JP2004283765A - シート状物の乾燥方法 - Google Patents

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Kazuo Sugiyama
和男 杉山
Toshiyuki Idegami
敏之 井手上
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Abstract

【課題】塗布液が塗布されたシート状物を、所定の乾燥温度に調整したエアーが供給されている箱体内に搬送しその箱体内を通過させることによりシート状物を乾燥させるシート状物の乾燥方法に関し、塗布液が塗布されたシート状物が搬入され始めた当初に生じる、塗布液の不十分な乾燥を防止する。
【解決手段】塗布液が塗布されたシート状物が箱体11内に搬入されるよりも前に、箱体11内に、その乾燥温度よりも高い所定の予熱温度に調整したエアーを供給する予熱工程51と、塗布液が塗布されたシート状物が箱体11内に搬入された後に、箱体11内に、その乾燥温度に調整したエアーを供給する乾燥工程52とを有する。
【選択図】 図6

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、塗布液が塗布されたシート状物を、所定の乾燥温度に調整したエアーが供給されている箱体内に搬送しその箱体内を通過させることによりシート状物を乾燥させるシート状物の乾燥方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
写真フィルムの支持体や磁気記録テープの支持体等に利用されるシート状物の多くは、長尺の帯状に形成された状態で下塗剤や乳剤等の塗布液を両面に塗布し、塗布した塗布液を乾燥させた後、所定の大きさに切断することにより得られる。塗布液の塗布と乾燥は、一つのラインで行われ、ラインの上流端に、長尺のシート状物をロール状に巻回した状態でセットし、シート状物の搬送を連続的に行うことにより行われる。このようなラインでは、上流側の塗布工程の塗布条件が整うまでは、下流側の乾燥工程には塗布液が塗布されていないシート状物が搬入され続け、塗布条件が整い塗布工程の実施が開始されると、両面に塗布液が塗布されたシート状物が乾燥工程に搬送され始める。乾燥工程では、搬送されてきたシート状物を、所定の乾燥温度に内部を加熱した箱体内に搬入し、その箱体内を通過させることで、塗布液を乾燥させる。そのため、この乾燥工程では、箱体内を乾燥温度に常に保っておくことが必要であり、塗布液が塗布されたシート状物が搬入される前に、箱体の内部を、所定の乾燥温度まで予め加熱しておき、塗布液が塗布されたシート状物が搬入され始めた後は、その箱体の内部を、所定の乾燥温度に保持することが行われる。このような乾燥工程において、従来では、箱体内の湿度を管理することが行われている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−152274号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、箱体内に、塗布液が塗布されたシート状物を搬入し始めた当初は、塗布液が蒸発する際の気化熱による箱体内の温度低下が激しく、箱体内を乾燥温度に保とうとしても、箱体内の温度は乾燥温度よりも一旦低くなってしまう。乾燥温度よりも低くなった箱体内の温度は、その後、乾燥温度まで復帰するが、乾燥温度を下回っている間に箱体内を通過したシート状物は、乾燥が十分に行われず、製品不良になるばかりか未乾燥の塗布液が下流工程の設備を汚してしまうという問題も引き起こす。しかも、今日では、生産効率を向上するため、シート状物の搬送速度は速くなってきており、シート状物の搬送速度が速くなればなるほど、乾燥温度を下回っている間に箱体内を通過するシート状物の長さは長くなり、製品歩留まりが低下する。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑み、塗布液が塗布されたシート状物が搬入され始めた当初に生じる、塗布液の不十分な乾燥を防止することができるシート状物の乾燥方法を提供することを目的とする。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記目的を達成する本発明のシート状物の乾燥方法は、塗布液が塗布されたシート状物を、所定の乾燥温度に調整したエアーが供給されている箱体内に搬送しその箱体内を通過させることによりシート状物を乾燥させるシート状物の乾燥方法において、
塗布液が塗布されたシート状物が上記箱体内に搬入されるよりも前に、その箱体内に、上記乾燥温度よりも高い所定の予熱温度に調整したエアーを供給する予熱工程と、
塗布液が塗布されたシート状物が上記箱体内に搬入された後に、その箱体内に、上記乾燥温度に調整したエアーを供給する乾燥工程とを有することを特徴とする。
【0007】
本発明のシート状物の乾燥方法によれば、上記予熱工程において、上記箱体内を上記乾燥温度よりも高い所定の予熱温度に予め加熱しておくので、上記予熱温度を、塗布液が塗布されたシート状物が搬入され始めた当初における箱体内の温度低下を見越した温度にしておくことで、塗布液が塗布されたシート状物が搬入され始めた当初に生じる、塗布液の不十分な乾燥を防止することができる。
【0008】
また、本発明のシート状物の乾燥方法において、上記乾燥工程を、上記箱体内のエアーの温度が所定温度にまで低下したことを受けて実施する態様が好ましい。
【0009】
この態様によれば、箱体内のエアーの温度を指標として、上記予熱工程から上記乾燥工程への切換タインミングが決定されるため、箱体内の温度変化に即した箱体内の温度コントロールを行うことができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。ここでは、本発明の一実施形態であるシート状物の乾燥方法を説明する前に、まず、その乾燥方法が実施される乾燥装置について説明する。
【0011】
図1は、本発明の一実施形態であるシート状物の乾燥方法が実施される乾燥装置における空気の流れを示す図である。
【0012】
図1に示す乾燥装置1には、図1では図示省略したが写真フィルムの支持体となる長尺のシート状物が搬送されてくる。この乾燥装置1よりも上流側には、シート状物の両面に塗布液を塗布する塗布装置が配備されており、この塗布装置による塗布が開始されると、乾燥装置1には、両面に下塗剤が塗布されたシート状物が搬送されてくる。
【0013】
図1に示す乾燥装置1は、箱体11を備えており、その箱体11内には、互いに対向して配置された上ヘッダ12と下ヘッダ13の組が、搬送方向に11組並べられている。いずれの上ヘッダ12からも、上方から下方に向かう空気が吹出され、いずれの下ヘッダ13からも、下方から上方に向かう空気が吹出される。ここで、図2も参照して、図1に示す乾燥装置1におけるシート状物の搬送について説明する。
【0014】
図2は、図1に示す乾燥装置に備えられた上ヘッダと下ヘッダとの間を拡大して示した図である。
【0015】
図1および図2では、図の左から右に向かってシート状物9が通過する。上ヘッダ12と下ヘッダ13との互いに対向する対向面には、シート状物の幅方向に延在する突条部121,131が、シート状物の通過方向に所定ピッチで複数個並べられている。上ヘッダ12の突条部121と、下ヘッダ13の突条部131とは互い違いに設けられている。各ヘッダ12,13から吹き出される空気は、それぞれの突条部121,131から吹き出され、隣接する突条部の間からは吹き出されない。図2中の矢印は、突条部121,131から吹き出され空気を表している。シート状物9は、上ヘッダ12と下ヘッダ13との間Sに搬入され、上ヘッダ12からの空気と下ヘッダ13からの空気とによってその間Sを浮上した状態で通過する。上ヘッダ12と下ヘッダ13との間Sを通過するシート状物9の軌跡は、サインカーブの軌跡になる。
【0016】
図1に示す箱体内に配備された11組の上ヘッダ12と下ヘッダ13の組のうち、シート状物の搬送方向の最も上流側に配備された組(図1中の最も左側に記された上ヘッダ12と下ヘッダ13との組)を第1組と称し、搬送方向に従って順次、第2組、・・・第6組・・・第10組,第11組と称することにする。第1組から第10組までの上ヘッダ12および下ヘッダ13からは温風が吹き出され、シート状物の両面に塗布された塗布液は、これらのヘッダ12,13からの温風によって乾燥される。また、シート状物の搬送方向の最も下流側に配備された第11組の上ヘッダ12および下ヘッダ13からは冷風が吹き出され、第1組から第10組までの上ヘッダ12と下ヘッダ13との間Sを通過することによって加熱されたシート状物9は、これらのヘッダ11,12からの冷風によって常温近くまで冷却される。以下、箱体内の、第1組から第10組までの上ヘッダ12および下ヘッダ13の組が配備されたゾーンを加熱ゾーンと称し、第11組の上ヘッダ12および下ヘッダ13の組が配備されたゾーンを冷却ゾーンと称することにする。加熱ゾーンは高温であり、冷却ゾーンは低温である。加熱されたシート状物からは昇華物が周囲の雰囲気中に放出され、放出された昇華物は温度が低下することにより析出する。析出した昇華物がシート状物に付着すると、製品不良になってしまう。このため、箱体内には、加熱ゾーンと冷却ゾーンとの境を、シート状物の搬送経路を塞がないように仕切る仕切部材111が設けられている。
【0017】
また、図1に示す乾燥装置1では、第6組前後の組を省略したが、いずれの、上ヘッダ12と下ヘッダ13との組にも、温度調整部14が1つずつ設けられている。温度調整部14は、コントロールバルブ141、ファン142、測温抵抗体143、上ヘッダ供給路144、下ヘッダ供給路145、および制御部146を有する。また、加熱ゾーンの温度調整部14にはサークルヒータ147が配備されており、冷却ゾーンの温度調整部14にはサークルクーラ148が配備されている。
【0018】
この乾燥装置1における空気の流れには、大きく分けて、箱体外の空気(以下、新鮮風と称する)を箱体内に吸気し箱体内の空気を箱体外に排気する流れと、箱体内の空気が循環する流れとの2つがある。図1では、空気の流れを実線で表しており、まず、前者の流れについて説明する。
【0019】
図1に示す乾燥装置1は、所定量の新鮮風を所定温度にまで加熱して箱体内部に送り込むための新鮮風加熱システム15を備えている。この新鮮風加熱システム15は、ファン151、ヒータ152、コントロールバルブ153、測温抵抗体154、風量計155、2つのダンパ156,157、および制御部158を有する。ファン151は箱体外部から新鮮風を取り込み、その取り込んだ新鮮風を箱体内部に送り込むものであって、このファン151の回転数によって箱体内部への新鮮風の給気量が定まる。ファン151によって箱体外部から取り込まれた新鮮風は、ヒータ152→測温抵抗体154→風量計155を経由して分流される。分流された一方の新鮮風は、2つのダンパのうちの一方のダンパ156を経由して、加熱ゾーンの最上流に設けられた温度調整部14のファン142に送られ、もう一方の新鮮風は、他方のダンパ157を経由して、加熱ゾーンの最下流に設けられた温度調整部14のファン142に送られる。これらのファン142に送られた新鮮風は、これらファン142の温度調整部14が設けられた上ヘッダ12および下ヘッダ13から箱体内に吹き出される。
【0020】
ヒータ152には蒸気が供給され、この蒸気の熱によって新鮮風は加熱される。この図1では蒸気の流れを1点鎖線で表している。ヒータ152は、供給される蒸気の流量が多くなればなるほど、送り込まれた新鮮風を高い温度にまで加熱する。ヒータ152に送り込まれる蒸気の経路には、コントロールバルブ153が配備されており、そのコントロールバルブ153の開度は、制御部158によって制御される。ヒータ152よりも空気の流れの下流に配備された測温抵抗体154は、ヒータ152によって加熱された新鮮風の温度を測定し、その測定結果を制御部158に送る。図1では、信号の流れを点線で表している。制御部158は、送られてきた測定結果に基づいて、コントロールバルブ153の開度を制御する。すなわち、新鮮風を所定温度まで加熱するにあたり、制御部158は、測定された新鮮風の温度が所定温度よりも低ければ、コントロールバルブ153の開度を大きくすることで蒸気の流量を増やし、測定された新鮮風の温度が所定温度よりも高ければ、コントロールバルブ153の開度を小さくすることで蒸気の流量を減らす。その結果、新鮮風は、ヒータ152によって所定温度にまで加熱される。また、ファン151よりも空気の流れの下流に配備された風量計155は、箱体内部に送り込まれる新鮮風の風量を測定し、測定した風量を制御部158に送る。制御部158は、測定された風量に基づいてファン151の回転速度を制御し、新鮮風の吸気量を調整する。風量計155よりも空気の流れの下流に設けられた2つのダンパ156,157はいずれも、オペレータが、シート状物の品種等に基づいて手動操作によって調整する。
【0021】
また、図1に示す乾燥装置1は、所定量の新鮮風を所定温度にまで冷却して箱体内部に送り込むための新鮮風冷却システム16を備えている。この新鮮風冷却システム16は、新鮮風加熱システム15のヒータ152をクーラ162に代えた他は、新鮮風加熱システム15と同じ構成を有する。ファン161によって箱体外部から吸気された新鮮風は、クーラ162→測温抵抗体164→風量計165→ダンパ166を経由して、冷却ゾーンに設けられた温度調整部14のファン142に送られる。クーラ162には冷水が供給され、新鮮風は冷却される。この図1では冷水の流れを2点鎖線で表している。また、制御部は167、測温抵抗体164の測定結果に基づいてコントロールバルブ163の開度を制御し、風量計165の測定結果に基づいてファン161の回転速度を制御する。
【0022】
さらに、図1に示す乾燥装置1は、箱体内部の空気を所定排気量で排気するための2つの内部空気排気システム17を備えている。これら2つの内部空気排気システム17のうち、一方の内部空気排気システム17は加熱ゾーンの空気を排気するものであり、もう一方の内部空気排気システム17は、冷却ゾーンの空気を排気するものである。これらいずれのシステム17も、ファン171、風量計172、ダンパ173、および制御部174を有する。ファン171は、箱体内部の空気を取り込んで、取り込んだ空気を箱体外部に排気するものであって、このファンの回転数によって箱体内部の空気の排気量が定まる。箱体11には、加熱ゾーンの搬送方向略中央に排気口112が設けられており、加熱ゾーンの空気は、その排気口112から、ダンパ173→風量計172→ファン171を経由して箱体外部に排気される。また、冷却ゾーンの空気も、別個に設けられた排気口から同じようにして排気される。
【0023】
ファン171よりも空気の流れの上流に配備された風量計172は、箱体内部から取り込んだ空気の風量を測定し、測定結果を制御部174に送る。制御部174は、測定された風量に基づいてファン171の回転速度を制御し、新鮮風の排気量を調整する。なお、昇華物により風量計172が目詰まりする恐れがある場合には、風量計172に代えて測温抵抗体を配備してもよい。測温抵抗体を配備した場合には、制御部174は、気体の状態方程式に基づき、箱体内部から取り込んだ空気の温度が上がればファン171の回転数を上げ、取り込んだ空気の温度が下がればファン171の回転数を下げる。風量計172よりも空気の流れの上流に設けられたダンパ173は、シート状物の品種等に基づいて、オペレータが手動操作によって調整する。
【0024】
続いて、箱体内の空気が循環する流れについて説明する。
【0025】
箱体内の空気が循環する流れは、温度調整部14によって制御されている。ここでは、加熱ゾーンに設けられた温度調整部14を例にあげて、図1とともに図3も用いて説明する。
【0026】
図3は、図1に示す乾燥装置の加熱ゾーンを、シート状物の搬送方向から模式的に示す図である。
【0027】
この図3では、紙面に対して垂直な方向、すなわち、紙面の手前から奥に向かってシート状物9が搬送されている。図3に示す温度調整部14は、箱体内の、上ヘッダ12から吹き出された空気および下ヘッダ13から吹き出された空気を取り込んで加熱し、上ヘッダ12および下ヘッダ13に送り込む。
【0028】
温度調整部14に備えられた図1に示すファン142は、図3に示す、インペラ1421と、そのインペラ1421を回転させるモータ1422とを有する。また、この温度調整部14は、ケーシング149も有する。このケーシング149は、図3に示す如く、箱体11に取り付けられることで、箱体11と一体になっている。ケーシング149には、ヒータ室1491とインペラ室1492とが用意されている。このヒータ室1491にはサークルヒータ147が配備されており、インペラ室1492にはインペラ1421と測温抵抗体143が配備されている。このケーシング149は、周囲を壁で囲まれた筐体であるが、この図3では、サークルヒータ147、インペラ1421、および測温抵抗体143が見えるように、ケーシング149の、シート状物の搬送方向上流側の側壁を取り除いて、これらのサークルヒータ147等を図示している。モータ1422は、ケーシング149の外に配置されている。
【0029】
ここで、図1および図3とともに図4もさらに用いて説明する。
【0030】
図4は、箱体からケーシングを分離した状態の乾燥装置を、上方から模式的に示す図である。
【0031】
この図4では、上ヘッダ12が見えるよう箱体11の上壁を取り除くとともに、インペラ1421および測温抵抗体143が見えるようにケーシング149の上壁も取り除いて、図3に示す乾燥装置1を示している。また、この図4では、シート状物を図示省略したが、シート状物は図の上から下に向かって搬送される。
【0032】
加熱ゾーン内の空気は、サークルヒータ147→インペラ1421→測温抵抗体143を経由して、上ヘッダ供給路144を通って上ヘッダ12に戻されるとともに下ヘッダ供給路145を通って下ヘッダ13に戻される。図3および図4に示すサークルヒータ147は短い円柱状のヒータであり、このサークルヒータ147よりも空気の流れの下流側に配備されたインペラ1421が回転することで、サークルヒータ147の周面から加熱ゾーン内の空気が取り込まれる。図1に示すように、サークルヒータ147には蒸気が供給されており、取り込まれた空気は、この蒸気の熱によって加熱される。サークルヒータ147に送り込まれる蒸気の経路には、コントロールバルブ141が配備されており、そのコントロールバルブ141の開度は、制御部146によって制御される。測温抵抗体143は、図3および図4に示すインペラ室1492に配備されており、サークルヒータ147によって加熱された空気の温度を測定し、その測定結果を図1に示す制御部146に送る。制御部146は、空気を所定温度まで加熱するにあたり、測定された空気の温度が所定温度よりも低ければ、コントロールバルブ141の開度を大きくすることで蒸気の流量を増やし、測定された新鮮風の温度が所定温度よりも高ければ、コントロールバルブ141の開度を小さくすることで蒸気の流量を減らす。その結果、加熱ゾーンから取り込まれた空気はサークルヒータ147によって所定温度にまで加熱される。
【0033】
図3に示すケーシング149の上部と上ヘッダ12は、上ヘッダ供給路144によって結ばれており、ケーシング149の下部と下ヘッダ13は、下ヘッダ供給路145によって結ばれている。
【0034】
また、図4に示すように、上ヘッダ供給路144は、ケーシング149に一端が開口する第1供給管1441と、上ヘッダ12に一端が開口する第2供給管1442を有する。下ヘッダ供給路145も、ケーシング149に一端が開口する第1供給管1451を有する他、下ヘッダ13に一端が開口する第2供給管1452も有する。これらの第1供給管1441,1451および第2供給管1442,1452はいずれも、金属製のものである。このため、上ヘッダ供給路144および下ヘッダ供給管145の耐久性は高く、これらの供給管を頻繁に交換したり修理したりする手間が省け、メンテナンスの負担が軽減される。また、これらの供給管はいずれも、内周面が平滑なものである。ここで、図3に示す上ヘッダ12は、箱体11の天板11aから吊り下げられており、下ヘッダ13は、その上ヘッダ12から吊り下げられているとともに箱体11の底板11bにも支えられている。これらの上ヘッダ12および下ヘッダ13には、サークルヒータ147で加熱された空気が送り込まれるため、熱膨張が生じる。そのため、上ヘッダ12は、上ヘッダ12若しくは下ヘッダ13の熱膨張分を吸収するため、箱体11の天板11aに摺動自在に吊り下げられている。上ヘッダ12若しくは下ヘッダ13に熱膨張が生じると、箱体内の、上ヘッダ12および下ヘッダ13の位置は僅かながらに変化する。この上ヘッダ12および下ヘッダ13の位置変化に追従するため、第1供給管1441,1451と第2供給管1442,1452は互いに遊嵌されている。
【0035】
次に、図3および図4を用いて、図1に示す乾燥装置に備えられた上ヘッダ12および下ヘッダ13について説明する。図3に点線で示すように、上ヘッダ12と下ヘッダ13いずれの内部にも、昇華物やゴミを除去するためのバグフィルタ20が配備されている。上ヘッダ12に配備されたバグフィルタ20には、上ヘッダ供給路144から加熱空気が送り込まれ、下ヘッダ13に配備されたバグフィルタ20には、下ヘッダ供給路145から加熱空気が送り込まれる。これらのバグフィルタ20は、ろ布で袋状に形成されたものである。
【0036】
ここで、図3および図4とともに図5も用いて上ヘッダ12と下ヘッダ13についてさらに説明する。
【0037】
図5は、図3に示す乾燥装置の、上ヘッダと下ヘッダとの間の部分を中心に示す斜視図である。
【0038】
この図5では、上ヘッダ12と下ヘッダ13との間Sを通過するシート状物を図示省略したが、図の左から右に向かってシート状物が通過する。上ヘッダ12と下ヘッダ13との互いに対向する対向面12a,13aには、シート状物の幅方向に延在する突条部121,131が、シート状物の通過方向に所定ピッチで複数個並べられている。上ヘッダ12の突条部121と、下ヘッダ13の突条部131とは互い違いに設けられている。また、いずれのヘッダ12,13の各突条部121,131にも、温風を吹出す複数の吹出口1311が設けられている。これらの吹出口1311は、突条部121,131の、相手方ヘッダ13,12の対向面13a,12aに対向する吹出面121a、131aに設けられたものであって、シート状物の幅方向とシート状物の通過方向との双方に、所定ピッチで複数個ずつ並べられている。
【0039】
図3および図4に示すように、上ヘッダ12に配備されたバグフィルタ20に加熱空気が送り込まれると、このバグフィルタ20は、上ヘッダ12の、複数の突条部121に設けられた複数の吹出口に跨って広がる。また、図4では、下ヘッダ13が図示省略されているが、下ヘッダ13に配備されたバグフィルタ20についても、加熱空気が送り込まれると、上ヘッダ12に配備されたバグフィルタ20と同じように、複数の突条部131に設けられた複数の吹出口1311に跨って広がる。このため、上ヘッダ12においても下ヘッダ13においても、各吹出口から吹き出される温風の圧力(風速)は均一なものとなり、シート状物の浮上が安定する。
【0040】
このように、図3に示す乾燥装置1では、ケーシング149内には、昇華物やゴミを除去するためのフィルタを設けずに、上ヘッダ12および下ヘッダ13にバグフィルタ20を配備させたことにより、ケーシング149の大きさがフィルタの設置スペース分だけ小さくてすみ、乾燥装置をコンパクトにすることができる。また、上ヘッダ供給路144および下ヘッダ供給路145の手前にフィルタがないことから、上ヘッダ供給路144および下ヘッダ供給路145を通過する温風に昇華物やゴミが混入している可能性は高く、昇華物やゴミが、各供給路の内周壁に溜まってしまうことが懸念されるが、図3に示す第1供給管1441,1451および第2供給管1442,1452はいずれも、内周面が平滑なものであるため、昇華物やゴミが引っ掛かりにくく、その内周面に昇華物やゴミが溜まりにくい。
【0041】
続いて、図6を用いて、本発明のシート状物の乾燥方法を適用した例を説明する。
【0042】
図6は、本発明の一実施形態であるシート状物の乾燥方法における工程を示すフローチャートである。
【0043】
図1に示す乾燥装置1よりも上流側には、シート状物の両面に下塗剤を塗布する、不図示の塗布装置が配備されている。この塗布装置や、図1に示す乾燥装置1が配備されたラインの上流端には、長尺のシート状物がロール状に巻回された状態でセットされ、シート状物の搬送が連続的に行われる。図1に示す乾燥装置1には、上流側の塗布装置の塗布条件が整うまでは、下塗剤が塗布されていないシート状物が搬入され続け、塗布装置の塗布条件が整い塗布が開始されると、両面に下塗剤が塗布されたシート状物が搬入され始める。
【0044】
図6に示すシート状物の乾燥方法は、シート状物の搬送が開始されるとスタートする。まず、図1に示す乾燥装置1に、下塗剤が塗布されたシート状物が搬入される前に、予熱工程S51が実施される。この予熱工程S51が実施されている段階では、乾燥装置1には、下塗剤が未塗布のシート状物が搬入され続けている。図1に示す制御部146には、この予熱工程S51の開始を指示する指示信号が入力される。制御部146は、この指示信号が入力されると、加熱ゾーンに設けられた、図1に示す温度調整部14のコントロールバルブ141の開度を、シート状物を乾燥する際の開度に比べて大きくし、多量の蒸気をサークルヒータ147に供給させる。すなわち、制御部146は、加熱ゾーンに配備された上ヘッダ12および下ヘッダ13から、シート状物を乾燥する際に吹き出す空気の温度(以下、乾燥温度と称する。)よりも高い所定温度(以下、予熱温度と称する)の空気が常に吹き出されるように、コントロールバルブ141の開度を制御する。この結果、箱体内には予熱温度の空気が供給され続け、箱体内は予熱温度にまで加熱される。その後、乾燥装置1には、両面に下塗剤が塗布されたシート状物が搬入され始める。両面に下塗剤が塗布されたシート状物が搬入され始めた時点で、制御部146は、コントロールバルブ141の開度をその時点の開度に固定し、以降、制御部146は、図3に示すケーシング149内に配備された測温抵抗体143によって測定された、サークルヒータ147で加熱した後の空気の温度をモニタし続ける。ここで、図1に示す乾燥装置1においては、箱体内の空気の温度を箱体内で直接測定せずに、加熱後の空気の温度を測定しているが、箱体内の空気の温度と加熱後の空気の温度とは相関があることから、この乾燥装置1では、サークルヒータ147で加熱した後の空気の温度をモニタすることが、箱体内の温度をモニタすることに相当する。
【0045】
下塗剤が塗布されたシート状物が搬入され始めた当初は、下塗剤が蒸発する際の気化熱による箱体内の温度低下が激しく、コントロールバルブ141の開度を一定にしたことにより、サークルヒータ147で加熱した後の空気の温度は、いずれ、予熱温度未満の温度にまで低下する。図6に示すシート状物の乾燥方法では、制御部146が、サークルヒータ147で加熱した後の空気の温度が、予熱温度未満であって乾燥温度以上の所定温度(以下、切換温度と称する。)にまで低下したと判定した時点で、予熱工程S51から乾燥工程S52へ移行する。この乾燥工程S52では、制御部146は、サークルヒータ147で加熱した後の空気の温度が乾燥温度になるように、コントロールバルブ141の開度を調整する。この結果、箱体内には、乾燥温度の空気が供給され、箱体内の温度は、乾燥温度に保たれる。なお、箱体内の温度が切換温度まで低下した時点から所定期間経過後は、コントロールバルブ141の開閉速度を遅くして、ハンチングの発生を防止することが好ましい。
【0046】
ここで、予熱温度は、サークルヒータ147の加熱能力を考慮し、下塗剤が塗布されたシート状物が搬入され始めた当初における箱体内の温度低下を見越した温度、すなわち、箱体内の温度が乾燥温度を下回ることを防止することができる温度である。また、切換温度は、乾燥温度以上の温度であればよく、乾燥温度よりも数度高い温度であることが好ましい。
【0047】
この図6に示すシート状物の乾燥方法によれば、予熱工程51において、箱体内を乾燥温度よりも高い上述のような予熱温度に予め加熱しておくので、塗布液が塗布されたシート状物が搬入され始めた当初に生じる、塗布液の不十分な乾燥を防止することができる。
【0048】
続いて、上流側の塗布装置における塗布作業が終了するか、あるいは中断すると、シート状物の搬送まで停止したか否かを判定し(S53)、停止していれば終了となり、搬送され続けていれば、予熱工程S51へ戻る。
【0049】
なお、ここでは、箱体内の空気を循環させて箱体内を加熱する際に本発明を適用させた例を説明したが、本発明のシート状物の乾燥方法は、図1に示す新鮮風加熱システム15によって加熱した新鮮風を箱体内に供給することで箱体内を加熱する際にも適用することができる。
【0050】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明のシート状物の乾燥方法によれば、塗布液が塗布されたシート状物が搬入され始めた当初に生じる、塗布液の不十分な乾燥を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態であるシート状物の乾燥方法が実施される乾燥装置における空気の流れを示す図である。
【図2】図1に示す乾燥装置に備えられた上ヘッダと下ヘッダとの間を拡大して示した図である。
【図3】図1に示す乾燥装置の加熱ゾーンを、シート状物の搬送方向から模式的に示す図である。
【図4】箱体からケーシングを分離した状態の乾燥装置を、上方から模式的に示す図である。
【図5】図3に示す乾燥装置の、上ヘッダと下ヘッダとの間の部分を中心に示す斜視図である。
【図6】本発明の一実施形態であるシート状物の乾燥方法における工程を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 乾燥装置
11 箱体
12 上ヘッダ
13 下ヘッダ
121,131 突条部
121a,131a 吹出面
1331 吹出口
14 温度調整部
141 コントロールバルブ
142 ファン
1421 インペラ
143 測温抵抗体
144 上ヘッダ供給路
145 下ヘッダ供給路
146 制御部
147 サークルヒータ
15 新鮮風加熱システム
20 バグフィルタ
9 シート状物

Claims (2)

  1. 塗布液が塗布されたシート状物を、所定の乾燥温度に調整したエアーが供給されている箱体内に搬送し該箱体内を通過させることによりシート状物を乾燥させるシート状物の乾燥方法において、
    塗布液が塗布されたシート状物が前記箱体内に搬入されるよりも前に、該箱体内に、前記乾燥温度よりも高い所定の予熱温度に調整したエアーを供給する予熱工程と、
    塗布液が塗布されたシート状物が前記箱体内に搬入された後に、該箱体内に、前記乾燥温度に調整したエアーを供給する乾燥工程とを有することを特徴とするシート状物の乾燥方法。
  2. 前記乾燥工程を、前記箱体内のエアーの温度が所定温度にまで低下したことを受けて実施することを特徴とする請求項1記載のシート状物の乾燥方法。
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