JP2004284049A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】偽造が困難なプリンタ固有のパターンを記録媒体に記録可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置は、装置固有の干渉縞を感光体ドラムに露光する固有パターン露光装置60を備え、固有パターン露光装置60は面発光レーザで構成されたレーザ光源62、エタロンを構成する平行平面板64、投影レンズ66で構成される。レーザ光源62から射出されたレーザ光は平行平面板64に入射して多重反射を繰り返し、光路長の異なるレーザ光に分割されて投影レンズ66側へ出射し、投影レンズ66を透過したレーザ光は感光体ドラム16上に収束し、干渉縞が形成される。平行平面板64の厚さd、屈折率n、投影レンズ66の焦点距離f、レーザ光の波長λ等のパラメータは、製造時のばらつき等により全く同一の値の組み合わせになるのは極めてまれとなるため、発生する干渉縞は装置固有となる。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像形成装置に係り、特に、画像に応じた光を潜像担持体に露光してトナー現像し、現像されたトナー像を記録用紙に転写することにより画像を形成するデジタル複写機、プリンタ等の画像形成装置や、画像に応じた光を露光することにより電子ペーパーに画像を形成する画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、画像に応じて変調された光ビームを感光体に走査露光してトナー現像し、現像されたトナー像を記録用紙に転写することにより画像を記録用紙上に形成するレーザビームプリンタが知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
一方、コンピュータ等に保持された電子文書がレーザビームプリンタ等で印刷された場合、その出所、すなわちどのプリンタで印刷されたかを証明するために特定のパターン等を出力文書に記録することが要求されている。
【0004】
このような場合、例えばプリンタのシリアル番号を表すバーコード等を出力文書に印刷することにより、その文書の出所を特定すること等が考えられる。
【0005】
例えばバーコードを出力文書に記録する技術としては、特許文献2には、図24(A)に示すような預り証100の印刷内容と対応付けられたコード番号を図24(A)、(B)に示すようなバーコード102として出力文書に印刷することが記載されている。
【0006】
また、特許文献3には、図25(A)に示すような証券104の印刷内容を2次元コード化した図25(A)、(B)に示すような2次元バーコード106を証券104に印字することが記載されている。
【0007】
また、特許文献4には、クレジットカード等に、カード番号などの情報を立体的に浮き上がるパターンとしてホログラフィにより作成することが記載されている。
【0008】
【特許文献1】
特開2001−215423号公報
【特許文献2】
特開平6−187523号公報
【特許文献3】
特開平11−195079号公報
【特許文献4】
特開2000−172157号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、バーコードは所定のフォーマットにより電子画像として容易に作成可能であるため、同一パターンのデジタル情報をコンピュータ等で作成し、他のプリンタを用いて印刷することによって同じバーコードを容易に複製することができるため、全く原本と同一のものを複製することができる。従って、文書等の偽造が容易であり、これを文書を出力したプリンタを特定する目的に使用するのは困難である、という問題があった。
【0010】
また、ホログラフィを生成するためのホログラム生成装置は複雑かつ高価であり、プリンタ毎にホログラム生成装置を備えることはコストが大幅に高くなる、という問題があった。
【0011】
本発明は、上記問題点に鑑みて成されたものであり、偽造が困難なプリンタ固有のパターンを記録媒体に記録可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため請求項1記載の発明は、画像に応じた光を露光面上に露光することにより画像を形成する画像形成装置において、干渉縞パターン用の光ビームを射出する干渉縞用光源と、前記光源から射出された光ビームを2以上の光ビームに分割させるビーム分割手段と、分割された光ビームを露光面上に投影させることにより干渉縞パターンを前記露光面上に露光する投影光学系と、を備えたことを特徴とする。
【0013】
画像形成装置は、画像に応じた光を露光面上に露光することにより画像を形成する。
【0014】
このように画像に応じた光を露光面に露光することにより画像を形成する画像形成装置としては、例えば潜像担持体と、画像に応じた光を前記潜像担持体上に走査露光させて前記潜像担持体上に潜像を形成する走査露光手段と、前記潜像担持体上に形成された潜像をトナー現像する現像手段と、前記現像手段により現像されたトナー像を記録媒体に転写する転写手段と、を備えたものがある。この場合、露光面は潜像担持体の表面となる。このような画像形成装置は、複写機やプリンタ、ファクシミリ等に用いることができる。
【0015】
また、画像の記録媒体として、透光性を有する一対の基板間に、少なくともメモリ性を有する表示層及び光導電層を積層してなり、且つ画像に応じた光を前記光導電層側から照射しながら所定電圧を前記一対の基板間に印加することにより画像表示が可能な記録媒体を用いた場合には、画像形成装置は、画像に応じた光を前記光導電層側から照射する光照射手段と、前記一対の基板間に所定電圧を印加する電圧印加手段と、で構成することができる。この場合、露光面は記録媒体の表面となる。このような記録媒体はメモリ性を有するため、画像に応じた光の照射や電圧の印加を停止した後も画像を保持することができ、電子ペーパーとして利用することができる。
【0016】
このような画像形成装置において、干渉縞用光源は、干渉縞パターン用の光ビームを射出する。この光源には、例えば可干渉性に優れたレーザ光を射出するレーザ光源等が用いられる。
【0017】
ビーム分割手段は、光源から射出された光ビームを2以上の光ビームに分割させる。ビーム分割手段としては、例えば多重反射手段を用いることができる。多重反射手段は、光源から射出された光ビームを多重反射させる。すなわち、干渉縞用光源から入射された光ビームを光路長の異なる複数の光ビームに分割して出射する。
【0018】
この多重反射手段は、例えば光を透過すると共に反射面を有する2枚の平面状の基板を互いの反射面が対向するように平行に配置した所謂エタロンにより構成することができる。これにより、干渉縞用光源からの光ビームが2枚の基板間で多重反射し、光路長の異なる複数の光ビームに分割される。
【0019】
投影光学系は、多重反射された光ビームを露光面上に投影させる、すなわち結像させることにより干渉縞パターンを露光面上に露光する。これにより、露光面上に干渉縞パターンが形成される。
【0020】
このようにして露光面に形成される干渉縞パターンは、多重反射手段の光に対する屈折率や干渉縞用光源から射出された光ビームの多重反射手段への入射角、光ビームの波長、投影光学系の焦点距離などの各種パラメータによって異なる。
【0021】
これらのパラメータは、同じ装置であれば一定の値となるべきものであるところ、製造時の誤差等により、同じ装置を複数製造した場合でも全ての装置において一定の値となるのは極めてまれである。
【0022】
従って、露光面上に形成される干渉縞パターンは、それぞれの装置において固有のものとなるため、干渉縞パターンと装置とを予め対応付けておくことにより、干渉縞パターンが記録された記録媒体の出所、すなわち画像形成装置を特定することが可能となる。
【0023】
また、このような干渉縞パターンは他の装置で複製するのは非常に困難であるため、文書の偽造等を効果的に防止することができる。
【0024】
請求項2記載の発明は、前記干渉縞用光源を複数備え、前記露光面上に複数の干渉縞パターンを露光することを特徴とする。
【0025】
この発明によれば、複数の干渉縞パターンが露光面上に形成されるため、パターンの多様性が飛躍的に増大する。これにより、同一の干渉縞パターンを形成する装置が製造される確率を極めて低くすることができる。従って、同一の干渉縞パターンが偽造されるのを、より防止することができる。
【0026】
請求項3記載の発明は、前記干渉縞用光源毎に前記投影光学系を備えたことを特徴とする。
【0027】
この発明によれば、複数の干渉縞用光源毎に各々投影光学系が設けられる。干渉縞パターンは、投影光学系の焦点距離等によって変わり、また、投影光学系の製造誤差などによりその焦点距離は投影光学系固有のものとなる。従って、複数の干渉縞用光源毎に各々投影光学系が設けられることにより、パターンの多様性をさらに増大させることができる。
【0028】
請求項4記載の発明は、前記干渉縞用光源を前記投影光学系の物体側焦点位置近傍に配置したことを特徴とする。
【0029】
この発明によれば、干渉縞用光源を投影光学系の物体側焦点位置近傍に配置することにより、多重反射手段を透過した0次の透過光は投影光学系を透過した後、前記投影光学系の光軸と平行となり、露光面に対して略垂直に入射することとなる。このため、露光面の位置が光軸方向に変動しても0次の透過光の位置は変動せず、干渉縞パターンが変動するのを防ぐことができる。
【0030】
請求項5記載の発明は、装置に予め付与された識別符号用の光ビームを射出する識別用光源と、前記識別符号用の光ビームを前記露光面上に投影させるための識別用投影光学系と、をさらに備えたことを特徴とする。
【0031】
この発明によれば、識別用光源から射出された光ビームは識別用投影光学系を透過して露光面上を露光する。これにより、記録媒体に点が記録される。このため、例えば識別用光源を複数設け、装置に予め付与された識別符号に応じて複数の識別用光源のオンオフを制御することにより、識別符号に対応したパターンの点を記録媒体に形成することができ、識別符号を容易に確認することができる。
【0032】
請求項6記載の発明は、前記干渉縞パターンが、装置に予め付与された識別符号に対応した配置で前記露光面上に形成されることを特徴とする。
【0033】
この発明によれば、干渉縞パターンが、装置に予め付与された識別符号に対応した配置で露光面上に形成される。すなわち、干渉縞パターンの記録の有り無しによって識別符号が表される。これにより、識別符号用の光源や投影光学系を特に設ける必要がなく、装置を安価かつ簡略な構成とすることができる。
【0034】
請求項7記載の発明は、前記干渉縞用光源が、分布ブラッグ反射型の共振器を備えた面発光レーザであることを特徴とする。
【0035】
この発明によれば、干渉縞用光源が分布ブラッグ反射型の共振器を備えた面発光レーザで構成されるため、可干渉性に優れると共に、温度変化等が発生した場合でも光ビームの波長が変化しにくい。従って、干渉縞パターンが変動するのを防ぐことができる。
【0036】
請求項8記載の発明は、前記ビーム分割手段が、平行平面板であることを特徴とする。
【0037】
この発明によれば、ビーム分割手段を両面が平行な平行平面板とする。この場合、平行平面板の両面に反射面を形成する。このように、ビーム分割手段を1枚の平行平面板とすることにより、反射面の間隔が変動することがなく、干渉縞パターンが変動するのを防ぐことができる。
【0038】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、図面を参照して本発明の第1実施形態について詳細に説明する。
【0039】
図1には、本実施形態に係る画像形成装置10の概略的な構成を示した。図1に示すように、画像形成装置10はケーシング12によって被覆されている。
【0040】
ケーシング12内には、画像形成部14が設けられている。画像形成部14は、図1に示される矢印A方向に定速回転する円筒状の感光体ドラム(潜像担持体)16と、所望の画像データに基づいて光ビームを感光体ドラム16に向けて(図1の矢印B方向)、主走査しながら照射する光走査装置18と、を備えている。
【0041】
感光体ドラム16の周面近傍には帯電器20が配設されている。帯電器20は、感光体ドラム16を一様に帯電させる。そして、感光体ドラム16は、所定速度で矢印A方向に回転することによって、光走査装置18から照射された光ビームを副走査方向に走査する。これにより、感光体ドラム16の周面上に潜像が形成される。
【0042】
また、光走査装置18による光ビームの照射位置よりも感光体ドラム16の回転方向下流側には、感光体ドラム16の周面に対向して、感光体ドラム16にトナーを供給する現像器22が配設されている。現像器22から供給されたトナーは、光走査装置18によって光ビームが照射された部分に付着される。これにより感光体ドラム16の周面上にトナー像が形成される。
【0043】
現像器22の配設位置よりも感光体ドラム16の回転方向下流側(感光体ドラム16の軸芯垂下位置)には、感光体ドラム16の周面に対向して、転写用帯電体24が配設されている。転写用帯電体24は、用紙トレイ26又は手差しトレイ28から、感光体ドラム16と転写用帯電体24の間に案内された用紙30に、感光体ドラム16の周面上に形成されたトナー像を転写する。
【0044】
転写用帯電体24の配設位置よりも感光体ドラム16の回転方向下流側には、感光体ドラム16に対向して、クリーナー32が配設されている。クリーナー32により、転写後に感光体ドラム16の周面に残留しているトナーが除去される。
【0045】
トナー像が転写された用紙30は、矢印C方向に搬送される。感光体ドラム16よりも用紙30の搬送方向下流側には、加圧ローラ34と加熱ローラ36を含んで構成している定着器38が配設されている。定着器38では、搬送されてきたトナー像が転写された用紙30を加熱及び加圧し、トナーを融解固定する。すなわち、定着器38では所謂定着処理が施され、用紙30上に所定の画像が記録される。定着処理が施され、画像が記録された用紙30は排出トレイ40に排出される。
【0046】
図2には、光走査装置18の概略構成を示した。
【0047】
図2に示すように、光走査装置18は、半導体レーザ50と、側面に複数の反射面52Aが設けられた正多角形状に形成され、モータ51によって矢印D方向に高速で回転されるポリゴンミラー(回転多面鏡)52と、を備えている。
【0048】
半導体レーザ50は、図2に示すようにLDドライバ54によって制御される。LDドライバ54が入力された画像信号(Video信号)に基づいて半導体レーザ50を駆動することにより、半導体レーザ50からは、図2に示すように、所望の画像データに基づいて変調された光ビームLBが出射される。
【0049】
半導体レーザ50から出射された光ビームLBの進行方向下流側には、光ビームLBを発散光から略平行光に変換するコリメータレンズ56が配置されている。半導体レーザ50から出射された光ビームLBは、コリメータレンズ56を介して、ポリゴンミラー52の反射面52Aに到達するようになっている。
【0050】
ポリゴンミラー52に入射した光ビームLBは、当該ポリゴンミラー52の回転によって、各反射面52Aに対する光ビームの入射角度が連続的に変化して偏向される。これにより、光ビームLBが、同時に感光体ドラム16の表面を矢印E方向(主走査方向)に走査しながら照射される。
【0051】
ポリゴンミラー52の反射面52Aにより反射された光ビームLBの進行方向には、第1のレンズ58A及び第2のレンズ58Bで構成されたfθレンズ58が配置されている。このfθレンズ58によって、光ビームLBが感光体ドラム16を照射するときの主走査速度は等速度になる。
【0052】
また、ポリゴンミラー52により偏向された光ビームLBの走査面上での軌跡で、画像形成領域以外の軌跡上には、光ビームLBの位置を検出する同期タイミング検出センサとしてのSOSセンサ59が設けられている。
【0053】
LDドライバ54は、SOSセンサ59が光ビームLBを検出するタイミング、すなわちがSOSセンサ59上を光ビームが横切るタイミングに基づいて、感光体ドラム16に対する書き込み開始タイミングを決定する。
【0054】
また、感光体ドラム16の周面上であって感光体ドラム16上を走査する光ビームLBによる画像記録範囲内には、装置固有の固有パターンを感光体ドラム16に露光するための固有パターン露光装置60が設けられている。この固有パターン露光装置60は、光ビームLBによって走査露光される画像の未露光部に、装置固有の固有パターンの潜像を感光体ドラム16上に形成する。
【0055】
固有パターン露光装置60によって感光体ドラム16上に形成された固有パターンの潜像は、用紙30に記録される文書画像等と同様に、前述した画像形成プロセスによってトナー現像され、前記文書画像等が記録された画像情報が無い領域に転写されて記録される。
【0056】
固有パターン露光装置60はLDドライバ54によって制御され、光ビームLBの走査と同期して制御される。
【0057】
図3には、固有パターン露光装置60の構成を示した。図3に示すように、固有パターン露光装置60は、レーザ光源62、平行平面板64、投影レンズ66で構成されている。投影レンズ66の投影倍率βは、例えば∞(無限大)である。
【0058】
なお、レーザ光源62は本発明の干渉縞用光源に相当し、平行平面板64は本発明のビーム分割手段に相当し、投影レンズ66は本発明の投影光学系に相当する。
【0059】
レーザ光源62は、可干渉性に優れたレーザ光を発生する面発光レーザ(VCSEL:Vertical Cavity Surface EmittingLaser diode)で構成されている。
【0060】
図4(A)にはレーザ光源62の上面図を、図4(B)にはレーザ光源62の断面図をそれぞれ示した。
【0061】
図4(B)に示すように、レーザ光源62は、半導体基板70の水平面に対して垂直方向に共振器71が設けられ、該共振器71は、キャリアを閉じ込め光を発生させる活性層72と、半導体多層膜反射ミラーとしての下部DBR(Distributed Bragg Reflector:分布ブラッグ反射器)層73と、半導体多層膜反射ミラーとしての上部DBR層74と、活性層72で発光した光の位相を前記上部・下部の両DBR層の端部で整合させるスペーサ層75とからなる。
【0062】
共振器外の構成要素として、上部コンタクト層76、レーザの出射口の機能を併せ持つ上部電極77、層間絶縁膜78、下部電極79が設けられてなる。
【0063】
なお、図4中の符号80は、AlAs層であり、符号80Aで表される領域が酸化領域、符号80Bで表される領域が非酸化領域である。そして、上部電極77に開口部(発光点)81が設けられ、レーザ出射口となる。
【0064】
レーザ光源62の発光点からは一定の拡がり角を持つレーザビームLが射出される。レーザ光源62から射出されたレーザビームLは、その光軸LC上に設置された平行平面板64に入射する。
【0065】
平行平面板64は光学ガラスの両端を平面に研磨した反射面64A、64Bを有している。この反射面は一定の反射率を有しており、光学的な所謂エタロンを構成している。本実施形態では、平行平面板64として、石英ガラスの両面を研磨し反射ミラーとしたものを用いている。
【0066】
平行平面板64に入射したレーザビームLは平行平面板64内で多重反射を繰り返し、光路長の異なるレーザビーム(透過光)L0、L1、L2…、に分割されて投影レンズ66側へ出射される。
【0067】
平行平面板64を射出した複数のレーザビームL0、L1、L2…、は、レーザビームLの光軸上に設置された投影レンズ66に入射する。
【0068】
投影レンズ66は、平行平面板64によって分割されたレーザビームL0、L1、L2…、が感光体ドラム16の表面に形成された電荷輸送層16Aの下層に形成された電荷発生層(受光面)16B上に収束するように設置され、複数のレーザビームによる干渉が受光面にて発生する。
【0069】
なお、レーザ光源62は、投影レンズの物体側焦点位置近傍に配置されている。すなわち、レーザ光源62の発光点から平行平面板64の反射面64Aまでの距離Wdと、平行平面板64の厚さdを光学屈折率nで除した距離と、平行平面板64の反射面64Bと、投影レンズ66までの距離Leとの和が、投影レンズ66の焦点距離fと略一致する位置にレーザ光源62が配置されている。
【0070】
平行平面板64において発生する各レーザビームの光路長の差によって、受光面での干渉の光強度が決定される。すなわち、分割された各レーザビームの光路差が半波長の奇数倍の場合には、それらのレーザビーム(例えば図3において点線で示すレーザビーム)は打ち消しあって受光面での光強度が減少する。
【0071】
一方、分割された各レーザビームの光路差が半波長の偶数倍の場合には、それらのレーザビーム(例えば図3において実線で示すレーザビーム)は強調しあって受光面での光強度は増加する。これにより、受光面での光強度は、例えば図3に示すような光強度分布68となり、干渉縞の潜像が感光体ドラム16上に形成される。
【0072】
平行平面板64で発生する隣り合う複数のレーザビームの位相差δは、下記(1)式で表される。
【0073】
δ=4π/λ・n・d・cos(sin−1(sinθ/n)) …(1)
ここで、dは平行平面板64の厚さ、nは平行平面板64の光学屈折率、θはレーザ光源62から射出されたレーザビームが平行平面板64へ入射するときのビーム入射角、λはレーザビームの波長であり、レーザビームの光軸LCが平行平面板64の反射面64A及び64Bに垂直な場合、θはレーザビームのビーム拡がり角に等しくなる。
【0074】
上記(1)式より、位相差δは、d、n、λ が一定ならばビームの拡がり角θによって干渉の状態が変化し、受光面における干渉縞の光量が決定される。
【0075】
このときの受光面での干渉縞の光強度If(θ)は、平行平面板64で多重反射されたレーザビームの干渉の式を表す下記(2)式により表される。
【0076】
If(θ)=t・t’/(1+(r・r’)−2r・r’cosδ)・Ig(θ) …(2)
ここで、tは平行平面板64へ入射したレーザビームの反射面64Aでの透過率、rは平行平面板64へ入射したレーザビームの反射面64Aでの反射率であり、r=1−tの関係にある。また、t’は平行平面板64から射出されるレーザビームの反射面64Bでの透過率、r’は平行平面板64から射出するレーザビームの反射面64Bでの反射率であり、r’=1−t’の関係にある。また、Ig(θ)は入射光の強度分布であり、次式で表される。
【0077】
Ig(θ)=exp(−2(θ/w) …(3)
ここで、wは1/eの強度となるビーム発散角であり、eは自然対数である。
【0078】
If(θ)はθの関数であるから、ビームの拡がり角に従って干渉縞の強度が変動する。受光面の光の強度が高いところは、用紙30に記録されたときの濃度が高くなり、干渉縞の高濃度部を形成する。
【0079】
一方、干渉縞の受光面でのレーザビームの光軸LCからの高さhは、レーザ光源62が投影レンズ66の物体側焦点位置に配置されているため、次式で表される。
【0080】
h=f・sin(θ) …(4)
すなわち、レーザ光軸からの高さhは、投影レンズの焦点距離f、ビームの拡がり角θによって決定される。
【0081】
干渉縞はビームの拡がり角θに依存するため、図5に示すようにレーザビームの光軸LCを中心とした略円形の干渉縞69となるが、その半径rsは光軸LCからの高さhに等しい。なお、図5では説明の便宜上、投影レンズ66を省略すると共に干渉縞69を光軸方向から見た場合の平面図で示した。
【0082】
上記(2)式、(4)式はともにθの関数であることから、平行平面板64及び投影レンズ66の光学パラメータである平行平面板64の厚さd、平行平面板64の光学屈折率n、投影レンズ66の焦点距離fとレーザビームの波長λが一定であれば、レーザ光源62から射出するレーザビームの拡がり角θに依存して、干渉縞の位置と濃度が決定される。
【0083】
ここで、光学パラメータである平行平面板64の厚さd、平行平面板64の光学屈折率n、投影レンズ66の焦点距離f、レーザビームの波長λは、画像形成装置10の設計時に一定の値に設計されるが、製造時には製作誤差等により、複数個製造した同一装置の上記光学パラメータが全く同一の値の組み合わせとなることは極めてまれとなる。
【0084】
図6には、レーザビームの波長λが0.785μm(785nm)、平行平面板64の厚さdが1000μm(1mm)、平行平面板64の屈折率nが1.51、投影レンズ66の焦点距離fが10000μm(10mm)の場合の干渉縞半径rs(θ)と干渉縞の光強度If(θ)との関係を示した。
【0085】
また、平行平面板64の厚さdが異なる以外は図6と同じ条件で、平行平面板64の厚さdを1010μm、1050μm、1200μmとした場合における干渉縞半径rs(θ)と干渉縞の光強度If(θ)との関係を図7〜9にそれぞれ示した。
【0086】
図6に示すように、平行平面板64の厚さdが1000μmの場合、干渉縞半径が130μm付近の所で最初の光量のピークがあると共に、半径1mm(1000μm)以内の領域に光量のピークが9カ所存在するのに対し、図7に示すように平行平面板64の厚さdが1010μmの場合では、干渉縞半径が370μm付近の所に最初の光量のピークがあると共に、半径1mm以内の領域に光量のピークが8カ所存在する。
【0087】
また、図8に示すように、平行平面板64の厚さdが1050μmの場合では、干渉縞半径が240μm付近の所に最初の光量のピークがあると共に、半径1mm以内の領域に光量のピークが9カ所存在する。
【0088】
また、図9に示すように、平行平面板64の厚さdが1200μmの場合では、干渉縞半径が240μm付近の所に最初の光量のピークがあると共に、半径1mm以内の領域に光量のピークが10カ所存在する。
【0089】
このように、平行平面板64の厚さdが異なることにより、干渉縞のパターンが各々異なることが判る。
【0090】
また、レーザ光源62の製造時における製造プロセス条件は一般に変動するため、レーザ光源が異なるとその発振波長も異なる。AlGaAs系レーザの代表的なレーザ波長は785nmであるが、レーザ波長の決定要因であるレーザ発振部量子井戸構造のAlの組成比や膜厚の変動は、製造条件中の結晶成長のためのガス圧やガスの流速、成長時間や成長温度等のパラメータ変化によって各レーザ毎に若干変化し、発振波長にして10nm程度の変化は容易に発生する。
【0091】
図10、11には、レーザの波長λが異なる以外は図6と同じ条件で、レーザの波長λが0.790μm、0.800μmとした場合における干渉縞半径rs(θ)と干渉縞の光強度If(θ)との関係をそれぞれ示した。
【0092】
図6に示すように、レーザの波長λが0.785μmの場合、干渉縞半径が130μm付近の所で最初の光量のピークがあると共に、半径1mm以内の領域に光量のピークが9カ所存在するのに対し、図10に示すようにレーザの波長λが0.790μmの場合では、干渉縞半径が310μm付近の所に最初の光量のピークがあると共に、半径1mm以内の領域に光量のピークが8カ所存在する。
【0093】
また、図11に示すように、レーザの波長λが0.800μmの場合では、干渉縞半径が0μm付近の所に最初の光量のピークがあると共に、半径1mm以内の領域に光量のピークが9カ所存在する。
【0094】
このように、レーザの波長λが異なることにより、干渉縞のパターンが各々異なることが判る。
【0095】
また、装置の光学系ユニットの組み立て時において使用する平行平面板64の屈折率nが変化すると異なったパターンの干渉縞が得られる。
【0096】
図12、13には、平行平面板64の屈折率nが異なる以外は図6と同じ条件で、平行平面板64の屈折率nが1.505、1.500とした場合における干渉縞半径rs(θ)と干渉縞の光強度If(θ)との関係をそれぞれ示した。
【0097】
図6に示すように、平行平面板64の屈折率nが1.51の場合、干渉縞半径が130μm付近の所で最初の光量のピークがあると共に、半径1mm以内の領域に光量のピークが9カ所存在するのに対し、図12に示すように平行平面板64の屈折率nが1.505の場合では、干渉縞半径が220μm付近の所に最初の光量のピークがあると共に、半径1mm以内の領域に光量のピークが9カ所存在する。
【0098】
また、図13に示すように、平行平面板64の屈折率nが1.500の場合では、干渉縞半径が280μm付近の所に最初の光量のピークがあると共に、半径1mm以内の領域に光量のピークが8カ所存在する。
【0099】
このように、平行平面板64の屈折率nが異なることにより、干渉縞のパターンが各々異なることが判る。
【0100】
また、投影レンズ66の焦点距離fが変動しても発生する干渉縞のパターンは変化する。
【0101】
図14、15には、投影レンズ66の焦点距離fが異なる以外は図6と同じ条件で、投影レンズ66の焦点距離fが10500μm、11000μmとした場合における干渉縞半径rs(θ)と干渉縞の光強度If(θ)との関係をそれぞれ示した。
【0102】
図6に示すように、投影レンズ66の焦点距離fが10000μmの場合、干渉縞半径が130μm付近の所で最初の光量のピークがあると共に、半径1mm以内の領域に光量のピークが9カ所存在するのに対し、図14に示すように投影レンズ66の焦点距離fが10500μmの場合では、干渉縞半径が130μm付近の所に最初の光量のピークがあると共に、半径1mm以内の領域に光量のピークが8カ所存在する。
【0103】
また、図15に示すように、投影レンズ66の焦点距離fが11000μmの場合では、干渉縞半径が140μm付近の所に最初の光量のピークがあると共に、半径1mm以内の領域に光量のピークが7カ所存在する。
【0104】
このように、投影レンズ66の焦点距離fが異なることにより、干渉縞のパターンが各々異なることが判る。
【0105】
以上のように、固有パターン露光装置60によって感光体ドラム16に露光される固有パターンとしての干渉縞は、製造時における組み立て時のばらつきや部品のばらつき等により、固有パターン露光装置60毎、すなわち、画像形成装置10毎に異なる確率が非常に高い。
【0106】
従って、各々の画像形成装置により記録される固有パターンをその画像形成装置と関連付けて予めデータバンク等に登録しておき、文書画像等と同時に印刷された固有パターンを予め記録した固有パターンと比較することにより、文書を作成した画像形成装置を特定することが可能になると共に、文書の偽造を検出することが可能となる。
【0107】
ところで、感光体ドラム16は偏芯している場合があり、感光体ドラム16の回転に伴い投影レンズ66との距離が変動する場合がある。一般に、投影光学系では、投影レンズと投影面との距離が変化すると結像関係が変わり、投影光学系の投影倍率が変化して像の大きさが変わってしまう。
【0108】
固有パターン露光装置60によって感光体ドラム16に露光される固有パターンは、その画像形成装置10では変動しないことが求められるため、上記の距離が変動しても投影倍率が変わらないことが必要となる。
【0109】
ここで、本実施形態では、レーザ光源62を投影レンズ66の物体側焦点位置近傍に配置している。このため、平行平面板64での0次の透過光L0は投影レンズ66を透過後、光軸LCと平行となり、感光体ドラム16の受光面に対して略垂直に入射する。従って、感光体ドラム16の受光面の位置が光軸LC方向に変動したとしても、0次の透過光L0の受光面内における位置は変動しない。レーザ光源62と投影レンズ66との間に設置された平行平面板64により、レーザビームLは平行光束に分割されるが、0次の透過光L0は最も光量が大きいため、受光面が光軸LC方向に変動した場合でも干渉縞の位置は変動せず、同一の干渉縞パターンが得られる。
【0110】
このように、レーザ光源62が投影レンズ66の物体側焦点位置近傍に配置されていることにより、感光体ドラム16の受光面が光軸LC方向に変動した場合でも、同一の干渉縞のパターンを記録することができる。
【0111】
また、上記(2)式で示されるとおり、レーザ光源62のレーザ波長によって干渉縞は変化するため、レーザ光源62のレーザ波長は変化しないことが望ましい。通常、コンパクトディスクプレーヤー等に用いられる端面発光ファブリペロー型の半導体レーザでは、発振波長は下記(5)式で決定され、発振波長の縦モード間隔は下記(6)式で表される。
【0112】
m/2・λ/neff=L …(5)
Δλ=λ^2/(2・neff・L) …(6)
ここで、λはレーザ光源62の発振波長、neffは光導波路の実効屈折率、Lは光共振器長、Δλは縦モード間隔、mは任意の整数である。
【0113】
発振波長帯が780nmのAlGaAs半導体レーザでは、通常Lは300μm位であるため、Δλは0.3nmとなる。
【0114】
光共振器中の屈折率neffは温度変化に対して変動するため、共振器の光路長が変化し、共振モードの波長の遷移、及び同一モード中での波長の変化が発生する。
【0115】
図16には、発振波長帯が800nmのAlGaAs半導体レーザにおける温度と発振波長との関係を示した。図16に示すように、温度が変化すると発振波長が大きく変化するのが判り、およそ+0.25nm/Kの変化となる。
【0116】
一方、本実施形態では、レーザ光源62として面発光型レーザを採用している。面発光型レーザにおいては、端面発光型レーザと比べて異なった挙動を示す。面発光型レーザでは、図4(B)に示したように、活性層72の上下をDBR、すなわち、分布ブラッグ反射器で挟み込んだ構造となっている。発振波長はDBRの周期構造によって決定される縦モードによって一義的に決定され、端面発光型レーザにみられるようなモードの飛びは発生しない。
【0117】
図17には、このような面発光型レーザにおける温度と発振波長との関係を示した。図17に示すように、温度に対する発振波長の変化は、およそ+0.04nm/Kであり、端面発光型レーザよりもかなり小さいことが判る。
【0118】
従って、固有パターン露光装置60のレーザ光源として分布ブラッグ反射型の共振器を備えた面発光型レーザを用いることにより、干渉縞の間隔変化を抑制することができる。
【0119】
なお、面発光型レーザの発振波長は、DBR構造であり膜厚等によってはぼ支配的に決定されるが、レーザの製造時には製造パラメータの変動により膜厚は変化する。図18に示すように、全体の膜厚がわずか1%変化しただけても、波長にして約6nmの変化が発生する。しかし、レーザ使用時には膜厚の変化は発生しないため、個々のレーザ波長は変化せず、かつレーザ間の波長差は存在するため、固有パターン露光装置60毎に発生する干渉縞のパターンは異なる。
【0120】
また、本実施形態では、平行平面板64として、石英ガラスの両面を研磨し反射ミラーとした平行平面板を用いている。干渉縞の光強度と位置は上記(2)、(4)式により与えられるが、反射面の間隔dが変動すると干渉縞の位置は変動する。対策として1枚の平行平面板を用いることにより、反射面の間隔dが変動するのを押さえることができる。また、ガラスの材質を熱膨張しにくい材質である石英ガラスを用いることにより反射面の間隔dの変動をより押さえることができる。なお、本実施形態では平行平面板64として石英ガラスを用いたが、これに限らず、熱膨張しにくく変形しにくい材質であれば他の材質の平行平面板を用いてもよい。
【0121】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態では、固有パターン露光装置の他の形態について説明する。なお、第1実施形態と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0122】
図19には、本実施形態に係る固有パターン露光装置90を示した。図19に示すように、固有パターン露光装置90は複数のレーザ光源62を備えたレーザアレイ92を備え、各々のレーザ光源62に対応して投影レンズ66が設けられている。
【0123】
レーザアレイ92は、例えば2×3個のレーザ光源62が設けられており、図20に示すように、合計6個の干渉縞69の潜像が感光体ドラム16に露光される。なお、図20では説明の便宜上、投影レンズ66を省略すると共に干渉縞69を平面的に示した。
【0124】
2×3個のレーザ光源62から射出されたレーザビームは、平行平面板64を透過後、各々のレーザ光源62に対応した投影レンズ66に各々入射する。レーザアレイ92のレーザ光射出面は、投影レンズ66の物体側焦点位置に設けられ、投影レンズ66の像側焦点位置に感光体ドラム16の受光面が配置される。
【0125】
レーザアレイ92から射出したレーザビームの各々は平行平面板64の両反射面にて多重反射を繰り返し、レーザビームを複数のコリメート光に分割する。このコリメート光の組は、レーザビームの発散角毎に存在する。一組のコリメート光は投影レンズ66によって、像側焦点位置に置かれた受光面に集光する。
【0126】
このとき、レーザアレイ92からの発散角θに従って干渉の状態が変化し、受光面上での強度が決定されて、干渉縞が発生する。この干渉縞の発生の仕組みは上記第1実施形態と同様であるが、本実施形態では、レーザ光源62及び投影レンズ66の組を複数組もうけ、複数の干渉縞パターンが同時に受光面に露光されるようにしている。
【0127】
また、固有パターンの干渉縞の位置は上記(2)、(4)式で与えられるが、投影レンズの焦点距離f、または発光点と投影レンズとの間隔が変化すると、縞の間隔が変わる。従って、投影レンズ66を個々のレーザ光源62に対して設けることにより、焦点距離f及び発光点と投影レンズとの間隔が製造ばらつきによって個別に与えられる。
【0128】
このため、レーザ光源62や投影レンズ66の製造時のパラメータ変動や製作誤差により、複数の干渉縞はほぼ全てが異なったパターンとなり、装置固有の固有パターンの多様性が飛躍的に増加する。これにより、同一の製造工程を用いて固有パターン露光装置を製作しても、同一の固有パターンを発生する装置が製造される確率は極めて低くなる。従って、文書を作成した画像形成装置をより確実に特定することが可能になると共に、文書の偽造をより正確に検出することが可能となる。
【0129】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。なお、上記実施形態と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0130】
干渉縞による固有パターンを用いることにより、文書を印刷した画像形成装置を特定するためには、予めデータバンク等に登録された固有パターンと文書上に印刷された固有パターンとを照合して、使用された画像形成装置のシリアル番号(識別符号)等を割り出す必要があるが、そのためには固有パターン露光装置の数だけの固有パターンと照合する作業が必要となり、大変煩雑となる。
【0131】
このため、本実施形態では、複数のレーザ光源62を備えたレーザアレイを用いて、その一部のレーザ光源を装置のシリアル番号を表示するための表示用光源(識別用光源)とし、その他のレーザ光源を干渉縞を発生させるための干渉縞用光源とした。
【0132】
以下では、説明の簡単のため、3×3のレーザ光源62を備えたレーザアレイを用いた場合について説明する。
【0133】
3×3のレーザ光源62のうち、図21に示すように、2×3個のレーザ光源62Aを画像形成装置のシリアル番号を表示するための表示用光源とし、1×3個のレーザ光源62Bを干渉縞を発生させるための干渉縞用光源とし、固有パターンを発生させる構成とする。
【0134】
この場合、図21に示すように、表示用光源としてのレーザ光源62Aと投影レンズ66A(識別用投影光学系)との間には平行平面板64を設けず、レーザ光源62Aから射出されたレーザビームは投影レンズ66によって感光体ドラム16上に投影される。このレーザ光源62Aの点灯を装置のシリアル番号に応じて適宜オンオフさせることにより、装置のシリアル番号に対応したパターンを記録することが可能になると共に、レーザ光源62Bによる干渉縞パターンによって装置固有のパターンを記録することができる。
【0135】
図21の場合、上段及び中段の2×3のレーザ光源62Aの点灯パターンによってシリアル番号が表示されるため、2個のシリアル番号に対応したパターンを表示可能である。すなわち、レーザ光源62Aの数をnとした場合、2個のシリアル番号に対応したパターンを記録することができる。
【0136】
このように、シリアル番号に対応したパターンを用紙30に記録することができるため、文書を印刷した画像形成装置のシリアル番号を容易に知ることができ、固有パターンの照合を迅速に行うことが可能となる。
【0137】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について説明する。なお、上記実施形態と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0138】
第3実施形態では、干渉縞による固有パターンの発生とシリアル番号に対応したパターンの発生のためのレーザ光源及び投影レンズを別個に設けたが、この場合、シリアル番号の増加に従って必要とするレーザ光源及び投影レンズの数が多くなる。
【0139】
そこで、本実施形態では、複数のレーザ光源62によって複数の干渉縞を発生させると共に、複数のレーザ光源62の点灯を画像形成装置のシリアル番号に応じてオン又はオフさせることにより、シリアル番号に応じたパターンを記録する。すなわち、干渉縞用光源をシリアル番号表示用の表示用光源と兼用する。
【0140】
図22には、説明の簡単のため、2×3個のレーザ光源62を備えた場合について示した。なお、図22では投影レンズ66は省略している。
【0141】
図22に示すように、レーザ光源62を画像形成装置のシリアル番号に応じて選択的に点灯することにより、シリアル番号に応じたパターンが記録されると共に、装置固有の干渉縞パターンが記録される。すなわち、干渉縞パターンが、装置に予め付与されたシリアル番号に対応した配置で感光体ドラム16上に形成される。
【0142】
なお、6個のレーザ光源62のうち少なくとも1個は点灯している必要があるので、表現可能なシリアル番号の個数は、2−1個となる。同様に、図23に示すように3×3個のレーザ光源62を用いた場合には、表現可能なシリアル番号の個数は、2−1個となる。すなわち、レーザ光源62の個数をnとした場合、2−1個のシリアル番号を表現可能である。
【0143】
この様に、干渉縞用光源をシリアル番号表示用の表示用光源と兼用することにより、レーザ光源及び投影レンズの個数を削減することができ、装置を簡単且つ安価に構成することが可能となる。
【0144】
【発明の効果】
本発明によれば、偽造が困難なプリンタ固有のパターンを記録媒体に記録することができる、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像形成装置の概略構成図である。
【図2】光走査装置の概略構成図である。
【図3】固有パターン露光装置の構成を示す図である。
【図4】(A)は半導体レーザの上面図、(B)は半導体レーザの断面図である。
【図5】干渉縞について説明するための図である。
【図6】干渉縞の半径と干渉縞の光強度との関係を示す線図である。
【図7】干渉縞の半径と干渉縞の光強度との関係を示す線図である。
【図8】干渉縞の半径と干渉縞の光強度との関係を示す線図である。
【図9】干渉縞の半径と干渉縞の光強度との関係を示す線図である。
【図10】干渉縞の半径と干渉縞の光強度との関係を示す線図である。
【図11】干渉縞の半径と干渉縞の光強度との関係を示す線図である。
【図12】干渉縞の半径と干渉縞の光強度との関係を示す線図である。
【図13】干渉縞の半径と干渉縞の光強度との関係を示す線図である。
【図14】干渉縞の半径と干渉縞の光強度との関係を示す線図である。
【図15】干渉縞の半径と干渉縞の光強度との関係を示す線図である。
【図16】端面発光型レーザの温度と波長との関係を示す線図である。
【図17】面発光型レーザの温度と波長との関係を示す線図である。
【図18】面発光型レーザのDBRの膜厚と波長との関係を示す線図である。
【図19】第2実施形態に係る固有パターン露光装置の構成を示す図である。
【図20】第2実施形態に係る固有パターン露光装置によって発生する干渉縞パターンについて説明するための図である。
【図21】第3実施形態に係る固有パターン露光装置によって発生する干渉縞パターンについて説明するための図である。
【図22】第4実施形態に係る固有パターン露光装置によって発生する干渉縞パターンについて説明するため図である。
【図23】第4実施形態に係る固有パターン露光装置によって発生する干渉縞パターンについて説明するため図である。
【図24】(A)は従来における印刷内容と対応したバーコードが印刷された預かり証の平面図、(B)はバーコードを示す図である。
【図25】(A)は従来における印刷内容と対応した2次元バーコードが印刷された証券の平面図、(B)は2次元バーコードを示す図である。
【符号の説明】
10 画像形成装置
14 画像形成部
16 感光体ドラム
18 光走査装置
60、90 固有パターン露光装置
62 レーザ光源
64 平行平面板
66 投影レンズ

Claims (8)

  1. 画像に応じた光を露光面上に露光することにより画像を形成する画像形成装置において、
    干渉縞パターン用の光ビームを射出する干渉縞用光源と、
    前記光源から射出された光ビームを2以上の光ビームに分割させるビーム分割手段と、
    分割された光ビームを前記露光面上に投影させることにより干渉縞パターンを前記露光面上に露光する投影光学系と、
    を備えた画像形成装置。
  2. 前記干渉縞用光源を複数備え、前記露光面上に複数の干渉縞パターンを露光することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記干渉縞用光源毎に前記投影光学系を備えたことを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
  4. 前記干渉縞用光源を前記投影光学系の物体側焦点位置近傍に配置したことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の画像形成装置。
  5. 装置に予め付与された識別符号用の光ビームを射出する識別用光源と、前記識別符号用の光ビームを前記露光面上に投影させるための識別用投影光学系と、をさらに備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の画像形成装置。
  6. 前記干渉縞パターンが、装置に予め付与された識別符号に対応した配置で前記露光面上に形成されることを特徴とする請求項2乃至請求項4の何れか1項に記載の画像形成装置。
  7. 前記干渉縞用光源が、分布ブラッグ反射型の共振器を備えた面発光レーザであることを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の画像形成装置。
  8. 前記ビーム分割手段が、平行平面板であることを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載の画像形成装置。
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