JP2004281321A - 飛散防止機能を有する紫外線放射ランプ - Google Patents
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Abstract
【課題】破損したとき飛散機能を有する紫外線放射ランプの提供。
【解決手段】200nm〜400nmを主に放射する紫外線放射ランプを、該紫外線放射ランプの径より少なくとも0.5mm大きい径を有するフッ素樹脂よりなる被覆体で覆った二重構造を有する飛散防止機能を有する紫外線放射ランプであって、前記紫外線放射ランプ端部口金部分はフッ素樹脂被覆体によってシーリング処理が施され、且つ紫外線放射ランプとフッ素樹脂被覆体との間に中空部があることを特徴とする飛散防止機能を有する紫外線放射ランプである。
【選択図】図2
【解決手段】200nm〜400nmを主に放射する紫外線放射ランプを、該紫外線放射ランプの径より少なくとも0.5mm大きい径を有するフッ素樹脂よりなる被覆体で覆った二重構造を有する飛散防止機能を有する紫外線放射ランプであって、前記紫外線放射ランプ端部口金部分はフッ素樹脂被覆体によってシーリング処理が施され、且つ紫外線放射ランプとフッ素樹脂被覆体との間に中空部があることを特徴とする飛散防止機能を有する紫外線放射ランプである。
【選択図】図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、紫外線を主に放射する紫外線放射ランプをフッ素樹脂チューブで被覆した飛散防止機能を有する紫外線放射ランプに関する。
【0002】
【従来の技術】
外部からの強い衝撃や落下によって、破損した蛍光ランプのガラス片が飛散しないような飛散防止機能を有する蛍光ランプは、既に知られている。例えば、100μの厚さ程度の熱収縮性PETチューブを蛍光ランプに被覆させ、熱で収縮させ密着させるものや、1mm厚前後の筒状に成型されたアクリル樹脂やポリカーボネート樹脂等の合成樹脂成型品で蛍光ランプをカバーし、両端にキャップを取り付けるものがある。但し、これら飛散防止蛍光ランプの技術及び飛散防止具は、一般に紫外線放射の少ない蛍光ランプに利用されており、強力な紫外線を放射する紫外線放射ランプへの利用は、問題があることが知られていた。すなわち、紫外線を主に放射するブラックライト紫外線放射ランプや殺菌ランプでは、放射される紫外線が強い為に、点灯時間が長くなるにつれて紫外線によるチューブ及び筒状成型品の劣化により、飛散防止効果がなくなり、また、被覆体及び成型品自体が飛散してしまって事故につながる可能性があることと、被覆体及び成型品が、紫外線をカットして紫外線放射量が減衰され、本来の紫外線放射ランプの効果がなくなることの問題があった。特許文献1には紫外線を透過し、且つ紫外線に強い樹脂を材料とし、紫外線光源を覆うようにした紫外線保護カバーについて開示され、具体的にはテフロン(商品名)、クロロ・トリフルオロエチレン縮合体が使用されている。
【0003】
【特許文献1】特開昭63−147467号公報
【0004】
更に、紫外線放射ランプには、一般に紫外線に劣化しにくい、厚さ400μ前後の熱収縮性フッ素樹脂チューブを紫外線放射ランプに被覆させ、熱で収縮密着させる方法も知られている。しかしながら、熱収縮フッ素樹脂チューブを紫外線放射ランプに熱収縮し密着させた紫外線放射ランプでは、飛散防止効果を発揮するには、400μ前後以上の厚さのチューブが必要でありコスト面で問題があり、現実的でなかった。また、脱着式の飛散防止カバーでは、ランプ交換時での破損による飛散の問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明者は、点灯後も長期にわたって飛散防止効果があり、破損の一番多いとされるランプ交換時においても、安全な飛散防止効果のある安価な紫外線放射ランプについて種々検討した。その結果本発明を完成したもので、本発明の目的は紫外線を主に放射する紫外線放射ランプが破損した場合、長期にわたり飛散防止機能を有し、しかも飛散防止機能を有することによる本来の紫外線の減衰がほとんどなく、コスト面にもメリットのある、飛散防止機能を有する紫外線放射ランプを提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は200nm〜400nmを主に放射する紫外線放射ランプを、該紫外線放射ランプの径より少なくとも0.5mm大きい径を有するフッ素樹脂よりなる被覆体で覆った二重構造を有する飛散防止機能を有する紫外線放射ランプであって、前記紫外線放射ランプ端部口金部分はフッ素樹脂被覆体によってシーリング処理が施され、且つ紫外線放射ランプとフッ素樹脂被覆体との間に中空部があることを特徴とする飛散防止機能を有する紫外線放射ランプであり、前記フッ素樹脂被覆体の厚さが、50μ〜350μであることが好ましい。
即ち、本発明は、熱収縮させずに、フッ素樹脂被覆体をもって紫外線放射ランプに被覆し、フッ素樹脂被覆体と紫外線放射ランプとの間に中間部を存在させることによって、破損時の衝撃を緩和し、熱収縮させ紫外線放射ランプに密着させた紫外線放射ランプに比して飛散防止効果があり、その結果、被覆に使用するフッ素樹脂被覆体の厚さを50μ〜350μとすることができ、しかも紫外線放射ランプの端部口金部分でフッ素チューブをシーリング処理し、紫外線放射ランプ一体型中空被覆構造を持つ、常に安全な飛散防止効果を得る紫外線放射ランプとすることができたのである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明を更に詳しく説明する。
本発明において200nm〜400nmを主に放射する紫外線放射ランプとしては、例えばブラックライト紫外線放射ランプ、殺菌紫外線放射ランプ等で、その形状としては球状のもの、管状のもの等いずれでもよいが、管状の紫外線放射ランプが好ましい。この紫外線放射ランプを被覆する被覆体はフッ素樹脂よりなり、該フッ素樹脂の種類については、特に限定されないが、加工性、機械的性質、耐久性が良く、紫外線及び可視光の透過性が高いフッ素樹脂が望ましい。この様なフッ素樹脂として、PFA樹脂(4フッ化エチレンとパーフルオロアルコキシエチレンの共重合樹脂)、FEP(4フッ化エチレンと6フッ化プロピレンの共重合樹脂)、ETFE(4フッ化エチレンとエチレンの共重合樹脂)等を挙げることができる。またこれらフッ素樹脂は1種を単独で又は2種以上混合して用いることもできる。被覆体の成型方法は、特に限定されないが、溶融押し出し成形が望ましい。
【0008】
フッ素樹脂被覆体の厚さについては、被覆体の厚さが厚くなると飛散防止効果は上がるが、飛散防止効果、コスト面を考慮し、50μ〜350μであることが望ましい。フッ素樹脂被覆体の形状は被覆される紫外線放射ランプの形と相似形をしたものが好ましく、その大きさは、被覆される紫外線放射ランプの寸法より少なくとも0.5mm以上大きくし中空部を設けないと十分な飛散防止効果は得られない。そして、フッ素樹脂被覆体の端部のシーリング処理方法は、紫外線放射ランプが割れたときにチューブ端部開放部よりガラスが飛散しなければ、特に限定されないが、口金部に密着し、紫外線放射ランプと被覆体を一体化させるシーリング処理方法、例えば紫外線放射ランプ端部口金部分に両面テープを貼りフッ素樹脂被覆体を接着する方法、さらにその接着面外周に紫外線の影響を受けにくい素材、例えば、アルミ箔テープを巻き付ける方法、或いはキャップを被せる方法等がある。
【0009】
本発明にかかる飛散防止機能を有する紫外線放射ランプについて、管状の紫外線放射ランプの場合を図をもつて説明する。図1は管状の紫外線放射ランプの外観略図、図2は管状の紫外線放射ランプの正面、部分詳細図、図3は管状の紫外線放射ランプの側面、部分詳細図、図4は管状の紫外線放射ランプの端部、シーリング処理方法の例を示す図である。図1において、管状の紫外線放射ランプ1はフッ素樹脂よりなるチューブ2によって被覆され、紫外線放射ランプとフッ素樹脂チューブとの間に中空部5が存在し、紫外線放射ランプ端部はシーリング処理を施す。シーリング処理を行った紫外線放射ランプ端部を図2〜4に示す。図2において紫外線放射ランプ1に両端部口金6の外周に両面接着テープ3を巻き付け、その外側にフッ素樹脂チューブの端部を適合させ、フッ素樹脂チューブの外周に更にアルミ箔テープ4を巻き付けて固定する。図3はその側面を示す。端部のシーリング処理方法の例を図4(a)〜(c)に示す。図4(a)は上述の場合であって、口金部分に両面接着テープを捲きその外側にフッ素樹脂チューブを適合させ、フッ素樹脂チューブの外周にアルミ箔テープを巻き付け固定した場合である。図4(b)は口金部分上に接着剤を塗布し、その上フッ素樹脂チューブの端部を適合させ、その外側からキャップを被せた場合であり、図4(c)はシーリングキャップを利用して固定した場合である。本発明にかかる紫外線放射ランプは紫外線放射ランプとフッ素樹脂チューブとの間に空間部が存在するので破損したとき飛散防止機能が十分発揮できると共に、端部においてシーリング処理を施したので、紫外線放射ランプが割れたときにチューブ端部解放部よりガラス片がこぼれでることを防ぐこと等の効果を奏する。
【0010】
【実施例】
以下、実施例、比較例により更に本発明を詳述する。
実施例及び比較例における飛散防止結果、紫外線強度比は以下の試験方法及び測定方法によった。
▲1▼飛散防止試験方法
JIS C 7601の耐飛散性試験に準拠し、床面から高さ3mの位置に水平に保持したランプを床面に自然落下させて行った。飛散防止紫外線放射ランプとして、ランプのほぼ中心からランプの長さ+1m(20形で158cm)を半径とする円外にガラス片が飛散しないものでなければ成らない。
▲2▼紫外線強度比の測定方法
実施例及び比較例の紫外線紫外線放射ランプと、未被覆の紫外線紫外線放射ランプの紫外線強度を紫外線強度計UM−10(ミノルタ製)で点灯照射時間別に測定し、点灯照明時間での未被覆紫外線強度との比を求めて、紫外線減衰性を比較した。
紫外線強度比(%)=各点灯照射時間でのランプ紫外線強度/各点灯照射時間での未被覆のランプ紫外線強度×100
【0011】
実施例1
20形ブラックライト紫外線放射ランプ、FL20SBL(NEC製、外径32.5mm)のランプ両端口金部分に、両面粘着テープであるサポートベータテープ4481MH(住友3M製)を巻きつけ(幅10mm、長さ100mm)、後にPFA系フッ素樹脂で溶融押出し成形されたフッ素樹脂チューブ(内径33.5mm、厚さ150μ、長さ575mm)をブラックライト紫外線放射ランプに被覆し、フッ素樹脂チューブの両端を両面テープにて固定させ、その外周に耐熱アルミ箔テープNO433(住友3M製)を巻きつけ(幅13mm、長さ120mm)、シーリング処理をした。この様にして得られた飛散防止機能を有する紫外線放射ランプを用いて、上記の飛散防止試験方法に従って飛散防止効果を測定した。また、紫外線強度比の測定方法に従って紫外線強度比を測定した。それらの結果を合わせて表1に示した。
【0012】
実施例2
20形殺菌ランプ、GL−20(NEC製、外径32.5mm)に実施例1と同様にフッ素樹脂チューブを被覆し、シーリング処理した。この様にして得られた飛散防止機能を有する紫外線放射ランプを用いて、上記の飛散防止試験方法に従って飛散防止効果を測定した。また、紫外線強度比の測定方法に従って紫外線強度比を測定した。それらの結果を合わせて表1に示した。
【0013】
比較例1
20形ブラックライト紫外線放射ランプ、FL20SBL(NEC製、外径32.5mm)に、熱収縮性PETチューブ(内径33.5mm、厚さ100μ、長さ650mm)を被覆し、150℃で1分間乾燥機に入れ、PETチューブを熱で収縮させ紫外線放射ランプに密着させた。この紫外線放射ランプを用いて実施例1と同様に飛散防止効果と紫外線強度比を測定した。これらの結果を表1に示した。
【0014】
比較例2
20形ブラックライト紫外線放射ランプ、FL20SBL(NEC製、外径32.5mm)に、熱収縮性フッ素チューブ(内径33.5mm、厚さ150μ、長さ650mm)を被覆し、200℃で5分間乾燥機に入れ、フッ素チューブを熱で収縮させ紫外線放射ランプに密着させた。この紫外線放射ランプを用いて実施例1と同様に飛散防止効果と紫外線強度比を測定した。これらの結果を表1に示した。
【0015】
【表1】
【0016】
表1の結果から明らかなように、実施例1で示した本発明の紫外線放射ランプは、落下及び破損時の飛散防止機能と誘虫機能を有するランプとして、安全を考える工場、店舗、レストラン等の建築物の内部、外部、出入り口等に設置する捕虫器に利用することができる。また、実施例2で示した本発明の紫外線放射ランプは、落下及び破損時の飛散防止機能と殺菌機能を有するランプとして、工場、店舗、レストラン等の空気、食器類等の殺菌用として利用することができる。これに対し、比較例1では未照射の場合は飛散防止効果を有するものの、6ヶ月以上経過後は飛散防止効果が無くなり、また紫外線強度比も経時により大幅に減衰していた。また、比較例2では、紫外線強度比の減衰はみられないものの、未照射の時から飛散防止効果の無いものであった。
【0017】
【発明の効果】
以上述べたように本発明の紫外線放射ランプは、長期的に紫外線放射を減衰させないで、外部からの衝撃や落下、破損の一番多いとされるランプ交換時などの取り扱い時に発生する事故による紫外線放射ランプの飛散を防止するこができる。また、本発明の紫外線放射ランプの飛散防止方法は、長期的に紫外線放射を減衰させないで、コスト的にもメリットがある方法である。工場、店舗、レストラン等に設置される捕虫器、殺菌ランプに利用され、居住環境に貢献できるので極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の管状紫外線放射ランプの外観略図である。
【図2】本発明の管状紫外線放射ランプの正面、部分詳細図である。
【図3】本発明の管状紫外線放射ランプの側面、部分詳細図である。
【図4】本発明の管状紫外線放射ランプの端部、シーリング処理方法の例である。
【符号の説明】
1 紫外線放射ランプ 2 フッ素チューブ
3 両面粘着テープ 4 アルミ箔テープ 5 中空
6 口金 7 接着剤 8 キャップ
【発明の属する技術分野】
本発明は、紫外線を主に放射する紫外線放射ランプをフッ素樹脂チューブで被覆した飛散防止機能を有する紫外線放射ランプに関する。
【0002】
【従来の技術】
外部からの強い衝撃や落下によって、破損した蛍光ランプのガラス片が飛散しないような飛散防止機能を有する蛍光ランプは、既に知られている。例えば、100μの厚さ程度の熱収縮性PETチューブを蛍光ランプに被覆させ、熱で収縮させ密着させるものや、1mm厚前後の筒状に成型されたアクリル樹脂やポリカーボネート樹脂等の合成樹脂成型品で蛍光ランプをカバーし、両端にキャップを取り付けるものがある。但し、これら飛散防止蛍光ランプの技術及び飛散防止具は、一般に紫外線放射の少ない蛍光ランプに利用されており、強力な紫外線を放射する紫外線放射ランプへの利用は、問題があることが知られていた。すなわち、紫外線を主に放射するブラックライト紫外線放射ランプや殺菌ランプでは、放射される紫外線が強い為に、点灯時間が長くなるにつれて紫外線によるチューブ及び筒状成型品の劣化により、飛散防止効果がなくなり、また、被覆体及び成型品自体が飛散してしまって事故につながる可能性があることと、被覆体及び成型品が、紫外線をカットして紫外線放射量が減衰され、本来の紫外線放射ランプの効果がなくなることの問題があった。特許文献1には紫外線を透過し、且つ紫外線に強い樹脂を材料とし、紫外線光源を覆うようにした紫外線保護カバーについて開示され、具体的にはテフロン(商品名)、クロロ・トリフルオロエチレン縮合体が使用されている。
【0003】
【特許文献1】特開昭63−147467号公報
【0004】
更に、紫外線放射ランプには、一般に紫外線に劣化しにくい、厚さ400μ前後の熱収縮性フッ素樹脂チューブを紫外線放射ランプに被覆させ、熱で収縮密着させる方法も知られている。しかしながら、熱収縮フッ素樹脂チューブを紫外線放射ランプに熱収縮し密着させた紫外線放射ランプでは、飛散防止効果を発揮するには、400μ前後以上の厚さのチューブが必要でありコスト面で問題があり、現実的でなかった。また、脱着式の飛散防止カバーでは、ランプ交換時での破損による飛散の問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明者は、点灯後も長期にわたって飛散防止効果があり、破損の一番多いとされるランプ交換時においても、安全な飛散防止効果のある安価な紫外線放射ランプについて種々検討した。その結果本発明を完成したもので、本発明の目的は紫外線を主に放射する紫外線放射ランプが破損した場合、長期にわたり飛散防止機能を有し、しかも飛散防止機能を有することによる本来の紫外線の減衰がほとんどなく、コスト面にもメリットのある、飛散防止機能を有する紫外線放射ランプを提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は200nm〜400nmを主に放射する紫外線放射ランプを、該紫外線放射ランプの径より少なくとも0.5mm大きい径を有するフッ素樹脂よりなる被覆体で覆った二重構造を有する飛散防止機能を有する紫外線放射ランプであって、前記紫外線放射ランプ端部口金部分はフッ素樹脂被覆体によってシーリング処理が施され、且つ紫外線放射ランプとフッ素樹脂被覆体との間に中空部があることを特徴とする飛散防止機能を有する紫外線放射ランプであり、前記フッ素樹脂被覆体の厚さが、50μ〜350μであることが好ましい。
即ち、本発明は、熱収縮させずに、フッ素樹脂被覆体をもって紫外線放射ランプに被覆し、フッ素樹脂被覆体と紫外線放射ランプとの間に中間部を存在させることによって、破損時の衝撃を緩和し、熱収縮させ紫外線放射ランプに密着させた紫外線放射ランプに比して飛散防止効果があり、その結果、被覆に使用するフッ素樹脂被覆体の厚さを50μ〜350μとすることができ、しかも紫外線放射ランプの端部口金部分でフッ素チューブをシーリング処理し、紫外線放射ランプ一体型中空被覆構造を持つ、常に安全な飛散防止効果を得る紫外線放射ランプとすることができたのである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明を更に詳しく説明する。
本発明において200nm〜400nmを主に放射する紫外線放射ランプとしては、例えばブラックライト紫外線放射ランプ、殺菌紫外線放射ランプ等で、その形状としては球状のもの、管状のもの等いずれでもよいが、管状の紫外線放射ランプが好ましい。この紫外線放射ランプを被覆する被覆体はフッ素樹脂よりなり、該フッ素樹脂の種類については、特に限定されないが、加工性、機械的性質、耐久性が良く、紫外線及び可視光の透過性が高いフッ素樹脂が望ましい。この様なフッ素樹脂として、PFA樹脂(4フッ化エチレンとパーフルオロアルコキシエチレンの共重合樹脂)、FEP(4フッ化エチレンと6フッ化プロピレンの共重合樹脂)、ETFE(4フッ化エチレンとエチレンの共重合樹脂)等を挙げることができる。またこれらフッ素樹脂は1種を単独で又は2種以上混合して用いることもできる。被覆体の成型方法は、特に限定されないが、溶融押し出し成形が望ましい。
【0008】
フッ素樹脂被覆体の厚さについては、被覆体の厚さが厚くなると飛散防止効果は上がるが、飛散防止効果、コスト面を考慮し、50μ〜350μであることが望ましい。フッ素樹脂被覆体の形状は被覆される紫外線放射ランプの形と相似形をしたものが好ましく、その大きさは、被覆される紫外線放射ランプの寸法より少なくとも0.5mm以上大きくし中空部を設けないと十分な飛散防止効果は得られない。そして、フッ素樹脂被覆体の端部のシーリング処理方法は、紫外線放射ランプが割れたときにチューブ端部開放部よりガラスが飛散しなければ、特に限定されないが、口金部に密着し、紫外線放射ランプと被覆体を一体化させるシーリング処理方法、例えば紫外線放射ランプ端部口金部分に両面テープを貼りフッ素樹脂被覆体を接着する方法、さらにその接着面外周に紫外線の影響を受けにくい素材、例えば、アルミ箔テープを巻き付ける方法、或いはキャップを被せる方法等がある。
【0009】
本発明にかかる飛散防止機能を有する紫外線放射ランプについて、管状の紫外線放射ランプの場合を図をもつて説明する。図1は管状の紫外線放射ランプの外観略図、図2は管状の紫外線放射ランプの正面、部分詳細図、図3は管状の紫外線放射ランプの側面、部分詳細図、図4は管状の紫外線放射ランプの端部、シーリング処理方法の例を示す図である。図1において、管状の紫外線放射ランプ1はフッ素樹脂よりなるチューブ2によって被覆され、紫外線放射ランプとフッ素樹脂チューブとの間に中空部5が存在し、紫外線放射ランプ端部はシーリング処理を施す。シーリング処理を行った紫外線放射ランプ端部を図2〜4に示す。図2において紫外線放射ランプ1に両端部口金6の外周に両面接着テープ3を巻き付け、その外側にフッ素樹脂チューブの端部を適合させ、フッ素樹脂チューブの外周に更にアルミ箔テープ4を巻き付けて固定する。図3はその側面を示す。端部のシーリング処理方法の例を図4(a)〜(c)に示す。図4(a)は上述の場合であって、口金部分に両面接着テープを捲きその外側にフッ素樹脂チューブを適合させ、フッ素樹脂チューブの外周にアルミ箔テープを巻き付け固定した場合である。図4(b)は口金部分上に接着剤を塗布し、その上フッ素樹脂チューブの端部を適合させ、その外側からキャップを被せた場合であり、図4(c)はシーリングキャップを利用して固定した場合である。本発明にかかる紫外線放射ランプは紫外線放射ランプとフッ素樹脂チューブとの間に空間部が存在するので破損したとき飛散防止機能が十分発揮できると共に、端部においてシーリング処理を施したので、紫外線放射ランプが割れたときにチューブ端部解放部よりガラス片がこぼれでることを防ぐこと等の効果を奏する。
【0010】
【実施例】
以下、実施例、比較例により更に本発明を詳述する。
実施例及び比較例における飛散防止結果、紫外線強度比は以下の試験方法及び測定方法によった。
▲1▼飛散防止試験方法
JIS C 7601の耐飛散性試験に準拠し、床面から高さ3mの位置に水平に保持したランプを床面に自然落下させて行った。飛散防止紫外線放射ランプとして、ランプのほぼ中心からランプの長さ+1m(20形で158cm)を半径とする円外にガラス片が飛散しないものでなければ成らない。
▲2▼紫外線強度比の測定方法
実施例及び比較例の紫外線紫外線放射ランプと、未被覆の紫外線紫外線放射ランプの紫外線強度を紫外線強度計UM−10(ミノルタ製)で点灯照射時間別に測定し、点灯照明時間での未被覆紫外線強度との比を求めて、紫外線減衰性を比較した。
紫外線強度比(%)=各点灯照射時間でのランプ紫外線強度/各点灯照射時間での未被覆のランプ紫外線強度×100
【0011】
実施例1
20形ブラックライト紫外線放射ランプ、FL20SBL(NEC製、外径32.5mm)のランプ両端口金部分に、両面粘着テープであるサポートベータテープ4481MH(住友3M製)を巻きつけ(幅10mm、長さ100mm)、後にPFA系フッ素樹脂で溶融押出し成形されたフッ素樹脂チューブ(内径33.5mm、厚さ150μ、長さ575mm)をブラックライト紫外線放射ランプに被覆し、フッ素樹脂チューブの両端を両面テープにて固定させ、その外周に耐熱アルミ箔テープNO433(住友3M製)を巻きつけ(幅13mm、長さ120mm)、シーリング処理をした。この様にして得られた飛散防止機能を有する紫外線放射ランプを用いて、上記の飛散防止試験方法に従って飛散防止効果を測定した。また、紫外線強度比の測定方法に従って紫外線強度比を測定した。それらの結果を合わせて表1に示した。
【0012】
実施例2
20形殺菌ランプ、GL−20(NEC製、外径32.5mm)に実施例1と同様にフッ素樹脂チューブを被覆し、シーリング処理した。この様にして得られた飛散防止機能を有する紫外線放射ランプを用いて、上記の飛散防止試験方法に従って飛散防止効果を測定した。また、紫外線強度比の測定方法に従って紫外線強度比を測定した。それらの結果を合わせて表1に示した。
【0013】
比較例1
20形ブラックライト紫外線放射ランプ、FL20SBL(NEC製、外径32.5mm)に、熱収縮性PETチューブ(内径33.5mm、厚さ100μ、長さ650mm)を被覆し、150℃で1分間乾燥機に入れ、PETチューブを熱で収縮させ紫外線放射ランプに密着させた。この紫外線放射ランプを用いて実施例1と同様に飛散防止効果と紫外線強度比を測定した。これらの結果を表1に示した。
【0014】
比較例2
20形ブラックライト紫外線放射ランプ、FL20SBL(NEC製、外径32.5mm)に、熱収縮性フッ素チューブ(内径33.5mm、厚さ150μ、長さ650mm)を被覆し、200℃で5分間乾燥機に入れ、フッ素チューブを熱で収縮させ紫外線放射ランプに密着させた。この紫外線放射ランプを用いて実施例1と同様に飛散防止効果と紫外線強度比を測定した。これらの結果を表1に示した。
【0015】
【表1】
【0016】
表1の結果から明らかなように、実施例1で示した本発明の紫外線放射ランプは、落下及び破損時の飛散防止機能と誘虫機能を有するランプとして、安全を考える工場、店舗、レストラン等の建築物の内部、外部、出入り口等に設置する捕虫器に利用することができる。また、実施例2で示した本発明の紫外線放射ランプは、落下及び破損時の飛散防止機能と殺菌機能を有するランプとして、工場、店舗、レストラン等の空気、食器類等の殺菌用として利用することができる。これに対し、比較例1では未照射の場合は飛散防止効果を有するものの、6ヶ月以上経過後は飛散防止効果が無くなり、また紫外線強度比も経時により大幅に減衰していた。また、比較例2では、紫外線強度比の減衰はみられないものの、未照射の時から飛散防止効果の無いものであった。
【0017】
【発明の効果】
以上述べたように本発明の紫外線放射ランプは、長期的に紫外線放射を減衰させないで、外部からの衝撃や落下、破損の一番多いとされるランプ交換時などの取り扱い時に発生する事故による紫外線放射ランプの飛散を防止するこができる。また、本発明の紫外線放射ランプの飛散防止方法は、長期的に紫外線放射を減衰させないで、コスト的にもメリットがある方法である。工場、店舗、レストラン等に設置される捕虫器、殺菌ランプに利用され、居住環境に貢献できるので極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の管状紫外線放射ランプの外観略図である。
【図2】本発明の管状紫外線放射ランプの正面、部分詳細図である。
【図3】本発明の管状紫外線放射ランプの側面、部分詳細図である。
【図4】本発明の管状紫外線放射ランプの端部、シーリング処理方法の例である。
【符号の説明】
1 紫外線放射ランプ 2 フッ素チューブ
3 両面粘着テープ 4 アルミ箔テープ 5 中空
6 口金 7 接着剤 8 キャップ
Claims (2)
- 200nm〜400nmを主に放射する紫外線放射ランプを、該紫外線放射ランプの径より少なくとも0.5mm大きい径を有するフッ素樹脂よりなる被覆体で覆った二重構造を有する飛散防止機能を有する紫外線放射ランプであって、前記紫外線放射ランプ端部口金部分はフッ素樹脂被覆体によってシーリング処理が施され、且つ紫外線放射ランプとフッ素樹脂被覆体との間に中空部があることを特徴とする飛散防止機能を有する紫外線放射ランプ。
- 前記フッ素樹脂被覆体の厚さが、50μ〜350μであることを特徴とする請求項1記載の飛散防止機能を有する紫外線放射ランプ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003073880A JP2004281321A (ja) | 2003-03-18 | 2003-03-18 | 飛散防止機能を有する紫外線放射ランプ |
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JP2004281321A true JP2004281321A (ja) | 2004-10-07 |
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JP (1) | JP2004281321A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006204203A (ja) * | 2005-01-28 | 2006-08-10 | Matsushita Electric Works Ltd | 誘引光源保護カバー及びこの誘引光源保護カバーを備えた照明器具。 |
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2003
- 2003-03-18 JP JP2003073880A patent/JP2004281321A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2006204203A (ja) * | 2005-01-28 | 2006-08-10 | Matsushita Electric Works Ltd | 誘引光源保護カバー及びこの誘引光源保護カバーを備えた照明器具。 |
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