JP2004169948A - 乾燥装置 - Google Patents

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Kazuo Sugiyama
和男 杉山
Kazuharu Ito
一治 伊藤
Toshiyuki Idegami
敏之 井手上
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Abstract

【課題】搬送中の未乾燥のシート状物を乾燥する乾燥装置に関し、空気の滞留が生じることを極力抑える。
【解決手段】シート状物9が内部を通過する、シート状物9の通過方向に離れた位置に設けられた給気口1311と排気口112とを有する箱体11と、給気口1311に加熱空気を供給する供給手段15と、排気口112から箱体11内部の空気を排気する排気手段17と、箱体11内部の圧力を計測する、その通過方向に分散配置された複数の圧力計18と、複数の圧力計18による計測結果に基づいて、箱体11内部の圧力が、給気口1311から排気口112に向かって漸次低下している状態にあるか否かをモニタする手段19とを備える。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、搬送中の未乾燥のシート状物を乾燥する乾燥装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
写真フィルムの支持体や磁気記録テープの支持体等に利用されるシート状物の多くは、長尺の帯状に形成された状態で下塗剤や乳剤等の塗布液を両面に塗布し、塗布した塗布液を乾燥させた後、所定の大きさに切断することにより得られる。塗布液の乾燥は、シート状物を搬送させながら、内部が所定温度にまで加熱された箱体を有する乾燥装置を用いて行われることがある。すなわち、搬送されたきた未乾燥のシート状物を、内部が所定温度にまで加熱された箱体内に搬入し、その箱体内を通過させることでシート状物を乾燥させる。箱体内の加熱は、箱体外の空気を所定温度にまで加熱して箱体内に送り込むことで行われる。また、箱体内の空気は箱体に設けられた排気口から箱体外に排気される。このような乾燥装置として、箱体内を複数の部屋に分割し、各部屋ごとに熱風を給気するとともに各部屋ごとに部屋内の空気を排気する装置が知られている(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。この乾燥装置では、各部屋内の空気は、給気口から排気口に向かって流れるものの、部屋と部屋の境目においては、空気が滞留しがちになってしまう。また、図1に示す乾燥装置も知られている。
【0003】
図1は、従来の乾燥装置における、箱体外からの空気の給気と、箱体内からの空気の排気とを模式的に示す図である。
【0004】
この図1には、(a)と(b)に一つずつ従来の乾燥装置8,9が示されているが、いずれの乾燥装置8,9においても、シート状物は箱体内を図の左から右に向かって通過する。また、これらの乾燥装置8,9に備えられた箱体81,91の内部空間は、搬入されたシート状物を加熱する加熱ゾーン81hと、加熱したシート状物を冷却する冷却ゾーン81cに区切られている。また、加熱ゾーン81hは一連の空間であるが、ここでは説明の都合上、シート状物の搬送方向の上流側から10個の空間に分けて説明する(図中の1〜10までの数字参照)。なお、図中の矢印は空気の流れを示すものである。
【0005】
図1(a)に示す乾燥装置8では、加熱ゾーン81hの、最上流の第1の空間と最下流の第10の空間との双方に所定温度の加熱空気が箱体外から給気されているとともに、それらの空間から箱体内の空気が排気されている。この乾燥装置8では、加熱ゾーン81hの第2の空間から第9の空間の間で、箱体内の空気が滞留しがちである。
【0006】
また、図1(b)に示す乾燥装置9では、加熱ゾーン81hの、最上流の第1の空間と最下流の第10の空間との双方に、所定温度の加熱空気が給気されている。一方、加熱ゾーン81hの、第3の空間と第8の空間から、箱体内の空気が排気されている。この乾燥装置9では、加熱ゾーン81hの第4の空間から第7の空間の間で、箱体内の空気が滞留しがちである。
【0007】
【特許文献1】
特開平10−337520号公報 (第1図−第2図)
【特許文献2】
特開平10−170152号公報 (第1図)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、加熱されたシート状物からは昇華物が周囲の雰囲気中に放出され、昇華物が放出された空気の温度が低下すると、昇華物が析出する。ここで、加熱ゾーンにおいて空気の滞留が生じると、その滞留が生じた部分にある空気の温度は低下する。したがって、各部屋ごとに給排気を行う乾燥装置では、部屋と部屋の境目に昇華物が析出してしまう傾向にある。また、図1(a)に示す乾燥装置8では、加熱ゾーン81hの、第2の空間から第11の空間までの間に昇華物が析出してしまう傾向にあり、図1(b)に示す乾燥装置9では、加熱ゾーン81hの、第4の空間から第7の空間までの間に昇華物が析出してしまう傾向にある。析出した昇華物がシート状物に付着すると、製品不良を引き起こす。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑み、空気の滞留が生じることを極力抑えることができる乾燥装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明の第1の乾燥装置は、搬送中の未乾燥のシート状物を乾燥する乾燥装置において、
上記シート状物が内部を通過する、そのシート状物の通過方向に離れた位置に設けられた給気口と排気口とを有する箱体と、
上記給気口に加熱空気を供給する供給手段と、
上記排気口から上記箱体内部の空気を排気する排気手段と、
上記箱体内部の圧力を計測する、上記通過方向に分散配置された複数の圧力計と、
上記圧力計による計測結果に基づいて、上記箱体内部の圧力が、上記給気口から上記排気口に向かって漸次低下している状態にあるか否かをモニタする手段とを備えたことを特徴とする。
【0011】
本発明の第1の乾燥装置によれば、乾燥装置の状態が上記状態から外れても、上記手段によるモニタ結果から、オペレータは、即座に乾燥装置を上記状態に復帰させる処置をとることができ、空気の滞留が生じることを極力抑えることができる。
【0012】
上記目的を達成する本発明の第2の乾燥装置は、搬送中の未乾燥のシート状物を乾燥する乾燥装置において、
上記シート状物が内部を通過する箱体と、
上記箱体内部にその箱体外部の空気を加熱して供給する供給手段と、
上記箱体内部からその箱体外部にその箱体内部の加熱空気を排気する排気手段とを備え、
上記箱体が、その箱体の入口側と出口側双方に、上記供給手段からの空気をその箱体内部に導入する供給口を有するとともに、その箱体の入口と出口との中間に、これら双方の供給口から導入された空気をその箱体外部に導く排出口を有し、その箱体内部の圧力がこれら双方の供給口からその排気口に向かって漸次低下している状態に整えられたことを特徴とする。
【0013】
本発明の第2の乾燥装置によれば、上記箱体内の圧力は、上記入口側の供給口から上記排出口に向かって漸次低下し、上記出口側の供給口から上記排出口に向かっても漸次低下するため、上記箱体内部を、これら双方の供給口から導入された空気が上記排気口に向かって滞りなく流れる。その結果、空気の滞留が生じず、箱体内部のクリーン度を向上することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0015】
図2は、本発明の一実施形態である乾燥装置における空気の流れを示す図である。
【0016】
図2に示す乾燥装置1には、図2では図示省略したが写真フィルムの支持体となる長尺のシート状物が搬送されてくる。この乾燥装置1よりも上流側には、シート状物の両面に塗布液を塗布する塗布装置が配備されており、この塗布装置による塗布が開始されると、乾燥装置1には、両面に塗布液が塗布されたシート状物が搬送されてくる。
【0017】
図2に示す乾燥装置1は、箱体11を備えており、その箱体11内には、互いに対向して配置された上ヘッダ12と下ヘッダ13の組が、搬送方向に13組並べられている。いずれの上ヘッダ12からも、上方から下方に向かう空気が吹出され、いずれの下ヘッダ13からも、下方から上方に向かう空気が吹出される。ここで、図3も参照して、図2に示す乾燥装置1におけるシート状物の搬送について説明する。
【0018】
図3は、図2に示す乾燥装置に備えられた上ヘッダと下ヘッダとの間を拡大して示した図である。
【0019】
図2および図3では、図の左から右に向かってシート状物9が通過する。上ヘッダ12と下ヘッダ13との互いに対向する対向面には、シート状物の幅方向に延在する突条部121,131が、シート状物の通過方向に所定ピッチで複数個並べられている。上ヘッダ12の突条部121と、下ヘッダ13の突条部131とは互い違いに設けられている。各ヘッダ12,13から吹き出される空気は、それぞれの突条部121,131から吹き出され、隣接する突条部間からは吹き出されない。図3中の矢印は、突条部121,131から吹き出され空気を表している。各シート状物9は、上ヘッダ12と下ヘッダ13との間Sに搬入され、上ヘッダ12からの空気と下ヘッダ13からの空気とによってその間Sを浮上した状態で通過する。上ヘッダ12と下ヘッダ13との間Sを通過するシート状物9の軌跡は、サインカーブの軌跡になる。
【0020】
図2に示す箱体内に配備された11組の上ヘッダ12と下ヘッダ13の組のうち、シート状物の搬送方向の最も上流側に配備された組(図2中の最も左側に記された上ヘッダ12と下ヘッダ13との組)を第1組と称し、搬送方向に従って順次、第2組・・・第5組・・・第10組,第11組と称することにする。第1組から第10組までの上ヘッダ12および下ヘッダ13からは温風が吹き出され、シート状物の両面に塗布された塗布液は、これらのヘッダ12,13からの温風によって乾燥される。また、シート状物の搬送方向の最も下流側に配備された第11組の上ヘッダ12および下ヘッダ13からは冷風が吹き出され、第1組から第10組までの上ヘッダ12と下ヘッダ13との間Sを通過することによって加熱されたシート状物9は、これらのヘッダ11,12からの冷風によって常温近くまで冷却される。以下、箱体内の、第1組から第10組までの上ヘッダ12および下ヘッダ13の組が配備されたゾーンを加熱ゾーンと称し、第11組の上ヘッダ12および下ヘッダ13の組が配備されたゾーンを冷却ゾーンと称することにする。加熱ゾーンは高温であり、冷却ゾーンは低温である。加熱されたシート状物からは昇華物が周囲の雰囲気中に放出され、放出された昇華物は温度が低下することにより析出する。析出した昇華物がシート状物に付着すると、製品不良になってしまう。このため、箱体内には、加熱ゾーンと冷却ゾーンとの境を、シート状物の搬送経路を塞がないように仕切る仕切部材111が設けられている。
【0021】
また、図2に示す乾燥装置1では、第5組の前後の組を省略したが、いずれの、上ヘッダ12と下ヘッダ13との組にも、温度調整部14が1つずつ設けられている。温度調整部14は、コントロールバルブ141、ファン142、測温抵抗体143、上ヘッダ供給路144、下ヘッダ供給路145、および制御部146を有する。また、加熱ゾーンの温度調整部14にはサークルヒータ147が配備されており、冷却ゾーンの温度調整部14にはサークルクーラ148が配備されている。
【0022】
この乾燥装置1における空気の流れには、大きく分けて、箱体外の空気(以下、新鮮風と称する)を箱体内に吸気し箱体内の空気を箱体外に排気する流れと、箱体内の空気が循環する流れとの2つがある。この図2では、空気の流れを実線で表しており、まず、前者の流れについて説明する。
【0023】
図2に示す乾燥装置1は、所定量の新鮮風を所定温度にまで加熱して箱体内部に送り込むための新鮮風加熱システム15を備えている。この新鮮風加熱システム15は、ファン151、ヒータ152、コントロールバルブ153、測温抵抗体154、風量計155、2つのダンパ156,157、および制御部158を有する。ファン151は箱体外部から新鮮風を取り込み、その取り込んだ新鮮風を箱体内部に送り込むものであって、このファン151の回転数によって箱体内部への新鮮風の給気量が定まる。ファン151によって箱体外部から取り込まれた新鮮風は、ヒータ152→測温抵抗体154→風量計155を経由して分流される。分流された一方の新鮮風は、2つのダンパのうちの一方のダンパ156を経由して、加熱ゾーンの最上流に設けられた温度調整部14のファン142に送られ、もう一方の新鮮風は、他方のダンパ157を経由して、加熱ゾーンの最下流に設けられた温度調整部14のファン142に送られる。これらのファン142に送られた新鮮風は、これらファン142の温度調整部14が設けられた上ヘッダ12および下ヘッダ13から箱体内に吹き出される。したがって、図2に示す乾燥装置1の箱体に備えられた、加熱された新鮮風の、箱体内部への給気口は、第1組の上ヘッダと下ヘッダの空気の吹き出し口と、第12組の上ヘッダと下ヘッダの空気の吹き出し口になる。そのため、塗布直後の塗れたシート状物は、常にきれいな新鮮風により乾燥され、ゴミ等の付着が防止される。また、乾燥装置から送り出される直前のシート状物も、常にきれいな新鮮風により最後の乾燥がなされるため、シート状物をきれいな状態に保つことができる。
【0024】
ヒータ152には蒸気が供給され、この蒸気の熱によって新鮮風は加熱される。この図2では蒸気の流れを1点鎖線で表している。ヒータ152は、供給される蒸気の流量が多くなればなるほど、送り込まれた新鮮風を高い温度にまで加熱する。ヒータ152に送り込まれる蒸気の経路には、コントロールバルブ153が配備されており、そのコントロールバルブ153の開度は、制御部158によって制御される。ヒータ152よりも空気の流れの下流に配備された測温抵抗体154は、ヒータ152によって加熱された新鮮風の温度を測定し、その測定結果を制御部158に送る。図2では、信号の流れを点線で表している。制御部158は、送られてきた測定結果に基づいて、コントロールバルブ153の開度を制御する。すなわち、新鮮風を所定温度まで加熱するにあたり、制御部158は、測定された新鮮風の温度が所定温度よりも低ければ、コントロールバルブ153の開度を大きくすることで蒸気の流量を増やし、測定された新鮮風の温度が所定温度よりも高ければ、コントロールバルブ153の開度を小さくすることで蒸気の流量を減らす。その結果、新生風は、ヒータ152によって所定温度にまで加熱される。また、ファン151よりも空気の流れの下流に配備された風量計155は、箱体内部に送り込まれる新鮮風の風量を測定し、測定した風量を制御部158に送る。制御部158は、測定された風量に基づいてファン151の回転速度を制御し、新鮮風の吸気量を調整する。風量計155よりも空気の流れの下流に設けられた2つのダンパ156,157はいずれも、オペレータが、シート状物の品種等に基づいて手動操作によって調整する。
【0025】
また、図2に示す乾燥装置1は、所定量の新鮮風を所定温度にまで冷却して箱体内部に送り込むための新鮮風冷却システム16を備えている。この新鮮風冷却システム16は、新鮮風加熱システム15のヒータ152をクーラ162に代えた他は、新鮮風加熱システム15と同じ構成を有する。ファン161によって箱体外部から吸気された新鮮風は、クーラ162→測温抵抗体164→風量計165→ダンパ166を経由して、冷却ゾーンに設けられた温度調整部14のファン142に送られる。クーラ162には冷水が供給され、新鮮風は冷却される。この図2では冷水の流れを2点鎖線で表している。また、制御部は167、測温抵抗体164の測定結果に基づいてコントロールバルブ163の開度を制御し、風量計165の測定結果に基づいてファン161の回転速度を制御する。
【0026】
さらに、図2に示す乾燥装置1は、箱体内部の空気を所定排気量で排気するための2つの内部空気排気システム17を備えている。これら2つの内部空気排気システム17のうち、一方の内部空気排気システム17は加熱ゾーンの空気を排気するものであり、もう一方の内部空気排気システム17は、冷却ゾーンの空気を排気するものである。これらいずれのシステム17も、ファン171、風量計172、ダンパ173、および制御部174を有する。ファン171は、箱体内部の空気を取り込んで、取り込んだ空気を箱体外部に排気するものであって、このファンの回転数によって箱体内部の空気の排気量が定まる。箱体11には、加熱ゾーンの搬送方向略中央、すなわち、加熱された新鮮風の給気口である、第1組の上ヘッダと下ヘッダの空気の吹き出し口と、もう一方の給気口である、第10組の上ヘッダと下ヘッダの空気の吹き出し口との中間に排気口112が設けられており、加熱ゾーンの空気は、その排気口112から、ダンパ173→風量計172→ファン171を経由して箱体外部に排気される。また、冷却ゾーンの空気も、別個に設けられた排気口から同じようにして排気される。
【0027】
したがって、図2に示す乾燥装置1の、加熱ゾーン内の圧力は、第1組の上ヘッダと下ヘッダの空気の吹き出し口から排気口112に向かって漸次低下し、第10組の上ヘッダと下ヘッダの空気の吹き出し口から排出口112に向かっても漸次低下するため、加熱ゾーン内を、上流端と下流端の給気口から給気された空気が中間の排出口112に向かって滞りなく流れ、空気の滞留が生じない。また、箱体の、シート状物の搬入口や送出口から箱体内部の空気が流れ出すことがなく、乾燥装置外部を清潔に保つことができる。
【0028】
ファン171よりも空気の流れの上流に配備された風量計172は、箱体内部から取り込んだ空気の風量を測定し、測定結果を制御部174に送る。制御部174は、測定された風量に基づいてファン171の回転速度を制御し、新鮮風の排気量を調整する。なお、昇華物により風量計172が目詰まりする恐れがある場合には、風量計172に代えて測温抵抗体を配備してもよい。測温抵抗体を配備した場合には、制御部174は、気体の状態方程式に基づき、箱体内部から取り込んだ空気の温度が上がればファン171の回転数を上げ、取り込んだ空気の温度が下がればファン171の回転数を下げる。風量計172よりも空気の流れの上流に設けられたダンパ173は、シート状物の品種等に基づいて、オペレータが手動操作によって調整する。
【0029】
またさらに、図2に示す乾燥装置1の加熱ゾーンには、上ヘッダ12と下ヘッダ13の組ごとに、箱体内部の圧力を計測する圧力計18が配備されている。すなわち、加熱ゾーンには、シート状物の通過方向に12個の圧力計18が分散配置されている。また、図2に示す乾燥装置1はモニタ手段19も備えている。各圧力計18の計測結果は、このモニタ手段19に送られる。ここで、この乾燥装置1における加熱ゾーンの圧力の正常状態は、その圧力が、加熱された新鮮風の給気口である、第1組の上ヘッダと下ヘッダの空気の吹き出し口から排気口112に向かって漸次低下し、かつ、もう一方の給気口である、第10組の上ヘッダと下ヘッダの空気の吹き出し口から排気口112に向かっても漸次低下している状態である。加熱ゾーンの圧力状態がこのような正常状態にあると、給気口から給気された新鮮風が排気口112に向かって滞りなく流れる。その結果、空気の滞留が生じず、箱体11内部のクリーン度を向上することができる。モニタ手段19は、各圧力計18から送られてきた計測結果に基づいて、加熱ゾーンの圧力状態がこのような正常状態にあるか否かをモニタし、正常状態から外れたときには、オペレータにその旨を報知する。図2に示す乾燥装置1では、箱体11内の加熱ゾーンの圧力状態が、新鮮風の給気口と排気口112の位置関係から正常状態に自然と整う。そのためこの乾燥装置1においては、加熱ゾーンの圧力状態が正常状態から外れることは考えにくいが、安全を見て、加熱ゾーンの圧力状態が正常状態から外れると、オペレータにその旨を報知するようにしている。オペレータは、モニタ手段19によってその旨が報知されると、新鮮風加熱システム15のダンパ156,157や、加熱ゾーンの空気を排気する内部空気排気システム17のダンパ173を調整して、加熱ゾーンの圧力状態を正常状態に復帰させる。したがって、この乾燥装置1によれば、不測の事態によって空気の滞留が生じても、オペレータに即座に空気の滞留を解消させる処理をとらせることができ、空気の滞留が生じることを極力抑えることができる。
【0030】
なお、図2に示す乾燥装置1では、加熱された新鮮風の、箱体内部への給気口は、第1組と第12組の2箇所に設けられており、箱体外部への排気口112は、第5組の1箇所に設けられているが、本発明の乾燥装置によれば、給気口が3箇所以上であっても、あるいは排気口が複数箇所であっても、給気口から給気された新鮮風が排気口に向かって滞りなく流れるようにすることができる。
【0031】
続いて、箱体内の空気が循環する流れについて説明する。
【0032】
箱体内の空気が循環する流れは、温度調整部14によってなされる。ここでは、加熱ゾーンに設けられた温度調整部14を例にあげて、図2とともに図4も用いて説明する。
【0033】
図4は、図2に示す乾燥装置の加熱ゾーンを、シート状物の搬送方向から模式的に示す図である。
【0034】
この図3では、紙面に対して垂直な方向、すなわち、紙面の手前から奥に向かってシート状物9が搬送されている。図3に示す温度調整部14は、箱体内の、上ヘッダ12から吹き出された空気および下ヘッダ13から吹き出された空気を取り込んで加熱し、上ヘッダ12および下ヘッダ13に送り込む。
【0035】
温度調整部14に備えられた図2に示すファン142は、図4に示す、インペラ1421と、そのインペラ1421を回転させるモータ1422とを有する。また、図4に示す乾燥装置1の温度調整部14はケーシング149も有する。このケーシング149は、図4に示す如く、箱体11に取り付けられることで、箱体11と一体になっている。ケーシング149には、ヒータ室1491とインペラ室1492とが用意されている。このヒータ室1491にはサークルヒータ147が配備されており、インペラ室1492にはインペラ1421と測温抵抗体143が配備されている。このケーシング149は、周囲を壁で囲まれた筐体であるが、この図4では、サークルヒータ147、インペラ1421、および測温抵抗体143が見えるように、ケーシング149の、シート状物の搬送方向上流側の側壁を取り除いて、これらのサークルヒータ147等を図示している。モータ1422は、ケーシング149の外に配置されている。
【0036】
ここで、図2および図4とともに図5もさらに用いて説明する。
【0037】
図5は、箱体からケーシングを分離した状態の乾燥装置を、上方から模式的に示す図である。
【0038】
この図5では、上ヘッダ12が見えるよう箱体11の上壁を取り除くとともに、インペラ1421および測温抵抗体143が見えるようにケーシング149の上壁も取り除いて、図4に示す乾燥装置1を示している。また、この図5では、シート状物を図示省略したが、シート状物は図の上から下に向かって搬送される。
【0039】
加熱ゾーン内の空気は、サークルヒータ147→インペラ1421→測温抵抗体143を経由して、上ヘッダ供給路144を通って上ヘッダ12に戻されるとともに下ヘッダ供給路145を通って下ヘッダ13に戻される。図4および図5に示すサークルヒータ147は短い円柱状のヒータであり、このサークルヒータ147よりも空気の流れの下流側に配備されたインペラ1421が回転することで、サークルヒータ147の周面から加熱ゾーン内の空気が取り込まれる。図2に示すように、サークルヒータ147には蒸気が供給されており、取り込まれた空気は、この蒸気の熱によって加熱される。サークルヒータ147に送り込まれる蒸気の経路には、コントロールバルブ141が配備されており、そのコントロールバルブ141の開度は、制御部146によって制御される。測温抵抗体143は、図4および図5に示すインペラ室1492に配備されており、サークルヒータ147によって加熱された空気の温度を測定し、その測定結果を図2に示す制御部146に送る。制御部146は、空気を所定温度まで加熱するにあたり、測定された空気の温度が所定温度よりも低ければ、コントロールバルブ141の開度を大きくすることで蒸気の流量を増やし、測定された新鮮風の温度が所定温度よりも高ければ、コントロールバルブ141の開度を小さくすることで蒸気の流量を減らす。その結果、加熱ゾーンから取り込まれた空気はサークルヒータ147によって所定温度にまで加熱される。
【0040】
図4に示すケーシング149の上部と上ヘッダ12は、上ヘッダ供給路144によって結ばれており、ケーシング149の下部と下ヘッダ13は、下ヘッダ供給路145によって結ばれている。
【0041】
また、図5に示すように、上ヘッダ供給路144は、ケーシング149に一端が開口する第1供給管1441と、上ヘッダ12に一端が開口する第2供給管1442を有する。下ヘッダ供給路145も、ケーシング149に一端が開口する第1供給管1451を有する他、下ヘッダ13に一端が開口する第2供給管1452も有する。これらの第1供給管1441,1451および第2供給管1442,1452はいずれも、金属製のものである。このため、上ヘッダ供給路144および下ヘッダ供給管145の耐久性は高く、これらの供給管を頻繁に交換したり修理したりする手間が省け、メンテナンスの負担が軽減される。また、これらの供給管はいずれも、内周面が平滑なものである。ここで、図4に示す上ヘッダ12は、箱体11の天板11aから吊り下げられており、下ヘッダ13は、その上ヘッダ12から吊り下げられているとともに箱体11の底板11bにも支えられている。これらの上ヘッダ11および下ヘッダ12には、サークルヒータ147で加熱された空気が送り込まれるため、熱膨張が生じる。そのため、上ヘッダ12は、上ヘッダ11若しくは下ヘッダ12の熱膨張分を吸収するため、箱体11の天板11aに摺動自在に吊り下げられている。上ヘッダ11若しくは下ヘッダ12に熱膨張が生じると、箱体内の、上ヘッダ11および下ヘッダ12の位置は僅かながらに変化する。この上ヘッダ11および下ヘッダ12の位置変化に追従するため、第1供給管1441,1451と第2供給管1442,1452は互いに遊嵌されている。
【0042】
次に、図4および図5を用いて、図2に示す乾燥装置に備えられた上ヘッダ11および下ヘッダ12について説明する。図4に点線で示すように、上ヘッダ11と下ヘッダ12いずれの内部にも、昇華物やゴミを除去するためのバグフィルタ20が配備されている。上ヘッダ11に配備されたバグフィルタ20には、上ヘッダ供給路144から加熱空気が送り込まれ、下ヘッダ12に配備されたバグフィルタ20には、下ヘッダ供給路145から加熱空気が送り込まれる。これらのバグフィルタ20は、ろ布で袋状に形成されたものである。
【0043】
ここで、図4および図5とともに図6も用いて上ヘッダ11と下ヘッダ12についてさらに説明する。
【0044】
図6は、図4に示す乾燥装置の、上ヘッダと下ヘッダとの間の部分を中心に示す斜視図である。
【0045】
この図6では、シート状物は、図示省略したが図の左から右に向かって通過する。図2を用いて説明したように、上ヘッダ12と下ヘッダ13との互いに対向する対向面12a,13aには、シート状物の幅方向に延在する突条部121,131が、シート状物の通過方向に所定ピッチで複数個並べられている。上ヘッダ12の突条部121と、下ヘッダ13の突条部131とは互い違いに設けられており、いずれのヘッダ12,13の各突条部121,131にも、温風を吹出す複数の吹出口1311が設けられている。これらの吹出口1311は、突条部121,131の、相手方ヘッダ13,12の対向面13a,12aに対向する吹出面121a、131aに設けられたものであって、シート状物の幅方向とシート状物の通過方向との双方に、所定ピッチで複数個ずつ並べられている。なお、上述したように、第1組の上ヘッダおよび下ヘッダに設けられたこれらの吹出口1311と、第12組の上ヘッダおよび下ヘッダに設けられたこれらの吹出口1311はともに、加熱された新鮮風の、箱体内部への給気口になる。
【0046】
図4および図5に示すように、上ヘッダ12に配備されたバグフィルタ20に加熱空気が送り込まれると、このバグフィルタ20は、上ヘッダ12の、複数の突条部121に設けられた複数の吹出口に跨って広がる。また、図5では、下ヘッダ13が図示省略されているが、下ヘッダ13に配備されたバグフィルタ20についても、加熱空気が送り込まれると、上ヘッダ12に配備されたバグフィルタ20と同じように、複数の突条部131に設けられた複数の吹出口1311に跨って広がる。このため、上ヘッダ12においても下ヘッダ13においても、各吹出口から吹き出される温風の圧力(風速)は均一なものとなり、シート状物の浮上が安定する。
【0047】
このように、図4に示す乾燥装置1では、ケーシング149内には、昇華物やゴミを除去するためのフィルタを設けずに、上ヘッダ12および下ヘッダ13にバグフィルタ20を配備させたことにより、ケーシング149の大きさがフィルタの設置スペース分だけ小さくてすみ、乾燥装置をコンパクトにすることができる。また、上ヘッダ供給路144および下ヘッダ供給路145の手前にフィルタがないことから、上ヘッダ供給路144および下ヘッダ供給路145を通過する温風に昇華物やゴミが混入している可能性は高く、昇華物やゴミが、各供給路の内周壁に溜まってしまうことが懸念されるが、図3に示す第1供給管1441,1451および第2供給管1442,1452はいずれも、内周面が平滑なものであるため、昇華物やゴミが引っ掛かりにくく、その内周面に昇華物やゴミが溜まりにくい。
【0048】
なお、ここでは、写真フィルムの支持体となるシート状物を乾燥する例を用いて説明したが、シート状物は写真フィルムの支持体に限らず、磁気記録テープの支持体であってもよい。また、両面に塗布液が塗布されたシート状物を乾燥する例を用いて説明したが、本発明の乾燥装置は、両面のうち片面にしか塗布液が塗布されていないシート状物を乾燥する場合や、前工程で塗布処理とは異なる処理を行うことで塗れたシート状物を乾燥する場合にも適用することができる。
【0049】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明の乾燥装置によれば、空気の滞留が生じることを極力抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の乾燥装置における、箱体外からの空気の給気と、箱体内からの空気の排気とを模式的に示す図である。
【図2】本発明の一実施形態である乾燥装置における空気の流れを示す図である。
【図3】図2に示す乾燥装置に備えられた上ヘッダと下ヘッダとの間を拡大して示した図である。
【図4】図2に示す乾燥装置の加熱ゾーンを、シート状物の搬送方向から模式的に示す図である。
【図5】箱体からケーシングを分離した状態の乾燥装置を、上方から模式的に示す図である。
【図6】図4に示す乾燥装置の、上ヘッダと下ヘッダとの間の部分を中心に示す斜視図である。
【符号の説明】
1 乾燥装置
11 箱体
112 排気口
12 上ヘッダ
13 下ヘッダ
1331 吹出口
15 新鮮風加熱システム
151 ファン
152 ヒータ
153 コントロールバルブ
154 測温抵抗体
155 風量計
156,157 ダンパ
158 制御部
17 内部空気排気システム
171 ファン
172 風量計
173 ダンパ
174 制御部
18 圧力計
19 モニタ手段
9 シート状物

Claims (2)

  1. 搬送中の未乾燥のシート状物を乾燥する乾燥装置において、前記シート状物が内部を通過する、該シート状物の通過方向に離れた位置に設けられた給気口と排気口とを有する箱体と、
    前記給気口に加熱空気を供給する供給手段と、
    前記排気口から前記箱体内部の空気を排気する排気手段と、
    前記箱体内部の圧力を計測する、前記通過方向に分散配置された複数の圧力計と、
    前記圧力計による計測結果に基づいて、前記箱体内部の圧力が、前記給気口から前記排気口に向かって漸次低下している状態にあるか否かをモニタする手段とを備えたことを特徴とする乾燥装置。
  2. 搬送中の未乾燥のシート状物を乾燥する乾燥装置において、
    前記シート状物が内部を通過する箱体と、
    前記箱体内部に該箱体外部の空気を加熱して供給する供給手段と、
    前記箱体内部から該箱体外部に該箱体内部の加熱空気を排気する排気手段とを備え、
    前記箱体が、該箱体の入口側と出口側双方に、前記供給手段からの空気を該箱体内部に導入する供給口を有するとともに、該箱体の入口と出口との中間に、これら双方の供給口から導入された空気を該箱体外部に導く排出口を有し、該箱体内部の圧力がこれら双方の供給口から該排気口に向かって漸次低下している状態に整えられたことを特徴とする乾燥装置。
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