JP2004282921A - 電源ラック及び電源 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】交流電源1と整流回路2の間に設けられているノン・ヒューズ・ブレーカNFBの補助接点と、平滑用コンデンサCの+側に抵抗R1,R2とFETQ1とツェナーダイオードZD1とスイッチSW1から成る回路を設けて、平滑用コンデンサCに蓄積された電荷を強制的に急速放電させる。これにより、作業者が感電事故を起こすのを防止し、部品発熱及び内部損失を低減する
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、AC/DC変換部と複数のDC/DC変換部をユニット化して構成された電源ラックにおいて、前記DC/DC変換部等のメインテナンス時に、作業者の感電事故を未然に防ぐのに好適な電源ラック、及び電源に関する。
【0002】
【従来の技術】
図8は、パワー・ディストリビューション・ユニットPDU(AC/DC変換部)と複数のパワー・モジュールPMa〜PMn(DC/DC変換部)をユニット化して構成される従来の電源ラックの回路図である。また、図9は、図8に示す電源ラックを示す斜視図である。以下の説明では、発明の属する技術分野において述べた前記AC/DC変換部をパワー・ディストリビューション・ユニットPDUと称し、DC/DC変換部をパワー・モジュールPMと称するものとする。
【0003】
図8と図9から明らかなように、パワー・ディストリビューション・ユニットPDUと複数のパワー・モジュールPMa〜PMnは、パワーサプライ・バックプレインPWR BP(Power Supply Buck Plane :電源基板)に着脱可能に構成されている。
パワー・ディストリビューション・ユニットPDUは、交流電源1から出力される交流電流を、ノン・ヒューズ・ブレーカNFBを介して、整流回路2において整流し、平滑用コンデンサCにより平滑して、パワーサプライ・バックプレインPWR BPに電力を供給している。
【0004】
パワーサプライ・バックプレインPWR BPは、複数のパワー・モジュールPMa,PMb〜PMnを備えている。各パワーモジュールPMa〜PMnは、パワーサプライ・バックプレインPWR BPから受けた直流電圧を所定の電圧に変換して図示しない各々の負荷に供給している。ここで、パワー・モジュールPMa〜PMnは、パワー・ディストリビューション・ユニットPDUから供給される直流電圧が高い場合、通常、絶縁型DC/DCコンバータが用いられる。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−283189号公報(第2頁)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
図8に示す電源ラックには、次のような問題点がある。
【0007】
図8に示す電源ラックにおいて、作業者がそのメインテナンスを行う場合、パワー・ディストリビューション・ユニットPDU内の平滑用コンデンサCに蓄積された電荷に起因する感電事故を未然に防ぐ必要がある。
パワー・ディストリビューション・ユニットPDUをオフにした場合、平滑用コンデンサCに蓄積された電荷は、抵抗Rを通して放電され、作業者の感電事故が防止される。
【0008】
しかし、抵抗Rを通しての放電は、発熱の問題、及び実装スペースの問題に起因して、短時間での放電が困難である。したがって、作業者は、放電が終了したと勘違いして、感電事故に遇う危険性がある。
また、抵抗Rには、電源ラックの運転時に、常に、電流が流れるため、パワー・ディストリビューション・ユニットPDUの運転時における部品発熱の問題、及び内部損失の問題にも直結する。
【0009】
また、前記部品発熱の問題、及び内部損失の問題は、パワー・ディストリビューション・ユニットPDUから電力を受けて動作するパワー・モジュールにおいても問題になる。
【0010】
本発明は、前記した従来技術の問題点に鑑み為されたもので、電源ラックのメインテナンス時等において、平滑用コンデンサの蓄積電荷を急速に放電することを可能にし、作業者が感電事故を起こすのを防止するのに適した電源ラックを提供することにある。
本発明の他の目的は、電源ラックの運転時に、パワー・ディストリビューション・ユニットやパワー・モジュールにおける部品発熱及び内部損失を低減するのに適した電源ラックを提供することにある。
【0011】
本発明の他の目的は、電源内部の整流平滑部に設けられた平滑用コンデンサの蓄積電荷を急速に放電することを可能にし、作業者が感電事故を起こすのを防止するのに適した電源を提供することにある。
本発明の他の目的は、部品発熱及び内部損失を低減することが可能な電源を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の電源ラックは、AC/DC変換部と複数のDC/DC変換部をユニット化して構成される電源ラックにおいて、前記AC/DC変換部に設けられ、前記AC/DC変換部に入力されているAC入力が遮断されたとき開閉動作を行う補助スイッチを有するノン・ヒューズ・ブレーカと、ノン・ヒューズ・ブレーカの補助スイッチの開閉動作に応じて、AC/DC変換部に設けられた平滑用コンデンサに蓄積されている電荷を強制的に放電させる放電回路とを備えたことを特徴とする。
【0013】
請求項2に記載の電源ラックは、請求項1記載の電源ラックにおいて、前記補助スイッチの代わりに、前記AC/DC変換部が故障したとき、前記AC/DC変換部から出力される内部エラー信号によって開閉動作を行うスイッチを有することを特徴とする。
【0014】
請求項3記載の電源ラックは、請求項1記載の電源ラックにおいて、前記補助スイッチの代わりに、前記AC/DC変換部に入力されているAC入力が遮断されたとき、前記AC/DC変換部から出力される停電検出信号によって開閉動作をするスイッチを有することを特徴とする。
請求項4記載の電源ラックは、AC/DC変換部と複数のDC/DC変換部をユニット化し構成される電源ラックにおいて、前記AC/DC変換部から通常運転状態又は運転停止状態を示すドライブ信号が出力されたとき、前記ドライブ信号が通常運転状態を示すとき第1の状態に設定され、前記ドライブ信号が運転停止状態を示すとき第2の状態に設定されるスイッチと、前記スイッチが第2の状態に設定されたとき、AC/DC変換部に設けられた平滑用コンデンサに蓄積されている電荷を放電させる放電回路とを備えたことを特徴とする。
【0015】
請求項5記載の電源ラックは、AC/DC変換部と複数のDC/DC変換部をユニット化して構成される電源ラックにおいて、前記AC/DC変換部と前記複数のDC/DC変換部を着脱可能な基板と、前記基板から前記AC/DC変換部を引き抜くことにより、前記AC/DC変換部に設けられたスイッチを開動作させるスイッチ開回路と、前記スイッチの開動作に応じて、前記AC/DC変換部に設けられた平滑用コンデンサに蓄積されている電荷を強制的に放電させる放電回路とを備えたことを特徴とする。
【0016】
請求項6記載の電源ラックは、請求項1から請求項5のいずれか一つに記載の電源ラックにおいて、前記放電回路は、前記スイッチとして大電流を流すことが可能なスイッチを有することを特徴とする。
請求項7記載の電源は、AC/DC変換部を備えた電源において、AC/DC変換部内に設けられた平滑整流部に存在する平滑用コンデンサに蓄積された電荷を放電させる請求項1に記載の補助スイッチと放電回路を備えたことを特徴とする。
【0017】
請求項8に記載の電源は、AC/DC変換部を備えた電源において、AC/DC変換部内に設けられた平滑整流部に存在する平滑用コンデンサに蓄積された電荷を放電させる請求項2乃至請求項3のいずれか一つに記載のスイッチと放電回路を備えたことを特徴とする。
請求項9記載の電源は、AC/DC変換部を備えた電源において、AC/DC変換部内に設けられた平滑整流部に存在する平滑用コンデンサに蓄積された電荷を放電させる請求項4に記載のスイッチとスイッチ開回路と放電回路を備えたことを特徴とする。
【0018】
請求項10に記載の電源は、AC/DC変換部を備えた電源において、AC/DC変換部内に設けられた平滑整流部に存在する平滑用コンデンサに蓄積された電荷を放電させる請求項5に記載のスイッチとスイッチ開回路と放電回路を備えたことを特徴とする。
請求項11に記載の電源は、AC/DC変換部を備えた電源において、AC/DC変換部内に設けられた平滑整流部に存在する平滑用コンデンサに蓄積された電荷を放電させるスイッチング素子と抵抗の直列回路と、AC/DC変換部から運転停止を示す信号が出力されたとき動作し、前記抵抗と前記スイッチング素子の間の電圧を検出して、検出された電圧が所定の値になるようにスイッチング素子をオン/オフ制御する制御手段とを有していることを特徴とする。
【0019】
請求項1から請求項3に記載の電源ラックによれば、補助スイッチと放電回路の働きにより、平滑用コンデンサに蓄積されている電荷を強制的に放電させることができる。
請求項4に記載の電源ラックによれば、スイッチと放電回路の働きにより、AC/DC変換部に存在する平滑用コンデンサに蓄積されている電荷を強制的に放電させることができる。
【0020】
請求項5に記載の電源ラックによれば、スイッチとスイッチ開回路と放電回路の働きにより、平滑整流部に存在する平滑用コンデンサに蓄積されている電荷を強制的に放電させることができる。
【0021】
請求項6に記載の電源ラックによれば、スイッチと放電回路の働きにより、平滑整流部に存在する平滑用コンデンサに蓄積されている電荷を強制的に放電させることができる。
請求項7に記載の電源によれば、補助スイッチと放電回路の働きにより、平滑整流部に存在する平滑用コンデンサに蓄積されている電荷を強制的に放電させることができる。
【0022】
請求項8に記載の電源によれば、スイッチと放電回路の働きにより、平滑整流部に存在する平滑用コンデンサに蓄積されている電荷を強制的に放電させることができる。
請求項9に記載の電源によれば、スイッチとスイッチ開回路と放電回路の働きによりにより、平滑整流部に存在する平滑用コンデンサに蓄積されている電荷を強制的に放電させることができる。
【0023】
請求項10に記載の電源によれば、スイッチとスイッチ開回路とスイッチ開回路と放電回路の働きによりにより、平滑整流部に存在する平滑用コンデンサに蓄積されている電荷を強制的に放電させることができる。
請求項11に記載の電源によれば、前記直列回路に流れる電流をリニアに制御することができるので、直列回路内のスイッチング素子において主に電力消費を行い、直列回路内の抵抗による電力消費を小さくすることができる。したがって、AC/DC変換部に設けられている平滑用コンデンサに蓄積されている電荷を強制的に放電させることを可能にするとともに、抵抗とスイッチング素子の直列回路から構成される放電回路が溶断することを防止することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態を示す回路図である。図1において、従来技術と同一部分には同一符号を付して、その説明を省略する。なお、第1の実施の形態は、請求項1〜3に対応している。
【0025】
図1に示す第1の実施の形態が図8示す従来技術と相違するのは、平滑用コンデンサCの+側に抵抗R1,R2とFETQ1とツェナーダイオードZD1とスイッチSW1から成る回路が設けられていることである。ここで、スイッチSW1は、ノン・ヒューズ・ブレーカNFBの補助スイッチであり、ノン・ヒューズ・ブレーカNFBが遮断されるのと同期してオフされるスイッチである。また、図8に示す従来技術で設けられていた放電用の抵抗Rは、設けられていない。前記抵抗Rに相当するのは、抵抗R1である。また、抵抗R2は十分に大きな抵抗値を有している。
【0026】
以下、図1に示す第1の実施の形態の動作を説明する。
通常動作時においては、ノン・ヒューズ・ブレーカNFBが導通状態にあるので、スイッチSW1はオンしている。したがって、FETQ1のゲートには、スイッチSW1を通してグランド電位が印加され、FETQ1はオフ状態を保持する。このとき、平滑用コンデンサCの蓄積電荷は、抵抗R2が十分大きな抵抗値を有しているので、スイッチSW1を通して放電されることはない。
【0027】
作業者がメインテナンスのために、ノン・ヒューズ・ブレーカNFBを遮断すると、スイッチSW1が連動してオフする。これによって、FETQ1のゲート電位はアース電位からツェナーダイオードZD1のツェナー電圧に遷移し、FETQ1はオンする。したがって、平滑用コンデンサCに蓄積されていた電荷は、抵抗R1→FETQ1を通してグランドへ放電する。このとき、抵抗R1が放電抵抗の役割を果たす。
【0028】
なお、抵抗R2は、スイッチSW1がオンしているとき、抵抗R2とスイッチSW1を介して微小電流を流すために設けられている。また、スイッチSW1がオフしているとき、前記ツェナー電圧を発生させるためにも設けられている。
【0029】
第1の実施の形態によれば、作業者がメインテナンスを行うとき、ノン・ヒューズ・ブレーカNFBを遮断することにより、FETQ1がオンして、平滑用コンデンサCの蓄積電荷を放電することができる。したがって、作業者が感電する事故を防止することが可能になる。また、パワー・ディストリビューション・ユニットやパワー・モジュールにおける部品発熱及び内部損失を低減することが可能になる。
【0030】
なお、FETQ1の代わりに、リレーやトランジスタやIGBT等を用いることも可能である。
さらに、平滑用コンデンサCの容量が大きく、放電電荷量が多い場合には、FETQ1の代わりに、大電流を流すことができるパワーリレーなどの接点を用いればよい。これは、請求項6に対応する。
【0031】
前記した第1の実施の形態においては、ノン・ヒューズ・ブレーカNFBを遮断状態にしてFETQ1をオンさせたが、本実施の形態はこれに限定されるものではない。
例えば、パワー・ディストリビューション・ユニットPDUに入力されているAC入力が遮断されたとき、パワー・ディストリビューション・ユニットPDUは停電検出信号を出力する。この停電検出信号を用いて、スイッチSW1をオフして、FETQ1をオンし、平滑用コンデンサCの蓄積電荷を放電してもよい。
【0032】
さらに、ノン・ヒューズ・ブレーカNFBや交流電源1等が故障したとき出力される内部エラー信号を用いて、スイッチSW1をオフして、FETQ1をオンし、コンデンサCの蓄積電荷を放電してもよい。
図2は、前記した内部エラー信号を用いた第1の実施の形態の変形例を示す回路図である。すなわち、エラー検出回路3がパワー・ディストリビューション・ユニットPDUの内部エラーや交流電源等の外部エラーを検出し、エラー信号を出力する。スイッチSW1は、エラー信号を受けてオンし、FETQ1がオンする。これにより、コンデンサCの蓄積電荷が放電される。エラー信号としては、前記した停電検出信号も含まれる。これは、請求項2、3に対応する。
【0033】
図3は、本発明の第2の実施の形態を示す回路図である。第2の実施の形態は、パワー・ディストリビューション・ユニットPDUをPWM制御により動作させたときの実施の形態である。図3において、従来技術と同一部分には同一符号を付して、その説明を省略する。なお、この実施の形態は請求項4に対応する。
図3に示すように、整流回路2と平滑用コンデンサCによって直流に変換し、さらにスイッチングトランジスタTrによってオン/オフ制御する。これにより、トランスTの二次側に交流が発生する。発生した交流は、ダイオードD1と平滑用コンデンサCによって直流に変換され、図示しないパワーモジュール(PMa等:図8参照)に出力される。
【0034】
平滑用コンデンサCの+側は、図1と同様に抵抗R1,R2,FETQ1,ツェナーダイオードZD1の構成を有している。FETQ1のゲートは、フォトカプラ5のフォトトランジスタのコレクタと接続され、前記フォトトランジスタのエミッタはグランドされている。また、FETQ1のゲートは、ツェナーダイオードZD1を介してグランドされている。
【0035】
他方において、フォトカプラ5の発光ダイオードは、抵抗R4を介して内部補助電源に接続されている。また、内部補助電源は抵抗R5を介してオペアンプOPの+入力端子に接続されている。オペアンプOPの−入力端子は、ツェナーダイオードZD2を介してグランドに接続されている。オペアンプOPの+入力端子は、スイッチSW2を介してグランドに接続可能に形成されている。また、フォトカプラ5のフォトダイオードの出力及びオペアンプOPの出力は、共にスイッチングIC4に入力されている。スイッチングIC4の出力は、スイッチングトランジスタTrのベースに接続されている。
【0036】
ここで、図3に示すドライブ信号は、パワー・ディストリビューション・ユニットPDUから出力され、パワー・ディストリビューション・ユニットPDUがPWM制御により通常運転を行っているときHとなり、パワー・ディストリビューション・ユニットPDUがPWM制御により停止中であるときLとなる信号である。スイッチSW2は前記ドライブ信号を受けて、ドライブ信号がH(通常運転)のときオフし、ドライブ信号がL(運転停止)のときオンする。
【0037】
次に、図3に示す第2の実施の形態の動作について説明する。
通常動作時においては、交流電源1から出力される交流電流は整流回路2において整流され、平滑用コンデンサCにおいて平滑される。また、ドライブ信号はHであるので、スイッチングトランジスタTrはスイッチングIC4の制御により適切にオン/オフ制御される。したがって、トランスTの一次側には交流電流が流れる。その結果、トランスTの二次側に交流電流が発生し、発生した交流電流はダイオードD1と平滑用コンデンサCにより直流に変換される。
【0038】
前記二次側の直流出力は、一方において、パワーサプライ・バックプレインPWR BPを介して、パワーモジュールPMに入力される(図1参照)。また、前記直流出力は、他方において、抵抗R1,R2,FETQ1,ツェナーダイオードZD1、フォトカプラ5から成る回路に入力される。
このとき、前記スイッチSW2はドライブ信号(Hの状態)を受けてオフになっている。したがって、内部補助電源の出力電流は、抵抗R4を介してフォトカプラ5内の発光ダイオードを流れ、発光ダイオードを光らせる。したがって、フォトカプラ5内のフォトトランジスタはオンしており、FETQ1のゲートはグランドされている。その結果、FETQ1はオフ状態を維持し、平滑用コンデンサCが放電されることはない。
【0039】
次に、作業者のメインテナンス時の動作、事故時の動作について説明する。
例えば、作業者が交流電源1をオフにしたり、整流回路2等に事故が起きたりしたとする。これによって、ドライブ信号がLになる。ドライブ信号がLになると、スイッチSW2がオンする。スイッチSW2がオンすると、オペアンプOPの+入力端子がグランドに下がる。その結果、オペアンプの出力はほぼ0Vになり、スイッチングIC4はスイッチングトランジスタTrのベースにほぼ0Vを出力する。その結果、スイッチングトランジスタTrはオフする。
【0040】
スイッチングトランジスタTrがオフすると、トランスTの一次側に電流が流れなくなるので、トランスTの二次側にも電流が流れなくなる。したがって、平滑用コンデンサCの充電が停止する。
同時に、内部補助電源の電圧は抵抗R5とスイッチSW2を介してグランドされる。その結果、フォトカプラ5内のフォトダイオードに電流が流れなくなり、発光が停止する。したがって、フォトダイオード4内のフォトトランジスタはオフする。これによって、ツェナーダイオードZD1が平滑用コンデンサCの電圧によって定電圧を保持し、FETQ1がオンする。この結果、平滑用コンデンサCに蓄積されていた電荷が、抵抗R1とFETQ1を通して放電される。
【0041】
第2の実施の形態によれば、作業者がメインテナンスを行うとき、及び事故が発生した場合、平滑用コンデンサCの蓄積電荷をすみやかに放電することができる。したがって、作業者が感電する事故を防止することが可能になる。また、パワー・ディストリビューション・ユニットやパワー・モジュールにおける部品発熱及び内部損失を低減することが可能になる。
【0042】
なお、FETQ1の代わりに、リレーやトランジスタやIGBT等を用いることも可能である。
さらに、平滑用コンデンサCの容量が大きく、放電電荷量が多い場合には、FETQ1の代わりに大電流を流すことができるパワーリレーなどの接点を用いればよい。これは、請求項6に対応する。
【0043】
また、ドライブ信号としては、前記停電検出信号やエラー信号等を用いてもよい。
図4は、本発明の第3の実施の形態を示す図である。第3の実施の形態は、作業者がパワー・ディストリビューション・ユニットPDUをパワーサプライ・バックプレインPWR BPから引き抜くときに、平滑用コンデンサを急速に放電させるものである。なお、図4において、従来技術と同一部分には同一符号を付して、その説明を省略する。なお、この実施の形態は請求項5に対応する。
【0044】
図4(a),(b)に示すように、パワーサプライ・バックプレインPWR BPには、パターンPが設けられている。パターンPの第1の端子は、図4(a)に示すように、パワー・ディストリビューション・ユニットPDU内のFETQ1のゲートに接続され、パターンPの第2の端子はパワー・ディストリビューション・ユニットPDU内でグランドされている。
【0045】
ここで、パワー・ディストリビューション・ユニットPDU内のFETQ1は、例えば第1の実施の形態におけるFETQ1(図1参照)に相当する。同様に、パワー・ディストリビューション・ユニットPDU内に示すグランドは、例えば第1の実施の形態におけるスイッチSW1(図1参照)が接続されているグランドに相当する。そして、パワーサプライ・バックプレインPWR BPに設けられたパターンPは、例えば第1の実施の形態におけるスイッチSW1(図1参照)に相当する。
【0046】
作業者が、パワー・ディストリビューション・ユニットPDUを引き抜くことにより、パターンPによってショートされていたFETQ1のゲートに、ツェナー電圧が印加され、FETQ1がオンする。これにより、平滑用コンデンサC(図1参照)に蓄積された電荷が放電される。
第3の実施の形態によれば、作業者がメインテナンスを行うとき、パワー・ディストリビューション・ユニットPDUを引き抜くことにより、平滑用コンデンサCの蓄積電荷を放電することができる。したがって、作業者が感電する事故を防止することが可能になる。また、パワー・ディストリビューション・ユニットやパワー・モジュールにおける部品発熱及び内部損失を低減することが可能になる。
【0047】
なお、FETQ1の代わりに、リレーやトランジスタやIGBT等を用いることも可能である。
さらに、平滑用コンデンサCの容量が大きく、放電電荷量が多い場合には、FETQ1の代わりに大電流を流すことができるパワーリレーなどの接点を用いればよい。これは、請求項6に対応する。
【0048】
以上に述べた第1〜第3の実施の形態において、パワー・ディストリビューション・ユニットの整流平滑部に用いられる整流平滑回路としては、図6(a)に示すピーク整流型、図6(b)に示す昇圧型、図6(c)(d)に示す絶縁型(PWM制御)がある。これらの回路は、公知であるので動作説明は省略する。ここで、付言すれば、請求項1〜3に記載の発明には、ピーク整流型と昇圧型と絶縁型(PWM制御)が適している。請求項4に記載の発明には、絶縁型(PWM制御)が適している。請求項5に記載の発明には、ピーク整流型と昇圧型と絶縁型(PWM制御)が適している。
図5は、本発明の第4の実施の形態を説明するための回路図である。第4の実施の形態は、電源内部の整流平滑部に本発明を適用したものである。この実施の形態は、請求項7〜10に対応する。
【0049】
すなわち、電源PWは、図5に示すように、ノン・ヒューズ・ブレーカNFBと、整流回路20と、平滑用コンデンサC2と、トランスT21と、スイッチングトランジスタTr22と、ダイオードD23,D24と、コイル25と、平滑用コンデンサC3と、制御回路26とから構成されている。
交流電流は、ノン・ヒューズ・ブレーカNFBを介して、整流回路20と平滑用コンデンサC2に入力されて、直流に変換される。得られた直流はスイッチングトランジスタTr22によりオン/オフされ、トランスT21の一次側に入力される。トランスT22の二次側では、ダイオードD23,D24により整流され、コイル25とコンデンサ23により平滑され、直流として出力される。制御回路26は電源の出力電圧を検出し、出力電圧があらかじめ定められた電圧になるように、例えばPWM制御により、スイッチングトランジスタTr22をオン/オフ制御するものである。
【0050】
この第4の実施の形態は、図5に示す平滑用コンデンサC2の蓄積電荷を急速に放電させるとき、図1〜図4に示す各実施の形態で示す回路を、各実施の形態と同様の手法により、適用することができるというものである。
したがって、第4の実施の形態によれば、電源内部の整流平滑部に設けられた平滑用コンデンサの蓄積電荷を急速に放電することができる。したがって、作業者が感電する事故を防止することが可能になる。また、電源内部の部品発熱及び内部損失を低減することが可能になる。
【0051】
図7は、本発明の第5の実施の形態を説明するための回路図である。図7(a)に示すように、前記第1〜第4の実施の形態においては、電力を消費するための抵抗R1とFETQ1の直列回路を用いて、AC/DC変換部に設けられた平滑用コンデンサ(例えば、図1のコンデンサC参照)に蓄積されている電荷を強制的に放電させた。
【0052】
しかし、図7(a)に示す抵抗R1における電力消費が大きいと、抵抗R1とFETQ1の回路から構成される放電回路が溶断する可能性が生じる。
そこで、第5の実施の形態においては、抵抗(R1)による電力消費を小さくして、主にFETQ1において電力消費を行うように工夫している。
ここで、第5の実施の形態においては、FETQ1と抵抗R6の直列回路が放電回路である。また、この実施の形態は請求項11に対応している。
【0053】
以下、第5の実施の形態の動作を説明する。
図7(b)に示すように、内部エラー検出信号又は運転停止状態を示すドライブ信号等がスイッチングIC14に入力されると、スイッチングIC14が起動して、それまでオフ状態にあったFETQ1にオン/オフ動作を開始させる。
ここで、スイッチングIC14には、平滑用コンデンサの+電圧が抵抗R7を介して印加され、かつ前記印加電圧はツェナーダイオードZD3により一定電圧に保持されている。したがって、スイッチングIC14は、前記一定電圧により安定して動作するように構成されている。
【0054】
スイッチングIC14は、前記内部エラー検出信号又はドライブ信号等を受けて、FETQ1のオン/オフ制御を次のように行う。
すなわち、FETQ1のゲートにプラス電圧が印加されるタイミングでは、FETQ1がオンして、FETQ1と抵抗R6を介して平滑用コンデンサに蓄積された電荷を放電する。逆に、FETQ1のゲートにグランド電位が印加されるタイミングでは、FETQ1がオフして、前記平滑用コンデンサに蓄積された電荷の放電を行わない。
【0055】
ここで、オペアンプOP1の+入力端子には前記抵抗R6のFETQ1側の電圧が印加され、かつオペアンプOP1の−入力端子はツェナーダイオードZD4を介してグランドに接続されている。したがって、スイッチングIC4は、オペアンプOP1を介して、抵抗R6のFETQ1側の電圧が一定になるように、FETQ1をオン/オフ制御する。換言すれば、スイッチングIC4は、FETQ1に流れる電流が過大にならないようにリニア制御し、オン幅を制御している。
【0056】
請求項11との対応関係は、次のとおりである。すなわち、スイッチング素子と抵抗の直列回路は、FETQ1と抵抗R6の直列回路が対応する。また、スイッチング素子をオン/オフ制御する制御手段は、スイッチングIC14とオペアンプOP1とツェナーダイオードZD3、ZD4等が対応する。また、AC/DC変換部から運転停止を示す信号は、内部エラー信号やドライブ信号が対応する。
【0057】
この実施の形態によれば、抵抗R6の値は小さく設定可能である。そして、電力消費は、主にFETQ1において行われる。具体的には、抵抗R6は、大電力型の抵抗ではなく、消費電力が数ワット程度の抵抗を用いている。
したがって、第5の実施の形態によれば、AC/DC変換部に設けられている平滑用コンデンサに蓄積されている電荷を強制的に放電させることを可能にするとともに、放電に起因して、前記FETQ1と抵抗R6とから成る放電回路が溶断する事態を防止することができる。
【0058】
さらに、平滑用コンデンサCの容量が大きく、放電電荷量が多い場合には、FETQ1の代わりに大電流を流すことができるパワーリレーやIGBTなどの接点を用いればよい。
【0059】
【発明の効果】
本発明によれば、電源ラックのメインテナンス時等に、作業者が感電事故を起こすのを防止することが可能になる。
【0060】
本発明によれば、電源ラックの運転時に、パワー・ディストリビューション・ユニットやパワー・モジュールにおける部品発熱及び内部損失を低減することが可能になる。
本発明によれば、電源内部の整流平滑部においても、メインテナンス時等に電源内部の整流平滑部に設けられた平滑用コンデンサの蓄積電荷を急速に放電することが可能になる。また、電源内部の整流平滑部においても、部品発熱及び内部損失を低減することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す回路図である。
【図2】第1の実施の形態の変形例を示す回路図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態を示す回路図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態を示す説明図である。
【図5】本発明の第4の実施の形態を説明するための回路図である。
【図6】整流平滑回路の種類を示す回路図である。
【図7】本発明の第5の実施の形態を説明するための回路図である。
【図8】従来の電源ラックの回路図である。
【図9】電源ラックを示す斜視図である。
【符号の説明】
C,C2,C3 平滑用コンデンサ
D23,D24 ダイオード
NFB ノン・ヒューズ・ブレーカ
OP,OP1 オペアンプ
PDU パワー・ディストリビューション・ユニット
PWR BP パワーサプライ・バックプレイン
PM,PMa〜PMn パワー・モジュール
P パターン
PW 電源
Q1 FET
R,R1,R2,R4,R5,R6,R7 抵抗
SW1,SW2 スイッチ
T,T21 トランス
Tr,Tr22 スイッチングトランジスタ
ZD1,ZD2,ZD3,ZD4 ツェナーダイオード
1 交流電源
2 整流回路
3 エラー検出回路
4 スイッチングトランジスタ
5 フォトカプラ
14 スイッチングIC
20 整流回路
25 コイル
26 制御回路
Claims (11)
- AC/DC変換部と複数のDC/DC変換部をユニット化して構成される電源ラックにおいて、
前記AC/DC変換部に設けられ、前記AC/DC変換部に入力されているAC入力が遮断されたとき開閉動作を行う補助スイッチを有するノン・ヒューズ・ブレーカと、
ノン・ヒューズ・ブレーカの補助スイッチの開閉動作に応じて、AC/DC変換部に設けられた平滑用コンデンサに蓄積されている電荷を強制的に放電させる放電回路と
を備えたことを特徴とする電源ラック。 - 請求項1記載の電源ラックにおいて、
前記補助スイッチの代わりに、前記AC/DC変換部が故障したとき、前記AC/DC変換部から出力される内部エラー信号によって開閉動作を行うスイッチを有することを特徴とする電源ラック。 - 請求項1記載の電源ラックにおいて、
前記補助スイッチの代わりに、前記AC/DC変換部に入力されているAC入力が遮断されたとき、前記AC/DC変換部から出力される停電検出信号によって開閉動作をするスイッチを有することを特徴とする電源ラック。 - AC/DC変換部と複数のDC/DC変換部をユニット化して構成される電源ラックにおいて、
前記AC/DC変換部から通常運転状態又は運転停止状態を示すドライブ信号が出力されたとき、前記ドライブ信号が通常運転状態を示すとき第1の状態に設定され、前記ドライブ信号が運転停止状態を示すとき第2の状態に設定されるスイッチと、
前記スイッチが第2の状態に設定されたとき、AC/DC変換部に設けられた平滑用コンデンサに蓄積されている電荷を放電させる放電回路と
を備えたことを特徴とする電源ラック。 - AC/DC変換部と複数のDC/DC変換部をユニット化して構成される電源ラックにおいて、
前記AC/DC変換部と前記複数のDC/DC変換部を着脱可能な基板と、
前記基板から前記AC/DC変換部を引き抜くことにより、前記AC/DC変換部に設けられたスイッチを開動作させるスイッチ開回路と、
前記スイッチの開動作に応じて、前記AC/DC変換部に設けられた平滑用コンデンサに蓄積されている電荷を強制的に放電させる放電回路と
を備えたことを特徴とする電源ラック。 - 請求項1乃至請求項5のいずれか一つに記載の電源ラックにおいて、
前記放電回路は、前記スイッチとして大電流を流すことが可能なスイッチを有することを特徴とする電源ラック。 - AC/DC変換部を備えた電源において、
AC/DC変換部内に設けられた平滑整流部に存在する平滑用コンデンサに蓄積された電荷を放電させる請求項1に記載の補助スイッチと放電回路を備えたことを特徴とする電源。 - AC/DC変換部を備えた電源において、
AC/DC変換部内に設けられた平滑整流部に存在する平滑用コンデンサに蓄積された電荷を放電させる請求項2乃至請求項3のいずれか一方に記載のスイッチと放電回路を備えたことを特徴とする電源。 - AC/DC変換部を備えた電源において、
AC/DC変換部内に設けられた平滑整流部に存在する平滑用コンデンサに蓄積された電荷を放電させる請求項4に記載のスイッチと放電回路を備えたことを特徴とする電源。 - AC/DC変換部を備えた電源において、
AC/DC変換部内に設けられた平滑整流部に存在する平滑用コンデンサに蓄積された電荷を放電させる請求項5に記載のスイッチとスイッチ開回路と放電回路を備えたことを特徴とする電源。 - AC/DC変換部を備えた電源において、
AC/DC変換部内に設けられた平滑整流部に存在する平滑用コンデンサに蓄積された電荷を放電させるスイッチング素子と抵抗の直列回路と、
AC/DC変換部から運転停止を示す信号が出力されたとき動作し、前記抵抗と前記スイッチング素子の間の電圧を検出して、検出された電圧が所定の値になるようにスイッチング素子をオン/オフ制御する制御手段と
を有していることを特徴とする電源。
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JP2006121849A (ja) * | 2004-10-22 | 2006-05-11 | Toyoda Mach Works Ltd | 直流安定化電源 |
JP2008220111A (ja) * | 2007-03-07 | 2008-09-18 | Fujitsu Telecom Networks Ltd | 停電検出回路を備えた電源装置 |
WO2011026337A1 (zh) * | 2009-09-01 | 2011-03-10 | 中兴通讯股份有限公司 | 一种并联式基站电源的监控系统及其方法 |
CN112117911A (zh) * | 2020-09-25 | 2020-12-22 | 江苏方天电力技术有限公司 | 一种直流750v转直流240v的变换器装置 |
-
2003
- 2003-03-17 JP JP2003071985A patent/JP2004282921A/ja active Pending
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