JP2004280953A - 光ディスクへの視認情報記録方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】光ディスクの記録マークの配置あるいは配置密度を少なくとも変調することによって、視認可能な情報を光ディスク上に記録する。その際、ディスク内容インデックスや日付などを視認情報化しリードアウトなどユーザ領域該に配置し、リードアウト領域を記録するファイナライズなどのタイミングで自動的に記録する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスク上に、光ディスクの記録内容を識別するための肉眼で視認可能な文字や絵等の情報を書き込む方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
レーザ光を照射して薄膜(記録膜)に情報を記録する原理は種々知られているが、そのうちで膜材料の相変化(相転移とも呼ばれる)やフォトダークニングなど、レーザ光の照射による原子配列変化を利用するものは、薄膜の変形をほとんど伴わないため、2枚のディスク部材を直接貼り合わせて両面ディスク構造光ディスク、または複数の情報面を有する多層光ディスクが得られるという長所を持つ。従来のCD−R、CD−RW、PD、DVD−R、DVD−RW、DVD−RAM等の光ディスクは、記録された情報をレーザを組み込んだ装置を用いて再生する。
【0003】
しかしながら、通常の光ディスクにおいては、記録された情報の再生はレーザ光源を組み込んだ再生装置を必要とするため、ユーザが光ディスクに記録した内容は、再生装置でその光ディスクを再生しなければ確認することができなかった。
【0004】
光ディスクに視認情報を記録する方法に関しては、たとえば、
特開平2003−16649などに記載されており、以下この視認情報の記録の例について簡単に説明する。
【0005】
光ディスクは、反射率の違いを利用して再生できる情報が記録された、あるいは記録可能なディスク状の記録媒体であり、記録情報によって変調されたレーザ光を照射することによって記録膜の光学特性すなわち反射率が変化することを利用して情報を記録し、この反射率の差を利用して情報の再生を行う。記録膜には相変化材料の他に、光照射/加熱によって消色可能な有機色素を用いることもできる。
【0006】
図2は、典型的な光ディスク記録膜材料の記録マーク部と未記録部の反射率の違いを示す図であり、横軸は波長を表し、縦軸は反射率を表す。Rmは記録マーク部の反射率、Rsは未記録部すなわちスペース部での反射率である。通常の光ディスクにおける情報の記録は、記録膜のトラックに沿いレーザ光照射によって記録マークを形成することによって行われる。また、記録された情報の再生は、マーク部とマーク間のスペース部の反射率の差を利用して記録マークの位置またはマークエッジの位置を読み取ることによって行われる。光ディスクのトラック幅は0.3〜1.6μm程度、マーク長は0.1〜5μm程度であり、記録マークは極めて小さいため、肉眼で個々の記録マークを視認することはできない。
【0007】
この従来例では、光ディスク記録膜材料の反射率が可視領域において大きく異なっていることに着目し、非晶質領域をつなげて記録膜に複数のトラックにまたがる大きな文字や絵を図形として描いて、文字や絵を構成する非晶質の領域と周囲の結晶化領域との反射率の違いによってそれを肉眼で視認する、図形書き込み方法を提案している。
【0008】
すなわち、平均反射率が可視波長のいずれかで背景領域から5%以上変化している要素領域(画素:面積0.01mm×0.01mm以上)の集合によって視認可能な図形が書き込まれる。
【0009】
図形には、絵、文字、記号等が含まれる。ここで背景領域とは、要素領域以外の領域、すなわち要素領域の集合によって形成された視認可能な図形の背景となる領域のことをいう。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来例においては、視認情報の記録部分は通常の光ディスクの記録部とは異なる変調コードで記録されているため、従来の光ディスク再生装置での再生時にトラッキングやフォーカスが外れたりする不具合が生じる場合があった。また、視認情報のコントラストが不十分な問題があった。
【0011】
本発明の目的は、従来の記録再生装置で記録情報の再生ができる光ディスク上に記録内容を識別するための視認情報を記録する方法を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的を達成するために以下の手段を用いた。
(1)光ディスクの記録内容を表すインデックス情報あるいは光ディスクの識別情報を少なくとも含む視認可能な情報、光ディスクの記録マークの配置あるいは配置密度を少なくとも変調することによって光ディスク上に記録・表示するようにした。
【0013】
これにより、従来の光ディスク媒体に、記録再生に用いる通常のレーザ光を用いて、視認可能情報を記録・表示することができるようになるため光ディスクの使い勝手が向上し、応用範囲が広がるメリットがある。
【0014】
特に前記視認情報として、光ディスクに記録されたユーザ情報の関連情報すなわちインデックス情報などを表すようにするのがより。インデックス情報が視認情報として記録・表示されると、光ディスクの管理が容易になり、使い勝手が向上する。特にカメラやビデオレコーダにおいては、多数の光ディスクを使用するため、多数のディスクの識別が容易になるメリットがある。視認可能なインデックス情報として、記録日時などのカレンダー情報やディスクのボリュームラベルなどを自動的に記録するようにするのが簡便である。カメラの場合ディスクのボリュームラベルは通常ユーザが指定することは無いため、日付情報などで管理するのが望ましい。もちろんインデックス情報は文字情報に限られるものではなく、サムネールなどの画像情報を記録してもよい。
(2)該視認情報を光ディスクのユーザ情報記録領域とは別領域に配置した。
【0015】
これにより、ユーザ情報の記録再生に影響を与えることなく、記録再生を行うことが可能となるため従来の記録再生装置との互換を保ったまま、インデックス情報を記録することが容易になる。
【0016】
ユーザ記録領域と別領域に記録する方法としては、たとえば、リードアウト領域やリードイン領域に記録する方法がある。この場合、記録再生装置を制御する、ホストやアプリケーションに依存せず、視認情報を配置することが可能になるため、応用範囲が広がる利点がある。
【0017】
また別の方法としては、視認情報記録用に特別なファイル領域を確保することによって、本来のユーザ領域の一部をシステム領域としてユーザが使用できないようにする方法もある。この方法の場合、より広い領域を視認情報表示に用いることができるメリットがあるが、ユーザが使用可能な容量が減少するデメリットがある。
(3)視認情報を記録する光ディスクとして追記型光ディスクを用いた。
【0018】
追記型光ディスクは一般に反射率が高く、視認情報の視認度が高いため、インデックス情報を記録・表示するのに好適である。
この場合、視認情報はリードアウト領域やリードイン領域を記録する「ファイナライズ処理」の際に同時に記録するのが好ましい。
ファイナライズ後にはユーザ情報の追記ができなくなるため、ファイナライズ時にインデックス情報を記録刷ることにより、確実にディスクの内容を反映したインデックス情報を記録することが可能になる。
(4)前記光ディスクは、記録再生に用いる光を90%以上透過し、記録再生に用いる光以外の波長の可視光に対しては吸収を有するフィルタ層を記録層よりも光再生側に有し、前記フィルタ層は前記吸収の吸収率が少なくとも50%以上になる波長域を350nm以上650nm以下の領域に少なくとも有することとした。
【0019】
これにより、視認情報に視覚的な明暗を生じさせるのに寄与しない波長の光の成分を減少させることが可能になるため、結果として視覚的なコントラストが向上する。またフィルタ層は記録再生光をほとんど透過するため記録再生特性への悪影響は無い。
【0020】
上記のようにフィルタ層を光ディスク上に設ける代わりに、フィルタ機能を有するケースに装填して保管あるいは使用してもよい。この場合、ケースには記録再生時には光が透過する必要は無いため記録再生に用いる光を略50%以上透過すればよい。が前記記録再生に用いる光以外の波長に対しては前述同様の50%以下となる波長域を350nm以上650nm以下の領域に少なくとも有するのがよい。
【0021】
ケースは、単なる保管のためのいわゆるジュエルケースでもよいし、そのまま光ディスク駆動装置に装填可能なカートリッジの形態のものでもよい。後者の方が使い勝手がよいが、前者の場合、既に発売されている既存媒体に対しても視認情報のコントラスト向上を図れるメリットがある。もちろん、カートリッジ型のケースに従来媒体を装填するようにするのも可能であるのは言うまでも無い。
【0022】
【発明の実施の形態】
[実施例1]
図1は本発明の一実施例の光ディスクの全体図である。直径80mmの追記型光ディスクであるDVD−Rにはユーザデータ領域101及びリードイン領域103、リードアウト領域102が半径方向に区分けされて配置されている。リードアウト領域にはディスクの記録内容識別のための視認可能な情報104が記録されている。
【0023】
ここで、通常のユーザデータの記録の際には、図8(a)に示したように、スペース部とマーク部の比率が記録膜の記録領域内の円周方向にほぼ均等(5:5)に分布するような、DC制御機能を有する8−16変調が採用されるが、視認可能な絵や文字の書き込みに当たっては記録膜上のマークの分布を複数のトラックにわたる微小領域(画素)毎にマクロに変調して配置する。即ちマーク部とスペース部の比率を平面的に変調することにより視認情報ヲ記録する。視認しやすくするために、各画素においては、マーク部とスペース部の比を60%以上にした領域(図8(b))とマーク部とスペース部の比を40%以下にした領域(図8(c))を視認情報に対応して配置するのがコントラストが大きくなるため好ましい。図1に示したように、光ディスクの記録部(マーク部)と未記録部スペース部においては可視の波長領域において反射率分布が異なり、かつ、マークの相対的多い「画素」とスペースの相対的に多い「画素」を配置して大きな視認情報「画素」を形成するため、色相/明度/彩度が異なって書き込んだ絵や文字を肉眼で視認できるようになる。この画素のサイズは直径30μm以上とした。30μmは、肉眼での視認の分解能に相当する。ここでは視認可能な情報として、ディスクへのユーザデータの記録日時を表示するようにしている。
【0024】
このように視認可能な情報はディスク上に記録マークの形で記録されるため、通常の光ディスク装置に搭載されているのと同等の光ヘッド光学系を用いて、従来の光ディスク媒体上に記録・表示することができる。もちろん、従来の光ディスク装置には視認情報記録の機能はないため、視認情報の記録には専用の光ディスク装置が必要であるが、記録された視認情報は光ディスク装置を用いることなく視覚的に確認できるため、視認情報再生の専用装置は不要である。もちろん視認情報を電子的に確認できるようにするために、視認情報と同等の内容をデジタル情報として、通常のユーザ領域内に記録しておくのが、ディスク管理の簡便性から望ましい。
【0025】
この視認情報は、図1に示したようにリードアウト領域に配置した。リードアウト領域は、再生時に光スポットが照射されることがないため、通常の記録時とは異なる変調符号が使われたりしていても全く問題がない。実際にはユーザ領域との境界部の約100μm程度の領域にはディスクの偏芯などのため、再生スポットが位置付けられる可能性があるため、このユーザ部との境界の少なくとも100μm程度の領域には視認情報を記録しないようにするのが互換性の観点からは望ましい。
【0026】
図3は本発明の光情報記録装置のブロック図の一例を示したものである。本発明の装置に情報記録媒体を装填した場合の記録動作について説明する。ヘッド2の一部であるレーザ光源25(DVD−RAMでは波長約660nm)から出射された光はコリメータレンズ24を通してほぼ平行な光ビーム22へとコリメートされる。光ビーム22は光ディスク11上に、対物レンズ23を通して照射され、スポット21を形成する、その後、ビームスプリッタ28やホログラム素子29などを通してサーボ用検出器26や信号検出器27へと導かれる。各検出器からの信号は加算・減算処理されトラッキング誤差信号やフォーカス誤差信号などのサーボ信号となり、サーボ回路33に入力される。サーボ回路は得られたトラッキング誤差信号やフォーカス誤差信号を基に、対物レンズ31や光ヘッド2全体の位置を制御し、光スポット21の位置を目的の記録・再生領域に位置付ける。検出器27の加算信号は信号再生ブロック41へ入力される。入力信号は信号処理回路42によってフィルタ処理、周波数等化処理後、デジタル化処理される。デジタル化処理されたデジタル信号はアドレス検出回路44および復調回路43によって処理され、アドレス情報や再生情報が得られる。
【0027】
このような光ディスク装置での、ユーザ情報の記録時動作を説明する。上位装置(ホスト)70からの指示により、マイクロプロセッサ54は、インターフェース71を通じて、記録データをホスト70から受け取り、メモリ52に格納する。マイクロプロセッサ54は、再生されたアドレス情報を基に光スポット21を記録すべき領域に位置付け、同時に、メモリ52に格納されたユーザデータに必要なデジタル処理(符号化、DC制御、8−16変調、記録波形変換)を行った後、レーザドライバ51に指示して、レーザを変調照射し、記録マークを記録媒体上に形成する。このデジタル処理の一部はマイクロセッサの指示により、専用のデジタル処理回路(DSP)53によって処理される。デジタル処理されたユーザデータは視認情報記録処理回路55を通じてレーザドライバ51に送られるがユーザデータの記録の際にはこの視認情報記録処理回路55は何も処理を行わずDSP53からのデジタルデータをそのままレーザドライバ51へと送出する。
【0028】
視認情報記録の際には、マイクロコンピュータ54は記録すべき視認情報と記録位置を視認情報記録回路55に指示し、視認情報方記録回路55は、再生アドレス情報よりトラック(半径方向位置)を算出し同時に、自動位置制御手段から得られる回転同期情報(FG)により、角度(周方向位置)を算出する。この半径位置と周方向位置により、各「画素」に対応する位置に視認情報を記録する。この視認情報の記録は前述のようにマーク密度(マーク/スペースデューティ)の変調で行われるが、このマークスペースデューティの変調は、DSPから送出されたデジタルデータのデューティを「変調」することで行う。本実施例の装置では2種類の変調方法を具備している。
【0029】
第1は、デジタルデータのデューティを全体に数%の範囲で微妙に「変調」する方法で、この方法は、デジタル情報自体は失われずにそのまま記録されるため、ユーザデータ領域に視認情報をオーバレイして表示する際に用いられる。第2はデジタルデータ自体に「変更」を加える方法で、マークデューティを大きくする際には、一律にマークを1Tないしは2T長くする。ただし、長くした結果、マーク前後のスペースが2T以下となってしまう際には、マークを長くしないようにする。この方式により、通常8−16変調では3Tから14Tまでの記録マーク/スペースが用いられるが、マークについては3Tから16Tまでの長さとなり、スペースは3Tから12Tまでとなる。マーク、スペースの平均長さは「変更」前には、マーク、スペースともに5Tであったが、「変更」後にはマーク部が約6.2T、スペース部が約3.8Tとなる。即ちマークデューティが約62%となる。スペース部を長くする場合も全く同様である。この場合一律にマークを1Tないしは2T短くする。ただし、短くした結果、マーク長が2T以下となってしまう際には、マークを短くしないようにする。この結果マークについては3Tから12Tまでの長さとなり、スペースは3Tから16Tまでとなる。マーク、スペースの平均長さは「変更」後にはマーク部が約3.8T、スペース部が約6.2Tとなる。即ちマークデューティが約38%となる。
【0030】
したがって第2の方法を用いることによりマークの密度を62%から38%まで「変調」することが可能になる。また、この変更は周方向に揃っており半径方向に複数のトラック12にまたがる各々の「画素」の中ではすべて同じ用に変調することととした。
【0031】
この結果、マーク密度が62%の画素と38%の画素が形成でき、このマーク密度の差が図2で説明したように明暗として視認されるため、複数の画素を表示すべき視認情報に従って、配置することにより、図形や文字などの視認情報を記録媒体11上に配置することが可能となる。
【0032】
本実施例では追記型光ディスクを用いているため、視認情報も追記型となる、そこで、ディスク内容を表す、視認情報(インデックス)は全てのユーザデータの記録の後に行うこととした。個こうすることにより、最終ユーザ情報記録後の最新の内容を表す視認情報をインデックスとしてディスク上に表示することが可能となる。
追記型光ディスクであるDVD−Rにおいては、ディスク上のデータは図4に示したように▲1▼ユーザ情報▲2▼リードアウト▲3▼リードインの順に記録される。このリードアウトとリードインははユーザ情報を全て記録し終わった後のファイナライズ処理の際に記録される。そこで本実施例では、このファイナライズの際にリードアウトの部分にディスクの記録期間を示す日時情報を、上述のように視認可能な文字情報として記録することとした。ファイナライズは追記型ディスクにおいては必須の処理であり、比較的に時間のかかる処理であるため、処理を共通化することにより、ユーザに意識させること無く、インデックス情報を自動記録することが可能となる。また、ファイナライズ時に記録するリードインは最低でも1mm以上の半径にまたがって記録するため。文字情報を記録するのに十分な領域が自動的に確保され、またリードインはユーザ領域ではないため、デジタル情報を「変更」する上記第2の方法を採用することができる。上記第2の方法はマーク密度の変調度ヲ大きくできるため、十分なコントラストが得られる利点があり、比較的精細の情報を表示することとができる。もちろんファイナライズをユーザの指示により行うシステムの場合には、ファイナライズ時にユーザにラベル情報の入力を求めることも可能である。
【0033】
もちろん前述の記録日時を自動記録と併用するのも可能である。記録日時を自動記録する方法はカメラなどで採用すると、ディスクの管理が容易になる利点がある。
[実施例2]
図5は視認情報をユーザ領域内に配置した例である。この場合、
他の再生システムとの互換性の観点から、ラベル情報」領域をファイルシステム上の「システムファイル」として、確保するのが望ましい。この場合、システムファイルは領域としては確保されるがユーザからはアクセスされることがないため、ラベル情報として実施例1の記録装置を用いて第2の方法で変調したとしても、問題が生じない利点がある。この方法は、リードアウト領域のサイズが固定されており、十分なラベル(インデックス)領域を確保することが困難なDVD−RAMのような書換え型記録媒体に採用するのが有効である。DVD−RAMではユーザデータとアクセスのためのアドレス情報やサーボ情報が完全に分離して配置されているため、デジタルデータを「変更」して再生できなくなるような処理を行ったとしても、アクセスに支障は無い。したがって再生の必要がないシステム領域としてラベル領域を確保する本実施例の方法では、マーク密度の変調度を大きくしてコントラストを向上させることが容易になる。たとえば、上述の例と同様にマーク密度62%の領域と38%の領域を用いて画素とする代わりにマーク密度70%程度の領域と0%の領域、即ち、未記録の領域を混在させて「画素」として用い、視認のコントラストを向上させれることできる。
[実施例3]
画像情報をファイルシステム上比較的重要度が低い(1ビットのエラーがシステムに致命的なダメージを与えないという意味)情報領域に、実施例1の第1の方法により視認情報を記録する構成とした。動画記録を主とした使い方の場合、この方法がディスク全体の記録領域を有効に利用でき、また、ディスクのほぼ全面を視認情報領域として利用できる点で優れているが、マーク密度の変調度を数%よりおおきくすると、肝心の記録情報の再生に忌憚をきたす恐れがあるため、視認情報のコントラストを大きくできない。このため、追記型記録媒体など元々の反射率の変化の大きな媒体に適用するのが良い。
[実施例4]
従来の光記録媒体を用いる代わりに図6の媒体を用いることにより視認情報のコントラストを向上することが可能となる。図6では、基板110上に記録層111が積層され、基板110とは反対側にはダミー基板112が貼合わせされている。基板の光入射面側(図下側)にはフィルタ層113が配置されている。このフィルタ層は通常の記録再生に用いる波長(本実施例のDVD媒体では660nm付近)の光をほぼ100%透過し、その他の波長の可視光即ち、波長600nmから350nmに対して吸収を持つような特性をもつ。このような材料としては、波長600nm付近に吸収端を持つ色素や波長600nm付近にバンドギャップを持つ半導体材料のほか、多重干渉を利用した金属/誘電体多層膜など種々の既知の材料があるため、ここでは敢えて言及しない。記録層は図1のように波長650nm付近で記録マーク部の反射率とスペース部のコントラストが最大になる特性を持つが、その他の可視波長域では、コントラストが小さくなり、たとえば波長400nmの短波長域では反射率の関係が逆点している。このため、可視域全体でみると、マーク部とスペース部の反射率の差はそれほど大きくならない。そこで、本実施例では、図9のような特性を示すGaP系半導体フィルタを用いた。これにより、コントラストの小さいの550nm以下の領域の可視光はほぼ100%吸収されるこのため、視認情報のコントラストが飛躍的に向上する。記録再生に用いられる660nm付近の波長の光はほぼ100%透過するので、記録再生への影響はほとんどない。
[実施例5]
本実施例では図7に示したように基板110上に記録層111が積層され接着層115によって両面貼り合せされた両面媒体を、ケース114に収納した。ケース内の両面媒体自体は従来の媒体である。このケース114は、図10に示したように通常の記録再生に用いる波長(本実施例のDVD媒体では660nm付近)の光を約80%透過し、その他の波長の可視光即ち、波長600nmから350nmに対して大きな吸収を持つような特性をもつ。本実施例ではケースに着色ポリカーボネートを用いた。このケースは視覚的には赤橙色に見える。従来の記録媒体の記録層は図1のように波長650nm付近で記録マーク部の反射率とスペース部のコントラストが最大になる特性を持つが、その他の可視波長域では、コントラストが小さくなり、たとえば波長400nmの短波長域では反射率の関係が逆転している。このため、可視域全体でみると、マーク部とスペース部の反射率の差はそれほど大きくならないが、本実施例の図10の光学特性をケースを通して見ると、コントラストの小さいの500nm以下の領域の可視光はほとんど吸収され、コントラストのおおきい600−700nm付近の波長の光の透過率がおおきいので、ケースを通して見た時には、視認情報のコントラストが向上する。
【0034】
本実施例の方式は、従来の記録媒体をそのまま用いることができるという点で効果がおおきい。このケースにディスクを記録装置に装てんする際のホルダ機能やカートリッジ機能を持たせても良いのは言うまでもない。
【0035】
本発明の効果は以上の実施例に限られるものではない。
たとえば、記録媒体として、DVDではなく青色のレーザ光で記録再生を行う高密度光ディスクを用いてもよい。この場合はケースやフィルタを用いる際には、波長特性をレーザ光源に合わせる必要がある。即ち記録再生に用いる400nm付近の光をほぼ透過し、その他の長波長側の可視光に対して大きな吸収を有するような特性のものを用いるのが望ましい。
【0036】
また視認情報として、記録時間ではなく、ディスク整理のためのシリアル番号や、サムネール画像情報を自動生成表示するようにしてもよい。画像情報記録の際には、「画素」を二値で「変調」するのではなく、段階的にマーク密度を変調して「グレー記録」とするのが、望ましい。また、携帯型カメラの場合には時間情報に加えてGPSなどによって採取した位置情報を自動的に記録・表示するようにしてもよい。この場合、ディスクの整理がさらに容易になる。据え置き型レコーダの場合には、インデックス情報として、記録の日時チャンネル情報や、EPG(電子プログラムガイド)により得られる番組名を自動記録・表示する様にしてもよい。いずれにしてもディスクの管理・整理が容易になる。
【0037】
記録の仕方として、上述のマーク密度(デューティ)を変える方法の他、平均マーク・スペース長を変える方法もある。この場合、直接明暗パターンとしては見えないが、ディスクを傾けてみたときの回折パターンを見るとコントラストがついて見える。即ち、一種の「透かし」として情報を記録することができる。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によると、従来の記録型あるいは書き換え型光ディスクに視認可能な文字や絵を書き込むことができるため、従来の装置で記録再生可能でかつディスクへの記録内容、インデックス情報などを視覚的に確認可能な形で記録することが可能となるため、ディスクの管理、識別が容易になり、特にカメラやビデオなど多数の同種ディスクを使用する場合、ディスクに手作業でラベルを書き込んだりする必要が無くなるため、使い勝手が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例の光ディスクの全体図。
【図2】本発明及び従来例の光ディスクの光学特性を示す図。
【図3】本発名の光ディスク駆動装置のブロック図。
【図4】本発明の1実施例の情報記録の順序を示す図。
【図5】本発明の1実施例の情報の配置を示す図。
【図6】本発明の1実施例の光ディスクの断面構造を示す図。
【図7】本発明の光ディスク及びケースの断面構造を示す図。
【図8】本発明の視認情報の記録原理を示す図。
【図9】本発明のフィルタ層の光学特性を示す図。
【図10】本発明のケースの光学特性を示す図。
【符号の説明】
11…光ディスク、12…トラック、13…記録マーク、14…スペース、2…光ヘッド、21…光スポット、22…光ビーム、23…対物レンズ、24…コリメタ−レンズ、25…レーザ26…検出器、27…検出器、28…ビームスプリッタ、29…ホログラム素子、31…レンズアクチュエータ、32…位置制御手段、33…サーボ回路、34…モータ、41…信号再生ブロック、42…信号処理回路、43…復調回路、44…アドレス検出回路、51…レーザドライバ、52…メモリ、53…DSP、54…マイクロプロセッサ、55…視認情報記録制御回路、70…ホスト、101…ユーザデータ領域、102…リードアウト、103…リードイン、104…視認情報、105…システムファイル、110…基板、111…記録層、112…ダミー基板、113…フィルタ層、114…ケース、115…接着層。
Claims (8)
- 光ディスクの記録マークの配置あるいは配置密度を少なくとも変調することによって、視認可能な情報を光ディスク上に記録・表示する方法であって、該視認情報は光ディスクの記録内容を表すインデックス情報あるいは光ディスクの識別情報を少なくとも含むことを特徴とする光ディスクへの視認情報記録方法。
- 光ディスクの記録マークの配置あるいは配置密度を少なくとも変調することによって、視認可能な情報を光ディスク上に記録・表示する方法であって、該視認情報を光ディスクのユーザ情報記録領域とは別領域に配置したことを特徴とする請求項1に記載の光ディスクへの視認情報記録方法。
- 前記光ディスクは、追記型光ディスクであることを特徴とする請求項1に記載の光ディスクへの視認情報記録方法。
- 前記視認情報をリードアウト領域またはリードイン領域に記録することを特徴とする請求項1に記載の光ディスクへの視認情報記録方法。
- 前記視認情報はシステムファイルとして割り当てた領域に記録することを特徴とする請求項1に記載の光ディスクへの視認情報記録方法。
- 前記光ディスクは、記録再生に用いる光を90%以上透過し、記録再生に用いる光以外の波長の可視光に対しては吸収を有するフィルタ層を記録層よりも光再生側に有し、前記フィルタ層は前記吸収の吸収率が少なくとも50%以上になる波長域を350nm以上650nm以下の領域に少なくとも有することを特徴とする請求項1に記載の光ディスクへの視認情報記録方法。
- 前記光ディスクは、ケースに装填されて使用あるいは保管され、該ケースは、記録再生に用いる光を略50%以上透過し、かつ、透過率が前記記録再生に用いる光の50%以下となる波長域を350nm以上650nm以下の領域に少なくとも有することを特徴とする請求項1に記載の光ディスクへの視認情報記録方法。
- 前記視認情報は、光ディスクに記録されたユーザ情報の関連情報を少なくとも表すことを特徴とする請求項1に記載の光ディスクへの視認情報記録方法。
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