JP2004281955A - 窒化物半導体の製造方法、窒化物半導体用気相成長装置、窒化物半導体ウェハ、窒化物半導体デバイス - Google Patents

窒化物半導体の製造方法、窒化物半導体用気相成長装置、窒化物半導体ウェハ、窒化物半導体デバイス Download PDF

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Tsuneaki Fujikura
序章 藤倉
Kazuyuki Iizuka
和幸 飯塚
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Abstract

【課題】窒化物半導体の製造に関し、生産効率を大幅に向上し生産コストを効果的に低減することを可能にする。
【解決手段】成長が行われる成長室1外の基板熱清浄化部2又は成長装置4外の基板熱清浄化装置5で清浄化プロセスを行い、これにより昇温した基板11又は41を成長室1又は成長装置4に搬送して窒化物半導体の成長プロセスを実行し、この成長プロセスを実行している間に、成長室1外の基板熱清浄化部2又は成長装置4外の基板熱清浄化装置5において、次の基板に対する清浄化プロセスを実行する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、窒化物半導体の製造方法・装置及びウェハならびにデバイスに関し、特に製造にかかる時間の大幅な短縮を可能とする方法及びこれを実現する装置、ならびに、これを用いた窒化物半導体ウェハとデバイスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
窒化物半導体を含めて、一般に半導体の気相成長においては、基板の温度を室温付近から高温の成長温度へ上げる過程、高温において基板表面を清浄化する過程、実際に半導体の成長を行う過程、及び、半導体の成長後に基板温度を成長温度から室温付近へ下げる過程を含んでおり、これらの全過程は同一の成長室内で一貫して行うのが一般的である。
【0003】
もっとも、清浄化室と成長室とを別々に設けることも知られている(例えば、特許文献1参照)。ただし、この特許文献1のものは、表面清浄化と結晶成長を同一の真空槽内で行う場合、一般に基板温度は表面清浄化時の方が結晶成長よりも高いため、結晶成長時に吸着していた残留成分が、次の基板の表面清浄化時には、より高い基板温度における熱的影響によってガスとして再放出し、成長層内のバックグラウンドを悪化させるという問題がある、という観点から、清浄化室と成長室とを別々に設けるものであり、ゲートバルブを開けて清浄化室から成長室に基板を送り、基板温度500〜800℃で成長を行い、成長終了後、成長室から基板を予備室に移す、という一連の操作を繰り返す方法のものである。
【0004】
窒化物半導体の成長方法の中でも、現在の主流であるサファイア基板上へ有機金属気相成長(MOVPE)法による2段階成長法においては、上記昇温、高温での清浄化、1100℃付近での成長、降温の各過程に加えて、600℃以下での低温バッファ層の成長及びその前後の昇降温過程もまた同一の成長室内で行われるため、更なる昇降温プロセスが追加される。
【0005】
すなわち、2段階成長法においては、サファイア基板を成長室に導入した後、まずサファイア基板を水素を含む雰囲気中で1000℃以上の高温に加熱し表面を清浄化し、その後基板温度を500℃近傍に下げ、20〜30nmの窒化物半導体をバッファ層(低温バッファ層)として成長し、その後基板温度を700〜1000℃近傍まで上昇した後に、実際にデバイスを構成する窒化物半導体層を成長し、成長終了後に基板温度を室温近くまで下げる。
【0006】
この2段階成長法により10〜10cm−2程度の転位密度を有する窒化物半導体が得られ、これを用いた発光ダイオード(LED)や高電子移動度トランジスタ(HEMT)などが実現されている。
【0007】
【特許文献1】
特開平8−274037号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、大量生産による生産コスト低減のために多数ウェハの同時成長が可能な大型の成長装置を用いた場合、装置の大型化に伴い装置の熱容量が増大するため、上述の基板温度の昇降温プロセスにかかる時間が非常に長くなり、そのための人件費の増大が多数枚成長による生産コスト低減の効果を相殺してしまうという問題が生じる。
【0009】
殊に、現在窒化物半導体の成長方法の主流であるサファイア基板上へのMOVPE装置による2段階成長法において、この問題は深刻である。すなわち、2段階成長法においては、上述のように2度の昇降温過程(室温→1000℃(清浄化)→500℃(低温バッファ層)、及び、500℃→700〜1000℃(成長温度)→室温(取り出し))を含むため、場合によっては成長時間の半分以上を昇降温時間が占め、成長時間の増加による生産コストの増加が、多数枚成長による生産コストの減少を上回ってしまうという深刻な問題が生じる。
【0010】
上記した特開平8−274037号公報の製造方法では、清浄化室と成長室とを別々に設けてはいるものの、基板を清浄化するプロセスと実際に半導体を成長するプロセスを逐次的に繰り返すものであって、並行処理するものではないため、生産効率の更なる向上が望まれる。
【0011】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、窒化物半導体の気相成長法において、一の基板群に対し半導体を成長する処理を実行している間に、他の基板群に対する昇温又は降温を伴う処理の一部(例えば清浄化等)を実行し、これにより生産効率を大幅に向上し生産コストを効果的に低減する窒化物半導体の製造方法、窒化物半導体用気相成長装置、及び、それらによる安価な窒化物半導体ウェハならびに窒化物半導体デバイスを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、次のように構成したものである。
【0013】
請求項1に記載の窒化物半導体の製造方法は、基板上に窒化物半導体を気相成長法を用いて成長する方法であって、少なくとも上記窒化物半導体成長開始以前に上記基板を清浄化するプロセスと、実際に窒化物半導体を成長するプロセスを含む方法において、成長が行われる成長室の外で上記清浄化プロセスを行い、これにより昇温した基板を成長室に搬送し、窒化物半導体の成長プロセスを実行し、この成長プロセスを実行している間に、成長室外において、次の基板に対する清浄化プロセスを実行することを特徴とする。
【0014】
これは、例えば、処理すべき第一の基板群と第二の基板群のうち、一方の基板群に対し半導体を成長するプロセスを成長室内にて実行している間に、他方の基板群に対する昇温又は降温を伴うプロセスの一部(ここでは清浄化プロセス)を、成長室の外にて実行するものである。このように成長室内にて半導体を成長する処理と、成長室外にて昇温又は降温を伴う処理の一部(ここでは清浄化プロセス)とを平行処理することにより、効率良く窒化物半導体を製造することができる。
【0015】
請求項2に記載の窒化物半導体の製造方法は、基板上に窒化物半導体を気相成長法を用いて成長する方法であって、少なくとも上記窒化物半導体成長開始以前に上記基板を清浄化するプロセスと、実際に窒化物半導体を成長するプロセスを含む成長法を用いて、複数回の窒化物半導体の成長を行う方法において、上記清浄化を既に行った基板上への上記窒化物半導体の成長室内での成長と、次に成長を行う基板の成長室外での上記清浄化プロセスを、概ね同時に行うことを特徴とする。
【0016】
これは、例えば、処理すべき基板を奇数回目の基板群と、偶数回目の基板群とに分け、一方の奇数回目の基板群に対し半導体を成長する処理を実行している間に、他方の偶数回目の基板群に対する昇温又は降温を伴う処理の一部として、成長室の外にて、清浄化の処理を実行するものである。これによれば、成長室の外での清浄化プロセスにより昇温した基板を成長室に搬送し、窒化物半導体の成長プロセスを実行することになるため、昇降温にかかる時間を短縮することができる。従って、請求項2の方法は、窒化物半導体の成長を開始する以前に基板を高温で清浄化し、次いで窒化物半導体を低温と高温の二段階で成長する成長法を用いて、複数回の窒化物半導体の成長を行う方法において特に有利である。
【0017】
請求項3に記載の窒化物半導体の製造方法は、基板上に窒化物半導体を気相成長法を用いて成長する方法であって、基板の温度を室温付近から高温の成長温度へ上げるプロセス、高温において基板表面を清浄化するプロセス、実際に半導体の成長を行う過程、及び、半導体の成長後に基板温度を成長温度から室温付近へ下げるプロセスを含む成長法を用いて、窒化物半導体の成長を行う方法において、室温近傍と上記窒化物半導体の成長温度近傍間の上記基板の温度の昇降の少なくとも一部を、実際に成長を行う成長室の外で行うことを特徴とする。
【0018】
これは、処理すべき基板を第一の基板群と第二の基板群のうち、一方の基板群に対し半導体を成長する処理を実行している間に、他方の基板群に対する昇温又は降温を伴う処理の一部として、成長室の外にて、基板の温度を室温付近から高温の成長温度へ上げる処理及び高温の成長温度から室温付近に下げる処理の一部を実行するものである。このように成長室内にて半導体を成長する処理と、成長室外にて昇温又は降温を伴う処理の一部(ここでは室温付近から成長温度への昇温及び成長温度から室温付近への降温)とを平行処理することにより、効率良く窒化物半導体を製造することができる。
【0019】
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の窒化物半導体の製造方法において、基板の清浄化を行う装置部分あるいは装置と成長室との間の基板の搬送を、上記基板の温度を1000℃付近の窒化物半導体の成長温度に保持したまま行うことを特徴とする。
【0020】
請求項5の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の窒化物半導体の製造方法において、基板の清浄化を行う装置部分あるいは装置と成長室との間の上記基板の搬送を基板の温度を室温よりも高い温度(例えば300℃以上)に保持したまま行うことを特徴とする。
【0021】
請求項6の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の窒化物半導体の製造方法であって、上記基板の清浄化プロセスと上記窒化物半導体成長プロセスの間に更に、上記窒化物半導体の成長温度よりも低温で成長された窒化物半導体低温バッファ層の成長プロセスを含む窒化物半導体の製造方法において、上記清浄化プロセス終了後に、基板温度を上記低温バッファ層成長温度近傍に保持したまま、基板の清浄化を行う装置部分あるいは装置から成長室へと上記基板を搬送し、成長室において上記基板上への上記低温バッファ層の成長及び上記窒化物半導体の成長を行うことを特徴とする。
【0022】
請求項7の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の窒化物半導体の製造方法であって、上記基板の清浄化プロセスと上記窒化物半導体成長プロセスの間に更に、上記窒化物半導体の成長温度よりも低温で成長された窒化物半導体低温バッファ層の成長プロセスを含む窒化物半導体の製造方法において、上記清浄化プロセス終了後に、基板温度が室温以上の状態で、清浄化を行う装置部分あるいは装置から成長室へと上記基板の搬送を行い、成長室において上記基板上への上記低温バッファ層の成長及び上記窒化物半導体の成長を行うことを特徴とする。
【0023】
請求項8の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の窒化物半導体の製造方法であって、上記基板の清浄化プロセスと上記窒化物半導体成長プロセスの間に更に、上記窒化物半導体の成長温度よりも低温で成長された窒化物半導体低温バッファ層の成長プロセスを含む窒化物半導体の製造方法において、上記清浄化プロセス及び上記低温バッファ層成長プロセスを実際に成長を行う成長室外で行い、その後上記基板温度を上記低温バッファ層成長温度近傍に保持したまま、成長室への上記基板の搬送を行い、成長室において上記窒化物半導体の成長を行うことを特徴とする。
【0024】
請求項9の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の窒化物半導体の製造方法であって、上記基板の清浄化プロセスと上記窒化物半導体成長プロセスの間に更に、上記窒化物半導体の成長温度よりも低温で成長された窒化物半導体低温バッファ層の成長プロセスを含む窒化物半導体の製造方法において、上記清浄化プロセス及び上記低温バッファ層成長プロセスを実際に成長を行う成長室外で行い、その後上記基板温度が室温以上の状態で、成長室への上記基板の搬送を行い、成長室において上記窒化物半導体の成長を行うことを特徴とする。
【0025】
請求項10の発明は、請求項1〜9のいずれかに記載の窒化物半導体の製造方法において、上記成長室内又は成長室外への基板の搬送を、純窒素雰囲気中、純水素雰囲気中、純アルゴン雰囲気中、純アンモニア雰囲気中、またはこれらのガスの混合雰囲気中、あるいは、真空中で行うことを特徴とする。
【0026】
請求項11の発明は、請求項1〜10のいずれかに記載の窒化物半導体の製造方法において、上記気相成長方法が、有機金属気相成長(MOVPE)法あるいはハイドライド気相成長(HVPE)法であることを特徴とする。
【0027】
請求項12の発明は、請求項1〜11のいずれかに記載の窒化物半導体の製造方法において、上記基板が、サファイア等の金属酸化物、あるいは、シリコンや炭化シリコンといった半導体基板、又は、少なくとも最上層に単結晶窒化物半導体結晶を有する基板であることを特徴とする。
【0028】
請求項13の発明は、請求項1〜12のいずれかに記載の窒化物半導体の製造方法において、上記清浄化プロセスが、水素、窒素、アルゴン、アンモニア、酸素、あるいは、これらの混合雰囲気中での熱清浄化であることを特徴とする。
【0029】
請求項14の発明は、請求項1〜13のいずれかに記載の窒化物半導体の製造方法において、上記清浄化プロセスが、水素、窒素、酸素、あるいは、酸化窒素のプラズマ照射であることを特徴とする。
【0030】
請求項15に記載の発明は、請求項1〜14のいずれかに記載の窒化物半導体の製造方法を用いて製造されたことを特徴とする窒化物半導体ウェハである。
【0031】
請求項16に記載の発明は、請求項15の窒化物半導体ウェハを用いて製造されたことを特徴とする窒化物半導体デバイスである。
【0032】
請求項17に記載の窒化物半導体用気相成長装置は、成長が行われる成長室の外で清浄化プロセス又は清浄化プロセスと低温バッファ層の成長プロセスを行い、これにより昇温した基板を成長室に搬送し、窒化物半導体の成長プロセスを実行し、この成長プロセスを実行している間に、次の基板に対する成長室外での清浄化プロセスを実行するための窒化物半導体用気相成長装置において、成長プロセスを実行する成長用成長室と、この成長用成長室に第一の密閉可能な扉又はゲートバルブを介して接続して設けられた基板搬送部と、この基板搬送部に第二の密閉可能な扉又はゲートバルブを介して接続して設けられた上記清浄化プロセス又は清浄化プロセスと低温バッファ層の成長プロセスを実行する基板清浄化部とを有することを特徴とする窒化物半導体用気相成長装置。
【0033】
<発明の要点>
本発明の要点は、窒化物半導体の気相成長において、基板清浄化を含む成長前プロセスを実際に成長を行う成長室外で行う点にある。
【0034】
連続して複数回の窒化物半導体ウェハの成長を行う場合、ある窒化物半導体ウェハの成長中に、次に成長に用いる基板の成長前プロセスを同時並行して行うため、生産効率の大幅の向上が可能となり、窒化物半導体ウェハ並びにデバイスの生産コストの低減が可能となる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図示の実施例に基づいて説明する。
【0036】
[実施例1]
本実施例では、常圧MOVPE法を用いたサファイア基板上への窒化物半導体の2段階成長法に本発明を適用した。本実施例における成長シーケンスを図1に示す。また、本実施例で使用した成長装置の概略図を図2に示す。
【0037】
成長装置は、成長プロセスを実行する成長用成長室1と、この成長用成長室に第一の密閉可能な扉13を介して接続して設けられた基板搬送部3と、この基板搬送部に第二の密閉可能な扉23を介して接続して設けられた上記清浄化プロセスを実行する基板熱清浄化部(基板清浄化部)2とを有する。すなわち、成長装置は、成長室1、基板熱清浄化部2及び基板搬送部3の独立した部分に分かれており、各部の間は密閉可能な扉13と扉23で仕切られている。また、基板熱清浄化部2には、装置外との試料の出し入れを行う扉26も有している。
【0038】
成長室1は、内部に試料台12を収納可能に構成されていると共に、これに対する原料供給部14と排気部15が設けられている。また基板熱清浄化部2には、内部に試料台12を収納可能に構成されていると共に、この基板熱清浄化部2において清浄化プロセス又は清浄化プロセスと低温バッファ層の成長プロセスを実行するため、ガス導入部24とガス排出部25が設けられている。なお、本実施例では、1つの試料台12に4枚の2インチサファイア基板11を接着して用いるように構成している。
【0039】
また、基板搬送部3には、基板の搬送を、純窒素雰囲気中、純水素雰囲気中、純アルゴン雰囲気中、純アンモニア雰囲気中、またはこれらのガスの混合雰囲気中で行うための、ガス導入部34及びガス排出部35が設けられている。さらに、基板搬送部3の途中には、基板搬送時に成長室1からの試料台12を退避させておき、基板熱清浄化部2からの試料台12とクロスさせるための退避部36が設けられている。
【0040】
図1において、横軸は実験開始からの経過時間であり、縦軸は温度である。図1の下半分は、成長室1内における試料台12すなわち基板11の温度を示しており、上半分は試料台がそれ以外の、基板熱清浄化部2あるいは基板搬送部3にある際の試料台の温度を示している。
【0041】
以下、本実施例における成長手順について、順を追って説明する。まず、実験開始時には、成長装置内には試料台は入っていない。4枚の2インチ径のサファイア基板を接着した第1番目の試料台(1) を、まず試料交換用の扉26から装置内に導入した後に、装置内全体を窒素雰囲気として、自動搬送機構により試料台(1) を成長室1に導入する。本実施例においては、以下に述べる全ての試料搬送時に、原料供給部14、排気部15、ガス導入部24、ガス排出部25、ガス導入部34、ガス排出部35を用いて、成長装置内部全体を窒素に置換して行っている。
【0042】
試料台12の導入が終了した時点で扉13を閉じ、成長室内に水素を50リッター/分のレートで導入しつつ、図1に示すように基板を1000℃付近に加熱し、10分間の基板の熱清浄化を行う。その後、基板温度を500℃にまで下げ、20nmの厚さのGaN低温成長バッファ層を成長する。この際のGa原料、窒素原料としては、トリメチルガリウム及びアンモニアをそれぞれ、80μmol/分、10リッター/分の供給レートで供給した。その後、基板を再び1000℃に加熱し、上記と同じ原料供給レートで、2μmの厚さのアンドープGaNの成長を行った。
【0043】
この1000℃でのGaN成長開始直後に第2の試料台(2) を扉26より基板熱清浄化部2に導入する。その後、基板熱清浄化部2内部へ、ガス導入部24より水素を10リッター/分のレートで導入し、且つガス排出部25から同じレートでガスの排出を行いつつ、試料台(2) の温度を1000℃に上げ10分間の熱清浄化を行った。熱清浄化後に、試料台(2) の温度を500℃まで冷却し、先に成長を開始した試料台(1) の成長終了まで、その温度のまま保持した。
【0044】
試料台(1) 上のウェハへの1000℃でのGaN層の成長終了後、試料台(1) は500℃に冷却される。試料台(1) (2) 共に温度が500℃となった時点で、成長装置内全体が窒素雰囲気とされ、扉13から試料台(1) が搬出され、一度退避部36に試料台(1) を退避し、扉23及び13を通って試料台(2) が成長室1に導入され、試料台(1) は扉23から基板熱清浄化部2に搬出される。この間、試料台(1) (2) の温度は500℃に保持されている。
【0045】
その後、成長室1へ導入された試料台(2) 上のサファイア基板上へ、上記試料台(1) の場合と同様にGaN低温成長バッファ層成長、及び、1000℃でのGaN成長を行った。この場合、既に終了している基板の熱清浄化は行わない。
【0046】
試料台(2) への成長中に、試料台(1) の成長装置外への搬出と、次に成長するサファイア基板を接着した試料台(3) の熱清浄化部2への導入を行った。以下、試料台(6) まで同様に続け、約11時間で6回のGaN成長を行い、計24枚のGaNウェハを製作した。
【0047】
図3は、本発明によらない、従来の2段階成長法を用いて同様のGaN成長を行った場合の成長手順を示したものである。この場合には、熱清浄化、低温成長バッファ成長、窒化物半導体成長(本実施例ではGaN)の全てを成長室内で行うため、約11時間で本実施例の半分の3回しか成長ができない。
【0048】
また、本実施例によるGaNウェハを、X線回折測定により評価したところ、従来法で作製したGaNウェハとほぼ同等の(002)回折ピークの半値幅を示し、従来法によるGaNウェハと同等の結晶性を有していることが明かとなった。
【0049】
すなわち、本実施例においては、従来法と比較して2倍の生産効率で、従来法と同等の結晶性を有する窒化物半導体ウェハの製作に成功しており、本発明が窒化物半導体ウェハの生産コストの低減に効果的であることを示している。
【0050】
[実施例2]
実施例1においては、試料台を成長室1と基板熱清浄化部2との間で搬送する際の成長装置内は窒素雰囲気に保たれていた。本実施例においては、搬送中の雰囲気を、純窒素に加えて、純水素、純アルゴン、及び、これらの混合ガスと様々に変えて実施例1と同様な実験を行い、搬送中の雰囲気がGaNウェハの結晶性に与える効果を調べた。混合ガスの組合せとしては、水素70%+窒素30%、水素30%+窒素70%、水素70%+アルゴン30%、水素30%+アルゴン70%、窒素70%+アルゴン30%、窒素30%+アルゴン70%、及び、水素10%+窒素70%+アルゴン20%を用いた。
【0051】
これらのいずれの場合においても、(2) 〜(6) の成長で製作したGaNウェハのX線回折測定結果は、従来法によるGaNウェハに対する結果とほぼ同等であり、これらの純ガス及び混合ガスはいずれも、実施例1で用いた純窒素と同様に本発明において採用可能であることが示された。
【0052】
[実施例3]
実施例1と同様な実験を、搬送中の温度を500℃〜室温の間で様々に変えて行い、その効果を調べた。基板熱清浄化部2における1000℃での熱清浄化の終了後に、基板温度を500℃〜室温の間で様々に変えて保持し、その温度のまま基板を成長室1へ導入し、その後500℃での低温バッファ層の成長、1000℃でのGaN層の成長を、実施例1と同様に行った。
【0053】
図4は、搬送中の温度20℃(室温)、100℃、300℃、及び、500℃の場合の、4回目の成長(4) で製作したGaNウェハのX線回折(002)ピークの半値幅を示している。搬送中の温度の低下と共に、X線回折ピークの半値幅が徐々に増加しており、このことはGaNの結晶性が徐々に劣化していることを示している。しかしながら、室温で搬送した場合においても、半値幅は340秒であり、従来法によるGaNの半値幅300秒と比較してもその増加はわずかであり、実用上問題ない。(2) 〜(6) 全ての成長において、同様の結果が得られている。
【0054】
搬送中の温度を20℃とした場合には、約11時間の間に計5回のGaN成長が完了した。このことは、搬送中の温度を500℃とした実施例1の場合よりは若干生産効率は下がるが、基板搬送部に加熱機構を持たず室温で基板搬送を行う場合においても、従来法とほぼ同等の結晶性の窒化物半導体ウェハを、従来法以上の生産効率で製作できることを示している。
【0055】
[実施例4]
本実施例においても前述の実施例と同様に、サファイア基板上へのGaNの2段階MOVPE成長を行っている。しかしながら本実施例においては、基板熱清浄化部2において基板を熱清浄化した後に基板温度が500℃になった時点で、ガス導入部より水素ガス(50リッター/分)、トリメチルガリウム(80μmol/分)、アンモニア(10リッター/分)をガス導入部24より導入し、GaN低温成長バッファ層の成長を基板熱清浄化部2で行っている。その後、基板熱清浄化部2内及び基板搬送部3を窒素50%、水素25%、アンモニア25%の混合雰囲気として、基板温度を500℃〜室温の間の様々な温度に設定して、その温度のまま基板搬送部3を通して基板を成長室1へ導入し、その後実施例1と同様にGaNの成長をおこなった。
【0056】
図5に、本実施例で製作したGaNウェハのX線回折(002)ピークの半値幅を示す。搬送を室温〜500℃の間で行ったGaNウェハのX線回折ピークの半値幅に有意差は無く、従来法によるGaNウェハと同等の半値幅を示した。
【0057】
本実施例においては、搬送中の温度を500℃とした場合、約11時間の間に7回の成長が完了し、更なる生産効率の向上が達成された。また、搬送中の基板温度が20℃の場合においても、実施例1の場合と同じ約11時間に6回の成長が完了した。
【0058】
[実施例5]
図6は、炭化シリコン(SiC)基板上へのGaNのMOVPE成長に本発明を適用した例を示している。比較の為に、図7に従来法による炭化シリコン上へのGaN成長の手順を示した。
【0059】
まず、従来法の手順を以下に説明する。炭化シリコン基板を成長室に導入後に、水素(50リッター/分)を流しつつ、基板を1000℃に加熱し基板表面の熱清浄化を行う。その後、基板温度を維持したまま、原料ガスとしてトリメチルアルミニウム(20μmol/分)とアンモニア(10リッター/分)を成長室1に導入し、100nmのAlN層を成長する。この上に、実施例1と同様に2μmの厚さのGaNを成長し、その後基板温度を室温付近まで下げる。
【0060】
本実施例では、上述の基板の熱清浄化の部分までを基板熱清浄化部2で行い、その後基板温度をT(=室温〜1000℃)として、成長室1へ導入し、再び基板温度を1000℃に設定した後に、2μmの厚さのGaNを成長した。成長終了後に、再び基板温度をT(=室温〜1000℃)に設定し、基板熱清浄化を終了した次の基板と交換した。図6はTが900℃の場合の成長手順を示している。
【0061】
まず、生産効率においては、当然ながらTが成長温度と同じ1000℃付近である場合に最大の生産効率が得られた。この場合、約11時間の間に11回の成長を完了した。
【0062】
これに対して、従来法によるGaNの成長においては、約11時間の間に5回の成長しか完了していない。このことから、本発明による炭化シリコン上へのGaNの成長においては、Tが成長温度と同じ1000℃付近である場合、従来法と比較して2倍以上の生産効率を達成できていることが明らかである。Tが800、900℃の場合には、約11時間の間に10回の成長が完了し、Tが600、700℃の場合には8回、Tが400℃の場合には7回の成長が完了している。また、Tが200℃の場合には、約11時間の間に6回の成長が完了した。この場合にもわずか成長1回分ではあるが、生産効率が向上している。
【0063】
図8に、本実施例で成長したGaNウェハのX線回折(002)ピークの半値幅のT依存性を示す。図8示すように、Tが室温〜1000℃の範囲において、目立った結晶性の劣化は認められなかった。
【0064】
以上より、本発明による炭化シリコン上へのGaNのMOVPE成長において、生産効率の向上を達成する為には、Tを200℃以上に、より好ましくは600℃以上に、更に好ましくは800℃以上に、最も好ましくは成長温度と同じ1000℃付近にする必要がある。
【0065】
また、本実施例では基板として炭化シリコンを用いたが、シリコン基板上のGaNのMOVPE成長も本質的には炭化シリコン上のGaNのMOVPE成長と同じ成長手順が適用できるため、本発明はシリコン基板上のGaNに適用可能であることも明らかである。
【0066】
さらに、サファイア基板上のGaNのHVPE成長、及び、最表面にGaN単結晶層を有する基板(GaN単結晶基板、及び、最表面にGaN膜を有するサファイア基板等)上へのGaN成長においても成長は、基板熱清浄化(1000℃付近)、GaN成長(1000℃付近)の順番で行われ、ほぼ炭化シリコン上へのGaN成長と同じ成長手順である。このことからまた、本発明をサファイア上のGaNのHVPE成長、及び、最表面にGaN単結晶層を有する基板上へのGaN成長に適用可能であることも明らかである。
【0067】
本実施例に付随する効果としては、更に成長装置のヒータの寿命(ヒータが切れるまでの、通電時間の積算値)が従来法の約1.5倍となったことが挙げられる。これは、本発明により従来法で行われていた急激なヒータ温度の昇降が無くなり、ヒータにかかる負担が減ったためと考えられる。
【0068】
[実施例6]
実施例1において、基板熱清浄化を水素以外の各種のガス雰囲気中で行った結果、窒素、アルゴン、アンモニア、及び、酸素を雰囲気とした場合に、従来法と同等の結晶性を有するGaNウェハを得ることができた。
【0069】
[実施例7]
本実施例では、これまでの実施例とは異なり、図9に示すようなそれぞれが独立した成長装置4、基板清浄化装置5、及び、基板搬送装置6を用いてサファイア基板上へのGaNの2段階成長を行った。成長装置4は減圧式のMOVPE装置であり、その内部に基板41を接着した試料台42を収納可能であり、原料供給部44及び排気部45を備えている。また、基板清浄化装置5は、その内部に基板41を接着した試料台42を収納可能であり、エレクトロンサイクロトロン共鳴(ECR)プラズマ源を備えており、各種のガスプラズマを装置内部に導入可能である。また、基板表面へ紫外線を照射する機能も備えている。
【0070】
基板搬送装置6は移動可能であり、その内部に基板を接着した試料台を収納可能であり、かつ、ヒータにより試料台の温度を室温〜1000℃の範囲で変える機能を有している。さらに基板搬送装置6には、各種のガスを導入及び、装置内部を高真空にするポンプの接続が可能なポート64が備えられている。
【0071】
また、成長装置4、基板清浄化装置5、及び、基板搬送装置6はそれぞれ互いに接続可能な機構を備えたゲートバルブ46、56、66を備えており、外気にさらすことなく相互間の基板の搬送が可能となっている。
【0072】
基板清浄化装置5内で、サファイア基板表面を水素、窒素、酸素、あるいは、酸化窒素プラズマに曝し清浄化した後に、基板搬送装置6中で基板温度を500℃に保持しつつ窒素雰囲気中で成長装置へ移動した。その後、実施例1と同様にGaN低温成長バッファ層成長、及び、1000℃でのGaN成長を行ったところ、従来法と同等の結晶性を有するGaN結晶が得られた。
【0073】
以上の手順を実施例1と同様なGaNの多数回繰り返し成長に適用した結果、約11時間で5回の成長を完了することができた。実施例1の場合よりも成長回数が少ないのは、装置間のバルブの接続のための時間が必要なためである。しかしながら、この方法においても従来法以上の生産効率を達成している。また、基板搬送装置内を真空にして基板搬送を行った場合も同様の結果が得られている。
【0074】
[実施例8]
実施例1で用いたのと同様な方法を、サファイア基板上へのGaN系青色LED用ウェハ(P−GaN/P−AlGaN/InGaN量子井戸/n−GaN/サファイア構造)の製作に用いたところ、従来法では10時間かけてで2回(8枚分)の成長を行っていたところを、10時間で4回(16枚分)成長を行うことができた。さらに、本実施例によるLEDウェハを用いて製作した青色LEDの20mA駆動時の光出力は、従来法による青色LEDと同じ約5mWであった。
【0075】
すなわち、本発明によれば従来法と同等の特性の光デバイスを高い生産効率で安価に生産することが可能となる。
【0076】
[実施例9]
実施例5で用いたのと同様な方法を、炭化シリコン基板上へのHEMTウェハ(n−AlGaN/アンドープGaN/AlN/炭化シリコン構造)の製作に用いたところ、従来法では10時間かけて4回(16枚分)の成長をおこなっていたところを、10時間で9回(36枚分)の成長を行うことができた。このHEMTウェハを用いて実際にHEMT素子を作製し、その静特性を調べたところ、従来法によるウェハを用いたHEMT素子と同等の150mS/mmの相互コンダクタンスを示した。
【0077】
すなわち、本発明によれば従来法と同等の特性の電子デバイスを高い生産効率で安価に生産することが可能となる。
【0078】
【発明の効果】
以上説明してきた通り、本発明によれば、窒化物半導体の気相成長法において、一の基板群に対し半導体を成長する処理を実行している間に、他の基板群に対する昇温又は降温を伴う処理の一部(例えば清浄化等)を実行するものであるため、生産効率を大幅に向上することができる。また本発明によれば、成長室の外での清浄化プロセス又は清浄化プロセスと低温バッファ層の成長プロセスの実行により昇温した基板を成長室に搬送し、窒化物半導体の成長プロセスを実行することとなるため、昇降温にかかる時間を短縮することができる。これらの作用効果は、窒化物半導体の成長を開始する以前に基板を高温で清浄化し、次いで窒化物半導体を低温と高温の二段階で成長する成長法を用いて、複数回の窒化物半導体の成長を行う場合において特に顕著であり、その生産効率を大幅に向上することができる。
【0079】
よって本発明によれば、結果窒化物半導体ウェハの生産コストを効果的に低減し、従来以上に安価な窒化物半導体ウェハならびにデバイスの生産が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法の実施例1における成長手順を示した図である。
【図2】本発明の実施例1において使用した窒化物半導体用気相成長装置の概略図である。
【図3】従来のMOVPE法による2段階成長法の成長手順を示した図である。
【図4】本発明の実施例3における、搬送中基板温度と成長後のGaNのX線回折(002)ピークの半値幅の関係を示した図である。
【図5】本発明の実施例4における、搬送中基板温度と成長後のGaNのX線回折(002)ピークの半値幅の関係を示した図である。
【図6】本発明の実施例5における成長手順を示した図である。
【図7】従来のMOVPE法による炭化シリコン上へのGaNの成長手順を示した図である。
【図8】本発明の実施例5における、搬送中基板温度と成長後のGaNのX線回折(002)ピークの半値幅の関係を示した図である。
【図9】本発明の実施例7において使用した成長システム(窒化物半導体用気相成長装置)の概略図である。
【符号の説明】
1 成長室
2 基板熱清浄化部
3 基板搬送部
4 成長装置
5 基板清浄化装置
6 基板搬送装置
11 基板
12 試料台
13、23、26 扉
14 原料供給部
15 排気部
24、34 ガス導入部
25、35 ガス排出部
46、56、66 ゲートバルブ

Claims (17)

  1. 基板上に窒化物半導体を気相成長法を用いて成長する方法であって、少なくとも上記窒化物半導体成長開始以前に上記基板を清浄化するプロセスと、実際に窒化物半導体を成長するプロセスを含む方法において、
    成長が行われる成長室の外で上記清浄化プロセスを行い、これにより昇温した基板を成長室に搬送し、窒化物半導体の成長プロセスを実行し、この成長プロセスを実行している間に、成長室外において、次の基板に対する清浄化プロセスを実行することを特徴とする窒化物半導体の製造方法。
  2. 基板上に窒化物半導体を気相成長法を用いて成長する方法であって、少なくとも上記窒化物半導体成長開始以前に上記基板を清浄化するプロセスと、実際に窒化物半導体を成長するプロセスを含む成長法を用いて、複数回の窒化物半導体の成長を行う方法において、
    上記清浄化を既に行った基板上への上記窒化物半導体の成長室内での成長と、次に成長を行う基板の成長室外での上記清浄化プロセスを、概ね同時に行うことを特徴とする窒化物半導体の製造方法。
  3. 基板上に窒化物半導体を気相成長法を用いて成長する方法であって、
    基板の温度を室温付近から高温の成長温度へ上げるプロセス、高温において基板表面を清浄化するプロセス、実際に半導体の成長を行う過程、及び、半導体の成長後に基板温度を成長温度から室温付近へ下げるプロセスを含む成長法を用いて、窒化物半導体の成長を行う方法において、
    室温近傍と上記窒化物半導体の成長温度近傍間の上記基板の温度の昇降の少なくとも一部を、実際に成長を行う成長室の外で行うことを特徴とする窒化物半導体の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の窒化物半導体の製造方法において、
    基板の清浄化を行う装置部分あるいは装置と成長室との間の基板の搬送を、上記基板の温度を1000℃付近の窒化物半導体の成長温度に保持したまま行うことを特徴とする窒化物半導体の製造方法。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載の窒化物半導体の製造方法において、
    基板の清浄化を行う装置部分あるいは装置と成長室との間の上記基板の搬送を基板の温度を室温よりも高い温度に保持したまま行うことを特徴とする窒化物半導体の製造方法。
  6. 請求項1〜3のいずれかに記載の窒化物半導体の製造方法であって、上記基板の清浄化プロセスと上記窒化物半導体成長プロセスの間に更に、上記窒化物半導体の成長温度よりも低温で成長された窒化物半導体低温バッファ層の成長プロセスを含む窒化物半導体の製造方法において、
    上記清浄化プロセス終了後に、基板温度を上記低温バッファ層成長温度近傍に保持したまま、基板の清浄化を行う装置部分あるいは装置から成長室へと上記基板を搬送し、
    成長室において上記基板上への上記低温バッファ層の成長及び上記窒化物半導体の成長を行うことを特徴とする窒化物半導体の製造方法。
  7. 請求項1〜3のいずれかに記載の窒化物半導体の製造方法であって、上記基板の清浄化プロセスと上記窒化物半導体成長プロセスの間に更に、上記窒化物半導体の成長温度よりも低温で成長された窒化物半導体低温バッファ層の成長プロセスを含む窒化物半導体の製造方法において、
    上記清浄化プロセス終了後に、基板温度が室温以上の状態で、清浄化を行う装置部分あるいは装置から成長室へと上記基板の搬送を行い、
    成長室において上記基板上への上記低温バッファ層の成長及び上記窒化物半導体の成長を行うことを特徴とする窒化物半導体の製造方法。
  8. 請求項1〜3のいずれかに記載の窒化物半導体の製造方法であって、上記基板の清浄化プロセスと上記窒化物半導体成長プロセスの間に更に、上記窒化物半導体の成長温度よりも低温で成長された窒化物半導体低温バッファ層の成長プロセスを含む窒化物半導体の製造方法において、
    上記清浄化プロセス及び上記低温バッファ層成長プロセスを実際に成長を行う成長室外で行い、
    その後上記基板温度を上記低温バッファ層成長温度近傍に保持したまま、成長室への上記基板の搬送を行い、成長室において上記窒化物半導体の成長を行うことを特徴とする窒化物半導体の製造方法。
  9. 請求項1〜3のいずれかに記載の窒化物半導体の製造方法であって、上記基板の清浄化プロセスと上記窒化物半導体成長プロセスの間に更に、上記窒化物半導体の成長温度よりも低温で成長された窒化物半導体低温バッファ層の成長プロセスを含む窒化物半導体の製造方法において、
    上記清浄化プロセス及び上記低温バッファ層成長プロセスを実際に成長を行う成長室外で行い、
    その後上記基板温度が室温以上の状態で、成長室への上記基板の搬送を行い、成長室において上記窒化物半導体の成長を行うことを特徴とする窒化物半導体の製造方法。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の窒化物半導体の製造方法において、
    上記成長室内又は成長室外への基板の搬送を、純窒素雰囲気中、純水素雰囲気中、純アルゴン雰囲気中、純アンモニア雰囲気中、またはこれらのガスの混合雰囲気中、あるいは、真空中で行うことを特徴とする窒化物半導体の製造方法。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の窒化物半導体の製造方法において、
    上記気相成長方法が、有機金属気相成長(MOVPE)法あるいはハイドライド気相成長(HVPE)法であることを特徴とする窒化物半導体の製造方法。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載の窒化物半導体の製造方法において、
    上記基板が、サファイア等の金属酸化物、あるいは、シリコンや炭化シリコンといった半導体基板、又は、少なくとも最上層に単結晶窒化物半導体結晶を有する基板であることを特徴とする窒化物半導体の製造方法。
  13. 請求項1〜12のいずれかに記載の窒化物半導体の製造方法において、
    上記清浄化プロセスが、水素、窒素、アルゴン、アンモニア、酸素、あるいは、これらの混合雰囲気中での熱清浄化であることを特徴とする窒化物半導体の製造方法。
  14. 請求項1〜13のいずれかに記載の窒化物半導体の製造方法において、
    上記清浄化プロセスが、水素、窒素、酸素、あるいは、酸化窒素のプラズマ照射であることを特徴とする窒化物半導体の製造方法。
  15. 請求項1〜14のいずれかに記載の窒化物半導体の製造方法を用いて製造されたことを特徴とする窒化物半導体ウェハ。
  16. 請求項15の窒化物半導体ウェハを用いて製造されたことを特徴とする窒化物半導体デバイス。
  17. 成長が行われる成長室の外で清浄化プロセス又は清浄化プロセスと低温バッファ層の成長プロセスを行い、これにより昇温した基板を成長室に搬送し、窒化物半導体の成長プロセスを実行し、この成長プロセスを実行している間に、次の基板に対する成長室外での清浄化プロセスを実行するための窒化物半導体用気相成長装置において、
    成長プロセスを実行する成長用成長室と、この成長用成長室に第一の密閉可能な扉又はゲートバルブを介して接続して設けられた基板搬送部と、この基板搬送部に第二の密閉可能な扉又はゲートバルブを介して接続して設けられた上記清浄化プロセス又は清浄化プロセスと低温バッファ層の成長プロセスを実行する基板清浄化部とを有することを特徴とする窒化物半導体用気相成長装置。
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