JP2004284860A - Si単結晶の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】半導体用シリコンウェーハの原料となるSi単結晶を金属不純物の少ないものとし得るSi単結晶の製造方法の提供。
【解決手段】チョクラルスキー法により引き上げられたSi単結晶インゴット中の金属不純物を外周部に偏析させた後、Si単結晶インゴットの外周部を研削して除去する。
【選択図】 なし
【解決手段】チョクラルスキー法により引き上げられたSi単結晶インゴット中の金属不純物を外周部に偏析させた後、Si単結晶インゴットの外周部を研削して除去する。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体用シリコンウェーハの原料となるSi単結晶の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、シリコンウェーハの原料となるSi単結晶は、石英るつぼにpoly(多結晶)−Siをチャージして約1500℃の高温下で溶融し、チョクラルスキー法によりSi単結晶インゴットとして引き上げた後、Si単結晶インゴットの外周部を研削して所定の直径に加工し、かつ、所定の長さに切断することにより製造されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の製造方法によるSi単結晶を原料とする半導体用シリコンウェーハには、金属汚染が存在するため、洗浄を行うときの薬液組成や処理温度等を工夫することにより、汚染レベルの改善が行われている。
半導体用シリコンウェーハに金属汚染が存在するのは、Si単結晶インゴットの引き上げの際に、引き上げ装置等からFe(鉄)等の金属不純物がSi単結晶インゴットに取り込まれるためと考えられる。
一方、近年のデバイスプロセスの微細化に伴い、これまでは大きな問題とはならなかったレベルの微量の金属汚染までが問題となってきており、デバイスプロセスでの歩留まりを改善するためにも、半導体用シリコンウェーハの原料となるSi単結晶の段階からの金属汚染レベルを改善することが求められている。
【0004】
そこで、本発明は、半導体用シリコンウェーハの原料となるSi単結晶を金属不純物の少ないものとし得るSi単結晶の製造方法を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明のSi単結晶の製造方法は、チョクラルスキー法により引き上げられたSi単結晶インゴット中の金属不純物を外周部に偏析させた後、Si単結晶インゴットの外周部を研削して除去することを特徴とする。
ここで、Si単結晶インゴットとは、外周が蛇腹状を呈しているものをいい、Si単結晶とは、Si単結晶インゴットの外周部を研削して所定の直径に加工し、かつ、所定の長さに切断した円柱状を呈しているものをいう。
【0006】
一方、前記金属不純物の外周部への偏析は、Si単結晶インゴットの外周に対するSiO2(二酸化珪素)粉末又はSiC(炭化珪素)粉末の吹き付けによる外周部へのダメージの付与と、その後のH2(水素ガス)、O2(酸素ガス)、Ar(アルゴンガス)又はN2(窒素ガス)のいずれかのガス雰囲気あるいはそれらの混合ガス雰囲気における800〜1300℃の温度での熱処理とにより行うことが好ましい。
【0007】
又、前記金属不純物の外周部への偏析は、Si単結晶インゴットに対する800〜1300℃の温度での酸化熱処理により行ってもよい。
【0008】
更に、前記金属不純物の外周部への偏析は、Si単結晶インゴットの外周に対する膜厚0.5〜1.5μmのpoly−Si膜の成膜処理により行ってもよい。
【0009】
更に又、前記金属不純物の外周部への偏析は、Si単結晶インゴットの外周に対する膜厚0.25〜1.0μmのSi3N4(窒化珪素)膜の成膜処理により行ってもよい。
【0010】
【作用】
本発明のSi単結晶の製造方法においては、Si単結晶インゴットの製造プロセス中に取り込まれたFe等の金属不純物が外周部に集められてから、その部分ごと外周研削により取り除かれる。
【0011】
一方、金属不純物の外周部への偏析を、Si単結晶インゴットの外周に対するSiO2粉末又はSiC粉末の吹き付けによる外周部へのダメージの付与と、その後のH2、O2、Ar又はN2のいずれかのガス雰囲気あるいはそれらの混合ガス雰囲気において800〜1300℃の温度での熱処理とにより行うことによって、ダメージがゲッタリングサイトとして機能し、Si単結晶インゴット中の金属不純物が所要ガス雰囲気での熱処理に伴って外周部へ集められる。
【0012】
吹き付けにSiO2粉末又はSiC粉末を用いることにより、高純度のものを入手し易くなり、かつ、粒径を制御し易くなる。又、粒径、及び吹き付ける強さを制御することにより、ダメージ量、すなわち、ゲッタリングサイトとしての能力を容易に制御することが可能となる。
雰囲気ガスとしてH2、O2、Ar及びN2のいずれか1種以上を用いることにより、高純度のものを入手し易くなり、かつ、処理、管理が容易となる。特に、Fe等は酸化膜中にトラップされ易いことから、O2を用いることが望ましい。
熱処理温度が、800℃未満であると、Fe等の拡散係数の低い元素は拡散距離が短く、ゲッタリングサイトのあるSi単結晶インゴットの外周部まで拡散させるには、非常に長時間の熱処理が必要となり、量産レベルでの製造に適しない。一方、1300℃を超えると、熱処理炉部材の維持・管理(清浄度、ライフ等)が困難になること、及び上記部材からの逆汚染が生じ易くなってしまうため適しない。
より好ましい熱処理温度は、900〜1200℃である。
【0013】
又、金属不純物の外周部への偏析を、Si単結晶インゴットに対する800〜1300℃の温度での酸化熱処理により行うことによって、Fe等の金属不純物は酸化膜中に選択的に取り込まれ易いことから、Si単結晶インゴット中の金属不純物が外周部の酸化膜中に選択的に集められる。
【0014】
酸化熱処理温度が、800℃未満であると、前述したように、金属不純物をSi単結晶インゴットの外周部まで拡散させ、酸化膜中に選択的に効率良く取り込むためには、非常に長時間の処理が必要となり、量産レベルでの製造に適しない。一方、1300℃を超えると、熱処理炉部材の維持・管理(清浄度、ライフ等)が困難になること、及び上記部材からの逆汚染が生じ易くなってしまうため適しない。
より好ましい酸化熱処理温度は、900〜1200℃である。
【0015】
更に、金属不純物の外周部への偏析を、Si単結晶インゴットの外周に対するpoly−Si膜の成膜処理により行うことによって、poly−Si膜とSiとは膨張係数が異なるため、Si単結晶インゴットの外周に大きなストレスが生じ、このストレスがゲッタリングサイトとして機能し、かつ、poly−Si膜が有する粒界のストレスもゲッタリングサイトとして機能し、これらがSi単結晶インゴット中の金属不純物を外周部に選択的に集める。
poly−Si膜の膜厚が、0.5μm未満であると、poly−Si膜とのストレス、及びpoly−Si膜の粒界のストレスが弱く、ゲッタリングサイトとしての機能が不十分となる。一方、1.5μmを超えると、成膜したpoly−Si膜の剥離やその防止のためのメンテナンス頻度増につながるため、量産レベルの製造に適しない。
より好ましいpoly−Si膜の膜厚は、0.5〜1.0μmである。
【0016】
更に又、金属不純物の外周部への偏析を、Si単結晶インゴットの外周に対するSi3N4膜の成膜処理により行うことによって、poly−Si膜の成膜処理の場合と同様に、Si3N4膜とSiとは膨張係数が大きく異なるため、Si単結晶インゴットの外周に大きなストレスが生じ、このストレスがゲッタリングサイトとして機能し、これがSi単結晶インゴット中の金属不純物を外周部に選択的に集める。
Si3N4膜の膜厚が、0.25μm未満であると、SiとSi3N4膜とのストレスが弱く、ゲッタリングサイトとしての機能が不十分となる。一方、1.0μmを超えると、poly−Si膜の場合と同様の理由から、量産レベルの製造に適しない。
より好ましいSi3N4膜の膜厚は、0.25〜0.5μmである。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について具体的な実施例を参照して説明する。
実施例1
先ず、チョクラルスキー法により引き上げられた直径8インチ、pタイプ、(100)面の4本のSi単結晶インゴットを用い、外周に#3000のSiO2粉末を1.0kg/cm2の圧力で吹き付けてダメージを与え、その後、N2雰囲気において1100℃の温度で24時間の熱処理を行ったサンプル(サンプル1−1)と、外周に#1200のSiO2粉末を1.0kg/cm2の圧力で吹き付けてダメージを与え、その後、N2雰囲気において1100℃の温度で24時間の熱処理を行ったサンプル(サンプル1−2)と、外周にサンプル1−2と同様の#1200のSiO2粉末を1.5kg/cm2の圧力で吹き付けてダメージを与え、その後、N2雰囲気において1100℃の温度で24時間の熱処理を行ったサンプル(サンプル1−3)と、SiO2粉末の吹き付け、及び熱処理を行わなかったサンプル(サンプル1−4)とを作製した。
次に、これらのサンプルの外周部を研削して所定の直径に加工し、かつ、所定の長さに切断してそれぞれのSi単結晶を得た。
【0018】
そして、得られた各Si単結晶からポリッシュドウェーハを作製し、SPV法によりそれぞれのSiウェーハ中のFe−B濃度を測定したところ、図1に示すようになった。
図1から分るように、何も処理を施していないサンプル1−4に比べ、SiO2粉末を吹き付け、かつ、N2雰囲気において熱処理を施したサンプル1−1〜1−3では、金属不純物量が1/4程度と少なくなっている。又、吹き付けるSiO2粉末の粒径が大きく、吹き付け圧力が高い方が、金属不純物量が少なくなっている。
【0019】
なお、熱処理の雰囲気ガスは、N2に限らず、H2、O2又はArでもよく、あるいは、それらの混合ガスでもよい。
【0020】
実施例2
先ず、チョクラルスキー法により引き上げられた直径8インチ、pタイプ、(100)面の3本のSi単結晶インゴットを用い、1000℃の温度で2時間のWet酸化熱処理を行って外周部に約550nmの厚さの酸化膜を形成したサンプル(サンプル2−1)と、1200℃の温度で4時間のWet酸化熱処理を行って外周部に約1500nmの厚さの酸化膜を形成したサンプル(サンプル2−2)と、酸化熱処理を行わなかったサンプル(サンプル2−3)とを作製した。
次に、これらのサンプルの外周部を研削して所定の直径に加工し、かつ、所定の長さに切断してそれぞれのSi単結晶を得た。
【0021】
そして、得られた各Si単結晶からポリッシュドウェーハを作製し、SPV法によりそれぞれのSiウェーハ中のFe−B濃度を測定したところ、図2に示すようになった。
図2から分るように、何も処理を施していないサンプル2−3に比べ、酸化熱処理を施したサンプル2−1、2−2では、金属不純物量が1/2以下と少なくなっている。又、酸化熱処理温度の高い方が、金属不純物量が少なくなっている。
【0022】
なお、Si単結晶インゴットに対するWet酸化熱処理は、引き上げ装置から取り出されたものに施してもよく、あるいは引き上げ装置中のものに、装置中の雰囲気ガスをO2に切り替え、酸化熱処理を施すようにしてもよい。
【0023】
実施例3
先ず、チョクラルスキー法により引き上げられた直径8インチ、pタイプ、(100)面の3本のSi単結晶インゴットを用い、LP−CVD法により650℃の温度で外周に膜厚0.5μmのpoly−Si膜を形成したサンプル(サンプル3−1)と、同様にLP−CVD法により650℃の温度で外周に膜厚1.5μmのpoly−Si膜を形成したサンプル(サンプル3−2)と、poly−Si膜の形成を行わなかったサンプル(サンプル3−3)とを作製した。
次に、これらのサンプルの外周部を研削して所定の直径に加工し、かつ、所定の長さに切断してそれぞれのSi単結晶を得た。
【0024】
そして、得られた各Si単結晶からポリッシュドウェーハを作製し、SPV法によりそれぞれのSiウェーハ中のFe−B濃度を測定したところ、図3に示すようになった。
図3から分るように、何も処理を施していないサンプルに比べ、poly−Si膜を形成したサンプル3−1、3−2では、金属不純物量が1/2以下と少なくなっている。又、poly−Si膜の膜厚の厚い方が、金属不純物量が少なくなっている。
【0025】
実施例4
先ず、チョクラルスキー法により引き上げられた直径8インチ、pタイプ、(100)面のSi単結晶インゴットを用い、LP−CVD法により700℃の温度で外周に膜厚0.25μmのSi3N4膜を形成したサンプル(サンプル4−1)と、同様にLP−CVD法により700℃の温度で外周に膜厚1.0μmのSi3N4膜を形成したサンプル(サンプル4−2)と、Si3N4膜の形成を行わなかったサンプル(サンプル4−3)とを作製した。
次に、これらのサンプルの外周部を研削して所定の直径に加工し、かつ、所定の長さに切断してそれぞれのSi単結晶を得た。
【0026】
そして、得られた各Si単結晶からポリッシュドウェーハを作製し、SPV法によりそれぞれのSiウェーハ中のFe−B濃度を測定したところ、図4に示すようになった。
図4から分るように、何も処理を施していないサンプルに比べ、Si3N4膜を形成したサンプル4−1、4−2では、金属不純物量が1/3以下と少なくなっている。又、Si3N4膜の膜厚の厚い方が、金属不純物量が少なくなっている。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のSi単結晶の製造方法によれば、Si単結晶インゴットの製造プロセス中に取り込まれたFe等の金属不純物が外周部に集められてから、その部分ごと外周研削により取り除かれるので、半導体用シリコンウェーハの原料となるSi単結晶を金属不純物の少ないものとすることができ、ひいては、デバイスプロセスでの歩留まりを向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るSi単結晶の製造方法の実施例1によるSi単結晶から得られたシリコンウェーハ中のFe−B濃度評価結果を示す説明図である。
【図2】本発明に係るSi単結晶の製造方法の実施例2によるSi単結晶から得られたシリコンウェーハ中のFe−B濃度評価結果を示す説明図である。
【図3】本発明に係るSi単結晶の製造方法の実施例3によるSi単結晶から得られたシリコンウェーハ中のFe−B濃度評価結果を示す説明図である。
【図4】本発明に係るSi単結晶の製造方法の実施例4によるSi単結晶から得られたシリコンウェーハ中のFe−B濃度評価結果を示す説明図である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体用シリコンウェーハの原料となるSi単結晶の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、シリコンウェーハの原料となるSi単結晶は、石英るつぼにpoly(多結晶)−Siをチャージして約1500℃の高温下で溶融し、チョクラルスキー法によりSi単結晶インゴットとして引き上げた後、Si単結晶インゴットの外周部を研削して所定の直径に加工し、かつ、所定の長さに切断することにより製造されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の製造方法によるSi単結晶を原料とする半導体用シリコンウェーハには、金属汚染が存在するため、洗浄を行うときの薬液組成や処理温度等を工夫することにより、汚染レベルの改善が行われている。
半導体用シリコンウェーハに金属汚染が存在するのは、Si単結晶インゴットの引き上げの際に、引き上げ装置等からFe(鉄)等の金属不純物がSi単結晶インゴットに取り込まれるためと考えられる。
一方、近年のデバイスプロセスの微細化に伴い、これまでは大きな問題とはならなかったレベルの微量の金属汚染までが問題となってきており、デバイスプロセスでの歩留まりを改善するためにも、半導体用シリコンウェーハの原料となるSi単結晶の段階からの金属汚染レベルを改善することが求められている。
【0004】
そこで、本発明は、半導体用シリコンウェーハの原料となるSi単結晶を金属不純物の少ないものとし得るSi単結晶の製造方法を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明のSi単結晶の製造方法は、チョクラルスキー法により引き上げられたSi単結晶インゴット中の金属不純物を外周部に偏析させた後、Si単結晶インゴットの外周部を研削して除去することを特徴とする。
ここで、Si単結晶インゴットとは、外周が蛇腹状を呈しているものをいい、Si単結晶とは、Si単結晶インゴットの外周部を研削して所定の直径に加工し、かつ、所定の長さに切断した円柱状を呈しているものをいう。
【0006】
一方、前記金属不純物の外周部への偏析は、Si単結晶インゴットの外周に対するSiO2(二酸化珪素)粉末又はSiC(炭化珪素)粉末の吹き付けによる外周部へのダメージの付与と、その後のH2(水素ガス)、O2(酸素ガス)、Ar(アルゴンガス)又はN2(窒素ガス)のいずれかのガス雰囲気あるいはそれらの混合ガス雰囲気における800〜1300℃の温度での熱処理とにより行うことが好ましい。
【0007】
又、前記金属不純物の外周部への偏析は、Si単結晶インゴットに対する800〜1300℃の温度での酸化熱処理により行ってもよい。
【0008】
更に、前記金属不純物の外周部への偏析は、Si単結晶インゴットの外周に対する膜厚0.5〜1.5μmのpoly−Si膜の成膜処理により行ってもよい。
【0009】
更に又、前記金属不純物の外周部への偏析は、Si単結晶インゴットの外周に対する膜厚0.25〜1.0μmのSi3N4(窒化珪素)膜の成膜処理により行ってもよい。
【0010】
【作用】
本発明のSi単結晶の製造方法においては、Si単結晶インゴットの製造プロセス中に取り込まれたFe等の金属不純物が外周部に集められてから、その部分ごと外周研削により取り除かれる。
【0011】
一方、金属不純物の外周部への偏析を、Si単結晶インゴットの外周に対するSiO2粉末又はSiC粉末の吹き付けによる外周部へのダメージの付与と、その後のH2、O2、Ar又はN2のいずれかのガス雰囲気あるいはそれらの混合ガス雰囲気において800〜1300℃の温度での熱処理とにより行うことによって、ダメージがゲッタリングサイトとして機能し、Si単結晶インゴット中の金属不純物が所要ガス雰囲気での熱処理に伴って外周部へ集められる。
【0012】
吹き付けにSiO2粉末又はSiC粉末を用いることにより、高純度のものを入手し易くなり、かつ、粒径を制御し易くなる。又、粒径、及び吹き付ける強さを制御することにより、ダメージ量、すなわち、ゲッタリングサイトとしての能力を容易に制御することが可能となる。
雰囲気ガスとしてH2、O2、Ar及びN2のいずれか1種以上を用いることにより、高純度のものを入手し易くなり、かつ、処理、管理が容易となる。特に、Fe等は酸化膜中にトラップされ易いことから、O2を用いることが望ましい。
熱処理温度が、800℃未満であると、Fe等の拡散係数の低い元素は拡散距離が短く、ゲッタリングサイトのあるSi単結晶インゴットの外周部まで拡散させるには、非常に長時間の熱処理が必要となり、量産レベルでの製造に適しない。一方、1300℃を超えると、熱処理炉部材の維持・管理(清浄度、ライフ等)が困難になること、及び上記部材からの逆汚染が生じ易くなってしまうため適しない。
より好ましい熱処理温度は、900〜1200℃である。
【0013】
又、金属不純物の外周部への偏析を、Si単結晶インゴットに対する800〜1300℃の温度での酸化熱処理により行うことによって、Fe等の金属不純物は酸化膜中に選択的に取り込まれ易いことから、Si単結晶インゴット中の金属不純物が外周部の酸化膜中に選択的に集められる。
【0014】
酸化熱処理温度が、800℃未満であると、前述したように、金属不純物をSi単結晶インゴットの外周部まで拡散させ、酸化膜中に選択的に効率良く取り込むためには、非常に長時間の処理が必要となり、量産レベルでの製造に適しない。一方、1300℃を超えると、熱処理炉部材の維持・管理(清浄度、ライフ等)が困難になること、及び上記部材からの逆汚染が生じ易くなってしまうため適しない。
より好ましい酸化熱処理温度は、900〜1200℃である。
【0015】
更に、金属不純物の外周部への偏析を、Si単結晶インゴットの外周に対するpoly−Si膜の成膜処理により行うことによって、poly−Si膜とSiとは膨張係数が異なるため、Si単結晶インゴットの外周に大きなストレスが生じ、このストレスがゲッタリングサイトとして機能し、かつ、poly−Si膜が有する粒界のストレスもゲッタリングサイトとして機能し、これらがSi単結晶インゴット中の金属不純物を外周部に選択的に集める。
poly−Si膜の膜厚が、0.5μm未満であると、poly−Si膜とのストレス、及びpoly−Si膜の粒界のストレスが弱く、ゲッタリングサイトとしての機能が不十分となる。一方、1.5μmを超えると、成膜したpoly−Si膜の剥離やその防止のためのメンテナンス頻度増につながるため、量産レベルの製造に適しない。
より好ましいpoly−Si膜の膜厚は、0.5〜1.0μmである。
【0016】
更に又、金属不純物の外周部への偏析を、Si単結晶インゴットの外周に対するSi3N4膜の成膜処理により行うことによって、poly−Si膜の成膜処理の場合と同様に、Si3N4膜とSiとは膨張係数が大きく異なるため、Si単結晶インゴットの外周に大きなストレスが生じ、このストレスがゲッタリングサイトとして機能し、これがSi単結晶インゴット中の金属不純物を外周部に選択的に集める。
Si3N4膜の膜厚が、0.25μm未満であると、SiとSi3N4膜とのストレスが弱く、ゲッタリングサイトとしての機能が不十分となる。一方、1.0μmを超えると、poly−Si膜の場合と同様の理由から、量産レベルの製造に適しない。
より好ましいSi3N4膜の膜厚は、0.25〜0.5μmである。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について具体的な実施例を参照して説明する。
実施例1
先ず、チョクラルスキー法により引き上げられた直径8インチ、pタイプ、(100)面の4本のSi単結晶インゴットを用い、外周に#3000のSiO2粉末を1.0kg/cm2の圧力で吹き付けてダメージを与え、その後、N2雰囲気において1100℃の温度で24時間の熱処理を行ったサンプル(サンプル1−1)と、外周に#1200のSiO2粉末を1.0kg/cm2の圧力で吹き付けてダメージを与え、その後、N2雰囲気において1100℃の温度で24時間の熱処理を行ったサンプル(サンプル1−2)と、外周にサンプル1−2と同様の#1200のSiO2粉末を1.5kg/cm2の圧力で吹き付けてダメージを与え、その後、N2雰囲気において1100℃の温度で24時間の熱処理を行ったサンプル(サンプル1−3)と、SiO2粉末の吹き付け、及び熱処理を行わなかったサンプル(サンプル1−4)とを作製した。
次に、これらのサンプルの外周部を研削して所定の直径に加工し、かつ、所定の長さに切断してそれぞれのSi単結晶を得た。
【0018】
そして、得られた各Si単結晶からポリッシュドウェーハを作製し、SPV法によりそれぞれのSiウェーハ中のFe−B濃度を測定したところ、図1に示すようになった。
図1から分るように、何も処理を施していないサンプル1−4に比べ、SiO2粉末を吹き付け、かつ、N2雰囲気において熱処理を施したサンプル1−1〜1−3では、金属不純物量が1/4程度と少なくなっている。又、吹き付けるSiO2粉末の粒径が大きく、吹き付け圧力が高い方が、金属不純物量が少なくなっている。
【0019】
なお、熱処理の雰囲気ガスは、N2に限らず、H2、O2又はArでもよく、あるいは、それらの混合ガスでもよい。
【0020】
実施例2
先ず、チョクラルスキー法により引き上げられた直径8インチ、pタイプ、(100)面の3本のSi単結晶インゴットを用い、1000℃の温度で2時間のWet酸化熱処理を行って外周部に約550nmの厚さの酸化膜を形成したサンプル(サンプル2−1)と、1200℃の温度で4時間のWet酸化熱処理を行って外周部に約1500nmの厚さの酸化膜を形成したサンプル(サンプル2−2)と、酸化熱処理を行わなかったサンプル(サンプル2−3)とを作製した。
次に、これらのサンプルの外周部を研削して所定の直径に加工し、かつ、所定の長さに切断してそれぞれのSi単結晶を得た。
【0021】
そして、得られた各Si単結晶からポリッシュドウェーハを作製し、SPV法によりそれぞれのSiウェーハ中のFe−B濃度を測定したところ、図2に示すようになった。
図2から分るように、何も処理を施していないサンプル2−3に比べ、酸化熱処理を施したサンプル2−1、2−2では、金属不純物量が1/2以下と少なくなっている。又、酸化熱処理温度の高い方が、金属不純物量が少なくなっている。
【0022】
なお、Si単結晶インゴットに対するWet酸化熱処理は、引き上げ装置から取り出されたものに施してもよく、あるいは引き上げ装置中のものに、装置中の雰囲気ガスをO2に切り替え、酸化熱処理を施すようにしてもよい。
【0023】
実施例3
先ず、チョクラルスキー法により引き上げられた直径8インチ、pタイプ、(100)面の3本のSi単結晶インゴットを用い、LP−CVD法により650℃の温度で外周に膜厚0.5μmのpoly−Si膜を形成したサンプル(サンプル3−1)と、同様にLP−CVD法により650℃の温度で外周に膜厚1.5μmのpoly−Si膜を形成したサンプル(サンプル3−2)と、poly−Si膜の形成を行わなかったサンプル(サンプル3−3)とを作製した。
次に、これらのサンプルの外周部を研削して所定の直径に加工し、かつ、所定の長さに切断してそれぞれのSi単結晶を得た。
【0024】
そして、得られた各Si単結晶からポリッシュドウェーハを作製し、SPV法によりそれぞれのSiウェーハ中のFe−B濃度を測定したところ、図3に示すようになった。
図3から分るように、何も処理を施していないサンプルに比べ、poly−Si膜を形成したサンプル3−1、3−2では、金属不純物量が1/2以下と少なくなっている。又、poly−Si膜の膜厚の厚い方が、金属不純物量が少なくなっている。
【0025】
実施例4
先ず、チョクラルスキー法により引き上げられた直径8インチ、pタイプ、(100)面のSi単結晶インゴットを用い、LP−CVD法により700℃の温度で外周に膜厚0.25μmのSi3N4膜を形成したサンプル(サンプル4−1)と、同様にLP−CVD法により700℃の温度で外周に膜厚1.0μmのSi3N4膜を形成したサンプル(サンプル4−2)と、Si3N4膜の形成を行わなかったサンプル(サンプル4−3)とを作製した。
次に、これらのサンプルの外周部を研削して所定の直径に加工し、かつ、所定の長さに切断してそれぞれのSi単結晶を得た。
【0026】
そして、得られた各Si単結晶からポリッシュドウェーハを作製し、SPV法によりそれぞれのSiウェーハ中のFe−B濃度を測定したところ、図4に示すようになった。
図4から分るように、何も処理を施していないサンプルに比べ、Si3N4膜を形成したサンプル4−1、4−2では、金属不純物量が1/3以下と少なくなっている。又、Si3N4膜の膜厚の厚い方が、金属不純物量が少なくなっている。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のSi単結晶の製造方法によれば、Si単結晶インゴットの製造プロセス中に取り込まれたFe等の金属不純物が外周部に集められてから、その部分ごと外周研削により取り除かれるので、半導体用シリコンウェーハの原料となるSi単結晶を金属不純物の少ないものとすることができ、ひいては、デバイスプロセスでの歩留まりを向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るSi単結晶の製造方法の実施例1によるSi単結晶から得られたシリコンウェーハ中のFe−B濃度評価結果を示す説明図である。
【図2】本発明に係るSi単結晶の製造方法の実施例2によるSi単結晶から得られたシリコンウェーハ中のFe−B濃度評価結果を示す説明図である。
【図3】本発明に係るSi単結晶の製造方法の実施例3によるSi単結晶から得られたシリコンウェーハ中のFe−B濃度評価結果を示す説明図である。
【図4】本発明に係るSi単結晶の製造方法の実施例4によるSi単結晶から得られたシリコンウェーハ中のFe−B濃度評価結果を示す説明図である。
Claims (5)
- チョクラルスキー法により引き上げられたSi単結晶インゴット中の金属不純物を外周部に偏析させた後、Si単結晶インゴットの外周部を研削して除去することを特徴とするSi単結晶の製造方法。
- 前記金属不純物の外周部への偏析を、Si単結晶インゴットの外周に対するSiO2粉末又はSiC粉末の吹き付けによる外周部へのダメージの付与と、その後のH2、O2、Ar又はN2のいずれかのガス雰囲気あるいはそれらの混合ガス雰囲気における800〜1300℃の温度での熱処理とにより行うことを特徴とする請求項1記載のSi単結晶の製造方法。
- 前記金属不純物の外周部への偏析を、Si単結晶インゴットに対する800〜1300℃の温度での酸化熱処理により行うことを特徴とする請求項1記載のSi単結晶の製造方法。
- 前記金属不純物の外周部への偏析を、Si単結晶インゴットの外周に対する膜厚0.5〜1.5μmのpoly−Si膜の成膜処理により行うことを特徴とする請求項1記載のSi単結晶の製造方法。
- 前記金属不純物の外周部への偏析を、Si単結晶インゴットの外周に対する膜厚0.25〜1.0μmのSi3N4膜の成膜処理により行うことを特徴とする請求項1記載のSi単結晶の製造方法。
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