JP2004281620A - ウエハの洗浄方法 - Google Patents
ウエハの洗浄方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004281620A JP2004281620A JP2003069486A JP2003069486A JP2004281620A JP 2004281620 A JP2004281620 A JP 2004281620A JP 2003069486 A JP2003069486 A JP 2003069486A JP 2003069486 A JP2003069486 A JP 2003069486A JP 2004281620 A JP2004281620 A JP 2004281620A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- wafer
- cleaning
- oxide film
- gas
- water
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Abstract
【課題】ウエハに付着した無機性或いは有機性汚染物質、特にウエハに付着した微粒子状の汚染物質を、少ない薬品使用量で確実に除去できるウエハの洗浄方法を提供する。
【解決手段】本方法は、酸化性ガスとウエハとを接触させ、ウエハ表層を酸化してウエハ表面上に酸化膜を生成させる酸化膜生成工程(ステップS1 )と、ウエハを水蒸気に接触させる水蒸気接触工程(ステップS2 )と、ウエハをエッチングガスに接触させ、ウエハ表面上の酸化膜をエッチングして除去する酸化膜エッチング工程(ステップS3 )と、リンス処理工程(ステップS4 )と、乾燥処理工程(ステップS5 、S6 )とを有する。
【選択図】 図4
【解決手段】本方法は、酸化性ガスとウエハとを接触させ、ウエハ表層を酸化してウエハ表面上に酸化膜を生成させる酸化膜生成工程(ステップS1 )と、ウエハを水蒸気に接触させる水蒸気接触工程(ステップS2 )と、ウエハをエッチングガスに接触させ、ウエハ表面上の酸化膜をエッチングして除去する酸化膜エッチング工程(ステップS3 )と、リンス処理工程(ステップS4 )と、乾燥処理工程(ステップS5 、S6 )とを有する。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ウエハの洗浄方法に関し、更に詳細には、ウエハに付着した無機性或いは有機性の汚染物質、特にウエハに付着した微粒子状の汚染物質の除去に好適なウエハの洗浄方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置の製造工程では、通常、一つのプロセスをウエハに施す毎に、例えばウエハにエッチング処理を施した後に、エッチング残渣等を除去するためにウエハの洗浄処理を行っている。場合によっては、プロセスの前処理として洗浄処理をウエハに施している。
従来の一般的なウエハの洗浄処理では、先ず、アンモニア水と過酸化水素水の混合水溶液による洗浄処理を行い、続いて塩酸と過酸化水素水の混合水溶液による洗浄処理を行う2段階洗浄、いわゆるRCA洗浄と呼ばれる洗浄方法が多用されている。
【0003】
また、特開平9−283484号公報は、酸化性水溶液でウエハ表面を酸化させて、ウエハ表面に酸化膜を形成する酸化膜形成工程と、エッチング液で酸化膜を選択的にエッチングして除去するエッチング工程とを有し、エッチング工程で酸化膜を除去すると共にウエハ表面に付着している物質を除去する洗浄方法を提案している。前掲公報による洗浄方法は、具体的には、オゾン水を用いて酸化膜を形成し、次いで希フッ酸を用いて酸化膜を除去すると共に付着物を除去する枚葉式スピン洗浄方法である。
【0004】
特開平9−293702号公報は、オゾンガス、フッ酸ガス、フッ酸蒸気を用いたウエハ洗浄方法を提案している。
また、別の報告では、無水フッ酸による酸化膜のエッチングでは、0〜1%程度の水分をコントロールすることにより、ウエハ上に生成した種々の酸化膜に対するエッチングレートをコントロールすることができるとされている。
【0005】
また、水蒸気の存在下でフッ化水素によりシリコン酸化膜をエッチングしてウエハを洗浄する方法を提案している、特開平9−102483号公報は、段落〔0005〕に次のように記載している。
シリコン酸化膜のエッチングに対してガスエッチング媒体を用いた気相処理方法が開発されている。例えば、ブラックウッド(Blackwood )他の米国特許第4,749,440号は、商業的に実施されている半導体基板の気相エッチング処理を開示している。この方法では、ほぼ通常の大気圧及び室温で基板を反応性ガス、好ましくは乾燥不活性ガスキャリヤ内で水蒸気含有不活性ガスと混合させた無水フッ化水素ガスの混合物の定常流雰囲気に触れさせる。水蒸気含有不活性ガス、好ましくは窒素は水蒸気室から流出して、無水フッ化水素ガスが流れ始める前からフッ化水素ガスの流れが止まるまで、乾燥不活性ガス、好ましくは窒素と混合される。この方法において、無水反応性ガスを不活性ガス及び水蒸気含有不活性ガスと混合することによって、ほぼ大気状態で再現性のある均一で制御可能なエッチングが可能になることがわかった。
【0006】
また、薬品使用量を削減するために、特定の化学物質のガスや蒸気を用いる方法が提案され、或いはシリコン酸化膜をエッチングして特定の汚染金属を除去する方法、更には、様々なウエハの汚染物質の除去方法が、新技術として提案されている。
【0007】
【特許文献1】
特開平9−283484号公報(第2頁)
【特許文献2】
特開平9−102483号公報(第2頁)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のウエハ洗浄方法には以下のような問題があった。
先ず、RCA洗浄等の洗浄液による従来のウエハ洗浄方法では、実際にウエハ表面の洗浄に寄与する洗浄液量に比較して遙に多量の洗浄液量が必要である。それは、ウエハ表面の洗浄度を均一にするために、またウエハ表面から除去した汚染物質をウエハ上から移送するために、洗浄液の液流をウエハ周りに形成することが必要であるからである。
このために、洗浄液による従来のウエハ洗浄方法には、洗浄液の使用量が多く、コスト削減が難しいという問題があった。
【0009】
また、ガスや蒸気を用いた洗浄方法は、液体を用いた方法に比較して薬品の使用量は少ないものの、特定の汚染物質の除去、例えば、エッチング残渣や特定の金属汚染の除去に用いられる場合が多い。従って、半導体装置の製造に際して必要になる一般的なウエハ洗浄に適用することは難しく、RCA洗浄に代わる洗浄方法とは言えない。
それは、ガスや蒸気を用いた洗浄方法では、ウエハの付着微粒子、或いはウエハの汚染物質が無機物、有機物などの種々の物質の混合物であるために、組成を特定することが極めて難しく、従って、洗浄に使用するガスや蒸気の選定が困難であるからである。また、特定の限られた化学反応だけで種々の組成の付着微粒子を気化させ、ウエハ表面から除去することは現実には無理である。
そのため、ガスや蒸気を用いた洗浄方法のみにより、完全なウエハ洗浄を確実に行うことは難しい。
【0010】
例えば、特開平9−293702号公報で提案されているガスや蒸気を用いたウエハ洗浄方法は、今後の微細化したLSIの製造に際し、パーティクルや金属汚染の除去効果が必ずしも、充分でなく、更なる改良の余地がある。
【0011】
また、特開平9−102483号公報に記載のように、例えばフッ酸蒸気を用いる方法として、水蒸気、エタノール蒸気、酢酸蒸気などをフッ酸蒸気に添加して酸化膜をエッチングする方法が知られているが、この方法では、エッチングに際して生成するエッチング反応生成物によるパーティクル発生を抑制することができるものの、元々ウエハに付着していたパーティクルを除去することはできない。
【0012】
そこで、本発明の目的は、ウエハに付着した無機性或いは有機性汚染物質、特にウエハに付着した微粒子状の汚染物質を、少ない薬品使用量で確実に除去できるウエハの洗浄方法を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
無機性及び有機性の微粒子と薬液との化学反応のみで微粒子を気化させて除去することは難しい。従って、薬液との化学反応のみでは、ウエハの確実な洗浄も難しく、また、薬液の使用量の削減も難しい。
そこで、本発明者は、図6を参照して、以下に説明するような洗浄作用を着想し、着想した洗浄作用が有効であることを実験により確認して、本発明を発明するに到った。図6(a)から(c)は、本発明の洗浄作用を説明する模式的断面図である。
(1)ウエハ表面と微粒子を結合している主な力はファンデルワールス引力(分子間力)である。ファンデルワース引力は、引力が作用する物体同士の距離の6乗程度に逆比例して弱くなる。従って、図6(a)に示すように、ウエハと微粒子の接触部分を僅かにエッチングして、図6(b)に示すように、ウエハと微粒子との距離を増大させることにより、結合力を著しく弱めることができる。
(2)結合力が弱めれられた微粒子が物理的に移動させられるまでの間、または、移動中にウエハ表面に再付着しないように、図6(b)に示すように、ある程度以上の距離で微粒子をウエハ表面から離しておく。換言すれば、結合力(ファンデルワールス引力(分子間力))を弱い状態に維持する。
(3)そして、図6(c)に示すように、リンス洗浄等により微粒子を物理的にウエハから移動させる。
【0014】
上記目的を達成するために、上述の知見に基づいて、本発明に係るウエハの洗浄方法は、ウエハを洗浄して、ウエハの表面に付着している物質を除去する方法であって、
酸化性ガスとウエハとを接触させ、ウエハ表層を酸化してウエハ面上に酸化膜を生成させる酸化膜生成工程と、
ウエハを水蒸気に接触させて、ウエハ表面に吸着水分による液膜を形成する水蒸気接触工程と、
ウエハをエッチングガスに接触させ、ウエハ表面上の吸着水分など吸着物質の液体を保持したまま、ウエハ面上の酸化膜をエッチングして除去する酸化膜エッチング工程と
を有することを特徴としている。
【0015】
本発明は、気相状態の化学物質、つまりエッチングガスやエッチング力を有する蒸気によりエッチングを行うときに、エッチング前に予めウエハを水蒸気に接触させることにより、また、エッチング工程でエッチングガス中に添加する水蒸気によって、化学吸着や物理吸着により被処理表面に吸着する水の分子の量及び液化して被洗浄面に存在する液体の量をコントロールすることができる。
これにより、微粒子が物理的に移動するまでの間、または移動中にウエハ表面に再付着しないように、微粒子をウエハ表面からある程度以上の距離に離間させ、結合力(ファンデルワールス引力(分子間力))を弱めておくことができる。よって、パーティクル除去率や金属汚染除去量を向上させることができる。
【0016】
これは、エッチング工程でウエハ表面上に液膜が存在しない場合は、エッチングによって表面から離されたパーティクルは、表面とパーティクルとの間には雰囲気ガス(エッチングガス)しか存在しないため、パーティクルの表面への再付着に抗する力が発生しない。このため、パーティクルは表面にすぐに接近して、ファンデルワールス引力が強くなり、更に接近してしまい、最後には、表面にパーティクルが再付着した状態になってしまう。
一方、液膜が存在する場合には、エッチングによってパーティクルが表面から離され、パーティクルと基板との間にはウエハ表面に吸着している水分が侵入する。或いは、パーティクルと基板との間に雰囲気中の水蒸気が吸着するため、パーティクルとウエハ表面の接近を抑制することになり、パーティクルの表面への再付着を防止するように働くためである。
【0017】
本発明方法の酸化膜エッチング工程では、好適には、エッチングガスとして無水フッ酸を使用する。
また、酸化膜エッチング工程では、無水フッ酸ガスと水蒸気との混合ガスにウエハを接触させて、ウエハ面上の酸化膜をエッチングして除去する。混合ガスの水蒸気濃度を高くして、ウエハ表面に水分を結露させ、ウエハ表面を水分が多い状態にコントロールすることにより、微粒子除去や金属汚染除去の効果を高めることができる。
【0018】
酸化膜エッチング工程に続いて、純水によりウエハをリンス洗浄するリンス工程、次いで乾燥工程を有する。
乾燥工程に続いて、再び、酸化膜生成工程、水蒸気接触工程、及び酸化膜エッチング工程を行うこともできる。
【0019】
水蒸気接触工程及び酸化膜エッチング工程に代えて、無水フッ酸ガスと水蒸気との混合ガスにウエハを接触させて、ウエハ表面上の酸化膜をエッチングして除去する工程を有するようにすることもできる。
【0020】
更に、水蒸気接触工程に代えて、純水によるリンス洗浄処理、酸化膜生成工程と水蒸気接触工程に代えて、オゾン水による洗浄処理、及び酸性水溶液による洗浄処理のいずれかを行うようにしても良い。更に、純水によるリンス洗浄処理では、純水に代えて、アルコール又は超臨界流体を使ってリンス洗浄を行うこともできる。アルコールとして例えばIPA(イソプロピルアルコール)、エタノール等を使い、超臨界流体として例えば超臨界二酸化炭素(CO2 )等を使う。
【0021】
また、酸化膜生成工程では、酸化性ガスによる酸化処理に代えて、オゾン水による酸化処理、又は過酸化水素水による酸化処理を行っても良い。更には、酸化膜生成工程では、オゾンガスや酸素ガスを流しながら、紫外光を照射してウエハ表面の酸化を行っても良い。
更に、酸化膜エッチング工程では、ウエハを回転させつつエッチングガスに接触させ、エッチング効率を向上させることもできる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下に、実施形態例を挙げ、添付図面を参照して、本発明の実施の形態を具体的かつ詳細に説明する。
実施形態例
本実施形態例は本発明に係る洗浄方法の実施形態の一例である。図1は本実施形態例の方法を適用する際に使用する洗浄装置の構成を示すフローシート、図2及び図3はそれぞれフッ酸蒸気発生部及び水蒸気発生部の構成を示すフローチャート、図4は本実施形態例の方法を適用する際の手順を示すフローチャート、並びに図5(a)から(f)は、それぞれ、本実施形態例の方法を適用した際の工程毎の模式的ウエハ断面図である。
先ず、図1から図3を参照して、本実施形態例の方法を適用する際に使用する洗浄装置の構成を説明する。
洗浄装置10は、図1に示すように、洗浄装置本体12と、洗浄装置本体12にフッ酸蒸気を供給するフッ酸蒸気発生部14と、洗浄装置本体12に水蒸気を供給する水蒸気発生部16と、窒素ガスを洗浄装置本体12に供給する窒素ガス系18とを備えている。
【0023】
フッ酸蒸気発生部14は、図2に示すように、温度調節器付きヒータ20を備えた容器に無水フッ酸を収容し、窒素ガスを導入して無水フッ酸をバブリングさせ、フッ酸蒸気を生成するバブラー22と、流量調節器24を介してバブラー22に窒素ガスを導入する第1窒素ガス供給管26と、バブラー22で生成したフッ酸蒸気を窒素ガスと共に流出させるフッ酸蒸気管28とを有する。
水蒸気発生部16は、図3に示すように、温度調節器付きヒータ30を備えた容器に純水を収容し、窒素ガスを導入して純水をバブリングさせ、水蒸気を生成するバブラー32と、流量調節器34を介してバブラー32に窒素ガスを導入する第2窒素ガス供給管36と、バブラー32で生成した水蒸気を窒素ガスと共に流出させる水蒸気管38とを有する。
【0024】
窒素ガス系18は、流量調節器40、開閉弁42、及び温度調節器44を順次有して、洗浄装置本体12の洗浄処理チャンバ52に窒素ガスを導入する第3窒素ガス管46を備え、開閉弁42と温度調節器44との間の第3窒素ガス管46に開閉弁48及び50を介してそれぞれフッ酸蒸気発生部14及び水蒸気発生部16を接続させている。
本洗浄装置10では、上述した窒素ガスに代えて、不活性ガスを使用することもできる。
【0025】
洗浄装置本体12は、洗浄処理チャンバ52と、洗浄処理チャンバ52に紫外線を照射する紫外線ランプ54と、洗浄処理チャンバ52を加熱する温度調節器付きヒータ56とを備えている。
洗浄処理チャンバ52内には、温度調節器付きヒータ58を内蔵して温度調節可能なウエハステージ60が設けられ、ウエハステージ60上にウエハWを載置させるようになっている。また、洗浄処理チャンバ52には、流量調節器62を介して純水が純水供給管64により供給され、また開閉弁66を有する酸化性ガス供給管68により酸素又はオゾンが供給される。
更に、排気量調節器70を介して排気管72により排ガスが排出され、廃液量調節器74を介して廃液管76により廃液が排出される。
【0026】
次に、図4及び図5を参照し、上述の洗浄装置10を使ってウエハを洗浄する方法を説明する。
ステップS 1 表面酸化処理
本実施形態例での洗浄対象は、微粒子78を付着させた図5(a)に示すようなウエハ80である。先ず、洗浄処理チャンバ52のウエハステージ60上に被洗浄面を上方に向けてウエハ80を載置する。ウエハステージ60の温度調節器付きヒータ58によりウエハの温度を所定の温度に調節する。
次いで、酸化性ガス供給管68から酸化性ガスとして酸素ガスを洗浄処理チャンバ52に導入する。続いて、紫外線ランプ54を点灯して紫外線を照射し、洗浄処理チャンバ52内の酸素ガスを活性化することにより、ウエハWの被洗浄面を酸化して、図5(b)に示すように、微粒子78を付着させたウエハ80上に酸化膜82、例えばシリコン酸化膜を生成する。この時、酸化を促進するために必要に応じて、ウエハ80を加熱してもよい。
尚、酸素ガスに代えて、酸化性ガスとしてオゾンガスを導入しても良い。
【0027】
この後の処理で、酸化膜82をエッチングすることになるので、酸化膜82の膜厚が厚いほどエッチング量が増えることになる。酸化反応はウエハ表面の温度に依存するので、酸化膜の膜厚を薄くしたい場合には、ウエハの温度を低下させる。例えば、洗浄処理チャンバ52にウエハを冷却する冷却機構を設け、冷却機構によりウエハを冷却するようにしても良い。また、ウエハが常温であっても、紫外線照射によってウエハ表面の温度が上昇する場合が多いので、酸化膜の膜厚を薄くしたい場合には、紫外線の照射時間を短くする。
逆に、酸化を速く進行させて酸化膜を厚くする場合には、水蒸気発生部16から水蒸気を発生させて、酸素ガスと共に水蒸気を洗浄処理チャンバ52に供給する。
【0028】
酸化処理が終了した時点で、紫外線照射を停止し、かつ酸素ガスの供給を停止する。
続いて、第3窒素ガス管46から窒素ガスを洗浄処理チャンバ52に供給して、洗浄処理チャンバ52内の残存する酸素ガスを窒素ガスで置換する。
【0029】
ステップS 2 水蒸気接触処理
次いで、水蒸気発生部16から水蒸気を洗浄処理チャンバ52に導入する。水蒸気を導入するには、純水をバブラー32に収容して温度調節器付きヒータ30で温度調節し、第2窒素ガス管36から純水中に窒素ガスを導入し、バブリングさせることにより、水蒸気を発生させる。これにより、水蒸気濃度の高い水蒸気同伴窒素ガスを洗浄処理チャンバ52に供給することができる。
水蒸気濃度の高い水蒸気同伴窒素ガスは、洗浄処理チャンバ52内でウエハWに接触し、水分子が、図5(c)に示すように、ウエハ表面に吸着して、水分子吸着層84を形成する。
尚、所要量の水蒸気を発生させることができる限り、バブラーを使ったバブリングによる水蒸気発生に代えて、別の水蒸気発生装置を使用しても良い。
【0030】
水蒸気濃度を高く、ウエハの温度を低く、圧力を高くすることは、ウエハ上に形成される吸着水分量が増加するので、好ましい。
そこで、水分がウエハに結露しないような条件で、つまりウエハ表面近傍の雰囲気の状態とウエハの温度を熱平衡状態に維持し、なるべく多くの水分をウエハ表面に吸着させることが好ましい。多くの水分を吸着させることにより、エッチング処理工程でエッチングによって表面から離されたパーティクルと基板との間にウエハ表面に吸着している水分が侵入する場合に、多くの水分が侵入するので、パーティクルとウエハ表面の距離を、水分が少ない場合に比較して、より離すことができる。よって、ファンデルワールス力が低下し、パーティクルの表面への再付着をより強く抑制するように働くためである。
また、金属汚染はエッチング処理工程で酸化膜とともに溶解されて、表面水中に分散することになるが、溶媒である水分が多ければ、相対的に水分中の金属濃度が低くなる。通常の溶液へのウエハの浸漬と同じように、溶液中の金属濃度が低ければ低いほど、浸漬したウエハへの金属の吸着(付着、或いは析出、汚染)量は少なくなる。このため、多くの水分を吸着させることにより、ウエハ表面への金属の再付着が抑制されるように働くためである。
例えば、常温常圧の条件では、水分の濃度を62%(フッ酸と水の共沸濃度)以上にする。
【0031】
ステップS 3 表面エッチング処理
次いで、表面エッチング処理工程に移行する。フッ酸蒸気発生部14及び水蒸気発生部16でそれぞれフッ酸及び水蒸気を発生させて、無水フッ酸ガスと水蒸気の混合ガスを洗浄処理チャンバ52に導入する。必要に応じて、第3窒素ガス管46から窒素ガスをキャリアガスとして供給しても良い。
無水フッ酸ガスを供給するには、無水フッ酸をバブラー22に収容して温度調節器付きヒータ20で温度調節し、第1窒素ガス管26から無水フッ酸中に窒素ガスを導入し、バブリングさせる。これにより、無水フッ酸を発生させることができる。
洗浄処理チャンバ52に供給された無水フッ酸ガスと水蒸気の混合ガスは、ステップS1 でウエハ表面に生成させた酸化膜をエッチングする。
酸化膜82のエッチングにより、図5(d)に示すように、微粒子78がウエハ表面から離間し、微粒子とウエハ表面との付着力(ファンデルワールス力)が低減する。
【0032】
単にエッチングのみが進行すると、微粒子78とウエハ80とが直ぐに接近し、相互の距離が縮小するために、ファンデルワールス力が大きくなり、再付着してしまうので、ウエハ80から微粒子78を除去できなくなってしまう。
しかし、ステップS2 で水蒸気をウエハ表面に吸着させ、更にステップS3 でも水蒸気を供給し続けることにより、図5(e)に示すように、ウエハ表面には水膜86が形成される。即ち、微粒子78がウエハ表面の水膜86中や水膜86の表面上に浮かぶような状態となる。この結果、微粒子78とウエハ表面が接近して、ファンデルワールス力が強くなることが妨げられる。
【0033】
ステップS1 の表面酸化処理工程でウエハ表面に生成した酸化膜82が全てエッチングされてしまうまで、フッ酸蒸気と水蒸気の混合ガスの供給を続ける。また、この時、ウエハ表面の水分が過剰になると、フッ酸を含有した水がウエハ表面で水滴状に凝集し、局所的に反応が進み、均一性が低下してしまうなどの理由から、ウエハ表面の温度が、供給する無水フッ酸ガスと水蒸気の混合ガスの温度と同じか、又はウエハ表面に水分が結露しない程度の温度になるように、温度調節することが好ましい。
一方、洗浄処理チャンバ52の内壁などは、温度調節器付きヒータ56で加熱して、無水フッ酸ガスと水蒸気の混合ガスの温度と同じか又はより高い温度に内壁の温度を維持して、内壁でのフッ酸や水分の結露を防止する。
【0034】
ステップS 4 リンス処理
エッチングによる酸化膜除去が完了した後、無水フッ酸ガス及び水蒸気の供給を停止し、純水供給管64から純水を洗浄処理チャンバ52に供給して、ウエハに純水を接触させつつ廃液を廃液管76から排出する。
供給された純水は、水流を形成して、ウエハ周りを流れ、図5(f)に示すように、ウエハ表面の水膜86中や水膜86の表面上に浮かぶような状態にあった微粒子78を押し流し、ウエハ表面から除去する。
この時、通常の枚葉式スピン洗浄装置を使ったリンス方法と同様に、図1には図示していないウエハ回転機構を起動して、ウエハ中心を回転軸としてウエハを回転させて、回転中心付近から純水を供給し、ウエハ表面に供給された純水を遠心力により回転中心から半径方向にウエハ外周に向け流すようにしてもよい。例えば、ウエハを水平に置きウエハ中心を回転中心として300rpm程度の回転数で水平に回転させておき、ウエハ中心部分から純水を約1.5L/分で数秒流すようにする。
【0035】
ステップS 5 第1乾燥処理
純水リンスによって微粒子が除去され、ウエハ表面のフッ酸成分が純水でリンスされた後、ウエハを乾燥させる。
第1乾燥処理工程での乾燥は、ウエハ表面上に局所的な水分の残留、例えば水滴が存在しないようにすることが目的であり、再びステップS1 の表面酸化処理を行うための前処理である。
つまり、再表面酸化を行う場合の乾燥条件として、表面に吸着している水分が酸化に影響しない程度に水分を除去できれば良い。表面の水滴を除去するだけで良ければ、ウエハの回転数を上げて遠心力を利用した振切り乾燥のみでも良く、また、次の再酸化処理のために表面の水分を更に低減する必要があれば、ウエハを回転させて振切り乾燥すると共に乾燥窒素ガスあるいは不活性ガスを供給し、更にウエハを加熱することなどを併用すれば良い。また、ウエハの乾燥を促進するために、室温の乾燥窒素や不活性ガスではなく、加熱した窒素ガスや不活性ガスを供給してもよい。
この時、洗浄処理チャンバ52の内壁に付着している水分などが再表面酸化処理に支障となるときには、洗浄処理チャンバ52をヒータ56で加熱して、水分などを内壁から除去するようにする。
【0036】
必要に応じて、ステップS5 第1乾燥処理に引き続き、ステップS1 の表面酸化処理からステップS5 の第1乾燥処理の手順を繰り返し行う。
但し、一回のみの処理で繰り返す必要が無い場合には、次の第2乾燥処理に移行する。
【0037】
ステップS 6 第2乾燥処理
繰り返し処理が終了した後、ステップS6 第2乾燥処理に移行する。第2乾燥処理は、ウエハの洗浄処理の終了後、洗浄処理チャンバ52からウエハを取り出して次のプロセスに移行するために行うものであって、第1乾燥処理で乾燥が不十分な場合に行う。
第2乾燥処理では、例えば、ウエハを回転させて振切り乾燥すると共に乾燥窒素ガスあるいは不活性ガスを洗浄処理チャンバ52に供給し、更にウエハを加熱することなどを併用すれば良い。
第2乾燥処理を終了した後、洗浄処理チャンバ52からウエハを取り出して一連の洗浄処理が終了する。
【0038】
実施例
以下は、実施形態例の洗浄方法の具体的な一例であって、各工程の処理条件等を示している。
表面酸化処理の条件
洗浄処理チャンバの圧力:常圧
ウエハの温度:加熱なし
紫外線照射時間:20秒
水蒸気供給の条件
洗浄処理チャンバの圧力:常圧
ウエハの温度:常温(23℃程度で雰囲気の温度と同じとする)
水蒸気濃度:95%
水蒸気供給時間:30秒
表面エッチング処理の条件
洗浄処理チャンバの圧力:常圧
ウエハの温度:常温(23℃程度で雰囲気の温度と同じとする)
エッチングガスの種類:フッ酸
エッチングガスの濃度:3.8%
エッチング時間:90秒
【0039】
実施形態例2
実施形態例1はウエハに付着した微粒子の除去を対象としているが、本実施形態例は、ウエハの汚染金属を除去する例である。
本実施形態例では、ステップS2 の水蒸気接触処理を除いて、実施形態例1と同様の処理を行う。ステップS2 の水蒸気接触処理では、金属汚染除去効果を向上させるために、水蒸気の供給に代えて、純水によるリンス洗浄、オゾン水による洗浄、或いは希塩酸水による洗浄などの酸性の水溶液による前処理を行う。純水リンス洗浄又はオゾン水洗浄を行うと、化学薬品の使用量を大幅に削減することができる。
純水やオゾン水等の容易に蒸発する液体以外のものを使用して、リンス洗浄を行う際には、リンス洗浄後、振切り乾燥を開始してウエハ表面の水膜による干渉縞、いわゆる可視光の干渉縞が見えなくなる程度の膜厚、例えば数100nmの膜厚の水膜になるまでウエハを乾燥させた後、次のステップS3 のフッ酸ガスによる表面酸化処理工程に移行する。
【0040】
実施形態例1の変形例1
実施形態例1では、ステップS1 の表面酸化処理で、紫外線照射を行ってウエハ表面の酸化を促進しているが、他の方法で酸化してもよい。例えば、オゾンガスに酸化処理やオゾンガスと水蒸気の混合ガスによる酸化処理、酸素プラズマによる酸化処理、オゾンガスを純水に溶解したオゾン水による酸化処理、過酸化水素水による酸化処理などにより、ウエハの酸化を行ってもよい。
しかし、ウエハがあまり高温になる処理では、微粒子の固着や微粒子の構成成分のウエハ内への拡散、ウエハ表面の金属汚染物質のウエハ内への拡散などの悪影響が生じるので、熱酸化処理など高温で長時間の処理は避けた方がよい。
また、表面酸化処理では、洗浄処理チャンバ52内の圧力を高めて、酸化種の密度を上げることにより、ウエハ表面の酸化を促進するようにしてもよい。
【0041】
実施形態例1の変形例2
実施形態例1では、ステップS3 の表面エッチング処理工程でも、無水フッ酸ガスに加えて水蒸気を供給しているので、水分子の吸着と気化の熱平衡状態にウエハ表面を維持しつつ高濃度で水蒸気を供給できる限り、実施形態例1のステップS2 の水蒸気供給工程を省いても良い。
【0042】
実施形態例1の変形例3
実施形態例1のステップS3 の表面エッチング処理では、ウエハを回転させながら酸化処理を行うことにより、エッチングの面内均一性を高めるようにすることもできる。
また、無水フッ酸ガスと水蒸気の混合ガスを供給してエッチングする過程で、ウエハ表面の酸化膜が全てエッチングされて無くなる前にフッ酸ガスの供給を止め、水蒸気のみを供給するようにしてもよい。フッ酸ガスの供給を止めた後でも、洗浄処理チャンバ52内にはフッ酸ガスが残留し、またウエハ表面の吸着水中にフッ酸成分が残留しているので、エッチングが進行すると共に、チャンバ内の水蒸気量を増加させることができるので、ウエハ表面の水分を増加させることができる。フッ酸ガスの供給を早く止めることで、無駄に流れるフッ酸をなくすこともできるので、これにより、フッ酸の使用量を節減し、薬剤使用効率を向上させる効果がある。
【0043】
実施形態例1の変形例4
実施形態例1のステップS3 の表面エッチング処理では、液体の無水フッ酸をバブリングさせて生成した無水フッ酸ガスと水蒸気の混合ガスを使用しているが、これに代えて、フッ酸ガスとしてフッ酸水溶液から蒸発させたフッ酸ガスを用いてもよい。この時、フッ酸ガスの濃度を一定に保ち易くするためには、フッ酸と水の共沸濃度の水溶液を用いるとよい。
また、ステップS3 の表面エッチング処理では、フッ酸ガスと水蒸気に加えて塩酸ガスなど他の酸性ガスを添加してもよい。例えば塩酸ガスを添加することにより、金属汚染物質がウエハ表面に再付着してしまうのを抑制することができる。
【0044】
実施形態例1の変形例5
実施形態例1では、ステップS1 の表面酸化処理と、ステップS3 のフッ酸ガスによるエッチング処理とを同じ洗浄処理チャンバ52で行っているが、表面酸化処理とエッチング処理とを、それぞれ、別の洗浄処理チャンバを用いて行ってもよい。
【0045】
実施形態例1の変形例6
実施形態例1では、ステップS3 のフッ酸ガスと水蒸気の混合ガスによるエッチング処理の後、ステップS4 で純水によるリンス洗浄を行っているが、純水以外の液体を使って、例えばIPAやエタノールなどのアルコールを使って洗浄を行ってもよい。
また、超臨界流体、例えば超臨界二酸化炭素(CO2)などを用いてリンス洗浄を行ってもよい。この場合、超臨界流体に相溶剤を添加してリンス液の溶解を促進したり、界面活性剤、酸化剤などを添加し、微粒子や汚染金属がウエハ表面に再吸着することを防止するようにしてもよい。
【0046】
実施形態例1の変形例7
実施形態例1のステップS2 の水蒸気接触処理及びステップS3 の表面エッチング処理では、ウエハ表面に水分やフッ酸が結露しないようにコントロールしているが、ウエハを冷却するなどしてウエハ表面近傍で水分やフッ酸の過飽和状態を作り、ウエハ表面に水分やフッ酸を結露させるようにしてもよい。
これにより、多くの水分がウエハ表面に存在することになり、エッチング処理工程でエッチングによって表面から離されたパーティクルと基板との間に多くの水分が侵入するので、パーティクルとウエハ表面の距離を、水分が少ない場合に比較して、より離すことができる。よって、ファンデルワールス力が低下し、パーティクルの表面への再付着を抑制するようにできるためである。
また、金属汚染はエッチング処理工程で酸化膜とともに溶解されて、表面水中に分散することになるが、水分が多ければ、相対的に水分中の金属濃度が低くなるため、ウエハ表面への金属の再付着が抑制されるように働く効果がある。
尚、結露しない条件とは、混合ガス中の水蒸気やフッ酸ガスが、ウエハ表面に吸着した水分やフッ酸とほぼ熱平衡状態になるような条件、或いはウエハ表面近傍で水分やフッ酸が過飽和状態にならない条件を言う。
【0047】
しかし、ウエハ表面に水分とフッ酸を結露させた場合、結露量が多いと主に結露水の表面張力によって凝集が起こり、ウエハ表面にフッ酸を含んだ水滴、或いはフッ酸水溶液の水滴が形成されてしまうために、面内均一な処理ができなくなったり、或いは水滴の表面張力によってウエハ表面に形成したパターンが損傷したりする可能性がある。
また、実施形態例1のステップS2 の水蒸気接触処理で結露量が多いとステップS3 の表面エッチング処理で、フッ酸ガスを供給する際、結露水があるために結露水表面にフッ酸ガスが溶解し始めても、ウエハ表面に達するまでに時間がかかり、実際のエッチングの開始タイミングが遅れるという問題がある。
その他、フッ酸ガスの吸着(溶解)量に比較して結露水の量が多いために、フッ酸ガスが溶解した結露水の酸水溶液の濃度が薄くなってしまう。その結果、エッチング速度が遅くなってしまうなどの問題が発生する。このため、ウエハ表面に水分やフッ酸を結露させる場合は、ウエハ表面で水分が凝集しない量に結露量を適切にコントロールする必要がある。この場合、表面の濡れ性によって水分量は変化し、親水性表面では多く結露させることができ、疎水性表面では親水性表面より少ない水分量で結露水が凝集し、水滴状になり好ましくない。また、水分が凝集を通り越して過剰になり、水で盛ったような状態の液膜状態は、言うまでもなく、過剰である。
【0048】
実施形態例1の変形例8
実施形態例1の変形例7では、ウエハに供給するフッ酸ガスと水蒸気の混合ガスの温度よりウエハの温度を低温にすることにより、ウエハ表面にフッ酸や水蒸気を結露するようにしているが、供給する混合ガスが高い温度で飽和した状態で供給することにより、相対的に温度の低いウエハ表面(この場合、常温付近の温度)に結露するようにしてもよい。
【0049】
実施形態例1の変形例9
本変形例では、実施形態例1のステップS2 で、水蒸気を供給する代わりに、純水によるリンス洗浄を短時間行う。その後、振切り乾燥を行い、ウエハ表面の水膜による干渉縞、つまり可視光の干渉縞が見えなくなる程度、例えば数100nmの膜厚の水膜になるまで乾燥させた後、次のフッ酸ガスによる表面エッチング処理を行うようにしてもよい。
本変形例の短時間のリンス洗浄とは、ウエハ表面にある程度均一な膜厚の水膜を形成するためのリンス洗浄であって、例えば、ウエハ表面全体が、一瞬、リンス洗浄に使用した純水で覆われる程度でよく、数秒間という時間単位で必要十分である。
【0050】
【発明の効果】
本発明によれば、ウエハをエッチングガスに接触させ、ウエハ表面上の酸化膜をエッチングして除去する酸化膜エッチング工程の前に、予めウエハを水蒸気に接触させることにより、化学吸着や物理吸着により被処理表面に吸着する分子、及び液化して被洗浄面に存在する液体の量をコントロールすることができる。
これにより、微粒子が物理的にウエハから移動するまでの間、または移動中にウエハ表面に再付着しないように、微粒子をウエハ表面からある程度以上の距離に離間させ、微粒子とウエハとの結合力であるファンデルワールス引力(分子間力)を弱めることができ、よって、パーティクル除去率や金属汚染除去量を向上させることができる。
本発明によれば、ウエハ表面の微粒子や金属汚染の除去効果を高く維持しつつ、フッ酸等の薬液の使用量を減らすことができる。例えば、従来の洗浄方法の1/1000以下に薬液の使用量を減らすことが出来る。また、フッ酸水溶液を用いる場合に比較して、本発明では無水フッ酸ガスを使用しているので、フッ酸を希釈する水が不要になり、それだけ、純水の使用量を削減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例1の方法を適用する際に使用する洗浄装置の構成を示すフローシートである。
【図2】フッ酸蒸気発生部の構成を示すフローチャートである。
【図3】フッ酸蒸気発生部及び水蒸気発生部の構成を示すフローチャートである。
【図4】実施形態例1の方法を適用する際の手順を示すフローチャートである。
【図5】図5(a)から(f)は、それぞれ、実施形態例1の方法を適用した際の工程毎の模式的ウエハ断面図である。
【図6】図6(a)から(c)は、それぞれ、本発明方法の洗浄作用を段階毎に説明する模式的断面図である。
【符号の説明】
10……洗浄装置、12……洗浄装置本体、14……洗浄装置本体、16……水蒸気発生部、18……窒素ガス系、20……温度調節器付きヒータ、22……バブラー、24……流量調節器、26……第1窒素ガス供給管、28……フッ酸蒸気管、30……温度調節器付きヒータ、32……バブラー、34……流量調節器、36……第2窒素ガス供給管、38……水蒸気管、40……流量調節器、42……開閉弁、44……温度調節器、46……第3窒素ガス管、48、50……開閉弁、52……洗浄処理チャンバ、54……紫外線ランプ、56……温度調節器付きヒータ、58……温度調節器付きヒータ、60……ウエハステージ、62……流量調節器、64……純水供給管、66……開閉弁、68……酸化性ガス供給管、70……排気量調節器、72……排気管、74……廃液量調節器、76……廃液管、78……微粒子、80……ウエハ、82……酸化膜、84……水分子の吸着層、86……水膜。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ウエハの洗浄方法に関し、更に詳細には、ウエハに付着した無機性或いは有機性の汚染物質、特にウエハに付着した微粒子状の汚染物質の除去に好適なウエハの洗浄方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置の製造工程では、通常、一つのプロセスをウエハに施す毎に、例えばウエハにエッチング処理を施した後に、エッチング残渣等を除去するためにウエハの洗浄処理を行っている。場合によっては、プロセスの前処理として洗浄処理をウエハに施している。
従来の一般的なウエハの洗浄処理では、先ず、アンモニア水と過酸化水素水の混合水溶液による洗浄処理を行い、続いて塩酸と過酸化水素水の混合水溶液による洗浄処理を行う2段階洗浄、いわゆるRCA洗浄と呼ばれる洗浄方法が多用されている。
【0003】
また、特開平9−283484号公報は、酸化性水溶液でウエハ表面を酸化させて、ウエハ表面に酸化膜を形成する酸化膜形成工程と、エッチング液で酸化膜を選択的にエッチングして除去するエッチング工程とを有し、エッチング工程で酸化膜を除去すると共にウエハ表面に付着している物質を除去する洗浄方法を提案している。前掲公報による洗浄方法は、具体的には、オゾン水を用いて酸化膜を形成し、次いで希フッ酸を用いて酸化膜を除去すると共に付着物を除去する枚葉式スピン洗浄方法である。
【0004】
特開平9−293702号公報は、オゾンガス、フッ酸ガス、フッ酸蒸気を用いたウエハ洗浄方法を提案している。
また、別の報告では、無水フッ酸による酸化膜のエッチングでは、0〜1%程度の水分をコントロールすることにより、ウエハ上に生成した種々の酸化膜に対するエッチングレートをコントロールすることができるとされている。
【0005】
また、水蒸気の存在下でフッ化水素によりシリコン酸化膜をエッチングしてウエハを洗浄する方法を提案している、特開平9−102483号公報は、段落〔0005〕に次のように記載している。
シリコン酸化膜のエッチングに対してガスエッチング媒体を用いた気相処理方法が開発されている。例えば、ブラックウッド(Blackwood )他の米国特許第4,749,440号は、商業的に実施されている半導体基板の気相エッチング処理を開示している。この方法では、ほぼ通常の大気圧及び室温で基板を反応性ガス、好ましくは乾燥不活性ガスキャリヤ内で水蒸気含有不活性ガスと混合させた無水フッ化水素ガスの混合物の定常流雰囲気に触れさせる。水蒸気含有不活性ガス、好ましくは窒素は水蒸気室から流出して、無水フッ化水素ガスが流れ始める前からフッ化水素ガスの流れが止まるまで、乾燥不活性ガス、好ましくは窒素と混合される。この方法において、無水反応性ガスを不活性ガス及び水蒸気含有不活性ガスと混合することによって、ほぼ大気状態で再現性のある均一で制御可能なエッチングが可能になることがわかった。
【0006】
また、薬品使用量を削減するために、特定の化学物質のガスや蒸気を用いる方法が提案され、或いはシリコン酸化膜をエッチングして特定の汚染金属を除去する方法、更には、様々なウエハの汚染物質の除去方法が、新技術として提案されている。
【0007】
【特許文献1】
特開平9−283484号公報(第2頁)
【特許文献2】
特開平9−102483号公報(第2頁)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のウエハ洗浄方法には以下のような問題があった。
先ず、RCA洗浄等の洗浄液による従来のウエハ洗浄方法では、実際にウエハ表面の洗浄に寄与する洗浄液量に比較して遙に多量の洗浄液量が必要である。それは、ウエハ表面の洗浄度を均一にするために、またウエハ表面から除去した汚染物質をウエハ上から移送するために、洗浄液の液流をウエハ周りに形成することが必要であるからである。
このために、洗浄液による従来のウエハ洗浄方法には、洗浄液の使用量が多く、コスト削減が難しいという問題があった。
【0009】
また、ガスや蒸気を用いた洗浄方法は、液体を用いた方法に比較して薬品の使用量は少ないものの、特定の汚染物質の除去、例えば、エッチング残渣や特定の金属汚染の除去に用いられる場合が多い。従って、半導体装置の製造に際して必要になる一般的なウエハ洗浄に適用することは難しく、RCA洗浄に代わる洗浄方法とは言えない。
それは、ガスや蒸気を用いた洗浄方法では、ウエハの付着微粒子、或いはウエハの汚染物質が無機物、有機物などの種々の物質の混合物であるために、組成を特定することが極めて難しく、従って、洗浄に使用するガスや蒸気の選定が困難であるからである。また、特定の限られた化学反応だけで種々の組成の付着微粒子を気化させ、ウエハ表面から除去することは現実には無理である。
そのため、ガスや蒸気を用いた洗浄方法のみにより、完全なウエハ洗浄を確実に行うことは難しい。
【0010】
例えば、特開平9−293702号公報で提案されているガスや蒸気を用いたウエハ洗浄方法は、今後の微細化したLSIの製造に際し、パーティクルや金属汚染の除去効果が必ずしも、充分でなく、更なる改良の余地がある。
【0011】
また、特開平9−102483号公報に記載のように、例えばフッ酸蒸気を用いる方法として、水蒸気、エタノール蒸気、酢酸蒸気などをフッ酸蒸気に添加して酸化膜をエッチングする方法が知られているが、この方法では、エッチングに際して生成するエッチング反応生成物によるパーティクル発生を抑制することができるものの、元々ウエハに付着していたパーティクルを除去することはできない。
【0012】
そこで、本発明の目的は、ウエハに付着した無機性或いは有機性汚染物質、特にウエハに付着した微粒子状の汚染物質を、少ない薬品使用量で確実に除去できるウエハの洗浄方法を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
無機性及び有機性の微粒子と薬液との化学反応のみで微粒子を気化させて除去することは難しい。従って、薬液との化学反応のみでは、ウエハの確実な洗浄も難しく、また、薬液の使用量の削減も難しい。
そこで、本発明者は、図6を参照して、以下に説明するような洗浄作用を着想し、着想した洗浄作用が有効であることを実験により確認して、本発明を発明するに到った。図6(a)から(c)は、本発明の洗浄作用を説明する模式的断面図である。
(1)ウエハ表面と微粒子を結合している主な力はファンデルワールス引力(分子間力)である。ファンデルワース引力は、引力が作用する物体同士の距離の6乗程度に逆比例して弱くなる。従って、図6(a)に示すように、ウエハと微粒子の接触部分を僅かにエッチングして、図6(b)に示すように、ウエハと微粒子との距離を増大させることにより、結合力を著しく弱めることができる。
(2)結合力が弱めれられた微粒子が物理的に移動させられるまでの間、または、移動中にウエハ表面に再付着しないように、図6(b)に示すように、ある程度以上の距離で微粒子をウエハ表面から離しておく。換言すれば、結合力(ファンデルワールス引力(分子間力))を弱い状態に維持する。
(3)そして、図6(c)に示すように、リンス洗浄等により微粒子を物理的にウエハから移動させる。
【0014】
上記目的を達成するために、上述の知見に基づいて、本発明に係るウエハの洗浄方法は、ウエハを洗浄して、ウエハの表面に付着している物質を除去する方法であって、
酸化性ガスとウエハとを接触させ、ウエハ表層を酸化してウエハ面上に酸化膜を生成させる酸化膜生成工程と、
ウエハを水蒸気に接触させて、ウエハ表面に吸着水分による液膜を形成する水蒸気接触工程と、
ウエハをエッチングガスに接触させ、ウエハ表面上の吸着水分など吸着物質の液体を保持したまま、ウエハ面上の酸化膜をエッチングして除去する酸化膜エッチング工程と
を有することを特徴としている。
【0015】
本発明は、気相状態の化学物質、つまりエッチングガスやエッチング力を有する蒸気によりエッチングを行うときに、エッチング前に予めウエハを水蒸気に接触させることにより、また、エッチング工程でエッチングガス中に添加する水蒸気によって、化学吸着や物理吸着により被処理表面に吸着する水の分子の量及び液化して被洗浄面に存在する液体の量をコントロールすることができる。
これにより、微粒子が物理的に移動するまでの間、または移動中にウエハ表面に再付着しないように、微粒子をウエハ表面からある程度以上の距離に離間させ、結合力(ファンデルワールス引力(分子間力))を弱めておくことができる。よって、パーティクル除去率や金属汚染除去量を向上させることができる。
【0016】
これは、エッチング工程でウエハ表面上に液膜が存在しない場合は、エッチングによって表面から離されたパーティクルは、表面とパーティクルとの間には雰囲気ガス(エッチングガス)しか存在しないため、パーティクルの表面への再付着に抗する力が発生しない。このため、パーティクルは表面にすぐに接近して、ファンデルワールス引力が強くなり、更に接近してしまい、最後には、表面にパーティクルが再付着した状態になってしまう。
一方、液膜が存在する場合には、エッチングによってパーティクルが表面から離され、パーティクルと基板との間にはウエハ表面に吸着している水分が侵入する。或いは、パーティクルと基板との間に雰囲気中の水蒸気が吸着するため、パーティクルとウエハ表面の接近を抑制することになり、パーティクルの表面への再付着を防止するように働くためである。
【0017】
本発明方法の酸化膜エッチング工程では、好適には、エッチングガスとして無水フッ酸を使用する。
また、酸化膜エッチング工程では、無水フッ酸ガスと水蒸気との混合ガスにウエハを接触させて、ウエハ面上の酸化膜をエッチングして除去する。混合ガスの水蒸気濃度を高くして、ウエハ表面に水分を結露させ、ウエハ表面を水分が多い状態にコントロールすることにより、微粒子除去や金属汚染除去の効果を高めることができる。
【0018】
酸化膜エッチング工程に続いて、純水によりウエハをリンス洗浄するリンス工程、次いで乾燥工程を有する。
乾燥工程に続いて、再び、酸化膜生成工程、水蒸気接触工程、及び酸化膜エッチング工程を行うこともできる。
【0019】
水蒸気接触工程及び酸化膜エッチング工程に代えて、無水フッ酸ガスと水蒸気との混合ガスにウエハを接触させて、ウエハ表面上の酸化膜をエッチングして除去する工程を有するようにすることもできる。
【0020】
更に、水蒸気接触工程に代えて、純水によるリンス洗浄処理、酸化膜生成工程と水蒸気接触工程に代えて、オゾン水による洗浄処理、及び酸性水溶液による洗浄処理のいずれかを行うようにしても良い。更に、純水によるリンス洗浄処理では、純水に代えて、アルコール又は超臨界流体を使ってリンス洗浄を行うこともできる。アルコールとして例えばIPA(イソプロピルアルコール)、エタノール等を使い、超臨界流体として例えば超臨界二酸化炭素(CO2 )等を使う。
【0021】
また、酸化膜生成工程では、酸化性ガスによる酸化処理に代えて、オゾン水による酸化処理、又は過酸化水素水による酸化処理を行っても良い。更には、酸化膜生成工程では、オゾンガスや酸素ガスを流しながら、紫外光を照射してウエハ表面の酸化を行っても良い。
更に、酸化膜エッチング工程では、ウエハを回転させつつエッチングガスに接触させ、エッチング効率を向上させることもできる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下に、実施形態例を挙げ、添付図面を参照して、本発明の実施の形態を具体的かつ詳細に説明する。
実施形態例
本実施形態例は本発明に係る洗浄方法の実施形態の一例である。図1は本実施形態例の方法を適用する際に使用する洗浄装置の構成を示すフローシート、図2及び図3はそれぞれフッ酸蒸気発生部及び水蒸気発生部の構成を示すフローチャート、図4は本実施形態例の方法を適用する際の手順を示すフローチャート、並びに図5(a)から(f)は、それぞれ、本実施形態例の方法を適用した際の工程毎の模式的ウエハ断面図である。
先ず、図1から図3を参照して、本実施形態例の方法を適用する際に使用する洗浄装置の構成を説明する。
洗浄装置10は、図1に示すように、洗浄装置本体12と、洗浄装置本体12にフッ酸蒸気を供給するフッ酸蒸気発生部14と、洗浄装置本体12に水蒸気を供給する水蒸気発生部16と、窒素ガスを洗浄装置本体12に供給する窒素ガス系18とを備えている。
【0023】
フッ酸蒸気発生部14は、図2に示すように、温度調節器付きヒータ20を備えた容器に無水フッ酸を収容し、窒素ガスを導入して無水フッ酸をバブリングさせ、フッ酸蒸気を生成するバブラー22と、流量調節器24を介してバブラー22に窒素ガスを導入する第1窒素ガス供給管26と、バブラー22で生成したフッ酸蒸気を窒素ガスと共に流出させるフッ酸蒸気管28とを有する。
水蒸気発生部16は、図3に示すように、温度調節器付きヒータ30を備えた容器に純水を収容し、窒素ガスを導入して純水をバブリングさせ、水蒸気を生成するバブラー32と、流量調節器34を介してバブラー32に窒素ガスを導入する第2窒素ガス供給管36と、バブラー32で生成した水蒸気を窒素ガスと共に流出させる水蒸気管38とを有する。
【0024】
窒素ガス系18は、流量調節器40、開閉弁42、及び温度調節器44を順次有して、洗浄装置本体12の洗浄処理チャンバ52に窒素ガスを導入する第3窒素ガス管46を備え、開閉弁42と温度調節器44との間の第3窒素ガス管46に開閉弁48及び50を介してそれぞれフッ酸蒸気発生部14及び水蒸気発生部16を接続させている。
本洗浄装置10では、上述した窒素ガスに代えて、不活性ガスを使用することもできる。
【0025】
洗浄装置本体12は、洗浄処理チャンバ52と、洗浄処理チャンバ52に紫外線を照射する紫外線ランプ54と、洗浄処理チャンバ52を加熱する温度調節器付きヒータ56とを備えている。
洗浄処理チャンバ52内には、温度調節器付きヒータ58を内蔵して温度調節可能なウエハステージ60が設けられ、ウエハステージ60上にウエハWを載置させるようになっている。また、洗浄処理チャンバ52には、流量調節器62を介して純水が純水供給管64により供給され、また開閉弁66を有する酸化性ガス供給管68により酸素又はオゾンが供給される。
更に、排気量調節器70を介して排気管72により排ガスが排出され、廃液量調節器74を介して廃液管76により廃液が排出される。
【0026】
次に、図4及び図5を参照し、上述の洗浄装置10を使ってウエハを洗浄する方法を説明する。
ステップS 1 表面酸化処理
本実施形態例での洗浄対象は、微粒子78を付着させた図5(a)に示すようなウエハ80である。先ず、洗浄処理チャンバ52のウエハステージ60上に被洗浄面を上方に向けてウエハ80を載置する。ウエハステージ60の温度調節器付きヒータ58によりウエハの温度を所定の温度に調節する。
次いで、酸化性ガス供給管68から酸化性ガスとして酸素ガスを洗浄処理チャンバ52に導入する。続いて、紫外線ランプ54を点灯して紫外線を照射し、洗浄処理チャンバ52内の酸素ガスを活性化することにより、ウエハWの被洗浄面を酸化して、図5(b)に示すように、微粒子78を付着させたウエハ80上に酸化膜82、例えばシリコン酸化膜を生成する。この時、酸化を促進するために必要に応じて、ウエハ80を加熱してもよい。
尚、酸素ガスに代えて、酸化性ガスとしてオゾンガスを導入しても良い。
【0027】
この後の処理で、酸化膜82をエッチングすることになるので、酸化膜82の膜厚が厚いほどエッチング量が増えることになる。酸化反応はウエハ表面の温度に依存するので、酸化膜の膜厚を薄くしたい場合には、ウエハの温度を低下させる。例えば、洗浄処理チャンバ52にウエハを冷却する冷却機構を設け、冷却機構によりウエハを冷却するようにしても良い。また、ウエハが常温であっても、紫外線照射によってウエハ表面の温度が上昇する場合が多いので、酸化膜の膜厚を薄くしたい場合には、紫外線の照射時間を短くする。
逆に、酸化を速く進行させて酸化膜を厚くする場合には、水蒸気発生部16から水蒸気を発生させて、酸素ガスと共に水蒸気を洗浄処理チャンバ52に供給する。
【0028】
酸化処理が終了した時点で、紫外線照射を停止し、かつ酸素ガスの供給を停止する。
続いて、第3窒素ガス管46から窒素ガスを洗浄処理チャンバ52に供給して、洗浄処理チャンバ52内の残存する酸素ガスを窒素ガスで置換する。
【0029】
ステップS 2 水蒸気接触処理
次いで、水蒸気発生部16から水蒸気を洗浄処理チャンバ52に導入する。水蒸気を導入するには、純水をバブラー32に収容して温度調節器付きヒータ30で温度調節し、第2窒素ガス管36から純水中に窒素ガスを導入し、バブリングさせることにより、水蒸気を発生させる。これにより、水蒸気濃度の高い水蒸気同伴窒素ガスを洗浄処理チャンバ52に供給することができる。
水蒸気濃度の高い水蒸気同伴窒素ガスは、洗浄処理チャンバ52内でウエハWに接触し、水分子が、図5(c)に示すように、ウエハ表面に吸着して、水分子吸着層84を形成する。
尚、所要量の水蒸気を発生させることができる限り、バブラーを使ったバブリングによる水蒸気発生に代えて、別の水蒸気発生装置を使用しても良い。
【0030】
水蒸気濃度を高く、ウエハの温度を低く、圧力を高くすることは、ウエハ上に形成される吸着水分量が増加するので、好ましい。
そこで、水分がウエハに結露しないような条件で、つまりウエハ表面近傍の雰囲気の状態とウエハの温度を熱平衡状態に維持し、なるべく多くの水分をウエハ表面に吸着させることが好ましい。多くの水分を吸着させることにより、エッチング処理工程でエッチングによって表面から離されたパーティクルと基板との間にウエハ表面に吸着している水分が侵入する場合に、多くの水分が侵入するので、パーティクルとウエハ表面の距離を、水分が少ない場合に比較して、より離すことができる。よって、ファンデルワールス力が低下し、パーティクルの表面への再付着をより強く抑制するように働くためである。
また、金属汚染はエッチング処理工程で酸化膜とともに溶解されて、表面水中に分散することになるが、溶媒である水分が多ければ、相対的に水分中の金属濃度が低くなる。通常の溶液へのウエハの浸漬と同じように、溶液中の金属濃度が低ければ低いほど、浸漬したウエハへの金属の吸着(付着、或いは析出、汚染)量は少なくなる。このため、多くの水分を吸着させることにより、ウエハ表面への金属の再付着が抑制されるように働くためである。
例えば、常温常圧の条件では、水分の濃度を62%(フッ酸と水の共沸濃度)以上にする。
【0031】
ステップS 3 表面エッチング処理
次いで、表面エッチング処理工程に移行する。フッ酸蒸気発生部14及び水蒸気発生部16でそれぞれフッ酸及び水蒸気を発生させて、無水フッ酸ガスと水蒸気の混合ガスを洗浄処理チャンバ52に導入する。必要に応じて、第3窒素ガス管46から窒素ガスをキャリアガスとして供給しても良い。
無水フッ酸ガスを供給するには、無水フッ酸をバブラー22に収容して温度調節器付きヒータ20で温度調節し、第1窒素ガス管26から無水フッ酸中に窒素ガスを導入し、バブリングさせる。これにより、無水フッ酸を発生させることができる。
洗浄処理チャンバ52に供給された無水フッ酸ガスと水蒸気の混合ガスは、ステップS1 でウエハ表面に生成させた酸化膜をエッチングする。
酸化膜82のエッチングにより、図5(d)に示すように、微粒子78がウエハ表面から離間し、微粒子とウエハ表面との付着力(ファンデルワールス力)が低減する。
【0032】
単にエッチングのみが進行すると、微粒子78とウエハ80とが直ぐに接近し、相互の距離が縮小するために、ファンデルワールス力が大きくなり、再付着してしまうので、ウエハ80から微粒子78を除去できなくなってしまう。
しかし、ステップS2 で水蒸気をウエハ表面に吸着させ、更にステップS3 でも水蒸気を供給し続けることにより、図5(e)に示すように、ウエハ表面には水膜86が形成される。即ち、微粒子78がウエハ表面の水膜86中や水膜86の表面上に浮かぶような状態となる。この結果、微粒子78とウエハ表面が接近して、ファンデルワールス力が強くなることが妨げられる。
【0033】
ステップS1 の表面酸化処理工程でウエハ表面に生成した酸化膜82が全てエッチングされてしまうまで、フッ酸蒸気と水蒸気の混合ガスの供給を続ける。また、この時、ウエハ表面の水分が過剰になると、フッ酸を含有した水がウエハ表面で水滴状に凝集し、局所的に反応が進み、均一性が低下してしまうなどの理由から、ウエハ表面の温度が、供給する無水フッ酸ガスと水蒸気の混合ガスの温度と同じか、又はウエハ表面に水分が結露しない程度の温度になるように、温度調節することが好ましい。
一方、洗浄処理チャンバ52の内壁などは、温度調節器付きヒータ56で加熱して、無水フッ酸ガスと水蒸気の混合ガスの温度と同じか又はより高い温度に内壁の温度を維持して、内壁でのフッ酸や水分の結露を防止する。
【0034】
ステップS 4 リンス処理
エッチングによる酸化膜除去が完了した後、無水フッ酸ガス及び水蒸気の供給を停止し、純水供給管64から純水を洗浄処理チャンバ52に供給して、ウエハに純水を接触させつつ廃液を廃液管76から排出する。
供給された純水は、水流を形成して、ウエハ周りを流れ、図5(f)に示すように、ウエハ表面の水膜86中や水膜86の表面上に浮かぶような状態にあった微粒子78を押し流し、ウエハ表面から除去する。
この時、通常の枚葉式スピン洗浄装置を使ったリンス方法と同様に、図1には図示していないウエハ回転機構を起動して、ウエハ中心を回転軸としてウエハを回転させて、回転中心付近から純水を供給し、ウエハ表面に供給された純水を遠心力により回転中心から半径方向にウエハ外周に向け流すようにしてもよい。例えば、ウエハを水平に置きウエハ中心を回転中心として300rpm程度の回転数で水平に回転させておき、ウエハ中心部分から純水を約1.5L/分で数秒流すようにする。
【0035】
ステップS 5 第1乾燥処理
純水リンスによって微粒子が除去され、ウエハ表面のフッ酸成分が純水でリンスされた後、ウエハを乾燥させる。
第1乾燥処理工程での乾燥は、ウエハ表面上に局所的な水分の残留、例えば水滴が存在しないようにすることが目的であり、再びステップS1 の表面酸化処理を行うための前処理である。
つまり、再表面酸化を行う場合の乾燥条件として、表面に吸着している水分が酸化に影響しない程度に水分を除去できれば良い。表面の水滴を除去するだけで良ければ、ウエハの回転数を上げて遠心力を利用した振切り乾燥のみでも良く、また、次の再酸化処理のために表面の水分を更に低減する必要があれば、ウエハを回転させて振切り乾燥すると共に乾燥窒素ガスあるいは不活性ガスを供給し、更にウエハを加熱することなどを併用すれば良い。また、ウエハの乾燥を促進するために、室温の乾燥窒素や不活性ガスではなく、加熱した窒素ガスや不活性ガスを供給してもよい。
この時、洗浄処理チャンバ52の内壁に付着している水分などが再表面酸化処理に支障となるときには、洗浄処理チャンバ52をヒータ56で加熱して、水分などを内壁から除去するようにする。
【0036】
必要に応じて、ステップS5 第1乾燥処理に引き続き、ステップS1 の表面酸化処理からステップS5 の第1乾燥処理の手順を繰り返し行う。
但し、一回のみの処理で繰り返す必要が無い場合には、次の第2乾燥処理に移行する。
【0037】
ステップS 6 第2乾燥処理
繰り返し処理が終了した後、ステップS6 第2乾燥処理に移行する。第2乾燥処理は、ウエハの洗浄処理の終了後、洗浄処理チャンバ52からウエハを取り出して次のプロセスに移行するために行うものであって、第1乾燥処理で乾燥が不十分な場合に行う。
第2乾燥処理では、例えば、ウエハを回転させて振切り乾燥すると共に乾燥窒素ガスあるいは不活性ガスを洗浄処理チャンバ52に供給し、更にウエハを加熱することなどを併用すれば良い。
第2乾燥処理を終了した後、洗浄処理チャンバ52からウエハを取り出して一連の洗浄処理が終了する。
【0038】
実施例
以下は、実施形態例の洗浄方法の具体的な一例であって、各工程の処理条件等を示している。
表面酸化処理の条件
洗浄処理チャンバの圧力:常圧
ウエハの温度:加熱なし
紫外線照射時間:20秒
水蒸気供給の条件
洗浄処理チャンバの圧力:常圧
ウエハの温度:常温(23℃程度で雰囲気の温度と同じとする)
水蒸気濃度:95%
水蒸気供給時間:30秒
表面エッチング処理の条件
洗浄処理チャンバの圧力:常圧
ウエハの温度:常温(23℃程度で雰囲気の温度と同じとする)
エッチングガスの種類:フッ酸
エッチングガスの濃度:3.8%
エッチング時間:90秒
【0039】
実施形態例2
実施形態例1はウエハに付着した微粒子の除去を対象としているが、本実施形態例は、ウエハの汚染金属を除去する例である。
本実施形態例では、ステップS2 の水蒸気接触処理を除いて、実施形態例1と同様の処理を行う。ステップS2 の水蒸気接触処理では、金属汚染除去効果を向上させるために、水蒸気の供給に代えて、純水によるリンス洗浄、オゾン水による洗浄、或いは希塩酸水による洗浄などの酸性の水溶液による前処理を行う。純水リンス洗浄又はオゾン水洗浄を行うと、化学薬品の使用量を大幅に削減することができる。
純水やオゾン水等の容易に蒸発する液体以外のものを使用して、リンス洗浄を行う際には、リンス洗浄後、振切り乾燥を開始してウエハ表面の水膜による干渉縞、いわゆる可視光の干渉縞が見えなくなる程度の膜厚、例えば数100nmの膜厚の水膜になるまでウエハを乾燥させた後、次のステップS3 のフッ酸ガスによる表面酸化処理工程に移行する。
【0040】
実施形態例1の変形例1
実施形態例1では、ステップS1 の表面酸化処理で、紫外線照射を行ってウエハ表面の酸化を促進しているが、他の方法で酸化してもよい。例えば、オゾンガスに酸化処理やオゾンガスと水蒸気の混合ガスによる酸化処理、酸素プラズマによる酸化処理、オゾンガスを純水に溶解したオゾン水による酸化処理、過酸化水素水による酸化処理などにより、ウエハの酸化を行ってもよい。
しかし、ウエハがあまり高温になる処理では、微粒子の固着や微粒子の構成成分のウエハ内への拡散、ウエハ表面の金属汚染物質のウエハ内への拡散などの悪影響が生じるので、熱酸化処理など高温で長時間の処理は避けた方がよい。
また、表面酸化処理では、洗浄処理チャンバ52内の圧力を高めて、酸化種の密度を上げることにより、ウエハ表面の酸化を促進するようにしてもよい。
【0041】
実施形態例1の変形例2
実施形態例1では、ステップS3 の表面エッチング処理工程でも、無水フッ酸ガスに加えて水蒸気を供給しているので、水分子の吸着と気化の熱平衡状態にウエハ表面を維持しつつ高濃度で水蒸気を供給できる限り、実施形態例1のステップS2 の水蒸気供給工程を省いても良い。
【0042】
実施形態例1の変形例3
実施形態例1のステップS3 の表面エッチング処理では、ウエハを回転させながら酸化処理を行うことにより、エッチングの面内均一性を高めるようにすることもできる。
また、無水フッ酸ガスと水蒸気の混合ガスを供給してエッチングする過程で、ウエハ表面の酸化膜が全てエッチングされて無くなる前にフッ酸ガスの供給を止め、水蒸気のみを供給するようにしてもよい。フッ酸ガスの供給を止めた後でも、洗浄処理チャンバ52内にはフッ酸ガスが残留し、またウエハ表面の吸着水中にフッ酸成分が残留しているので、エッチングが進行すると共に、チャンバ内の水蒸気量を増加させることができるので、ウエハ表面の水分を増加させることができる。フッ酸ガスの供給を早く止めることで、無駄に流れるフッ酸をなくすこともできるので、これにより、フッ酸の使用量を節減し、薬剤使用効率を向上させる効果がある。
【0043】
実施形態例1の変形例4
実施形態例1のステップS3 の表面エッチング処理では、液体の無水フッ酸をバブリングさせて生成した無水フッ酸ガスと水蒸気の混合ガスを使用しているが、これに代えて、フッ酸ガスとしてフッ酸水溶液から蒸発させたフッ酸ガスを用いてもよい。この時、フッ酸ガスの濃度を一定に保ち易くするためには、フッ酸と水の共沸濃度の水溶液を用いるとよい。
また、ステップS3 の表面エッチング処理では、フッ酸ガスと水蒸気に加えて塩酸ガスなど他の酸性ガスを添加してもよい。例えば塩酸ガスを添加することにより、金属汚染物質がウエハ表面に再付着してしまうのを抑制することができる。
【0044】
実施形態例1の変形例5
実施形態例1では、ステップS1 の表面酸化処理と、ステップS3 のフッ酸ガスによるエッチング処理とを同じ洗浄処理チャンバ52で行っているが、表面酸化処理とエッチング処理とを、それぞれ、別の洗浄処理チャンバを用いて行ってもよい。
【0045】
実施形態例1の変形例6
実施形態例1では、ステップS3 のフッ酸ガスと水蒸気の混合ガスによるエッチング処理の後、ステップS4 で純水によるリンス洗浄を行っているが、純水以外の液体を使って、例えばIPAやエタノールなどのアルコールを使って洗浄を行ってもよい。
また、超臨界流体、例えば超臨界二酸化炭素(CO2)などを用いてリンス洗浄を行ってもよい。この場合、超臨界流体に相溶剤を添加してリンス液の溶解を促進したり、界面活性剤、酸化剤などを添加し、微粒子や汚染金属がウエハ表面に再吸着することを防止するようにしてもよい。
【0046】
実施形態例1の変形例7
実施形態例1のステップS2 の水蒸気接触処理及びステップS3 の表面エッチング処理では、ウエハ表面に水分やフッ酸が結露しないようにコントロールしているが、ウエハを冷却するなどしてウエハ表面近傍で水分やフッ酸の過飽和状態を作り、ウエハ表面に水分やフッ酸を結露させるようにしてもよい。
これにより、多くの水分がウエハ表面に存在することになり、エッチング処理工程でエッチングによって表面から離されたパーティクルと基板との間に多くの水分が侵入するので、パーティクルとウエハ表面の距離を、水分が少ない場合に比較して、より離すことができる。よって、ファンデルワールス力が低下し、パーティクルの表面への再付着を抑制するようにできるためである。
また、金属汚染はエッチング処理工程で酸化膜とともに溶解されて、表面水中に分散することになるが、水分が多ければ、相対的に水分中の金属濃度が低くなるため、ウエハ表面への金属の再付着が抑制されるように働く効果がある。
尚、結露しない条件とは、混合ガス中の水蒸気やフッ酸ガスが、ウエハ表面に吸着した水分やフッ酸とほぼ熱平衡状態になるような条件、或いはウエハ表面近傍で水分やフッ酸が過飽和状態にならない条件を言う。
【0047】
しかし、ウエハ表面に水分とフッ酸を結露させた場合、結露量が多いと主に結露水の表面張力によって凝集が起こり、ウエハ表面にフッ酸を含んだ水滴、或いはフッ酸水溶液の水滴が形成されてしまうために、面内均一な処理ができなくなったり、或いは水滴の表面張力によってウエハ表面に形成したパターンが損傷したりする可能性がある。
また、実施形態例1のステップS2 の水蒸気接触処理で結露量が多いとステップS3 の表面エッチング処理で、フッ酸ガスを供給する際、結露水があるために結露水表面にフッ酸ガスが溶解し始めても、ウエハ表面に達するまでに時間がかかり、実際のエッチングの開始タイミングが遅れるという問題がある。
その他、フッ酸ガスの吸着(溶解)量に比較して結露水の量が多いために、フッ酸ガスが溶解した結露水の酸水溶液の濃度が薄くなってしまう。その結果、エッチング速度が遅くなってしまうなどの問題が発生する。このため、ウエハ表面に水分やフッ酸を結露させる場合は、ウエハ表面で水分が凝集しない量に結露量を適切にコントロールする必要がある。この場合、表面の濡れ性によって水分量は変化し、親水性表面では多く結露させることができ、疎水性表面では親水性表面より少ない水分量で結露水が凝集し、水滴状になり好ましくない。また、水分が凝集を通り越して過剰になり、水で盛ったような状態の液膜状態は、言うまでもなく、過剰である。
【0048】
実施形態例1の変形例8
実施形態例1の変形例7では、ウエハに供給するフッ酸ガスと水蒸気の混合ガスの温度よりウエハの温度を低温にすることにより、ウエハ表面にフッ酸や水蒸気を結露するようにしているが、供給する混合ガスが高い温度で飽和した状態で供給することにより、相対的に温度の低いウエハ表面(この場合、常温付近の温度)に結露するようにしてもよい。
【0049】
実施形態例1の変形例9
本変形例では、実施形態例1のステップS2 で、水蒸気を供給する代わりに、純水によるリンス洗浄を短時間行う。その後、振切り乾燥を行い、ウエハ表面の水膜による干渉縞、つまり可視光の干渉縞が見えなくなる程度、例えば数100nmの膜厚の水膜になるまで乾燥させた後、次のフッ酸ガスによる表面エッチング処理を行うようにしてもよい。
本変形例の短時間のリンス洗浄とは、ウエハ表面にある程度均一な膜厚の水膜を形成するためのリンス洗浄であって、例えば、ウエハ表面全体が、一瞬、リンス洗浄に使用した純水で覆われる程度でよく、数秒間という時間単位で必要十分である。
【0050】
【発明の効果】
本発明によれば、ウエハをエッチングガスに接触させ、ウエハ表面上の酸化膜をエッチングして除去する酸化膜エッチング工程の前に、予めウエハを水蒸気に接触させることにより、化学吸着や物理吸着により被処理表面に吸着する分子、及び液化して被洗浄面に存在する液体の量をコントロールすることができる。
これにより、微粒子が物理的にウエハから移動するまでの間、または移動中にウエハ表面に再付着しないように、微粒子をウエハ表面からある程度以上の距離に離間させ、微粒子とウエハとの結合力であるファンデルワールス引力(分子間力)を弱めることができ、よって、パーティクル除去率や金属汚染除去量を向上させることができる。
本発明によれば、ウエハ表面の微粒子や金属汚染の除去効果を高く維持しつつ、フッ酸等の薬液の使用量を減らすことができる。例えば、従来の洗浄方法の1/1000以下に薬液の使用量を減らすことが出来る。また、フッ酸水溶液を用いる場合に比較して、本発明では無水フッ酸ガスを使用しているので、フッ酸を希釈する水が不要になり、それだけ、純水の使用量を削減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例1の方法を適用する際に使用する洗浄装置の構成を示すフローシートである。
【図2】フッ酸蒸気発生部の構成を示すフローチャートである。
【図3】フッ酸蒸気発生部及び水蒸気発生部の構成を示すフローチャートである。
【図4】実施形態例1の方法を適用する際の手順を示すフローチャートである。
【図5】図5(a)から(f)は、それぞれ、実施形態例1の方法を適用した際の工程毎の模式的ウエハ断面図である。
【図6】図6(a)から(c)は、それぞれ、本発明方法の洗浄作用を段階毎に説明する模式的断面図である。
【符号の説明】
10……洗浄装置、12……洗浄装置本体、14……洗浄装置本体、16……水蒸気発生部、18……窒素ガス系、20……温度調節器付きヒータ、22……バブラー、24……流量調節器、26……第1窒素ガス供給管、28……フッ酸蒸気管、30……温度調節器付きヒータ、32……バブラー、34……流量調節器、36……第2窒素ガス供給管、38……水蒸気管、40……流量調節器、42……開閉弁、44……温度調節器、46……第3窒素ガス管、48、50……開閉弁、52……洗浄処理チャンバ、54……紫外線ランプ、56……温度調節器付きヒータ、58……温度調節器付きヒータ、60……ウエハステージ、62……流量調節器、64……純水供給管、66……開閉弁、68……酸化性ガス供給管、70……排気量調節器、72……排気管、74……廃液量調節器、76……廃液管、78……微粒子、80……ウエハ、82……酸化膜、84……水分子の吸着層、86……水膜。
Claims (10)
- ウエハを洗浄して、ウエハの表面に付着している物質を除去する方法であって、
酸化性ガスとウエハとを接触させ、ウエハ表層を酸化してウエハ面上に酸化膜を生成させる酸化膜生成工程と、
ウエハを水蒸気に接触させる水蒸気接触工程と、
ウエハをエッチングガスに接触させ、ウエハ面上の酸化膜をエッチングして除去する酸化膜エッチング工程と
を有することを特徴とするウエハの洗浄方法。 - 酸化膜エッチング工程では、エッチングガスとして無水フッ酸を使用することを特徴とする請求項1に記載のウエハの洗浄方法。
- 酸化膜エッチング工程では、無水フッ酸ガスと水蒸気との混合ガスにウエハを接触させて、ウエハ表面上の酸化膜をエッチングして除去することを特徴とする請求項2に記載のウエハの洗浄方法。
- 酸化膜エッチング工程に続いて、純水によりウエハをリンス洗浄するリンス工程、次いで乾燥工程を有することを特徴とする請求項1に記載のウエハの洗浄方法。
- 乾燥工程に続いて、再び、酸化膜生成工程、水蒸気接触工程、及び酸化膜エッチング工程を行うことを特徴とする請求項4に記載のウエハの洗浄方法。
- 水蒸気接触工程及び酸化膜エッチング工程に代えて、無水フッ酸ガスと水蒸気との混合ガスにウエハを接触させ、ウエハ面上の酸化膜をエッチングして除去する工程を有することを特徴とする請求項2又は5に記載のウエハの洗浄方法。
- 水蒸気接触工程に代えて、純水によるリンス洗浄処理、オゾン水による洗浄処理、及び酸性水溶液による洗浄処理のいずれかを行う工程を有することを特徴とする請求項1に記載のウエハの洗浄方法。
- 純水によるリンス洗浄処理では、純水に代えて、アルコール又は超臨界流体を使ってリンス洗浄を行うことを特徴とする請求項7に記載のウエハの洗浄方法。
- 酸化膜生成工程では、酸化性ガスによる酸化処理に代えて、オゾン水による酸化処理、又は過酸化水素水による酸化処理を行うことを特徴とする請求項1に記載のウエハの洗浄方法。
- 酸化膜エッチング工程では、ウエハを回転させつつエッチングガスに接触させることを特徴とする請求項1に記載のウエハの洗浄方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003069486A JP2004281620A (ja) | 2003-03-14 | 2003-03-14 | ウエハの洗浄方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003069486A JP2004281620A (ja) | 2003-03-14 | 2003-03-14 | ウエハの洗浄方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004281620A true JP2004281620A (ja) | 2004-10-07 |
Family
ID=33286506
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003069486A Pending JP2004281620A (ja) | 2003-03-14 | 2003-03-14 | ウエハの洗浄方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004281620A (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007266490A (ja) * | 2006-03-29 | 2007-10-11 | Toshiba Corp | 基板の処理方法および半導体装置の製造方法 |
JP2010118498A (ja) * | 2008-11-13 | 2010-05-27 | Dainippon Screen Mfg Co Ltd | 基板処理方法および基板処理装置 |
CN102339751A (zh) * | 2010-07-21 | 2012-02-01 | 中国科学院微电子研究所 | 改善氮化镓基场效应管后道工艺的方法 |
CN102354663A (zh) * | 2011-11-08 | 2012-02-15 | 浚鑫科技股份有限公司 | 一种硅片刻蚀方法 |
WO2012036114A1 (ja) * | 2010-09-16 | 2012-03-22 | シャープ株式会社 | エッチング装置およびエッチング方法 |
CN103000544A (zh) * | 2011-09-13 | 2013-03-27 | 康可电子(无锡)有限公司 | 一种磷硼预扩散工艺用测试片的循环利用方法 |
CN103208443A (zh) * | 2012-01-11 | 2013-07-17 | 大日本网屏制造株式会社 | 基板处理方法以及基板处理装置 |
US8664092B2 (en) | 2009-06-26 | 2014-03-04 | Sumco Corporation | Method for cleaning silicon wafer, and method for producing epitaxial wafer using the cleaning method |
-
2003
- 2003-03-14 JP JP2003069486A patent/JP2004281620A/ja active Pending
Cited By (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007266490A (ja) * | 2006-03-29 | 2007-10-11 | Toshiba Corp | 基板の処理方法および半導体装置の製造方法 |
JP2010118498A (ja) * | 2008-11-13 | 2010-05-27 | Dainippon Screen Mfg Co Ltd | 基板処理方法および基板処理装置 |
US8664092B2 (en) | 2009-06-26 | 2014-03-04 | Sumco Corporation | Method for cleaning silicon wafer, and method for producing epitaxial wafer using the cleaning method |
CN102339751A (zh) * | 2010-07-21 | 2012-02-01 | 中国科学院微电子研究所 | 改善氮化镓基场效应管后道工艺的方法 |
WO2012036114A1 (ja) * | 2010-09-16 | 2012-03-22 | シャープ株式会社 | エッチング装置およびエッチング方法 |
CN103000544A (zh) * | 2011-09-13 | 2013-03-27 | 康可电子(无锡)有限公司 | 一种磷硼预扩散工艺用测试片的循环利用方法 |
CN102354663A (zh) * | 2011-11-08 | 2012-02-15 | 浚鑫科技股份有限公司 | 一种硅片刻蚀方法 |
CN102354663B (zh) * | 2011-11-08 | 2013-09-18 | 浚鑫科技股份有限公司 | 一种硅片刻蚀方法 |
CN103208443A (zh) * | 2012-01-11 | 2013-07-17 | 大日本网屏制造株式会社 | 基板处理方法以及基板处理装置 |
US8877653B2 (en) | 2012-01-11 | 2014-11-04 | SCREEN Holdings Co., Ltd. | Substrate processing method and substrate processing apparatus |
TWI479561B (zh) * | 2012-01-11 | 2015-04-01 | Screen Holdings Co Ltd | 基板處理方法及基板處理裝置 |
KR101520529B1 (ko) * | 2012-01-11 | 2015-05-14 | 가부시키가이샤 스크린 홀딩스 | 기판 처리 방법 및 기판 처리 장치 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6551409B1 (en) | Method for removing organic contaminants from a semiconductor surface | |
US6701941B1 (en) | Method for treating the surface of a workpiece | |
KR100572295B1 (ko) | 반도체 웨이퍼와 같은 작업편을 가공하는 공정 및 장치 | |
TW466558B (en) | Method of removing contamination adhered to surfaces and apparatus used therefor | |
JP4001662B2 (ja) | シリコンの洗浄方法および多結晶シリコンの作製方法 | |
US7264680B2 (en) | Process and apparatus for treating a workpiece using ozone | |
JP4948508B2 (ja) | 半導体ウェーハを湿式化学的処理する方法 | |
US20060151007A1 (en) | Workpiece processing using ozone gas and chelating agents | |
JP2004538635A5 (ja) | ||
US20120145672A1 (en) | Process for selectively removing nitride from substrates | |
JP2006261685A (ja) | 半導体ウエハ等のワークピースを処理するための方法及び装置 | |
JP2001118817A (ja) | 表面浄化装置及び表面浄化方法 | |
US20050133067A1 (en) | Processing a workpiece using water, a base, and ozone | |
JP3231999B2 (ja) | 皮膜除去方法および装置 | |
JP2004281620A (ja) | ウエハの洗浄方法 | |
US20060137723A1 (en) | Workpiece processing using ozone gas and solvents | |
JP2000070885A (ja) | 基板洗浄装置及び基板洗浄方法 | |
JP4763756B2 (ja) | 半導体ウェハを洗浄、乾燥及び親水化する方法 | |
JP2005019787A (ja) | ウエハの洗浄方法 | |
TW512397B (en) | Device and process for drying disk-like objects | |
JP2003264168A (ja) | 基板周縁処理装置および基板周縁処理方法 | |
US20050034745A1 (en) | Processing a workpiece with ozone and a halogenated additive | |
JP2001340817A (ja) | 表面付着汚染物質の除去方法及び除去装置 | |
JP2006229002A (ja) | 半導体装置の製造方法および半導体製造装置 | |
JPH0656833B2 (ja) | 基板のレジスト除去洗浄方法及びその装置 |