝が端面より突き出して、接着した光ファイバーアレイコネクタを雌コネクタとし、その雌コネクタの突き出た固定用溝の上に上記光ファイバーアレイコネクタを雄コネクタとして載せ、端面同士を突きあわせた後、上から押さえることにより固定するコネクタ、及び、接続方法を提供することで、より簡便に、高精度で信頼性の高い光ファイバーアレイの接続を可能としたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における光ファイバーアレイコネクタの製造方法を示す概略工程図
【図2】本発明の実施の形態1における光ファイバーアレイコネクタの製造方法の端面処理の方法を示す概略工程図
【図3】本発明の実施の形態2における光ファイバーアレイコネクタの接続方法を示す概略工程図
【図4】本発明の実施の形態3における光ファイバーアレイコネクタの側面図及び光ファイバーアレイコネクタの接続方法を示す概略工程図
【図5】従来のMTコネクターの概略図
【符号の説明】
11 光ファイバー
12 光ファイバー位置決め用溝を有する石英基板
13 石英平面基板
14 UV接着剤
21 光ファイバーアレイ(被覆部分)
22 光ファイバー
23 平面石英ガラス基板
24 平面石英ガラス基板(段差部分)
31 光ファイバーアレイコネクタ
32 光ファイバー固定用溝を有する石英基板
33 光ファイバー固定用V溝
41 光ファイバー
42 光ファイバーアレイコネクタ
43 光ファイバー固定用溝を有する石英基板
44 光ファイバー
45 光ファイバーアレイコネクタ
51 光ファイバーを挿入するフェルール部分
52 ガイドピン
53 光ファイバーアレイ
54 クリップ
Claims (5)
- 平面基板に光ファイバーが並べられ、該平面基板に前記光ファイバーアレイが接着され、接続面となる端面が研磨されていることを特徴とする光ファイバーアレイコネクタ。
- 複数の光ファイバー位置決め用溝を有する基板に、光ファイバーを設置し、接着剤を塗布した平面基板を、前記光ファイバーの上に載せ、前記複数の光ファイバーを前記平面基板に接着し、接続面となる端面が全て同一面となるように切断して、研磨した後、前記光ファイバー位置決め用溝を有する基板を取り除くことを特徴とする光ファイバーアレイコネクタの製造方法。
- 複数の光ファイバー固定用溝を有する基板に、請求項1記載の光ファイバーアレイコネクタを2つ載せ、端面同士を突きあわせた後、上から押さえることにより固定することを特徴とする光ファイバーアレイコネクタの接続方法。
- 光ファイバー固定用溝を有する基板に請求項1記載の光ファイバーアレイコネクタが、前記固定用溝が前記端面より突き出した状態で、接着していることを特徴とする光ファイバーアレイコネクタ。
- 請求項4記載の光ファイバーアレイコネクタの突き出た固定用溝の上に請求項1記載の光ファイバーアレイコネクタを載せ、端面同士を突きあわせた後、上から押さえることにより固定することを特徴とする光ファイバーアレイコネクタの接続方法。
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