JP2004281937A - 配線基板及びその製造方法 - Google Patents

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Haruhiko Murata
晴彦 村田
Kazuhisa Sato
和久 佐藤
Yukihiro Aoyama
幸裕 青山
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Abstract

【課題】基板の耐ノイズ性の悪化やパッドを含んだ伝送経路のインピーダンス不整合が生じにくく、金属端子パッドの間隔を縮小した構造の配線基板を提供する。
【解決手段】配線基板において、金属端子パッド10,17は、第一主表面CP側からCuメッキ層52、Niメッキ層53,55及びAuメッキ層54,56を積層する。各メッキ層は、BGA側が電解Niメッキ層53及び電解Auメッキ層54、C4側が無電解Niメッキ層55及び無電解Auメッキ層56である。パッド形成面をなす誘電体層6の第一主表面CPには、金属端子パッド10,17に一端が結合される金属配線が配置されないか、又は、配置されていても、該金属配線の他端側が内層導体層7にビア34を介して接続する。ソルダーレジスト層8,18は開口8a,18aの内周縁部にて、金属端子パッド10,17のCuメッキ層52の、面粗化処理を施した主表面外周縁部52pと接する。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、配線基板とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
特開2002−4098号公報
【0003】
ICあるいはLSI等のチップ接続用として使用される多層配線基板のうち、オーガニックパッケージ基板と称されるものは、高分子材料からなる誘電体層と導体層とが交互に積層された配線積層部を有し、該配線積層部の誘電体層にて形成された第一主表面上に、フリップチップ接続用あるいはマザーボード接続用(例えばBGAあるいはPGAによる)の複数の金属端子パッドが配置される。これら金属端子パッドは、配線積層部内に位置する内層導体層にビアを介して導通する。内層導体層及びビアは導電率の良好なCu系金属で構成されるのが一般的であり、金属端子パッドも、これらと接続する本体部分がCuメッキ層として形成される。しかし、金属端子パッドにはチップやマザーボードと接続するための半田が接触するので、半田との結合力及びぬれ性を向上させるため、Auメッキが施される。
【0004】
ところで、金属端子パッドの本体部分をなすCuメッキ層は、リフロー工程やその他の組立工程における加熱により、Cuメッキ層からAuメッキ層表面にCuが拡散により湧き上がり、Auメッキ層表面がCuの酸化層で覆われて半田ぬれ性や半田接合性が損なわれる可能性がある。そこで、Cuメッキ層を形成した後、Auメッキ層への拡散が少なくかつ半田接合性も良好なNiメッキ層を形成し、そのNiメッキ層上にAuメッキ層を形成するパッド構造が広く採用されている。このNiメッキ層の形成方法には電解Niメッキを用いる方法と、無電解Niメッキを用いる方法との2種類がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
無電解Niメッキを用いる方法によると、誘電体層上に互いに絶縁された複数のパッドに対しても、メッキ液への浸漬により簡単にNiメッキ層を形成できる。しかしながら、一般に使用されている無電解Niメッキ浴は、還元剤として次亜リン酸ソーダなどのリン酸化合物が使用されるため、得られるNiメッキ層に4〜8質量%もの比較的多量のリンが必然的に含有されたものしか得られない問題がある。Auメッキ層上にSn−Pb合金からなる半田を接触させると、Auメッキ層を溶かし込んだ半田が、下地のNiメッキ層と接触することがある。このとき、Niメッキ層中にリンが多量に含まれていると、Niとともに共析出したリンが半田とのぬれ性を阻害し、接続不良を生ずる惧れがある。
【0006】
また、無電解Niメッキ浴には、還元剤として水素化ホウ素化合物を用いる非リン酸系浴も知られている。該浴を用いると、Niメッキ層のリン濃度は大幅に低減できるが、Ni析出の還元反応時に多量の水素ガスが発生し、この水素ガスがNiメッキ層中に取り込まれて気泡や膨れといった不良を生じやすい問題がある。結局のところ、現状では無電解Niメッキ浴でを用いた場合、上記の理由により配線基板のパッド形成用として好適な性状のNiメッキ層が得られていないのが実情である。
【0007】
他方、電解Niメッキを用いる場合は、浴がリンや水素混入源となる還元剤が使用されないので、半田に対するぬれ性や密着性の良好なNiメッキ層が得られる利点がある。しかし、従来の電解Niメッキを用いたパッド形成工程では、パッドが形成される誘電体層面(パッド形成面)上に、パッドに接続するメッキ用の導通路(タイバー)を複雑に入り組んだ形で形成する必要がある。この方式では、パッド間にメッキタイバー挿入用のスペースを確保しなければならないので、パッドの配列間隔を一定以上には縮小できなくなり、基板面積の増大を引き起こしやすくなるとともに、設計上の制約も非常に大きくなる問題がある。また、メッキタイバーは、末端が電気的に開放した不要な導通路として、最終的にはパッドに付随した形で基板上に残留する。すると、該部分がノイズ収拾源となって、基板の耐ノイズ性が悪化したり、あるいはパッドを含んだ伝送経路のインピーダンス不整合を招く原因となることも、大きな欠点の一つである。
【0008】
マザーボード接続用(例えばBGAあるいはPGAによる)の金属端子パッドには、マザーボードとの高い接合強度が要求されることから、半田とのぬれ性が良好な電解Niメッキ層を積層形成することが望ましい。しかし、上記したように、電解Niメッキの採用には、いくつかの別の障害が付随してくる。そのため、一種のジレンマに陥っているのが現状である。
【0009】
本発明の課題は、電解Niメッキ層を有した金属端子パッドが設けられているにもかかわらず、基板の耐ノイズ性の悪化やパッドを含んだ伝送経路のインピーダンス不整合が生じにくく、また、金属端子パッドの間隔を容易に縮小することができ、ひいてはコンパクト化に有利な構造を有した配線基板と、その製造方法とを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】
上記課題を解決するために本発明の配線基板は、
第一主表面が誘電体層にて形成されるように、高分子材料からなる誘電体層と導体層とが交互に積層された配線積層部と、該配線積層部の誘電体層にて形成された第一主表面上に配置される複数の金属端子パッドとを有し、それら金属端子パッドの少なくとも一部のものが、配線積層部内に位置する内層導体層にビアを介して導通した構造を有する配線基板であって、
配線積層部として、板状コアの第一主表面に形成される第一配線積層部と、同じく第二主表面に形成される第二配線積層部とが設けられ、それぞれ金属端子パッドが設けられ、第一配線積層部の金属端子パッドと、第二配線積層部の金属端子パッドとが、板状コアに設けられたスルーホール導体にて接続されてなり、
金属端子パッドは、第一主表面側からCuメッキ層、Niメッキ層及びAuメッキ層がこの順序で積層されてなり、
第一配線積層部側のNiメッキ層が無電解Niメッキ層であり、第二配線積層部側のNiメッキ層が電解Niメッキ層とされ、かつ、誘電体層の第一主表面には、金属端子パッドに一端が結合され、他端が開放したメッキ用金属配線が形成されておらず、さらに、
第一配線積層部及び第二配線積層部において、Niメッキ層が、Cuメッキ層の主表面に対し該主表面の外周縁内側に収まるように形成され、該Cuメッキ層のNiメッキ層に覆われていない主表面外周縁部に面粗し処理が施され、該第一配線積層部及び第二配線積層部の第一主表面はソルダーレジスト層にて覆われてなり、該ソルダーレジスト層は金属端子パッドを個別に露出させるための開口を有するとともに、該開口の内周縁が金属端子パッドの主表面外周縁よりも内側に張り出して位置し、当該開口の内周縁部にて、Cuメッキ層の面粗し処理が施された主表面外周縁部と接してなることを特徴とする。
【0011】
たとえば、第一配線積層部側の金属端子パッドは、一方を集積回路チップなどをフリップチップ接続するためのパッドとして利用でき、第二配線積層部側の金属端子パッドは、配線基板自体をマザーボード等にピングリッドアレイ(PGA)あるいはボールグリッドアレイ(BGA)により接続するためのパッドとして利用できる。
【0012】
上記本発明の配線基板によると、第一配線積層部及び第二配線積層部の金属端子パッドは、いずれも第一主表面側からCuメッキ層、Niメッキ層及びAuメッキ層がこの順序で積層されるとともに、Niメッキ層が電解/無電解Niメッキ層とされ、かつ、誘電体層の第一主表面には、金属端子パッドに一端が結合され他端が開放したメッキ用金属配線が形成されていない。つまり、誘電体層の第一主表面(パッド形成面)には、金属端子パッドに一端が結合される金属配線が配置されないか、又は、配置されていても、該金属配線の他端側が内層配線層にビアを介して接続される。また、金属端子パッドにビアを介して接続される内層配線層にも、末端が開放したメッキ用金属配線は含まれない構造となる。つまり、本発明の配線基板は、末端が電気的に開放した不要な導通路が排除された構造となっている。その結果、該不要な導通路による基板の耐ノイズ性の悪化や、パッドを含んだ伝送経路のインピーダンス不整合を効果的に防止できる。そして、不要な導通路が設けられない分、パッド間スペースも節約でき、基板のコンパクト化に寄与できる他、配線レイアウトの複雑化も生じにくいので、設計上の制約も少なくなる。そして、無電解Niメッキ層を用いた従来技術では両立できなかった課題解決、すなわち、第二配線積層部側の金属端子パッドを構成するNiメッキ層が、リンや水素の含有率を低くできる電解メッキ層として構成されているから、半田に対するぬれ性や密着性の向上も同時に達成できる。
【0013】
また、本発明の配線基板においては、第二配線積層部側の金属端子パッドを電解Niメッキ層にて構成する一方、第一配線積層部側の金属端子パッドを無電解Niメッキ層にて構成している。しかしながら、前述したように、第一配線積層部側の金属端子パッドを、フリップチップ接続用とするならば、半導体素子と基板との間に樹脂を注入して接合部が保護されるため、BGA用やPGA用とする場合に比べて、無電解Niメッキ層でも大きな問題には発展しない。
【0014】
また、各Niメッキ層が、Cuメッキ層の主表面に対し該主表面の外周縁内側に収まるように形成され、かつ、該Cuメッキ層のNiメッキ層に覆われていない主表面外周縁部に面粗し処理が施される。そして、その面粗し処理が施されたCuめっき層の主表面外周縁部に、ソルダーレジスト層の開口内周縁部が接しているので、該ソルダーレジスト層の開口内周縁部とCuめっき層の主表面外周縁部との密着性が向上し、特に半田リフロー等の熱サイクルが加わった場合においても、開口内周縁部にてソルダーレジスト層のはがれ等が生じにくくなり、ひいては良好な半田接続状態を容易に得ることができる。
【0015】
また、上記本発明の配線基板の構造は、以下の本発明の配線基板の製造方法を採用することによりはじめて実現可能となるものである。すなわち、本発明の配線基板の製造方法は、上記本発明の配線基板を製造するために、
第一配線積層部の第一主表面において、複数の金属端子パッドの形成予定領域を互いに連結する形でメッキ用下地導電層を形成するメッキ用下地導電層形成工程と、
第一配線積層部の第一主表面において、メッキ用下地導電層の形成後に、金属端子パッド形成予定領域にCuメッキ層を選択的に形成する第一Cuメッキ工程と、
第二配線積層部の第一主表面の、複数の金属端子パッドの形成予定領域に、Cuメッキ層を電気的に分離された形で形成する第二Cuメッキ工程と、
第二配線積層部のCuメッキ層の主表面を面粗し処理する第一面粗し工程と、
該第一面粗し工程の終了後に、第二配線積層部の第一主表面に、開口を有するソルダーレジスト層を、該開口の内周縁部にて、Cuメッキ層の面粗し処理が施された主表面外周縁部が当該ソルダーレジスト層にて覆われるように形成する第一ソルダーレジスト形成工程と、
第一配線積層部の第一主表面側を保護膜で被覆しつつ、メッキ用下地導電層を電流供給路として、該メッキ用下地導電層にて連結される第一配線積層部側のCuメッキ層に、スルーホール導体を介して導通する、第二配線積層部側のCuメッキ層にメッキ電流を供給することにより、該Cuメッキ層の主表面外周縁部を除いた領域に電解Niメッキ層を形成する電解Niメッキ工程と、
電解Niメッキ工程が終了した後、第一配線積層部の第一主表面の、金属端子パッド形成予定領域以外の領域に形成されたメッキ用下地導電層を除去するメッキ用下地導電層除去工程と、
第一配線積層部のCuメッキ層の主表面を面粗し処理する第二面粗し工程と、
該第二面粗し工程の終了後に、第一配線積層部の第一主表面に、開口を有するソルダーレジスト層を、該開口の内周縁部にて、Cuメッキ層の面粗し処理が施された主表面外周縁部が当該ソルダーレジスト層にて覆われるように形成する第二ソルダーレジスト形成工程と、
第二配線積層部側をマスク材で被覆しつつ、第一配線積層部側におけるソルダーレジスト層の開口の内側に露出するCuメッキ層上に、無電解Niメッキ層を形成する無電解Niメッキ工程と、
各Niメッキ層上にAuメッキ層を形成するAuメッキ工程と、
を含むことを特徴とする。
【0016】
上記本発明の方法によると、第一配線積層部及び第二配線積層部の各第一主表面の、複数の金属端子パッドの形成予定領域にCuメッキ層を形成し、次いで、Cuメッキ層の主表面を面粗し処理する。そして、面粗し工程の終了後に、第一配線積層部及び第二配線積層部の各第一主表面に、開口を有するソルダーレジスト層を、該開口の内周縁部にて、Cuメッキ層の面粗し処理が施された主表面外周縁部が当該ソルダーレジスト層にて覆われるように形成する。これにより、面粗し処理されたCuメッキ層の主表面外周縁部とソルダーレジスト層の開口内周縁部とを直接接触させた構造を得ることができる。
【0017】
また、各金属端子パッドは最終的には電気的に分離することが必要であるが、パッドのNiめっき層を電解Niメッキにより形成するには、配線積層部の第一主表面上に配列した金属端子パッド同士が電気的に互いに導通していなければならない。本発明の製造方法においては、第一配線積層部の第一主表面において、金属端子パッドのCuメッキ層同士を互いに連結するための、メッキ用下地導電層を形成する(このメッキ用下地導電層もCuメッキ層として形成できるが、これに限られるものではない)。これにより、第一配線積層部側では、各金属端子パッドのCuメッキ層同士を電気的に連結することができ、上記のメッキ用下地導電層をメッキ導通経路として使用することが可能となる。一方、第二配線積層部側のパッドについては、第一配線積層部側のパッドとスルーホール導体を介して接続されているもの同士が、第一配線積層部側のメッキ用下地導電層により電気的に導通しあう。したがって、電流導入端子部を露出させつつ第一配線積層部の第一主表面を保護膜で被覆すれば、第二配線積層部側にのみ、選択的に電解Niメッキ層を形成することができる。そして、該電解Niメッキが終了後に、第一配線積層部側の不要なメッキ用下地導電層をエッチング等により除去するとともに、Cuメッキ層の主表面の面粗し工程と、ソルダーレジスト形成処理とを行う。さらに、第二配線積層部側を保護膜で被覆し、無電解Niメッキ処理を施せば、第一配線積層部側では無電解Niメッキ層、第二配線積層部側では電解Niメッキ層を有する金属端子パッドを容易に形成することができる。また、Niメッキ層、あるいはその上に形成するAuメッキ層を、メッキ用下地導電層を除去する際のエッチング液に曝さずに済むため、メッキ層の表面にダメージが及ぶことを回避できる。
【0018】
特に、第二配線積層部においては、金属端子パッドの電解Niメッキ層の外周縁部が、Cuメッキ層の面粗し処理が施された主表面外周縁部とともに、開口の内周縁部にてソルダーレジスト層により覆われた構造とすることができる。この場合、開口の内周縁部にてソルダーレジスト層は、面粗し処理が施されたCuメッキ層の主表面外周縁部と接すことで密着性が向上し、さらに、電解Niメッキ層の外周縁部とも接することで、電解Niメッキ層を押さえ込む効果が生じ、ひいては電解Niメッキ層とCuメッキ層との結合強度が向上する。該構造は、パッド毎の半田接合面積が大きく、リフロー時の熱応力も付加されやすいBGAパッドやPGAパッドに適用すると、より有利である。
【0019】
また、第一Cuメッキ工程において、メッキ用下地導電層の金属端子パッド形成予定領域にCuメッキ層を選択的に形成する方法としては、金属端子パッド形成予定領域が露出するようにメッキ用下地導電層をマスク材にて覆い、その状態でCuメッキを行なう方法が簡便であり、本発明に好適に採用できる。電解Cuメッキを採用する場合は、Cuメッキ工程に先立って、第一配線積層部の第一主表面において、複数の金属端子パッドの形成予定領域を互いに連結する形でメッキ用下地導電層を形成するメッキ用下地導電層形成工程を実施し、次いでCuメッキ工程において、配線積層部の第一主表面の、複数の金属端子パッドの形成予定領域に、Cuメッキ層を電解Cuメッキにより選択的に形成すればよい。
【0020】
本発明の配線基板においては、第一配線積層部及び第二配線積層部において、金属端子パッドのNiメッキ層が、Cuメッキ層の主表面の、ソルダーレジスト層の開口内部に位置する領域にのみ形成された構造とすることができる。これによると、ソルダーレジスト層の開口内部にのみNiメッキ層が形成され、ソルダーレジスト層の開口内周縁部と接するのが面粗し処理されたCuメッキ層面のみとなるので、ソルダーレジスト層と金属端子パッドの主表面外周縁部との密着性をより高めることができる。該構造は、第一配線積層部及び第二配線積層部の各第一主表面において、ソルダーレジスト層を形成した後、Cuメッキ層のソルダーレジスト層の開口内側に露出する領域に電解又は無電解Niメッキを施すことにより簡単に得ることができる。
【0021】
上記構造を得る際に、第二Cuメッキ工程において電解Cuメッキを採用する場合は、次のような工程を採用すると便利である。まず、第二Cuメッキ工程に先立って、第二配線積層部の第一主表面において、複数の金属端子パッドの形成予定領域を互いに連結する形でメッキ用下地導電層を形成するメッキ用下地導電層形成工程を実施する。次いで第二Cuメッキ工程において、第二配線積層部の第一主表面の、複数の金属端子パッドの形成予定領域に、Cuメッキ層を電解Cuメッキにより選択的に形成する。Niメッキ層は、ソルダーレジスト層の形成後に形成されるが、第二配線積層部側では、電解Cuメッキ形成用の上記メッキ用下地導電層をソルダーレジスト層形成前に除去しておかなければならない。そこで、第二配線積層部の第一主表面にCuメッキ層を形成後、少なくとも第一配線積層部の第一主表面に形成されたメッキ用下地導電層を覆うように第二エッチング保護層を形成する。そして、その状態で第二配線積層部の第一主表面に形成されたメッキ用下地導電層を選択的にエッチングする。これにより、電解Niメッキ工程に流用する第一配線積層部側のメッキ用下地導電層にダメージを加えることなく、第二配線積層部側のメッキ用下地導電層のみを選択的に除去することができる。なお、第二配線積層部の第一主表面にCuメッキ層を形成後、該第二配線積層部の第一主表面に、パッド用のCuメッキ層は覆い、それらパッド用のCuメッキ層間に形成されたメッキ用下地導電層は覆わないように第一エッチング保護層を形成してもよいが、メッキ用下地導電層の厚さがパッド用のCuメッキ層と比べて十分に小さく、メッキ用下地導電層をエッチング除去する際のCuメッキ層の目減りが問題にならない場合は、該第一エッチング保護層は省略することができる。
【0022】
次に、本発明の配線基板の第一配線積層部においては、複数の金属端子パッドの一部のものが、内層導体層に導通しない、電気的に孤立したフローティングパッドとして構成され、該フローティングパッドは、無電解Niメッキ層が形成されている構成とすることができる。回路設計上は、内層導体層に導通する金属端子パッドのみが重要であるが、これらのパッドだけでは、フリップチップ接続やBGA(あるいはPGA)接続に適した格子状配列を完備するのに十分な個数や配列が実現できない場合があり、例えば基板の一部領域にパッドが偏って配置されることもありえる。この場合、集積回路チップをフリップチップ接続したり、基板自体をマザーボードにBGA(あるいはPGA)接続したりしたとき、荷重分布が不均一となって接続不良等の原因となる場合がある。そこで、非フローティングパッドだけでは完備できないパッドの格子状配列を、上記のごときフローティングパッドで補うことが、安定な接続状態を実現する上で望ましいといえる。本発明の方法によれば、第一配線積層部側では、無電解Niメッキにより、上記フローティングパッドにも一括してNiメッキ層を形成することが可能である。そのため、フローティングパッドと金属端子パッドとの高さに差が生じない。したがって、接続安定性を増大させるという、フローティングパッド本来の機能が十分に発揮されるようになる。他方、第二配線積層部側では、フローティングパッドも含めてすべてのパッドがメッキ用下地導電層にて接続された状態で電解Niメッキが施されるので、該フローティングパッドにも電解Niメッキ層を形成することが可能である。
【0023】
次に、本発明の配線基板において、金属端子パッドをなす電解Niメッキ層のリンの含有率は、3質量%以下となっていることが望ましい。これにより、金属端子パッドに対する半田(特にSn−Pb系半田)ぬれ性を良好に確保することができる。このためには、使用する電解Niメッキ浴にリン化合物を添加しないことが望ましい。なお、電解Niメッキ層のリンの含有率は、望ましくは1質量%以下となっているのがよく、さらに望ましくは検出限界以下となっているのがよい。
【0024】
また、金属端子パッドをなす電解Niメッキ層は、コバルトの含有率が2質量%以下でとなっていることが、Auメッキ層との密着性を向上させる観点において望ましい。電解Niメッキにおいては、得られるメッキ膜の硬度を高めるためにコバルトが添加されることがあるが、本発明においては金属端子パッド用のNiメッキ層としてそれほど硬度が要求されることがなく、また、Auメッキ層との密着性を考慮すれば、メッキ浴にコバルトはなるべく含有させないことが望ましいといえる。
【0025】
また、Auメッキ工程は、電解Niメッキ工程に連続して行なう電解Auメッキ工程と、無電解Niメッキ工程に連続して行なう無電解Auメッキ工程とで構成できる。本発明の配線基板は、金属端子パッドに対し、ソルダーレジスト層の開口の内側に位置する領域のみAuメッキ層にて覆った構造とすることができる。該構造は、ソルダーレジスト層を形成した後、ソルダーレジスト層の開口の内側に位置する領域のみ電解/無電解Niメッキ層を形成し、その後、電解/無電解Auメッキを施すことにより形成できる。各Auメッキ層の形成後は、ソルダーレジスト層の露光現像工程が介在しないので、Auメッキ層上への樹脂分のコンタミ付着を効果的に抑制できる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を参照しつつ本発明の実施形態を説明する。
図3は本発明の一実施形態に係る配線基板1の断面構造を模式的に示すものである。該配線基板は、耐熱性樹脂板(例えばビスマレイミド−トリアジン樹脂板)や、繊維強化樹脂板(例えばガラス繊維強化エポキシ樹脂)等で構成された板状コア2の両表面に、所定のパターンに配線金属層をなすコア導体層M1,M11がそれぞれ形成される。これらコア導体層M1,M11は板状コア2の表面の大部分を被覆する面導体パターンとして形成され、電源層又は接地層として用いられるものである。他方、板状コア2には、ドリル等により穿設されたスルーホール12が形成され、その内壁面にはコア導体層M1,M11を互いに導通させるスルーホール導体30が形成されている。また、スルーホール12は、エポキシ樹脂等の樹脂製穴埋め材31により充填されている。
【0027】
また、コア導体層M1,M11の上層には、感光性樹脂組成物6にて構成された第一ビア層(ビルドアップ層:誘電体層)V1,V11がそれぞれ形成されている。さらに、その表面にはそれぞれ金属配線7を有する第一導体層M2,M12がCuメッキにより形成されている。なお、コア導体層M1,M11と第一導体層M2,M12とは、それぞれビア34により層間接続がなされている。同様に、第一導体層M2,M12の上層には、感光性樹脂組成物6を用いた第二ビア層(ビルドアップ層:誘電体層)V2,V12がそれぞれ形成されている。その表面には、金属端子パッド8,18を有する第二導体層M3,M13が形成されている。これら第一導体層M2,M12と第二導体層M3,M13とは、それぞれビア34により層間接続がなされている。ビア34は、ビアホール34hとその内周面に設けられたビア導体34sと、底面側にてビア導体34sと導通するように設けられたビアパッド34pと、ビアパッド34pと反対側にてビア導体34hの開口周縁から外向きに張り出すビアランド34lとを有している。
【0028】
板状コア2の第一主表面MP1においては、コア導体層M1、第一ビア層V1、第一導体層M2及び第二ビア層V2が第一の配線積層部L1を形成している。また、板状コア2の第二主表面MP2においては、コア導体層M11、第一ビア層V11、第一導体層M12及び第二ビア層V12が第二の配線積層部L2を形成している。いずれも、第一主表面CPが誘電体層6にて形成されるように、誘電体層と導体層とが交互に積層されたものであり、該第一主表面CP上には、複数の金属端子パッド10,110ないし17がそれぞれ形成されている。第一配線積層部L1側の金属端子パッド10,110は、集積回路チップなどをフリップチップ接続するためのパッドである半田ランドを構成する。また、第二配線積層部L2側の金属端子パッド17は、配線基板自体をマザーボード等にピングリッドアレイ(PGA)あるいはボールグリッドアレイ(BGA)により接続するための裏面ランド(パッド)として利用されるものである。
【0029】
図1に示すように、半田ランド10は配線基板1の第一主表面の略中央部分に格子状に配列し、各々その上に形成された半田バンプ11(図3)とともにチップ搭載部40を形成している。また、図2に示すように、第二導体層M13内の裏面ランド17も、格子状に配列形成されている。そして、各第二導体層M3,M13上には、それぞれ、感光性樹脂組成物よりなるソルダーレジスト層8,18(SR1,SR11)が形成されている。いずれも半田ランド10,110あるいは裏面ランド17を露出させるために、各ランドに一対一に対応する形で開口部8a,18aが形成されている。
【0030】
ビア層V1,V11,V2,V12、及びソルダーレジスト層8,18は例えば以下のようにして製造されたものである。すなわち、感光性樹脂組成物ワニスをフィルム化した感光性接着フィルムをラミネート(貼り合わせ)し、ビアホール34hに対応したパターンを有する透明マスク(例えばガラスマスクである)を重ねて露光する。ビアホール34h以外のフィルム部分は、この露光により硬化する一方、ビアホール34h部分は未硬化のまま残留するので、これを溶剤に溶かして除去すれば、所期のパターンにてビアホール34hを簡単に形成することができる(いわゆるフォトビアプロセス)。
【0031】
図4に示すように、金属端子パッド10,110は、第一配線積層部L1の第一主表面CP側から、Cuメッキ層52、無電解Niメッキ層55及び無電解Auメッキ層56がこの順序で積層された構造を有する。一方、金属端子パッド17は、第二配線積層部L2の第一主表面CP側から、Cuメッキ層52、電解Niメッキ層53及び電解Auメッキ層54がこの順序で積層された構造を有する。第二配線積層部L2においては、誘電体層6の第一主表面CPに、金属端子パッド17に一端が結合される金属配線が全く配置されていない。他方、図3に示すように、第一配線積層部L1の第一主表面CPには、金属端子パッド10に一端が結合される金属配線77が設けられているが、その他端側は内層導体層7にビア34を介して接続されている。
【0032】
つまり、いずれの配線積層部L1,L2においても、金属端子パッド10,110,17の形成面をなす誘電体層6の第一主表面CP(及び内層された金属層)から、メッキタイバー(メッキ用金属配線)などの末端が電気的に開放した不要な導通路が排除された構造となっている。
【0033】
電解Niメッキ層53のリンの含有率は3質量%以下であり、コバルトの含有率が2質量%以下である。本実施形態では、金属端子パッド17において、Cuメッキ層52の側面が電解Niメッキ層53にて覆われていない。同様に、金属端子パッド10,110において、Cuメッキ層52の側面が無電解Niメッキ層55にて覆われていない。
【0034】
前述の通り、各配線積層部L1,L2の第一主表面CPはソルダーレジスト層8,18にて覆われてなり、それらソルダーレジスト層8,18の開口8a,18aの内周縁が、金属端子パッド10,110,17の主表面外周縁よりも内側に張り出して位置している。そして、図4に示すように、金属端子パッド10,110,17は、Niメッキ層53,55が、Cuメッキ層52の主表面に対し該主表面の外周縁内側に収まるように形成され、該Cuメッキ層52のNiメッキ層53,55に覆われていない主表面外周縁部52pに面粗し処理が施されている。ソルダーレジスト層8,18は、開口8a,18aの内周縁部にて、Cuメッキ層52の面粗し処理が施された主表面外周縁部52pと接してなる。また、金属端子パッド10,110,17のNiメッキ層53,55は、ソルダーレジスト層8,18の開口8a,18aの内側に位置する領域においてAuメッキ層54,56に覆われている。
【0035】
本実施形態においては、第一配線積層部L1においては、金属端子パッド10,110の無電解Niメッキ層55が、Cuメッキ層52の主表面の、ソルダーレジスト層8の開口8a内部に位置する領域にのみ形成されてなる。同様に、第二配線積層部L2においては、金属端子パッド17の電解Niメッキ層53が、Cuメッキ層52の主表面の、ソルダーレジスト層18の開口18a内部に位置する領域にのみ形成されてなる。
【0036】
なお、複数の金属端子パッド10,110,17は、一部のものが、内層導体層7に導通しない、電気的に孤立したフローティングパッド110として構成されている。本実施形態では、第一配線積層部L1側にフローティングパッド110が形成されているが、第二配線積層部L2側にもフローティングパッドを形成可能である。また、本実施形態においては、該フローティングパッド110にもNiメッキ層55が形成されている。回路設計上は、内層導体層7に導通する金属端子パッド10,17(以下、非フローティングパッドという)のみが重要であるが、これらのパッドだけでは、フリップチップ接続やBGA(あるいはPGA)接続に適した格子状配列を完備するのに十分な個数や配列が実現できない場合があり、例えば基板の一部領域にパッドが偏って配置されることもありえる。この場合、集積回路チップをフリップチップ接続したり、基板1自体をマザーボードにBGA(あるいはPGA)接続したりしたとき、荷重分布が不均一となって接続不良等の原因となる場合がある。そこで、非フローティングパッドだけでは完備できないパッドの格子状配列を、上記のごときフローティングパッド110で補うことが、安定な接続状態を実現する上で望ましいといえる。また、後述するプロセスにより、フローティングパッド110には、非フローティングパッドと同様の厚さのメッキ層が形成されているので、より安定な接続状態を実現できる。
【0037】
本実施形態では、後述の通り、第二配線積層部L2のパッドには、第一配線積層部L1側のパッド1からスルーホール導体30を介して通電することにより電解Niメッキ層53が形成され、第一配線積層部L1のパッドには、無電解メッキ層55が形成される。したがって、フローティングパッド110にメッキ層を形成するための特別な工程も不必要となっている。
【0038】
以下、配線基板1の製造工程について説明する。
まず、既に説明した周知のビルドアップ法等により、板状コア2の両主表面に、配線積層部L1,L2をそれぞれ形成する。その後、各配線積層部L1,L2についてパッド形成工程を実施する。まず、図6の工程1に示すように、第一配線積層部L1及び第二配線積層部L2の各第一主表面CPに、複数の金属端子パッドの形成予定領域を互いに連結する形で、メッキ導通路をなすメッキ用下地導電層51をそれぞれ形成する。本実施形態では、メッキ用下地導電層51を無電解Cuメッキ(厚さ:例えば0.4μm以上2μm以下)により、第一主表面CPの全面に形成している。
【0039】
次に、第一配線積層部L1及び第二配線積層部L2のそれぞれについて、メッキ用下地導電層51の金属端子パッドの形成予定領域にCuメッキ層52(厚さ:例えば10μm以上30μm以下)を選択的に形成する(第一Cuメッキ工程及び第二Cuメッキ工程)。具体的には、メッキ用下地導電層51を、フォトレジスト等からなるマスク材61にて、周知のフォトリソグラフィー工程により、金属端子パッド10,110,17の形成予定領域が露出するように覆い、その後Cuメッキを行なう。このCuメッキも、本実施形態では電解Cuメッキにより行なっている。
【0040】
図5に示すように、配線基板1は、中間製品1’の段階では複数個のものが縦横に一体化された大判の状態で製造され、各メッキ層の形成も全ての中間製品1’について一括して行われる。また、後述の電解Niメッキ用の給電部60を、中間製品1’の大判の集合体の外周縁に沿って同様のCuメッキ層により形成してある。図5からも明らかなように、第一配線積層部L1の第一主表面CPに形成されるメッキ用の導通路が、メッキタイバーではなくベタのメッキ用下地導電層51で形成される点が重要である。
【0041】
次に、工程2に示すように、第二配線積層部L2側の少なくともメッキ用下地導電層51を露出させつつ、第一配線積層部L1側のCuメッキ層52及びメッキ用下地導電層51を、ドライフィルム等からなる保護膜80(エッチング保護層)で被覆する。次に、工程3に示すように、第二配線積層部L2の、金属端子パッド17の形成予定領域以外の領域に形成された不要なメッキ用下地導電層51を、過硫酸ナトリウム溶液や過酸化水素と硫酸の混合溶液等のエッチング液を用いて、化学エッチングにより除去する。すなわち、第二配線積層部側のCuメッキ層52を形成する第二Cuメッキ工程は、先に無電解Cuメッキにより形成されたメッキ用下地導電層51をエッチングにより除去する、無電解Cuメッキ除去工程を含む。第二配線積層部側のメッキ用下地導電層51の除去が終了したら、保護膜80を剥離ないし薬液で除去する。なお、メッキ用下地導電層51の厚さがCuメッキ層52よりも十分に小さく、エッチングによるCuメッキ層52の目減りがほとんど問題にならない場合は、第二配線積層部L2側のCuメッキ層52を被覆する保護膜80は省略できる。
【0042】
次に、図7に移って工程4に示すように、上記のメッキ用下地導電層51の除去に続いて、第二配線積層部L2のCuメッキ層52の表面に面粗し処理を行なう(第一面粗し処理)。該面粗し処理は、例えばクロム酸系の処理液を用いて行なうことができる。第一配線積層部L1側のメッキ用下地導電層51への面粗し処理によるアタックが懸念される場合は、必要に応じて該メッキ用下地導電層51を図示しないマスク材で覆うこともできる。なお、面粗し処理を、メッキ用下地導電層51の除去に先立って(つまり、保護膜80の形成前に)行なうことも可能である。
【0043】
上記第一面粗し工程の終了後、工程5に示すように、第二配線積層部L2の第一主表面をソルダーレジスト層18にて覆う(第一ソルダーレジスト形成工程)。具体的には、感光性樹脂からなるソルダーレジストフィルムを用いたフォトリソグラフィー工程により、金属端子パッド17を個別に露出させるための開口18aを有し、かつ該開口18aの内周縁が金属端子パッド17の主表面外周縁よりも内側に張り出して位置するように、ソルダーレジスト層18のパターニングを行なう。これにより、該開口18aの内周縁部にて、Cuメッキ層52の面粗し処理が施された主表面外周縁部52pは、当該ソルダーレジスト層18と直接接触した形で覆われることとなる。
【0044】
次に、工程6に示すように、第一配線積層部L1側のCuメッキ層52及びメッキ用下地導電層51を、ドライフィルム等の保護膜82で被覆する。そして、図8に移って工程7に示すように、第二配線積層部L2側の複数の金属端子パッド17の形成予定領域に形成された各Cuメッキ層52上に電解Niメッキ層53を形成する。具体的には、第一配線積層部L1側のメッキ用下地導電層51を電流供給路として、それら第一配線積層部L1側のCuメッキ層52にそれぞれスルーホール導体30を介して導通する第二配線積層部L2側のCuメッキ層52にメッキ電流を供給することにより、第二配線積層部L2側のCuメッキ層52の(面粗し処理された)主表面外周縁部52pを除いた領域(=ソルダーレジスト層18の開口18a内に露出する領域)に、電解Niメッキ層53を形成する。
【0045】
電解Niメッキは、第一配線積層部L1側の給電部60を介して通電用端子64から電流供給することにより行なう。使用する電解Niメッキ浴としては、周知のスルファミン酸浴やワット浴を使用できるが、Ni金属源となる原料(スルファミン酸浴ではスルファミン酸Ni、ワット浴では硫酸Ni)として、コバルトをなるべく含有しないもの(例えば3質量%未満:望ましくは検出限界以下)を用い、リン化合物系の添加物は使用しないようにする。
【0046】
第二配線積層部L2側のCuメッキ層52上に、所期の厚さの電解Niメッキ層53を形成した後、メッキ浴を電解Auメッキ用のものに切り換えるとともに、給電部60より電解Niメッキ層53にメッキ電流を供給する。これにより、該電解Niメッキ層53上に、電解Auメッキ層54が形成される。その後、第一配線積層部L1側の保護膜82を除去する(工程8)。
【0047】
次に、第一配線積層部L1の第一主表面CPの、金属端子パッド形成予定領域以外の領域に形成されたメッキ用下地導電層51を除去する。具体的には、まず工程9に示すように、第二配線積層部L2側に形成されたソルダーレジスト層18の開口18aを塞ぐようにして、マスク材84を配置する。これにより、金属端子パッド17がエッチング液に接触不可となる。そして、図9の工程10に示すように、第一配線積層部L1の、金属端子パッド10,110の形成予定領域以外の領域に形成された不要なメッキ用下地導電層51を、化学エッチングにより除去する。
【0048】
次に、工程11に示すように、マスク材84を除去する。続いて、第一配線積層部L1側のCuメッキ層52の主表面に、第二配線積層部L2側と同様の面粗し処理を行なう。ただし、マスク材84の除去工程と、上記面粗し工程とは、順不同で行なうことができる。
【0049】
次に、工程12に示すように、第一配線積層部L1の第一主表面をソルダーレジスト層8にて覆う(第二ソルダーレジスト形成工程)。ソルダーレジスト層8の形成は、第二配線積層部L2側と同様の手順で行うことができる。ソルダーレジスト層8が形成されることにより、該ソルダーレジスト層8の開口8aの内周縁部にて、Cuメッキ層52の面粗し処理が施された主表面外周縁部52pは、当該ソルダーレジスト層8と直接接触した形で覆われることとなる。
【0050】
次に、図10に移って工程13及び工程14に示すように、第二配線積層部L2側をマスク材86で被覆しつつ(工程9と同様の手順で行なえる)、第一配線積層部L1側におけるソルダーレジスト層8の開口8aの内側に露出するCuメッキ層52上に、無電解Niメッキ層55及び無電解Auメッキ層56をこの順番で形成する。
【0051】
最後に、工程15に示すように、マスク材86を除去する。その後、図5のように大判状態で一体化された中間製品1’を、カッターを用いてストリッピングし、余分な給電部60等を除去すれば、完成状態の配線基板1が得られる。
【0052】
従来、電解Niメッキを用いたパッド形成工程では、図11に示すように、パッド形成面上に、各パッド10に接続するメッキタイバー202を複雑に入り組んだ形で形成する必要があった。この方式では、パッド10間にメッキタイバー202を挿入するためのスペースを確保しなければならないので、パッド10の配列間隔を一定以上には縮小できなくなり、基板面積の増大を引き起こしやすくなるとともに、設計上の制約も非常に大きくなる問題があった。また、メッキタイバー202は、末端が電気的に開放した不要な導通路として、最終的にはパッド10に付随した形で基板上に残留し、基板の耐ノイズ性が悪化したり、パッド10を含んだ伝送経路のインピーダンス不整合を将来するもととなっていた。しかし、上記の工程によると、第二配線積層部側のパッド17が電解Niメッキ層を含んでいるにも拘らず、配線積層部L1,L2の第一主表面CPからは、メッキタイバーなどの、末端が電気的に開放した不要な導通路が完全に排除できる。その結果、該不要な導通路による基板の耐ノイズ性の悪化や、伝送経路のインピーダンス不整合を効果的に防止できる。そして、不要な導通路が設けられない分、パッド間のスペースも節約でき、基板のコンパクト化に寄与できる。また、図11のように、配線レイアウトの複雑化も生じにくいので、設計上の制約も少なくなる。そして、BGAあるいはPGA側の金属端子パッド17を構成するNiメッキ層が、リンや水素の含有率を低くできる電解メッキ層として構成されているから、半田に対するぬれ性や密着性の向上も同時に達成できる。
【0053】
そして、配線基板1においては、各配線積層部L1,L2において、該Cuメッキ層52のNiメッキ層53,55に覆われていない主表面外周縁部52pに面粗し処理が施され、その面粗し処理が施されたCuめっき層52の主表面外周縁部52pに、ソルダーレジスト層8,18の開口8a,18aの内周縁部が接した構造となる。これにより、ソルダーレジスト層8,18の開口内周縁部とCuめっき層52の主表面外周縁部52pとの密着性が向上し、特に半田リフロー等の熱サイクルが加わった場合においても、開口内周縁部にてソルダーレジスト層8,18のはがれ等が生じにくくなり、ひいては良好な半田接続状態を容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の配線基板の一実施形態を示す平面図。
【図2】同じく裏面図。
【図3】本発明の配線基板の断面構造の一例を示す図。
【図4】その要部を示す断面模式図。
【図5】メッキ用下地導電層の形成形態を示す平面模式図。
【図6】本発明の配線基板の製造方法の一例を示す工程説明図。
【図7】図6に続く工程説明図。
【図8】図7に続く工程説明図。
【図9】図8に続く工程説明図。
【図10】図9に続く工程説明図。
【図11】従来の配線基板の製造方法の問題点を示す図。
【符号の説明】
1 配線基板
6 誘電体層
7 内層導体層
8,18 ソルダーレジスト層
8a,18a 開口
L1,L2 配線積層部
CP 第一主表面
10,110,17 金属端子パッド
30 スルーホール導体
34 ビア
51 メッキ用下地導電層
52 Cuメッキ層
52p 主表面外周縁部
53 電解Niメッキ層
54 電解Auメッキ層
55 無電解Niメッキ層
56 無電解Auメッキ層
61,84,86 マスク材
80,82 保護膜

Claims (8)

  1. 第一主表面が誘電体層にて形成されるように、高分子材料からなる誘電体層と導体層とが交互に積層された配線積層部と、該配線積層部の前記誘電体層にて形成された第一主表面上に配置される複数の金属端子パッドとを有し、それら金属端子パッドの少なくとも一部のものが、前記配線積層部内に位置する内層導体層にビアを介して導通した構造を有する配線基板であって、
    前記配線積層部として、板状コアの第一主表面に形成される第一配線積層部と、同じく第二主表面に形成される第二配線積層部とが設けられ、それぞれ前記金属端子パッドが設けられ、前記第一配線積層部の前記金属端子パッドと、前記第二配線積層部の前記金属端子パッドとが、前記板状コアに設けられたスルーホール導体にて接続されてなり、
    前記金属端子パッドは、第一主表面側からCuメッキ層、Niメッキ層及びAuメッキ層がこの順序で積層されてなり、
    前記第一配線積層部側の前記Niメッキ層が無電解Niメッキ層であり、前記第二配線積層部側の前記Niメッキ層が電解Niメッキ層とされ、かつ、前記誘電体層の第一主表面には、前記金属端子パッドに一端が結合され、他端が開放したメッキ用金属配線が形成されておらず、さらに、
    前記第一配線積層部及び前記第二配線積層部において、前記Niメッキ層が、前記Cuメッキ層の主表面に対し該主表面の外周縁内側に収まるように形成され、該Cuメッキ層の前記Niメッキ層に覆われていない主表面外周縁部に面粗し処理が施され、該第一配線積層部及び第二配線積層部の第一主表面はソルダーレジスト層にて覆われてなり、該ソルダーレジスト層は前記金属端子パッドを個別に露出させるための開口を有するとともに、該開口の内周縁が前記金属端子パッドの主表面外周縁よりも内側に張り出して位置し、当該開口の内周縁部にて、前記Cuメッキ層の前記面粗し処理が施された主表面外周縁部と接してなることを特徴とする配線基板。
  2. 前記第一配線積層部及び第二配線積層部において、前記金属端子パッドの前記Niメッキ層が、前記Cuメッキ層の主表面の、前記ソルダーレジスト層の前記開口内部に位置する領域にのみ形成されてなる請求項1記載の配線基板。
  3. 前記金属端子パッドをなす前記電解Niメッキ層のリンの含有率が3質量%以下である請求項1又は請求項2に記載の配線基板。
  4. 前記金属端子パッドをなす前記電解Niメッキ層のコバルトの含有率が2質量%以下である請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の配線基板。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の配線基板の製造方法であって、
    前記第一配線積層部の第一主表面において、前記複数の金属端子パッドの形成予定領域を互いに連結する形でメッキ用下地導電層を形成するメッキ用下地導電層形成工程と、
    前記第一配線積層部の第一主表面において、前記メッキ用下地導電層の形成後に、前記金属端子パッド形成予定領域にCuメッキ層を選択的に形成する第一Cuメッキ工程と、
    前記第二配線積層部の第一主表面の、前記複数の金属端子パッドの形成予定領域に、Cuメッキ層を電気的に分離された形で形成する第二Cuメッキ工程と、前記第二配線積層部の前記Cuメッキ層の主表面を面粗し処理する第一面粗し工程と、
    該第一面粗し工程の終了後に、前記第二配線積層部の第一主表面に、開口を有するソルダーレジスト層を、該開口の内周縁部にて、前記Cuメッキ層の前記面粗し処理が施された主表面外周縁部が当該ソルダーレジスト層にて覆われるように形成する第一ソルダーレジスト形成工程と、
    前記第一配線積層部の第一主表面側を保護膜で被覆しつつ、前記メッキ用下地導電層を電流供給路として、該メッキ用下地導電層にて連結される前記第一配線積層部側のCuメッキ層に、前記スルーホール導体を介して導通する、前記第二配線積層部側のCuメッキ層にメッキ電流を供給することにより、該Cuメッキ層の主表面外周縁部を除いた領域に電解Niメッキ層を形成する電解Niメッキ工程と、
    前記電解Niメッキ工程が終了した後、前記第一配線積層部の第一主表面の、前記金属端子パッド形成予定領域以外の領域に形成されたメッキ用下地導電層を除去するメッキ用下地導電層除去工程と、
    前記第一配線積層部の前記Cuメッキ層の主表面を面粗し処理する第二面粗し工程と、
    該第二面粗し工程の終了後に、前記第一配線積層部の第一主表面に、開口を有するソルダーレジスト層を、該開口の内周縁部にて、前記Cuメッキ層の前記面粗し処理が施された主表面外周縁部が当該ソルダーレジスト層にて覆われるように形成する第二ソルダーレジスト形成工程と、
    前記第二配線積層部側をマスク材で被覆しつつ、前記第一配線積層部側における前記ソルダーレジスト層の開口の内側に露出する前記Cuメッキ層上に、無電解Niメッキ層を形成する無電解Niメッキ工程と、
    各Niメッキ層上にAuメッキ層を形成するAuメッキ工程と、
    を含むことを特徴とする配線基板の製造方法。
  6. 前記第一Cuメッキ工程において、前記金属端子パッド形成予定領域が露出するように前記メッキ用下地導電層をマスク材にて覆い、その状態で前記Cuメッキを行なう請求項5に記載の配線基板の製造方法。
  7. 前記第二Cuメッキ工程に先立って、前記第二配線積層部の第一主表面において、前記複数の金属端子パッドの形成予定領域を互いに連結する形でメッキ用下地導電層を形成するメッキ用下地導電層形成工程を実施し、
    次いで前記第二Cuメッキ工程において、前記第二配線積層部の第一主表面の、前記複数の金属端子パッドの形成予定領域に、Cuメッキ層を電解Cuメッキにより選択的に形成し、
    その後、前記第二配線積層部の第一主表面に、パッド用の前記Cuメッキ層は覆い、それらパッド用のCuメッキ層間に形成された前記メッキ用下地導電層は覆わないように第一エッチング保護層を形成し、また、前記第一配線積層部の第一主表面に形成された前記メッキ用下地導電層を覆うように第二エッチング保護層を形成し、その状態で前記第二配線積層部の第一主表面に形成された前記メッキ用下地導電層を選択的にエッチングする請求項6記載の配線基板の製造方法。
  8. 前記Auメッキ工程は、前記電解Niメッキ工程に連続して行なう電解Auメッキ工程と、前記無電解Niメッキ工程に連続して行なう無電解Auメッキ工程とを含む請求項5ないし請求項7のいずれか1項に記載の配線基板の製造方法。
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