JP2004286450A - 含水率の判定方法及び減水処理装置 - Google Patents
含水率の判定方法及び減水処理装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004286450A JP2004286450A JP2003075449A JP2003075449A JP2004286450A JP 2004286450 A JP2004286450 A JP 2004286450A JP 2003075449 A JP2003075449 A JP 2003075449A JP 2003075449 A JP2003075449 A JP 2003075449A JP 2004286450 A JP2004286450 A JP 2004286450A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- water content
- water
- stirring
- processing tank
- processed
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Electric Means (AREA)
- Drying Of Solid Materials (AREA)
- Processing Of Solid Wastes (AREA)
Abstract
【課題】生ゴミ等の被処理材を減水処理するときに、含水率の適切な判定を可能とする。
【解決手段】水分センサ60は、処理タンク14の側板16Aに取り付けられる。また、この処理タンク内には、回転することにより被処理材を攪拌するパドル42Aが設けられており、パドル42Aの攪拌フィン46が回転途中で水分センサに対向するようにしている。これにより、攪拌フィンが水分センサに対向したときに、この攪拌フィンによって被処理材が水分センサに押し付けられるようにしている。被処理材の含水率を判定するときには、攪拌フィンが対向したときの水分センサの出力電圧が予め設定した電圧に達したか否かから判定する。
【選択図】 図4
【解決手段】水分センサ60は、処理タンク14の側板16Aに取り付けられる。また、この処理タンク内には、回転することにより被処理材を攪拌するパドル42Aが設けられており、パドル42Aの攪拌フィン46が回転途中で水分センサに対向するようにしている。これにより、攪拌フィンが水分センサに対向したときに、この攪拌フィンによって被処理材が水分センサに押し付けられるようにしている。被処理材の含水率を判定するときには、攪拌フィンが対向したときの水分センサの出力電圧が予め設定した電圧に達したか否かから判定する。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、生ゴミ等の被処理材を攪拌しながら減水処理するときの含水率の判定方法及び減水処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
野菜クズ等の生ゴミを処理する時には、微生物等を用いて有機物分解及び水分除去を図ることにより無害化及び減量化を行うようにしている。
【0003】
このような生ゴミ処理に用いられる生ゴミ処理装置には、被処理材として生ゴミを処理タンク内に投入し、処理タンク内に設けている攪拌棒を回転することにより、処理タンク内の被処理材を均一に攪拌して、被処理材の発酵ないし加熱を促進するようにしている。
【0004】
ところで、このような生ゴミ処理装置においては、水分量の減少が進まずに水分過多の状態が続くと、被処理材である生ゴミが粘土状となってしまう。粘土状となった高含水率の生ゴミは、攪拌棒を回転するときに大きな負荷となってしまい、攪拌棒が折れてしまうなどの損傷を発生させてしまうことがある。また、このような状態では、被処理材である生ゴミの腐敗が生じ易く、悪臭を発生させる原因となってしまう。
【0005】
一方、含水率が極めて低くなってしまった所謂過乾燥状態となると、生ゴミが紛体状となって排気用のフィルタに目詰まりを生じさせたり、粉塵となて機外に飛散してしまうなどの問題が生じてしまう。また、フィルタに目詰まりが生じた状態では、乾燥効率に低下が生じてしまい、次に生ゴミを処理するときに水分過多を生じさせてしまう。
【0006】
このために、生ゴミ処理装置においては、処理タンク内に投入して攪拌処理している生ゴミの含水率の適正な測定ないし判定が要求される。
【0007】
しかし、攪拌棒によって攪拌しながら生ゴミ等の被処理材の含水率を正確に検出するのは困難であり、ここから、発熱手段と温度センサを用い、発熱手段による生ゴミの加熱時間と温度センサの検出温度の変化から含水率を求める方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0008】
また、加熱装置と温度検出装置を一体にした検出ブロックを用い、加熱装置を作動させたときに温度検出装置が検出する温度を用いて、生ゴミの含水率を測定する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0009】
さらに、測定対象の含水率と相関をもつ含水率となる保水性電気絶縁素材を用い、この保水性電気絶縁素材を加熱したときの乾燥時間から測定対象の含水率を検出する方法が提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
【0010】
【特許文献1】
特開2002−195969号公報
【特許文献2】
特開平8−103759号公報
【特許文献3】
特開2000−258370号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの提案では、含水率の測定に時間がかかったり、あるいは、含水率の測定を行うために所要測定時間中、被処理物とセンサー部とを静止させて接触させておく必要があり、そのために、例えば連続攪拌ができないなどの攪拌条件の制限が生じたりするという問題がある。
【0012】
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、被処理材の攪拌を継続しながら、被処理材が所定の含水率に達したか否かを的確に判定する含水率の判定方法及び被処理材の含水率を効率的にかつ適正に減少させることができる減水処理装置を提案することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の含水率の判定方法は、処理タンク内に投入した流動性の被処理材を、軸方向に沿って所定間隔で攪拌棒が設けられたシャフトを回転駆動することにより、攪拌棒によって攪拌しながら減水処理するときに、前記被処理材の含水率が所定の含水率に達したか否かを判定する含水率の判定方法であって、処理タンクの槽壁で前記攪拌棒に所定間隔で対向する位置に、前記被処理材のインピーダンスに応じた電圧を出力する検出手段を配置し、前記検出手段に前記攪拌棒が対向したときの検出手段の出力電圧から、前記被処理材の含水率が所定の含水率に達したか否かを判定することを特徴とする。
【0014】
この発明によれば、攪拌棒が検出手段に対向したときに検出手段から出力される電圧から、被処理材の含水率を判定する。処理タンク内の被処理材を攪拌手段によって攪拌しているときには、検出手段から出力される電圧が不安定となっているが、攪拌棒が検出手段に対向したときには、攪拌棒によって被処理材が検出手段に押し付けられるので、検出手段の出力は、含水率に応じた略一定の値となる。
【0015】
ここから、予め被処理材の含水率に応じた検出手段の出力電圧又は、被処理材が目標含水率となっているときの検出手段の出力電圧を基準値として設定しておくことにより、この基準値と実際の検出手段の出力電圧から、被処理材の含水率を的確に判定することができる。
【0016】
一方、本発明の減水処理装置は、処理タンク内に投入された流動性の被処理材を攪拌しながら加熱ないし発熱を促進して水分を蒸発させることにより減水処理する減水処理装置であって、攪拌棒を前記処理タンク内に配置されたシャフトの軸方向に沿って所定間隔で取り付け、シャフトを所定周期で回転駆動することにより処理タンク内の被処理材を攪拌する攪拌手段と、前記処理タンクの壁面で前記攪拌棒が回転移動中に所定間隔で対向する位置に配置されて前記被処理材のインピーダンスに応じた電圧を出力する検出手段と、前記攪拌フィンが前記検出手段に対向したときに検出手段から出力される電圧を読み込んで、該電圧が予め設定している所定値に達した否かから前記被処理材の含水率を判定する判定手段と、を含むことを特徴とする。
【0017】
この発明によれば、処理タンクに投入した生ゴミ等の被処理材を、攪拌手段によって攪拌する。攪拌手段には、シャフトに設けている攪拌棒が、シャフトを回転駆動することにより回転移動して、処理タンク内の被処理材を均一に攪拌する。
【0018】
一方、処理タンクの槽壁には、検出手段が設けられており、回転移動する攪拌棒が検出手段に対向したときに、被処理材を検出手段へ押し付ける。
【0019】
判定手段は、攪拌棒が検出手段に対向したときに、検出手段から出力する電圧に基づいて、処理タンク内の被処理材の含水率を判定する。
【0020】
攪拌棒が検出手段に対向したとき、処理タンク内を流動している被処理材が、攪拌棒によって検出手段に押し付けられるため、インピーダンスが含水率に応じた略一定の値となる。
【0021】
判定手段は、この検出手段の出力する電圧に基づいて被処理材の含水量を判定するので、処理タンク内の被処理材の含水率を的確に判定することができ、これにより、含水率が高いときには減水を促進させ、減水率が低いときには減水を押えるように制御して、減水処理を行うことができる。
【0022】
したがって、被処理材の減水不足による攪拌棒の損傷等を生じさせたり、被処理材を過乾燥状態とすることなく適正に減水処理を行うことができる。
【0023】
このような本発明の減水処理装置では、前記所定値を前記被処理材の目標含水率に基づいて設定し、前記判定手段の判定結果に基づいて前記被処理材の減水処理を制御する制御手段を含むことができる。
【0024】
これにより、処理タンク内の被処理材が所望の含水率となるように減水処理を行うことができる。
【0025】
さらに、本発明の減水処理装置では、前記処理タンク内に前記被処理材を投入して処理タンク内の被処理材の量を増加させるときに、前記被処理材の増加量に応じて前記目標含水率を低くすることができる。
【0026】
被処理材の量が少なければ、減水処理が進行しすぎて過乾燥状態になりやすいので、減水処理を押えるようにすることが好ましい、被処理材の量が多いときには、減水処理に遅れが生じ易いと共に、攪拌手段に大きな負荷がかかり易い。
【0027】
ここから、被処理材の量が少ないときには、目標減水率が高くなるように基準値を設定し、被処理材の量が多いときには、攪拌手段の負荷を抑えるために目標含水率が低くなるように基準値を設定する。
【0028】
これにより、より確実に攪拌手段の損傷や過乾燥を防止しながら被処理材の減水処理を行うことができる。
【0029】
一方、処理タンク内には、微生物が処理タンク内で生息可能となるようにすると共に水分緩和を図るため、予めモミガラ、オガクズ、バイオ菌等の菌床材を含む資材を投入されており、これらには塩分が含まれない。
【0030】
しかし、被処理材として処理タンクに投入される生ゴミには、少なからず塩分が含まれる。この塩分は、被処理材の投入量の増加に応じて増加して、被処理材のインピーダンスを低下させる。
【0031】
このために、検出手段によって検出した電圧に対する基準値を一定としても、被処理材の投入量に応じて含水率を低下させることができる。すなわち、被処理材に塩分が含まれるときには、被処理材の量に応じて基準値を変更すること無く、目標含水率を下げることができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。図1及び図2には、本実施の形態に減水処理装置として適用した生ゴミ処理機10の概略構成を示している。
【0033】
この生ゴミ処理機10は、図示しないフレームを囲うようにケーシング12が設けられている。このケーシング12は、略箱体形状に形成されており、生ゴミ処理機10には、このケーシング12内に処理タンク14が設けられている。なお、図1は、生ゴミ処理機10の側面側から見た要部の概略構成を示しており、図2は、生ゴミ処理機10の正面側(図1の紙面右側)から見た要部の概略構成を示している。
【0034】
図2に示すように、処理タンク14は、一対の側板16を備え、この一対の側板16が槽壁18によって連結されて形成されている。また、図1に示すように、槽壁18は、下端側が所定径で湾曲され、この湾曲によって処理タンク14には、内面が半円状に湾曲された底部20が形成されている。
【0035】
これにより、図1及び図2に示すように、処理タンク14は、上方側が開口されており、この上方の開口がケーシング12の上板22に接するように配置されて略密閉状態となっており、処理タンク14内の臭気が機外に漏れるのが防止されている。
【0036】
生ゴミ処理機10では、この処理タンク14の周囲が図示しない断熱材によって囲われており、これにより、処理タンク14内の熱が処理タンク14外に放出されるのを防止すると共に、処理タンク14が機外の空気によって冷却されるなどしてしまうのを防止している。すなわち、生ゴミ処理機10では、外気温にかかわらず処理タンク14内の温度を、効率的に所望の温度に維持可能となっていると共に、処理タンク14内の温度によってケーシング12の周囲の温度が上昇してしまうのを防止している。
【0037】
図1に示すように、ケーシング12の上板22には、投入蓋24が設けられている。生ゴミ処理機10では、この投入蓋24を開くことにより、処理タンク14内に野菜クズ等の生ゴミを被処理材26として投入できるようになっている。
【0038】
ところで、生ゴミ処理機10の処理タンク14内には、一対の側板16の間には、攪拌手段を形成するパドルシャフト30が掛け渡されている。パドルシャフト30は、軸心が処理タンク14の内面が湾曲している底部20の湾曲中心(軸心)と一致するように配置されている。また、図2に示すように、側板16のそれぞれには、ピローブロック32が取り付けられており、パドルシャフト30は、軸方向の両端部がピローブロック32に挿入されることにより、処理タンク14内のシール性を保持した状態で回転自在に支持されている。
【0039】
一方の側板16から突出しているパドルシャフト30の先端部には、スプロケット34が取り付けられている。また、ケーシング12内には、攪拌モータ36が設けられており、この攪拌モータ36の駆動軸36Aにスプロケット38が取り付けられている。スプロケット34、38の間には、チェーン40が巻き掛けられている。
【0040】
これにより、生ゴミ処理機10では、攪拌モータ36を駆動すると、この攪拌モータ36の駆動力がパドルシャフト30に伝達されて、パドルシャフト30が処理タンク14内で回転駆動されるようになっている。
【0041】
一方、パドルシャフト30には、攪拌棒として複数のパドル42が取り付けられている。図3に示すように、パドル42は、所定長さのシャフト部44の先端に、攪拌フィン46が取り付けられている。また、シャフト部44には、攪拌フィン46と反対側の端部に矩形平板状のベース板48が取り付けられている。
【0042】
図1及び図2に示すように、パドル42は、このベース板48(図1では図示省略)をパドルシャフト30の周面に固定することにより、攪拌フィン46がパドルシャフト30の半径方向の外方側となるように取り付けられている。
【0043】
これにより、生ゴミ処理機10では、パドルシャフト30が回転したときに、パドル42が処理タンク14内で回転するようになっている。なお、図3に示すように、パドル42には、ベース板48から突出するように基部48Aが形成されており、パドルシャフト30の周面には、所定位置にフラット面及び基部48Aの挿入孔が形成されており、パドル42は、パドルシャフト30の挿入孔へ基部48Aを挿入し、フラット面にベース板48を対向させて配置し、パドルシャフト30の挿入孔から突出した基部48Aにナット等を螺合して、ベース板48との間でパドルシャフト30を挟むことにより固定される。
【0044】
一方、攪拌フィン46は、所定幅及び所定長さの帯板状に形成されており、長手方向がシャフト部44の軸方向と直交する方向に沿って配置されている。
【0045】
図1及び図2に示すように、パドル42は、パドルシャフト30に取り付けられたときに、攪拌フィン46の先端が処理タンク14の底部20の内面に接近した長さとなっている。
【0046】
これにより、生ゴミ処理機10では、パドルシャフト30が回転することにより、攪拌フィン46が処理タンク14の底部20の内面に沿って移動するようになっている。
【0047】
図3に示すように、攪拌フィン46は、パドル42をパドルシャフト30(図3では図示省略)に取り付けたときに、パドルシャフト30の軸方向(図3で一点鎖線で示す方向)に対して、長手方向が所定の角度θで傾斜するようにシャフト部44に取り付けられている。
【0048】
また、図2に示すように、本実施の形態に適用した生ゴミ処理機10では、一例としてパドルシャフト30に6本のパドル42を所定の間隔で取り付け、かつ、図1に示すように、パドル42のそれぞれがパドルシャフト30を中心に放射状となるように、所定の角度ずつずらして取り付けている。
【0049】
このときに、図1及び図2に示すように、例えば互いに隣接するパドル42の間では、攪拌フィン46のパドルシャフト30の軸線に対する角度(向き)が異なるように配置されている。なお、本実施の形態では、図3に示す角度θを、一例として30°(θ=30°)にしているが、角度θは、これに限るものではない。
【0050】
図2に示すように、側板16側のパドル42は、攪拌フィン46の先端部が、側板16の表面に接近するように配置されている。
【0051】
これにより生ゴミ処理機10では、パドルシャフト30を回転駆動することにより、処理タンク14内に投入されている被処理材26が均一に混じるように攪拌可能となっていると共に、側板16の内面近傍及び底部20の内面近傍に、被処理材26が付着するなどして攪拌されずに残るのを確実に防止するようにしている。なお、生ゴミ処理機10では、パドル42を回転駆動することにより、処理タンク14内に投入した被処理材26を細断するようにしている。また、生ゴミ処理機10では、ステンレス(SUS)を用いて、処理タンク14と共にパドルシャフト30及びパドル42(シャフト部44、攪拌フィン46及びベース板48など)を形成して、耐蝕性の向上を図っている。
【0052】
このように構成されている生ゴミ処理機10では、投入蓋24を開いて処理タンク14内に野菜クズ等の有機物及び水分を含む生ゴミなどが被処理材26として投入されると、パドルシャフト30を所定の回転速度で回転駆動して、処理タンク14内の被処理材26を均一に攪拌しながら細断する。
【0053】
また、図1に示すように、生ゴミ処理機10には、処理タンク14内の空気を排気する排気ブロア50(図2では図示省略)と共に、図示しないヒータが設けられている。生ゴミ処理機10では、このヒータと共に排気ブロア50を作動することにより、図示しないヒータによって加熱した空気を処理タンク14内に送り込んで、処理タンク14内の被処理材26を加熱して、所定の温度範囲に維持する。
【0054】
これにより、処理タンク14内の被処理材26から水分を蒸発させて減水を図るようにしている。
【0055】
なお、生ゴミ処理機10としては、図示しないヒータによる被処理材26の加熱のみでなく微生物を用いて有機物の発酵を促進することが好ましく、このときには、予めモミガラ、オガクズ、バイオ菌等の菌床材を含む資材を投入しておいて、微生物が処理タンク14内で生息可能となるようにすると共に、水分緩和を図ることができる。
【0056】
この生ゴミ処理機10には、図示しない脱臭器が設けられている。脱臭器は、フィルタや活性炭等が設けられた一般的構成を用いており、処理タンク14から排気する空気が通過するすることにより、この空気に対して脱臭、浄化等を図ることにより清浄化し、無臭で塵埃等を含まない空気を排出するようにしている。
【0057】
処理タンク14に投入された被処理材26は、有機物の発酵分解が促進され、これに伴って発生する炭酸ガスや水蒸気が機外へ排出されて減水処理される。このときに、処理タンク14内が、所定温度に維持されることにより有機物の発酵分解が促進される。
【0058】
これにより、生ゴミ処理機10では、生ゴミの総量削減を図ると共に、堆肥等に適用可能な残さを生成する。このような生ゴミ処理機10の基本的構成は、従来公知の構成を適用することができる。
【0059】
ところで、生ゴミ処理機10には、水分センサ60が設けられており、生ゴミ処理機10では、被処理材26の含水率が所定値に達したか否かを水分センサ60を用いて判定し、被処理材26が適正な含水率となるように減水されるようにしている。
【0060】
図4(A)に示すように、水分センサ60は、絶縁性の樹脂によって略円盤状に形成されたホルダ62を備え、このホルダ62に、一対の電極64、66が設けられている。ホルダ62には、略円柱状に突出したヘッド部62Aが形成されており、一対の電極64、66は、このヘッド部62Aに所定間隔で配置され、また、電極64、66は、先端面がヘッド部62Aの表面と同一面となるように取り付けられている。
【0061】
図1及び図2に示すように、この水分センサ60は、処理タンク14を形成している一方の側板16(以下、特に区別するときには「側板16A」とする)の底部20側に取り付けられている。また、図4(B)に示すように、ホルダ62は、ヘッド部62Aが側板16Aに形成している取付孔16Bから処理タンク14内へ向けて挿入され、ヘッド部62Aの表面が側板16Aの表面(内面)と同一平面となるように取り付けられている。
【0062】
これにより、水分センサ60が側板16Aの表面に凹凸を生じさせることが無く、側板16Aの表面に凹凸を生じさせてしまうことにより被処理材26が滞留してしまうのを確実に防止するようにしている。
【0063】
また、図4(B)及び図4(C)に示すように、水分センサ60の取付位置は、この側板16Aに隣接するパドル42(以下、特に区別するときには「パドル42A」とする)の攪拌フィン46に対向する位置となっている。すなわち、図4(C)に示すように、処理タンク14の内方側から見ると、パドル42Aの攪拌フィン46が、水分センサ60の近傍を通過するときに、水分センサ60と攪拌フィン46とが確実に重なるようになっている。なお、図4(C)では、パドル42Aが回転したときの攪拌フィン46の移動軌跡を二点鎖線で示している。
【0064】
このように、パドルシャフト30が回転駆動することによりパドル42に取り付けている攪拌フィン46は、水分センサ60に対向する一定位置を通過するようになっている。このとき、図4(B)に示すように、攪拌フィン46が傾斜されていることにより、被処理材26(図示省略)は、攪拌フィン46と水分センサ60との間隔に応じた量が、攪拌フィン46によって水分センサ60へ押し付けられる。
【0065】
本実施の形態では、一例として攪拌フィン46の先端と水分センサ60との距離(ホルダ62のヘッド部62A表面までの距離)dを4mm(d=4mm)としている。なお、この距離dは、攪拌フィン46が、水分センサ60(電極64、66)に接触することが無く、かつ、攪拌フィン46の移動によってホルダ62の表面近傍の被処理材26が確実に移動攪拌される距離であれば良く、例えば1mm〜40mmの範囲とすることができる。
【0066】
一方、図5に示すように、生ゴミ処理機10の制御部68には、装置の作動を制御するコントローラ70が設けられている。このコントローラ70には、前記した攪拌モータ36、排気ブロア50と共に、図示しないヒータや処理タンク14内の温度を検出する温度センサ等が設けられている。
【0067】
また、制御部68には、含水率検出器72が設けられている。この含水率検出器72は、水分センサ60及び、所定電圧(例えば24vの直流電圧)の電力を出力する電源74を備えており、この電源74が所定抵抗値R(例えばR=80kΩ)の分圧抵抗76を介して水分センサ60に接続している。
【0068】
また、含水率検出器72には、一対の電極64、66の間の電圧Vから処理タンク14内に投入されている被処理材26の含水率を判定する判定部78が設けられている。
【0069】
パドル42を回転しながら処理タンク14内の被処理材26を攪拌しているときには、被処理材26が流動的であるために、水分センサ60に設けている一対の電極64、66の間のインピーダンスは常に変化し、判定部78に入力される電圧Vも不安定となっている。
【0070】
一方、電極64、66の間のインピーダンスが変化する中で、パドル42Aの攪拌フィン46が水分センサ60の一対の電極64、66に対向したときには、一対の電極64、66間のインピーダンスが最も高くなる。また、そのときのインピーダンスは、被処理材26の含水率によって変化し、含水率が少なくなったときには、含水率が多い時に比べて高くなる。
【0071】
生ゴミ処理機10では、処理タンク14内に投入された被処理材26を攪拌しながら、所定の温度範囲に維持して、被処理材26の粉砕しながら減水処理を行う。このときに、被処理材26の含水率が、予め設定した含水率に達したときの水分センサ60の電圧または、電圧の平均値を測定し、この測定結果から基準値VSを設定し、判定部78ないしコントローラ70に記憶させておくようにしている。
【0072】
判定部78では、パドル42(42A)の1回転中で水分センサ60から出力される電圧Vが最も低くなる値(最低値VL)を検出し、所定時間またはパドル42の所定回転数内での平均値VAVと、予め設定している値(基準値VS)とを比較し、平均値VAVが基準値VSを越えているとき(VAV≧VS)には、処理タンク14内の被処理材26が所定の処理状態に達したと判断するようにしている。
【0073】
コントローラ70は、この含水率検出器72の判定部78の判定結果に基づいて、処理タンク14内の被処理材26の処理制御を行うようになっている。
【0074】
ここで、生ゴミ処理機10での、水分センサ60を用いた被処理材26の含水率の判定を説明する。
【0075】
生ゴミ処理機10では、例えば処理タンク14内に予め菌床材を投入している状態で、生ゴミ等の被処理材26を投入されることにより、被処理材26に対する処理(減水処理)を開始する。また、被処理材26は、例えば生ゴミが発生する毎に、処理タンク14内に投入される。
【0076】
生ゴミ処理機10では、攪拌モータ36を作動させることにより、パドル42を一定速度(予め設定されている速度)で回転させ、処理タンク14内に投入された被処理材26の攪拌を行う。また、生ゴミ処理機10では、図示しないヒータと共に排気ブロア50を作動することにより、処理タンク14内に温風を供給する。
【0077】
これにより、被処理材26の発酵分解が開始され、処理タンク14内に炭酸ガスと水蒸気が発生し、この発生物を含んだ空気が清浄化されながら機外へ排出されることにより、被処理材26の減水が図られる。
【0078】
このときに生ゴミ処理機10では、水分センサ60を用いて、処理タンク14内の被処理材26の含水率を判定し、この判定結果に基づいて、被処理材26に対する処理の制御を行う。この制御は、例えばコントローラ70においてヒータによる加熱を制御するなどして行われる。
【0079】
生ゴミ処理機10に設けている含水率検出器72の判定部78では、予め設定した時間間隔で水分センサ60の電圧Vを読み込むと、パドルシャフト30の1回転の間の電圧Vの最低値VLを取り込む。また、判定部78では、予め設定している回数分の最低値VLを取り込むと、この最低値VLの平均値VAVを算出する。
【0080】
この後に、判定部78では、この平均値VAVと、予め設定している基準値VSを比較する。
【0081】
ここで、平均値VAVが基準値VSよりも低いとき(VAV<VS)には、処理タンク14内の被処理材26の含水率が高いと判断する。また、平均値VAVが基準値VSよりも高くなっているとき(VAV≧VS)には、処理タンク14内の被処理材26の含水率が適正な状態に達したと判断する。
【0082】
図6(A)及び図6(B)には、被処理材26の処理に伴うパドル42の回転に応じた水分センサ60の電圧変化の概略を示している。なお、この測定は、パドルシャフト30(パドル42)の回転時間を25.6secとして被処理材26の処理を行っているときに、0.1sec間隔での測定結果を示している。また、図6(A)は、処理タンク14内の被処理材26の含水率が35%であり、図6(B)は、処理タンク14内の被処理材26の含水率が20%のときの測定結果を示している。
【0083】
図6(A)及び図6(B)に示すように、水分センサ60の電圧Vは、パドルシャフト30の回転周期で変化する。このとき、被処理材26の含水率にかかわらず、水分センサ60の電圧Vの最大値はほぼ同じである。
【0084】
これに対して、水分センサ60の電圧Vは、被処理材26の含水率が異なればの最低値VLも異なるが、被処理材26の水分率が同じであれば、最低値VLも略同じ値となる。
【0085】
すなわち、パドル42の回転周期に応じたサイクルで、水分センサ60の電圧Vの最低値VLが検出され、被処理材26の含水率が高いときには、この最低値VLが低く(図6(A)参照)、被処理材26の含水率が低いときには、水分センサ60の電圧Vの最低値VLが高くなる(図6(B)参照)。
【0086】
このような水分センサ60の電圧Vの最低値VLが検出されるタイミングは、この水分センサ60に最も近いパドル42Aの攪拌フィン46が水分センサ60の電極64、66に対向する位置であり、この位置では、水分センサ60に攪拌フィン46が対向することにより、処理タンク14内で流動している被処理材26が、攪拌フィン46によって水分センサ60の電極64、66に押し付けられて安定する。
【0087】
ここから、パドル42の1回転内での水分センサ60の電圧Vの最低値VLは、被処理材26の含水率に応じて変化することがわかり、生ゴミ処理機10に設けている含水量検出器72の判定部78では、この水分センサ60の電圧Vの最低値VLから、処理タンク14内の被処理材26の含水率を判断するようにしている。
【0088】
これにより、パドル42によって攪拌されている処理タンク14内の被処理材26であっても、その含水率が予め設定している所定値に達したか否かを迅速にかつ的確に判断することができる。
【0089】
また、判定部78は、所定回数または所定時間の水分センサ60の最低値VLを平均化(平均値VAV)して、被処理材26の含水率を判断するようにしているため、ノイズが発生したり、被処理材26に導電材などの不純物が含まれてしまっていても誤判定を防止して、より正確な含水率の判断が可能となっている。
【0090】
したがって、基準値VSを、被処理材26が適切な含水率となっているときの水分センサ60の電圧V(最低値VL)に設定することにより、処理タンク14内の被処理材26が、粘土状となってパドル42の回転負荷が大きくなる高含水率状態(乾燥不足状態)や、粉末状となって図示しないフィルタに目詰まり等を生じさせる過乾燥状態となるのを確実に防止しながら、この被処理材26を適切な減水状態とすることができる。
【0091】
一般に、任意のタイミングで新たな被処理材26を処理タンク14内に投入しながら攪拌処理することにより、水分センサ60によって検出する電圧Vは、図7に示すように、処理時間に応じて最低値VL(図7では図示省略)が、徐々に高くなる。なお、このときの被処理材26の処理は、必要に応じて加熱処理を施す。
【0092】
このような水分センサ60の電圧Vの上昇は、主に処理タンク14内の被処理材26の含水率が低下することにより生じ、被処理材26に対する処理時間が長くなることにより、処理タンク14内の被処理材26は過乾燥状態に至る。
【0093】
ここから、処理タンク14内の被処理材26が最適な乾燥状態となっているときに、水分センサ60から出力される電圧Vを、基準電圧VSとして設定する。
【0094】
これにより、生ゴミ処理機10では、水分センサ60によって検出する電圧Vが基準値VSに達することにより、これ以上の含水率の低下(図7で二点鎖線で示すライン以上の電圧Vの上昇)を抑えるようになる。
【0095】
したがって、水分センサ60を用いることにより、生ゴミ処理機10では、被処理材26が所望の乾燥状態を越えた過乾燥状態となってしまうのを防止することができる。
【0096】
このように、生ゴミ処理機10では、処理タンク14内の被処理材26の含水率を的確に判断して、この判断結果に基づいて被処理材26に対する制御を行うので、被処理材26に対する円滑な処理が可能となる。
【0097】
この処理タンク14内には、微生物が処理タンク14内で生息可能となるようにすると共に水分緩和を図るために、予めモミガラ、オガクズ、バイオ菌等の菌床材を含む資材を投入しており、これらには塩分が含まれていない。
【0098】
一方、被処理材26として投入される生ゴミ等には、少なからず塩分が含まれる。被処理材26のインピーダンスは、この塩分濃度によって変化し、塩分濃度が高いと、被処理材26の含水率が所定状態に達しても、水分センサ60によって検出する電圧V(最低値VL)が基準値VSより低いことがある。
【0099】
特に、生ゴミ処理機10を実際に使用するときには、毎日のように発生する生ゴミが被処理材26として処理タンク14に投入される。これにより、処理タンク14内の塩分量は徐々に増加することになる。すなわち、処理タンク14内の塩分濃度は、被処理材26の投入量に応じて増加する。
【0100】
生ゴミ処理機10では、基準値VSを一定にして処理タンク14内の含水率を判断し、この判断結果に基づいて被処理材26の減水処理を行っている。このために、生ゴミ処理機10では、処理タンク14への被処理材26の投入量(総量)が増加すると、被処理材26の含水率が低くなるように制御することになる。
【0101】
処理タンク14内の被処理材26の量が増加することにより塩分濃度が増加し、インピーダンスが塩分(塩分濃度)の影響を受けるために、被処理材26のインピーダンスが徐々に低下する。これにより、基準値VSに対する被処理材の実際の含水率も変化し、被処理材26の投入量が増加することにより、基準値VSに対する含水率が低くなる。
【0102】
すなわち、図8に示すように、処理タンク14への被処理材26の投入量の少ない初期段階では、処理タンク14内の塩分濃度も低く、被処理材26に含まれる塩分がインピーダンスに及ぼす影響も少ない。
【0103】
これに対して、処理タンク14への被処理材26の投入量が増加した中間期段階では、被処理材26に含まれる塩分濃度がインピーダンスに影響して、被処理材26のインピーダンスが低下し、さらに、処理タンク14への被処理材26の投入量が最大量に近くなる後期段階では、被処理材26に含まれる塩分濃度も高くなるので、この塩分濃度の上昇によってインピーダンスの低下が極めて大きくなる。
【0104】
このために、被処理材26の投入量が増加すると、被処理材26の含水率が同じであっても、水分センサ60によって検出される電圧V(最低値VL)が変化してしまう。
【0105】
一方、処理タンク14内でパドル42を回転するときの負荷は、被処理材26の含水率に加えて、被処理材26の投入量によって変化する。すなわち、被処理材26の投入量が少なくとも、含水率が高ければ、パドル42の負荷が大きくなるが、被処理材26の投入量が多くても、含水率を低くすることによりパドル42の負荷を軽減することができる。
【0106】
また、処理タンク14内の被処理材26の量が少ないときには、被処理材26が乾燥しやすく、処理タンク14内の被処理材26の量が少ないときには、被処理材26が乾燥し難くなる。
【0107】
さらに、生ゴミ処理機10では、その使用目的から、時間経過に伴って処理タンク14内の被処理材26の量が増加するのが一般的となっている。
【0108】
このために、被処理材26の投入量にかかわらず目標含水率を同じにすると、パドル42の負荷が徐々に大きくなってしまうことになり、このパドル42の負荷が大きくなると、パドルシャフト30を回転するのに大きなトルクが必要となると共に、シャフト部44や攪拌フィン46の破損等を生じさせてしまう。
【0109】
このようなパドル42の破損等を防止するためには、パドル42の負荷を軽減する必要があり、このためには、被処理材26の目標含水率を、被処理材26の投入量に応じて下げることが好ましい。
【0110】
すなわち、パドル42の負荷を考慮した場合、パドル42に対する過負荷を防止するのに必要となる被処理材26の含水率は、被処理材26の量が少ないときには高くても良い(例えば50%程度)が、図8の破線で示すように、被処理材26の量に応じて低くする必要がある(例えば被処理材26の量が最大となったときで40%程度)。
【0111】
これに対して、生ゴミ処理機10では、水分センサ60によって検出する電圧Vに対する基準値VSを一定にすることにより、被処理材26中に塩分が含まれることにより、そのための塩分濃度によって、実質的に被処理材26の量に応じて目標含水率が下がることになる。
【0112】
すなわち、生ゴミ処理機10では、被処理材26の量が増加してインピーダンスが下がることにより、水分センサ60の電圧Vの最低値VLが基準値VSに達するときの、被処理材26の含水率が低下する。
【0113】
したがって、生ゴミ処理機10では、例えば図8に一点鎖線で示すように、処理タンク14内の被処理材26の量に応じて、基準値VSに対する被処理材26の含水率が変化し、被処理材26が少量であるときには、含水率が20%程度で、水分センサ60によって検出する電圧Vの最低値VLが、基準値VSを越えるのに対して、被処理材26が最大量となると、水分センサ60によって検出する電圧Vの最低値VLは、被処理材26の含水率が10%に達するまで基準値VSを越えることは無くなる。
【0114】
これにより、生ゴミ処理機10では、処理タンク14内の被処理材26の投入量が増加しても、パドル42の負荷を増加させることなく、この被処理材26に対する的確な攪拌処理を行うことが可能となる。
【0115】
なお、以上説明した本実施の形態は、本発明の構成を限定するものではない。例えば、本実施の形態では、水分センサ60のヘッド部62Aとパドル42の攪拌フィン46の間隔である距離dを4mmとしたが、ヘッド部62Aと攪拌フィン46の間隔は、電極64、66に攪拌フィン46が接触することなく、かつ、被処理材26の滞留を防止できる範囲であれば良く、例えば1mm〜40mmの範囲等の任意の距離を適用することができる。
【0116】
また、本実施の形態では、シャフト部44に設けた攪拌フィン46がヘッド部62Aに対向するようにしたが、シャフト部44がヘッド部62Aに対向するようにしても良く、このときには、シャフト部44とヘッド部62Aが前記間隔(1mm〜40mm)であれば良い。
【0117】
また、本実施の形態では、攪拌棒としてシャフト部44の先端部に攪拌フィン46を設けたパドル42を例に説明したが、攪拌棒としては、これに限るものではなく、任意の形状の及び数の攪拌フィンを任意の位置に設けたものであっても良い。また、シャフト部44の形状は、円柱状に限らず多角柱状などの任意の形状で棒状に形成したものであっても良い。
【0118】
さらに、本実施の形態では、被処理材26に塩分が含まれることにより、基準値VSを一定にしたが、被処理材26に塩分が含まれていないときや塩分がインピーダンス影響を及ぼすことを考慮しなくて良い程度に低いときには、例えば、図8に二点鎖線で示すように、被処理材26の投入量に応じて、被処理材26の処理状態を初期段階、中間段階及び後期段階の少なくとも3段階に分けて、それぞれの段階毎に基準値VS(目標とする含水率)を設定するようにしても良い。
【0119】
さらに、本実施の形態では、水分センサ60の電圧Vと基準値VSを比較するようにしたが、予め含水率に対する水分センサ60の出力電圧(電圧V)のマップを作成しておき、実際の水分センサ60の電圧Vとこのマップから含水率を得るようにしても良い。このときには、処理タンク14内の被処理材26の量と線分量等に基づいて含水率の補正を行うようことがより好ましい。
【0120】
また、本実施の形態に適用した生ゴミ処理機10は、本発明の一例を示すものであり、本発明は、任意の構成の生ゴミ処理機などの、被処理材を攪拌しながら被処理材が自己の発酵分解による発熱を含む加熱によって減水処理する任意の構成の減水処理装置に適用することができる。
【0121】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の含水率の判定方法によれば、処理タンク内で攪拌されている被処理材の含水率を迅速にかつ的確に判定することができる。また、本発明の減水処理装置では、被処理材に水分過多や過乾燥状態と至らしめることなく適切に減水処理することができるという優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に適用した生ゴミ処理機の側面側から見た要部の概略構成図である。
【図2】生ゴミ処理機の正面側から見た要部の概略構成図である。
【図3】攪拌手段として設けているパドルの概略構成を示す要部斜視図である。
【図4】(A)は水分センサの概略斜視図、(B)はパドルシャフトの軸方向と直交する方向側から見た水分センサとパドルの配置を示す概略図、(C)はパドルシャフトの軸方向側から見た水分センサとパドルの配置を示す概略図である。
【図5】制御部の要部の概略構成図である。
【図6】(A)及び(B)はパドルの回転に応じた水分センサの出力を示す線図であり、(A)は被処理材の含水率が35%、(B)は被処理材の含水率が20%の状態を示している。
【図7】生ゴミ処理機における処理時間に応じた水分センサの出力の変化の概略を示す線図である。
【図8】被処理材の投入量と含水率に対する被処理材の処理状態を示す図表である。
【符号の説明】
10 生ゴミ処理機(減水処理装置)
14 処理タンク
16(16A) 側板(槽壁)
26 被処理材
30 パドルシャフト(攪拌手段)
36 攪拌モータ(攪拌手段)
42 パドル(攪拌棒)
44 シャフト部(攪拌棒)
46 攪拌フィン(攪拌棒)
60 水分センサ(検出手段)
64、66 電極(検出手段)
68 制御部
70 コントローラ
72 含水率検出器
78 判定部(判定手段)
【発明の属する技術分野】
本発明は、生ゴミ等の被処理材を攪拌しながら減水処理するときの含水率の判定方法及び減水処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
野菜クズ等の生ゴミを処理する時には、微生物等を用いて有機物分解及び水分除去を図ることにより無害化及び減量化を行うようにしている。
【0003】
このような生ゴミ処理に用いられる生ゴミ処理装置には、被処理材として生ゴミを処理タンク内に投入し、処理タンク内に設けている攪拌棒を回転することにより、処理タンク内の被処理材を均一に攪拌して、被処理材の発酵ないし加熱を促進するようにしている。
【0004】
ところで、このような生ゴミ処理装置においては、水分量の減少が進まずに水分過多の状態が続くと、被処理材である生ゴミが粘土状となってしまう。粘土状となった高含水率の生ゴミは、攪拌棒を回転するときに大きな負荷となってしまい、攪拌棒が折れてしまうなどの損傷を発生させてしまうことがある。また、このような状態では、被処理材である生ゴミの腐敗が生じ易く、悪臭を発生させる原因となってしまう。
【0005】
一方、含水率が極めて低くなってしまった所謂過乾燥状態となると、生ゴミが紛体状となって排気用のフィルタに目詰まりを生じさせたり、粉塵となて機外に飛散してしまうなどの問題が生じてしまう。また、フィルタに目詰まりが生じた状態では、乾燥効率に低下が生じてしまい、次に生ゴミを処理するときに水分過多を生じさせてしまう。
【0006】
このために、生ゴミ処理装置においては、処理タンク内に投入して攪拌処理している生ゴミの含水率の適正な測定ないし判定が要求される。
【0007】
しかし、攪拌棒によって攪拌しながら生ゴミ等の被処理材の含水率を正確に検出するのは困難であり、ここから、発熱手段と温度センサを用い、発熱手段による生ゴミの加熱時間と温度センサの検出温度の変化から含水率を求める方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0008】
また、加熱装置と温度検出装置を一体にした検出ブロックを用い、加熱装置を作動させたときに温度検出装置が検出する温度を用いて、生ゴミの含水率を測定する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0009】
さらに、測定対象の含水率と相関をもつ含水率となる保水性電気絶縁素材を用い、この保水性電気絶縁素材を加熱したときの乾燥時間から測定対象の含水率を検出する方法が提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
【0010】
【特許文献1】
特開2002−195969号公報
【特許文献2】
特開平8−103759号公報
【特許文献3】
特開2000−258370号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの提案では、含水率の測定に時間がかかったり、あるいは、含水率の測定を行うために所要測定時間中、被処理物とセンサー部とを静止させて接触させておく必要があり、そのために、例えば連続攪拌ができないなどの攪拌条件の制限が生じたりするという問題がある。
【0012】
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、被処理材の攪拌を継続しながら、被処理材が所定の含水率に達したか否かを的確に判定する含水率の判定方法及び被処理材の含水率を効率的にかつ適正に減少させることができる減水処理装置を提案することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の含水率の判定方法は、処理タンク内に投入した流動性の被処理材を、軸方向に沿って所定間隔で攪拌棒が設けられたシャフトを回転駆動することにより、攪拌棒によって攪拌しながら減水処理するときに、前記被処理材の含水率が所定の含水率に達したか否かを判定する含水率の判定方法であって、処理タンクの槽壁で前記攪拌棒に所定間隔で対向する位置に、前記被処理材のインピーダンスに応じた電圧を出力する検出手段を配置し、前記検出手段に前記攪拌棒が対向したときの検出手段の出力電圧から、前記被処理材の含水率が所定の含水率に達したか否かを判定することを特徴とする。
【0014】
この発明によれば、攪拌棒が検出手段に対向したときに検出手段から出力される電圧から、被処理材の含水率を判定する。処理タンク内の被処理材を攪拌手段によって攪拌しているときには、検出手段から出力される電圧が不安定となっているが、攪拌棒が検出手段に対向したときには、攪拌棒によって被処理材が検出手段に押し付けられるので、検出手段の出力は、含水率に応じた略一定の値となる。
【0015】
ここから、予め被処理材の含水率に応じた検出手段の出力電圧又は、被処理材が目標含水率となっているときの検出手段の出力電圧を基準値として設定しておくことにより、この基準値と実際の検出手段の出力電圧から、被処理材の含水率を的確に判定することができる。
【0016】
一方、本発明の減水処理装置は、処理タンク内に投入された流動性の被処理材を攪拌しながら加熱ないし発熱を促進して水分を蒸発させることにより減水処理する減水処理装置であって、攪拌棒を前記処理タンク内に配置されたシャフトの軸方向に沿って所定間隔で取り付け、シャフトを所定周期で回転駆動することにより処理タンク内の被処理材を攪拌する攪拌手段と、前記処理タンクの壁面で前記攪拌棒が回転移動中に所定間隔で対向する位置に配置されて前記被処理材のインピーダンスに応じた電圧を出力する検出手段と、前記攪拌フィンが前記検出手段に対向したときに検出手段から出力される電圧を読み込んで、該電圧が予め設定している所定値に達した否かから前記被処理材の含水率を判定する判定手段と、を含むことを特徴とする。
【0017】
この発明によれば、処理タンクに投入した生ゴミ等の被処理材を、攪拌手段によって攪拌する。攪拌手段には、シャフトに設けている攪拌棒が、シャフトを回転駆動することにより回転移動して、処理タンク内の被処理材を均一に攪拌する。
【0018】
一方、処理タンクの槽壁には、検出手段が設けられており、回転移動する攪拌棒が検出手段に対向したときに、被処理材を検出手段へ押し付ける。
【0019】
判定手段は、攪拌棒が検出手段に対向したときに、検出手段から出力する電圧に基づいて、処理タンク内の被処理材の含水率を判定する。
【0020】
攪拌棒が検出手段に対向したとき、処理タンク内を流動している被処理材が、攪拌棒によって検出手段に押し付けられるため、インピーダンスが含水率に応じた略一定の値となる。
【0021】
判定手段は、この検出手段の出力する電圧に基づいて被処理材の含水量を判定するので、処理タンク内の被処理材の含水率を的確に判定することができ、これにより、含水率が高いときには減水を促進させ、減水率が低いときには減水を押えるように制御して、減水処理を行うことができる。
【0022】
したがって、被処理材の減水不足による攪拌棒の損傷等を生じさせたり、被処理材を過乾燥状態とすることなく適正に減水処理を行うことができる。
【0023】
このような本発明の減水処理装置では、前記所定値を前記被処理材の目標含水率に基づいて設定し、前記判定手段の判定結果に基づいて前記被処理材の減水処理を制御する制御手段を含むことができる。
【0024】
これにより、処理タンク内の被処理材が所望の含水率となるように減水処理を行うことができる。
【0025】
さらに、本発明の減水処理装置では、前記処理タンク内に前記被処理材を投入して処理タンク内の被処理材の量を増加させるときに、前記被処理材の増加量に応じて前記目標含水率を低くすることができる。
【0026】
被処理材の量が少なければ、減水処理が進行しすぎて過乾燥状態になりやすいので、減水処理を押えるようにすることが好ましい、被処理材の量が多いときには、減水処理に遅れが生じ易いと共に、攪拌手段に大きな負荷がかかり易い。
【0027】
ここから、被処理材の量が少ないときには、目標減水率が高くなるように基準値を設定し、被処理材の量が多いときには、攪拌手段の負荷を抑えるために目標含水率が低くなるように基準値を設定する。
【0028】
これにより、より確実に攪拌手段の損傷や過乾燥を防止しながら被処理材の減水処理を行うことができる。
【0029】
一方、処理タンク内には、微生物が処理タンク内で生息可能となるようにすると共に水分緩和を図るため、予めモミガラ、オガクズ、バイオ菌等の菌床材を含む資材を投入されており、これらには塩分が含まれない。
【0030】
しかし、被処理材として処理タンクに投入される生ゴミには、少なからず塩分が含まれる。この塩分は、被処理材の投入量の増加に応じて増加して、被処理材のインピーダンスを低下させる。
【0031】
このために、検出手段によって検出した電圧に対する基準値を一定としても、被処理材の投入量に応じて含水率を低下させることができる。すなわち、被処理材に塩分が含まれるときには、被処理材の量に応じて基準値を変更すること無く、目標含水率を下げることができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。図1及び図2には、本実施の形態に減水処理装置として適用した生ゴミ処理機10の概略構成を示している。
【0033】
この生ゴミ処理機10は、図示しないフレームを囲うようにケーシング12が設けられている。このケーシング12は、略箱体形状に形成されており、生ゴミ処理機10には、このケーシング12内に処理タンク14が設けられている。なお、図1は、生ゴミ処理機10の側面側から見た要部の概略構成を示しており、図2は、生ゴミ処理機10の正面側(図1の紙面右側)から見た要部の概略構成を示している。
【0034】
図2に示すように、処理タンク14は、一対の側板16を備え、この一対の側板16が槽壁18によって連結されて形成されている。また、図1に示すように、槽壁18は、下端側が所定径で湾曲され、この湾曲によって処理タンク14には、内面が半円状に湾曲された底部20が形成されている。
【0035】
これにより、図1及び図2に示すように、処理タンク14は、上方側が開口されており、この上方の開口がケーシング12の上板22に接するように配置されて略密閉状態となっており、処理タンク14内の臭気が機外に漏れるのが防止されている。
【0036】
生ゴミ処理機10では、この処理タンク14の周囲が図示しない断熱材によって囲われており、これにより、処理タンク14内の熱が処理タンク14外に放出されるのを防止すると共に、処理タンク14が機外の空気によって冷却されるなどしてしまうのを防止している。すなわち、生ゴミ処理機10では、外気温にかかわらず処理タンク14内の温度を、効率的に所望の温度に維持可能となっていると共に、処理タンク14内の温度によってケーシング12の周囲の温度が上昇してしまうのを防止している。
【0037】
図1に示すように、ケーシング12の上板22には、投入蓋24が設けられている。生ゴミ処理機10では、この投入蓋24を開くことにより、処理タンク14内に野菜クズ等の生ゴミを被処理材26として投入できるようになっている。
【0038】
ところで、生ゴミ処理機10の処理タンク14内には、一対の側板16の間には、攪拌手段を形成するパドルシャフト30が掛け渡されている。パドルシャフト30は、軸心が処理タンク14の内面が湾曲している底部20の湾曲中心(軸心)と一致するように配置されている。また、図2に示すように、側板16のそれぞれには、ピローブロック32が取り付けられており、パドルシャフト30は、軸方向の両端部がピローブロック32に挿入されることにより、処理タンク14内のシール性を保持した状態で回転自在に支持されている。
【0039】
一方の側板16から突出しているパドルシャフト30の先端部には、スプロケット34が取り付けられている。また、ケーシング12内には、攪拌モータ36が設けられており、この攪拌モータ36の駆動軸36Aにスプロケット38が取り付けられている。スプロケット34、38の間には、チェーン40が巻き掛けられている。
【0040】
これにより、生ゴミ処理機10では、攪拌モータ36を駆動すると、この攪拌モータ36の駆動力がパドルシャフト30に伝達されて、パドルシャフト30が処理タンク14内で回転駆動されるようになっている。
【0041】
一方、パドルシャフト30には、攪拌棒として複数のパドル42が取り付けられている。図3に示すように、パドル42は、所定長さのシャフト部44の先端に、攪拌フィン46が取り付けられている。また、シャフト部44には、攪拌フィン46と反対側の端部に矩形平板状のベース板48が取り付けられている。
【0042】
図1及び図2に示すように、パドル42は、このベース板48(図1では図示省略)をパドルシャフト30の周面に固定することにより、攪拌フィン46がパドルシャフト30の半径方向の外方側となるように取り付けられている。
【0043】
これにより、生ゴミ処理機10では、パドルシャフト30が回転したときに、パドル42が処理タンク14内で回転するようになっている。なお、図3に示すように、パドル42には、ベース板48から突出するように基部48Aが形成されており、パドルシャフト30の周面には、所定位置にフラット面及び基部48Aの挿入孔が形成されており、パドル42は、パドルシャフト30の挿入孔へ基部48Aを挿入し、フラット面にベース板48を対向させて配置し、パドルシャフト30の挿入孔から突出した基部48Aにナット等を螺合して、ベース板48との間でパドルシャフト30を挟むことにより固定される。
【0044】
一方、攪拌フィン46は、所定幅及び所定長さの帯板状に形成されており、長手方向がシャフト部44の軸方向と直交する方向に沿って配置されている。
【0045】
図1及び図2に示すように、パドル42は、パドルシャフト30に取り付けられたときに、攪拌フィン46の先端が処理タンク14の底部20の内面に接近した長さとなっている。
【0046】
これにより、生ゴミ処理機10では、パドルシャフト30が回転することにより、攪拌フィン46が処理タンク14の底部20の内面に沿って移動するようになっている。
【0047】
図3に示すように、攪拌フィン46は、パドル42をパドルシャフト30(図3では図示省略)に取り付けたときに、パドルシャフト30の軸方向(図3で一点鎖線で示す方向)に対して、長手方向が所定の角度θで傾斜するようにシャフト部44に取り付けられている。
【0048】
また、図2に示すように、本実施の形態に適用した生ゴミ処理機10では、一例としてパドルシャフト30に6本のパドル42を所定の間隔で取り付け、かつ、図1に示すように、パドル42のそれぞれがパドルシャフト30を中心に放射状となるように、所定の角度ずつずらして取り付けている。
【0049】
このときに、図1及び図2に示すように、例えば互いに隣接するパドル42の間では、攪拌フィン46のパドルシャフト30の軸線に対する角度(向き)が異なるように配置されている。なお、本実施の形態では、図3に示す角度θを、一例として30°(θ=30°)にしているが、角度θは、これに限るものではない。
【0050】
図2に示すように、側板16側のパドル42は、攪拌フィン46の先端部が、側板16の表面に接近するように配置されている。
【0051】
これにより生ゴミ処理機10では、パドルシャフト30を回転駆動することにより、処理タンク14内に投入されている被処理材26が均一に混じるように攪拌可能となっていると共に、側板16の内面近傍及び底部20の内面近傍に、被処理材26が付着するなどして攪拌されずに残るのを確実に防止するようにしている。なお、生ゴミ処理機10では、パドル42を回転駆動することにより、処理タンク14内に投入した被処理材26を細断するようにしている。また、生ゴミ処理機10では、ステンレス(SUS)を用いて、処理タンク14と共にパドルシャフト30及びパドル42(シャフト部44、攪拌フィン46及びベース板48など)を形成して、耐蝕性の向上を図っている。
【0052】
このように構成されている生ゴミ処理機10では、投入蓋24を開いて処理タンク14内に野菜クズ等の有機物及び水分を含む生ゴミなどが被処理材26として投入されると、パドルシャフト30を所定の回転速度で回転駆動して、処理タンク14内の被処理材26を均一に攪拌しながら細断する。
【0053】
また、図1に示すように、生ゴミ処理機10には、処理タンク14内の空気を排気する排気ブロア50(図2では図示省略)と共に、図示しないヒータが設けられている。生ゴミ処理機10では、このヒータと共に排気ブロア50を作動することにより、図示しないヒータによって加熱した空気を処理タンク14内に送り込んで、処理タンク14内の被処理材26を加熱して、所定の温度範囲に維持する。
【0054】
これにより、処理タンク14内の被処理材26から水分を蒸発させて減水を図るようにしている。
【0055】
なお、生ゴミ処理機10としては、図示しないヒータによる被処理材26の加熱のみでなく微生物を用いて有機物の発酵を促進することが好ましく、このときには、予めモミガラ、オガクズ、バイオ菌等の菌床材を含む資材を投入しておいて、微生物が処理タンク14内で生息可能となるようにすると共に、水分緩和を図ることができる。
【0056】
この生ゴミ処理機10には、図示しない脱臭器が設けられている。脱臭器は、フィルタや活性炭等が設けられた一般的構成を用いており、処理タンク14から排気する空気が通過するすることにより、この空気に対して脱臭、浄化等を図ることにより清浄化し、無臭で塵埃等を含まない空気を排出するようにしている。
【0057】
処理タンク14に投入された被処理材26は、有機物の発酵分解が促進され、これに伴って発生する炭酸ガスや水蒸気が機外へ排出されて減水処理される。このときに、処理タンク14内が、所定温度に維持されることにより有機物の発酵分解が促進される。
【0058】
これにより、生ゴミ処理機10では、生ゴミの総量削減を図ると共に、堆肥等に適用可能な残さを生成する。このような生ゴミ処理機10の基本的構成は、従来公知の構成を適用することができる。
【0059】
ところで、生ゴミ処理機10には、水分センサ60が設けられており、生ゴミ処理機10では、被処理材26の含水率が所定値に達したか否かを水分センサ60を用いて判定し、被処理材26が適正な含水率となるように減水されるようにしている。
【0060】
図4(A)に示すように、水分センサ60は、絶縁性の樹脂によって略円盤状に形成されたホルダ62を備え、このホルダ62に、一対の電極64、66が設けられている。ホルダ62には、略円柱状に突出したヘッド部62Aが形成されており、一対の電極64、66は、このヘッド部62Aに所定間隔で配置され、また、電極64、66は、先端面がヘッド部62Aの表面と同一面となるように取り付けられている。
【0061】
図1及び図2に示すように、この水分センサ60は、処理タンク14を形成している一方の側板16(以下、特に区別するときには「側板16A」とする)の底部20側に取り付けられている。また、図4(B)に示すように、ホルダ62は、ヘッド部62Aが側板16Aに形成している取付孔16Bから処理タンク14内へ向けて挿入され、ヘッド部62Aの表面が側板16Aの表面(内面)と同一平面となるように取り付けられている。
【0062】
これにより、水分センサ60が側板16Aの表面に凹凸を生じさせることが無く、側板16Aの表面に凹凸を生じさせてしまうことにより被処理材26が滞留してしまうのを確実に防止するようにしている。
【0063】
また、図4(B)及び図4(C)に示すように、水分センサ60の取付位置は、この側板16Aに隣接するパドル42(以下、特に区別するときには「パドル42A」とする)の攪拌フィン46に対向する位置となっている。すなわち、図4(C)に示すように、処理タンク14の内方側から見ると、パドル42Aの攪拌フィン46が、水分センサ60の近傍を通過するときに、水分センサ60と攪拌フィン46とが確実に重なるようになっている。なお、図4(C)では、パドル42Aが回転したときの攪拌フィン46の移動軌跡を二点鎖線で示している。
【0064】
このように、パドルシャフト30が回転駆動することによりパドル42に取り付けている攪拌フィン46は、水分センサ60に対向する一定位置を通過するようになっている。このとき、図4(B)に示すように、攪拌フィン46が傾斜されていることにより、被処理材26(図示省略)は、攪拌フィン46と水分センサ60との間隔に応じた量が、攪拌フィン46によって水分センサ60へ押し付けられる。
【0065】
本実施の形態では、一例として攪拌フィン46の先端と水分センサ60との距離(ホルダ62のヘッド部62A表面までの距離)dを4mm(d=4mm)としている。なお、この距離dは、攪拌フィン46が、水分センサ60(電極64、66)に接触することが無く、かつ、攪拌フィン46の移動によってホルダ62の表面近傍の被処理材26が確実に移動攪拌される距離であれば良く、例えば1mm〜40mmの範囲とすることができる。
【0066】
一方、図5に示すように、生ゴミ処理機10の制御部68には、装置の作動を制御するコントローラ70が設けられている。このコントローラ70には、前記した攪拌モータ36、排気ブロア50と共に、図示しないヒータや処理タンク14内の温度を検出する温度センサ等が設けられている。
【0067】
また、制御部68には、含水率検出器72が設けられている。この含水率検出器72は、水分センサ60及び、所定電圧(例えば24vの直流電圧)の電力を出力する電源74を備えており、この電源74が所定抵抗値R(例えばR=80kΩ)の分圧抵抗76を介して水分センサ60に接続している。
【0068】
また、含水率検出器72には、一対の電極64、66の間の電圧Vから処理タンク14内に投入されている被処理材26の含水率を判定する判定部78が設けられている。
【0069】
パドル42を回転しながら処理タンク14内の被処理材26を攪拌しているときには、被処理材26が流動的であるために、水分センサ60に設けている一対の電極64、66の間のインピーダンスは常に変化し、判定部78に入力される電圧Vも不安定となっている。
【0070】
一方、電極64、66の間のインピーダンスが変化する中で、パドル42Aの攪拌フィン46が水分センサ60の一対の電極64、66に対向したときには、一対の電極64、66間のインピーダンスが最も高くなる。また、そのときのインピーダンスは、被処理材26の含水率によって変化し、含水率が少なくなったときには、含水率が多い時に比べて高くなる。
【0071】
生ゴミ処理機10では、処理タンク14内に投入された被処理材26を攪拌しながら、所定の温度範囲に維持して、被処理材26の粉砕しながら減水処理を行う。このときに、被処理材26の含水率が、予め設定した含水率に達したときの水分センサ60の電圧または、電圧の平均値を測定し、この測定結果から基準値VSを設定し、判定部78ないしコントローラ70に記憶させておくようにしている。
【0072】
判定部78では、パドル42(42A)の1回転中で水分センサ60から出力される電圧Vが最も低くなる値(最低値VL)を検出し、所定時間またはパドル42の所定回転数内での平均値VAVと、予め設定している値(基準値VS)とを比較し、平均値VAVが基準値VSを越えているとき(VAV≧VS)には、処理タンク14内の被処理材26が所定の処理状態に達したと判断するようにしている。
【0073】
コントローラ70は、この含水率検出器72の判定部78の判定結果に基づいて、処理タンク14内の被処理材26の処理制御を行うようになっている。
【0074】
ここで、生ゴミ処理機10での、水分センサ60を用いた被処理材26の含水率の判定を説明する。
【0075】
生ゴミ処理機10では、例えば処理タンク14内に予め菌床材を投入している状態で、生ゴミ等の被処理材26を投入されることにより、被処理材26に対する処理(減水処理)を開始する。また、被処理材26は、例えば生ゴミが発生する毎に、処理タンク14内に投入される。
【0076】
生ゴミ処理機10では、攪拌モータ36を作動させることにより、パドル42を一定速度(予め設定されている速度)で回転させ、処理タンク14内に投入された被処理材26の攪拌を行う。また、生ゴミ処理機10では、図示しないヒータと共に排気ブロア50を作動することにより、処理タンク14内に温風を供給する。
【0077】
これにより、被処理材26の発酵分解が開始され、処理タンク14内に炭酸ガスと水蒸気が発生し、この発生物を含んだ空気が清浄化されながら機外へ排出されることにより、被処理材26の減水が図られる。
【0078】
このときに生ゴミ処理機10では、水分センサ60を用いて、処理タンク14内の被処理材26の含水率を判定し、この判定結果に基づいて、被処理材26に対する処理の制御を行う。この制御は、例えばコントローラ70においてヒータによる加熱を制御するなどして行われる。
【0079】
生ゴミ処理機10に設けている含水率検出器72の判定部78では、予め設定した時間間隔で水分センサ60の電圧Vを読み込むと、パドルシャフト30の1回転の間の電圧Vの最低値VLを取り込む。また、判定部78では、予め設定している回数分の最低値VLを取り込むと、この最低値VLの平均値VAVを算出する。
【0080】
この後に、判定部78では、この平均値VAVと、予め設定している基準値VSを比較する。
【0081】
ここで、平均値VAVが基準値VSよりも低いとき(VAV<VS)には、処理タンク14内の被処理材26の含水率が高いと判断する。また、平均値VAVが基準値VSよりも高くなっているとき(VAV≧VS)には、処理タンク14内の被処理材26の含水率が適正な状態に達したと判断する。
【0082】
図6(A)及び図6(B)には、被処理材26の処理に伴うパドル42の回転に応じた水分センサ60の電圧変化の概略を示している。なお、この測定は、パドルシャフト30(パドル42)の回転時間を25.6secとして被処理材26の処理を行っているときに、0.1sec間隔での測定結果を示している。また、図6(A)は、処理タンク14内の被処理材26の含水率が35%であり、図6(B)は、処理タンク14内の被処理材26の含水率が20%のときの測定結果を示している。
【0083】
図6(A)及び図6(B)に示すように、水分センサ60の電圧Vは、パドルシャフト30の回転周期で変化する。このとき、被処理材26の含水率にかかわらず、水分センサ60の電圧Vの最大値はほぼ同じである。
【0084】
これに対して、水分センサ60の電圧Vは、被処理材26の含水率が異なればの最低値VLも異なるが、被処理材26の水分率が同じであれば、最低値VLも略同じ値となる。
【0085】
すなわち、パドル42の回転周期に応じたサイクルで、水分センサ60の電圧Vの最低値VLが検出され、被処理材26の含水率が高いときには、この最低値VLが低く(図6(A)参照)、被処理材26の含水率が低いときには、水分センサ60の電圧Vの最低値VLが高くなる(図6(B)参照)。
【0086】
このような水分センサ60の電圧Vの最低値VLが検出されるタイミングは、この水分センサ60に最も近いパドル42Aの攪拌フィン46が水分センサ60の電極64、66に対向する位置であり、この位置では、水分センサ60に攪拌フィン46が対向することにより、処理タンク14内で流動している被処理材26が、攪拌フィン46によって水分センサ60の電極64、66に押し付けられて安定する。
【0087】
ここから、パドル42の1回転内での水分センサ60の電圧Vの最低値VLは、被処理材26の含水率に応じて変化することがわかり、生ゴミ処理機10に設けている含水量検出器72の判定部78では、この水分センサ60の電圧Vの最低値VLから、処理タンク14内の被処理材26の含水率を判断するようにしている。
【0088】
これにより、パドル42によって攪拌されている処理タンク14内の被処理材26であっても、その含水率が予め設定している所定値に達したか否かを迅速にかつ的確に判断することができる。
【0089】
また、判定部78は、所定回数または所定時間の水分センサ60の最低値VLを平均化(平均値VAV)して、被処理材26の含水率を判断するようにしているため、ノイズが発生したり、被処理材26に導電材などの不純物が含まれてしまっていても誤判定を防止して、より正確な含水率の判断が可能となっている。
【0090】
したがって、基準値VSを、被処理材26が適切な含水率となっているときの水分センサ60の電圧V(最低値VL)に設定することにより、処理タンク14内の被処理材26が、粘土状となってパドル42の回転負荷が大きくなる高含水率状態(乾燥不足状態)や、粉末状となって図示しないフィルタに目詰まり等を生じさせる過乾燥状態となるのを確実に防止しながら、この被処理材26を適切な減水状態とすることができる。
【0091】
一般に、任意のタイミングで新たな被処理材26を処理タンク14内に投入しながら攪拌処理することにより、水分センサ60によって検出する電圧Vは、図7に示すように、処理時間に応じて最低値VL(図7では図示省略)が、徐々に高くなる。なお、このときの被処理材26の処理は、必要に応じて加熱処理を施す。
【0092】
このような水分センサ60の電圧Vの上昇は、主に処理タンク14内の被処理材26の含水率が低下することにより生じ、被処理材26に対する処理時間が長くなることにより、処理タンク14内の被処理材26は過乾燥状態に至る。
【0093】
ここから、処理タンク14内の被処理材26が最適な乾燥状態となっているときに、水分センサ60から出力される電圧Vを、基準電圧VSとして設定する。
【0094】
これにより、生ゴミ処理機10では、水分センサ60によって検出する電圧Vが基準値VSに達することにより、これ以上の含水率の低下(図7で二点鎖線で示すライン以上の電圧Vの上昇)を抑えるようになる。
【0095】
したがって、水分センサ60を用いることにより、生ゴミ処理機10では、被処理材26が所望の乾燥状態を越えた過乾燥状態となってしまうのを防止することができる。
【0096】
このように、生ゴミ処理機10では、処理タンク14内の被処理材26の含水率を的確に判断して、この判断結果に基づいて被処理材26に対する制御を行うので、被処理材26に対する円滑な処理が可能となる。
【0097】
この処理タンク14内には、微生物が処理タンク14内で生息可能となるようにすると共に水分緩和を図るために、予めモミガラ、オガクズ、バイオ菌等の菌床材を含む資材を投入しており、これらには塩分が含まれていない。
【0098】
一方、被処理材26として投入される生ゴミ等には、少なからず塩分が含まれる。被処理材26のインピーダンスは、この塩分濃度によって変化し、塩分濃度が高いと、被処理材26の含水率が所定状態に達しても、水分センサ60によって検出する電圧V(最低値VL)が基準値VSより低いことがある。
【0099】
特に、生ゴミ処理機10を実際に使用するときには、毎日のように発生する生ゴミが被処理材26として処理タンク14に投入される。これにより、処理タンク14内の塩分量は徐々に増加することになる。すなわち、処理タンク14内の塩分濃度は、被処理材26の投入量に応じて増加する。
【0100】
生ゴミ処理機10では、基準値VSを一定にして処理タンク14内の含水率を判断し、この判断結果に基づいて被処理材26の減水処理を行っている。このために、生ゴミ処理機10では、処理タンク14への被処理材26の投入量(総量)が増加すると、被処理材26の含水率が低くなるように制御することになる。
【0101】
処理タンク14内の被処理材26の量が増加することにより塩分濃度が増加し、インピーダンスが塩分(塩分濃度)の影響を受けるために、被処理材26のインピーダンスが徐々に低下する。これにより、基準値VSに対する被処理材の実際の含水率も変化し、被処理材26の投入量が増加することにより、基準値VSに対する含水率が低くなる。
【0102】
すなわち、図8に示すように、処理タンク14への被処理材26の投入量の少ない初期段階では、処理タンク14内の塩分濃度も低く、被処理材26に含まれる塩分がインピーダンスに及ぼす影響も少ない。
【0103】
これに対して、処理タンク14への被処理材26の投入量が増加した中間期段階では、被処理材26に含まれる塩分濃度がインピーダンスに影響して、被処理材26のインピーダンスが低下し、さらに、処理タンク14への被処理材26の投入量が最大量に近くなる後期段階では、被処理材26に含まれる塩分濃度も高くなるので、この塩分濃度の上昇によってインピーダンスの低下が極めて大きくなる。
【0104】
このために、被処理材26の投入量が増加すると、被処理材26の含水率が同じであっても、水分センサ60によって検出される電圧V(最低値VL)が変化してしまう。
【0105】
一方、処理タンク14内でパドル42を回転するときの負荷は、被処理材26の含水率に加えて、被処理材26の投入量によって変化する。すなわち、被処理材26の投入量が少なくとも、含水率が高ければ、パドル42の負荷が大きくなるが、被処理材26の投入量が多くても、含水率を低くすることによりパドル42の負荷を軽減することができる。
【0106】
また、処理タンク14内の被処理材26の量が少ないときには、被処理材26が乾燥しやすく、処理タンク14内の被処理材26の量が少ないときには、被処理材26が乾燥し難くなる。
【0107】
さらに、生ゴミ処理機10では、その使用目的から、時間経過に伴って処理タンク14内の被処理材26の量が増加するのが一般的となっている。
【0108】
このために、被処理材26の投入量にかかわらず目標含水率を同じにすると、パドル42の負荷が徐々に大きくなってしまうことになり、このパドル42の負荷が大きくなると、パドルシャフト30を回転するのに大きなトルクが必要となると共に、シャフト部44や攪拌フィン46の破損等を生じさせてしまう。
【0109】
このようなパドル42の破損等を防止するためには、パドル42の負荷を軽減する必要があり、このためには、被処理材26の目標含水率を、被処理材26の投入量に応じて下げることが好ましい。
【0110】
すなわち、パドル42の負荷を考慮した場合、パドル42に対する過負荷を防止するのに必要となる被処理材26の含水率は、被処理材26の量が少ないときには高くても良い(例えば50%程度)が、図8の破線で示すように、被処理材26の量に応じて低くする必要がある(例えば被処理材26の量が最大となったときで40%程度)。
【0111】
これに対して、生ゴミ処理機10では、水分センサ60によって検出する電圧Vに対する基準値VSを一定にすることにより、被処理材26中に塩分が含まれることにより、そのための塩分濃度によって、実質的に被処理材26の量に応じて目標含水率が下がることになる。
【0112】
すなわち、生ゴミ処理機10では、被処理材26の量が増加してインピーダンスが下がることにより、水分センサ60の電圧Vの最低値VLが基準値VSに達するときの、被処理材26の含水率が低下する。
【0113】
したがって、生ゴミ処理機10では、例えば図8に一点鎖線で示すように、処理タンク14内の被処理材26の量に応じて、基準値VSに対する被処理材26の含水率が変化し、被処理材26が少量であるときには、含水率が20%程度で、水分センサ60によって検出する電圧Vの最低値VLが、基準値VSを越えるのに対して、被処理材26が最大量となると、水分センサ60によって検出する電圧Vの最低値VLは、被処理材26の含水率が10%に達するまで基準値VSを越えることは無くなる。
【0114】
これにより、生ゴミ処理機10では、処理タンク14内の被処理材26の投入量が増加しても、パドル42の負荷を増加させることなく、この被処理材26に対する的確な攪拌処理を行うことが可能となる。
【0115】
なお、以上説明した本実施の形態は、本発明の構成を限定するものではない。例えば、本実施の形態では、水分センサ60のヘッド部62Aとパドル42の攪拌フィン46の間隔である距離dを4mmとしたが、ヘッド部62Aと攪拌フィン46の間隔は、電極64、66に攪拌フィン46が接触することなく、かつ、被処理材26の滞留を防止できる範囲であれば良く、例えば1mm〜40mmの範囲等の任意の距離を適用することができる。
【0116】
また、本実施の形態では、シャフト部44に設けた攪拌フィン46がヘッド部62Aに対向するようにしたが、シャフト部44がヘッド部62Aに対向するようにしても良く、このときには、シャフト部44とヘッド部62Aが前記間隔(1mm〜40mm)であれば良い。
【0117】
また、本実施の形態では、攪拌棒としてシャフト部44の先端部に攪拌フィン46を設けたパドル42を例に説明したが、攪拌棒としては、これに限るものではなく、任意の形状の及び数の攪拌フィンを任意の位置に設けたものであっても良い。また、シャフト部44の形状は、円柱状に限らず多角柱状などの任意の形状で棒状に形成したものであっても良い。
【0118】
さらに、本実施の形態では、被処理材26に塩分が含まれることにより、基準値VSを一定にしたが、被処理材26に塩分が含まれていないときや塩分がインピーダンス影響を及ぼすことを考慮しなくて良い程度に低いときには、例えば、図8に二点鎖線で示すように、被処理材26の投入量に応じて、被処理材26の処理状態を初期段階、中間段階及び後期段階の少なくとも3段階に分けて、それぞれの段階毎に基準値VS(目標とする含水率)を設定するようにしても良い。
【0119】
さらに、本実施の形態では、水分センサ60の電圧Vと基準値VSを比較するようにしたが、予め含水率に対する水分センサ60の出力電圧(電圧V)のマップを作成しておき、実際の水分センサ60の電圧Vとこのマップから含水率を得るようにしても良い。このときには、処理タンク14内の被処理材26の量と線分量等に基づいて含水率の補正を行うようことがより好ましい。
【0120】
また、本実施の形態に適用した生ゴミ処理機10は、本発明の一例を示すものであり、本発明は、任意の構成の生ゴミ処理機などの、被処理材を攪拌しながら被処理材が自己の発酵分解による発熱を含む加熱によって減水処理する任意の構成の減水処理装置に適用することができる。
【0121】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の含水率の判定方法によれば、処理タンク内で攪拌されている被処理材の含水率を迅速にかつ的確に判定することができる。また、本発明の減水処理装置では、被処理材に水分過多や過乾燥状態と至らしめることなく適切に減水処理することができるという優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に適用した生ゴミ処理機の側面側から見た要部の概略構成図である。
【図2】生ゴミ処理機の正面側から見た要部の概略構成図である。
【図3】攪拌手段として設けているパドルの概略構成を示す要部斜視図である。
【図4】(A)は水分センサの概略斜視図、(B)はパドルシャフトの軸方向と直交する方向側から見た水分センサとパドルの配置を示す概略図、(C)はパドルシャフトの軸方向側から見た水分センサとパドルの配置を示す概略図である。
【図5】制御部の要部の概略構成図である。
【図6】(A)及び(B)はパドルの回転に応じた水分センサの出力を示す線図であり、(A)は被処理材の含水率が35%、(B)は被処理材の含水率が20%の状態を示している。
【図7】生ゴミ処理機における処理時間に応じた水分センサの出力の変化の概略を示す線図である。
【図8】被処理材の投入量と含水率に対する被処理材の処理状態を示す図表である。
【符号の説明】
10 生ゴミ処理機(減水処理装置)
14 処理タンク
16(16A) 側板(槽壁)
26 被処理材
30 パドルシャフト(攪拌手段)
36 攪拌モータ(攪拌手段)
42 パドル(攪拌棒)
44 シャフト部(攪拌棒)
46 攪拌フィン(攪拌棒)
60 水分センサ(検出手段)
64、66 電極(検出手段)
68 制御部
70 コントローラ
72 含水率検出器
78 判定部(判定手段)
Claims (4)
- 処理タンク内に投入した流動性の被処理材を、軸方向に沿って所定間隔で攪拌棒が設けられたシャフトを回転駆動することにより、攪拌棒によって攪拌しながら減水処理するときに、前記被処理材の含水率が所定の含水率に達したか否かを判定する含水率の判定方法であって、
処理タンクの槽壁で前記攪拌棒に所定間隔で対向する位置に、前記被処理材のインピーダンスに応じた電圧を出力する検出手段を配置し、前記検出手段に前記攪拌棒が対向したときの検出手段の出力電圧から、前記被処理材の含水率が所定の含水率に達したか否かを判定することを特徴とする含水率の判定方法。 - 処理タンク内に投入された流動性の被処理材を攪拌しながら加熱ないし発熱を促進して水分を蒸発させることにより減水処理する減水処理装置であって、
攪拌棒を前記処理タンク内に配置されたシャフトの軸方向に沿って所定間隔で取り付け、シャフトを所定周期で回転駆動することにより処理タンク内の被処理材を攪拌する攪拌手段と、
前記処理タンクの壁面で前記攪拌棒が回転移動中に所定間隔で対向する位置に配置されて前記被処理材のインピーダンスに応じた電圧を出力する検出手段と、
前記攪拌フィンが前記検出手段に対向したときに検出手段から出力される電圧を読み込んで、該電圧が予め設定している所定値に達した否かから前記被処理材の含水率を判定する判定手段と、
を含むことを特徴とする減水処理装置。 - 前記所定値を前記被処理材の目標含水率に基づいて設定し、
前記判定手段の判定結果に基づいて前記被処理材の減水処理を制御する制御手段を含むことを特徴とする請求項2に記載の減水処理装置。 - 前記処理タンク内に前記被処理材を投入して処理タンク内の被処理材の量を増加させるときに、前記被処理材の増加量に応じて前記目標含水率を低くすることを特徴とする請求項3に記載の減水処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003075449A JP2004286450A (ja) | 2003-03-19 | 2003-03-19 | 含水率の判定方法及び減水処理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003075449A JP2004286450A (ja) | 2003-03-19 | 2003-03-19 | 含水率の判定方法及び減水処理装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004286450A true JP2004286450A (ja) | 2004-10-14 |
Family
ID=33290760
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003075449A Pending JP2004286450A (ja) | 2003-03-19 | 2003-03-19 | 含水率の判定方法及び減水処理装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004286450A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010253367A (ja) * | 2009-04-23 | 2010-11-11 | Kenichi Watanabe | 流動性処理物の攪拌処理装置及び有機廃棄物処理装置 |
JP2019018181A (ja) * | 2017-07-20 | 2019-02-07 | グレンカル・テクノロジー株式会社 | 処理装置及び処理プログラムを記憶した記憶媒体 |
-
2003
- 2003-03-19 JP JP2003075449A patent/JP2004286450A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010253367A (ja) * | 2009-04-23 | 2010-11-11 | Kenichi Watanabe | 流動性処理物の攪拌処理装置及び有機廃棄物処理装置 |
JP2019018181A (ja) * | 2017-07-20 | 2019-02-07 | グレンカル・テクノロジー株式会社 | 処理装置及び処理プログラムを記憶した記憶媒体 |
JP7072791B2 (ja) | 2017-07-20 | 2022-05-23 | グレンカル・テクノロジー株式会社 | 処理装置及び処理方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2004286450A (ja) | 含水率の判定方法及び減水処理装置 | |
JP3885759B2 (ja) | 有機廃棄物処理装置 | |
JP3968969B2 (ja) | コンポスト様物の製造方法及びコンポスト様物の製造装置 | |
KR20040062824A (ko) | 음식물쓰레기 무취발효소멸 건조장치 | |
JP4037235B2 (ja) | コンポスト化処理装置の運転方法 | |
JP4099414B2 (ja) | 水分検出装置 | |
JP3985731B2 (ja) | 生ごみ処理装置 | |
JP2000202265A (ja) | 攪拌装置 | |
JP2004283724A (ja) | 生ゴミ処理装置及び生ゴミ処理方法 | |
JP2005058877A (ja) | 廃棄物処理装置および廃棄物処理方法 | |
JP2004091280A (ja) | コンポスト様物製造装置 | |
JP3591057B2 (ja) | 生ゴミ処理機 | |
JP2006231178A (ja) | 廃棄物処理装置 | |
JP2009202144A (ja) | 生ごみ処理装置及び生ごみ処理装置の制御方法 | |
JP3470474B2 (ja) | 固形有機質廃棄物の高温好気発酵処理装置 | |
JP4023374B2 (ja) | 生ごみ処理装置 | |
KR20070069335A (ko) | 슬러지 탄화장치 | |
JP3369683B2 (ja) | 厨芥処理装置 | |
JP2006273633A (ja) | 有機廃棄物処理システム及びその運転方法 | |
JP2004161586A (ja) | 発酵装置及び発酵方法 | |
KR101473247B1 (ko) | 하수 및 가축분뇨 찌꺼기 건조장치 | |
JP4023363B2 (ja) | 有機廃棄物処理装置 | |
JP2005138089A (ja) | 含水率測定方法 | |
JP3438933B2 (ja) | 厨芥処理装置 | |
JPH07171545A (ja) | 有機物処理装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060105 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20070731 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070807 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20071204 |