JP2004286809A - 染料含有硬化性組成物、並びに、これを用いたカラーフィルターおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】矩形パターンを与え、高解像力を有する生産性の高い染料含有硬化性組成物、並びにそれを使用したカラーフィルターおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】(A)酸性基を有するアルカリ可溶性バインダー、(B)有機溶剤可溶性染料、(C)感放射線性化合物、および(D)フッ素原子および/またはシリコン原子を有するポリマー型界面活性剤、を含んでなる染料含有硬化性組成物であって、前記アルカリ可溶性バインダーが、少なくとも下記一般式(I)で表される単量体成分を含んでなることを特徴とする染料含有硬化性組成物である。
【化1】
〔一般式(I)中、Rは水素原子またはメチル基を表し、R1は水素原子、または置換基を有してもよいアルキル基を表し、R2は置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基、または置換基を有してもよいアリール基を表す。〕
【選択図】 なし
【解決手段】(A)酸性基を有するアルカリ可溶性バインダー、(B)有機溶剤可溶性染料、(C)感放射線性化合物、および(D)フッ素原子および/またはシリコン原子を有するポリマー型界面活性剤、を含んでなる染料含有硬化性組成物であって、前記アルカリ可溶性バインダーが、少なくとも下記一般式(I)で表される単量体成分を含んでなることを特徴とする染料含有硬化性組成物である。
【化1】
〔一般式(I)中、Rは水素原子またはメチル基を表し、R1は水素原子、または置換基を有してもよいアルキル基を表し、R2は置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基、または置換基を有してもよいアリール基を表す。〕
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示素子(LCD)や固体撮像素子(CCD、CMOS等)に用いられるカラーフィルターの着色画像の形成に好適な染料含有硬化性組成物、並びにこれを用いたカラーフィルターおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示素子や固体撮像素子に用いられるカラーフィルターを作製する方法としては、染色法、印刷法、電着法および顔料分散法が知られている。
【0003】
このうち顔料分散法は、顔料を種々の感光性組成物に分散させた着色感放射線性組成物を用いてフォトリソ法によってカラーフィルターを作製する方法であり、顔料を使用しているために光や熱等に安定であるという利点を有している。またフォトリソ法によってパターニングするため、位置精度が高く、大画面、高精細カラーディスプレイ用カラーフィルターを作製するのに好適な方法として広く利用されてきた。
【0004】
しかし、近年、固体撮像素子用のカラーフィルターにおいては更なる高精細化が望まれており、従来の顔料分散系では解像度が向上せず、また顔料の粗大粒子による色むらが発生する等の問題がある。このため、固体撮像素子のように微細パターンを有するカラーフィルターが要求される用途には適さなかった。
【0005】
この問題を解決する為、従来から染料の使用が提案されているが、染料含有の硬化性組成物は新たな問題点を含んでいる(例えば、特許文献1参照。)。すなわち、
(1)通常の色素はアルカリ水溶液または有機溶剤のいずれかに溶解性が低い為、所望のスペクトルを有する液状の硬化性組成物を得るのが困難である。
(2)染料は、硬化性組成物中の他の成分と相互作用を示す場合が多い為、硬化部、非硬化部の溶解性(現像性)の調節が困難である。
(3)染料のモル吸光係数(ε)が低い場合は、多量の染料を添加しなければならず、硬化性組成物中の重合性化合物(モノマー)やバインダー、光重合開始剤等の他の成分を減らさざるを得なくなるため、組成物の硬化性、硬化後の耐熱性、(非)硬化部の現像性が低下する等の問題を生じる。
(4)染料は一般的に顔料に比べ、耐光性、耐熱性に劣る。
等である。
【0006】
これらの問題の為、染料含有の硬化性組成物を用いて高精細カラーフィルター用の微細かつ薄膜の着色パターンに関する実用上の要求性能を満足することは困難であった。
更に、高精細カラーフィルターのパターンが微細化するほど、パターンプロファイルが劣化し、基板とパターン側壁のなす角がテーパーとなる問題があり、改良が強く望まれてきた。
【0007】
一方、特定のアミド構造を有する単量体と、カルボキシル基を有する単量体と、アルキルまたは環状アルキル置換エステル基を有する単量体を主成分とする共重合体の溶液に、重合性のモノマーと光重合開始剤と更に染料とを含有する感光性着色樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。かかる感光性樹脂組成物には、上記特定のアミド構造を有する単量体としてN−ブトキシメチルアクリルアミドなどが使用できるとされており、上記カルボキシル基を有する単量体としてはアクリル酸、メタクリル酸などが例示されている。また、第三の必須成分単量体として各種エステル系モノマーが挙げられているが、フッ素原子および/またはシリコン原子を有するポリマー型界面活性剤については何ら示唆されていない。
【0008】
同様に、特定構造の三級アミドの構造を有する単量体およびN−アルコキシメチル基を有する単量体の少なくとも一方と、特定のカルボキシル基を有する単量体と、特定構造のアルキルアクリレートまたはアルキルメタクリレートの単量体と、更に光架橋性基を有する単量体とを主成分とする共重合体の溶液に着色剤を加えてなることを特徴とする感光性樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
かかる感光性樹脂組成物は、N−アルコキシメチル基を有するモノマーとして、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミドなどを用いることができる。また、光架橋性基を有する単量体の架橋基としては、シンナモイル基、シンナミリデン基、カルコン基、クマリン基、スチルベン基、スチリルピリジニウム基、スチリルキノリニウム基、チミン基、α−フェニルマレインイミド基、アントラセン基、2−ピロン基などが挙げられており、感度などの観点から特にスチリルピリジニウム基、スチリルキノリニウム基が好ましい旨開示されている。しかしながら、上記フッ素原子および/またはシリコン原子を有するポリマー型界面活性剤については何ら示唆されていない。
【0009】
これら上述の組成物では、いずれも2μm以下の微細パターンにおけるパターンプロファイルがテーパーとなるため実用に耐えず、高解像力でかつ現像後のパターン矩形性に優れ、生産性の高い染料含有硬化性組成物の開発が望まれていた。
【0010】
【特許文献1】
特開平6−75375号公報等
【特許文献2】
特開2000−352819号公報
【特許文献3】
特開2001−183830号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、高解像力でかつ現像後のパターン矩形性に優れる、生産性の高い染料含有硬化性組成物、並びに、それを用いたカラーフィルターおよびその製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、下記構成のカラーフィルター用着色剤含有硬化性組成物、並びに、それを使用したカラーフィルターおよびその製造方法が提供されて、本発明の目的が達成される。
【0013】
<1>(A)酸性基を有するアルカリ可溶性バインダー、(B)有機溶剤可溶性染料、(C)感放射線性化合物、および(D)フッ素原子および/またはシリコン原子を有するポリマー型界面活性剤、を含んでなる染料含有硬化性組成物であって、前記アルカリ可溶性バインダーが、少なくとも下記一般式(I)で表される単量体成分を含んでなることを特徴とする染料含有硬化性組成物である。
【化2】
〔一般式(I)中、Rは水素原子またはメチル基を表し、R1は水素原子、または置換基を有してもよいアルキル基を表し、R2は置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基、または置換基を有してもよいアリール基を表す。〕
【0014】
<2> 前記アルカリ可溶性バインダーが更に、下記一般式(II)で表される単量体成分を少なくとも含んでなることを特徴とする上記<1>の染料含有硬化性組成物である。
【化3】
〔一般式(II)中、Rは水素原子またはメチル基を表し、Lは酸素原子、−NH−基または−N(X−Z)−基を表し、Xは置換基を有してもよい2価の連結基を表し、Zは不飽和二重結合を含む基を表す。〕
【0015】
<3> 前記有機溶剤可溶性染料が、酸性染料と含窒素化合物との塩、または、酸性染料のスルホンアミド体であることを特徴とする上記<1>または<2>の染料含有硬化性組成物である。
【0016】
<4> 前記有機溶剤可溶性染料が、アゾ系若しくはフタロシアニン系の酸性染料と含窒素化合物との塩、または、アゾ系若しくはフタロシアニン系のスルホンアミド化合物である特徴とする上記<1>〜<3>の染料含有硬化性組成物である。
【0017】
<5> 前記<1>〜<4>のいずれかに記載の染料含有硬化性組成物を用いてなることを特徴とするカラーフィルタである。
【0018】
<6> 前記<1>〜<4>のいずれかに記載の染料含有硬化性組成物を支持体上に塗布後、マスクを通して露光し、現像してパターン像を形成する工程を有することを特徴とするカラーフィルタの製造方法である。
前記カラーフィルタの製造方法において、所望の色相よりなるカラーフィルタを製造するに際しては前記工程が所望の色相数だけ繰り返される。また、必要に応じて、前記パターン像を加熱および/または露光により硬化する工程を有する態様も好適である。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の染料含有硬化性組成物、並びに、それを用いたカラーフィルターおよびその製造方法について詳述する。
【0020】
《染料含有硬化性組成物》
本発明の染料含有硬化性組成物は、(A)酸性基を有するアルカリ可溶性バインダー、(B)有機溶剤可溶性染料、(C)感放射線性化合物、および(D)フッ素原子および/またはシリコン原子を有するポリマー型界面活性剤とを含んでなり、上記バインダー(A)が下記一般式(I)で表される単量体成分を少なくとも含んでなることを特徴とする。
【化4】
〔一般式(I)中、Rは水素原子またはメチル基を表し、R1は水素原子、または置換基を有してもよいアルキル基を表し、R2は置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基、または置換基を有してもよいアリール基を表す。〕
【0021】
(バインダー)
まず、(A)酸性基を有するアルカリ可溶性バインダー(以下、「本発明におけるバインダー」という場合がある。)について説明する。
本発明におけるバインダーは、酸性基を有するアルカリ可溶性バインダーであって、上記一般式(I)で示される単量体構造を少なくとも含むことを特徴とする。ここで、一般式(I)中Rは水素原子またはメチル基であり、R1は水素原子または置換基を有してもよいアルキル基を表す。R1において好ましい置換基としては、アルコキシ基、アラルキル基が挙げられる。上記アルキル基の炭素数としては1〜6が好ましく、1〜4がさらに好ましい。上記アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基が挙げられ、上記置換基を有するアルキル基としては、ブトキシメチル基、プロポキシメチル基、エトキシメチル基、メトキシメチル基などが挙げられる。
【0022】
上記R2は、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基、置換基を有してもよいアリール基を表す。具体的に、該アルキル基としては炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、炭素数1〜4のアルキル基がさらに好ましい。上記アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基が挙げられ、置換基を有するアルキル基の好ましい置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、水酸基、カルボキシル基などが挙げられる。
【0023】
また、R2で表されるアラルキル基としては、炭素数7〜12のアラルキル基が好ましく、炭素数7〜10のアラルキル基がさらに好ましい。具体的に、該アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基が挙げられ、好ましい置換基としては、メチル基、エチル基等のアルキル基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、水酸基、カルボキシル基などが挙げられる。
【0024】
R2で表されるアリール基としては、炭素数6〜14のアリール基が好ましく、炭素数6〜10のアリール基がさらに好ましい。具体的に、該アリール基としては、フェニル基、ナフチル基などが挙げられ、好ましい置換基としてはメチル基、エチル基等のアルキル基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、水酸基、カルボキシル基などが挙げられる。
【0025】
本発明におけるバインダーにはアルカリ可溶性を付与するための酸性基が必要である。このため、本発明におけるバインダーは、酸性基を有する単量体成分を少なくとも含んでおり、該酸性基としては、カルボキシル基、フェノール性水酸基、スルホン酸基、スルフィン酸基、スルホンアミド基、ジスルホニルイミド基、スルホニルアミド基などが挙げられるが、pKa12以下、好ましくはpKa10以下、より好ましくはpKa8以下の酸性基を用いることができる。上記酸性基の好ましい例としては、メタクリル酸、アクリル酸、ビニル安息香酸、ビニルフェノールなどが挙げられるがこの限りではない。
【0026】
本発明におけるバインダーは、更に下記一般式(II)で表される単量体成分を少なくとも含むことが好ましい。
【0027】
【化5】
〔一般式(II)中、Rは水素原子またはメチル基を表し、Lは酸素原子、−NH−基または−N(X−Z)−基を表し、Xは置換基を有してもよい2価の連結基を表し、Zは不飽和二重結合を含む基を表す。〕
【0028】
一般式(II)中、Xで表される2価の連結基の好適な例としては、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキレン基、アルキレンオキシ基、またはエチルオキシカルボニルアミノエチル基から選択される基が挙げられる。より具体的には、炭素数1〜15のアルキレン基、アルキレンオキシ基、またはエチルオキシカルボニルアミノエチル基が更に好ましく、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、エチレンオキシ基、ジエチレンオキシ基、トリエチレンオキシ基、エチルオキシカルボニルアミノエチル基が特に好ましい。これらの基はさらに置換基を有していてもよい。該置換基としては、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、炭素数1〜5のアルキル基が特に好ましい。上記置換基として、より具体的にはメチル基、エチル基、分岐または直鎖のプロピル基、ブチル基が好ましく挙げられる。
【0029】
一般式(II)においてZは、不飽和二重結合を含む基を表す。該不飽和二重結合を含む基の具体例として、ビニルオキシ基、アリルオキシ基、(メタ)アクリロイルオキシ基、4−ビニルフェニルオキシ基、4−ビニルフェニルメチルオキシ基、ビニルエステル基がより好ましく、アリルオキシ基、(メタ)アクリロイルオキシ基、4−ビニルフェニルメチルオキシ基が特に好ましい。
【0030】
一般式(I)で示される単量体成分のモル分率は、ポリマー(酸性基を有するアルカリ可溶性バインダー)に対して90〜10モル%が好ましく、85〜15モル%が更に好ましく、70〜20モル%が特に好ましい。
上記酸性基を有する単量体成分のモル分率は、ポリマー(酸性基を有するアルカリ可溶性バインダー)に対して10〜50モル%が好ましく、15〜45モル%が更に好ましい。
また、一般式(II)で示される単量体成分のモル分率は、酸性基を有するアルカリ可溶性バインダー)に対して20〜70モル%が好ましく、30〜60モル%が更に好ましい。
【0031】
本発明におけるバインダーの分子量は、重量平均分子量で、1500〜1000000Da(ダルトン:分子量の単位)が好ましく、2000〜500000Daが更に好ましく、4000〜100000Daが特に好ましい。
【0032】
本発明におけるバインダーを構成する成分(いわゆる共重合成分)としては、硬化特性、画像形成性を付与する観点から、他の共重合可能な単量体成分を適宜選定して用いることができる。上記他の共重合成分としては、例えば、特開昭59−44615号、特公昭54−34327号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭59−53836号、特開昭59−71048号明細書に記載されているようなメタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、(無水)マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体、部分アミド化マレイン酸共重合体に使用されているモノマー、(メタ)アクリレート類、(メタ)アクリルアミド類、ビニル基を有する芳香族炭化水素環類、ビニル基を有するヘテロ芳香族環類、無水マレイン酸、イタコン酸エステル類、クロトン酸エステル類、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)クロトンニトリル、各種スチレン類、各種ヒドロキシスチレン類、各種ビニル安息香酸類、各種ベンゾイルオキシエチレン類、各種アセトキシエチレン類、ビニルカルバゾール類、ビニルピロリドン、等が挙げられる。
【0033】
この中でも、上記他の共重合成分としては、置換基を有していてもよい炭素数1〜25の(シクロ)アルキル(メタ)アクリレート、置換基を有していてもよい炭素数1〜25のビシクロ環を有する(メタ)アクリレート、置換基を有していてもよい炭素数1〜25のアラルキル(メタ)アクリレート、置換基を有していてもよい炭素数1〜25のアリール(メタ)アクリレート、
【0034】
(メタ)アクリルアミド、置換基を有していてもよい炭素数1〜25の2級または3級の(シクロ)アルキル(メタ)アクリルアミド、置換基を有していてもよい炭素数1〜25の2級または3級のビシクロ環を有する(メタ)アクリルアミド、置換基を有していてもよい炭素数1〜25の2級または3級のアラルキル(メタ)アクリルアミド、置換基を有していてもよい炭素数1〜25の2級または3級のアリール(メタ)アクリルアミド、置換基を有していてもよい炭素数1〜25の(メタ)アクリロイルモルホリン、ビニル基を有する置換または無置換の炭素数1〜25の芳香族炭化水素環、ビニル基を有する置換または無置換の炭素数1〜25のヘテロ芳香族環、無水マレイン酸、置換または無置換の炭素数1〜25の(α−メチル−)スチレン、ビニルイミダゾール、ビニルトリアゾール、置換または無置換の炭素数1〜25の部分エステル化マレイン酸共重合体、置換または無置換の炭素数1〜25の部分アミド化マレイン酸、メチルジャスモネート、
【0035】
イタコン酸、置換基を有していてもよい炭素数1〜25のイタコン酸(シクロ)アルキルエステル、置換基を有していてもよい炭素数1〜25のビシクロ環を有するイタコン酸エステル、置換基を有していてもよい炭素数1〜25のイタコン酸アラルキルエステル、置換基を有していてもよい炭素数1〜25のイタコン酸アリールエステル、
【0036】
クロトン酸、置換基を有していてもよい炭素数1〜25のクロトン酸(シクロ)アルキルエステル、置換基を有していてもよい炭素数1〜25のビシクロ環を有するクロトン酸エステル、置換基を有していてもよい炭素数1〜25のクロトン酸アラルキルエステル、置換基を有していてもよい炭素数1〜25のクロトン酸アリールエステル、
【0037】
置換基を有していてもよい炭素数1〜25のベンゾイルオキシエチレン類、置換基を有していてもよい炭素数1〜25のアセトキシエチレン類、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)クロトンニトリル、置換基を有していてもよい炭素数1〜25のビニルカルバゾール、ビニルピロリドン、が好ましい。
【0038】
さらに、これらなかでも中でも、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の(シクロ)アルキル(メタ)アクリレート、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のビシクロ環を有する(メタ)アクリレート、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアラルキル(メタ)アクリレート、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアリール(メタ)アクリレート、
【0039】
(メタ)アクリルアミド、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の2級または3級の(シクロ)アルキル(メタ)アクリルアミド、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の2級または3級のビシクロ環を有する(メタ)アクリルアミド、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の2級または3級のアラルキル(メタ)アクリルアミド、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の2級または3級のアリール(メタ)アクリルアミド;置換基を有していてもよい炭素数1〜20の(メタ)アクリロイルモルホリン、
【0040】
ビニル基を有する置換または無置換の炭素数1〜20の芳香族炭化水素環、ビニル基を有する置換または無置換の炭素数の1〜20ヘテロ芳香族環、無水マレイン酸、置換または無置換の炭素数1〜20の部分エステル化マレイン酸共重合体、置換または無置換の炭素数1〜20の部分アミド化マレイン酸、置換または無置換の炭素数1〜20の(α−メチル−)スチレン、メチルジャスモネート、
【0041】
イタコン酸、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のイタコン酸(シクロ)アルキルエステル、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のビシクロ環を有するイタコン酸エステル、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のイタコン酸アラルキルエステル、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のイタコン酸アリールエステル、
【0042】
クロトン酸、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のクロトン酸(シクロ)アルキルエステル、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のビシクロ環を有するクロトン酸エステル、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のクロトン酸アラルキルエステル、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のクロトン酸アリールエステル、
【0043】
置換基を有していてもよい炭素数1〜20のベンゾイルオキシエチレン類、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアセトキシエチレン類、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のビニルカルバゾール、ビニルピロリドン;(メタ)アクリロニトリル、(メタ)クロトンニトリル、がより好ましい。
【0044】
これらの中でも特に、置換基を有していてもよい、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、
【0045】
置換基を有していてもよい、アダマンチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ノルボルナンメチル(メタ)アクリレート、ノルボルネンメチル(メタ)アクリレート;置換基を有していてもよいベンジル(メタ)アクリレート、ナフチルメチル(メタ)アクリレート、アントラセンメチル(メタ)アクリレート、フェニルエチル(メタ)アクリレート;置換基を有していてもよいフェニル(メタ)アクリレート、ナフチル(メタ)アクリレート、
【0046】
(メタ)アクリルアミド、置換基を有していてもよい(ジ)メチル(メタ)アクリルアミド、(ジ)エチル(メタ)アクリルアミド、直鎖または分岐の(ジ)プロピル(メタ)アクリルアミド、直鎖または分岐の(ジ)ブチル(メタ)アクリルアミド、直鎖または分岐の(ジ)ペンチル(メタ)アクリルアミド、(ジ)ノルマルヘキシル(メタ)アクリルアミド、(ジ)シクロヘキシル(メタ)アクリルアミド、(ジ−)2−エチルヘキシル(メタ)アクリルアミド;置換基を有していてもよいアダマンチル(メタ)アクリルアミド、ノルアダマンチル(メタ)アクリルアミド;置換基を有していてもよいベンジル(メタ)アクリルアミド、ナフチルエチル(メタ)アクリルアミド、フェニルエチル(メタ)アクリルアミド;置換基を有していてもよい(ジ)フェニル(メタ)アクリルアミド、ナフチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、ピペリジルアクリルアミド、ピロリジルアクリルアミド、
【0047】
(α−メチル−)スチレン、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール、ビニルトリアゾール、無水マレイン酸、メチルジャスモネート;イタコン酸;クロトン酸、置換基を有していてもよい、メチルクロトネート、エチル(クロトネート、直鎖または分岐のプロピルクロトネート、直鎖または分岐のブチルクロトネート、直鎖または分岐のペンチルクロトネート、ノルマルヘキシルクロトネート、シクロヘキシルクロトネート、ノルマルヘプチルクロトネート、2−エチルヘキシルクロトネート、ノルマルオクチルクロトネート、ノルマルデシルクロトネート、ノルマルドデシルクロトネート;置換基を有していてもよいアダマンチルクロトネート、イソボルニルクロトネート、ノルボルナンメチルクロトネート、ノルボルネンメチルクロトネート;置換基を有していてもよいベンジルクロトネート、ナフチルメチルクロトネート、アントラセンメチルクロトネート、フェニルエチルクロトネート;置換基を有していてもよいフェニルクロトネート、ナフチルクロトネート、
【0048】
置換基を有していてもよいベンゾイルオキシエチレン、置換基を有していてもよいアセトキシエチレン、置換基を有していてもよいビニルカルバゾール、ビニルピロリドン等が特に好ましい。
また、上記のカルボキシル基は、金属塩となっていてもよい。
【0049】
上記置換基としては、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアラルキル基、炭素数1〜20のアリール基、炭素数1〜20のアシルオキシ基、炭素数1〜20のアシル基、炭素数1〜20のアルコキシカルボニル基、炭素数1〜20のアリールカルボニル基、炭素数1〜20のジアルキルアミノ基、炭素数1〜20のアルキルアミノ基、ハロゲン原子、シアノ基、フリル基、フルフリル基、テトラヒドロフリル基、テトラヒドロフルフリル基、アルキルチオ基、トリメチルシリル基、トリフルオロメチル基、カルボキシル基、チエニル基、モルホリノ基、モルホリノカルボニル基、等が好ましい。
【0050】
これらの中でも上記置換基としては、炭素数1〜15のアルキル基、炭素数1〜15のアルコキシ基、炭素数1〜15のアラルキル基、炭素数1〜15のアリール基、炭素数1〜15のアシルオキシ基、炭素数1〜15のアシル基、炭素数1〜15のアルコキシカルボニル基、炭素数1〜15のアリールカルボニル基、炭素数1〜15のジアルキルアミノ基、炭素数1〜15のアルキルアミノ基、ハロゲン原子、シアノ基、フリル基、フルフリル基、テトラヒドロフリル基、テトラヒドロフルフリル基、アルキルチオ基、トリメチルシリル基、トリフルオロメチル基、カルボキシル基、チエニル基、モルホリノ基、モルホリノカルボニル基、等がより好ましい。
【0051】
さらに、上記置換基としては、メチル基、エチル基、直鎖または分岐のプロピル基、直鎖または分岐のブチル基、直鎖または分岐のペンチル基、ノルマルヘキシル基、シクロヘキシル基、ノルマルヘプチル基、2−エチルヘキシル基、ノルマルオクチル基、ノルマルデシル基、ノルマルドデシル基、メチルオキシ基、エチルオキシ基、直鎖または分岐のプロピルオキシ基、直鎖または分岐のブチルオキシ基、直鎖または分岐のペンチルオキシ基、ノルマルヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ノルマルヘプチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ノルマルオクチルオキシ基、ノルマルデシルオキシ基、ノルマルドデシルオキシ基、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基、フェニル基、ナフチル基、
【0052】
メチルカルボニルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、直鎖または分岐のプロピルカルボニルオキシ基、直鎖または分岐のブチルカルボニルオキシ基、直鎖または分岐のペンチルカルボニルオキシ基、ノルマルヘキシルカルボニルオキシ基、シクロヘキシルカルボニルオキシ基、ノルマルヘプチルカルボニルオキシ基、2−エチルヘキシルカルボニルオキシ基、ノルマルオクチルカルボニルオキシ基、ノルマルデシルカルボニルオキシ基、ノルマルドデシルカルボニルオキシ基、
【0053】
メチルカルボニル基(アセチル基)、エチルカルボニル基、直鎖または分岐のプロピルカルボニル基、直鎖または分岐のブチルカルボニル基、直鎖または分岐のペンチルカルボニル基、ノルマルヘキシルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基、ノルマルヘプチルカルボニル基、2−エチルヘキシルカルボニル基、ノルマルオクチルカルボニル基、ノルマルデシルカルボニル基、ノルマルドデシルカルボニル基、
【0054】
メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、直鎖または分岐のプロピルオキシカルボニル基、直鎖または分岐のブチルオキシカルボニル基、直鎖または分岐のペンチルオキシカルボニル基、ノルマルヘキシルオキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基、ノルマルヘプチルオキシカルボニル基、2−エチルヘキシルオキシカルボニル基、ノルマルオクチルオキシカルボニル基、ノルマルデシルオキシカルボニル基、ノルマルドデシルオキシカルボニル基、
【0055】
ベンゾイル基、ナフチルカルボニル基;(ジ)メチルアミノ基、(ジ)エチルアミノ基、直鎖または分岐の(ジ)プロピルアミノ基、直鎖または分岐の(ジ)ブチルアミノ基、直鎖または分岐の(ジ)ペンチルアミノ基、(ジ)ノルマルヘキシルアミノ基、(ジ)シクロヘキシルアミノ基、(ジ)ノルマルヘプチルアミノ基、(ジ)2−エチルヘキシルアミノ基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子;シアノ基、フリル基、フルフリル基、テトラヒドロフリル基、テトラヒドロフルフリル基、アルキルチオ基、トリメチルシリル基、トリフルオロメチル基、カルボキシル基、チエニル基、モルホリノ基、モルホリノカルボニル基、等が特に好ましい。
また、これらの置換基はさらに上述の置換基で置換されていてもよい。
【0056】
さらに、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)クロトンニトリルも特に好ましい共重合成分(共重合モノマー)の例として挙げられる。
【0057】
上記他の共重合性分としては、その他親水性を有するモノマーとして、燐酸、燐酸エステル、4級アンモニウム塩、エチレンオキシ鎖、プロピレンオキシ鎖、スルホン酸およびその塩、モルホリノエチル基等を含んだモノマー等も有用である。また、ガラス転移温度を低下させない範囲でヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレートなどのモノマーも用いることができる。
上記のスルホン酸基、カルボン酸基は、金属塩となっていてもよい。
本発明におけるバインダーにおいて、共重合するモノマーの種類や数は特に限定されないが、2〜12種が好ましく、1〜8種がより好ましく、2〜5種が特に好ましい。
【0058】
以下に本発明におけるバインダー構造の具体例(P−1〜P−12)を挙げるが、本発明は、これらに限定されるものではない。
【0059】
【化6】
【0060】
【化7】
【0061】
(有機溶剤可溶性染料)
つぎに(B)有機溶剤可溶性染料(以下、単に「染料」という場合がある。)について説明する。染料は、スルホン酸やカルボン酸等の酸性基を有する酸性染料、酸性染料と含窒素化合物との塩、酸性染料のスルホンアミド体(スルホンアミド化合物)等が使用できる。本発明における染料は、硬化性組成物溶液として溶解させることが出来るものであれば特に限定されないが、有機溶剤や現像液に対する溶解性、吸光度、硬化性組成物中の他の成分との相互作用、耐光性、耐熱性等の必要とする性能の全てを考慮して選択される。
【0062】
以下に酸性染料の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
acid alizarin violet N;acid black1,2,24,48;acid blue1,7,9,25,29,40,45,62,70,74,80,83,90,92,112,113,120,129,147;acid chrome violet K;acid Fuchsin;acid green 1,3,5,25,27,50;acid orange 6,7,8,10,12,50,51,52,56,63,74,95;acid red 1,4,8,14,17,18,26,27,29,31,34,35,37,42,44,50,51,52,57,66,73,80,87,88,91,92,94,97,103,111,114,129,133,134,138,143,145,150,151,158,176,183,198,211,215,216,217,249,252,257,260,266,274;acid violet 6B,7,9,17,19;acid yellow 1,3,9,11,17,23,25,29,34,36,42,54,72,73,76,79,98,99,111,112,114,116;food yellow 3,およびこれらの誘導体が挙げられる。
【0063】
上記酸性染料のスルホンアミド体としては、上記酸性染料のスルホンアミド誘導体を好適に使用できる。
【0064】
本発明における染料としては、上記有機溶剤可溶性染料の中でも、アゾ系、キサンテン系、アンスラキノン系若しくはフタロシアニン系の酸性染料、または、これらの酸性染料と含窒素化合物との塩、或いはこれらの酸性染料から誘導されるスルホンアミド化合物が好ましく、アゾ系若しくはフタロシアニン系の酸性染料と含窒素化合物との塩、または、アゾ系若しくはフタロシアニン系のスルホンアミド化合物が特に好ましい。
【0065】
上記酸性染料と塩を形成する含窒素化合物、および、上記酸性染料とアミド結合を形成する含窒素化合物について説明する。上記含窒素化合物は、塩またはアミド化合物の有機溶剤や現像液に対する溶解性、塩形成性、染料の吸光度・色価、硬化性組成物中の他の成分との相互作用等の全てを勘案して選択される。吸光度・色価の観点のみで選択すると、上記含窒素化合物はできるだけ分子量の低いものが好ましく、そのなかで、分子量220以下であることが好ましく、分子量200以下であることがより好ましく、分子量180以下であることが特に好ましい。
以下に上記含窒素化合物の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、下記化合物中、「−NH−基」を有さないものは、アミド結合を形成する含窒素化合物ではない。
【0066】
【化8】
【0067】
【化9】
【0068】
【化10】
【0069】
【化11】
【0070】
【化12】
【0071】
【化13】
【0072】
【化14】
【0073】
【化15】
【0074】
【化16】
【0075】
【化17】
【0076】
【化18】
【0077】
つぎに上記有機溶剤可溶性染料の使用濃度について説明する。本発明の染料含有硬化性組成物の全固形成分中における本発明における染料の濃度は、染料の種類によって異なるが、0.5〜80質量%が好ましく、0.5〜60質量%がさらに好ましく、0.5〜50質量%が特に好ましい。
【0078】
(感放射線性化合物)
次に(C)感放射線性化合物について説明する。本発明の染料含有硬化性組成物中の必須成分である感放射線性化合物は、UV、Deep UV、可視光、赤外光、電子線などの放射線に対し、ラジカル発生、酸発生、塩基発生などの化学反応を起こしうる化合物であるが、アルカリ可溶性樹脂を架橋、重合、酸性基の分解などの反応により不溶化させたり、塗膜中に共存する重合性モノマーやオリゴマーの重合、架橋剤の架橋などを起こして塗膜をアルカリ現像液に対して不溶化させる目的で用いられる。
【0079】
上記感放射線性化合物としては、モノマー若しくはオリゴマーを重合させたり、架橋剤を架橋し得るものであれば、特に限定されないが、特性、開始効率、吸収波長、入手性、コスト等の観点で選ばれるのが好ましい。
【0080】
上記感放射線性化合物としては、例えば、ハロメチルオキサジアゾール化合物およびハロメチル−s−トリアジン化合物から選択される少なくとも一つの活性ハロゲン化合物、3−アリール置換クマリン化合物、ロフィン2量体、ベンゾフェノン化合物、アセトフェノン化合物およびその誘導体、シクロペンタジエン−ベンゼン−鉄錯体およびその塩、オキシム系化合物、等が挙げられる。
【0081】
上記ハロメチルオキサジアゾール化合物である活性ハロゲン化合物としては、特公昭57−6096号公報に記載の2−ハロメチル−5−ビニル−1,3,4−オキサジアゾール化合物等や、2−トリクロロメチル−5−スチリル−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(p−シアノスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(p−メトキシスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、等が挙げられる。
【0082】
上記ハロメチル−s−トリアジン系化合物である活性ハロゲン化合物としては、特公昭59−1281号公報に記載のビニル−ハロメチル−s−トリアジン化合物、特開昭53−133428号公報に記載の2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス−ハロメチル−s−トリアジン化合物および4−(p−アミノフェニル)−2,6−ジ−ハロメチル−s−トリアジン化合物、等が挙げられる。
【0083】
上記ハロメチル−s−トリアジン系化合物である活性ハロゲン化合物の具体例としては、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−p−メトキシスチリル−s−トリアジン、2,6−ビス(トリクロロメチル)−4−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,6−ビス(トリクロロメチル)−4−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(1−p−ジメチルアミノフェニル−1,3−ブタジエニル)−s−トリアジン、2−トリクロロメチル−4−アミノ−6−p−メトキシスチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(4−エトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(4−ブトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−〔4−(2−メトキシエチル)−ナフト−1−イル〕−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、
【0084】
2−〔4−(2−エトキシエチル)−ナフト−1−イル〕−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−〔4−(2−ブトキシエチル)−ナフト−1−イル〕−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(2−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(6−メトキシ−5−メチル−ナフト−2−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(6−メトキシ−ナフト−2−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(5−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(4,7−ジメトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(6−エトキシ−ナフト−2−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(4,5−ジメトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、
【0085】
4−〔p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−メチル−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−メチル−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔p−N,N−ジ(フェニル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(p−N−クロロエチルカルボニルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、
【0086】
4−〔p−N−(p−メトキシフェニル)カルボニルアミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔m−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔m−ブロモ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔m−クロロ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔m−フロロ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−ブロモ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−クロロ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、
【0087】
4−〔o−フロロ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−ブロモ−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−クロロ−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−フロロ−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔m−ブロモ−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔m−クロロ−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、
【0088】
4−〔m−フロロ−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(m−ブロモ−p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(m−クロロ−p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(m−フロロ−p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−ブロモ−p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−クロロ−p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、
【0089】
4−(o−フロロ−p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(m−ブロモ−p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(m−クロロ−p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(m−フロロ−p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−ブロモ−p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−クロロ−p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−フロロ−p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン等が挙げられる。
【0090】
その他、みどり化学社製のTAZシリーズ(例えば、TAZ−107、TAZ−110、TAZ−104、TAZ−109、TAZ−140、TAZ−204、TAZ−113、TAZ−123、TAZ−104)、PANCHIM社製のTシリーズ(例えば、T−OMS、T−BMP、T−R、T−B)、チバガイギー社製のイルガキュアシリーズ(例えば、イルガキュア651、イルガキュア184、イルガキュア500、イルガキュア1000、イルガキュア149、イルガキュア819、イルガキュア261)、ダロキュアシリーズ(例えばダロキュア1173)、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)−ベンゾフェノン、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−オクタンジオン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−4−モルホリノブチロフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、
【0091】
2−(o−クロルフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(p−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(p−メチルメルカプトフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、ベンゾインイソプロピルエーテル、等も有用に用いられる。
【0092】
これら感放射線性化合物には、増感剤や光安定剤を併用することができる。
その具体例として、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾイン、9−フルオレノン、2−クロロ−9−フルオレノン、2−メチル−9−フルオレノン、9−アントロン、2−ブロモ−9−アントロン、2−エチル−9−アントロン、9,10−アントラキノン、2−エチル−9,10−アントラキノン、2−t−ブチル−9,10−アントラキノン、2,6−ジクロロ−9,10−アントラキノン、キサントン、2−メチルキサントン、2−メトキシキサントン、2−メトキシキサントン、チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、アクリドン、10−ブチル−2−クロロアクリドン、ベンジル、ジベンジルアセトン、p−(ジメチルアミノ)フェニルスチリルケトン、p−(ジメチルアミノ)フェニル−p−メチルスチリルケトン、ベンゾフェノン、p−(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(またはミヒラーケトン)、p−(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、ベンゾアントロン等や特公昭51−48516号公報記載のベンゾチアゾール系化合物等や、チヌビン1130、同400等が挙げられる。
【0093】
本発明の染料含有硬化性組成物には、上述の感放射線性化合物のほかに他の公知の光重合開始剤を使用することができる。
具体的には、米国特許第2,367,660号明細書に開示されているビシナールポリケトルアルドニル化合物、米国特許第2,367,661号および第2,367,670号明細書に開示されているα−カルボニル化合物、米国特許第2,448,828号明細書に開示されているアシロインエーテル、米国特許第2,722,512号明細書に開示されているα−炭化水素で置換された芳香族アシロイン化合物、米国特許第3,046,127号および第2,951,758号明細書に開示されている多核キノン化合物、米国特許第3,549,367号明細書に開示されているトリアリルイミダゾールダイマー/p−アミノフェニルケトンの組合せ、特公昭51−48516号公報に開示されているベンゾチアゾール系化合物/トリハロメチール−s−トリアジン系化合物、等を挙げることができる。
【0094】
感放射線性化合物(および公知の開始剤)の総使用量としては、上記モノマー固形分(質量)に対して、0.01質量%〜50質量%が好ましく、1質量%〜30質量%がより好ましく、1質量%〜20質量%が特に好ましい。上記使用量が、0.01質量%より少ないと重合が進み難くなることがあり、50質量%を超えると、重合率は大きくなるが分子量が低くなり膜強度が弱くなることがある。
【0095】
(ポリマー型界面活性剤)
次に、(D)フッ素原子および/またはシリコン原子を有するポリマー型界面活性剤(以下、「フッ素系/シリコン系ポリマー型界面活性剤」という場合がある。)本発明の染料含有硬化性組成物は、本発明におけるバインダーおよび染料、感放射線性化合物の他に、フッ素原子および/またはシリコン原子を有するポリマー型界面活性剤が特異的にパターンプロファイルを向上させるために必須である。
【0096】
本発明の染料含有硬化性組成物は、本発明におけるバインダーと上記ポリマー型界面活性剤とを含有することによって、パターンが微細となった際のパターンプロファイルの改良に特に有効である。
上記フッ素系/シリコン系ポリマー型界面活性剤としては、例えば、特開昭62−36663号公報、特開昭61−226746号公報、特開昭61−226745号公報、特開昭62−170950号公報、特開昭63−34540号公報、特開平7−230165号公報、特開平8−62834号公報、特開平9−54432号公報、特開平9−5988号公報、特開2002−277862号公報、米国特許第5405720号明細書、同5360692号明細書、同5529881号明細書、同5296330号明細書、同5436098号明細書、同5576143号明細書、同5294511号明細書、同5824451号明細書に記載の界面活性剤を挙げることができ、下記市販の界面活性剤をそのまま用いることもできる。
【0097】
使用できる市販のフッ素系/シリコン系ポリマー型界面活性剤としては、例えば、エフトップEF301、EF303、(新秋田化成(株)製)、フロラードFC430、431(住友スリーエム(株)製)、メガファックF171、F173、F176、F189、R08(大日本インキ化学工業(株)製)、サーフロンS−382、SC101、102、103、104、105、106(旭硝子(株)製)、トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製)等のフッ素系界面活性剤またはシリコン系界面活性剤を挙げることができる。またポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製)もシリコン系のポリマー型界面活性剤として用いることができる。
【0098】
また、上記フッ素系/シリコン系ポリマー型界面活性剤としては、上記に示すような公知のものの他に、テロメリゼーション法(テロマー法ともいわれる)若しくはオリゴメリゼーション法(オリゴマー法ともいわれる)によって製造されるフルオロ脂肪族化合物から導かれたフルオロ脂肪族基を有する重合体を用いた界面活性剤を用いることが出来る。上記フルオロ脂肪族化合物は、特開2002−90991号公報に記載された方法によって合成することができる。
【0099】
上記フルオロ脂肪族基を有する重合体としては、フルオロ脂肪族基を有するモノマーと(ポリ(オキシアルキレン))アクリレートおよび/または(ポリ(オキシアルキレン))メタクリレートとの共重合体が好ましく、不規則に分布しているものでも、ブロック共重合していてもよい。また、上記ポリ(オキシアルキレン)基としては、ポリ(オキシエチレン)基、ポリ(オキシプロピレン)基、ポリ(オキシブチレン)基などが挙げられ、さらに、ポリ(オキシエチレンとオキシプロピレンとオキシエチレンとのブロック連結体)基やポリ(オキシエチレンとオキシプロピレンとのブロック連結体)基など同じ鎖内に異なる鎖長のアルキレンを有するようなユニットでもよい。また、フルオロ脂肪族基を有するモノマーと(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(またはメタクリレート)との共重合体は2元共重合体ばかりでなく、異なる2種以上のフルオロ脂肪族基を有するモノマーや、異なる2種以上の(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(またはメタクリレート)などを同時に共重合した3元系以上の共重合体でもよい。
【0100】
上記フルオロ脂肪族基を有する重合体を用いた界面活性剤としては、例えば、市販のフッ素系および/またはシリコン系界面活性剤として、メガファックF178、F−470、F−473、F−475、F−476、F−472(大日本インキ化学工業(株)製)を挙げることができる。さらに、C6F13基を有するアクリレート(またはメタクリレート)と(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(またはメタクリレート)との共重合体、C6F13基を有するアクリレート(またはメタクリレート)と(ポリ(オキシエチレン))アクリレート(またはメタクリレート)と(ポリ(オキシプロピレン))アクリレート(またはメタクリレート)との共重合体、C8F17基を有するアクリレート(またはメタクリレート)と(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(またはメタクリレート)との共重合体、C8F17基を有するアクリレート(またはメタクリレート)と(ポリ(オキシエチレン))アクリレート(またはメタクリレート)と(ポリ(オキシプロピレン))アクリレート(またはメタクリレート)との共重合体、などを挙げることができる。
【0101】
本発明における上記フッ素系/シリコン系ポリマー型界面活性剤の使用量は、染料含有硬化性組成物全量(溶剤を除く)に対して、好ましくは0.0001〜2質量%、より好ましくは0.001〜1質量%、特に好ましくは0.01質量%〜1質量%である。
【0102】
本発明の染料含有硬化性組成物は本発明の効果を損なわない範囲において、上記フッ素系/シリコン系ポリマー型界面活性剤と他の界面活性剤とを併用することができる。上記他の界面活性剤としては、具体的に、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタントリステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテ−ト、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等のノニオン系界面活性剤等を挙げることができる。
【0103】
本発明の染料含有硬化性組成物は、本発明における染料、本発明におけるバインダーおよび感放射線性化合物、上記界面活性剤の他に、モノマー(若しくはオリゴマー)、架橋剤、熱重合禁止剤、ナフトキノンジアジド化合物、溶剤等を含んでもよい。
以下、これらの材料について説明する。
【0104】
<モノマー若しくはオリゴマー>
モノマー若しくはオリゴマーとしては、少なくとも1つのエチレン性不飽和基を有するモノマー若しくはオリゴマーを用いることができる。
少なくとも1つのエチレン性不飽和基を有するモノマー若しくはオリゴマーとしては、少なくとも1つの付加重合可能なエチレン性二重結合を有する、常圧下で100℃以上の沸点を持つ化合物が好ましい。モノマー若しくはオリゴマーを上述の感放射線性化合物等と共に含有することにより、本発明の染料含有硬化性組成物をネガ型に構成することができる。また、硬化性を更に向上させる観点から、ポジ型の染料含有硬化性組成物に含有してもよい。
【0105】
上記少なくとも1つのエチレン性不飽和基を有するモノマー若しくはオリゴマーの例としては、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、等の単官能のアクリレートやメタアクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、
【0106】
トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイロキシエチル)イソシアヌレート、グリセリンやトリメチロールエタン等の多官能アルコールにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加させた後(メタ)アクリレート化したもの、特公昭48−41708号、特公昭50−6034号、特開昭51−37193号の各公報に記載されるウレタンアクリレート類、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号各公報に記載されているポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応生成物であるエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタアクリレートおよびこれらの混合物を挙げることができる。更に、日本接着協会誌Vol.20、No.7、300〜308頁に光硬化性モノマーおよびオリゴマーとして紹介されているものが挙げられる。
【0107】
<架橋剤>
本発明においては、補足的に架橋剤を用いて更に高度に硬化させた膜を得ることも可能である。以下、架橋剤について説明する。
本発明に使用可能な架橋剤としては、架橋反応により膜硬化を行えるものであれば特に限定はなく、例えば、(a)エポキシ樹脂、(b)メチロール基、アルコキシメチル基、およびアシロキシメチル基から選ばれる少なくとも一つの置換基で置換された、メラミン化合物、グアナミン化合物、グリコールウリル化合物またはウレア化合物、(c)メチロール基、アルコキシメチル基、およびアシロキシメチル基から選ばれる少なくとも一つの置換基で置換された、フェノール化合物、ナフトール化合物またはヒドロキシアントラセン化合物、が挙げられる。中でも、多官能エポキシ樹脂が好ましい。
【0108】
上記(a)エポキシ樹脂としては、エポキシ基を有し、かつ架橋性を有するものであればいずれであってもよく、例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ブタンジオールジグリシジルエーテル、へキサンジオールジグリシジルエーテル、ジヒドロキシビフェニルジグリシジルエーテル、フタル酸ジグリシジルエステル、N,N−ジグリシジルアニリン等の2価のグリシジル基含有低分子化合物、同様に、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリメチロールフェノールトリグリシジルエーテル、TrisP−PAトリグリシジルエーテル等に代表される3価のグリシジル基含有低分子化合物、同様に、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、テトラメチロールビスフェノールAテトラグリシジルエーテル等に代表される4価のグリシジル基含有低分子化合物、同様に、ジペンタエリスリトールペンタグリシジルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサグリシジルエーテル等の多価グリシジル基含有低分子化合物、ポリグリシジル(メタ)アクリレート、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物等に代表されるグリシジル基含有高分子化合物、等が挙げられる。
【0109】
上記架橋剤(b)に含まれるメチロール基、アルコキシメチル基、アシロキシメチル基が置換している数としては、メラミン化合物の場合2〜6、グリコールウリル化合物、グアナミン化合物、ウレア化合物の場合は2〜4であるが、好ましくはメラミン化合物の場合5〜6、グリコールウリル化合物、グアナミン化合物、ウレア化合物の場合は3〜4である。
以下、上記(b)のメラミン化合物、グアナミン化合物、グリコールウリル化合物およびウレア化合物を総じて、(b)に係る(メチロール基、アルコキシメチル基またはアシロキシメチル基含有)化合物という。
【0110】
上記(b)に係るメチロール基含有化合物は、(b)に係るアルコキシメチル基含有化合物をアルコール中で塩酸、硫酸、硝酸、メタンスルホン酸等の酸触媒存在下、加熱することにより得られる。上記(b)に係るアシロキシメチル基含有化合物は、(b)に係るメチロール基含有化合物を塩基性触媒存在下、アシルクロリドと混合攪拌することにより得られる。
【0111】
以下、上記置換基を有する(b)に係る化合物の具体例を挙げる。
上記メラミン化合物として、例えば、ヘキサメチロールメラミン、ヘキサメトキシメチルメラミン、ヘキサメチロールメラミンのメチロール基の1〜5個がメトキシメチル化した化合物またはその混合物、ヘキサメトキシエチルメラミン、ヘキサアシロキシメチルメラミン、ヘキサメチロールメラミンのメチロール基の1〜5個がアシロキシメチル化した化合物またはその混合物、などが挙げられる。
【0112】
上記グアナミン化合物として、例えば、テトラメチロールグアナミン、テトラメトキシメチルグアナミン、テトラメチロールグアナミンの1〜3個のメチロール基をメトキシメチル化した化合物またはその混合物、テトラメトキシエチルグアナミン、テトラアシロキシメチルグアナミン、テトラメチロールグアナミンの1〜3個のメチロール基をアシロキシメチル化した化合物またはその混合物などが挙げられる。
【0113】
上記グリコールウリル化合物としては、例えば、テトラメチロールグリコールウリル、テトラメトキシメチルグリコールウリル、テトラメチロールグリコールウリルのメチロール基の1〜3個をメトキシメチル化した化合物またはその混合物、テトラメチロールグリコールウリルのメチロール基の1〜3個をアシロキシメチル化した化合物またはその混合物、などが挙げられる。
【0114】
上記ウレア化合物として、例えば、テトラメチロールウレア、テトラメトキシメチルウレア、テトラメチロールウレアの1〜3個のメチロール基をメトキシメチル化した化合物またはその混合物、テトラメトキシエチルウレア、などが挙げられる。
これら(b)に係る化合物は、単独で使用してもよく、組合わせて使用してもよい。
【0115】
上記(c)の架橋剤、即ち、メチロール基、アルコキシメチル基、およびアシロキシメチル基から選ばれる少なくとも一つの基で置換された、フェノール化合物、ナフトール化合物またはヒドロキシアントラセン化合物は、上記架橋剤(b)の場合と同様、熱架橋により上塗りフォトレジストとのインターミキシングを抑制すると共に、膜強度を更に高めるものである。以下、これら化合物を総じて、(c)に係るメチロール基、アルコキシメチル基またはアシロキシメチル基含有化合物ということがある。
【0116】
上記架橋剤(c)に含まれるメチロール基、アシロキシメチル基またはアルコキシメチル基の数としては、一分子当り最低2個必要であり、熱架橋性および保存安定性の観点から、骨格となるフェノール化合物の2位,4位が全て置換されている化合物が好ましい。また、骨格となるナフトール化合物、ヒドロキシアントラセン化合物も、OH基のオルト位、パラ位が全て置換されている化合物が好ましい。上記フェノール化合物の3位または5位は、未置換であっても置換基を有していてもよい。
上記ナフトール化合物においても、OH基のオルト位以外は、未置換であっても置換基を有していてもよい。
【0117】
上記(c)に係るメチロール基含有化合物は、フェノール性OH基の2位または4位が水素原子である化合物を原料に用い、これを水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシド等の、塩基性触媒の存在下でホルマリンと反応させることにより得られる。
上記(c)に係るアルコキシメチル基含有化合物は、(c)に係るメチロール基含有化合物をアルコール中で塩酸、硫酸、硝酸、メタンスルホン酸等の酸触媒の存在下で加熱することにより得られる。
上記(c)に係るアシロキシメチル基含有化合物は、(c)に係るメチロール基含有化合物を塩基性触媒の存在下アシルクロリドと反応させることにより得られる。
【0118】
架橋剤(c)における骨格化合物としては、フェノール性OH基のオルト位またはパラ位が未置換の、フェノール化合物、ナフトール、ヒドロキシアントラセン化合物等が挙げられ、例えば、フェノール、クレゾールの各異性体、2,3−キシレノ−ル、2,5−キシレノ−ル、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール、ビスフェノールAなどのビスフェノール類、4,4’−ビスヒドロキシビフェニル、TrisP−PA(本州化学工業(株)製)、ナフトール、ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシアントラセン、等が使用される。
【0119】
上記架橋剤(c)の具体例としては、フェノール化合物として、例えば、トリメチロールフェノール、トリ(メトキシメチル)フェノール、トリメチロールフェノールの1〜2個のメチロール基をメトキシメチル化した化合物、トリメチロール−3−クレゾール、トリ(メトキシメチル)−3−クレゾール、トリメチロール−3−クレゾールの1〜2個のメチロール基をメトキシメチル化した化合物、2,6−ジメチロール−4−クレゾール等のジメチロールクレゾール、テトラメチロールビスフェノールA、テトラメトキシメチルビスフェノールA、テトラメチロールビスフェノールAの1〜3個のメチロール基をメトキシメチル化した化合物、テトラメチロール−4,4’−ビスヒドロキシビフェニル、テトラメトキシメチル−4,4’−ビスヒドロキシビフェニル、TrisP−PAのヘキサメチロール体、TrisP−PAのヘキサメトキシメチル体、TrisP−PAのヘキサメチロール体の1〜5個のメチロール基をメトキシメチル化した化合物、ビスヒドロキシメチルナフタレンジオール、等が挙げられる。
【0120】
また、ヒドロキシアントラセン化合物として、例えば、1,6−ジヒドロキシメチル−2,7−ジヒドロキシアントラセン等が挙げられ、アシロキシメチル基含有化合物として、例えば、上記メチロール基含有化合物のメチロール基を、一部または全部アシロキシメチル化した化合物等が挙げられる。
【0121】
これらの化合物の中で好ましいものとしては、トリメチロールフェノール、ビスヒドロキシメチル−p−クレゾール、テトラメチロールビスフェノールA、TrisP−PA(本州化学工業(株)製)のヘキサメチロール体またはそれらのメチロール基がアルコキシメチル基およびメチロール基とアルコキシメチル基との両方で置換されたフェノール化合物が挙げられる。
これら(c)に係る化合物は、単独で使用してもよく、組合わせて使用してもよい。
【0122】
本発明においては、上記架橋剤を必ずしも含有する必要はない。含有する場合、架橋剤(a)〜(c)の染料含有硬化性組成物における総含有量としては、素材により異なるが、該硬化性組成物の固形分(質量)に対して、0〜70質量%が好ましく、0〜50質量%がより好ましく、0〜30質量%が特に好ましい。
【0123】
<熱重合防止剤>
本発明の染料含有硬化性組成物には、以上のほか、更に熱重合防止剤を加えておくことが好ましい。例えば、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2−メルカプトベンゾイミダゾール等が有用である。
【0124】
<ナフトキノンジアジド化合物>
本発明の染料含有硬化性組成物をポジ型に構成する場合、ナフトキノンジアジド化合物を含有することができる。ナフトキノンジアジド化合物としては、例えば、o−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステルまたはスルホン酸アミド、あるいはo−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステルまたはスルホン酸アミド、等が挙げられる。これらのエステルまたはアミドは、例えば、特開平2−84650号公報および特開平3−49437号公報に一般式(I)として記載されているフェノール化合物等を用いて公知の方法により製造することができる。
【0125】
<アルカリ可溶性フェノール樹脂>
本発明の染料含有硬化性組成物をポジ型に構成する場合、アルカリ可溶性フェノール樹脂を併用することが有用である。該アルカリ可溶性フェノール樹脂としては、例えばノボラック樹脂またはビニル重合体等が挙げられる。上記ノボラック樹脂としては、例えばフェノール類とアルデヒド類とを酸触媒の存在下で縮合させて得られるものが挙げられる。上記フェノール類としては、例えばフェノール、クレゾール、エチルフェノール、ブチルフェノール、キシレノール、フェニルフェノール、カテコール、レゾルシノール、ピロガロール、ナフトールまたはビスフェノールA等が挙げられる。上記フェノール類は単独若しくは2種以上を組み合わせて用いることができる。上記アルデヒド類としては、例えばホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒドまたはベンズアルデヒド等が挙げられる。上記ノボラック樹脂の具体例としては、例えば、メタクレゾール、パラクレゾールまたはこれらの混合物とホルマリンとの縮合生成物が挙げられる。上記ノボラック樹脂は分別等の手段を用いて分子量分布を調節してもよい。また、ビスフェノールCやビスフェノールA等のフェノール性水酸基を有する低分子量成分を上記ノボラック樹脂に混合してもよい。
【0126】
本発明における酸性基を有するアルカリ可溶性バインダーと併用して用いることができる上記アルカリ可溶性フェノール樹脂は、通常、溶剤中に全質量に対して5〜50質量%程度の割合で溶解される。また、上記のナフトキノンジアジド化合物は、通常、酸性基を有するアルカリ可溶性バインダーと上記アルカリ溶性フェノール樹脂との総質量に対して、それぞれ2〜40質量%程度の割合で添加する。また更に、カラーフィルター用レジスト組成物には、例えば均一な塗布性を付与するための平滑剤等の当該技術分野で慣用されている各種の添加剤を加えることもできる。
【0127】
<溶剤>
本発明の染料含有硬化性組成物を調製する際には一般に溶剤が用いられる。溶剤は、各成分の溶解性や染料含有硬化性組成物の塗布性を満足すれば基本的に特に限定されないが、特に染料、バインダーの溶解性、塗布性、安全性を考慮して選ばれることが好ましい。
【0128】
上記溶剤としては、エステル類、例えば、酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、アルキルエステル類、乳酸メチル、乳酸エチル、オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、等;
【0129】
3−オキシプロピオン酸メチル、3−オキシプロピオン酸エチル等の3−オキシプロピオン酸アルキルエステル類、例えば、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、等;2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピル等の2−オキシプロピオン酸アルキルエステル類、例えば、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、等;ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル、等;
【0130】
エーテル類、例えば、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、等;
【0131】
ケトン類、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、等;芳香族炭化水素類、例えば、トルエン、キシレン、等が好ましい。
【0132】
これらのうち、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチルセロソルブアセテート、乳酸エチル、ジエチレングリコールジメテルエーテル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート等がより好ましい。
【0133】
<各種添加物>
本発明の染料含有硬化性組成物には、必要に応じて、各種添加物、例えば充填剤、上記以外の高分子化合物、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤等を配合することができる。
【0134】
上記各種添加物の具体例としては、ガラス、アルミナ等の充填剤;ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリフロロアルキルアクリレート等の結着樹脂以外の高分子化合物;ノニオン系、カチオン系、アニオン系等の界面活性剤;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等の密着促進剤;2,2−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチルフェノール等の酸化防止剤;2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、アルコキシベンゾフェノン等の紫外線吸収剤;およびポリアクリル酸ナトリウム等の凝集防止剤を挙げることができる。
【0135】
また、非画像部のアルカリ溶解性を促進し、本発明の染料含有硬化性組成物の現像性の更なる向上を図る場合には、該組成物に有機カルボン酸、好ましくは分子量1000以下の低分子量有機カルボン酸の添加を行うことができる。
具体的には、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ピバル酸、カプロン酸、ジエチル酢酸、エナント酸、カプリル酸等の脂肪族モノカルボン酸;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ブラシル酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸、ジメチルマロン酸、メチルコハク酸、テトラメチルコハク酸、シトラコン酸等の脂肪族ジカルボン酸;トリカルバリル酸、アコニット酸、カンホロン酸等の脂肪族トリカルボン酸;安息香酸、トルイル酸、クミン酸、ヘメリト酸、メシチレン酸等の芳香族モノカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリト酸、トリメシン酸、メロファン酸、ピロメリト酸等の芳香族ポリカルボン酸;フェニル酢酸、ヒドロアトロパ酸、ヒドロケイ皮酸、マンデル酸、フェニルコハク酸、アトロパ酸、ケイ皮酸、ケイ皮酸メチル、ケイ皮酸ベンジル、シンナミリデン酢酸、クマル酸、ウンベル酸等のその他のカルボン酸が挙げられる。
【0136】
《カラーフィルター》
次に、本発明のカラーフィルターについて、その製造方法を通じて詳述する。
本発明のカラーフィルターの製造方法においては、既述の本発明の染料含有硬化性組成物が用いられる。
本発明の染料含有硬化性組成物がネガ型に構成されている場合、ネガ型染料含有硬化性組成物を支持体上に回転塗布、流延塗布、ロール塗布等の塗布方法により塗布して感放射線性組成物層を形成し、該層を所定のマスクパターンを介して露光し、現像液で現像することによって、ネガ型の着色パターンを形成する(画像形成工程)。また、必要により、形成された着色パターンを加熱および/または露光により硬化する硬化工程を含んでいてもよい。
【0137】
本発明の染料含有硬化性組成物がポジ型に構成されている場合、ポジ型染料含有硬化性組成物を支持体上に回転塗布、流延塗布、ロール塗布等の塗布方法により塗布して感放射線性組成物層を形成し、該層を所定のマスクパターンを介して露光し、現像液で現像することによって、ポジ型の着色パターンを形成した後(画像形成工程)、形成された着色パターンを加熱して硬化する(ポストベーク)。
【0138】
カラーフィルターの作製においては、ネガ型の場合は、上記画像形成工程(および必要により硬化工程)を所望の色相数だけ繰り返すことにより、ポジ型の場合は、上記画像形成工程およびポストベークを所望の色相数だけ繰り返すことにより、所望の色相よりなるカラーフィルターを作製することができる。
この際に使用される光若しくは放射線としては、特にg線、h線、i線等の紫外線が好ましく用いられる。
【0139】
上記基板としては、例えば、液晶表示素子等に用いられるソーダガラス、パイレックス(R)ガラス、石英ガラスおよびこれらに透明導電膜を付着させたものや、撮像素子等に用いられる光電変換素子基板、例えばシリコン基板等や、相補性金属酸化膜半導体(CMOS)等が挙げられる。これらの基板は、各画素を隔離するブラックストライプが形成されている場合もある。
また、これらの基板上には、必要により、上部の層との密着改良、物質の拡散防止あるいは基板表面の平坦化のために下塗り層を設けてもよい。
【0140】
上記現像液としては、本発明の染料含有硬化性組成物の未硬化部を溶解する一方、硬化部は溶解しない組成よりなるものであればいかなるものも用いることができる。具体的には、種々の有機溶剤の組合わせやアルカリ性の水溶液を用いることができる。上記有機溶剤としては、本発明の染料含有硬化性組成物を調製する際に使用される前述の溶剤が挙げられる。
【0141】
上記アルカリ性の水溶液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム,硅酸ナトリウム、メタ硅酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ−〔5.4.0〕−7−ウンデセン等のアルカリ性化合物を、濃度が0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜1質量%となるように溶解してなるアルカリ性水溶液が好適である。尚、このようなアルカリ性水溶液からなる現像液を使用した場合は、一般に、現像後水で洗浄する。
【0142】
また、本発明のカラーフィルターは、液晶表示素子やCCD等の固体撮像素子に用いることができ、特に100万画素を超えるような高解像度のCCD素子やCMOS素子等に好適である。本発明のカラーフィルターは、例えば、CCDを構成する各画素の受光部と集光するためのマイクロレンズとの間に配置されるカラーフィルターとして用いることができる。
【0143】
【実施例】
本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は質量基準である。
【0144】
[実施例1]
(1)染料レジスト溶液の調製
下記組成を混合して溶解し、染料レジスト溶液を調製した。
【0145】
(2)下塗り層付ガラス基板の作製
ガラス基板(コーニング1737)を1%NaOH水で超音波洗浄した後、水洗、脱水ベーク(200℃/30分)を行った。
ついで富士フイルムアーチ(株)製CT−2000Lの溶液を、洗浄したガラス基板上に膜厚2μmになるようにスピンコーターを用いて塗布し、220℃で1時間加熱乾燥して、下塗り層付ガラス基板を得た。
【0146】
(3)染料レジストの露光・現像(画像形成)
上記(1)で得られた染料レジスト溶液を上記(2)で得られた下塗り層付ガラス基板の下塗り層の上に膜厚が1μmになるようにスピンコーターを用いて塗布し、120℃で120秒間プリベークした。
ついで、i線縮小投影露光装置を使用して、塗布膜に365nmの波長で5μmのアイランドパターンマスクを通して800mJ/cm2の露光量で照射した。露光後、60%CD−2000(富士フイルム・アーチ(株)製)現像液を使用して、26℃で90秒の時間で現像した。次いで、流水で20秒間リンスした後、スプレー乾燥した。
【0147】
(4)評価
画像形成およびパターン形状はSEM写真観察により通常の方法で確認した。
【0148】
−矩形性−
形成されたパターンの矩形性は、基板とパターン側壁とのなす角をSEM写真から測定して評価した。
基板とパターン側壁とのなす角が大きいほど矩形性に優れる。
〔基準〕
A:基板とパターン側壁とのなす角が88度以上
B:基板とパターン側壁とのなす角が80度以上88度未満
C:基板とパターン側壁とのなす角が80度未満
【0149】
−解像力−
解像力は、5μm×5μmの正方画素パターンを、マスク設計寸法に対して1:1に再現できる露光量で露光した際に、マスク設計寸法に対して1:1で再現できる最小のパターン寸法で表した。再現できるパターン寸法が小さいほど解像力に優れる。
〔基準〕
A:1.5μmのパターンが再現できる。
B:1.5〜3μmのパターンが再現できる。
C:3〜5μmのパターンが再現できる。
D:5μmのパターンが再現できない。
【0150】
結果を下記表2に示す。
【0151】
[実施例2〜8、比較例1〜6]
実施例1の(1)染料レジスト溶液の調製において、具体例(P−1)の化合物(本発明におけるバインダー)に代えて、下記表1に示すバインダーをそれぞれ用いたこと以外、実施例1と同様にして、染料含有硬化性組成物を調製し、更にパターン画像を形成すると共に、同様の評価を行なった。尚、比較例1〜4及び6についてはポリマー型界面活性剤(メガファックF−475)を用いなかった。結果を下記表2に示す。
【0152】
【表1】
Q−1:メタクリル酸/ベンジルアクリレート共重合体(組成比40/60)
S−1:C6F13基を有するアクリレート/ポリオキシエチレンアクリレートとの共重合体(組成比30/70)
S−2:C6F13基を有するアクリレート/ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン・ポリオキシエチレンブロックアクリレートとの共重合体(組成比30/70)
【0153】
【化19】
【0154】
【表2】
【0155】
表2に示される様に、本発明におけるバインダーを使用することにより、パターン矩形性、解像力に関して従来例(比較例)よりも優れた染料含有硬化性組成物を得ることができた。これにより、本発明のバインダーを用いると、十分な重合性、硬化性が得られ、さらに、パターン矩形性、解像力も良好な性能が得られ、各種カラーフィルター用の染料含有硬化性組成物として有用な事は明らかである。
一方、比較例に示されるように、本発明のバインダーと界面活性剤との両者を用いないと実用に耐えないレジストであることが明白である。
【0156】
[実施例9〜16]
実施例1〜8のガラス基板をシリコンウエハー基板に代えた他は,全て同様の操作を行い、パターン画像を得た。パターン矩形性、現像残渣、耐熱性のいずれにおいても実施例1から8と同様の結果が得られた。
【0157】
[実施例17]
実施例1の染料レジスト溶液の調製において、「acid yellow42のビス(ジトリルグアニジン)塩」に代えて、「Valifast Red−1360(オリエント化学(株)製)」を用いた他は、全て実施例1と同様の操作を行い、パターン画像を得た。パターン矩形性、解像力は実施例1と同様の結果が得られた。
【0158】
[実施例18]
実施例3の染料レジスト溶液の調製において、「acid yellow42のビス(ジトリルグアニジン)塩」に代えて、「Valifast Blue−2620(オリエント化学(株)製)」を用いた他は、全て実施例3と同様の操作を行い、パターン画像を得た。パターン矩形性、解像力は実施例3と同様の結果が得られた。
【0159】
[実施例19]
実施例5の染料レジスト溶液の調製において、「acid yellow42のビス(ジトリルグアニジン)塩」に代えて、「2,7−Naphthalenedisulfonic acid,3−[(5−chloro−2−phenoxyphenyl)hydrazono]−3,4−dihydro−4−oxo−5−[(phenylsulfonyl)amino]−,ditolylguanidine salt」を用いた他は、全て実施例5と同様の操作を行い、パターン画像を得た。
パターン矩形性、解像力は実施例5と同様の結果が得られた。
【0160】
【発明の効果】
本発明の染料含有硬化性組成物によれば、矩形パターンが得られ、高解像力に微細なパターンが再現よく形成できる優れた硬化物を与えることができる。
また本発明の染料含有硬化性組成物を用いることで、簡便でコストパフォーマンスの高いカラーフィルターおよびその製造方法を提供できる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示素子(LCD)や固体撮像素子(CCD、CMOS等)に用いられるカラーフィルターの着色画像の形成に好適な染料含有硬化性組成物、並びにこれを用いたカラーフィルターおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示素子や固体撮像素子に用いられるカラーフィルターを作製する方法としては、染色法、印刷法、電着法および顔料分散法が知られている。
【0003】
このうち顔料分散法は、顔料を種々の感光性組成物に分散させた着色感放射線性組成物を用いてフォトリソ法によってカラーフィルターを作製する方法であり、顔料を使用しているために光や熱等に安定であるという利点を有している。またフォトリソ法によってパターニングするため、位置精度が高く、大画面、高精細カラーディスプレイ用カラーフィルターを作製するのに好適な方法として広く利用されてきた。
【0004】
しかし、近年、固体撮像素子用のカラーフィルターにおいては更なる高精細化が望まれており、従来の顔料分散系では解像度が向上せず、また顔料の粗大粒子による色むらが発生する等の問題がある。このため、固体撮像素子のように微細パターンを有するカラーフィルターが要求される用途には適さなかった。
【0005】
この問題を解決する為、従来から染料の使用が提案されているが、染料含有の硬化性組成物は新たな問題点を含んでいる(例えば、特許文献1参照。)。すなわち、
(1)通常の色素はアルカリ水溶液または有機溶剤のいずれかに溶解性が低い為、所望のスペクトルを有する液状の硬化性組成物を得るのが困難である。
(2)染料は、硬化性組成物中の他の成分と相互作用を示す場合が多い為、硬化部、非硬化部の溶解性(現像性)の調節が困難である。
(3)染料のモル吸光係数(ε)が低い場合は、多量の染料を添加しなければならず、硬化性組成物中の重合性化合物(モノマー)やバインダー、光重合開始剤等の他の成分を減らさざるを得なくなるため、組成物の硬化性、硬化後の耐熱性、(非)硬化部の現像性が低下する等の問題を生じる。
(4)染料は一般的に顔料に比べ、耐光性、耐熱性に劣る。
等である。
【0006】
これらの問題の為、染料含有の硬化性組成物を用いて高精細カラーフィルター用の微細かつ薄膜の着色パターンに関する実用上の要求性能を満足することは困難であった。
更に、高精細カラーフィルターのパターンが微細化するほど、パターンプロファイルが劣化し、基板とパターン側壁のなす角がテーパーとなる問題があり、改良が強く望まれてきた。
【0007】
一方、特定のアミド構造を有する単量体と、カルボキシル基を有する単量体と、アルキルまたは環状アルキル置換エステル基を有する単量体を主成分とする共重合体の溶液に、重合性のモノマーと光重合開始剤と更に染料とを含有する感光性着色樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。かかる感光性樹脂組成物には、上記特定のアミド構造を有する単量体としてN−ブトキシメチルアクリルアミドなどが使用できるとされており、上記カルボキシル基を有する単量体としてはアクリル酸、メタクリル酸などが例示されている。また、第三の必須成分単量体として各種エステル系モノマーが挙げられているが、フッ素原子および/またはシリコン原子を有するポリマー型界面活性剤については何ら示唆されていない。
【0008】
同様に、特定構造の三級アミドの構造を有する単量体およびN−アルコキシメチル基を有する単量体の少なくとも一方と、特定のカルボキシル基を有する単量体と、特定構造のアルキルアクリレートまたはアルキルメタクリレートの単量体と、更に光架橋性基を有する単量体とを主成分とする共重合体の溶液に着色剤を加えてなることを特徴とする感光性樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
かかる感光性樹脂組成物は、N−アルコキシメチル基を有するモノマーとして、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミドなどを用いることができる。また、光架橋性基を有する単量体の架橋基としては、シンナモイル基、シンナミリデン基、カルコン基、クマリン基、スチルベン基、スチリルピリジニウム基、スチリルキノリニウム基、チミン基、α−フェニルマレインイミド基、アントラセン基、2−ピロン基などが挙げられており、感度などの観点から特にスチリルピリジニウム基、スチリルキノリニウム基が好ましい旨開示されている。しかしながら、上記フッ素原子および/またはシリコン原子を有するポリマー型界面活性剤については何ら示唆されていない。
【0009】
これら上述の組成物では、いずれも2μm以下の微細パターンにおけるパターンプロファイルがテーパーとなるため実用に耐えず、高解像力でかつ現像後のパターン矩形性に優れ、生産性の高い染料含有硬化性組成物の開発が望まれていた。
【0010】
【特許文献1】
特開平6−75375号公報等
【特許文献2】
特開2000−352819号公報
【特許文献3】
特開2001−183830号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、高解像力でかつ現像後のパターン矩形性に優れる、生産性の高い染料含有硬化性組成物、並びに、それを用いたカラーフィルターおよびその製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、下記構成のカラーフィルター用着色剤含有硬化性組成物、並びに、それを使用したカラーフィルターおよびその製造方法が提供されて、本発明の目的が達成される。
【0013】
<1>(A)酸性基を有するアルカリ可溶性バインダー、(B)有機溶剤可溶性染料、(C)感放射線性化合物、および(D)フッ素原子および/またはシリコン原子を有するポリマー型界面活性剤、を含んでなる染料含有硬化性組成物であって、前記アルカリ可溶性バインダーが、少なくとも下記一般式(I)で表される単量体成分を含んでなることを特徴とする染料含有硬化性組成物である。
【化2】
〔一般式(I)中、Rは水素原子またはメチル基を表し、R1は水素原子、または置換基を有してもよいアルキル基を表し、R2は置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基、または置換基を有してもよいアリール基を表す。〕
【0014】
<2> 前記アルカリ可溶性バインダーが更に、下記一般式(II)で表される単量体成分を少なくとも含んでなることを特徴とする上記<1>の染料含有硬化性組成物である。
【化3】
〔一般式(II)中、Rは水素原子またはメチル基を表し、Lは酸素原子、−NH−基または−N(X−Z)−基を表し、Xは置換基を有してもよい2価の連結基を表し、Zは不飽和二重結合を含む基を表す。〕
【0015】
<3> 前記有機溶剤可溶性染料が、酸性染料と含窒素化合物との塩、または、酸性染料のスルホンアミド体であることを特徴とする上記<1>または<2>の染料含有硬化性組成物である。
【0016】
<4> 前記有機溶剤可溶性染料が、アゾ系若しくはフタロシアニン系の酸性染料と含窒素化合物との塩、または、アゾ系若しくはフタロシアニン系のスルホンアミド化合物である特徴とする上記<1>〜<3>の染料含有硬化性組成物である。
【0017】
<5> 前記<1>〜<4>のいずれかに記載の染料含有硬化性組成物を用いてなることを特徴とするカラーフィルタである。
【0018】
<6> 前記<1>〜<4>のいずれかに記載の染料含有硬化性組成物を支持体上に塗布後、マスクを通して露光し、現像してパターン像を形成する工程を有することを特徴とするカラーフィルタの製造方法である。
前記カラーフィルタの製造方法において、所望の色相よりなるカラーフィルタを製造するに際しては前記工程が所望の色相数だけ繰り返される。また、必要に応じて、前記パターン像を加熱および/または露光により硬化する工程を有する態様も好適である。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の染料含有硬化性組成物、並びに、それを用いたカラーフィルターおよびその製造方法について詳述する。
【0020】
《染料含有硬化性組成物》
本発明の染料含有硬化性組成物は、(A)酸性基を有するアルカリ可溶性バインダー、(B)有機溶剤可溶性染料、(C)感放射線性化合物、および(D)フッ素原子および/またはシリコン原子を有するポリマー型界面活性剤とを含んでなり、上記バインダー(A)が下記一般式(I)で表される単量体成分を少なくとも含んでなることを特徴とする。
【化4】
〔一般式(I)中、Rは水素原子またはメチル基を表し、R1は水素原子、または置換基を有してもよいアルキル基を表し、R2は置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基、または置換基を有してもよいアリール基を表す。〕
【0021】
(バインダー)
まず、(A)酸性基を有するアルカリ可溶性バインダー(以下、「本発明におけるバインダー」という場合がある。)について説明する。
本発明におけるバインダーは、酸性基を有するアルカリ可溶性バインダーであって、上記一般式(I)で示される単量体構造を少なくとも含むことを特徴とする。ここで、一般式(I)中Rは水素原子またはメチル基であり、R1は水素原子または置換基を有してもよいアルキル基を表す。R1において好ましい置換基としては、アルコキシ基、アラルキル基が挙げられる。上記アルキル基の炭素数としては1〜6が好ましく、1〜4がさらに好ましい。上記アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基が挙げられ、上記置換基を有するアルキル基としては、ブトキシメチル基、プロポキシメチル基、エトキシメチル基、メトキシメチル基などが挙げられる。
【0022】
上記R2は、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基、置換基を有してもよいアリール基を表す。具体的に、該アルキル基としては炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、炭素数1〜4のアルキル基がさらに好ましい。上記アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基が挙げられ、置換基を有するアルキル基の好ましい置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、水酸基、カルボキシル基などが挙げられる。
【0023】
また、R2で表されるアラルキル基としては、炭素数7〜12のアラルキル基が好ましく、炭素数7〜10のアラルキル基がさらに好ましい。具体的に、該アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基が挙げられ、好ましい置換基としては、メチル基、エチル基等のアルキル基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、水酸基、カルボキシル基などが挙げられる。
【0024】
R2で表されるアリール基としては、炭素数6〜14のアリール基が好ましく、炭素数6〜10のアリール基がさらに好ましい。具体的に、該アリール基としては、フェニル基、ナフチル基などが挙げられ、好ましい置換基としてはメチル基、エチル基等のアルキル基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、水酸基、カルボキシル基などが挙げられる。
【0025】
本発明におけるバインダーにはアルカリ可溶性を付与するための酸性基が必要である。このため、本発明におけるバインダーは、酸性基を有する単量体成分を少なくとも含んでおり、該酸性基としては、カルボキシル基、フェノール性水酸基、スルホン酸基、スルフィン酸基、スルホンアミド基、ジスルホニルイミド基、スルホニルアミド基などが挙げられるが、pKa12以下、好ましくはpKa10以下、より好ましくはpKa8以下の酸性基を用いることができる。上記酸性基の好ましい例としては、メタクリル酸、アクリル酸、ビニル安息香酸、ビニルフェノールなどが挙げられるがこの限りではない。
【0026】
本発明におけるバインダーは、更に下記一般式(II)で表される単量体成分を少なくとも含むことが好ましい。
【0027】
【化5】
〔一般式(II)中、Rは水素原子またはメチル基を表し、Lは酸素原子、−NH−基または−N(X−Z)−基を表し、Xは置換基を有してもよい2価の連結基を表し、Zは不飽和二重結合を含む基を表す。〕
【0028】
一般式(II)中、Xで表される2価の連結基の好適な例としては、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキレン基、アルキレンオキシ基、またはエチルオキシカルボニルアミノエチル基から選択される基が挙げられる。より具体的には、炭素数1〜15のアルキレン基、アルキレンオキシ基、またはエチルオキシカルボニルアミノエチル基が更に好ましく、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、エチレンオキシ基、ジエチレンオキシ基、トリエチレンオキシ基、エチルオキシカルボニルアミノエチル基が特に好ましい。これらの基はさらに置換基を有していてもよい。該置換基としては、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、炭素数1〜5のアルキル基が特に好ましい。上記置換基として、より具体的にはメチル基、エチル基、分岐または直鎖のプロピル基、ブチル基が好ましく挙げられる。
【0029】
一般式(II)においてZは、不飽和二重結合を含む基を表す。該不飽和二重結合を含む基の具体例として、ビニルオキシ基、アリルオキシ基、(メタ)アクリロイルオキシ基、4−ビニルフェニルオキシ基、4−ビニルフェニルメチルオキシ基、ビニルエステル基がより好ましく、アリルオキシ基、(メタ)アクリロイルオキシ基、4−ビニルフェニルメチルオキシ基が特に好ましい。
【0030】
一般式(I)で示される単量体成分のモル分率は、ポリマー(酸性基を有するアルカリ可溶性バインダー)に対して90〜10モル%が好ましく、85〜15モル%が更に好ましく、70〜20モル%が特に好ましい。
上記酸性基を有する単量体成分のモル分率は、ポリマー(酸性基を有するアルカリ可溶性バインダー)に対して10〜50モル%が好ましく、15〜45モル%が更に好ましい。
また、一般式(II)で示される単量体成分のモル分率は、酸性基を有するアルカリ可溶性バインダー)に対して20〜70モル%が好ましく、30〜60モル%が更に好ましい。
【0031】
本発明におけるバインダーの分子量は、重量平均分子量で、1500〜1000000Da(ダルトン:分子量の単位)が好ましく、2000〜500000Daが更に好ましく、4000〜100000Daが特に好ましい。
【0032】
本発明におけるバインダーを構成する成分(いわゆる共重合成分)としては、硬化特性、画像形成性を付与する観点から、他の共重合可能な単量体成分を適宜選定して用いることができる。上記他の共重合成分としては、例えば、特開昭59−44615号、特公昭54−34327号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭59−53836号、特開昭59−71048号明細書に記載されているようなメタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、(無水)マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体、部分アミド化マレイン酸共重合体に使用されているモノマー、(メタ)アクリレート類、(メタ)アクリルアミド類、ビニル基を有する芳香族炭化水素環類、ビニル基を有するヘテロ芳香族環類、無水マレイン酸、イタコン酸エステル類、クロトン酸エステル類、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)クロトンニトリル、各種スチレン類、各種ヒドロキシスチレン類、各種ビニル安息香酸類、各種ベンゾイルオキシエチレン類、各種アセトキシエチレン類、ビニルカルバゾール類、ビニルピロリドン、等が挙げられる。
【0033】
この中でも、上記他の共重合成分としては、置換基を有していてもよい炭素数1〜25の(シクロ)アルキル(メタ)アクリレート、置換基を有していてもよい炭素数1〜25のビシクロ環を有する(メタ)アクリレート、置換基を有していてもよい炭素数1〜25のアラルキル(メタ)アクリレート、置換基を有していてもよい炭素数1〜25のアリール(メタ)アクリレート、
【0034】
(メタ)アクリルアミド、置換基を有していてもよい炭素数1〜25の2級または3級の(シクロ)アルキル(メタ)アクリルアミド、置換基を有していてもよい炭素数1〜25の2級または3級のビシクロ環を有する(メタ)アクリルアミド、置換基を有していてもよい炭素数1〜25の2級または3級のアラルキル(メタ)アクリルアミド、置換基を有していてもよい炭素数1〜25の2級または3級のアリール(メタ)アクリルアミド、置換基を有していてもよい炭素数1〜25の(メタ)アクリロイルモルホリン、ビニル基を有する置換または無置換の炭素数1〜25の芳香族炭化水素環、ビニル基を有する置換または無置換の炭素数1〜25のヘテロ芳香族環、無水マレイン酸、置換または無置換の炭素数1〜25の(α−メチル−)スチレン、ビニルイミダゾール、ビニルトリアゾール、置換または無置換の炭素数1〜25の部分エステル化マレイン酸共重合体、置換または無置換の炭素数1〜25の部分アミド化マレイン酸、メチルジャスモネート、
【0035】
イタコン酸、置換基を有していてもよい炭素数1〜25のイタコン酸(シクロ)アルキルエステル、置換基を有していてもよい炭素数1〜25のビシクロ環を有するイタコン酸エステル、置換基を有していてもよい炭素数1〜25のイタコン酸アラルキルエステル、置換基を有していてもよい炭素数1〜25のイタコン酸アリールエステル、
【0036】
クロトン酸、置換基を有していてもよい炭素数1〜25のクロトン酸(シクロ)アルキルエステル、置換基を有していてもよい炭素数1〜25のビシクロ環を有するクロトン酸エステル、置換基を有していてもよい炭素数1〜25のクロトン酸アラルキルエステル、置換基を有していてもよい炭素数1〜25のクロトン酸アリールエステル、
【0037】
置換基を有していてもよい炭素数1〜25のベンゾイルオキシエチレン類、置換基を有していてもよい炭素数1〜25のアセトキシエチレン類、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)クロトンニトリル、置換基を有していてもよい炭素数1〜25のビニルカルバゾール、ビニルピロリドン、が好ましい。
【0038】
さらに、これらなかでも中でも、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の(シクロ)アルキル(メタ)アクリレート、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のビシクロ環を有する(メタ)アクリレート、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアラルキル(メタ)アクリレート、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアリール(メタ)アクリレート、
【0039】
(メタ)アクリルアミド、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の2級または3級の(シクロ)アルキル(メタ)アクリルアミド、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の2級または3級のビシクロ環を有する(メタ)アクリルアミド、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の2級または3級のアラルキル(メタ)アクリルアミド、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の2級または3級のアリール(メタ)アクリルアミド;置換基を有していてもよい炭素数1〜20の(メタ)アクリロイルモルホリン、
【0040】
ビニル基を有する置換または無置換の炭素数1〜20の芳香族炭化水素環、ビニル基を有する置換または無置換の炭素数の1〜20ヘテロ芳香族環、無水マレイン酸、置換または無置換の炭素数1〜20の部分エステル化マレイン酸共重合体、置換または無置換の炭素数1〜20の部分アミド化マレイン酸、置換または無置換の炭素数1〜20の(α−メチル−)スチレン、メチルジャスモネート、
【0041】
イタコン酸、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のイタコン酸(シクロ)アルキルエステル、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のビシクロ環を有するイタコン酸エステル、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のイタコン酸アラルキルエステル、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のイタコン酸アリールエステル、
【0042】
クロトン酸、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のクロトン酸(シクロ)アルキルエステル、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のビシクロ環を有するクロトン酸エステル、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のクロトン酸アラルキルエステル、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のクロトン酸アリールエステル、
【0043】
置換基を有していてもよい炭素数1〜20のベンゾイルオキシエチレン類、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアセトキシエチレン類、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のビニルカルバゾール、ビニルピロリドン;(メタ)アクリロニトリル、(メタ)クロトンニトリル、がより好ましい。
【0044】
これらの中でも特に、置換基を有していてもよい、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、
【0045】
置換基を有していてもよい、アダマンチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ノルボルナンメチル(メタ)アクリレート、ノルボルネンメチル(メタ)アクリレート;置換基を有していてもよいベンジル(メタ)アクリレート、ナフチルメチル(メタ)アクリレート、アントラセンメチル(メタ)アクリレート、フェニルエチル(メタ)アクリレート;置換基を有していてもよいフェニル(メタ)アクリレート、ナフチル(メタ)アクリレート、
【0046】
(メタ)アクリルアミド、置換基を有していてもよい(ジ)メチル(メタ)アクリルアミド、(ジ)エチル(メタ)アクリルアミド、直鎖または分岐の(ジ)プロピル(メタ)アクリルアミド、直鎖または分岐の(ジ)ブチル(メタ)アクリルアミド、直鎖または分岐の(ジ)ペンチル(メタ)アクリルアミド、(ジ)ノルマルヘキシル(メタ)アクリルアミド、(ジ)シクロヘキシル(メタ)アクリルアミド、(ジ−)2−エチルヘキシル(メタ)アクリルアミド;置換基を有していてもよいアダマンチル(メタ)アクリルアミド、ノルアダマンチル(メタ)アクリルアミド;置換基を有していてもよいベンジル(メタ)アクリルアミド、ナフチルエチル(メタ)アクリルアミド、フェニルエチル(メタ)アクリルアミド;置換基を有していてもよい(ジ)フェニル(メタ)アクリルアミド、ナフチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、ピペリジルアクリルアミド、ピロリジルアクリルアミド、
【0047】
(α−メチル−)スチレン、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール、ビニルトリアゾール、無水マレイン酸、メチルジャスモネート;イタコン酸;クロトン酸、置換基を有していてもよい、メチルクロトネート、エチル(クロトネート、直鎖または分岐のプロピルクロトネート、直鎖または分岐のブチルクロトネート、直鎖または分岐のペンチルクロトネート、ノルマルヘキシルクロトネート、シクロヘキシルクロトネート、ノルマルヘプチルクロトネート、2−エチルヘキシルクロトネート、ノルマルオクチルクロトネート、ノルマルデシルクロトネート、ノルマルドデシルクロトネート;置換基を有していてもよいアダマンチルクロトネート、イソボルニルクロトネート、ノルボルナンメチルクロトネート、ノルボルネンメチルクロトネート;置換基を有していてもよいベンジルクロトネート、ナフチルメチルクロトネート、アントラセンメチルクロトネート、フェニルエチルクロトネート;置換基を有していてもよいフェニルクロトネート、ナフチルクロトネート、
【0048】
置換基を有していてもよいベンゾイルオキシエチレン、置換基を有していてもよいアセトキシエチレン、置換基を有していてもよいビニルカルバゾール、ビニルピロリドン等が特に好ましい。
また、上記のカルボキシル基は、金属塩となっていてもよい。
【0049】
上記置換基としては、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアラルキル基、炭素数1〜20のアリール基、炭素数1〜20のアシルオキシ基、炭素数1〜20のアシル基、炭素数1〜20のアルコキシカルボニル基、炭素数1〜20のアリールカルボニル基、炭素数1〜20のジアルキルアミノ基、炭素数1〜20のアルキルアミノ基、ハロゲン原子、シアノ基、フリル基、フルフリル基、テトラヒドロフリル基、テトラヒドロフルフリル基、アルキルチオ基、トリメチルシリル基、トリフルオロメチル基、カルボキシル基、チエニル基、モルホリノ基、モルホリノカルボニル基、等が好ましい。
【0050】
これらの中でも上記置換基としては、炭素数1〜15のアルキル基、炭素数1〜15のアルコキシ基、炭素数1〜15のアラルキル基、炭素数1〜15のアリール基、炭素数1〜15のアシルオキシ基、炭素数1〜15のアシル基、炭素数1〜15のアルコキシカルボニル基、炭素数1〜15のアリールカルボニル基、炭素数1〜15のジアルキルアミノ基、炭素数1〜15のアルキルアミノ基、ハロゲン原子、シアノ基、フリル基、フルフリル基、テトラヒドロフリル基、テトラヒドロフルフリル基、アルキルチオ基、トリメチルシリル基、トリフルオロメチル基、カルボキシル基、チエニル基、モルホリノ基、モルホリノカルボニル基、等がより好ましい。
【0051】
さらに、上記置換基としては、メチル基、エチル基、直鎖または分岐のプロピル基、直鎖または分岐のブチル基、直鎖または分岐のペンチル基、ノルマルヘキシル基、シクロヘキシル基、ノルマルヘプチル基、2−エチルヘキシル基、ノルマルオクチル基、ノルマルデシル基、ノルマルドデシル基、メチルオキシ基、エチルオキシ基、直鎖または分岐のプロピルオキシ基、直鎖または分岐のブチルオキシ基、直鎖または分岐のペンチルオキシ基、ノルマルヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ノルマルヘプチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ノルマルオクチルオキシ基、ノルマルデシルオキシ基、ノルマルドデシルオキシ基、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基、フェニル基、ナフチル基、
【0052】
メチルカルボニルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、直鎖または分岐のプロピルカルボニルオキシ基、直鎖または分岐のブチルカルボニルオキシ基、直鎖または分岐のペンチルカルボニルオキシ基、ノルマルヘキシルカルボニルオキシ基、シクロヘキシルカルボニルオキシ基、ノルマルヘプチルカルボニルオキシ基、2−エチルヘキシルカルボニルオキシ基、ノルマルオクチルカルボニルオキシ基、ノルマルデシルカルボニルオキシ基、ノルマルドデシルカルボニルオキシ基、
【0053】
メチルカルボニル基(アセチル基)、エチルカルボニル基、直鎖または分岐のプロピルカルボニル基、直鎖または分岐のブチルカルボニル基、直鎖または分岐のペンチルカルボニル基、ノルマルヘキシルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基、ノルマルヘプチルカルボニル基、2−エチルヘキシルカルボニル基、ノルマルオクチルカルボニル基、ノルマルデシルカルボニル基、ノルマルドデシルカルボニル基、
【0054】
メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、直鎖または分岐のプロピルオキシカルボニル基、直鎖または分岐のブチルオキシカルボニル基、直鎖または分岐のペンチルオキシカルボニル基、ノルマルヘキシルオキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基、ノルマルヘプチルオキシカルボニル基、2−エチルヘキシルオキシカルボニル基、ノルマルオクチルオキシカルボニル基、ノルマルデシルオキシカルボニル基、ノルマルドデシルオキシカルボニル基、
【0055】
ベンゾイル基、ナフチルカルボニル基;(ジ)メチルアミノ基、(ジ)エチルアミノ基、直鎖または分岐の(ジ)プロピルアミノ基、直鎖または分岐の(ジ)ブチルアミノ基、直鎖または分岐の(ジ)ペンチルアミノ基、(ジ)ノルマルヘキシルアミノ基、(ジ)シクロヘキシルアミノ基、(ジ)ノルマルヘプチルアミノ基、(ジ)2−エチルヘキシルアミノ基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子;シアノ基、フリル基、フルフリル基、テトラヒドロフリル基、テトラヒドロフルフリル基、アルキルチオ基、トリメチルシリル基、トリフルオロメチル基、カルボキシル基、チエニル基、モルホリノ基、モルホリノカルボニル基、等が特に好ましい。
また、これらの置換基はさらに上述の置換基で置換されていてもよい。
【0056】
さらに、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)クロトンニトリルも特に好ましい共重合成分(共重合モノマー)の例として挙げられる。
【0057】
上記他の共重合性分としては、その他親水性を有するモノマーとして、燐酸、燐酸エステル、4級アンモニウム塩、エチレンオキシ鎖、プロピレンオキシ鎖、スルホン酸およびその塩、モルホリノエチル基等を含んだモノマー等も有用である。また、ガラス転移温度を低下させない範囲でヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレートなどのモノマーも用いることができる。
上記のスルホン酸基、カルボン酸基は、金属塩となっていてもよい。
本発明におけるバインダーにおいて、共重合するモノマーの種類や数は特に限定されないが、2〜12種が好ましく、1〜8種がより好ましく、2〜5種が特に好ましい。
【0058】
以下に本発明におけるバインダー構造の具体例(P−1〜P−12)を挙げるが、本発明は、これらに限定されるものではない。
【0059】
【化6】
【0060】
【化7】
【0061】
(有機溶剤可溶性染料)
つぎに(B)有機溶剤可溶性染料(以下、単に「染料」という場合がある。)について説明する。染料は、スルホン酸やカルボン酸等の酸性基を有する酸性染料、酸性染料と含窒素化合物との塩、酸性染料のスルホンアミド体(スルホンアミド化合物)等が使用できる。本発明における染料は、硬化性組成物溶液として溶解させることが出来るものであれば特に限定されないが、有機溶剤や現像液に対する溶解性、吸光度、硬化性組成物中の他の成分との相互作用、耐光性、耐熱性等の必要とする性能の全てを考慮して選択される。
【0062】
以下に酸性染料の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
acid alizarin violet N;acid black1,2,24,48;acid blue1,7,9,25,29,40,45,62,70,74,80,83,90,92,112,113,120,129,147;acid chrome violet K;acid Fuchsin;acid green 1,3,5,25,27,50;acid orange 6,7,8,10,12,50,51,52,56,63,74,95;acid red 1,4,8,14,17,18,26,27,29,31,34,35,37,42,44,50,51,52,57,66,73,80,87,88,91,92,94,97,103,111,114,129,133,134,138,143,145,150,151,158,176,183,198,211,215,216,217,249,252,257,260,266,274;acid violet 6B,7,9,17,19;acid yellow 1,3,9,11,17,23,25,29,34,36,42,54,72,73,76,79,98,99,111,112,114,116;food yellow 3,およびこれらの誘導体が挙げられる。
【0063】
上記酸性染料のスルホンアミド体としては、上記酸性染料のスルホンアミド誘導体を好適に使用できる。
【0064】
本発明における染料としては、上記有機溶剤可溶性染料の中でも、アゾ系、キサンテン系、アンスラキノン系若しくはフタロシアニン系の酸性染料、または、これらの酸性染料と含窒素化合物との塩、或いはこれらの酸性染料から誘導されるスルホンアミド化合物が好ましく、アゾ系若しくはフタロシアニン系の酸性染料と含窒素化合物との塩、または、アゾ系若しくはフタロシアニン系のスルホンアミド化合物が特に好ましい。
【0065】
上記酸性染料と塩を形成する含窒素化合物、および、上記酸性染料とアミド結合を形成する含窒素化合物について説明する。上記含窒素化合物は、塩またはアミド化合物の有機溶剤や現像液に対する溶解性、塩形成性、染料の吸光度・色価、硬化性組成物中の他の成分との相互作用等の全てを勘案して選択される。吸光度・色価の観点のみで選択すると、上記含窒素化合物はできるだけ分子量の低いものが好ましく、そのなかで、分子量220以下であることが好ましく、分子量200以下であることがより好ましく、分子量180以下であることが特に好ましい。
以下に上記含窒素化合物の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、下記化合物中、「−NH−基」を有さないものは、アミド結合を形成する含窒素化合物ではない。
【0066】
【化8】
【0067】
【化9】
【0068】
【化10】
【0069】
【化11】
【0070】
【化12】
【0071】
【化13】
【0072】
【化14】
【0073】
【化15】
【0074】
【化16】
【0075】
【化17】
【0076】
【化18】
【0077】
つぎに上記有機溶剤可溶性染料の使用濃度について説明する。本発明の染料含有硬化性組成物の全固形成分中における本発明における染料の濃度は、染料の種類によって異なるが、0.5〜80質量%が好ましく、0.5〜60質量%がさらに好ましく、0.5〜50質量%が特に好ましい。
【0078】
(感放射線性化合物)
次に(C)感放射線性化合物について説明する。本発明の染料含有硬化性組成物中の必須成分である感放射線性化合物は、UV、Deep UV、可視光、赤外光、電子線などの放射線に対し、ラジカル発生、酸発生、塩基発生などの化学反応を起こしうる化合物であるが、アルカリ可溶性樹脂を架橋、重合、酸性基の分解などの反応により不溶化させたり、塗膜中に共存する重合性モノマーやオリゴマーの重合、架橋剤の架橋などを起こして塗膜をアルカリ現像液に対して不溶化させる目的で用いられる。
【0079】
上記感放射線性化合物としては、モノマー若しくはオリゴマーを重合させたり、架橋剤を架橋し得るものであれば、特に限定されないが、特性、開始効率、吸収波長、入手性、コスト等の観点で選ばれるのが好ましい。
【0080】
上記感放射線性化合物としては、例えば、ハロメチルオキサジアゾール化合物およびハロメチル−s−トリアジン化合物から選択される少なくとも一つの活性ハロゲン化合物、3−アリール置換クマリン化合物、ロフィン2量体、ベンゾフェノン化合物、アセトフェノン化合物およびその誘導体、シクロペンタジエン−ベンゼン−鉄錯体およびその塩、オキシム系化合物、等が挙げられる。
【0081】
上記ハロメチルオキサジアゾール化合物である活性ハロゲン化合物としては、特公昭57−6096号公報に記載の2−ハロメチル−5−ビニル−1,3,4−オキサジアゾール化合物等や、2−トリクロロメチル−5−スチリル−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(p−シアノスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(p−メトキシスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、等が挙げられる。
【0082】
上記ハロメチル−s−トリアジン系化合物である活性ハロゲン化合物としては、特公昭59−1281号公報に記載のビニル−ハロメチル−s−トリアジン化合物、特開昭53−133428号公報に記載の2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス−ハロメチル−s−トリアジン化合物および4−(p−アミノフェニル)−2,6−ジ−ハロメチル−s−トリアジン化合物、等が挙げられる。
【0083】
上記ハロメチル−s−トリアジン系化合物である活性ハロゲン化合物の具体例としては、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−p−メトキシスチリル−s−トリアジン、2,6−ビス(トリクロロメチル)−4−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,6−ビス(トリクロロメチル)−4−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(1−p−ジメチルアミノフェニル−1,3−ブタジエニル)−s−トリアジン、2−トリクロロメチル−4−アミノ−6−p−メトキシスチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(4−エトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(4−ブトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−〔4−(2−メトキシエチル)−ナフト−1−イル〕−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、
【0084】
2−〔4−(2−エトキシエチル)−ナフト−1−イル〕−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−〔4−(2−ブトキシエチル)−ナフト−1−イル〕−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(2−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(6−メトキシ−5−メチル−ナフト−2−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(6−メトキシ−ナフト−2−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(5−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(4,7−ジメトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(6−エトキシ−ナフト−2−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(4,5−ジメトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、
【0085】
4−〔p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−メチル−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−メチル−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔p−N,N−ジ(フェニル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(p−N−クロロエチルカルボニルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、
【0086】
4−〔p−N−(p−メトキシフェニル)カルボニルアミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔m−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔m−ブロモ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔m−クロロ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔m−フロロ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−ブロモ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−クロロ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、
【0087】
4−〔o−フロロ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−ブロモ−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−クロロ−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−フロロ−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔m−ブロモ−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔m−クロロ−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、
【0088】
4−〔m−フロロ−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(m−ブロモ−p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(m−クロロ−p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(m−フロロ−p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−ブロモ−p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−クロロ−p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、
【0089】
4−(o−フロロ−p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(m−ブロモ−p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(m−クロロ−p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(m−フロロ−p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−ブロモ−p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−クロロ−p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−フロロ−p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン等が挙げられる。
【0090】
その他、みどり化学社製のTAZシリーズ(例えば、TAZ−107、TAZ−110、TAZ−104、TAZ−109、TAZ−140、TAZ−204、TAZ−113、TAZ−123、TAZ−104)、PANCHIM社製のTシリーズ(例えば、T−OMS、T−BMP、T−R、T−B)、チバガイギー社製のイルガキュアシリーズ(例えば、イルガキュア651、イルガキュア184、イルガキュア500、イルガキュア1000、イルガキュア149、イルガキュア819、イルガキュア261)、ダロキュアシリーズ(例えばダロキュア1173)、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)−ベンゾフェノン、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−オクタンジオン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−4−モルホリノブチロフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、
【0091】
2−(o−クロルフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(p−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(p−メチルメルカプトフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、ベンゾインイソプロピルエーテル、等も有用に用いられる。
【0092】
これら感放射線性化合物には、増感剤や光安定剤を併用することができる。
その具体例として、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾイン、9−フルオレノン、2−クロロ−9−フルオレノン、2−メチル−9−フルオレノン、9−アントロン、2−ブロモ−9−アントロン、2−エチル−9−アントロン、9,10−アントラキノン、2−エチル−9,10−アントラキノン、2−t−ブチル−9,10−アントラキノン、2,6−ジクロロ−9,10−アントラキノン、キサントン、2−メチルキサントン、2−メトキシキサントン、2−メトキシキサントン、チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、アクリドン、10−ブチル−2−クロロアクリドン、ベンジル、ジベンジルアセトン、p−(ジメチルアミノ)フェニルスチリルケトン、p−(ジメチルアミノ)フェニル−p−メチルスチリルケトン、ベンゾフェノン、p−(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(またはミヒラーケトン)、p−(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、ベンゾアントロン等や特公昭51−48516号公報記載のベンゾチアゾール系化合物等や、チヌビン1130、同400等が挙げられる。
【0093】
本発明の染料含有硬化性組成物には、上述の感放射線性化合物のほかに他の公知の光重合開始剤を使用することができる。
具体的には、米国特許第2,367,660号明細書に開示されているビシナールポリケトルアルドニル化合物、米国特許第2,367,661号および第2,367,670号明細書に開示されているα−カルボニル化合物、米国特許第2,448,828号明細書に開示されているアシロインエーテル、米国特許第2,722,512号明細書に開示されているα−炭化水素で置換された芳香族アシロイン化合物、米国特許第3,046,127号および第2,951,758号明細書に開示されている多核キノン化合物、米国特許第3,549,367号明細書に開示されているトリアリルイミダゾールダイマー/p−アミノフェニルケトンの組合せ、特公昭51−48516号公報に開示されているベンゾチアゾール系化合物/トリハロメチール−s−トリアジン系化合物、等を挙げることができる。
【0094】
感放射線性化合物(および公知の開始剤)の総使用量としては、上記モノマー固形分(質量)に対して、0.01質量%〜50質量%が好ましく、1質量%〜30質量%がより好ましく、1質量%〜20質量%が特に好ましい。上記使用量が、0.01質量%より少ないと重合が進み難くなることがあり、50質量%を超えると、重合率は大きくなるが分子量が低くなり膜強度が弱くなることがある。
【0095】
(ポリマー型界面活性剤)
次に、(D)フッ素原子および/またはシリコン原子を有するポリマー型界面活性剤(以下、「フッ素系/シリコン系ポリマー型界面活性剤」という場合がある。)本発明の染料含有硬化性組成物は、本発明におけるバインダーおよび染料、感放射線性化合物の他に、フッ素原子および/またはシリコン原子を有するポリマー型界面活性剤が特異的にパターンプロファイルを向上させるために必須である。
【0096】
本発明の染料含有硬化性組成物は、本発明におけるバインダーと上記ポリマー型界面活性剤とを含有することによって、パターンが微細となった際のパターンプロファイルの改良に特に有効である。
上記フッ素系/シリコン系ポリマー型界面活性剤としては、例えば、特開昭62−36663号公報、特開昭61−226746号公報、特開昭61−226745号公報、特開昭62−170950号公報、特開昭63−34540号公報、特開平7−230165号公報、特開平8−62834号公報、特開平9−54432号公報、特開平9−5988号公報、特開2002−277862号公報、米国特許第5405720号明細書、同5360692号明細書、同5529881号明細書、同5296330号明細書、同5436098号明細書、同5576143号明細書、同5294511号明細書、同5824451号明細書に記載の界面活性剤を挙げることができ、下記市販の界面活性剤をそのまま用いることもできる。
【0097】
使用できる市販のフッ素系/シリコン系ポリマー型界面活性剤としては、例えば、エフトップEF301、EF303、(新秋田化成(株)製)、フロラードFC430、431(住友スリーエム(株)製)、メガファックF171、F173、F176、F189、R08(大日本インキ化学工業(株)製)、サーフロンS−382、SC101、102、103、104、105、106(旭硝子(株)製)、トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製)等のフッ素系界面活性剤またはシリコン系界面活性剤を挙げることができる。またポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製)もシリコン系のポリマー型界面活性剤として用いることができる。
【0098】
また、上記フッ素系/シリコン系ポリマー型界面活性剤としては、上記に示すような公知のものの他に、テロメリゼーション法(テロマー法ともいわれる)若しくはオリゴメリゼーション法(オリゴマー法ともいわれる)によって製造されるフルオロ脂肪族化合物から導かれたフルオロ脂肪族基を有する重合体を用いた界面活性剤を用いることが出来る。上記フルオロ脂肪族化合物は、特開2002−90991号公報に記載された方法によって合成することができる。
【0099】
上記フルオロ脂肪族基を有する重合体としては、フルオロ脂肪族基を有するモノマーと(ポリ(オキシアルキレン))アクリレートおよび/または(ポリ(オキシアルキレン))メタクリレートとの共重合体が好ましく、不規則に分布しているものでも、ブロック共重合していてもよい。また、上記ポリ(オキシアルキレン)基としては、ポリ(オキシエチレン)基、ポリ(オキシプロピレン)基、ポリ(オキシブチレン)基などが挙げられ、さらに、ポリ(オキシエチレンとオキシプロピレンとオキシエチレンとのブロック連結体)基やポリ(オキシエチレンとオキシプロピレンとのブロック連結体)基など同じ鎖内に異なる鎖長のアルキレンを有するようなユニットでもよい。また、フルオロ脂肪族基を有するモノマーと(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(またはメタクリレート)との共重合体は2元共重合体ばかりでなく、異なる2種以上のフルオロ脂肪族基を有するモノマーや、異なる2種以上の(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(またはメタクリレート)などを同時に共重合した3元系以上の共重合体でもよい。
【0100】
上記フルオロ脂肪族基を有する重合体を用いた界面活性剤としては、例えば、市販のフッ素系および/またはシリコン系界面活性剤として、メガファックF178、F−470、F−473、F−475、F−476、F−472(大日本インキ化学工業(株)製)を挙げることができる。さらに、C6F13基を有するアクリレート(またはメタクリレート)と(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(またはメタクリレート)との共重合体、C6F13基を有するアクリレート(またはメタクリレート)と(ポリ(オキシエチレン))アクリレート(またはメタクリレート)と(ポリ(オキシプロピレン))アクリレート(またはメタクリレート)との共重合体、C8F17基を有するアクリレート(またはメタクリレート)と(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(またはメタクリレート)との共重合体、C8F17基を有するアクリレート(またはメタクリレート)と(ポリ(オキシエチレン))アクリレート(またはメタクリレート)と(ポリ(オキシプロピレン))アクリレート(またはメタクリレート)との共重合体、などを挙げることができる。
【0101】
本発明における上記フッ素系/シリコン系ポリマー型界面活性剤の使用量は、染料含有硬化性組成物全量(溶剤を除く)に対して、好ましくは0.0001〜2質量%、より好ましくは0.001〜1質量%、特に好ましくは0.01質量%〜1質量%である。
【0102】
本発明の染料含有硬化性組成物は本発明の効果を損なわない範囲において、上記フッ素系/シリコン系ポリマー型界面活性剤と他の界面活性剤とを併用することができる。上記他の界面活性剤としては、具体的に、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタントリステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテ−ト、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等のノニオン系界面活性剤等を挙げることができる。
【0103】
本発明の染料含有硬化性組成物は、本発明における染料、本発明におけるバインダーおよび感放射線性化合物、上記界面活性剤の他に、モノマー(若しくはオリゴマー)、架橋剤、熱重合禁止剤、ナフトキノンジアジド化合物、溶剤等を含んでもよい。
以下、これらの材料について説明する。
【0104】
<モノマー若しくはオリゴマー>
モノマー若しくはオリゴマーとしては、少なくとも1つのエチレン性不飽和基を有するモノマー若しくはオリゴマーを用いることができる。
少なくとも1つのエチレン性不飽和基を有するモノマー若しくはオリゴマーとしては、少なくとも1つの付加重合可能なエチレン性二重結合を有する、常圧下で100℃以上の沸点を持つ化合物が好ましい。モノマー若しくはオリゴマーを上述の感放射線性化合物等と共に含有することにより、本発明の染料含有硬化性組成物をネガ型に構成することができる。また、硬化性を更に向上させる観点から、ポジ型の染料含有硬化性組成物に含有してもよい。
【0105】
上記少なくとも1つのエチレン性不飽和基を有するモノマー若しくはオリゴマーの例としては、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、等の単官能のアクリレートやメタアクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、
【0106】
トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイロキシエチル)イソシアヌレート、グリセリンやトリメチロールエタン等の多官能アルコールにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加させた後(メタ)アクリレート化したもの、特公昭48−41708号、特公昭50−6034号、特開昭51−37193号の各公報に記載されるウレタンアクリレート類、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号各公報に記載されているポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応生成物であるエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタアクリレートおよびこれらの混合物を挙げることができる。更に、日本接着協会誌Vol.20、No.7、300〜308頁に光硬化性モノマーおよびオリゴマーとして紹介されているものが挙げられる。
【0107】
<架橋剤>
本発明においては、補足的に架橋剤を用いて更に高度に硬化させた膜を得ることも可能である。以下、架橋剤について説明する。
本発明に使用可能な架橋剤としては、架橋反応により膜硬化を行えるものであれば特に限定はなく、例えば、(a)エポキシ樹脂、(b)メチロール基、アルコキシメチル基、およびアシロキシメチル基から選ばれる少なくとも一つの置換基で置換された、メラミン化合物、グアナミン化合物、グリコールウリル化合物またはウレア化合物、(c)メチロール基、アルコキシメチル基、およびアシロキシメチル基から選ばれる少なくとも一つの置換基で置換された、フェノール化合物、ナフトール化合物またはヒドロキシアントラセン化合物、が挙げられる。中でも、多官能エポキシ樹脂が好ましい。
【0108】
上記(a)エポキシ樹脂としては、エポキシ基を有し、かつ架橋性を有するものであればいずれであってもよく、例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ブタンジオールジグリシジルエーテル、へキサンジオールジグリシジルエーテル、ジヒドロキシビフェニルジグリシジルエーテル、フタル酸ジグリシジルエステル、N,N−ジグリシジルアニリン等の2価のグリシジル基含有低分子化合物、同様に、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリメチロールフェノールトリグリシジルエーテル、TrisP−PAトリグリシジルエーテル等に代表される3価のグリシジル基含有低分子化合物、同様に、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、テトラメチロールビスフェノールAテトラグリシジルエーテル等に代表される4価のグリシジル基含有低分子化合物、同様に、ジペンタエリスリトールペンタグリシジルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサグリシジルエーテル等の多価グリシジル基含有低分子化合物、ポリグリシジル(メタ)アクリレート、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物等に代表されるグリシジル基含有高分子化合物、等が挙げられる。
【0109】
上記架橋剤(b)に含まれるメチロール基、アルコキシメチル基、アシロキシメチル基が置換している数としては、メラミン化合物の場合2〜6、グリコールウリル化合物、グアナミン化合物、ウレア化合物の場合は2〜4であるが、好ましくはメラミン化合物の場合5〜6、グリコールウリル化合物、グアナミン化合物、ウレア化合物の場合は3〜4である。
以下、上記(b)のメラミン化合物、グアナミン化合物、グリコールウリル化合物およびウレア化合物を総じて、(b)に係る(メチロール基、アルコキシメチル基またはアシロキシメチル基含有)化合物という。
【0110】
上記(b)に係るメチロール基含有化合物は、(b)に係るアルコキシメチル基含有化合物をアルコール中で塩酸、硫酸、硝酸、メタンスルホン酸等の酸触媒存在下、加熱することにより得られる。上記(b)に係るアシロキシメチル基含有化合物は、(b)に係るメチロール基含有化合物を塩基性触媒存在下、アシルクロリドと混合攪拌することにより得られる。
【0111】
以下、上記置換基を有する(b)に係る化合物の具体例を挙げる。
上記メラミン化合物として、例えば、ヘキサメチロールメラミン、ヘキサメトキシメチルメラミン、ヘキサメチロールメラミンのメチロール基の1〜5個がメトキシメチル化した化合物またはその混合物、ヘキサメトキシエチルメラミン、ヘキサアシロキシメチルメラミン、ヘキサメチロールメラミンのメチロール基の1〜5個がアシロキシメチル化した化合物またはその混合物、などが挙げられる。
【0112】
上記グアナミン化合物として、例えば、テトラメチロールグアナミン、テトラメトキシメチルグアナミン、テトラメチロールグアナミンの1〜3個のメチロール基をメトキシメチル化した化合物またはその混合物、テトラメトキシエチルグアナミン、テトラアシロキシメチルグアナミン、テトラメチロールグアナミンの1〜3個のメチロール基をアシロキシメチル化した化合物またはその混合物などが挙げられる。
【0113】
上記グリコールウリル化合物としては、例えば、テトラメチロールグリコールウリル、テトラメトキシメチルグリコールウリル、テトラメチロールグリコールウリルのメチロール基の1〜3個をメトキシメチル化した化合物またはその混合物、テトラメチロールグリコールウリルのメチロール基の1〜3個をアシロキシメチル化した化合物またはその混合物、などが挙げられる。
【0114】
上記ウレア化合物として、例えば、テトラメチロールウレア、テトラメトキシメチルウレア、テトラメチロールウレアの1〜3個のメチロール基をメトキシメチル化した化合物またはその混合物、テトラメトキシエチルウレア、などが挙げられる。
これら(b)に係る化合物は、単独で使用してもよく、組合わせて使用してもよい。
【0115】
上記(c)の架橋剤、即ち、メチロール基、アルコキシメチル基、およびアシロキシメチル基から選ばれる少なくとも一つの基で置換された、フェノール化合物、ナフトール化合物またはヒドロキシアントラセン化合物は、上記架橋剤(b)の場合と同様、熱架橋により上塗りフォトレジストとのインターミキシングを抑制すると共に、膜強度を更に高めるものである。以下、これら化合物を総じて、(c)に係るメチロール基、アルコキシメチル基またはアシロキシメチル基含有化合物ということがある。
【0116】
上記架橋剤(c)に含まれるメチロール基、アシロキシメチル基またはアルコキシメチル基の数としては、一分子当り最低2個必要であり、熱架橋性および保存安定性の観点から、骨格となるフェノール化合物の2位,4位が全て置換されている化合物が好ましい。また、骨格となるナフトール化合物、ヒドロキシアントラセン化合物も、OH基のオルト位、パラ位が全て置換されている化合物が好ましい。上記フェノール化合物の3位または5位は、未置換であっても置換基を有していてもよい。
上記ナフトール化合物においても、OH基のオルト位以外は、未置換であっても置換基を有していてもよい。
【0117】
上記(c)に係るメチロール基含有化合物は、フェノール性OH基の2位または4位が水素原子である化合物を原料に用い、これを水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシド等の、塩基性触媒の存在下でホルマリンと反応させることにより得られる。
上記(c)に係るアルコキシメチル基含有化合物は、(c)に係るメチロール基含有化合物をアルコール中で塩酸、硫酸、硝酸、メタンスルホン酸等の酸触媒の存在下で加熱することにより得られる。
上記(c)に係るアシロキシメチル基含有化合物は、(c)に係るメチロール基含有化合物を塩基性触媒の存在下アシルクロリドと反応させることにより得られる。
【0118】
架橋剤(c)における骨格化合物としては、フェノール性OH基のオルト位またはパラ位が未置換の、フェノール化合物、ナフトール、ヒドロキシアントラセン化合物等が挙げられ、例えば、フェノール、クレゾールの各異性体、2,3−キシレノ−ル、2,5−キシレノ−ル、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール、ビスフェノールAなどのビスフェノール類、4,4’−ビスヒドロキシビフェニル、TrisP−PA(本州化学工業(株)製)、ナフトール、ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシアントラセン、等が使用される。
【0119】
上記架橋剤(c)の具体例としては、フェノール化合物として、例えば、トリメチロールフェノール、トリ(メトキシメチル)フェノール、トリメチロールフェノールの1〜2個のメチロール基をメトキシメチル化した化合物、トリメチロール−3−クレゾール、トリ(メトキシメチル)−3−クレゾール、トリメチロール−3−クレゾールの1〜2個のメチロール基をメトキシメチル化した化合物、2,6−ジメチロール−4−クレゾール等のジメチロールクレゾール、テトラメチロールビスフェノールA、テトラメトキシメチルビスフェノールA、テトラメチロールビスフェノールAの1〜3個のメチロール基をメトキシメチル化した化合物、テトラメチロール−4,4’−ビスヒドロキシビフェニル、テトラメトキシメチル−4,4’−ビスヒドロキシビフェニル、TrisP−PAのヘキサメチロール体、TrisP−PAのヘキサメトキシメチル体、TrisP−PAのヘキサメチロール体の1〜5個のメチロール基をメトキシメチル化した化合物、ビスヒドロキシメチルナフタレンジオール、等が挙げられる。
【0120】
また、ヒドロキシアントラセン化合物として、例えば、1,6−ジヒドロキシメチル−2,7−ジヒドロキシアントラセン等が挙げられ、アシロキシメチル基含有化合物として、例えば、上記メチロール基含有化合物のメチロール基を、一部または全部アシロキシメチル化した化合物等が挙げられる。
【0121】
これらの化合物の中で好ましいものとしては、トリメチロールフェノール、ビスヒドロキシメチル−p−クレゾール、テトラメチロールビスフェノールA、TrisP−PA(本州化学工業(株)製)のヘキサメチロール体またはそれらのメチロール基がアルコキシメチル基およびメチロール基とアルコキシメチル基との両方で置換されたフェノール化合物が挙げられる。
これら(c)に係る化合物は、単独で使用してもよく、組合わせて使用してもよい。
【0122】
本発明においては、上記架橋剤を必ずしも含有する必要はない。含有する場合、架橋剤(a)〜(c)の染料含有硬化性組成物における総含有量としては、素材により異なるが、該硬化性組成物の固形分(質量)に対して、0〜70質量%が好ましく、0〜50質量%がより好ましく、0〜30質量%が特に好ましい。
【0123】
<熱重合防止剤>
本発明の染料含有硬化性組成物には、以上のほか、更に熱重合防止剤を加えておくことが好ましい。例えば、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2−メルカプトベンゾイミダゾール等が有用である。
【0124】
<ナフトキノンジアジド化合物>
本発明の染料含有硬化性組成物をポジ型に構成する場合、ナフトキノンジアジド化合物を含有することができる。ナフトキノンジアジド化合物としては、例えば、o−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステルまたはスルホン酸アミド、あるいはo−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステルまたはスルホン酸アミド、等が挙げられる。これらのエステルまたはアミドは、例えば、特開平2−84650号公報および特開平3−49437号公報に一般式(I)として記載されているフェノール化合物等を用いて公知の方法により製造することができる。
【0125】
<アルカリ可溶性フェノール樹脂>
本発明の染料含有硬化性組成物をポジ型に構成する場合、アルカリ可溶性フェノール樹脂を併用することが有用である。該アルカリ可溶性フェノール樹脂としては、例えばノボラック樹脂またはビニル重合体等が挙げられる。上記ノボラック樹脂としては、例えばフェノール類とアルデヒド類とを酸触媒の存在下で縮合させて得られるものが挙げられる。上記フェノール類としては、例えばフェノール、クレゾール、エチルフェノール、ブチルフェノール、キシレノール、フェニルフェノール、カテコール、レゾルシノール、ピロガロール、ナフトールまたはビスフェノールA等が挙げられる。上記フェノール類は単独若しくは2種以上を組み合わせて用いることができる。上記アルデヒド類としては、例えばホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒドまたはベンズアルデヒド等が挙げられる。上記ノボラック樹脂の具体例としては、例えば、メタクレゾール、パラクレゾールまたはこれらの混合物とホルマリンとの縮合生成物が挙げられる。上記ノボラック樹脂は分別等の手段を用いて分子量分布を調節してもよい。また、ビスフェノールCやビスフェノールA等のフェノール性水酸基を有する低分子量成分を上記ノボラック樹脂に混合してもよい。
【0126】
本発明における酸性基を有するアルカリ可溶性バインダーと併用して用いることができる上記アルカリ可溶性フェノール樹脂は、通常、溶剤中に全質量に対して5〜50質量%程度の割合で溶解される。また、上記のナフトキノンジアジド化合物は、通常、酸性基を有するアルカリ可溶性バインダーと上記アルカリ溶性フェノール樹脂との総質量に対して、それぞれ2〜40質量%程度の割合で添加する。また更に、カラーフィルター用レジスト組成物には、例えば均一な塗布性を付与するための平滑剤等の当該技術分野で慣用されている各種の添加剤を加えることもできる。
【0127】
<溶剤>
本発明の染料含有硬化性組成物を調製する際には一般に溶剤が用いられる。溶剤は、各成分の溶解性や染料含有硬化性組成物の塗布性を満足すれば基本的に特に限定されないが、特に染料、バインダーの溶解性、塗布性、安全性を考慮して選ばれることが好ましい。
【0128】
上記溶剤としては、エステル類、例えば、酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、アルキルエステル類、乳酸メチル、乳酸エチル、オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、等;
【0129】
3−オキシプロピオン酸メチル、3−オキシプロピオン酸エチル等の3−オキシプロピオン酸アルキルエステル類、例えば、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、等;2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピル等の2−オキシプロピオン酸アルキルエステル類、例えば、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、等;ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル、等;
【0130】
エーテル類、例えば、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、等;
【0131】
ケトン類、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、等;芳香族炭化水素類、例えば、トルエン、キシレン、等が好ましい。
【0132】
これらのうち、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチルセロソルブアセテート、乳酸エチル、ジエチレングリコールジメテルエーテル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート等がより好ましい。
【0133】
<各種添加物>
本発明の染料含有硬化性組成物には、必要に応じて、各種添加物、例えば充填剤、上記以外の高分子化合物、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤等を配合することができる。
【0134】
上記各種添加物の具体例としては、ガラス、アルミナ等の充填剤;ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリフロロアルキルアクリレート等の結着樹脂以外の高分子化合物;ノニオン系、カチオン系、アニオン系等の界面活性剤;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等の密着促進剤;2,2−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチルフェノール等の酸化防止剤;2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、アルコキシベンゾフェノン等の紫外線吸収剤;およびポリアクリル酸ナトリウム等の凝集防止剤を挙げることができる。
【0135】
また、非画像部のアルカリ溶解性を促進し、本発明の染料含有硬化性組成物の現像性の更なる向上を図る場合には、該組成物に有機カルボン酸、好ましくは分子量1000以下の低分子量有機カルボン酸の添加を行うことができる。
具体的には、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ピバル酸、カプロン酸、ジエチル酢酸、エナント酸、カプリル酸等の脂肪族モノカルボン酸;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ブラシル酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸、ジメチルマロン酸、メチルコハク酸、テトラメチルコハク酸、シトラコン酸等の脂肪族ジカルボン酸;トリカルバリル酸、アコニット酸、カンホロン酸等の脂肪族トリカルボン酸;安息香酸、トルイル酸、クミン酸、ヘメリト酸、メシチレン酸等の芳香族モノカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリト酸、トリメシン酸、メロファン酸、ピロメリト酸等の芳香族ポリカルボン酸;フェニル酢酸、ヒドロアトロパ酸、ヒドロケイ皮酸、マンデル酸、フェニルコハク酸、アトロパ酸、ケイ皮酸、ケイ皮酸メチル、ケイ皮酸ベンジル、シンナミリデン酢酸、クマル酸、ウンベル酸等のその他のカルボン酸が挙げられる。
【0136】
《カラーフィルター》
次に、本発明のカラーフィルターについて、その製造方法を通じて詳述する。
本発明のカラーフィルターの製造方法においては、既述の本発明の染料含有硬化性組成物が用いられる。
本発明の染料含有硬化性組成物がネガ型に構成されている場合、ネガ型染料含有硬化性組成物を支持体上に回転塗布、流延塗布、ロール塗布等の塗布方法により塗布して感放射線性組成物層を形成し、該層を所定のマスクパターンを介して露光し、現像液で現像することによって、ネガ型の着色パターンを形成する(画像形成工程)。また、必要により、形成された着色パターンを加熱および/または露光により硬化する硬化工程を含んでいてもよい。
【0137】
本発明の染料含有硬化性組成物がポジ型に構成されている場合、ポジ型染料含有硬化性組成物を支持体上に回転塗布、流延塗布、ロール塗布等の塗布方法により塗布して感放射線性組成物層を形成し、該層を所定のマスクパターンを介して露光し、現像液で現像することによって、ポジ型の着色パターンを形成した後(画像形成工程)、形成された着色パターンを加熱して硬化する(ポストベーク)。
【0138】
カラーフィルターの作製においては、ネガ型の場合は、上記画像形成工程(および必要により硬化工程)を所望の色相数だけ繰り返すことにより、ポジ型の場合は、上記画像形成工程およびポストベークを所望の色相数だけ繰り返すことにより、所望の色相よりなるカラーフィルターを作製することができる。
この際に使用される光若しくは放射線としては、特にg線、h線、i線等の紫外線が好ましく用いられる。
【0139】
上記基板としては、例えば、液晶表示素子等に用いられるソーダガラス、パイレックス(R)ガラス、石英ガラスおよびこれらに透明導電膜を付着させたものや、撮像素子等に用いられる光電変換素子基板、例えばシリコン基板等や、相補性金属酸化膜半導体(CMOS)等が挙げられる。これらの基板は、各画素を隔離するブラックストライプが形成されている場合もある。
また、これらの基板上には、必要により、上部の層との密着改良、物質の拡散防止あるいは基板表面の平坦化のために下塗り層を設けてもよい。
【0140】
上記現像液としては、本発明の染料含有硬化性組成物の未硬化部を溶解する一方、硬化部は溶解しない組成よりなるものであればいかなるものも用いることができる。具体的には、種々の有機溶剤の組合わせやアルカリ性の水溶液を用いることができる。上記有機溶剤としては、本発明の染料含有硬化性組成物を調製する際に使用される前述の溶剤が挙げられる。
【0141】
上記アルカリ性の水溶液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム,硅酸ナトリウム、メタ硅酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ−〔5.4.0〕−7−ウンデセン等のアルカリ性化合物を、濃度が0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜1質量%となるように溶解してなるアルカリ性水溶液が好適である。尚、このようなアルカリ性水溶液からなる現像液を使用した場合は、一般に、現像後水で洗浄する。
【0142】
また、本発明のカラーフィルターは、液晶表示素子やCCD等の固体撮像素子に用いることができ、特に100万画素を超えるような高解像度のCCD素子やCMOS素子等に好適である。本発明のカラーフィルターは、例えば、CCDを構成する各画素の受光部と集光するためのマイクロレンズとの間に配置されるカラーフィルターとして用いることができる。
【0143】
【実施例】
本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は質量基準である。
【0144】
[実施例1]
(1)染料レジスト溶液の調製
下記組成を混合して溶解し、染料レジスト溶液を調製した。
【0145】
(2)下塗り層付ガラス基板の作製
ガラス基板(コーニング1737)を1%NaOH水で超音波洗浄した後、水洗、脱水ベーク(200℃/30分)を行った。
ついで富士フイルムアーチ(株)製CT−2000Lの溶液を、洗浄したガラス基板上に膜厚2μmになるようにスピンコーターを用いて塗布し、220℃で1時間加熱乾燥して、下塗り層付ガラス基板を得た。
【0146】
(3)染料レジストの露光・現像(画像形成)
上記(1)で得られた染料レジスト溶液を上記(2)で得られた下塗り層付ガラス基板の下塗り層の上に膜厚が1μmになるようにスピンコーターを用いて塗布し、120℃で120秒間プリベークした。
ついで、i線縮小投影露光装置を使用して、塗布膜に365nmの波長で5μmのアイランドパターンマスクを通して800mJ/cm2の露光量で照射した。露光後、60%CD−2000(富士フイルム・アーチ(株)製)現像液を使用して、26℃で90秒の時間で現像した。次いで、流水で20秒間リンスした後、スプレー乾燥した。
【0147】
(4)評価
画像形成およびパターン形状はSEM写真観察により通常の方法で確認した。
【0148】
−矩形性−
形成されたパターンの矩形性は、基板とパターン側壁とのなす角をSEM写真から測定して評価した。
基板とパターン側壁とのなす角が大きいほど矩形性に優れる。
〔基準〕
A:基板とパターン側壁とのなす角が88度以上
B:基板とパターン側壁とのなす角が80度以上88度未満
C:基板とパターン側壁とのなす角が80度未満
【0149】
−解像力−
解像力は、5μm×5μmの正方画素パターンを、マスク設計寸法に対して1:1に再現できる露光量で露光した際に、マスク設計寸法に対して1:1で再現できる最小のパターン寸法で表した。再現できるパターン寸法が小さいほど解像力に優れる。
〔基準〕
A:1.5μmのパターンが再現できる。
B:1.5〜3μmのパターンが再現できる。
C:3〜5μmのパターンが再現できる。
D:5μmのパターンが再現できない。
【0150】
結果を下記表2に示す。
【0151】
[実施例2〜8、比較例1〜6]
実施例1の(1)染料レジスト溶液の調製において、具体例(P−1)の化合物(本発明におけるバインダー)に代えて、下記表1に示すバインダーをそれぞれ用いたこと以外、実施例1と同様にして、染料含有硬化性組成物を調製し、更にパターン画像を形成すると共に、同様の評価を行なった。尚、比較例1〜4及び6についてはポリマー型界面活性剤(メガファックF−475)を用いなかった。結果を下記表2に示す。
【0152】
【表1】
Q−1:メタクリル酸/ベンジルアクリレート共重合体(組成比40/60)
S−1:C6F13基を有するアクリレート/ポリオキシエチレンアクリレートとの共重合体(組成比30/70)
S−2:C6F13基を有するアクリレート/ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン・ポリオキシエチレンブロックアクリレートとの共重合体(組成比30/70)
【0153】
【化19】
【0154】
【表2】
【0155】
表2に示される様に、本発明におけるバインダーを使用することにより、パターン矩形性、解像力に関して従来例(比較例)よりも優れた染料含有硬化性組成物を得ることができた。これにより、本発明のバインダーを用いると、十分な重合性、硬化性が得られ、さらに、パターン矩形性、解像力も良好な性能が得られ、各種カラーフィルター用の染料含有硬化性組成物として有用な事は明らかである。
一方、比較例に示されるように、本発明のバインダーと界面活性剤との両者を用いないと実用に耐えないレジストであることが明白である。
【0156】
[実施例9〜16]
実施例1〜8のガラス基板をシリコンウエハー基板に代えた他は,全て同様の操作を行い、パターン画像を得た。パターン矩形性、現像残渣、耐熱性のいずれにおいても実施例1から8と同様の結果が得られた。
【0157】
[実施例17]
実施例1の染料レジスト溶液の調製において、「acid yellow42のビス(ジトリルグアニジン)塩」に代えて、「Valifast Red−1360(オリエント化学(株)製)」を用いた他は、全て実施例1と同様の操作を行い、パターン画像を得た。パターン矩形性、解像力は実施例1と同様の結果が得られた。
【0158】
[実施例18]
実施例3の染料レジスト溶液の調製において、「acid yellow42のビス(ジトリルグアニジン)塩」に代えて、「Valifast Blue−2620(オリエント化学(株)製)」を用いた他は、全て実施例3と同様の操作を行い、パターン画像を得た。パターン矩形性、解像力は実施例3と同様の結果が得られた。
【0159】
[実施例19]
実施例5の染料レジスト溶液の調製において、「acid yellow42のビス(ジトリルグアニジン)塩」に代えて、「2,7−Naphthalenedisulfonic acid,3−[(5−chloro−2−phenoxyphenyl)hydrazono]−3,4−dihydro−4−oxo−5−[(phenylsulfonyl)amino]−,ditolylguanidine salt」を用いた他は、全て実施例5と同様の操作を行い、パターン画像を得た。
パターン矩形性、解像力は実施例5と同様の結果が得られた。
【0160】
【発明の効果】
本発明の染料含有硬化性組成物によれば、矩形パターンが得られ、高解像力に微細なパターンが再現よく形成できる優れた硬化物を与えることができる。
また本発明の染料含有硬化性組成物を用いることで、簡便でコストパフォーマンスの高いカラーフィルターおよびその製造方法を提供できる。
Claims (3)
- 請求項1に記載の染料含有硬化性組成物を用いてなることを特徴とするカラーフィルター。
- 請求項1に記載の染料含有硬化性組成物を支持体上に塗布後、マスクを通して露光し、現像してパターンを形成する工程を有することを特徴とするカラーフィルターの製造方法。
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