JP2004283101A - 軽量人工土壌 - Google Patents

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Abstract

【課題】建物の屋上や外壁等に設置可能な耐候性、耐久性等を備え、植栽物の育成に適した保水性の優れた軽量人工土壌を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の軽量人工土壌は、ガラス繊維を主体とした積層体内に膨張性マイクロカプセルを分散状態にて含有させ、該膨張性マイクロカプセルを膨張させてなることを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、植物を栽培する人工土壌に関し、特にガラス繊維を主体とし、建物の屋上や外壁等に設置可能な保水性に優れた軽量人工土壌に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から天然土壌の代わりに、取り扱いが容易であり、植物の育成に適した人工土壌の開発が行われている。近年においては、都市のヒートアイランド化現象の影響から、建物の屋上や外壁等を緑化する技術が着目されており、建物の緑化にあたっては、建物の屋上や外壁に人工土壌を設置し、該人工土壌に耐乾性、耐寒性に優れた植物を栽培する方法が採られている。このような建物緑化に用いる人工土壌としては、建物の積載荷重の基準値を満たすものでなければならず、また、人工土壌を敷設する作業性の観点からも、軽量化が望まれている。
軽量化を目的とした人工土壌としては、新聞古紙等を解離したセルロース繊維を吸水性樹脂で結合してシート状としたものや、前記セルロース繊維に、ガラス繊維やロックウール繊維等の無機繊維を加えて、同じく吸水性樹脂で結合してシート状としたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平6−217636号公報(請求項1、第2−3頁)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に開示されているシート状の人工土壌は、セルロース繊維に、若しくはセルロース繊維と無機繊維に、高吸水性樹脂を含有させ、該高吸水性樹脂が吸水時に吸水膨張して繊維間結合を破断又は弛緩することにより、繊維間に所望の間隙を形成しているため、耐候性や耐久性等を備えていないことが想定される。建物屋上や外壁等に設置する人工土壌は、設置場所が地上面と異なることから、強風や紫外線等の天候の影響に耐え得る耐候性や、長期間の設置に耐え得る耐久性等を備えている必要がある。
また、建物緑化に用いる人工土壌は、取り扱い性の観点から、水やり等が不要であり、自然降雨等から植物育成に必要な水分保持を可能とする優れた保水性を備えていることが必要となる。
そこで、本発明は、建物の屋上や外壁等に設置可能な耐候性、耐久性等を備え、植栽物の育成に適した保水性の優れた軽量人工土壌を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の軽量人工土壌は、前記課題を解決するべく、請求項1に記載の通り、ガラス繊維を主体とした積層体内に膨張性マイクロカプセルを分散状態にて含有させ、該膨張性マイクロカプセルを膨張させてなることを特徴とする。
また、請求項2記載の軽量人工土壌は、請求項1記載の軽量人工土壌において、前記膨張性マイクロカプセルを含有した積層体は、前記ガラス繊維を主体とし前記膨張性マイクロカプセルを混合抄造してなるものであることを特徴とする。
また、請求項3記載の軽量人工土壌は、請求項1又は2記載の軽量人工土壌において、前記ガラス繊維は、平均繊維径が0.2〜5μmの微細ガラス繊維であることを特徴とする。
また、請求項4記載の軽量人工土壌は、請求項1乃至3の何れかに記載の軽量人工土壌において、前記膨張後の膨張性マイクロカプセルは、膨張によって、その外殻に透水性を付与されつつ形状を維持していることを特徴とする。
また、請求項5記載の軽量人工土壌は、請求項1乃至4の何れかに記載の軽量人工土壌において、前記膨張性マイクロカプセルは、外殻が熱可塑性樹脂からなることを特徴とする。
また、請求項6記載の軽量人工土壌は、請求項1乃至5の何れかに記載の軽量人工土壌において、前記膨張性マイクロカプセルが、前記積層体中に1〜70質量%含有されていることを特徴とする。
また、請求項7記載の軽量人工土壌は、請求項1乃至6の何れかに記載の軽量人工土壌において、植物育成機能を有する粉体が30質量%以下含有されていることを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の軽量人工土壌は、ガラス繊維を主体とした積層体内に、膨張性マイクロカプセルを分散状態にて含有させ、該膨張性マイクロカプセルを膨張させてなるものである。
また、前記膨張性マイクロカプセルを含有した積層体は、前記ガラス繊維を主体とし前記膨張性マイクロカプセルを混合抄造してなるものであることが好ましい。
また、前記積層体は、ガラス繊維の交絡により間隙が形成されるため、この間隙に水分を吸収し、保水性を確保することができる。尚、後述するように、ガラス繊維として平均繊維径が0.2〜5μmの微細ガラス繊維を使用するようにすれば、保水性はより高まる。更に、膨張後のマイクロカプセルの外殻に透水性を付与させるようにすれば、軽量性を高めるために膨張性マイクロカプセルの含有量を多くした場合であっても、マイクロカプセル内部にも水分を吸収、保持することが可能となるため、マイクロカプセルが上記したようなガラス繊維の交絡によってできた間隙を埋めることによる保水性の低下を補い、前記積層体の保水性が維持あるいは高められる。これにより、植栽物を前記積層体に着根した際に水やり等の管理を不要とし、取り扱い性の良い軽量人工土壌とすることができる。
また、前記積層体は、ガラス繊維自体の絡みによって形成されているため、建物屋上や外壁等に設置した場合でも、風雨による飛散や流出の虞がなく、強風や紫外線等の天候の影響に耐え得る耐候性や、長期間の設置に耐え得る耐久性を備えている。
また、本発明の軽量人工土壌は、ガラス繊維を主体とした積層体内に膨張性マイクロカプセルを分散状態にて含有させ、該膨張性マイクロカプセルを膨張させてなるので、密度が小さく軽量なことから、取り扱い性に優れ、建物屋上や壁面に敷設する場合においても、作業性を著しく低下させるようなことがないとともに、建物の積載荷重の基準値を超える危険性も少なくなる。
【0007】
軽量人工土壌の主体となる前記ガラス繊維としては、例えば、耐酸性のCガラスを、溶融、紡糸後、バーナの火炎で吹き飛ばして得られるガラス短繊維、あるいはCガラスを溶融後、長繊維として紡糸されるガラス長繊維を使用することができる。これらのガラス繊維は、平均繊維径が0.2〜5μmの微細ガラス繊維であることが好ましい。これは、ガラス繊維の平均繊維径が0.2μm未満であると、前記軽量人工土壌の透水性、抄造時の歩留まり、生産性及び原料価格の観点から好ましくなく、5μmを超えると、前記軽量人工土壌の保水性の観点から好ましくないからである。また、ガラス短繊維を用いる場合は、前記軽量人工土壌の保水性、透水性、生産性及び原料価格の各観点のバランスを考慮すると、平均繊維径は1μm程度が好ましい。
【0008】
前記積層体内に含有させる膨張性マイクロカプセルとしては、耐薬品性、耐候性を有し、カプセル即ち殻の中に、例えば加熱により膨張する膨張性材料を内包した構造のものを用いるのがよい。
このような膨張性マイクロカプセルの外殻の材料としては、耐薬品性、耐候性を有し、形状を維持できる程度の強度を示すものが選ばれる。特に、本発明の軽量人工土壌の保水性をより高めるためには、膨張後のカプセル内にも保水できる構造とすべきことから、膨張後のカプセルの外殻に透水性を付与させることが必要であり、この場合、外殻は透水性を得ながらもカプセルとしての形状を維持している必要がある。このような条件に当てはまる材料としては、膨張性を有する熱可塑性樹脂、例えばポリエチレン、ポリオレフィン、ポリアクリロニトリル(PAN)系が挙げられるが、耐薬品性に優れる点と、膨張後の形状維持が良好な点からPAN系が好ましい。
前記膨張性マイクロカプセルの外殻内に内包する前記膨張性材料としては、加熱により膨張する熱膨張性材料、例えば低沸点炭化水素等が使用できる。尚、前記膨張性材料は、カプセルから漏出したとしても人工土壌や植物等に悪影響を与えないものを選択する。
また、膨張前の前記膨張性マイクロカプセルの大きさは、抄造時の均一分散性を考慮すると、直径が数十μm以下であることが好ましい。
【0009】
前記積層体中に含有される膨張性マイクロカプセルの含有量は、1〜70質量%であることが好ましい。これは、膨張性マイクロカプセルの含有量が1質量%未満であると、人工土壌の軽量化、保水性の向上が図れないため好ましくなく、70質量%を超えると、抄造による積層体シートの形成が困難になるため好ましくないからである。
尚、膨張後の積層体の状態であるが、積層体に含まれる膨張性マイクロカプセルは基本的にはその全量が、膨張によって外殻に透水性を付与されつつ形状を維持していることが望ましいが、このような制御を完璧に行うことは難しいことから、例えば、カプセルの全量の中に、膨張によっても外殻に透水性を得られなかったカプセルが一部存在したり、膨張によって形状を維持し切れずに破裂あるいは破壊してしまったカプセルが一部存在していてもよい。また、カプセルの膨張によって外殻に持たせる透水性であるが、必ずしも外殻の全体が透水性を有している必要はなく、外殻の少なくとも1箇所が透水性を有していればよい。
【0010】
また、前記人工土壌には、植物育成機能を有する粉体を30質量%以下含有させることもできる。
前記植物育成機能を有する粉体としては、天然土壌から採取される粉体を用いることが可能である。天然土壌から採取される粉体は、天然土壌から採取された、肥沃土、黒土、赤土、珪藻土等が挙げられる。また、土壌小動物の排泄物からなる耐水性団粒を含有する動植物系有機質土壌等を使用することも可能である。
また、前記植物育成機能を有する粉体としては、親水性無機質土壌改良材を用いることが可能である。親水性無機質改良材としては、カリウム、カルシウム、リン酸カルシウム、これらの材料を複合した化学肥料等が挙げられる。
前記人工土壌に、このような植物育成機能を有する粉体を30質量%以下含有させることで、植栽物に水分のみならず、栄養分も供給できるようになり、植栽物の育成が良好な人工土壌とすることができる。
尚、前記人工土壌に含有される植物育成機能を有する粉体の含有量が30質量%を超える場合は、相対的に、人工土壌の基本をなす前記ガラス繊維や前記膨張性マイクロカプセルの含有量が少なくなるので好ましくない。
【0011】
前記膨張性マイクロカプセルを含有した積層体は、上記したように、前記ガラス繊維を主体とし前記膨張性マイクロカプセルを混合抄造してなることが好ましいが、具体的には、例えば、次のような方法により製造することができる。
(1)微細ガラス繊維を主体として、熱膨張性マイクロカプセルを所定量添加し、ミキサー、パルパー等の分離機により、水中で均一に分散・混合する。
(2)均一に分散・混合した後、カチオン系吸着剤として例えばポリアクリルアミド系吸着剤を適量添加し、ガラス繊維に熱膨張性マイクロカプセルを吸着・担持させる。
(3)得られた抄紙種を丸網、長網又は傾斜式抄紙機を用いて抄造し、ガラス繊維を主体とし膨張性マイクロカプセルを含有した積層体シートを得る。
尚、この後、前記熱膨張性マイクロカプセルを膨張させ本発明の軽量人工土壌シートを得るには、上記で得られた積層体シートを適当な温度に加熱処理して、マイクロカプセルを所定の膨張率に膨張させればよい。これにより、積層体内に均一に分散されたマイクロカプセルが膨張して、該積層体の厚みが均一に膨張する。
また、上記方法にて得られた積層体シートを厚み方向に膨張させても、目的とする軽量人工土壌の厚みに満たない場合は、上記方法で得られた積層体シート若しくは膨張後の人工土壌シートを何層か積層して用いるようにする。積層方法としては、抄造時に積層する方法即ち抄合せ法や抄重ね法、一旦抄造シートを得た後積層する方法等が挙げられる。もちろん、これらの方法の組合せでもよい。
【0012】
このように製造した軽量人工土壌に、例えば、水やり等が不要で、雑草等の他の植物が生えにくい、セダム類等の多肉植物を植生させ、予め設置場所に適した形態とした前記植生済みの軽量人工土壌を、建物屋上等に敷設することにより、建物緑化を実現することができる。
【0013】
【実施例】
次に、本発明の実施例を比較例及び従来例と共に詳細に説明するが、本発明はこの例に限定されるものではない。
(実施例1)
平均繊維径1μmの微細ガラス繊維90質量%と、熱膨張性マイクロカプセル粉体として松本油脂製薬株式会社製の「マツモトマイクロスフェアーF−55」10質量%とを水中で分散・混合後、アクリルアミド系吸着剤を添加してガラス繊維にマイクロカプセルを吸着・担持させた後、通常の抄紙機にて抄造し、95℃で乾燥してガラス繊維と膨張性マイクロカプセルよりなる積層体シートを得た。次いで、該積層体シートを120℃に加熱処理して、積層体中のマイクロカプセルを膨張させ、該カプセルの外殻に透水性を付与するとともに、積層体を厚み方向に膨張させて、人工土壌シートを得た。このシートを積層して厚さ30mmの人工土壌とした。
【0014】
(実施例2)
平均繊維径1μmの微細ガラス繊維80質量%と、熱膨張性マイクロカプセル粉体として松本油脂製薬株式会社製の「マツモトマイクロスフェアーF−55」20質量%とを水中で分散・混合後、アクリルアミド系吸着剤を添加してガラス繊維にマイクロカプセルを吸着・担持させた後、通常の抄紙機にて抄造し、95℃で乾燥してガラス繊維と膨張性マイクロカプセルよりなる積層体シートを得た。次いで、該積層体シートを120℃に加熱処理して、積層体中のマイクロカプセルを膨張させ、該カプセルの外殻に透水性を付与するとともに、積層体を厚み方向に膨張させて、人工土壌シートを得た。このシートを積層して厚さ30mmの人工土壌とした。
【0015】
(実施例3)
平均繊維径1μmの微細ガラス繊維50質量%と、熱膨張性マイクロカプセル粉体として松本油脂製薬株式会社製の「マツモトマイクロスフェアーF−55」50質量%とを水中で分散・混合後、アクリルアミド系吸着剤を添加してガラス繊維にマイクロカプセルを吸着・担持させた後、通常の抄紙機にて抄造し、95℃で乾燥してガラス繊維と膨張性マイクロカプセルよりなる積層体シートを得た。次いで、該積層体シートを120℃に加熱処理して、積層体中のマイクロカプセルを膨張させ、該カプセルの外殻に透水性を付与するとともに、積層体を厚み方向に膨張させて、人工土壌シートを得た。このシートを積層して厚さ30mmの人工土壌とした。
【0016】
(比較例)
平均繊維径1μmの微細ガラス繊維100%を水中で分散後、通常の抄紙機にて抄造し、95℃で乾燥してガラス繊維よりなる積層体シートを得、これを積層して厚さ30mmの人工土壌とした。
【0017】
(従来例)
新聞古紙と叩解パルプとガラス繊維を離解機にて混合離解して質量比で新聞古紙:叩解パルプ:ガラス繊維=10:30:60の組成としたセルロース繊維とガラス繊維からなる混合分散液を所定量取り、これに高吸水性樹脂として、吸水前の平均粒子径が320μmのポリアクリル酸塩系樹脂を添加し、攪拌機にて充分に分散・混合した後、角形手抄機にて抄造し、95℃で乾燥して積層体シートを得、これを積層して厚さ30mmの人工土壌とした。
【0018】
次に、実施例1乃至3、比較例、従来例で得られた人工土壌について、坪量、密度、保水率、根の貫通性を測定した。その結果を表1に示す。尚、試験方法については以下のようにした。
[坪量]
(1)人工土壌を0.1m角に切り取り試料とする。
(2)試料を105±5℃で約30分間乾燥し、デシケータに入れ放冷後、重量を測定した。
(3)得られたデータを10倍して、坪量(1m当たりの重量)とした。
[保水率]
(1)人工土壌を0.1m角に切り取り試料とする。
(2)試料を105±5℃で約30分間乾燥し、デシケータに入れ放冷後、重量(W)を測定した。
(3)試料を室温において純水中に10分間浸漬する。
(4)試料をピンセットで取り出し、垂直に吊り下げ、滴下する水滴間隔が5秒以上となった時点で、湿潤重量(W)を測定する。
(5)次式に従い保水率を求める。
保水率(%)=(W−W)/W×100
[根の貫通性]
(1)人工土壌を、希硫酸を用いてpH4.5〜5.0に調整した水道水中に1時間浸漬する。
(2)これを15cm×10cmの枠の中に入れ、水稲催芽籾20gを播種後、約0.1リットルの覆土をし、十分に散水する。
(3)常法に準じて出芽、緑化し根上がりの発生状況を観察した。
尚、評価は下記の基準で行った。
◎:ほとんど根上がりの発生がなく、且つ局所的な根上がりも、見られない
○:ほとんど根上がりの発生がないが、局所的な根上がりがある
【0019】
【表1】
Figure 2004283101
【0020】
表1から以下のようなことが分かった。
(1)実施例1乃至3の人工土壌の密度は、マイクロカプセルを含有せずガラス繊維100%で構成した比較例の人工土壌に比べ43〜65%低減でき、また、高吸水性樹脂を使用しシートの吸水膨潤を図った従来例の人工土壌に比べても65〜77%低減でき、低密度性が優秀であることが確認できた。これにより、厚さ30mm時の坪量も同様に低減が図れ、軽量性に優れることが確認できた。
(2)実施例1乃至3の人工土壌の保水率は、高吸水性樹脂を使用した従来例の人工土壌に比べ16%以上向上でき、ガラス繊維100%で構成した比較例の人工土壌に比べても6〜7%向上できており、良好な保水性が得られることが確認できた。これは、積層体を形成するガラス繊維同士の間隙が有する保水力に加え、膨張したマイクロカプセルが透水性を有しつつ形状を維持できていることで、カプセル内部にも吸水が可能となったことによるものと考えられる。
(3)実施例1乃至3の人工土壌は、ガラス繊維の交絡による骨格構造をなしているため、連通孔が縦横に張り巡らされており、この間隙に植栽物の根が容易に入り込み得ることから、根の貫通性も良好であることが確認できた。
【0021】
【発明の効果】
本発明の軽量人工土壌は、ガラス繊維を主体とした積層体内に膨張性マイクロカプセルを分散状態にて含有させ、該膨張性マイクロカプセルを膨張させてなるので、密度が小さく軽量なことから、取り扱い性に優れ、建物屋上や壁面に設置する場合、作業性を著しく低下させるようなことがないとともに、建物の積載荷重の基準値を超える危険性も少ないことから、屋上緑化等の建物緑化用途に最適である。
また、本発明の軽量人工土壌は、積層体の骨格をなすガラス繊維同士の交絡が生み出す間隙が、水分確保に適しているとともに、該積層体内に含有された膨張性マイクロカプセルが膨張により透水性を付与されつつ形状を維持するので、該マイクロカプセル内部にも水分を保持することが可能となり、自然降雨等から前記積層体に植栽した植栽物の育成に必要な水分量を十分確保し、保水性に優れた軽量人工土壌とすることができる。
また、本発明の軽量人工土壌を構成する積層体は、ガラス繊維を構成主体とし、ガラス繊維自体の絡みによってシート形成されているため、建物屋上や外壁等に設置した場合でも、風雨による飛散や流出の虞がなく、強風や紫外線等の天候の影響に耐え得る耐候性や、長期間の設置に耐え得る耐久性を備えた軽量人工土壌を提供することができる。
また、本発明の軽量人工土壌は、ガラス繊維を構成主体としていることから、廃棄に際して有害物質を排出する虞がないとともに、従来のようにセルロースを大量に使用せず不燃性のガラス繊維を主に使用していることから、建材としての利用価値も高い。

Claims (7)

  1. ガラス繊維を主体とした積層体内に膨張性マイクロカプセルを分散状態にて含有させ、該膨張性マイクロカプセルを膨張させてなることを特徴とする軽量人工土壌。
  2. 前記膨張性マイクロカプセルを含有した積層体は、前記ガラス繊維を主体とし前記膨張性マイクロカプセルを混合抄造してなるものであることを特徴とする請求項1記載の軽量人工土壌。
  3. 前記ガラス繊維は、平均繊維径が0.2〜5μmの微細ガラス繊維であることを特徴とする請求項1又は2記載の軽量人工土壌。
  4. 前記膨張後の膨張性マイクロカプセルは、膨張によって、その外殻に透水性を付与されつつ形状を維持していることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の軽量人工土壌。
  5. 前記膨張性マイクロカプセルは、外殻が熱可塑性樹脂からなることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の軽量人工土壌。
  6. 前記膨張性マイクロカプセルが、前記積層体中に1〜70質量%含有されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の軽量人工土壌。
  7. 植物育成機能を有する粉体が30質量%以下含有されていることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の軽量人工土壌。
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JP2006280285A (ja) * 2005-03-31 2006-10-19 Daiwa House Ind Co Ltd 垂直面等の立ち上がり面用の緑化構造及び給水マット

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