JP2004285970A - 触媒コンバータ - Google Patents

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  • Catalysts (AREA)
  • Exhaust Gas After Treatment (AREA)
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Abstract

【課題】シェルに対する触媒担体の固定強度が高い触媒コンバータを提供する。
【解決手段】シェル2を、触媒担体3が嵌合される胴部21と、この胴部21の両端部に連結固定された第1、第2筒部22,23とによって構成する。胴部21の両端部には、それぞれ当接段部21bと支持筒部21cとを中央部側から端部側へ向かって順次設ける。各当接段部21bは、胴部21をほぼ直角に内側へ屈曲させることによって形成し、触媒担体3の両端面にそれぞれ突き当てる。これにより。触媒担体3を胴部21にその軸線方向へ移動不能に固定する。支持筒部21cは、その軸線を本体部21aの軸線と一致させて形成する。第1、第2筒部22,23のテーパ部22a,23aの大径側端部には、軸線がテーパ部22a,23aの軸線と所定角度だけ傾斜した嵌合筒部22b,23bを形成する。嵌合筒部22b,23bを支持筒部21c,21cにそれぞれ嵌合固定する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、エンジンの排気ガスに含まれるNOx等の有害な物質を無害化したり、少なくしたりするための触媒コンバータに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、この種の触媒コンバータは、シェルと、このシェルの内部に挿入された触媒担体とを有している。シェルは、全体が筒状をなしており、触媒担体が挿入固定される胴部と、この胴部の両端部に形成された第1、第2縮径筒部とから構成されている。第1、第2縮径筒部は、胴部から離れるにしたがって縮径しており、第1、第2縮径筒部の各大径側端部と胴部との各交差部は屈曲している。そして、この二つの屈曲部によって触媒担体が胴部に対してその軸線方向へ移動不能に固定されている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特許第2957154号公報(第5頁第9欄、図6)
【0004】
【発明が解決しようとする問題点】
上記従来の触媒コンバータにおいては、第1、第2縮径筒部と胴部とのなす角度が鈍角であり、しかも大径側端部と胴部との間の屈曲部は触媒担体の両端部外周に環状に接触しているものの、ほとんど線接触している。このため、第1、第2縮径筒部と胴部との交差部は、触媒担体に対する固定強度が小さいという問題があった。特に、上記特許文献1に記載のもののように、第1、第2縮径筒部の軸線が胴部の軸線に対して傾斜している場合には、例えば第1縮径筒部のテーパ半角をαとし、第1縮径筒部の軸線の胴部の軸線に対する傾斜角をθとすると、第1縮径筒部の一方の側部では胴部とのなす角度が最大(=α+θ)となり(以下、胴部とのなす角度が最大になる側部を外側側部という。)、他方の側部では胴部とのなす角度が最小(=α−θ)になる(以下、胴部とのなす角度が最小になる側部を内側側部という。)。このように、内側側部では、胴部と第1縮径筒部とのなす角度が小さくなってそれらが直線に近づくため、交差部による触媒担体に対する固定強度がより一層小さくなってしまう。これは、第2縮径筒部の内側側部における交差部についても同様である。
【0005】
そこで、この出願の発明者は、胴部にその径方向内側へ向かってほぼ直角に屈曲する一対の当接段部を形成し、各当接段部を触媒担体の両端面に突き当てることにより、触媒担体に対する固定強度の向上を図ることを考えた。なお、このようにした場合には、第1、第2縮径筒部が当接段部の内側の端部に続いて形成される。
【0006】
このような触媒コンバータは、次のようにして製造される。まず、一定の内径を有するストレートな素管の中央部(胴部)に触媒担体を挿入する。次に、スピニング加工により、素管の軸線方向に離れた所定の2箇所を径方向内側に向かってほぼ直角に折り曲げて一対の当接段部を形成する。この場合、各当接段部は触媒担体の両端面にそれぞれ突き当たるように形成されており、両当接段部によって触媒単体が素管の中央部に固定される。その後、当接段部から素管の端縁までの間をスピニング加工して第1、第2縮径筒部を形成する。
【0007】
ところが、第1、第2縮径筒部の軸線が胴部の軸線に対して傾斜した触媒コンバータにおいては、第1、第2縮径筒部をスピニング加工した場合、当接段部による触媒担体の固定強度を期待するほど大きくすることができないという問題があった。すなわち、第1、第2縮径筒部をスピニング加工するに際しては、スピニング用のローラの公転軸線を素管の軸線に対し第1、第2縮径筒部の軸線が胴部の軸線に対して傾斜している角度の分だけ傾斜させる。このようにしてスピニング加工すると、第1、第2縮径筒部となるべき部分のうちの外側側部が、ローラを素管の中央側から端部側へ移動させるときにローラによりその移動方向と同方向に引っ張られる。この引っ張り力により、当接段部の外側側部に対応する部分が同方向に引き伸ばされる。この結果、当接段部の外側側部に対応する箇所においては、径方向内側への突出量が小さくなるとともに、胴部とのなす角度が直角より小さくなってしまう。このため、当接段部による触媒担体に対する固定強度が期待するほどには向上させることができなかったのである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記事情を考慮してなされたもので、シェルと、このシェルの内部に挿入された触媒担体とを備え、上記シェルが、内部に上記触媒担体が挿入された胴部、この胴部の両端部にそれぞれ設けられ、胴部から離れるにしたがって小径となる第1、第2縮径筒部を有し、上記第1、第2縮径筒部の少なくとも一方の軸線が上記胴部の軸線に対して傾斜した触媒コンバータにおいて、上記胴部の両端部に、径方向内側へ向かってほぼ直角に折り曲がり、上記触媒担体の両端面にそれぞれ突き当たることによって上記触媒コンバータを上記胴部に対しその軸線方向へ移動不能に固定する当接段部がそれぞれ形成され、上記第1、第2縮径筒部のうちの、軸線が上記胴部の軸線に対して傾斜した上記一方が上記胴部と別体に形成され、上記一方側の当接段部の内周部に、一定の直径を有し、軸線を上記胴部の軸線と一致させて上記胴部から離れる方向へ向かって延びる支持筒部が形成され、上記胴部と別体に形成された上記一方の大径側端部に、軸線が上記一方の軸線に対し当該一方の軸線と上記胴部の軸線との間の角度と同一角度だけ傾斜した嵌合筒部が形成され、この嵌合筒部が上記支持筒部に嵌合固定されることによって上記一方が上記胴部に固定され、上記第1、第2縮径筒部のうちの他方の大径側端部が上記他方側の当接段部に連結されていることを特徴としている。
この場合、上記第1、第2縮径筒部の各軸線を上記胴部の軸線に対してそれぞれ傾斜させてもよく、そのようにする場合には、各当接段部の内周部に上記支持筒部がそれぞれ形成され、上記他方が上記胴部と別体に形成され、この他方の大径側端部に、軸線が上記他方の軸線に対し当該他方の軸線と上記胴部の軸線との間の角度と同一角度だけ傾斜した嵌合筒部が形成され、この嵌合筒部が上記他方側の支持筒部に嵌合固定されることにより、上記他方が上記胴部に固定されていることが望ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の一実施の形態について図1及び図2を参照して説明する。図1及び図2は、この発明に係る触媒コンバータ1を示す断面図である。これらの図に示すように、触媒コンバータ1は、シェル2及び触媒担体3を主な構成要素としている。
【0010】
シェル2は、胴部21と、この胴部21と別体に形成された第1、第2筒部22,23とを有している。胴部21及び第1、第2筒部22,23は、いずれも耐熱性に富んだ耐熱鋼等の金属によって構成されている。第1筒部22は、胴部21の一端部(図1,2において左端部)に連結固定され、第2筒部23は、胴部21の他端部に連結固定されている。
【0011】
胴部21は、内外径が一定で、両端が開口したストレートな筒体として形成された本体部21aを有している。本体部21aの断面形状は、この実施の形態では円形であるが、他の形状、例えば楕円形等にしてもよい。本体部21aの内周には、触媒担体3が無膨張マット等からなる保持材4を介して圧入状態で嵌合されている。本体部21aの軸線方向の長さは、触媒担体3より長く設定されており、その両端部は触媒担体3から外側に突出している。触媒担体3から突出した本体部21aの両端部には、当該両端部が本体部21aに対しほぼ直角に屈曲されることにより、径方向内側へ向かって突出する環状の当接段部21bがそれぞれ形成されている。当接段部21bは、例えばスピニング加工によって形成することができる。各当接段部21bは、触媒担体3の一端面と他端面とに金属メッシュ5を介してそれぞれ押圧接触している。この結果、触媒担体3の両端面が一対の当接段部21b,21bによって本体部21aの軸線方向に挟持され、それによって触媒担体3が胴部21内に固定されている。金属メッシュ5の一部は、本体部21aの内周面の端部と触媒担体3の外周面の端部との間に介在している。換言すれば、触媒担体3の両端部が本体部21aの両端部に金属メッシュ5,5を介して圧入状態で嵌合されている。
【0012】
各当接段部21bの内周側の端部には、支持筒部21cが一体に連設されている。支持筒部21cは、一定の外径を有するストレートな筒部として形成されており、その軸線を胴部21の軸線と一致させている。支持筒部21cは、本体部21aの両端部を当接段部21bに続けてスピニング加工することによって形成することができる。
【0013】
第1筒部22は、胴部21から離れるにしたがって縮径するテーパ部(第1縮径筒部)22aを有している。テーパ部22aは、大径側端部から小径側端部まで一定の割合で縮径しているが、縮径割合を大径側と小径側とで異なる大きさにしてもよい。テーパ部22aの大径側端部には、嵌合筒部22bが形成されている。この嵌合筒部22bは、一定の内径を有するストレートな筒部として形成されている。嵌合筒部22bは、その内径が支持筒部21cの外径とほぼ同一に設定されており、支持筒部21cの外周に嵌合され、溶接等によって固定されている。嵌合筒部22bは、支持筒部21cの内周に嵌合固定してもよい。嵌合筒部22bの軸線は、テーパ部22aの軸線に対して予め定められた所定の角度だけ傾斜させられている。したがって、嵌合筒部22bを支持筒部21cに嵌合固定すると、テーパ部22aの軸線が胴部21の軸線に対して所定の角度だけ傾斜することになる。テーパ部22aの小径側端部には、接続筒部22cが一体に連設されている。接続筒部22cは、一定の内外径を有する筒部として形成されており、その軸線をテーパ部22aの軸線と一致させて形成されている。接続筒部22cには、エンジン(図示せず)に接続された排気管(図示せず)が接続される。
【0014】
このように構成された第1筒部22は、スピニング加工によって製造することも可能であるが、通常は、ストレートな素管に第1筒部22の内周面と同一形状の外周面を有する芯金を挿入し、その芯金の外周面に素管の内周面が押圧接触させることによって成形することができる。
【0015】
第2筒部23は、テーパ部(第2縮径筒部)23a、このテーパ部23aの大径側端部に軸線をテーパ部23aの軸線と所定の角度だけ傾斜させた状態で一体に連設された嵌合筒部23b、及びテーパ部23aの小径側端部に軸線をテーパ部23aの軸線と一致させた状態で一体に連設された接続筒部23cとを有している。この場合、第2筒部23は、テーパ部23aのテーパ度、胴部21に対する傾斜角度及び傾斜方向が第1筒部22のテーパ部22aのそれらと異なるだけであり、他の部分は第1筒部22と同様に構成されている。そこで、第2筒部23の構成についてはその説明を省略する。なお、テーパ部23aのテーパ度、胴部21に対する傾斜角度及び傾斜方向については、第1筒部22のテーパ部22aのそれらと同一にしてもよい。これとは逆に、第2筒部23の他の部分を第1筒部22の対応する部分と異なるように構成してもよい。例えば、嵌合筒部23bを嵌合筒部22bと異なる直径にしてもよい。勿論、その場合には、嵌合筒部23bが嵌合する支持筒部21cの外径が、嵌合筒部22bが嵌合する支持筒部21cの外径と異なる大きさにされる。さらに、接続筒部22cには、外気に開放された排気管(図示せず)が接続される。第2筒部23は、第1筒部22と同様にして製造することができる。
【0016】
上記構成の触媒コンバータ1においては、胴部21の両端部に形成された支持筒部21c,21cに第1、第2筒部22,23の嵌合筒部22b,23bを嵌合固定しているから、当接段部21b,21bが伸びたり、胴部21の本体部21aとのなす角度が直角から小さくなったりすることがない。したがって、当接段部21b,21bによる触媒担体3に対する固定強度を大きくすることができる。
【0017】
なお、この発明は、上記の実施の形態に限定されるものでなく、適宜変更可能である。
例えば、上記の実施の形態においては、テーパ部22a,23aのいずれもがその軸線を胴部21の軸線に対して傾斜させているために、シェル2を胴部21及び第1、第2筒部22,23の三つの部分に分割しているが、テーパ部22a,23aのいずれか一方の軸線だけが胴部21の軸線に対して傾斜し、他方の軸線が胴部21の軸線と一致ないしは平行である場合には、第1、第2筒部22,23のうち、軸線が傾斜した一方22(23)だけを胴部21と別体に形成し、他方23(22)についてはそのテーパ部22aを胴部21の当接段部21bの内周側の端部に連設してもよい。勿論、その場合には、他方23(22)の連結筒部23b(22b)及びこの連結筒部23b(22b)が嵌合固定される支持筒部21bが不要になる。
【0018】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、当接段部による触媒担体に対する固定強度を大きくすることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態を示す図であって、図2のY−Y線に沿う断面図である。
【図2】図1のX−X線に沿う断面図である。
【符号の説明】
1 触媒コンバータ
2 シェル
3 触媒担体
21 胴部
21b 当接段部
21c 支持筒部
22 第1筒部
22a テーパ部(第1縮径筒部)
22b 嵌合筒部
23 第2筒部
23a テーパ部(第2縮径筒部)
23b 嵌合筒部

Claims (2)

  1. シェルと、このシェルの内部に挿入された触媒担体とを備え、上記シェルが、内部に上記触媒担体が挿入された胴部、この胴部の両端部にそれぞれ設けられ、胴部から離れるにしたがって小径となる第1、第2縮径筒部を有し、上記第1、第2縮径筒部の少なくとも一方の軸線が上記胴部の軸線に対して傾斜した触媒コンバータにおいて、
    上記胴部の両端部に、径方向内側へ向かってほぼ直角に折り曲がり、上記触媒担体の両端面にそれぞれ突き当たることによって上記触媒コンバータを上記胴部に対しその軸線方向へ移動不能に固定する当接段部がそれぞれ形成され、
    上記第1、第2縮径筒部のうちの、軸線が上記胴部の軸線に対して傾斜した上記一方が上記胴部と別体に形成され、
    上記一方側の当接段部の内周部に、一定の直径を有し、軸線を上記胴部の軸線と一致させて上記胴部から離れる方向へ向かって延びる支持筒部が形成され、
    上記胴部と別体に形成された上記一方の大径側端部に、軸線が上記一方の軸線に対し当該一方の軸線と上記胴部の軸線との間の角度と同一角度だけ傾斜した嵌合筒部が形成され、この嵌合筒部が上記支持筒部に嵌合固定されることによって上記一方が上記胴部に固定され、
    上記第1、第2縮径筒部のうちの他方の大径側端部が上記他方側の当接段部に連結されていることを特徴とする触媒コンバータ。
  2. 上記第1、第2縮径筒部の各軸線が上記胴部の軸線に対してそれぞれ傾斜させられており、各当接段部の内周部に上記支持筒部がそれぞれ形成され、上記他方が上記胴部と別体に形成され、この他方の大径側端部に、軸線が上記他方の軸線に対し当該他方の軸線と上記胴部の軸線との間の角度と同一角度だけ傾斜した嵌合筒部が形成され、この嵌合筒部が上記他方側の支持筒部に嵌合固定されることにより、上記他方が上記胴部に固定されていることを特徴とする請求項1に記載の触媒コンバータ。
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