JP2004280936A - 光ピックアップ装置及び光情報記録再生装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】記録密度の異なる少なくとも2種類の光記録媒体に対応でき、粗悪な光記録媒体に対しても情報の記録、再生が可能で、特に高密度な光記録媒体用に安価な光源を用いることが可能な光ピックアップ装置を実現する。
【解決手段】本発明は、波長の異なる2つの光源1,10と、光源からの光束を集光して光記録媒体7に照射する対物レンズ6と、光記録媒体から反射され対物レンズを通過した光束を往路と分離する光束分離手段2,3と、光束分離手段により往路と分離された光束を受光する受光素子9を備え、2つの光源を選択的に駆動して光記録媒体に対して情報の記録又は再生を行う光ピックアップ装置において、光束分離手段として、波長の長い光源10からの光束に対しては偏光に依存しないビームスプリッタ3を用いて光束を分離し、波長の短い光源1からの光束に対しては偏光に依存するビームスプリッタ2を用いて光束を分離する。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明は、波長の異なる2つの光源1,10と、光源からの光束を集光して光記録媒体7に照射する対物レンズ6と、光記録媒体から反射され対物レンズを通過した光束を往路と分離する光束分離手段2,3と、光束分離手段により往路と分離された光束を受光する受光素子9を備え、2つの光源を選択的に駆動して光記録媒体に対して情報の記録又は再生を行う光ピックアップ装置において、光束分離手段として、波長の長い光源10からの光束に対しては偏光に依存しないビームスプリッタ3を用いて光束を分離し、波長の短い光源1からの光束に対しては偏光に依存するビームスプリッタ2を用いて光束を分離する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ピックアップ装置及び、その光ピックアップ装置を備えた光ディスクドライブ装置、光カード装置等の光情報記録再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
光ディスクや光カード等の光記録媒体に対して情報の記録または再生を行う光情報記録再生装置が種々提案されており、光ディスクドライブ装置、光カード装置等として実用化されている。また、光記録媒体として、従来からのCD(コンパクト・ディスク)系の光ディスクに加えて、基板厚が薄く記録密度が高密度なDVD(デジタル・バーサタイル・ディスク)系の光ディスクが開発されており、このDVD系用の光ディスクドライブ装置も実用化されている。
【0003】
ここで、CD系の光ディスクと光ディスクドライブ装置の概略について説明する。一般的なCD−RとCD−Eディスクは、書き込みが可能な(記録可能な)CD系の光ディスクである。前者のCD−R(CDレコーダブル)は、1回だけ書き込みが可能なCDである(尚、CD−Write Onceとも言われている)。また、後者のCD−E(CDイレーザブル)は、複数回の書き込みが可能なCDである(尚、CD−RW:CDリライタブルとも言われている)。これらのCD−RやCD−Eディスク、すなわち、光ディスクは、図6に示すような光ディスクドライブ装置によって情報の記録・再生が行われる。
【0004】
図6は、CD用の光ディスクドライブ装置について、その要部構成の一例を示す機能ブロック図である。図6において、101は光ディスク、102はスピンドルモータ、103は光ピックアップ、104はモータドライバ、105はリードアンプ、106はサーボ手段、107はCDデコーダ、108はATIPデコーダ、109はレーザコントローラ、110はCDエンコーダ、111はCD−ROMエンコーダ、112はバッファRAM、113はバッファマネージャ、114はCD−ROMデコーダ、115はATAPI/SCSIインターフェース、116はD/Aコンバータ、117はROM、118はCPU、119はRAMを示し、LBはレーザ光、Audioはオーディオ出力信号を示す。
【0005】
図6において、矢印はデータが主に流れる方向を示しており、また、図を簡略化するために、図6の各ブロックを制御するCPU118には、太線のみを付けて各ブロックとの接続を省略している。ROM117には、CPU118にて解読可能なコードで記述された制御プログラムが格納されている。尚、光ディスクドライブ装置の電源がオン状態になると、前記プログラムは不図示のメインメモリにロードされ、前記CPU118はそのプログラムに従って上記各部の動作を制御するとともに、制御に必要なデータ等を一時的にRAM119に保存する。
【0006】
光ディスクドライブ装置の構成と動作は、次のとおりである。光ディスク101は、スピンドルモータ102によって回転駆動される。このスピンドルモータ102は、モータドライバ104とサーボ手段105により、線速度が一定になるように制御される。この線速度は、階段的に変更することが可能である。
光ピックアップ103は、図示されない半導体レーザ、光学系、フォーカスアクチュエータ、トラックアクチュエータ、受光素子およびポジションセンサを内蔵しており、レーザ光LBを光ディスク101に照射する。また、この光ピックアップ103は、シークモータによってスレッジ方向への移動が可能である。これらのフォーカスアクチュエータ、トラックアクチュエータ、シークモータは、受光素子とポジションセンサから得られる信号に基いて、モータドライバ104とサーボ手段105により、レーザ光LBのスポットが光ディスク101上の目的の場所に位置するように制御される。
【0007】
そして、リード時には、光ピックアップ103によって得られた再生信号が、リードアンプ105で増幅されて2値化された後、CDデコーダ107に入力される。入力された2値化データは、このCDデコーダ107において、EFM(Eight to Fourteen Modulation)復調される。尚、記録データは、8ビットずつまとめられてEFM変調されており、このEFM変調では、8ビットを14ビットに変換し、結合ビットを3ビット付加して合計17ビットにする。この場合に、結合ビットは、それまでの「1」と「0」の数が平均的に等しくなるように付けられる。これを「DC成分の抑制」といい、DCカットされた再生信号のスライスレベル変動が抑圧される。
【0008】
復調されたデータは、デインターリーブとエラー訂正の処理が行われる。その後、このデータは、CD−ROMデコーダ114へ入力され、データの信頼性を高めるために、さらに、エラー訂正の処理が行われる。このように2回のエラー訂正の処理が行われたデータは、バッファマネージャ113によって一旦バッファRAM112に蓄えられ、セクタデータとして揃った状態で、ATAPI/SCSIインターフェース115を介して、図示しないホストコンピュータへ一気に転送される。尚、音楽データの場合には、CDデコーダ107から出力されたデータが、D/Aコンバータ16へ入力され、アナログのオーディオ出力信号Audioとして取り出される。
【0009】
また、ライト時には、ATAPI/SCSIインターフェース115を通して、ホストコンピュータから送られてきたデータは、バッファマネージャ113によって一旦バッファRAM112に蓄えられる。そして、バッファRAM112内にある程度の量のデータが蓄積された状態で、ライト動作が開始されるが、この場合には、その前にレーザスポットを書き込み開始地点に位置させる必要がある。この地点は、トラックの蛇行により予め光ディスク101上に刻まれているウォブル信号によって求められる。
【0010】
ウォブル信号には、ATIPと呼ばれる絶対時間情報が含まれており、この情報が、ATIPデコーダ108によって取り出される。また、このATIPデコーダ108によって生成される同期信号は、CDエンコーダ110へ入力され、光ディスク101上の正確な位置へのデータの書き込みを可能にしている。バッファRAM112のデータは、CD−ROMエンコーダ111やCDエンコーダ110において、エラー訂正コードの付加や、インターリーブが行われ、レーザコントローラ109、光ピックアップ103を介して、光ディスク101に記録される。尚、EFM変調されたデータは、ビットストリームとしてチャンネルビットレート4.3218Mbps(標準速)でレーザを駆動する。この場合の記録データは、588チャンネルビット単位でEFMフレームを構成する。チャンネルクロックとは、このチャンネルビットの周波数のクロックを意味する。以上が、図6の光ディスクドライブ装置の構成と動作の概要である。
【0011】
次にDVD系の光ディスクと光ディスクドライブ装置の概略について説明する。DVD−RAM・WO、DVD−R、DVD+RとDVD−RAM、DVD−RW、DVD+RWディスクは、書き込みが可能な(記録可能な)DVD系の光ディスクである。前者のDVD−RAM・WO、DVD−R、DVD+Rは、1回だけ書き込みが可能なDVD系光ディスクである(尚、DVD Write Onceとも言われている)。また、後者のDVD−RAM、DVD−RW、DVD+RWは、複数回の書き込みが可能なDVD系光ディスクである。これらのDVD+RやDVD+RWディスク等、すなわち、DVD系光ディスクは、次の図7のような光ディスクドライブ装置によって情報の記録・再生が行われる。
【0012】
図7は、DVD用の光ディスクドライブ装置について、その要部構成の一例を示す機能ブロック図である。図7において、201は光ディスク、202はスピンドルモータ、203は光ピックアップ、204はモータドライバ、205はリードアンプ、206はサーボ手段、207はDVDデコーダ、208はADIPデコーダ、209はレーザコントローラ、210はDVDエンコーダ、211はDVD−ROMエンコーダ、212はバッファRAM、213はバッファマネージャ、214はDVD−ROMデコーダ、215はATAPI/SCSIインターフェース、216はD/Aコンバータ、217はROM、218はCPU、219はRAMを示し、LBはレーザ光、Audioはオーディオ出力信号を示す。
【0013】
この図7において、矢印はデータが主に流れる方向を示しており、また、図を簡略化するために、図7の各ブロックを制御するCPU218には、太線のみを付けて各ブロックとの接続を省略している。ROM217には、CPU218にて解読可能なコードで記述された制御プログラムが格納されている。尚、光ディスクドライブの電源がオン状態になると、前記プログラムは不図示のメインメモリにロードされ、前記CPU218はそのプログラムに従って上記各部の動作を制御するとともに、制御に必要なデータ等を一時的にRAM219に保存する。
【0014】
光ディスクドライブ装置の構成と動作は、次のとおりである。光ディスク201は、スピンドルモータ202によって回転駆動される。このスピンドルモータ202は、モータドライバ204とサーボ手段205により、線速度または角速度が一定になるように制御される。この線速度又は角速度は、階段的に変更することが可能である。
光ピックアップ203は、図示されない半導体レーザ、光学系、フォーカスアクチュエータ、トラックアクチュエータ、受光素子およびポジションセンサを内蔵しており、レーザ光LBを光ディスク201に照射する。また、この光ピックアップ203は、シークモータによってスレッジ方向への移動が可能である。これらのフォーカスアクチュエータ、トラックアクチュエータ、シークモータは、受光素子とポジションセンサから得られる信号に基いて、モータドライバ204とサーボ手段205により、レーザ光LBのスポットが光ディスク201上の目的の場所に位置するように制御される。
【0015】
そして、リード時には、光ピックアップ203によって得られた再生信号が、リードアンプ205で増幅されて2値化された後、DVDデコーダ207に入力される。入力された2値化データは、このDVDデコーダ207において、8/16復調される。尚、記録データは、8ビットずつまとめられて変調(8/16変調)されており、この変調では、8ビットを16ビットに変換している。この場合に、結合ビットは、それまでの「1」と「0」の数が平均的に等しくなるように付けられる。これを「DC成分の抑制」といい、DCカットされた再生信号のスライスレベル変動が抑圧される。
【0016】
復調されたデータは、デインターリーブとエラー訂正の処理が行われる。その後、このデータは、DVD−ROMデコーダ214へ入力され、データの信頼性を高めるために、さらに、エラー訂正の処理が行われる。このように2回のエラー訂正の処理が行われたデータは、バッファマネージャ213によって一旦バッファRAM212に蓄えられ、セクタデータとして揃った状態で、ATAPI/SCSIインターフェース215を介して、図示しないホストコンピュータへ一気に転送される。尚、音楽データの場合には、DVDデコーダ207から出力されたデータが、D/Aコンバータ216へ入力され、アナログのオーディオ出力信号Audioとして取り出される。
【0017】
また、ライト時には、ATAPI/SCSIインターフェース215を通して、ホストコンピュータから送られてきたデータは、バッファマネージャ213によって一旦バッファRAM212に蓄えられる。その後ライト動作が開始されるが、この場合には、その前にレーザスポットを書き込み開始地点に位置させる必要がある。この地点は、DVD+RW/+Rでは、予め光ディスク201上にトラックの蛇行により刻まれているウォブル信号によって求められる。
尚、上記地点はDVD−RW/−Rではウォブル信号の代わりにランドプリピット、DVD−RAM/RAM・WOではプリピットによって求められる。
【0018】
DVD+RW/+Rディスクにおけるウォブル信号には、ADIP(Adress In Pre−groove)と呼ばれるアドレス情報が含まれており、この情報が、ADIPデコーダ208によって取り出される。また、このADIPデコーダ208によって生成される同期信号は、DVDエンコーダ210へ入力され、光ディスク201上の正確な位置へのデータの書き込みを可能にしている。バッファRAM212のデータは、DVD−ROMエンコーダ211やDVDエンコーダ210において、エラー訂正コードの付加や、インターリーブが行われ、レーザコントローラ209、光ピックアップ203を介して、光ディスク201に記録される。また、ランドプリピットやプリピットからアドレス情報を得る構成であっても良い。以上が、図7の光ディスクドライブ装置の構成と動作の概要である。
【0019】
以上、CD用とDVD用の光ディスクドライブ装置の構成例について説明したが、近年ではCD系とDVD系の2種類の光ディスクに対して、情報の記録または再生を行える光ディスクドライブ装置が開発されている。
記録密度の異なる2種類の光ディスクに対して情報の記録または再生を行える光ディスクドライブ装置では、一つの光ピックアップ装置で2種類の光ディスクに対応するため、波長の異なる2つの光源(例えば半導体レーザ)を用い、波長の異なる2つの光源からの光束をハーフミラー等を介して対物レンズで集光して光ディスクに照射し、該光ディスクからの反射光を、対物レンズを介してハーフミラー等により往路と分離して受光素子に導き、光ディスクに記録された情報を再生する。このような2種類の光ディスクに対応する光ピックアップ装置では、対物レンズ等の光学系を共用するために、ハーフミラー等を用いて光路の変更や分離を行っているが、その際に、光束の光量を必要以上に減衰させることなく、光路変更及び分離を行えるようにすることが重要である。
【0020】
そこで、光学系の光路中にハーフミラーを使わずに効率の良い光路変更及び分離を行えるようにする技術が提案されている。例えば下記の特許文献1では、CD系とDVD系の光ディスク共に偏光分離光学系で読む方法、つまり半導体レーザからの光束を偏光ビームスプリッタ(PBS)にS偏光で入射させ、略100%の光束を反射させ、λ/4板で円偏光にし、対物レンズを介して光ディスクに照射し、光ディスクからの反射光を再び対物レンズとλ/4板に入射させてP偏光の光束にし、PBSにP偏光で入射させて略100%の光束を受光素子に導く方式が提案されている。この方式では半導体レーザのパワーを非常に有効に使用でき安価な半導体レーザを用いることが可能である。
【0021】
【特許文献1】
特開平10−255317号公報
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、CD系の光ディスクが広く一般に普及しており、極めて低価格なものも販売されている。このためCDの規格を無視したような粗悪な物も広く流通するようになった。この粗悪なCDの中にはCDの基板の複屈折が大きい物も多く、このようなCDに対して前述の偏光分離光学系で情報信号を読むと、複屈折の影響で情報信号の振幅が大きく変動し情報信号が読めないことがある。また、複屈折の大きいCD−Rは記録しながらRf信号を検出し最適パワーを制御するランニングOPCが正常に機能せず記録が出来ない場合がある。
【0023】
また、現在DVD系の光ディスクが広く流通し始め、さらにDVDの次世代の大容量DVDの規格も出始めた。近い将来にはDVDと大容量DVDのどちらにも対応できる光ディスクドライブ装置が出てくると予想される。そうなった時に現在の問題のように粗悪なDVDが出現することも予想できる。
尚、DVD用の半導体レーザのコストはCD用の半導体レーザの約5倍程度であり、DVD系では安い半導体レーザが使えることが望まれており、CD系ではどんな光ディスクでも読み書き出来ることが望まれている。
【0024】
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、記録密度の異なる少なくとも2種類(2世代)の光記録媒体に対応でき、旧世代の低記録密度の粗悪な光記録媒体に対しても情報の記録、再生が可能で、特に新世代の高密度な光記録媒体用に安価な半導体レーザを用いることが可能な光ピックアップ装置を提供することを目的とする。また、本発明は、その光ピックアップ装置を備え、コストと機能のバランスのとれた光情報記録再生装置を提供することを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための手段として、本発明は、波長の異なる2つの光源と、該光源からの光束を集光して光記録媒体に照射する対物レンズと、前記光記録媒体から反射され前記対物レンズを通過した光束を往路と分離する光束分離手段と、該光束分離手段により往路と分離された光束を受光する受光素子を備え、波長の異なる2つの光源を選択的に駆動して、前記光記録媒体に対して情報の記録または再生を行う光ピックアップ装置において、前記光束分離手段として、波長の長い光源からの光束に対しては偏光に依存しないビームスプリッタを用いて光束を分離し、波長の短い光源からの光束に対しては偏光に依存するビームスプリッタを用いて光束を分離することを特徴としている(請求項1)。
【0026】
本発明に係る光ピックアップ装置においては、前記構成に加えて、波長の長い光源からの光束に対しては50〜80%の透過率または反射率を持つビームスプリッタとして作用する光束分離手段を用いたことを特徴としている(請求項2)。
また、本発明に係る光ピックアップ装置においては、前記構成に加えて、記録密度の異なる少なくとも2種類の光記録媒体に対応し、低記録密度の光記録媒体に対しては波長の長い光源を用い、高記録密度の光記録媒体に対しては波長の短い光源を用いたことを特徴としている(請求項3)。
さらに本発明に係る光ピックアップ装置においては、前記構成に加えて、波長の異なる2つの光源は半導体レーザであることを特徴としている(請求項4)。
【0027】
本発明に係る光ピックアップ装置においては、前記構成に加えて、前記光記録媒体は光ディスクであることを特徴としている(請求項5)。ここで、光ディスクは、CD(コンパクト・ディスク)系の光ディスク、DVD(デジタル・バーサタイル・ディスク)系の光ディスク、または高密度DVD系の光ディスクである(請求項6)。
尚、本発明に係る光ピックアップ装置においては、前記光記録媒体として、光カードを用いる構成とすることができる(請求項7)。
【0028】
さらに本発明では、記録密度の異なる少なくとも2種類の光記録媒体に対して情報の記録または再生を行う光情報記録再生装置において、上記のいずれかの構成の光ピックアップ装置を備えたことを特徴としている(請求項8)。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成、動作及び作用を、図示の実施例に基づいて詳細に説明する。
【0030】
(実施例1)
図1は本発明の第1の実施例を示す光ピックアップ装置の概略構成図である。図1において、符号1,10は波長の異なる2つの光源、2,3は光束分離手段、4はコリメートレンズ、5はλ/4板、6は対物レンズ、7は光記録媒体、8は負のパワーを有する凹シリンドリカルレンズ、9は複数または多分割の受光面を有する受光素子、11は集光レンズである。ここでは光記録媒体7として、通常の記録密度のCD系の光ディスクと、それよりも記録密度の高いDVD系の光ディスクの2種類の光ディスクを用いる場合について説明するが、光記録媒体として記録密度の異なる2種類の光カードを用いる場合にも同様に適用することができる。
【0031】
図1において、光源1は波長660nmのDVD用半導体レーザであり、このDVD用半導体レーザ1からの光束は、図2に示すような偏光特性を持つDVD用光束分離手段2にP偏光で入射して略100%の光束が透過し、次に図3に示すような偏光特性を持つCD用光束分離手段3にP偏光で入射して略100%の光束が透過し、コリメートレンズ4で平行光となり、λ/4板5で円偏光に変換され、対物レンズ6により集光され光ディスク7(この場合、DVD系の光ディスク)に照射される。光ディスク7からの反射光は、対物レンズ6を介しλ/4板5でS偏光に変換され、CD用光束分離手段3にS偏光で入射して略100%の光束が透過し、DVD用光束分離手段2にS偏光で入射して略100%の光束が反射し、凹シリンドリカルレンズ8を介して受光素子9に入射し、光ディスク7からの情報を得る。
【0032】
一方、光源10は波長780nmのCD用半導体レーザであり、このCD用半導体レーザ10からの光束は集光レンズ11を介し、CD用光束分離手段3に入射して略70%の光束が反射され、コリメートレンズ4で平行光となり、λ/4板5を介し、対物レンズ6により集光され光ディスク7(この場合、CD系の光ディスク)に照射される。光ディスク7からの反射光は、対物レンズ6、λ/4板5を介し、CD用光束分離手段3に入射して略30%の光束が透過し、DVD用光束分離手段2に入射して略100%の光束が反射し、凹シリンドリカルレンズ8を介して受光素子9に入射し、光ディスク7からの情報を得る。
【0033】
ここで、図1に示す構成の光ピックアップ装置においては、DVD用光束分離手段2は図2に示すような偏光特性を持つので、波長660nmのDVD用半導体レーザ1からの光束に対しては偏光ビームスプリッタ(PBS)として機能する。従って、波長660nmのDVD用半導体レーザ1からの光束に対してはλ/4板5とPBS2を使ってアイソレータを構成しており、偏光分離光学系である。この偏光分離光学系の特徴は、半導体レーザ1からの光束を透過率のロスが殆どなく使えることである。
一方、波長780nmのCD用半導体レーザ10からの光束に対しては、光束分離手段2,3は、図2、図3に示すように、波長780nmに対しては偏光により透過率が変わらない無偏光分離光学系として機能するので、光ディスク7の複屈折の影響を無視できる。従って、粗悪なCD等に対しても情報の記録、再生が可能である。
【0034】
(実施例2)
図4は本発明の第2の実施例を示す光ピックアップ装置の概略構成図である。図4において、符号1,10は波長の異なる2つの光源、3,12は光束分離手段、4はコリメートレンズ、5はλ/4板、6は対物レンズ、7は光記録媒体、8は負のパワーを有する凹シリンドリカルレンズ、9は複数または多分割の受光面を有する受光素子、11は集光レンズである。ここでは光記録媒体7として、通常の記録密度のCD系の光ディスクと、それよりも記録密度の高いDVD系の光ディスクの2種類の光ディスクを用いる場合について説明するが、光記録媒体として記録密度の異なる2種類の光カードを用いる場合にも同様に適用することができる。
【0035】
図4において、光源1は波長660nmのDVD用半導体レーザであり、このDVD用半導体レーザ1からの光束は、図5に示すような偏光特性を持つDVD用光束分離手段12にS偏光で入射して略100%の光束が反射し、図3に示すような偏光特性を持つCD用光束分離手段3にS偏光で入射して略100%の光束が透過し、コリメートレンズ4で平行光となり、λ/4板5で円偏光に変換され、対物レンズ6により集光されて光ディスク7(この場合、DVD系の光ディスク)に照射される。光ディスク7からの反射光は対物レンズ6を介し、λ/4板5でP偏光に変換され、CD用光束分離手段3にP偏光で入射して略100%の光束が透過し、DVD用光束分離手段12にP偏光で入射して略100%の光束が透過し、凹シリンドリカルレンズ8を介して受光素子9に入射し、光ディスク7からの情報を得る。
【0036】
一方、光源10は波長780nmのCD用半導体レーザであり、このCD用半導体レーザ10からの光束は集光レンズ11を介し、CD用光束分離手段3に入射して略70%の光束が反射され、コリメートレンズ4で平行光となり、λ/4板5を介し、対物レンズ6により集光され光ディスク7(この場合、CD系の光ディスク)に照射される。光ディスク7からの反射光は、対物レンズ6、λ/4板5を介し、CD用光束分離手段3に入射して略30%の光束が透過し、DVD用光束分離手段12に入射して略100%の光束が透過し、凹シリンドリカルレンズ8を介して受光素子9に入射し、光ディスク7からの情報を得る。
【0037】
ここで、図4に示す構成の光ピックアップ装置においては、DVD用光束分離手段12は図5に示すような偏光特性を持つので、波長660nmのDVD用半導体レーザ1からの光束に対しては偏光ビームスプリッタ(PBS)として機能する。従って、第1の実施例と同様に、波長660nmのDVD用半導体レーザ1からの光束に対してはλ/4板5とPBS12を使ってアイソレータを構成しており、偏光分離光学系である。この偏光分離光学系の特徴は、半導体レーザ1からの光束を透過率のロスが殆どなく使えることである。
一方、波長780nmのCD用半導体レーザ10からの光束に対しては、光束分離手段3,12は、図3、図5に示すように、波長780nmに対しては偏光により透過率が変わらない無偏光分離光学系として機能するので、光ディスク7の複屈折の影響を無視できる。従って、粗悪なCD等に対しても情報の記録、再生が可能である。
【0038】
(実施例3)
第1、第2の実施例において、CD用光束分離手段3の偏光特性は図3に示しているが、波長780nmの光束に対する透過率(または反射率)は50〜80%程度に設定することが望ましい。
この理由は、CD系光ディスクの記録パワーはDVD系光ディスクの記録パワーの約2倍であるが、共通の受光素子9に入射する光量は同じにするのが望ましいので、そのためには波長780nmの光束の透過率(または反射率)を50%にするのが良い。しかし、この透過率(または反射率)が小さいとCD用の半導体レーザ10が高価なものとなってしまうので、80%程度の透過率(または反射率)にすると安いCD用の半導体レーザを使うことが可能である。そこで波長780nmの光束に対する透過率(または反射率)は、50〜80%程度に設定して、コストと機能のバランスの取れた値にするのがよい。
【0039】
(実施例4)
次に実施例1〜3に示した構成の光ピックアップ装置を搭載する光ディスクドライブ装置の構成例について説明する。
図8は、記録密度の異なる2種類の光ディスク(CD系光ディスク、DVD系光ディスク)対応の光ディスクドライブ装置について、その要部構成の一例を示す機能ブロック図である。図8において、301は光ディスク、302はスピンドルモータ、303は光ピックアップ、303aはCD用光源ユニット、303bはDVD用光源ユニット、304はモータドライバ、305はアナログ・フロント・エンド、306はデジタル・サーボ手段、307はCD/DVDデコーダ、308はATIP/ADIPデコーダ、309はCD−R/RWレーザコントローラ、310はDVDレーザコントローラ、311はCDエンコーダ、312はDVDエンコーダ、313はバッファマネージャ、314はバッファメモリ(バッファRAM)、315はATAPI/SCSIインターフェース、316はCPU、317はROM、318はRAMを示す。
【0040】
この図8において、矢印はデータが主に流れる方向を示している。ROM317には、CPU316にて解読可能なコードで記述された制御プログラムが格納されている。尚、光ディスクドライブ装置の電源がオン状態になると、前記プログラムは不図示のメインメモリにロードされ、前記CPU316はそのプログラムに従って上記各部の動作を制御するとともに、制御に必要なデータ等を一時的にRAM318に保存する。
【0041】
光ディスク301は、スピンドルモータ302によって回転駆動される。このスピンドルモータ302は、モータドライバ304とデジタルサーボ手段306により、線速度または角速度が一定になるように制御される。この線速度又は角速度は、階段的に変更することが可能である。
光ピックアップ303は、図1または図4に示したような構成であり、2つの波長の異なる半導体レーザユニット303a,303bと、図示しない光学系、フォーカスアクチュエータ、トラックアクチュエータ、受光素子およびポジションセンサを内蔵しており、スピンドルモータ202にセットされた光ディスク301の種類(CD系またはDVD系)に対応した波長(例えば780nmまたは660nm)の半導体レーザユニット303a,303bを選択的に駆動してレーザ光を光ディスク301に照射する。また、この光ピックアップ303は、シークモータによってスレッジ方向への移動が可能である。これらのフォーカスアクチュエータ、トラックアクチュエータ、シークモータは、受光素子とポジションセンサから得られる信号に基いて、モータドライバ304とサーボ手段306により、レーザ光のスポットが光ディスク301上の目的の場所に位置するように制御される。
【0042】
図8に示す構成の光ディスクドライブ装置は、従来技術で説明した図6に示すCD用の光ディスクドライブ装置の機能と、図7に示したDVD用の光ディスクドライブ装置の機能の両方を備えたものであり、スピンドルモータ202にセットされた光ディスク301の種類(CD系またはDVD系)を識別してそれに対応した動作を行うものである。すなわち、スピンドルモータ302にセットされた光ディスク301がCD系の光ディスクの場合は、波長780nmの半導体レーザユニット303aを選択的に駆動してレーザ光を光ディスク301に照射し、前述の図6を参照して説明した動作と同様の動作を行う。また、スピンドルモータ302にセットされた光ディスク301がDVD系の光ディスクの場合は、波長660nmの半導体レーザユニット303bを選択的に駆動してレーザ光を光ディスク301に照射し、前述の図7を参照して説明した動作と同様の動作を行う。尚、CD系、DVD系の各光ディスクに対する動作は図6、図7を参照して既に説明した動作と同様であるので、ここでは動作の説明は省略する。
【0043】
さて、以上に説明したCD,DVD対応の光ディスクドライブ装置は、例えばパーソナルコンピュータ等の情報処理装置の記録・再生装置として好適に用いられる。図9はその一例を示す図であり、図8に示す光ディスクドライブ装置を使用した情報処理装置の概略構成を示すブロック図である。この情報処理装置は、入力装置(キーボード、マウス等)401、主制御装置(CPU等)402、表示装置(CRT、LCD等)403、記録装置(HDD等)404、インターフェース405などを備えている。主制御装置402は、不図示のマイクロコンピュータ(CPU)、メインメモリ(ROM,RAM)などを含んで構成され、情報処理装置の全体を制御する。前記インターフェース405は、図8に示すような構成の光ディスクドライブ装置406との双方向の通信インターフェースであり、ATAPI及びSCSI等の標準インターフェースに準拠している。インターフェース405は光ディスクドライブ装置406のインターフェース315と接続されている。尚、各インターフェース間の接続形態は、通信ケーブル(例えばSCSIケーブル)などの通信線を用いたケーブル接続だけでなく、赤外線などを利用したワイヤレス接続であっても良い。また、光ディスクドライブ装置406を情報処理装置に内蔵している場合は、コネクタ等を用いて接続される。
【0044】
記録装置(ハ ードディスク:HDD)404には、主制御装置402のマイクロコンピュータで解読可能なコードで記述されたプログラムが格納されている。尚、情報処理装置の駆動電源がオン状態になると、上記プログラムは主制御装置402のメインメモリにロードされる。
表示装置403は、例えばCRT、液晶ディスプレイ(LCD)及びプラズマディスプレイパネル(PDP)などの表示部(図示省略)を備え、主制御装置402からの各種情報を表示する。
入力装置401は、例えばキーボード、マウス及びポインティングデバイスなどのうち少なくとも1つの入力媒体(図示省略)を備え、ユーザから入力された各種情報を主制御装置に通知する。尚、入力媒体からの情報はワイヤレス方式で入力されても良い。また、表示装置と入力装置とが一体化したものとして、例えばタッチパネル付きCRTなどがある。
また、情報処理装置はオペレーティングシステム(以下「OS」という)を搭載している。そして、情報処理装置を構成する全てのデバイスはOSによって管理されている。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る光ピックアップ装置では、波長の長い光源(半導体レーザ)からの光束に対しては偏光に依存しないビームスプリッタで光束を分離することにより、複屈折の大きい粗悪な光記録媒体(光ディスクまたは光カード)に対しても記録・再生が可能であり、波長の短い光源(半導体レーザ)からの光束に対しては偏光に依存するビームスプリッタで光束を分離することにより、安価な光源(半導体レーザ)を使用することができる。
また、波長の長い光源(半導体レーザ)からの光束に対しては、50〜80%の透過率または反射率を持つビームスプリッタとして作用する光束分離手段を用いることにより、コストと機能のバランスのとれた光ピックアップ装置を実現することができる。
【0046】
さらに、波長の長いCD用の光源(半導体レーザ)からの光束に対しては偏光に依存しないビームスプリッタで光束を分離することにより複屈折の大きいCDを再生したり、CD−Rに記録可能であり、波長の短いDVD用の光源(半導体レーザ)からの光束に対しては偏光に依存するビームスプリッタで光束を分離することにより、安価な半導体レーザを使用することができる。
【0047】
さらに、本発明では、上記光ピックアップ装置を用いて記録密度の異なる2種類(2世代)の光記録媒体(光ディスク、光カード)に対応した光情報記録再生装置を構成したことにより、旧世代の粗悪な光記録媒体にも情報の記録・再生が可能であり、また、新世代用に安価な半導体レーザを用いることが可能であり、コストと機能のバランスのとれた光情報記録再生装置(光ディスクドライブ装置、光カード装置)を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す光ピックアップ装置の概略構成図である。
【図2】DVD用光束分離手段の波長に対する透過率の偏光特性の一例を示す図である。
【図3】CD用光束分離手段の波長に対する透過率の偏光特性の一例を示す図である。
【図4】本発明の第2の実施例を示す光ピックアップ装置の概略構成図である。
【図5】DVD用光束分離手段の波長に対する透過率の偏光特性の別の例を示す図である。
【図6】CD用の光ディスクドライブ装置の要部構成の一例を示す機能ブロック図である。
【図7】DVD用の光ディスクドライブ装置の要部構成の一例を示す機能ブロック図である。
【図8】本発明の第4の実施例を示す図であって、記録密度の異なる2種類の光ディスク(CD系光ディスク、DVD系光ディスク)対応の光ディスクドライブ装置の要部構成の一例を示す機能ブロック図である。
【図9】図8に示す光ディスクドライブ装置を使用した情報処理装置の概略構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1:波長の短い光源(DVD用の半導体レーザ)
2:DVD用光束分離手段
3:CD用光束分離手段
4:コリメートレンズ
5:λ/4板
6:対物レンズ
7:光ディスク(光記録媒体)
8:凹シリンドリカルレンズ
9:受光素子
10:波長の長い光源(CD用の半導体レーザ)
11:集光レンズ
12:DVD用光束分離手段
301:光ディスク
303:光ピックアップ装置
303a:CD用光源ユニット
303b:DVD用光源ユニット
406:光ディスクドライブ装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ピックアップ装置及び、その光ピックアップ装置を備えた光ディスクドライブ装置、光カード装置等の光情報記録再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
光ディスクや光カード等の光記録媒体に対して情報の記録または再生を行う光情報記録再生装置が種々提案されており、光ディスクドライブ装置、光カード装置等として実用化されている。また、光記録媒体として、従来からのCD(コンパクト・ディスク)系の光ディスクに加えて、基板厚が薄く記録密度が高密度なDVD(デジタル・バーサタイル・ディスク)系の光ディスクが開発されており、このDVD系用の光ディスクドライブ装置も実用化されている。
【0003】
ここで、CD系の光ディスクと光ディスクドライブ装置の概略について説明する。一般的なCD−RとCD−Eディスクは、書き込みが可能な(記録可能な)CD系の光ディスクである。前者のCD−R(CDレコーダブル)は、1回だけ書き込みが可能なCDである(尚、CD−Write Onceとも言われている)。また、後者のCD−E(CDイレーザブル)は、複数回の書き込みが可能なCDである(尚、CD−RW:CDリライタブルとも言われている)。これらのCD−RやCD−Eディスク、すなわち、光ディスクは、図6に示すような光ディスクドライブ装置によって情報の記録・再生が行われる。
【0004】
図6は、CD用の光ディスクドライブ装置について、その要部構成の一例を示す機能ブロック図である。図6において、101は光ディスク、102はスピンドルモータ、103は光ピックアップ、104はモータドライバ、105はリードアンプ、106はサーボ手段、107はCDデコーダ、108はATIPデコーダ、109はレーザコントローラ、110はCDエンコーダ、111はCD−ROMエンコーダ、112はバッファRAM、113はバッファマネージャ、114はCD−ROMデコーダ、115はATAPI/SCSIインターフェース、116はD/Aコンバータ、117はROM、118はCPU、119はRAMを示し、LBはレーザ光、Audioはオーディオ出力信号を示す。
【0005】
図6において、矢印はデータが主に流れる方向を示しており、また、図を簡略化するために、図6の各ブロックを制御するCPU118には、太線のみを付けて各ブロックとの接続を省略している。ROM117には、CPU118にて解読可能なコードで記述された制御プログラムが格納されている。尚、光ディスクドライブ装置の電源がオン状態になると、前記プログラムは不図示のメインメモリにロードされ、前記CPU118はそのプログラムに従って上記各部の動作を制御するとともに、制御に必要なデータ等を一時的にRAM119に保存する。
【0006】
光ディスクドライブ装置の構成と動作は、次のとおりである。光ディスク101は、スピンドルモータ102によって回転駆動される。このスピンドルモータ102は、モータドライバ104とサーボ手段105により、線速度が一定になるように制御される。この線速度は、階段的に変更することが可能である。
光ピックアップ103は、図示されない半導体レーザ、光学系、フォーカスアクチュエータ、トラックアクチュエータ、受光素子およびポジションセンサを内蔵しており、レーザ光LBを光ディスク101に照射する。また、この光ピックアップ103は、シークモータによってスレッジ方向への移動が可能である。これらのフォーカスアクチュエータ、トラックアクチュエータ、シークモータは、受光素子とポジションセンサから得られる信号に基いて、モータドライバ104とサーボ手段105により、レーザ光LBのスポットが光ディスク101上の目的の場所に位置するように制御される。
【0007】
そして、リード時には、光ピックアップ103によって得られた再生信号が、リードアンプ105で増幅されて2値化された後、CDデコーダ107に入力される。入力された2値化データは、このCDデコーダ107において、EFM(Eight to Fourteen Modulation)復調される。尚、記録データは、8ビットずつまとめられてEFM変調されており、このEFM変調では、8ビットを14ビットに変換し、結合ビットを3ビット付加して合計17ビットにする。この場合に、結合ビットは、それまでの「1」と「0」の数が平均的に等しくなるように付けられる。これを「DC成分の抑制」といい、DCカットされた再生信号のスライスレベル変動が抑圧される。
【0008】
復調されたデータは、デインターリーブとエラー訂正の処理が行われる。その後、このデータは、CD−ROMデコーダ114へ入力され、データの信頼性を高めるために、さらに、エラー訂正の処理が行われる。このように2回のエラー訂正の処理が行われたデータは、バッファマネージャ113によって一旦バッファRAM112に蓄えられ、セクタデータとして揃った状態で、ATAPI/SCSIインターフェース115を介して、図示しないホストコンピュータへ一気に転送される。尚、音楽データの場合には、CDデコーダ107から出力されたデータが、D/Aコンバータ16へ入力され、アナログのオーディオ出力信号Audioとして取り出される。
【0009】
また、ライト時には、ATAPI/SCSIインターフェース115を通して、ホストコンピュータから送られてきたデータは、バッファマネージャ113によって一旦バッファRAM112に蓄えられる。そして、バッファRAM112内にある程度の量のデータが蓄積された状態で、ライト動作が開始されるが、この場合には、その前にレーザスポットを書き込み開始地点に位置させる必要がある。この地点は、トラックの蛇行により予め光ディスク101上に刻まれているウォブル信号によって求められる。
【0010】
ウォブル信号には、ATIPと呼ばれる絶対時間情報が含まれており、この情報が、ATIPデコーダ108によって取り出される。また、このATIPデコーダ108によって生成される同期信号は、CDエンコーダ110へ入力され、光ディスク101上の正確な位置へのデータの書き込みを可能にしている。バッファRAM112のデータは、CD−ROMエンコーダ111やCDエンコーダ110において、エラー訂正コードの付加や、インターリーブが行われ、レーザコントローラ109、光ピックアップ103を介して、光ディスク101に記録される。尚、EFM変調されたデータは、ビットストリームとしてチャンネルビットレート4.3218Mbps(標準速)でレーザを駆動する。この場合の記録データは、588チャンネルビット単位でEFMフレームを構成する。チャンネルクロックとは、このチャンネルビットの周波数のクロックを意味する。以上が、図6の光ディスクドライブ装置の構成と動作の概要である。
【0011】
次にDVD系の光ディスクと光ディスクドライブ装置の概略について説明する。DVD−RAM・WO、DVD−R、DVD+RとDVD−RAM、DVD−RW、DVD+RWディスクは、書き込みが可能な(記録可能な)DVD系の光ディスクである。前者のDVD−RAM・WO、DVD−R、DVD+Rは、1回だけ書き込みが可能なDVD系光ディスクである(尚、DVD Write Onceとも言われている)。また、後者のDVD−RAM、DVD−RW、DVD+RWは、複数回の書き込みが可能なDVD系光ディスクである。これらのDVD+RやDVD+RWディスク等、すなわち、DVD系光ディスクは、次の図7のような光ディスクドライブ装置によって情報の記録・再生が行われる。
【0012】
図7は、DVD用の光ディスクドライブ装置について、その要部構成の一例を示す機能ブロック図である。図7において、201は光ディスク、202はスピンドルモータ、203は光ピックアップ、204はモータドライバ、205はリードアンプ、206はサーボ手段、207はDVDデコーダ、208はADIPデコーダ、209はレーザコントローラ、210はDVDエンコーダ、211はDVD−ROMエンコーダ、212はバッファRAM、213はバッファマネージャ、214はDVD−ROMデコーダ、215はATAPI/SCSIインターフェース、216はD/Aコンバータ、217はROM、218はCPU、219はRAMを示し、LBはレーザ光、Audioはオーディオ出力信号を示す。
【0013】
この図7において、矢印はデータが主に流れる方向を示しており、また、図を簡略化するために、図7の各ブロックを制御するCPU218には、太線のみを付けて各ブロックとの接続を省略している。ROM217には、CPU218にて解読可能なコードで記述された制御プログラムが格納されている。尚、光ディスクドライブの電源がオン状態になると、前記プログラムは不図示のメインメモリにロードされ、前記CPU218はそのプログラムに従って上記各部の動作を制御するとともに、制御に必要なデータ等を一時的にRAM219に保存する。
【0014】
光ディスクドライブ装置の構成と動作は、次のとおりである。光ディスク201は、スピンドルモータ202によって回転駆動される。このスピンドルモータ202は、モータドライバ204とサーボ手段205により、線速度または角速度が一定になるように制御される。この線速度又は角速度は、階段的に変更することが可能である。
光ピックアップ203は、図示されない半導体レーザ、光学系、フォーカスアクチュエータ、トラックアクチュエータ、受光素子およびポジションセンサを内蔵しており、レーザ光LBを光ディスク201に照射する。また、この光ピックアップ203は、シークモータによってスレッジ方向への移動が可能である。これらのフォーカスアクチュエータ、トラックアクチュエータ、シークモータは、受光素子とポジションセンサから得られる信号に基いて、モータドライバ204とサーボ手段205により、レーザ光LBのスポットが光ディスク201上の目的の場所に位置するように制御される。
【0015】
そして、リード時には、光ピックアップ203によって得られた再生信号が、リードアンプ205で増幅されて2値化された後、DVDデコーダ207に入力される。入力された2値化データは、このDVDデコーダ207において、8/16復調される。尚、記録データは、8ビットずつまとめられて変調(8/16変調)されており、この変調では、8ビットを16ビットに変換している。この場合に、結合ビットは、それまでの「1」と「0」の数が平均的に等しくなるように付けられる。これを「DC成分の抑制」といい、DCカットされた再生信号のスライスレベル変動が抑圧される。
【0016】
復調されたデータは、デインターリーブとエラー訂正の処理が行われる。その後、このデータは、DVD−ROMデコーダ214へ入力され、データの信頼性を高めるために、さらに、エラー訂正の処理が行われる。このように2回のエラー訂正の処理が行われたデータは、バッファマネージャ213によって一旦バッファRAM212に蓄えられ、セクタデータとして揃った状態で、ATAPI/SCSIインターフェース215を介して、図示しないホストコンピュータへ一気に転送される。尚、音楽データの場合には、DVDデコーダ207から出力されたデータが、D/Aコンバータ216へ入力され、アナログのオーディオ出力信号Audioとして取り出される。
【0017】
また、ライト時には、ATAPI/SCSIインターフェース215を通して、ホストコンピュータから送られてきたデータは、バッファマネージャ213によって一旦バッファRAM212に蓄えられる。その後ライト動作が開始されるが、この場合には、その前にレーザスポットを書き込み開始地点に位置させる必要がある。この地点は、DVD+RW/+Rでは、予め光ディスク201上にトラックの蛇行により刻まれているウォブル信号によって求められる。
尚、上記地点はDVD−RW/−Rではウォブル信号の代わりにランドプリピット、DVD−RAM/RAM・WOではプリピットによって求められる。
【0018】
DVD+RW/+Rディスクにおけるウォブル信号には、ADIP(Adress In Pre−groove)と呼ばれるアドレス情報が含まれており、この情報が、ADIPデコーダ208によって取り出される。また、このADIPデコーダ208によって生成される同期信号は、DVDエンコーダ210へ入力され、光ディスク201上の正確な位置へのデータの書き込みを可能にしている。バッファRAM212のデータは、DVD−ROMエンコーダ211やDVDエンコーダ210において、エラー訂正コードの付加や、インターリーブが行われ、レーザコントローラ209、光ピックアップ203を介して、光ディスク201に記録される。また、ランドプリピットやプリピットからアドレス情報を得る構成であっても良い。以上が、図7の光ディスクドライブ装置の構成と動作の概要である。
【0019】
以上、CD用とDVD用の光ディスクドライブ装置の構成例について説明したが、近年ではCD系とDVD系の2種類の光ディスクに対して、情報の記録または再生を行える光ディスクドライブ装置が開発されている。
記録密度の異なる2種類の光ディスクに対して情報の記録または再生を行える光ディスクドライブ装置では、一つの光ピックアップ装置で2種類の光ディスクに対応するため、波長の異なる2つの光源(例えば半導体レーザ)を用い、波長の異なる2つの光源からの光束をハーフミラー等を介して対物レンズで集光して光ディスクに照射し、該光ディスクからの反射光を、対物レンズを介してハーフミラー等により往路と分離して受光素子に導き、光ディスクに記録された情報を再生する。このような2種類の光ディスクに対応する光ピックアップ装置では、対物レンズ等の光学系を共用するために、ハーフミラー等を用いて光路の変更や分離を行っているが、その際に、光束の光量を必要以上に減衰させることなく、光路変更及び分離を行えるようにすることが重要である。
【0020】
そこで、光学系の光路中にハーフミラーを使わずに効率の良い光路変更及び分離を行えるようにする技術が提案されている。例えば下記の特許文献1では、CD系とDVD系の光ディスク共に偏光分離光学系で読む方法、つまり半導体レーザからの光束を偏光ビームスプリッタ(PBS)にS偏光で入射させ、略100%の光束を反射させ、λ/4板で円偏光にし、対物レンズを介して光ディスクに照射し、光ディスクからの反射光を再び対物レンズとλ/4板に入射させてP偏光の光束にし、PBSにP偏光で入射させて略100%の光束を受光素子に導く方式が提案されている。この方式では半導体レーザのパワーを非常に有効に使用でき安価な半導体レーザを用いることが可能である。
【0021】
【特許文献1】
特開平10−255317号公報
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、CD系の光ディスクが広く一般に普及しており、極めて低価格なものも販売されている。このためCDの規格を無視したような粗悪な物も広く流通するようになった。この粗悪なCDの中にはCDの基板の複屈折が大きい物も多く、このようなCDに対して前述の偏光分離光学系で情報信号を読むと、複屈折の影響で情報信号の振幅が大きく変動し情報信号が読めないことがある。また、複屈折の大きいCD−Rは記録しながらRf信号を検出し最適パワーを制御するランニングOPCが正常に機能せず記録が出来ない場合がある。
【0023】
また、現在DVD系の光ディスクが広く流通し始め、さらにDVDの次世代の大容量DVDの規格も出始めた。近い将来にはDVDと大容量DVDのどちらにも対応できる光ディスクドライブ装置が出てくると予想される。そうなった時に現在の問題のように粗悪なDVDが出現することも予想できる。
尚、DVD用の半導体レーザのコストはCD用の半導体レーザの約5倍程度であり、DVD系では安い半導体レーザが使えることが望まれており、CD系ではどんな光ディスクでも読み書き出来ることが望まれている。
【0024】
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、記録密度の異なる少なくとも2種類(2世代)の光記録媒体に対応でき、旧世代の低記録密度の粗悪な光記録媒体に対しても情報の記録、再生が可能で、特に新世代の高密度な光記録媒体用に安価な半導体レーザを用いることが可能な光ピックアップ装置を提供することを目的とする。また、本発明は、その光ピックアップ装置を備え、コストと機能のバランスのとれた光情報記録再生装置を提供することを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための手段として、本発明は、波長の異なる2つの光源と、該光源からの光束を集光して光記録媒体に照射する対物レンズと、前記光記録媒体から反射され前記対物レンズを通過した光束を往路と分離する光束分離手段と、該光束分離手段により往路と分離された光束を受光する受光素子を備え、波長の異なる2つの光源を選択的に駆動して、前記光記録媒体に対して情報の記録または再生を行う光ピックアップ装置において、前記光束分離手段として、波長の長い光源からの光束に対しては偏光に依存しないビームスプリッタを用いて光束を分離し、波長の短い光源からの光束に対しては偏光に依存するビームスプリッタを用いて光束を分離することを特徴としている(請求項1)。
【0026】
本発明に係る光ピックアップ装置においては、前記構成に加えて、波長の長い光源からの光束に対しては50〜80%の透過率または反射率を持つビームスプリッタとして作用する光束分離手段を用いたことを特徴としている(請求項2)。
また、本発明に係る光ピックアップ装置においては、前記構成に加えて、記録密度の異なる少なくとも2種類の光記録媒体に対応し、低記録密度の光記録媒体に対しては波長の長い光源を用い、高記録密度の光記録媒体に対しては波長の短い光源を用いたことを特徴としている(請求項3)。
さらに本発明に係る光ピックアップ装置においては、前記構成に加えて、波長の異なる2つの光源は半導体レーザであることを特徴としている(請求項4)。
【0027】
本発明に係る光ピックアップ装置においては、前記構成に加えて、前記光記録媒体は光ディスクであることを特徴としている(請求項5)。ここで、光ディスクは、CD(コンパクト・ディスク)系の光ディスク、DVD(デジタル・バーサタイル・ディスク)系の光ディスク、または高密度DVD系の光ディスクである(請求項6)。
尚、本発明に係る光ピックアップ装置においては、前記光記録媒体として、光カードを用いる構成とすることができる(請求項7)。
【0028】
さらに本発明では、記録密度の異なる少なくとも2種類の光記録媒体に対して情報の記録または再生を行う光情報記録再生装置において、上記のいずれかの構成の光ピックアップ装置を備えたことを特徴としている(請求項8)。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成、動作及び作用を、図示の実施例に基づいて詳細に説明する。
【0030】
(実施例1)
図1は本発明の第1の実施例を示す光ピックアップ装置の概略構成図である。図1において、符号1,10は波長の異なる2つの光源、2,3は光束分離手段、4はコリメートレンズ、5はλ/4板、6は対物レンズ、7は光記録媒体、8は負のパワーを有する凹シリンドリカルレンズ、9は複数または多分割の受光面を有する受光素子、11は集光レンズである。ここでは光記録媒体7として、通常の記録密度のCD系の光ディスクと、それよりも記録密度の高いDVD系の光ディスクの2種類の光ディスクを用いる場合について説明するが、光記録媒体として記録密度の異なる2種類の光カードを用いる場合にも同様に適用することができる。
【0031】
図1において、光源1は波長660nmのDVD用半導体レーザであり、このDVD用半導体レーザ1からの光束は、図2に示すような偏光特性を持つDVD用光束分離手段2にP偏光で入射して略100%の光束が透過し、次に図3に示すような偏光特性を持つCD用光束分離手段3にP偏光で入射して略100%の光束が透過し、コリメートレンズ4で平行光となり、λ/4板5で円偏光に変換され、対物レンズ6により集光され光ディスク7(この場合、DVD系の光ディスク)に照射される。光ディスク7からの反射光は、対物レンズ6を介しλ/4板5でS偏光に変換され、CD用光束分離手段3にS偏光で入射して略100%の光束が透過し、DVD用光束分離手段2にS偏光で入射して略100%の光束が反射し、凹シリンドリカルレンズ8を介して受光素子9に入射し、光ディスク7からの情報を得る。
【0032】
一方、光源10は波長780nmのCD用半導体レーザであり、このCD用半導体レーザ10からの光束は集光レンズ11を介し、CD用光束分離手段3に入射して略70%の光束が反射され、コリメートレンズ4で平行光となり、λ/4板5を介し、対物レンズ6により集光され光ディスク7(この場合、CD系の光ディスク)に照射される。光ディスク7からの反射光は、対物レンズ6、λ/4板5を介し、CD用光束分離手段3に入射して略30%の光束が透過し、DVD用光束分離手段2に入射して略100%の光束が反射し、凹シリンドリカルレンズ8を介して受光素子9に入射し、光ディスク7からの情報を得る。
【0033】
ここで、図1に示す構成の光ピックアップ装置においては、DVD用光束分離手段2は図2に示すような偏光特性を持つので、波長660nmのDVD用半導体レーザ1からの光束に対しては偏光ビームスプリッタ(PBS)として機能する。従って、波長660nmのDVD用半導体レーザ1からの光束に対してはλ/4板5とPBS2を使ってアイソレータを構成しており、偏光分離光学系である。この偏光分離光学系の特徴は、半導体レーザ1からの光束を透過率のロスが殆どなく使えることである。
一方、波長780nmのCD用半導体レーザ10からの光束に対しては、光束分離手段2,3は、図2、図3に示すように、波長780nmに対しては偏光により透過率が変わらない無偏光分離光学系として機能するので、光ディスク7の複屈折の影響を無視できる。従って、粗悪なCD等に対しても情報の記録、再生が可能である。
【0034】
(実施例2)
図4は本発明の第2の実施例を示す光ピックアップ装置の概略構成図である。図4において、符号1,10は波長の異なる2つの光源、3,12は光束分離手段、4はコリメートレンズ、5はλ/4板、6は対物レンズ、7は光記録媒体、8は負のパワーを有する凹シリンドリカルレンズ、9は複数または多分割の受光面を有する受光素子、11は集光レンズである。ここでは光記録媒体7として、通常の記録密度のCD系の光ディスクと、それよりも記録密度の高いDVD系の光ディスクの2種類の光ディスクを用いる場合について説明するが、光記録媒体として記録密度の異なる2種類の光カードを用いる場合にも同様に適用することができる。
【0035】
図4において、光源1は波長660nmのDVD用半導体レーザであり、このDVD用半導体レーザ1からの光束は、図5に示すような偏光特性を持つDVD用光束分離手段12にS偏光で入射して略100%の光束が反射し、図3に示すような偏光特性を持つCD用光束分離手段3にS偏光で入射して略100%の光束が透過し、コリメートレンズ4で平行光となり、λ/4板5で円偏光に変換され、対物レンズ6により集光されて光ディスク7(この場合、DVD系の光ディスク)に照射される。光ディスク7からの反射光は対物レンズ6を介し、λ/4板5でP偏光に変換され、CD用光束分離手段3にP偏光で入射して略100%の光束が透過し、DVD用光束分離手段12にP偏光で入射して略100%の光束が透過し、凹シリンドリカルレンズ8を介して受光素子9に入射し、光ディスク7からの情報を得る。
【0036】
一方、光源10は波長780nmのCD用半導体レーザであり、このCD用半導体レーザ10からの光束は集光レンズ11を介し、CD用光束分離手段3に入射して略70%の光束が反射され、コリメートレンズ4で平行光となり、λ/4板5を介し、対物レンズ6により集光され光ディスク7(この場合、CD系の光ディスク)に照射される。光ディスク7からの反射光は、対物レンズ6、λ/4板5を介し、CD用光束分離手段3に入射して略30%の光束が透過し、DVD用光束分離手段12に入射して略100%の光束が透過し、凹シリンドリカルレンズ8を介して受光素子9に入射し、光ディスク7からの情報を得る。
【0037】
ここで、図4に示す構成の光ピックアップ装置においては、DVD用光束分離手段12は図5に示すような偏光特性を持つので、波長660nmのDVD用半導体レーザ1からの光束に対しては偏光ビームスプリッタ(PBS)として機能する。従って、第1の実施例と同様に、波長660nmのDVD用半導体レーザ1からの光束に対してはλ/4板5とPBS12を使ってアイソレータを構成しており、偏光分離光学系である。この偏光分離光学系の特徴は、半導体レーザ1からの光束を透過率のロスが殆どなく使えることである。
一方、波長780nmのCD用半導体レーザ10からの光束に対しては、光束分離手段3,12は、図3、図5に示すように、波長780nmに対しては偏光により透過率が変わらない無偏光分離光学系として機能するので、光ディスク7の複屈折の影響を無視できる。従って、粗悪なCD等に対しても情報の記録、再生が可能である。
【0038】
(実施例3)
第1、第2の実施例において、CD用光束分離手段3の偏光特性は図3に示しているが、波長780nmの光束に対する透過率(または反射率)は50〜80%程度に設定することが望ましい。
この理由は、CD系光ディスクの記録パワーはDVD系光ディスクの記録パワーの約2倍であるが、共通の受光素子9に入射する光量は同じにするのが望ましいので、そのためには波長780nmの光束の透過率(または反射率)を50%にするのが良い。しかし、この透過率(または反射率)が小さいとCD用の半導体レーザ10が高価なものとなってしまうので、80%程度の透過率(または反射率)にすると安いCD用の半導体レーザを使うことが可能である。そこで波長780nmの光束に対する透過率(または反射率)は、50〜80%程度に設定して、コストと機能のバランスの取れた値にするのがよい。
【0039】
(実施例4)
次に実施例1〜3に示した構成の光ピックアップ装置を搭載する光ディスクドライブ装置の構成例について説明する。
図8は、記録密度の異なる2種類の光ディスク(CD系光ディスク、DVD系光ディスク)対応の光ディスクドライブ装置について、その要部構成の一例を示す機能ブロック図である。図8において、301は光ディスク、302はスピンドルモータ、303は光ピックアップ、303aはCD用光源ユニット、303bはDVD用光源ユニット、304はモータドライバ、305はアナログ・フロント・エンド、306はデジタル・サーボ手段、307はCD/DVDデコーダ、308はATIP/ADIPデコーダ、309はCD−R/RWレーザコントローラ、310はDVDレーザコントローラ、311はCDエンコーダ、312はDVDエンコーダ、313はバッファマネージャ、314はバッファメモリ(バッファRAM)、315はATAPI/SCSIインターフェース、316はCPU、317はROM、318はRAMを示す。
【0040】
この図8において、矢印はデータが主に流れる方向を示している。ROM317には、CPU316にて解読可能なコードで記述された制御プログラムが格納されている。尚、光ディスクドライブ装置の電源がオン状態になると、前記プログラムは不図示のメインメモリにロードされ、前記CPU316はそのプログラムに従って上記各部の動作を制御するとともに、制御に必要なデータ等を一時的にRAM318に保存する。
【0041】
光ディスク301は、スピンドルモータ302によって回転駆動される。このスピンドルモータ302は、モータドライバ304とデジタルサーボ手段306により、線速度または角速度が一定になるように制御される。この線速度又は角速度は、階段的に変更することが可能である。
光ピックアップ303は、図1または図4に示したような構成であり、2つの波長の異なる半導体レーザユニット303a,303bと、図示しない光学系、フォーカスアクチュエータ、トラックアクチュエータ、受光素子およびポジションセンサを内蔵しており、スピンドルモータ202にセットされた光ディスク301の種類(CD系またはDVD系)に対応した波長(例えば780nmまたは660nm)の半導体レーザユニット303a,303bを選択的に駆動してレーザ光を光ディスク301に照射する。また、この光ピックアップ303は、シークモータによってスレッジ方向への移動が可能である。これらのフォーカスアクチュエータ、トラックアクチュエータ、シークモータは、受光素子とポジションセンサから得られる信号に基いて、モータドライバ304とサーボ手段306により、レーザ光のスポットが光ディスク301上の目的の場所に位置するように制御される。
【0042】
図8に示す構成の光ディスクドライブ装置は、従来技術で説明した図6に示すCD用の光ディスクドライブ装置の機能と、図7に示したDVD用の光ディスクドライブ装置の機能の両方を備えたものであり、スピンドルモータ202にセットされた光ディスク301の種類(CD系またはDVD系)を識別してそれに対応した動作を行うものである。すなわち、スピンドルモータ302にセットされた光ディスク301がCD系の光ディスクの場合は、波長780nmの半導体レーザユニット303aを選択的に駆動してレーザ光を光ディスク301に照射し、前述の図6を参照して説明した動作と同様の動作を行う。また、スピンドルモータ302にセットされた光ディスク301がDVD系の光ディスクの場合は、波長660nmの半導体レーザユニット303bを選択的に駆動してレーザ光を光ディスク301に照射し、前述の図7を参照して説明した動作と同様の動作を行う。尚、CD系、DVD系の各光ディスクに対する動作は図6、図7を参照して既に説明した動作と同様であるので、ここでは動作の説明は省略する。
【0043】
さて、以上に説明したCD,DVD対応の光ディスクドライブ装置は、例えばパーソナルコンピュータ等の情報処理装置の記録・再生装置として好適に用いられる。図9はその一例を示す図であり、図8に示す光ディスクドライブ装置を使用した情報処理装置の概略構成を示すブロック図である。この情報処理装置は、入力装置(キーボード、マウス等)401、主制御装置(CPU等)402、表示装置(CRT、LCD等)403、記録装置(HDD等)404、インターフェース405などを備えている。主制御装置402は、不図示のマイクロコンピュータ(CPU)、メインメモリ(ROM,RAM)などを含んで構成され、情報処理装置の全体を制御する。前記インターフェース405は、図8に示すような構成の光ディスクドライブ装置406との双方向の通信インターフェースであり、ATAPI及びSCSI等の標準インターフェースに準拠している。インターフェース405は光ディスクドライブ装置406のインターフェース315と接続されている。尚、各インターフェース間の接続形態は、通信ケーブル(例えばSCSIケーブル)などの通信線を用いたケーブル接続だけでなく、赤外線などを利用したワイヤレス接続であっても良い。また、光ディスクドライブ装置406を情報処理装置に内蔵している場合は、コネクタ等を用いて接続される。
【0044】
記録装置(ハ ードディスク:HDD)404には、主制御装置402のマイクロコンピュータで解読可能なコードで記述されたプログラムが格納されている。尚、情報処理装置の駆動電源がオン状態になると、上記プログラムは主制御装置402のメインメモリにロードされる。
表示装置403は、例えばCRT、液晶ディスプレイ(LCD)及びプラズマディスプレイパネル(PDP)などの表示部(図示省略)を備え、主制御装置402からの各種情報を表示する。
入力装置401は、例えばキーボード、マウス及びポインティングデバイスなどのうち少なくとも1つの入力媒体(図示省略)を備え、ユーザから入力された各種情報を主制御装置に通知する。尚、入力媒体からの情報はワイヤレス方式で入力されても良い。また、表示装置と入力装置とが一体化したものとして、例えばタッチパネル付きCRTなどがある。
また、情報処理装置はオペレーティングシステム(以下「OS」という)を搭載している。そして、情報処理装置を構成する全てのデバイスはOSによって管理されている。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る光ピックアップ装置では、波長の長い光源(半導体レーザ)からの光束に対しては偏光に依存しないビームスプリッタで光束を分離することにより、複屈折の大きい粗悪な光記録媒体(光ディスクまたは光カード)に対しても記録・再生が可能であり、波長の短い光源(半導体レーザ)からの光束に対しては偏光に依存するビームスプリッタで光束を分離することにより、安価な光源(半導体レーザ)を使用することができる。
また、波長の長い光源(半導体レーザ)からの光束に対しては、50〜80%の透過率または反射率を持つビームスプリッタとして作用する光束分離手段を用いることにより、コストと機能のバランスのとれた光ピックアップ装置を実現することができる。
【0046】
さらに、波長の長いCD用の光源(半導体レーザ)からの光束に対しては偏光に依存しないビームスプリッタで光束を分離することにより複屈折の大きいCDを再生したり、CD−Rに記録可能であり、波長の短いDVD用の光源(半導体レーザ)からの光束に対しては偏光に依存するビームスプリッタで光束を分離することにより、安価な半導体レーザを使用することができる。
【0047】
さらに、本発明では、上記光ピックアップ装置を用いて記録密度の異なる2種類(2世代)の光記録媒体(光ディスク、光カード)に対応した光情報記録再生装置を構成したことにより、旧世代の粗悪な光記録媒体にも情報の記録・再生が可能であり、また、新世代用に安価な半導体レーザを用いることが可能であり、コストと機能のバランスのとれた光情報記録再生装置(光ディスクドライブ装置、光カード装置)を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す光ピックアップ装置の概略構成図である。
【図2】DVD用光束分離手段の波長に対する透過率の偏光特性の一例を示す図である。
【図3】CD用光束分離手段の波長に対する透過率の偏光特性の一例を示す図である。
【図4】本発明の第2の実施例を示す光ピックアップ装置の概略構成図である。
【図5】DVD用光束分離手段の波長に対する透過率の偏光特性の別の例を示す図である。
【図6】CD用の光ディスクドライブ装置の要部構成の一例を示す機能ブロック図である。
【図7】DVD用の光ディスクドライブ装置の要部構成の一例を示す機能ブロック図である。
【図8】本発明の第4の実施例を示す図であって、記録密度の異なる2種類の光ディスク(CD系光ディスク、DVD系光ディスク)対応の光ディスクドライブ装置の要部構成の一例を示す機能ブロック図である。
【図9】図8に示す光ディスクドライブ装置を使用した情報処理装置の概略構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1:波長の短い光源(DVD用の半導体レーザ)
2:DVD用光束分離手段
3:CD用光束分離手段
4:コリメートレンズ
5:λ/4板
6:対物レンズ
7:光ディスク(光記録媒体)
8:凹シリンドリカルレンズ
9:受光素子
10:波長の長い光源(CD用の半導体レーザ)
11:集光レンズ
12:DVD用光束分離手段
301:光ディスク
303:光ピックアップ装置
303a:CD用光源ユニット
303b:DVD用光源ユニット
406:光ディスクドライブ装置
Claims (8)
- 波長の異なる2つの光源と、該光源からの光束を集光して光記録媒体に照射する対物レンズと、前記光記録媒体から反射され前記対物レンズを通過した光束を往路と分離する光束分離手段と、該光束分離手段により往路と分離された光束を受光する受光素子を備え、波長の異なる2つの光源を選択的に駆動して、前記光記録媒体に対して情報の記録または再生を行う光ピックアップ装置において、
前記光束分離手段として、波長の長い光源からの光束に対しては偏光に依存しないビームスプリッタを用いて光束を分離し、波長の短い光源からの光束に対しては偏光に依存するビームスプリッタを用いて光束を分離することを特徴とする光ピックアップ装置。 - 請求項1記載の光ピックアップ装置において、
波長の長い光源からの光束に対しては50〜80%の透過率または反射率を持つビームスプリッタとして作用する光束分離手段を用いたことを特徴とする光ピックアップ装置。 - 請求項1または2記載の光ピックアップ装置において、
記録密度の異なる少なくとも2種類の光記録媒体に対応し、低記録密度の光記録媒体に対しては波長の長い光源を用い、高記録密度の光記録媒体に対しては波長の短い光源を用いたことを特徴とする光ピックアップ装置。 - 請求項1〜3にいずれか一つに記載の光ピックアップ装置において、
波長の異なる2つの光源は半導体レーザであることを特徴とする光ピックアップ装置。 - 請求項1〜4のいずれか一つに記載の光ピックアップ装置において、
前記光記録媒体は光ディスクであることを特徴とする光ピックアップ装置。 - 請求項5記載の光ピックアップ装置において、
前記光ディスクは、CD(コンパクト・ディスク)系の光ディスク、DVD(デジタル・バーサタイル・ディスク)系の光ディスク、または高密度DVD系の光ディスクであることを特徴とする光ピックアップ装置。 - 請求項1〜4のいずれか一つに記載の光ピックアップ装置において、
前記光記録媒体は光カードであることを特徴とする光ピックアップ装置。 - 記録密度の異なる少なくとも2種類の光記録媒体に対して情報の記録または再生を行う光情報記録再生装置において、
請求項1〜7のいずれか一つに記載の光ピックアップ装置を備えたことを特徴とする光情報記録再生装置。
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JP2003069946A JP2004280936A (ja) | 2003-03-14 | 2003-03-14 | 光ピックアップ装置及び光情報記録再生装置 |
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JP2007172713A (ja) * | 2005-12-20 | 2007-07-05 | Victor Co Of Japan Ltd | 光ピックアップ |
-
2003
- 2003-03-14 JP JP2003069946A patent/JP2004280936A/ja active Pending
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