JP2004285024A - 淡色系美爪料 - Google Patents
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Abstract
【課題】顔料、パール剤、ラメ等の微粒子の沈降を防止するため水を含有した混合溶剤(非芳香族系溶剤/水)を用いても、経時変褪色を抑制し、実質的に色調の変化が感知できない淡色系美爪料を提供すること。
【解決手段】次の成分(a)〜(e)
(a)ニトロセルロースおよびこのニトロセルロースに対し0.1〜1質量倍のアルキッド樹脂を含む皮膜形成剤
(b)水不溶性有色顔料
(c)ゲル化剤
(d)非芳香族系有機溶剤
(e)組成全体に対し0.1〜10質量%の水
を含有することを特徴とする淡色系美爪料。
【選択図】 なし
【解決手段】次の成分(a)〜(e)
(a)ニトロセルロースおよびこのニトロセルロースに対し0.1〜1質量倍のアルキッド樹脂を含む皮膜形成剤
(b)水不溶性有色顔料
(c)ゲル化剤
(d)非芳香族系有機溶剤
(e)組成全体に対し0.1〜10質量%の水
を含有することを特徴とする淡色系美爪料。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は淡色系美爪料に関し、さらに詳しくは、変褪色しやすいとされる溶剤を用いた淡色系美爪料にあって、その変褪色を抑制するとともに、系中に加えた顔料や、パール剤、ラメなどの微粒子の沈降がなく安定性に優れ、しかも使用性、化粧もち、ツヤに優れた淡色系美爪料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
美爪料を含む、ポイントメイクアップ製品は、幅広い色調を提供する商品であることから、有機顔料、無機顔料、パール剤、ラメ等の着色剤を幅広く使用している。そのため、光や熱、あるいは構成成分の中身の影響により、経時で色調が変化したり、色が濃くなったり薄くなったりする、変褪色が発生しやすく、特に、美爪料においては、透明容器を使用していることから、変褪色が目立ちやすいという問題があった。この問題は、顔料濃度の低い、淡色系の色調でとりわけ顕著である。
【0003】
この問題を解決するために、無機酸あるいは有機酸を配合することで、淡色系美爪料の変褪色を防止する技術が提案されている(例えば特許文献1参照)。一方、顔料を安定に配合する技術として、オルガノポリシロキサンで被覆処理する技術が知られている(例えば特許文献2参照)。
【0004】
しかしながら、最近、人体への安全性を考慮して、トルエン等の芳香族系溶剤の使用を控える傾向にあり、無機酸や有機酸を配合しただけでは、芳香族系溶剤を含有しない美爪料の場合、顔料やラメ、パール剤等が経時で沈降してしまうため、変褪色に効果は見られるものの、安定性に関しては充分ではなかった。また、全ての顔料をオルガノポリシロキサンで被覆処理しても、やはり芳香族系溶剤を配合していない系においては、顔料の分散安定性が保てず、沈降の現象が見られる場合があった。
【0005】
そこで、芳香族系溶剤を含有しない系でのパール剤などの分散安定性を向上する技術が開発された(例えば特許文献3参照)。この技術では、着色顔料を高濃度に配合した濃色系の美爪料においては問題ないが、淡色系の美爪料の場合、添加される水の量により、変褪色を生じる場合があった。
【0006】
【特許文献1】
特開平6−100416号公報
【特許文献2】
特公平2−12444号公報
【特許文献3】
特開2002−234821号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従って、顔料、パール剤、ラメ等の微粒子の沈降を防止するため水を含有した混合溶剤(非芳香族系溶剤/水)を用いても、経時変褪色を抑制し、実質的に色調の変化が感知できない淡色系美爪料が求められていた。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記実情に鑑み、淡色系美爪料の組成に関し種々検討した結果、特定の皮膜形成成分、有色顔料、ゲル化剤と、非芳香族溶剤および水を組み合わせることにより、顔料、パール剤、ラメ等の微粒子の沈降がなく、かつ経時変褪色がおこらず、使用性、化粧もちが良好で、ツヤに優れた淡色系美爪料が得られることを見出し、本発明品を完成した。
【0009】
すなわち本発明は、次の成分(a)〜(e)
(a)ニトロセルロースおよびこのニトロセルロースに対し0.1〜1質量倍のアルキッド樹脂を含む皮膜形成剤、
(b)水不溶性有色顔料、
(c)ゲル化剤、
(d)非芳香族系有機溶剤、
(e)組成全体に対し0.1〜10質量%の水
を含有することを特徴とする淡色系美爪料を提供するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
本明細書中において、淡色系美爪料とは、美爪料中に配合される有色顔料濃度が低いもの、あるいは、美爪料自体が明度の高い色相のものを指す。具体的には、系中に白色顔料以外の有色顔料の配合量が0.3質量%以下の美爪料をいう。
【0011】
これ以上の顔料を配合された美爪料(濃色系美爪料)では、色濃度が高い、あるいは、明度が低い色調であるため、変褪色の現象が生じても、その現象が視認しにくく、問題とならないので、本特許の課題は生じない。なお、本発明の淡色系美爪料では、有色顔料、白色顔料以外の微粒子であるパール剤やラメ等の配合量については、特に限定されず、適量を添加できる。
【0012】
本発明で使用される成分(a)の皮膜形成剤は、ニトロセルロースとその0.1〜1質量倍のアルキッド樹脂を含むものである。
【0013】
このうち、ニトロセルロースは、従来の美爪料に用いられているものであれば特に限定されず、たとえば、硝化綿H1/2、H1/4、H1/8(いずれも旭化成工業(株)製)などが使用される。このニトロセルロースの含有量は特に限定はないが、淡色系美爪料の組成に対して、2〜20質量%が好ましく、特に好ましい範囲は5〜15質量%である。含有量がこの範囲であれば、使用性が良好であるとともに、塗膜強度が充分に得られるため化粧もちが優れる。
【0014】
また、アルキッド樹脂も、従来の美爪料に用いられているものであれば特に限定されず、たとえば、フタル酸系アルキッド樹脂、エポキシ変性フタル酸系アルキッド樹脂、イソフタル酸系アルキッド樹脂、コハク酸系アルキッド樹脂、シクロヘキサン系アルキッド樹脂、ロジン酸変性マレイン酸系アルキッド樹脂等が使用できる。このアルキッド樹脂の含有量は、上記ニトロセルロースの0.1〜1質量倍であり、美爪料の組成全体に対しては、1〜15質量%の範囲であることが好ましい。この範囲未満だと塗膜にツヤがなくなる場合があり、この範囲より多いと化粧もちが悪くなる場合がある。
【0015】
上記成分(a)においては、アルキッド樹脂をニトロセルロースの0.1〜1質量倍加えることにより、美爪料に水を配合しても塗布膜のツヤが衰えず、充分にツヤのあるものが得られる。これに対し、アルキッド樹脂の含有量が、ニトロセルロースの含有量に対して、0.1質量倍未満だと充分なツヤを有する塗膜が得られず、また、1質量倍を超えると、化粧もちが悪くなる。また、アルキッド樹脂の特に好ましい含有割合は、ニトロセルロースの含有量の、0.2〜0.7質量倍である。
【0016】
更に、成分(a)中に、トルエンスルホンアミドエポキシ樹脂(例えば、商品名 NAGELITE 3050(Telechemische社製))を含有させると、よりツヤが向上するので好ましい。このトルエンスルホンアミドエポキシ樹脂の含有割合は、ニトロセルロースの含有量以下であるが、好ましくは、ニトロセルロースに対して、0.1〜1質量倍の範囲であり、より好ましくは、ニトロセルロースに対して、0.2〜0.7質量倍である。また、美爪料全体での含有量は、塗膜のツヤと化粧もちの点で、1〜15質量%の範囲が好ましい。
【0017】
本発明品に含有される成分(b)の水不溶性有色顔料とは、水に対して実質的に溶解せず、また加水分解もしない白色以外の有色顔料をいう。
【0018】
具体的な成分(b)の例としては、有色の低次酸化チタン、カーボンブラック、酸化クロム、水酸化クロム、紺青、群青、赤色酸化鉄、黄色酸化鉄もしくは黒色酸化鉄等の無機有色顔料や、赤色226号、黄色205号もしくは青色404号等の有機有色顔料が挙げられる。また、例えばレーキ顔料、赤色201号、赤色202号といった顔料は、水に溶けにくいものの完全な水不溶性ではないため水不溶性有色顔料とはいえないが、これらであっても特定の表面処理をすることにより、水に対して実質的に溶解しないものとなるので、成分(b)の水不溶性有色顔料となりうる。この表面処理としては、例えばシリコーン処理、フッ素化合物処理、シリカ処理などの表面処理が挙げられる。
【0019】
この成分(b)の含有量は、淡色系美爪料全体に対して、0.005〜0.3質量%である。0.3質量%を超える場合は、そもそも経時変褪色が問題にならず、また、0.005質量%未満では、変褪色が認識できる程度の色とならない。好ましくは、0.01〜0.25質量%である。
【0020】
なお、本発明の淡色系美爪料には、さらに色調調節のため白色顔料を好適に含有させることができる。白色顔料としては、酸化チタン(IV)、酸化亜鉛、酸化セリウム、硫酸バリウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン含有二酸化ケイ素、酸化亜鉛含有二酸化ケイ素等が挙げられる。
【0021】
一方、水に溶けにくいものの、完全には水に不溶ではない通常のレーキ顔料、赤色201号、赤色202号等の有機顔料は、本発明の淡色系美爪料中にゲル化剤の効果を上げるために配合する水にわずかに溶解し、経時変褪色がおこりやすいので、変褪色が感知される量は配合することができない。
【0022】
また、本発明品に含有される成分(c)のゲル化剤とは、一般に皮膜形成成分に比べきわめて少ない添加量で美爪料の粘度を増加させるものをいい、有機変性粘土鉱物および/または無水ケイ酸等が挙げられる。
【0023】
このうち、有機変性粘土鉱物は、水膨潤性粘土鉱物の層間カチオンをアルキル4級アンモニウム塩等のカチオン系界面活性剤でイオン交換して得られるものである。イオン交換する4級アンモニウム塩に限定はないが、ベンジルジメチルステアリルアンモニウムイオンで交換されたもの、ジメチルジステアリルアンモニウムイオンで交換されたものが好ましい。
【0024】
有機変性粘土鉱物を製造するための原料となる水膨潤性粘土鉱物は、三層構造を有するコロイド性含水ケイ酸アルミニウムの1種で、一般式(1)
(X,Y)23(Si,Al)4O10(OH)2Z・nH2O …(1)
但し、
X=Al,Fe,Mn,Cr
Y=Mg,Fe,Ni,Zn,Li
Z=K,Na,Ca
で表わされる。
【0025】
具体的には、例えば、モンモリロナイト、スメクタイト(ラポナイト:ラポート社製商品名)またはヘクトライト等の天然または合成(この場合、上記一般式中の(OH)がフッ素で置換されたもの)のモンモリロナイト群;ナトリウムシリシックマイカ、ナトリウムテニオライトまたはリチウムテニオライト等の合成雲母等が挙げられる。水膨潤性粘土鉱物としては、特に、ヘクトライト、ベントナイトが好ましい。
【0026】
なお、この有機変性粘土鉱物としては、例えば、ベントン27、ベントン38(ELEMENTIS社製)等の市販品や、特開2002−234822号公報記載の有機粘土複合体等を利用することもできる。
【0027】
一方、別のゲル化剤(成分(c))である無水ケイ酸は、火炎法シリカとも呼ばれ、例えば4塩化ケイ素を水素と酸素炎中で加水分解して得られるものである。この無水ケイ酸の市販品の例としては、AEROSIL 50、AEROSIL 130、AEROSIL 200、AEROSIL 200V、AEROSIL 200CF、AEROSIL 200FAD、AEROSIL 300、AEROSIL 300CF、AEROSIL 380、AEROSIL 380S等(以上、日本アエロジル社製)や、サイリシア250、310等(富士シリシア社製)が挙げられる。
【0028】
また、上記無水ケイ酸を反応性オルガノシランやオルガノシラザン等で処理したいわゆる疎水性無水ケイ酸も、成分(c)のゲル化剤として使用することができる。疎水性無水ケイ酸の疎水化処理の方法としては、ジメチルジクロルシランによるジメチルシリル化処理、トリメチルクロルシランやヘキサメチルジシラザンによるトリメチルシリル化処理、オクチルトリクロルシランによるオクチルシリル化処理、ジメチルポリシロキサンやメチルハイドロジェンポリシロキサンによるシリコーン処理、または金属セッケン化合物によるコーティング処理等が挙げられる。疎水性無水ケイ酸の市販品の例としては、AEROSIL R−972、AEROSIL R974、AEROSIL R976(以上、ジメチルジクロルシラン処理)、AEROSIL RX200、AEROSIL RX300(以上、ヘキサメチルジシラザン処理)、AEROSIL R805(以上、オクチルシラン処理)、AEROSIL RY200、AEROSIL RY300(以上、ジメチルシロキサン処理)(以上、いずれも日本アエロジル社製)等、キャボジルTS530(トリメチルクロルシラン処理)(キャボット社製)等が挙げられる。
【0029】
これらの無水ケイ酸は煙霧状であることが好ましく、粘度調整効果などの点で、一次粒径は50nm以下が好ましく、20nm以下が特に好ましい。
【0030】
上記成分(c)の含有量は、粘度調整のために適量であれば、特に限定されないが、淡色系美爪料全体に対して、0.1%〜5質量%が好ましい。
【0031】
更に、本発明に含有される成分(d)の非芳香族系有機溶剤とは、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素以外の有機溶剤を広く指し、具体的には、例えば、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、アセトン、n−ブタノール、イソプロピルアルコール、エチルアルコール等が挙げられる。
【0032】
この成分(d)の含有量は、通常の溶剤系美爪料に含有されている量であれば、特に限定されないが、淡色性美爪料全体に対して、40〜90質量%が好ましい。
【0033】
更にまた、本発明品に含有される成分(e)の水は、成分(c)のゲル化剤の効果を補強するためのものである。すなわち、非芳香族系有機溶剤のみを用い、水が含有されていない美爪料では、成分(c)による充分な粘度調整効果が得られないために、後述する微粒子が沈降しやすくなる。また、この現象を防ぐために、成分(c)を多量に含有させると、使用性が悪化するだけでなく、塗布膜のツヤが低下という問題が生じる。これに対し、組成全体に対し0.1〜10質量%の水を配合することにより、成分(c)の粘度調整効果を補強することが可能となるのである。
【0034】
成分(e)の含有量は、上記のように淡色系美爪料全体に対して、0.1〜10質量%である。0.1質量%未満だとゲル化を補強する効果が充分でなく、10質量%を超えると、塗膜のツヤが失われる。好ましい含有量は、0.5〜7質量%である。
【0035】
本発明の淡色系美爪料には、上記した各成分のほか、その効果を損なわない範囲で、各種の微粒子を含有させることができる。ここで微粒子とは、一般に顔料、パール剤またはラメと呼ばれているものをいい、真珠様の光輝性やその他物性を美爪料に付与するものである。この微粒子は、美爪料の色調、明度に実質的に影響を与えず、美爪料として塗布した後でも淡色を維持できるものをいう。
【0036】
上記微粒子は、球状、板状もしくは針状等の形状、または多孔質もしくは無孔質等の粒子構造等により特に限定されず、またその平均粒子径は、色調、明度に大きく影響せず、成分(b)や「白色顔料」より一般には大きいものである。具体的には、無機粉体類、光輝性粉体類、有機粉体類、金属粉体類、複合粉体類等が上記微粒子の例として挙げられる。
【0037】
より具体的には、例えば、タルク、白雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、合成雲母、絹雲母(セリサイト)、合成セリサイト、カオリン、炭化珪素、スメクタイト、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化アンチモン、珪ソウ土、ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ヒドロキシアパタイト、窒化ホウ素等の体質粉体;二酸化チタン被覆雲母、二酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化鉄雲母チタン、紺青処理雲母チタン、カルミン処理雲母チタン、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔、ポリエチレンテレフタレートアルミニウムエポキシ積層末等の光輝性粉体;ポリアミド系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂、セルロース系樹脂、ポリスチレン系樹脂、スチレン−アクリル共重合樹脂等のコポリマー樹脂、ポリプロピレン系樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂等の有機高分子樹脂粉体;ステアリン酸亜鉛、N−アシルリジン等の有機低分子性粉体;澱粉、シルク粉末、セルロース粉末等の天然有機粉体;アルミニウム粉、金粉、銀粉等の金属粉体;微粒子酸化チタン被覆雲母チタン、微粒子酸化亜鉛被覆雲母チタン、硫酸バリウム被覆雲母チタン等の複合粉体等が挙げられる。
【0038】
なお、これら微粒子は、フッ素系化合物、シリコーン系化合物、金属石鹸、レシチン、水素添加レシチン、コラーゲン、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル、ワックス、ロウ、界面活性剤等の1種または2種以上を用いて表面処理が施されていてもよい。これら粉体は、その1種又は2種以上を用いることができ、更に複合化したものを用いても良い(但し、有機変性粘土鉱物となるものを除く)。
【0039】
これら微粒子の含有量は、通常用いられている量であれば特に限定はないが、淡色系美爪料全体に対して、好ましくは、0.1〜10質量%程度である。
【0040】
さらに、本発明の淡色系美爪料には、その効果を損なわない範囲で、通常の美爪料に使用される樹脂、可塑剤等を含有させることができる。またさらに、希釈剤、粘度調節剤、油剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、変色防止剤、酸化防止剤、消泡剤、保湿剤、薬剤、香料、無機酸、有機酸等も適量含有させることができる。
【0041】
上記成分のうち、樹脂としては、例えば、トルエンスルホンアミド樹脂、(メタ)アクリル酸アルキル(共)重合体、安息香酸ショ糖エステル、(メタ)アクリル酸アルキル−スチレン共重合体、シリコーン樹脂などが挙げられる。この樹脂の配合量は、淡色系美爪料全体に対し、1〜20質量%程度が好ましい。
【0042】
また、可塑剤としては、例えば、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等のフタル酸エステル系化合物;クエン酸トリブチル、クエン酸アセチルトリブチル等のクエン酸エステル系化合物;カンフル等が挙げられる。この可塑剤の配合量は、淡色系美爪料全体に対し、1〜10質量%程度が好ましい。
【0043】
本発明の淡色系美爪料の製造は、常法に従い、上記した各成分を適宜配合し、例えば、ディスパーやホモミキサー等の機器を用いて均一に混合、分散することによって行われる。
【0044】
以上のようにして得られた本発明の淡色系美爪料は、マニキュア、トップコート、ベースコートなどとして利用することができる。
【0045】
【実施例】
次に実施例を挙げ、本発明をより詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら制約されるものではない。
【0046】
実 施 例 1
表1に示す処方および下記の製造方法に従って、本発明品1〜6および比較品1〜7の淡色系美爪料を調製した。
【0047】
処 方 :
【表1】
【0048】
製造方法:
A. 成分No.1〜No.19を均一に混合し、これに、成分No.20〜No.28を添加し均一に分散した。
B. 「A」を容器に充填して、淡色系美爪料を得た。
【0049】
得られた淡色系美爪料について、下記に示す評価方法により「イ.使用性」、「ロ.塗布膜のツヤ」、「ハ.化粧持ち」、「ニ.安定性(微粒子(顔料、パール剤、ラメなど)の沈降)」および「ホ.安定性(経時による色調の変化)」の各項目について評価判定を行ない、その結果を表2に示した。
【0050】
評価方法および判定基準:
淡色系美爪料の「イ.使用性」、「ロ.塗布膜のツヤ」、「ハ.化粧持ち」の評価は、パネラー40名による使用テストを行い、それぞれの評価項目について、下記の7段階(0〜6)の<7段階絶対評価>を行い、その平均点をさらに下記の<4段階判定基準>にて判定した。なお、「ハ.化粧持ち」については、塗布後、パネラーに通常の生活をしてもらい、塗布直後と3日後の状態を比較して評価した。
【0051】
【0052】
<4段階判定基準>
(評点平均) ( 判 定 )
5点を超える : 非常に良好(◎)
3点を超えて5点以下 : 良好(○)
2点を超えて3点以下 : やや不良(△)
2点以下 : 不良(×)
【0053】
また、「ニ.安定性(微粒子(顔料、パール剤、ラメ等)の沈降)」については、50℃の恒温槽に1週間放置後の状況について、外観を目視にて観察し、以下の基準にて判定した。
【0054】
【0055】
さらに、「ホ.安定性(色調の変化)」については、50℃の恒温槽に1週間放置後の色の変化度合いについて、外観を目視にて観察し、以下の基準にて判定した。
【0056】
【0057】
評価判定結果:
【表2】
【0058】
表2の結果から分かるように、本発明品は、使用性、塗布膜のツヤ、化粧持ちが良好で、微粒子(顔料、パール剤、ラメなど)の沈降や色調変化がなく経時安定性に優れた淡色系美爪料であった。
【0059】
実 施 例 2
下記に示す処方および製造方法に従って、淡色系美爪料を調製した。
【0060】
【0061】
<製造方法>
A. 成分1〜10を均一に溶解した。
B.「A」に成分11〜16を加えて均一に分散した。
C.「B」を容器に充填して、淡色系美爪料を得た。
【0062】
得られた淡色系美爪料は、使用性、塗布膜のツヤ、化粧持ちについて良好で、微粒子の沈降、色調変化についての経時安定性も良好であった。
【0063】
実 施 例 3
下記に示す処方および製造方法に従って、淡色系美爪料を調製した。
【0064】
【0065】
<製造方法>
A.成分1〜14を均一に混合後、成分15〜18を添加し、均一に分散させた。
B.「A」を容器に充填して、淡色系美爪料を得た。
【0066】
得られた淡色系美爪料は、使用性、塗布膜のツヤ、化粧持ちが良好な上、粉体沈降、色調についての経時安定性において良好であった。
【0067】
【発明の効果】
以上のように、本発明の淡色系美爪料は、美爪料の特性を損なうことなく、顔料、パール剤、ラメ等の微粒子の沈降を顕著に改善することができるものである。そして、美爪料自体が淡色であるにもかかわらず、色調変化が実質的に感知されず、安定性が良好なものである。
【0068】
従って、本発明の淡色系美爪料は、マニキュア、トップコート、ベースコートなどとして有利に使用することができるものである。
以 上
【発明の属する技術分野】
本発明は淡色系美爪料に関し、さらに詳しくは、変褪色しやすいとされる溶剤を用いた淡色系美爪料にあって、その変褪色を抑制するとともに、系中に加えた顔料や、パール剤、ラメなどの微粒子の沈降がなく安定性に優れ、しかも使用性、化粧もち、ツヤに優れた淡色系美爪料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
美爪料を含む、ポイントメイクアップ製品は、幅広い色調を提供する商品であることから、有機顔料、無機顔料、パール剤、ラメ等の着色剤を幅広く使用している。そのため、光や熱、あるいは構成成分の中身の影響により、経時で色調が変化したり、色が濃くなったり薄くなったりする、変褪色が発生しやすく、特に、美爪料においては、透明容器を使用していることから、変褪色が目立ちやすいという問題があった。この問題は、顔料濃度の低い、淡色系の色調でとりわけ顕著である。
【0003】
この問題を解決するために、無機酸あるいは有機酸を配合することで、淡色系美爪料の変褪色を防止する技術が提案されている(例えば特許文献1参照)。一方、顔料を安定に配合する技術として、オルガノポリシロキサンで被覆処理する技術が知られている(例えば特許文献2参照)。
【0004】
しかしながら、最近、人体への安全性を考慮して、トルエン等の芳香族系溶剤の使用を控える傾向にあり、無機酸や有機酸を配合しただけでは、芳香族系溶剤を含有しない美爪料の場合、顔料やラメ、パール剤等が経時で沈降してしまうため、変褪色に効果は見られるものの、安定性に関しては充分ではなかった。また、全ての顔料をオルガノポリシロキサンで被覆処理しても、やはり芳香族系溶剤を配合していない系においては、顔料の分散安定性が保てず、沈降の現象が見られる場合があった。
【0005】
そこで、芳香族系溶剤を含有しない系でのパール剤などの分散安定性を向上する技術が開発された(例えば特許文献3参照)。この技術では、着色顔料を高濃度に配合した濃色系の美爪料においては問題ないが、淡色系の美爪料の場合、添加される水の量により、変褪色を生じる場合があった。
【0006】
【特許文献1】
特開平6−100416号公報
【特許文献2】
特公平2−12444号公報
【特許文献3】
特開2002−234821号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従って、顔料、パール剤、ラメ等の微粒子の沈降を防止するため水を含有した混合溶剤(非芳香族系溶剤/水)を用いても、経時変褪色を抑制し、実質的に色調の変化が感知できない淡色系美爪料が求められていた。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記実情に鑑み、淡色系美爪料の組成に関し種々検討した結果、特定の皮膜形成成分、有色顔料、ゲル化剤と、非芳香族溶剤および水を組み合わせることにより、顔料、パール剤、ラメ等の微粒子の沈降がなく、かつ経時変褪色がおこらず、使用性、化粧もちが良好で、ツヤに優れた淡色系美爪料が得られることを見出し、本発明品を完成した。
【0009】
すなわち本発明は、次の成分(a)〜(e)
(a)ニトロセルロースおよびこのニトロセルロースに対し0.1〜1質量倍のアルキッド樹脂を含む皮膜形成剤、
(b)水不溶性有色顔料、
(c)ゲル化剤、
(d)非芳香族系有機溶剤、
(e)組成全体に対し0.1〜10質量%の水
を含有することを特徴とする淡色系美爪料を提供するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
本明細書中において、淡色系美爪料とは、美爪料中に配合される有色顔料濃度が低いもの、あるいは、美爪料自体が明度の高い色相のものを指す。具体的には、系中に白色顔料以外の有色顔料の配合量が0.3質量%以下の美爪料をいう。
【0011】
これ以上の顔料を配合された美爪料(濃色系美爪料)では、色濃度が高い、あるいは、明度が低い色調であるため、変褪色の現象が生じても、その現象が視認しにくく、問題とならないので、本特許の課題は生じない。なお、本発明の淡色系美爪料では、有色顔料、白色顔料以外の微粒子であるパール剤やラメ等の配合量については、特に限定されず、適量を添加できる。
【0012】
本発明で使用される成分(a)の皮膜形成剤は、ニトロセルロースとその0.1〜1質量倍のアルキッド樹脂を含むものである。
【0013】
このうち、ニトロセルロースは、従来の美爪料に用いられているものであれば特に限定されず、たとえば、硝化綿H1/2、H1/4、H1/8(いずれも旭化成工業(株)製)などが使用される。このニトロセルロースの含有量は特に限定はないが、淡色系美爪料の組成に対して、2〜20質量%が好ましく、特に好ましい範囲は5〜15質量%である。含有量がこの範囲であれば、使用性が良好であるとともに、塗膜強度が充分に得られるため化粧もちが優れる。
【0014】
また、アルキッド樹脂も、従来の美爪料に用いられているものであれば特に限定されず、たとえば、フタル酸系アルキッド樹脂、エポキシ変性フタル酸系アルキッド樹脂、イソフタル酸系アルキッド樹脂、コハク酸系アルキッド樹脂、シクロヘキサン系アルキッド樹脂、ロジン酸変性マレイン酸系アルキッド樹脂等が使用できる。このアルキッド樹脂の含有量は、上記ニトロセルロースの0.1〜1質量倍であり、美爪料の組成全体に対しては、1〜15質量%の範囲であることが好ましい。この範囲未満だと塗膜にツヤがなくなる場合があり、この範囲より多いと化粧もちが悪くなる場合がある。
【0015】
上記成分(a)においては、アルキッド樹脂をニトロセルロースの0.1〜1質量倍加えることにより、美爪料に水を配合しても塗布膜のツヤが衰えず、充分にツヤのあるものが得られる。これに対し、アルキッド樹脂の含有量が、ニトロセルロースの含有量に対して、0.1質量倍未満だと充分なツヤを有する塗膜が得られず、また、1質量倍を超えると、化粧もちが悪くなる。また、アルキッド樹脂の特に好ましい含有割合は、ニトロセルロースの含有量の、0.2〜0.7質量倍である。
【0016】
更に、成分(a)中に、トルエンスルホンアミドエポキシ樹脂(例えば、商品名 NAGELITE 3050(Telechemische社製))を含有させると、よりツヤが向上するので好ましい。このトルエンスルホンアミドエポキシ樹脂の含有割合は、ニトロセルロースの含有量以下であるが、好ましくは、ニトロセルロースに対して、0.1〜1質量倍の範囲であり、より好ましくは、ニトロセルロースに対して、0.2〜0.7質量倍である。また、美爪料全体での含有量は、塗膜のツヤと化粧もちの点で、1〜15質量%の範囲が好ましい。
【0017】
本発明品に含有される成分(b)の水不溶性有色顔料とは、水に対して実質的に溶解せず、また加水分解もしない白色以外の有色顔料をいう。
【0018】
具体的な成分(b)の例としては、有色の低次酸化チタン、カーボンブラック、酸化クロム、水酸化クロム、紺青、群青、赤色酸化鉄、黄色酸化鉄もしくは黒色酸化鉄等の無機有色顔料や、赤色226号、黄色205号もしくは青色404号等の有機有色顔料が挙げられる。また、例えばレーキ顔料、赤色201号、赤色202号といった顔料は、水に溶けにくいものの完全な水不溶性ではないため水不溶性有色顔料とはいえないが、これらであっても特定の表面処理をすることにより、水に対して実質的に溶解しないものとなるので、成分(b)の水不溶性有色顔料となりうる。この表面処理としては、例えばシリコーン処理、フッ素化合物処理、シリカ処理などの表面処理が挙げられる。
【0019】
この成分(b)の含有量は、淡色系美爪料全体に対して、0.005〜0.3質量%である。0.3質量%を超える場合は、そもそも経時変褪色が問題にならず、また、0.005質量%未満では、変褪色が認識できる程度の色とならない。好ましくは、0.01〜0.25質量%である。
【0020】
なお、本発明の淡色系美爪料には、さらに色調調節のため白色顔料を好適に含有させることができる。白色顔料としては、酸化チタン(IV)、酸化亜鉛、酸化セリウム、硫酸バリウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン含有二酸化ケイ素、酸化亜鉛含有二酸化ケイ素等が挙げられる。
【0021】
一方、水に溶けにくいものの、完全には水に不溶ではない通常のレーキ顔料、赤色201号、赤色202号等の有機顔料は、本発明の淡色系美爪料中にゲル化剤の効果を上げるために配合する水にわずかに溶解し、経時変褪色がおこりやすいので、変褪色が感知される量は配合することができない。
【0022】
また、本発明品に含有される成分(c)のゲル化剤とは、一般に皮膜形成成分に比べきわめて少ない添加量で美爪料の粘度を増加させるものをいい、有機変性粘土鉱物および/または無水ケイ酸等が挙げられる。
【0023】
このうち、有機変性粘土鉱物は、水膨潤性粘土鉱物の層間カチオンをアルキル4級アンモニウム塩等のカチオン系界面活性剤でイオン交換して得られるものである。イオン交換する4級アンモニウム塩に限定はないが、ベンジルジメチルステアリルアンモニウムイオンで交換されたもの、ジメチルジステアリルアンモニウムイオンで交換されたものが好ましい。
【0024】
有機変性粘土鉱物を製造するための原料となる水膨潤性粘土鉱物は、三層構造を有するコロイド性含水ケイ酸アルミニウムの1種で、一般式(1)
(X,Y)23(Si,Al)4O10(OH)2Z・nH2O …(1)
但し、
X=Al,Fe,Mn,Cr
Y=Mg,Fe,Ni,Zn,Li
Z=K,Na,Ca
で表わされる。
【0025】
具体的には、例えば、モンモリロナイト、スメクタイト(ラポナイト:ラポート社製商品名)またはヘクトライト等の天然または合成(この場合、上記一般式中の(OH)がフッ素で置換されたもの)のモンモリロナイト群;ナトリウムシリシックマイカ、ナトリウムテニオライトまたはリチウムテニオライト等の合成雲母等が挙げられる。水膨潤性粘土鉱物としては、特に、ヘクトライト、ベントナイトが好ましい。
【0026】
なお、この有機変性粘土鉱物としては、例えば、ベントン27、ベントン38(ELEMENTIS社製)等の市販品や、特開2002−234822号公報記載の有機粘土複合体等を利用することもできる。
【0027】
一方、別のゲル化剤(成分(c))である無水ケイ酸は、火炎法シリカとも呼ばれ、例えば4塩化ケイ素を水素と酸素炎中で加水分解して得られるものである。この無水ケイ酸の市販品の例としては、AEROSIL 50、AEROSIL 130、AEROSIL 200、AEROSIL 200V、AEROSIL 200CF、AEROSIL 200FAD、AEROSIL 300、AEROSIL 300CF、AEROSIL 380、AEROSIL 380S等(以上、日本アエロジル社製)や、サイリシア250、310等(富士シリシア社製)が挙げられる。
【0028】
また、上記無水ケイ酸を反応性オルガノシランやオルガノシラザン等で処理したいわゆる疎水性無水ケイ酸も、成分(c)のゲル化剤として使用することができる。疎水性無水ケイ酸の疎水化処理の方法としては、ジメチルジクロルシランによるジメチルシリル化処理、トリメチルクロルシランやヘキサメチルジシラザンによるトリメチルシリル化処理、オクチルトリクロルシランによるオクチルシリル化処理、ジメチルポリシロキサンやメチルハイドロジェンポリシロキサンによるシリコーン処理、または金属セッケン化合物によるコーティング処理等が挙げられる。疎水性無水ケイ酸の市販品の例としては、AEROSIL R−972、AEROSIL R974、AEROSIL R976(以上、ジメチルジクロルシラン処理)、AEROSIL RX200、AEROSIL RX300(以上、ヘキサメチルジシラザン処理)、AEROSIL R805(以上、オクチルシラン処理)、AEROSIL RY200、AEROSIL RY300(以上、ジメチルシロキサン処理)(以上、いずれも日本アエロジル社製)等、キャボジルTS530(トリメチルクロルシラン処理)(キャボット社製)等が挙げられる。
【0029】
これらの無水ケイ酸は煙霧状であることが好ましく、粘度調整効果などの点で、一次粒径は50nm以下が好ましく、20nm以下が特に好ましい。
【0030】
上記成分(c)の含有量は、粘度調整のために適量であれば、特に限定されないが、淡色系美爪料全体に対して、0.1%〜5質量%が好ましい。
【0031】
更に、本発明に含有される成分(d)の非芳香族系有機溶剤とは、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素以外の有機溶剤を広く指し、具体的には、例えば、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、アセトン、n−ブタノール、イソプロピルアルコール、エチルアルコール等が挙げられる。
【0032】
この成分(d)の含有量は、通常の溶剤系美爪料に含有されている量であれば、特に限定されないが、淡色性美爪料全体に対して、40〜90質量%が好ましい。
【0033】
更にまた、本発明品に含有される成分(e)の水は、成分(c)のゲル化剤の効果を補強するためのものである。すなわち、非芳香族系有機溶剤のみを用い、水が含有されていない美爪料では、成分(c)による充分な粘度調整効果が得られないために、後述する微粒子が沈降しやすくなる。また、この現象を防ぐために、成分(c)を多量に含有させると、使用性が悪化するだけでなく、塗布膜のツヤが低下という問題が生じる。これに対し、組成全体に対し0.1〜10質量%の水を配合することにより、成分(c)の粘度調整効果を補強することが可能となるのである。
【0034】
成分(e)の含有量は、上記のように淡色系美爪料全体に対して、0.1〜10質量%である。0.1質量%未満だとゲル化を補強する効果が充分でなく、10質量%を超えると、塗膜のツヤが失われる。好ましい含有量は、0.5〜7質量%である。
【0035】
本発明の淡色系美爪料には、上記した各成分のほか、その効果を損なわない範囲で、各種の微粒子を含有させることができる。ここで微粒子とは、一般に顔料、パール剤またはラメと呼ばれているものをいい、真珠様の光輝性やその他物性を美爪料に付与するものである。この微粒子は、美爪料の色調、明度に実質的に影響を与えず、美爪料として塗布した後でも淡色を維持できるものをいう。
【0036】
上記微粒子は、球状、板状もしくは針状等の形状、または多孔質もしくは無孔質等の粒子構造等により特に限定されず、またその平均粒子径は、色調、明度に大きく影響せず、成分(b)や「白色顔料」より一般には大きいものである。具体的には、無機粉体類、光輝性粉体類、有機粉体類、金属粉体類、複合粉体類等が上記微粒子の例として挙げられる。
【0037】
より具体的には、例えば、タルク、白雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、合成雲母、絹雲母(セリサイト)、合成セリサイト、カオリン、炭化珪素、スメクタイト、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化アンチモン、珪ソウ土、ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ヒドロキシアパタイト、窒化ホウ素等の体質粉体;二酸化チタン被覆雲母、二酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化鉄雲母チタン、紺青処理雲母チタン、カルミン処理雲母チタン、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔、ポリエチレンテレフタレートアルミニウムエポキシ積層末等の光輝性粉体;ポリアミド系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂、セルロース系樹脂、ポリスチレン系樹脂、スチレン−アクリル共重合樹脂等のコポリマー樹脂、ポリプロピレン系樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂等の有機高分子樹脂粉体;ステアリン酸亜鉛、N−アシルリジン等の有機低分子性粉体;澱粉、シルク粉末、セルロース粉末等の天然有機粉体;アルミニウム粉、金粉、銀粉等の金属粉体;微粒子酸化チタン被覆雲母チタン、微粒子酸化亜鉛被覆雲母チタン、硫酸バリウム被覆雲母チタン等の複合粉体等が挙げられる。
【0038】
なお、これら微粒子は、フッ素系化合物、シリコーン系化合物、金属石鹸、レシチン、水素添加レシチン、コラーゲン、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル、ワックス、ロウ、界面活性剤等の1種または2種以上を用いて表面処理が施されていてもよい。これら粉体は、その1種又は2種以上を用いることができ、更に複合化したものを用いても良い(但し、有機変性粘土鉱物となるものを除く)。
【0039】
これら微粒子の含有量は、通常用いられている量であれば特に限定はないが、淡色系美爪料全体に対して、好ましくは、0.1〜10質量%程度である。
【0040】
さらに、本発明の淡色系美爪料には、その効果を損なわない範囲で、通常の美爪料に使用される樹脂、可塑剤等を含有させることができる。またさらに、希釈剤、粘度調節剤、油剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、変色防止剤、酸化防止剤、消泡剤、保湿剤、薬剤、香料、無機酸、有機酸等も適量含有させることができる。
【0041】
上記成分のうち、樹脂としては、例えば、トルエンスルホンアミド樹脂、(メタ)アクリル酸アルキル(共)重合体、安息香酸ショ糖エステル、(メタ)アクリル酸アルキル−スチレン共重合体、シリコーン樹脂などが挙げられる。この樹脂の配合量は、淡色系美爪料全体に対し、1〜20質量%程度が好ましい。
【0042】
また、可塑剤としては、例えば、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等のフタル酸エステル系化合物;クエン酸トリブチル、クエン酸アセチルトリブチル等のクエン酸エステル系化合物;カンフル等が挙げられる。この可塑剤の配合量は、淡色系美爪料全体に対し、1〜10質量%程度が好ましい。
【0043】
本発明の淡色系美爪料の製造は、常法に従い、上記した各成分を適宜配合し、例えば、ディスパーやホモミキサー等の機器を用いて均一に混合、分散することによって行われる。
【0044】
以上のようにして得られた本発明の淡色系美爪料は、マニキュア、トップコート、ベースコートなどとして利用することができる。
【0045】
【実施例】
次に実施例を挙げ、本発明をより詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら制約されるものではない。
【0046】
実 施 例 1
表1に示す処方および下記の製造方法に従って、本発明品1〜6および比較品1〜7の淡色系美爪料を調製した。
【0047】
処 方 :
【表1】
【0048】
製造方法:
A. 成分No.1〜No.19を均一に混合し、これに、成分No.20〜No.28を添加し均一に分散した。
B. 「A」を容器に充填して、淡色系美爪料を得た。
【0049】
得られた淡色系美爪料について、下記に示す評価方法により「イ.使用性」、「ロ.塗布膜のツヤ」、「ハ.化粧持ち」、「ニ.安定性(微粒子(顔料、パール剤、ラメなど)の沈降)」および「ホ.安定性(経時による色調の変化)」の各項目について評価判定を行ない、その結果を表2に示した。
【0050】
評価方法および判定基準:
淡色系美爪料の「イ.使用性」、「ロ.塗布膜のツヤ」、「ハ.化粧持ち」の評価は、パネラー40名による使用テストを行い、それぞれの評価項目について、下記の7段階(0〜6)の<7段階絶対評価>を行い、その平均点をさらに下記の<4段階判定基準>にて判定した。なお、「ハ.化粧持ち」については、塗布後、パネラーに通常の生活をしてもらい、塗布直後と3日後の状態を比較して評価した。
【0051】
【0052】
<4段階判定基準>
(評点平均) ( 判 定 )
5点を超える : 非常に良好(◎)
3点を超えて5点以下 : 良好(○)
2点を超えて3点以下 : やや不良(△)
2点以下 : 不良(×)
【0053】
また、「ニ.安定性(微粒子(顔料、パール剤、ラメ等)の沈降)」については、50℃の恒温槽に1週間放置後の状況について、外観を目視にて観察し、以下の基準にて判定した。
【0054】
【0055】
さらに、「ホ.安定性(色調の変化)」については、50℃の恒温槽に1週間放置後の色の変化度合いについて、外観を目視にて観察し、以下の基準にて判定した。
【0056】
【0057】
評価判定結果:
【表2】
【0058】
表2の結果から分かるように、本発明品は、使用性、塗布膜のツヤ、化粧持ちが良好で、微粒子(顔料、パール剤、ラメなど)の沈降や色調変化がなく経時安定性に優れた淡色系美爪料であった。
【0059】
実 施 例 2
下記に示す処方および製造方法に従って、淡色系美爪料を調製した。
【0060】
【0061】
<製造方法>
A. 成分1〜10を均一に溶解した。
B.「A」に成分11〜16を加えて均一に分散した。
C.「B」を容器に充填して、淡色系美爪料を得た。
【0062】
得られた淡色系美爪料は、使用性、塗布膜のツヤ、化粧持ちについて良好で、微粒子の沈降、色調変化についての経時安定性も良好であった。
【0063】
実 施 例 3
下記に示す処方および製造方法に従って、淡色系美爪料を調製した。
【0064】
【0065】
<製造方法>
A.成分1〜14を均一に混合後、成分15〜18を添加し、均一に分散させた。
B.「A」を容器に充填して、淡色系美爪料を得た。
【0066】
得られた淡色系美爪料は、使用性、塗布膜のツヤ、化粧持ちが良好な上、粉体沈降、色調についての経時安定性において良好であった。
【0067】
【発明の効果】
以上のように、本発明の淡色系美爪料は、美爪料の特性を損なうことなく、顔料、パール剤、ラメ等の微粒子の沈降を顕著に改善することができるものである。そして、美爪料自体が淡色であるにもかかわらず、色調変化が実質的に感知されず、安定性が良好なものである。
【0068】
従って、本発明の淡色系美爪料は、マニキュア、トップコート、ベースコートなどとして有利に使用することができるものである。
以 上
Claims (3)
- 次の成分(a)〜(e)
(a)ニトロセルロースおよびこのニトロセルロースに対し0.1〜1質量倍のアルキッド樹脂を含む皮膜形成剤、
(b)水不溶性有色顔料
(c)ゲル化剤
(d)非芳香族系有機溶剤
(e)組成全体に対し0.1〜10質量%の水
を含有することを特徴とする淡色系美爪料。 - 成分(b)水不溶性有色顔料を、組成全体に対し、0.3質量%以下の量で含有する請求項1記載の淡色系美爪料。
- さらに、(a)成分中に、ニトロセルロースに対し0.1〜1質量倍のトルエンスルホンアミドエポキシ樹脂を含有することを特徴とする請求項1または請求項2記載の淡色系美爪料。
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JP2009057324A (ja) * | 2007-08-31 | 2009-03-19 | Kose Corp | 美爪料 |
JP2009179573A (ja) * | 2008-01-30 | 2009-08-13 | Pola Chem Ind Inc | 爪用の化粧料 |
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2003
- 2003-03-25 JP JP2003082315A patent/JP2004285024A/ja active Pending
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