JP2004281787A - エッチング装置 - Google Patents

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JP2004281787A
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Eizaburo Kanda
栄三郎 神田
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Sumitomo Metal Mining Package Materials Co Ltd
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Sumitomo Metal Mining Package Materials Co Ltd
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Abstract

【課題】エッチング速度のバラツキを改善して高精度のエッチングを可能にするエッチング装置を提供する。
【解決手段】直線走行する被エッチング材1上にエッチング液を噴射するためエッチング材1の搬送方向と交差する方向に往復動するノズル3,5を有し、該ノズルを等速移動せしめる装置2,4,6,7〜13を備えている。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体基板やプリント基板等に高精度な金属配線パターン等を形成するのに用いられる化学エッチング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置基板やプリント基板等の高精度な金属配線パターンを形成するための化学エッチング装置においては、主面に所定のパターンを有するレジスト膜が形成された長尺の金属薄板(被エッチング材)を搬送し、エッチング液を上下から主面に向けて噴射する方法が採用されている。被エッチング材は、数10mm〜数100mmの幅を持つが、100mm以上の場合は、幅方向のエッチング速度のバラツキを低減するため、噴射ノズルを幅方向に所定の角度範囲内で揺動させるように構成されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−158865号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この場合、揺動方法としては、定速回転するモーターによりクランク機構を介して噴射ノズルを揺動させる方式が一般的に採用されている。この方式では、揺動周期は一般的に被エッチング材がエッチングされる間に数回以上揺動されが、機械的な耐久性を考慮して実際上は毎分10〜60回程度の揺動回数を持つ。この方式の場合は、モーターが定速回転するので、ノズルの揺動速度は揺動角度位置によって異なる。即ち、その揺動速度は揺動中心で最大となり、揺動の両端に近づくと遅くなる。その結果、揺動範囲の両端付近では被エッチング材上に吹き付けられるエッチング液の量は他の部分よりも多くなり、従ってエッチング速度も速いという問題点がある。そこで、従来この問題点を解消するために、被エッチング材の幅方向に多数のノズルを連設して個々のノズルによるバラツキが目立たないようにしていたが、それでもエッチング速度のバラツキ低減には限界があるばかりか、機構が複雑になるという欠点があった。
【0005】
本発明は、従来技術の有する上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、エッチング速度のバラツキを改善して高精度のエッチングを可能にするエッチング装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明によるエッチング装置は、被エッチング材を搬送して化学エッチングを行うエッチング装置において、直線走行する前記被エッチング材上にエッチング液を噴射するため前記エッチング材の搬送方向と交差する方向に直線的に往復動するノズルを有し、該ノズルを等速移動せしめる手段を備えたことを特徴としている。
本発明によれば、前記ノズルをモーターにより駆動されるクランク機構を介して往復動せしめ、前記モーターの回転速度を前記ノズルの移動位置に対応して変化させるようになっている。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図示した実施例に基づき説明する。
図1は本発明によるエッチング装置の概略図である。図中、1は図示しない周知の搬送装置により紙面に対し直交する方向へ定速で直線走行せしめられる所定幅の被エッチング材、2は被エッチング材1の上方に該エッチング材1の走行方向と直交する方向へ摺動可能に装袈されたノズル支持竿、3はノズル支持竿2に支持されたエッチング液噴射ノズル、4は被エッチング材1の下方に該エッチング材1の走行方向と直交する方向へ摺動可能に装袈されたノズル支持竿、5はノズル支持竿4に支持されたエッチング液噴射ノズル、6は図示しない装置本体に回動可能に軸支されていて各端部がノズル支持竿2,4にそれぞれ枢着された連結レバー、7は装置本体にノズル支持竿2,4と平行に取り付けられたガイド棒、8はガイド棒7に摺動可能に装袈されていてガイド棒7と直交する所定の長さの直線溝8aを有するスライダー、9はノズル支持竿2とスライダー8を連結する連結竿(ノズル支持竿4とスライダー8が連結されても良い)、10は装置本体に取り付けられたモーター、11は一端がモーター10の回転軸10aに固着され他端にスライダー8の直線溝8aに滑合するカムフォロアー12を回転可能に支持したクランクレバー、13はモーター10の回転を制御するコントローラーである。
【0008】
本発明装置は上記のように構成されているから、モーター10を回動させれば、クランクレバー11,カムフォロアー12,スライダー8及び連結竿9を介して、ノズル支持竿2は被エッチング材1の幅方向に往復動せしめられ、連結レバー6を介してノズル支持竿4も同様に往復動せしめられて、ノズル3及び5はそれぞれ被エッチング材1の表裏面にエッチング液を満遍なく噴射せしめる。この場合、モーター10を等速回動させれば、クランクレバー11の回動角θ(図1)が0°から90°に達する間にスライダー8の摺動速度は徐々に増大して最大値に達し、90°から180°に達する間にスライダー8の摺動速度は徐々に減少して最小値に達し、更に、180°から270°に達する間にスライダー8の摺動速度は徐々に増大して最大値に達し、270°から0°達する間にスライダー8の摺動速度は徐々に減少して最小値に達するような運動を繰り返すが、コントロラー13により、スライダー8の摺動速度のこの変化が生じないで等速運動するように、モーター10の駆動が制御される。その結果、被エッチング材1上にはその全幅に渡って常に等量のエッチング液が噴射される。
【0009】
以下、スライダー8が等速運動するようにモーター10の駆動が制御される点についてより具体的に説明する。一個のノズル3の被エッチング材1上での位置軌跡は、被エッチング材1の搬送方向(縦方向)をx、幅方向をy、クランクレバー11の長さをL、クランクレバー11の揺動周期をT、被エッチング材1の搬送速度をvとすれば、y=Lsin(2π/v/T×x)で与えられる。ここで、ノズル軌跡上のエッチング液噴射量について考察するが、簡単のために、ノズル中心のみの噴射液による流量を計算することにする。ノズル3は、被エッチング材1上のノズル軌跡上を、単位時間にx方向へΔx移動する。この単位時間に動いたノズル軌跡の長さΔsは、Δs=sqrt[1+(dy/dx)^2]×Δxで与えられる。ノズル軌跡上のエッチング液流量密度Rは、この長さΔsに反比例するので、Aを定数とすると、R=A/sqrt[1+(dy/dx)^2]で与えられる。これに上記yの式を代入すると、R=A/sqrt[1+[L2π/v/T×cos(2π/v/T×x)]^2]となる。ノズル3の往復動中心x=0及び往復動両端x=v/T/4における値は、それぞれR=A/sqrt[1+[L2π/v/T]^2]及びR=Aとなる。即ち、エッチング材1上に噴射されるエッチング液の量は、エッチング材1の中央よりも両端がsqrt[1+[L2π/v/T]^2]倍多い。例えば、L=50mm、v=1m/分、T=3.6秒とすると、5.3倍となる。
【0010】
この5.3倍を1倍にするために、コントロラー13によりモーター10の回転速度をクランクレバー11の揺動位置毎に変化すよう制御し、ノズル3,5を等速移動させる。これにより、ノズル3,5の被エッチング材1上での位置軌跡は、y=4L/(v/T)×(x−nvT/2)なるジグザグの直線となる。nは自然数1,2,3,…である。なお、ジグザグ直線の頂点は、従来方法のsin関数軌跡の山谷に一致する。この場合は、dy/dx=4L(v/T)となり、エッチング液の流量密度R=A/sqrt{1+[4L/(v/T)]^2]はx及びノズル揺動位置に依存しないので、揺動中心と揺動両端のノズル軌跡上における流量密度は等しくなる。図2はこの状況を示したものである。図2から明かなように、従来方法では、ノズル軌跡上での一定時間間隔におけるエッチング液密度が揺動の山の位置で密になるが、本発明方法では、この密度が山の位置で蜜にならない。
【0011】
以上の説明で明らかなように、本発明では、ノズル3,5の揺動中心位置に対応するモーター10の回転軸10aの回転角位置を原点として該回転軸10aの回転角をθ、揺動の毎分当たりの回転数をnとした場合、コントロラー13により、モーター10の回転速度dθ/dtは4n(rpm)/60/cosθとなるように制御される。即ち、モーター10の回転は定速回転ではなく、角度依存の回転速度となる。クランクレバー11の長さをLとすると、ノズル3,5の移動量xはLsinθで表すことができ、揺動速度dx/dtは4Ln(rpm)/60となり、一定速度となる。
【0012】
以下、図1を参照して実験例を説明する。モーター10として減速ギヤー付きのACサーボモーターを用い、クランクレバー11の長さを50mmとした。コントロラー13としてシーケンサーを使用し、ACサーボモーターの回転量に相当するエンコーダー出力をシーケンサーに取り込むことにより,クランクレバー11の回転角θを取得し、これを基にACサーボモーターへの速度指令信号をパルス列として出力するようにした。指令する回転速度は、4n(rpm)/60/cosθである。但し、ノズル支持竿2,4即ちノズル3,5の揺動運動の各両端に対応する上記角度θが90°及び270°では、数式上は回転速度が無限大になってしまうので、この場合は、装置上可能な最大回転速度の出力とした。
【0013】
このように構成した本装置を、エッチング幅300mmの水平ローラー搬送式のエッチング装置に設置して、エッチング効果のバラツキを従来方式と比較した。揺動回数を毎分16.7回、モーター13の最大回転速度を200rpmとした。そして、比較に用いた従来方法は、揺動回数を毎分16.7回とした。21個のノズルを、搬送方向長さ600mm,幅方向長さ360mmの範囲に配置し,塩化第2銅水溶液でエッチングした。被エッチング材料としては、75μm厚のポリイミド上に敷設された18μm厚の銅を使用した。かくして、エッチングされた銅配線幅の寸法のバラツキを評価したところ、従来方法では3σ=2.9μmであったのに対して、本発明方法では3σ=2.5μmであり、約14%の改善結果を得ることが出来た。ここで、σは搬送方向250mm、幅方向250mmの範囲の25箇所で測定した銅配線幅の標準偏差である。
【0014】
【発明の効果】
上述の如く本発明によれば、従来方法に比べて、化学エッチングによる金属薄板の配線加工寸法のバラツキを大幅に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるエッチング装置の概略図である。
【図2】従来方法と本発明方法による被エッチング材料上のノズル軌跡を示す説明図である。
【符号の説明】
1 被エッチング材
2,4 ノズル支持竿
3,5 エッチング液噴射ノズル
4 ノズル支持竿
6 連結レバー
7 ガイド棒
8 スライダー
8a 直線溝
9 連結竿
10 モーター
10a モーター回転軸
11 クランクレバー
12 カムフォロアー
13 コントローラー

Claims (2)

  1. 被エッチング材を搬送して化学エッチングを行うエッチング装置において、直線走行する前記被エッチング材上にエッチング液を噴射するため前記エッチング材の搬送方向と交差する方向に往復動するノズルを有し、該ノズルを等速移動せしめる手段を備えたことを特徴とするエッチング装置。
  2. 前記ノズルをモーターにより駆動されるクランク機構を介して往復動せしめ、前記モーターの回転速度を前記ノズルの移動位置に対応して変化させるようにした請求項1に記載のエッチング装置。
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