JP2004280164A - ファン式空冷装置およびその駆動制御方法 - Google Patents
ファン式空冷装置およびその駆動制御方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】CPUの動作周波数,ハードディスクドライブやメモリ等の記憶容量等の各種搭載デバイスの構成情報に応じて、適正なファンの駆動制御を行なう。
【解決手段】内部に複数の搭載デバイス21,22を備えた各種機器20等の筐体に備えられた空冷用のファン11と、筐体内に備えられた温度センサ12と、温度センサからの検出信号により筐体内の温度を検知して、その温度に対応するファンの駆動電圧Vを設定し、この駆動電圧によりファンの駆動制御を行なう駆動制御装置13とを有するファン式空冷装置であって、駆動制御装置が、各搭載デバイスの構成情報に応じたファンの駆動電圧を設定するためのデータファイルを備え、筐体内の搭載デバイスのうち、複数の搭載デバイスについて、各搭載デバイスの構成情報からデータファイルを参照してファンの駆動電圧を設定するように構成する。
【選択図】 図1
【解決手段】内部に複数の搭載デバイス21,22を備えた各種機器20等の筐体に備えられた空冷用のファン11と、筐体内に備えられた温度センサ12と、温度センサからの検出信号により筐体内の温度を検知して、その温度に対応するファンの駆動電圧Vを設定し、この駆動電圧によりファンの駆動制御を行なう駆動制御装置13とを有するファン式空冷装置であって、駆動制御装置が、各搭載デバイスの構成情報に応じたファンの駆動電圧を設定するためのデータファイルを備え、筐体内の搭載デバイスのうち、複数の搭載デバイスについて、各搭載デバイスの構成情報からデータファイルを参照してファンの駆動電圧を設定するように構成する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ファン式空冷装置に関し、特にファンの駆動により発生する騒音をできるだけ抑制するようにしたファン式空冷装置の駆動制御の技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えばサーバ装置等のコンピュータ装置においては、高信頼性を実現するために、いわゆるRAS機能の充実が要求されている。このため、コンピュータ装置が設置されている環境を所定温度範囲に維持するために、環境温度に応じて、ファン式空冷装置のファン回転数を自動切り替えする駆動制御方法が知られている。
【0003】
このようなファン式空冷装置100は、例えば図4に示すように、コンピュータ装置の内部に設けられた空冷用のファン101と、コンピュータ装置内に設けられた温度センサ102と、温度センサ102からの検出温度に基づいてファン101を駆動制御する駆動制御装置103と、から構成されている。
【0004】
このような構成のファン式空冷装置100によれば、駆動制御装置103が、コンピュータ装置内に備えられた温度センサ102からの検出信号に基づいて、装置内温度Tを検出し、温度T−ファンの駆動電圧Vの対比データ104からこの装置内温度Tに対応するファンの駆動電圧Vを読み出して、この駆動電圧Vによりファン101の駆動制御を行なう。
【0005】
具体的には、駆動制御装置103は、上記対比データ104として、図5に示すように、装置内温度Tすなわち環境温度の所定範囲毎にファン101への駆動電圧が設定されているデータファイル105をあらかじめ備えており、このデータファイル105を参照して、装置内温度Tに対応するファンの駆動電圧Vをデータファイル104から読み出して、この駆動電圧Vによりファン101を駆動制御するようになっている。
【0006】
これにより、例えば装置内温度Tが28℃と比較的低い場合には、ファン101の駆動電圧Vを最高値の80%に設定することにより、ファン101を必要以上に高い回転数で駆動制御することを抑制して、ファン101の騒音を低減して、低騒音化を図るようにしている。
【0007】
他方、コンピュータ装置に搭載されるCPUとしては各種動作周波数のものがあり、これらの動作周波数は一般的にユーザが選択することができる。
このようにCPUの動作周波数が複数種類設定可能である場合、CPUの発熱量はその動作周波数に依存することから、前述した駆動制御装置3におけるデータファイルは、CPUの最高動作周波数を想定して作成することになる。このため、最高動作周波数のCPUを選択しない場合には、ファンの駆動電圧が必要以上に高くなって、ファンの騒音が必要以上に大きくなってしまう。
【0008】
これに対して、例えば特許文献1および特許文献2に示すように、CPUの動作周波数を識別することにより、CPU動作周波数に見合ったファンの駆動電圧を設定して、ファンを駆動することが公知である。
【0009】
また、特許文献3には、発熱量の異なる複数の動作モードを有する発熱体と、それ以外の発熱体に対して、それぞれ温度を検出するための温度センサを設けて、これらの温度センサの検出温度に基づいて、ファンを駆動制御することにより、双方の発熱体を空冷するようにした、ファン式空冷装置が開示されている。
【0010】
さらに、特許文献4には、電子装置に内蔵される筐体内の複数箇所に、それぞれ温度センサを設けておき、各温度センサの検出温度に基づいて、ファンを駆動制御することにより、電子装置内を冷却するようにした、ファン式空冷装置が開示されている。
【0011】
【特許文献1】
特開平10−326125号(第2−4頁,第1−2図)
【特許文献2】
特開平11−129578号(第2−3頁,第1図)
【特許文献3】
特開2002−006991号(第2−4頁,第3図,第5図)
【特許文献4】
特開平09−250489号(第2−4頁,第1図)
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した各特許文献による空冷装置においては、以下のような問題がある。
すなわち、特許文献1および2による空冷装置においては、コンピュータ装置に内蔵される各種搭載デバイスのうち、CPUのみに限定して、その動作周波数に見合ったファンの駆動電圧を設定して、ファンを駆動制御するようにしている。
他方、コンピュータ装置内の各種搭載デバイスのうち、例えばハードディスクドライブやメモリ等も発熱すると共に、これらも記憶容量に応じて発熱量が異なることが知られている。
【0013】
したがって、これらのハードディスクドライブやメモリ等についても、その記憶容量に応じて、ファンの最適な駆動電圧を設定することが望ましいが、上記特許文献1および2による空冷装置は、このような設定を行なうことができず、そのため最大容量に対応してファンの駆動電圧を設定するようにしている。
このようにして、特許文献1および2による空冷装置においては、最大容量のハードディスクドライブやメモリ等を選択しない場合には、ファンの駆動電圧が必要以上に高くなって、ファンの騒音が必要以上に大きくなってしまう。
【0014】
また、特許文献3による空冷装置においては、発熱体となり得るCPUおよび電源回路等に対して、それぞれ温度センサを設けて、これらの検出温度に基づいて、ファンの駆動電圧を設定している。このため、各発熱体毎に温度センサが必要であるが、現在市販されているハードディスクドライブやメモリ等の各種搭載デバイスには温度センサは搭載されておらず、これらに新たに温度センサを設置することが必要になると共に、温度センサから駆動制御装置への配線が必要になってしまう。
【0015】
さらに、特許文献4による空冷装置においては、電子装置に内蔵される筐体の複数箇所に、それぞれ温度センサを設けておき、各温度センサの検出温度に基づいて、ファンの駆動電圧を設定している。このため、複数の温度センサが必要であると共に、CPUの動作周波数やハードディスク,メモリ等の各種搭載デバイスに対応して、ファンの駆動電圧を設定することはできない。
【0016】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、CPUの動作周波数,ハードディスクドライブやメモリ等の記憶容量等の各種搭載デバイスの構成情報に応じて、適正なファンの駆動制御を行なうようにした、ファン式空冷装置における駆動制御技術の提供を目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、本発明の請求項1記載のファン式空冷装置は、内部に複数の搭載デバイスを備えた各種機器等の筐体に備えられた空冷用のファンと、上記筐体内に備えられた温度センサと、温度センサからの検出信号により筐体内の温度を検知して、その温度に対応するファンの駆動電圧を設定して、この駆動電圧によりファンの駆動制御を行なう駆動制御装置と、を設けたファン式空冷装置であって、上記駆動制御装置が、各搭載デバイスの構成情報に応じたファンの駆動電圧を設定するためのデータファイルを備えており、筐体内の搭載デバイスのうち、複数の搭載デバイスについて、各搭載デバイスの構成情報からデータファイルを参照してファンの駆動電圧を設定する構成としてある。
【0018】
ファン式空冷装置をこのような構成とすると、ファンは、筐体内の各搭載デバイスの構成情報に対応したデータファイルによって、このデータファイルに設定されたファンの駆動電圧により駆動制御されることになるので、ファンの回転数は各搭載デバイスの構成情報に対応したデータファイルにより最適な回転数となり、各種機器の内部の各搭載デバイスを冷却することにより、各搭載デバイスが十分に空冷されると共に、ファンの駆動により発生する各種機器全体の騒音レベルが低く抑制されることになる。
【0019】
ここで、各種機器の内部の一部で温度が上昇すると、この部位の温度が温度センサにより検出されるので、駆動制御装置は、当該温度センサの検出信号に基づいて、データファイルによりファンの回転数を駆動制御して、回転数を高めることにより、より強く空冷して、筐体内の温度を低下させる。
そして、筐体内の温度が十分に低くなると、駆動制御装置は、再びデータファイルによりファンの駆動電圧を定常運転状態のファンの駆動電圧に戻して、ファンの回転数を低くし、再び定常運転状態に戻す。
【0020】
したがって、各種機器の筐体内の各搭載デバイスの構成情報に応じて、駆動制御装置は、データファイルによりファンの駆動電圧を設定して、ファンの回転数をできるだけ低く抑制することにより、ファンの駆動により発生する騒音が小さくなると共に、ファンの駆動のための消費電力も低減され得ることになる。
【0021】
請求項2記載のファン式空冷装置は、上記搭載デバイスのうち、一つの搭載デバイスがCPUであって、駆動制御装置が、CPUの構成情報として動作周波数に対応して、ファンの駆動電圧を設定する構成としてある。
ファン式空冷装置をこのような構成とすると、CPUの動作周波数に対応して、駆動制御装置がファンの駆動電圧を設定するので、できるだけ低いファンの回転数によりCPUが確実に空冷されることになる。
【0022】
請求項3記載のファン式空冷装置は、上記搭載デバイスのうち、一つの搭載デバイスがハードディスクドライブであって、駆動制御装置が、ハードディスクドライブの構成情報として記憶容量に対応して、ファンの駆動電圧を設定する構成としてある。
ファン式空冷装置をこのような構成とすると、ハードディスクドライブの記憶容量に対応して、駆動制御装置がファンの駆動電圧を設定するので、できるだけ低いファンの回転数によりハードディスクドライブが確実に空冷されることになる。
【0023】
請求項4記載のファン式空冷装置は、上記搭載デバイスのうち、一つの搭載デバイスがメモリであって、駆動制御装置が、メモリの構成情報として記憶容量に対応して、ファンの駆動電圧を設定する構成としてある。
ファン式空冷装置をこのような構成とすると、メモリの記憶容量に対応して、駆動制御装置がファンの駆動電圧を設定するので、できるだけ低いファンの回転数によりメモリが確実に空冷されることになる。
【0024】
請求項5記載のファン式空冷装置は、上記駆動制御装置が、各搭載デバイスの構成情報の組合せ毎に対応したフラグ情報を有しており、このフラグ情報毎にそれぞれ上記データファイルを備えている構成としてある。
そして、請求項6記載のファン式空冷装置は、上記データファイルが複数あり、デバイスの構成情報にもとづいて一つのデータファイルを選択する構成としてある。
ファン式空冷装置をこのような構成とすると、駆動制御装置が、各搭載デバイスの構成情報の組合せに対応するフラグ情報を読み取って、このフラグ情報に対応したデータファイルに基づいて、ファンの駆動電圧を設定して、ファンを駆動制御することにより、個々のデータファイルが小さくなり、これらのデータファイルにより容易にそして高速でファンの駆動電圧を設定することができる。
【0025】
請求項7記載のファン式空冷装置は、複数の発熱装置と、この複数の発熱装置を冷却するファンと、前記複数の発熱装置に関する動的な情報を検出する検出手段と、この検出手段の検出結果に応じて前記ファンを制御するための複数の制御情報を前記複数の発熱装置の静的な情報の組合せに基づいて選択する駆動制御装置とを含む構成としてある。
ファン式空冷装置をこのような構成とすると、前記複数の制御情報のうちから静的な情報に基づいて選択した一つの制御情報により、前記動的な情報に基づいてファンが駆動制御される。
【0026】
また、この目的を達成するため、本発明の請求項8記載のファン式空冷装置の駆動制御方法は、内部に複数の搭載デバイスを備えた各種機器等の筐体に備えられた空冷用のファンに関して、上記筐体内に備えられた温度センサからの検出信号により筐体内の温度を検知して、その温度に対応するファンの駆動電圧を設定して、この駆動電圧によりファンの駆動制御を行なうファン式空冷装置の駆動制御方法であって、各搭載デバイスの構成情報に応じたファンの駆動電圧を設定するためのデータファイルを備えており、筐体内の搭載デバイスのうち、複数の搭載デバイスについて、各搭載デバイスの構成情報からデータファイルを参照してファンの駆動電圧を設定する構成としてある。
【0027】
ファン式空冷装置の駆動制御方法をこのような構成とすると、筐体内の各搭載デバイスの構成情報に対応したデータファイルによって、このデータファイルに設定されたファンの駆動電圧によりファンを駆動制御するので、ファンの回転数は各搭載デバイスの構成情報に対応したデータファイルにより最適な回転数となり、各種機器の内部の各搭載デバイスを冷却することにより、各搭載デバイスが十分に空冷されると共に、ファンの駆動により発生する各種機器全体の騒音レベルが低く抑制されることになる。
【0028】
ここで、各種機器の内部の一部で温度が上昇すると、この部位の温度が温度センサにより検出されるので、当該温度センサの検出信号に基づいて、データファイルによりファンの回転数が駆動制御され、回転数を高めることにより、より強く空冷して、筐体内の温度を低下させる。そして、筐体内の温度が十分に低くなると、再びデータファイルによりファンの駆動電圧が定常運転状態のファンの駆動電圧に戻され、ファンの回転数が低くなって、再び定常運転状態に戻る。
【0029】
したがって、定常運転状態では、各種機器の筐体内の各搭載デバイスの構成情報に応じて、データファイルによりファンの駆動電圧が設定され、ファンの回転数ができるだけ低く抑制されることにより、ファンの駆動により発生する騒音が小さくなると共に、ファンの駆動のための消費電力も低減され得ることになる。
【0030】
このようにして、本発明によるファン式空冷装置およびその駆動制御方法によれば、各種機器の筐体内の各搭載デバイスの構成情報、例えばCPUの動作周波数,ハードディスクドライブやメモリの記憶容量等に応じて、ファンの駆動電圧を設定することによって、筐体内を十分に冷却しつつ、できるだけ低いファンの回転数を実現することができるので、ファンの運転により発生する騒音ができるだけ低減され得ることになり、さらにファンの駆動のための消費電力も低減され得ることになる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
まず、本発明のファン式空冷装置の一実施形態について、図1〜図3を参照して説明する。
図1は、本実施形態によるファン式空冷装置の一実施形態の構成を示すブロック図である。
【0032】
図1に示すように、ファン式空冷装置10は、図示しないコンピュータ装置内部を空冷するためのものであり、コンピュータ装置の内部に設けられた空冷用のファン11と、コンピュータ装置内に設けられた温度センサ(検出手段)12と、温度センサ12からの検出温度(動的な情報)に基づいてファン11を駆動制御する駆動制御装置13と、から構成されている。
【0033】
上記ファン11は、公知の構成であって、駆動制御装置13により駆動制御されることにより、制御された回転数で回転駆動され、例えば装置内部から外方に向かって気流を発生させることにより、装置内の発熱により高温になった空気を排出するようになっている。
【0034】
上記温度センサ12は、同様に公知の構成であって、コンピュータ装置の内部の適宜の箇所に配置されており、コンピュータ装置内の温度(環境温度)Tを検出して、検出信号を出力するようになっている。
【0035】
上記駆動制御装置13は、温度センサ12からの検出信号に基づいて、ファンの駆動電圧を設定するための温度−ファンの駆動電圧対比データ(制御情報)14により、最適なファンの駆動電圧Vを設定して、この駆動電圧Vにより、ファン11を駆動制御するようになっている。
【0036】
ここで、駆動制御装置13は、上記温度−ファンの駆動電圧対比データ14として、図2に示す搭載デバイス(発熱装置)の構成情報(静的な情報)を示すフラグ情報30、そして、図3に示すデータファイルを前もって備えている。
すなわち、上記駆動制御装置13は、搭載デバイスの構成情報として、コンピュータ装置に搭載されているCPU21の動作周波数とハードディスクドライブ22の記憶容量を識別することができるようになっている。
そして、駆動制御装置13は、これらのCPU21の動作周波数およびハードディスクドライブ22の記憶容量の組合せ毎に対応するフラグ31から成るフラグ情報30(図2参照)を前もって備えており、識別したCPU21の動作周波数およびハードディスクドライブ22の記憶容量の組合せに基づいて、上記フラグ情報30から対応するフラグ31を読み出す。
【0037】
さらに、駆動制御装置13は、各フラグ31に対応する検出温度T−ファンの駆動電圧Vのデータファイル32、具体的には「2」なるフラグ31に対するデータファイル32a,「1」なるフラグ31に対するデータファイル32b,「0」なるフラグ31に対するデータファイル32cの複数のデータファイルを前もって備えており、上記のように読み出したフラグ31に対応するデータファイル32(32a,32bまたは32c)を使用して、温度センサ12からの検出温度Tに対応して、ファンの駆動電圧Vを設定するようになっている。
【0038】
すなわち、温度センサ12からの検出温度Tが高くなった場合には、駆動制御装置13は、対応するデータファイル32に基づいて、検出温度Tに対応したファンの駆動電圧Vを設定して、より高い回転数でファン11を駆動制御して、ファン11の空冷能力を高めて、コンピュータ装置の内部の環境温度Tを低下させるようになっている。
【0039】
次に、本実施形態のファン式空冷装置10の動作について説明する。
まず、図示しない、コンピュータ装置が作動すると、コンピュータ装置に内蔵されたファン式空冷装置10も作動する。
これにより、ファン式空冷装置10の駆動制御装置13は、コンピュータ装置のCPU21の動作周波数およびハードディスクドライブ22の記憶容量を識別して、識別したコンピュータ装置のCPU21の動作周波数およびハードディスクドライブ22の記憶容量の組合せに対応するフラグ31をフラグ情報30から読み出す。
例えば、CPU21の動作周波数が2GHz,ハードディスクドライブ22の記憶容量が74GBの場合には、駆動制御装置13は、フラグ情報30から「2」なるフラグ31を読み出す。
【0040】
続いて、駆動制御装置13は、このフラグ31に対応するデータファイル32を利用して、温度センサ12からの検出温度Tに対応するファンの駆動電圧Vを設定する。
例えば、上記例の場合、駆動制御装置13は、「2」なるフラグ31により、データファイル32aを利用して、温度センサ12からの検出温度Tに対応して、例えば検出温度Tが25℃未満の場合には、ファン11の駆動電圧Vを最大値の60%に設定し、検出温度Tが25℃以上30℃未満の場合には、駆動電圧Vを最大値の80%に設定し、検出温度Tが30℃以上の場合には、駆動電圧Vを最大値100%に設定する。
【0041】
そして、駆動制御装置13は、設定したファンの駆動電圧Vにより、ファン11を駆動制御する。
これにより、コンピュータ装置は、ファン11が、コンピュータ装置のCPU21の動作周波数,ハードディスクドライブ22の記憶容量そして温度センサ12による検出温度Tに対応して、駆動制御されることによって、最適温度に空冷されることになる。
【0042】
このようにして、本実施形態によるファン式空冷装置10によれば、駆動制御装置13が、各搭載デバイスの構成情報、例えばCPU21の動作周波数,ハードディスクドライブ22の記憶容量の組合せに対応したフラグ31を読み出して、このフラグ31に対応したデータファイル32を利用する。
そして、駆動制御装置13が、このデータファイル32に基づいて、温度センサ12による検出温度Tに対応して、ファン11の駆動電圧Vを設定して、ファン11を駆動制御する。
【0043】
これにより、コンピュータ装置の内部の各搭載デバイスの構成情報、例えばCPU21の動作周波数,ハードディスクドライブ22の記憶容量の組合せに応じて、駆動制御装置13は、ファン11の駆動電圧Vを設定するので、ファン11の回転数をできるだけ低く抑制することができる。
したがって、最高の動作周波数のCPU21が搭載されていても、ハードディスクドライブの記憶容量が比較的小さい場合には、必要以上にファンの駆動電圧を高く設定して、ファン11の回転数を必要以上に高くするようなことがなく、できるだけファン11の駆動により生ずる騒音を低減することができる。
【0044】
上述した実施形態においては、駆動制御装置13が、搭載デバイスとして、コンピュータ装置のCPU21の動作周波数およびハードディスクドライブ22の記憶容量を識別して、これらに対応してフラグ31を読み出して、データファイル32を選択するようになっているが、これに限らず、他の搭載デバイス、例えばメモリやPCIバススロット数を識別するようにして、これらに対応したデータファイルを利用して、ファン11の駆動電圧Vを設定するようにしてもよい。また、上述した実施形態においては、ファン式空冷装置10は、コンピュータ装置内に備えられているが、これに限らず、他の発熱デバイスを搭載する各種機器に備えるようにしてもよいことは明らかである。
【0045】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、各種機器の筐体内の各搭載デバイスの構成情報に応じて、駆動制御装置は、データファイルによりファンの駆動電圧を設定して、ファンの回転数をできるだけ低く抑制することにより、ファンの駆動により発生する騒音が小さくなると共に、ファンの駆動のための消費電力も低減され得ることになる。
このようにして、本発明によれば、CPUの動作周波数,ハードディスクドライブやメモリ等の記憶容量等の各種搭載デバイスの構成情報に応じて、適正なファンの駆動制御を行なうようにした、極めて優れたファン式空冷装置およびその駆動制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のファン式空冷装置の一実施形態の構成を示すブロック図である。
【図2】図1のファン式空冷装置の駆動制御装置におけるフラグ情報を示す図である。
【図3】図1のファン式空冷装置の駆動制御装置における検出温度T−ファンの駆動電圧Vのデータファイルを示す図である。
【図4】従来のファン式空冷装置の一例の構成を示すブロック図である。
【図5】図4のファン式空冷装置の駆動制御装置における検出温度T−ファンの駆動電圧Vのデータファイルを示す図である。
【符号の説明】
10 ファン式空冷装置
11 ファン
12 温度センサ
13 駆動制御装置
14 検出温度−ファンの駆動電圧対比データ
20 コンピュータ装置
21 CPU(搭載デバイス)
22 ハードディスクドライブ(搭載デバイス)
30 フラグ情報
31 フラグ
32,32a,32b,32c データファイル
【発明の属する技術分野】
本発明は、ファン式空冷装置に関し、特にファンの駆動により発生する騒音をできるだけ抑制するようにしたファン式空冷装置の駆動制御の技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えばサーバ装置等のコンピュータ装置においては、高信頼性を実現するために、いわゆるRAS機能の充実が要求されている。このため、コンピュータ装置が設置されている環境を所定温度範囲に維持するために、環境温度に応じて、ファン式空冷装置のファン回転数を自動切り替えする駆動制御方法が知られている。
【0003】
このようなファン式空冷装置100は、例えば図4に示すように、コンピュータ装置の内部に設けられた空冷用のファン101と、コンピュータ装置内に設けられた温度センサ102と、温度センサ102からの検出温度に基づいてファン101を駆動制御する駆動制御装置103と、から構成されている。
【0004】
このような構成のファン式空冷装置100によれば、駆動制御装置103が、コンピュータ装置内に備えられた温度センサ102からの検出信号に基づいて、装置内温度Tを検出し、温度T−ファンの駆動電圧Vの対比データ104からこの装置内温度Tに対応するファンの駆動電圧Vを読み出して、この駆動電圧Vによりファン101の駆動制御を行なう。
【0005】
具体的には、駆動制御装置103は、上記対比データ104として、図5に示すように、装置内温度Tすなわち環境温度の所定範囲毎にファン101への駆動電圧が設定されているデータファイル105をあらかじめ備えており、このデータファイル105を参照して、装置内温度Tに対応するファンの駆動電圧Vをデータファイル104から読み出して、この駆動電圧Vによりファン101を駆動制御するようになっている。
【0006】
これにより、例えば装置内温度Tが28℃と比較的低い場合には、ファン101の駆動電圧Vを最高値の80%に設定することにより、ファン101を必要以上に高い回転数で駆動制御することを抑制して、ファン101の騒音を低減して、低騒音化を図るようにしている。
【0007】
他方、コンピュータ装置に搭載されるCPUとしては各種動作周波数のものがあり、これらの動作周波数は一般的にユーザが選択することができる。
このようにCPUの動作周波数が複数種類設定可能である場合、CPUの発熱量はその動作周波数に依存することから、前述した駆動制御装置3におけるデータファイルは、CPUの最高動作周波数を想定して作成することになる。このため、最高動作周波数のCPUを選択しない場合には、ファンの駆動電圧が必要以上に高くなって、ファンの騒音が必要以上に大きくなってしまう。
【0008】
これに対して、例えば特許文献1および特許文献2に示すように、CPUの動作周波数を識別することにより、CPU動作周波数に見合ったファンの駆動電圧を設定して、ファンを駆動することが公知である。
【0009】
また、特許文献3には、発熱量の異なる複数の動作モードを有する発熱体と、それ以外の発熱体に対して、それぞれ温度を検出するための温度センサを設けて、これらの温度センサの検出温度に基づいて、ファンを駆動制御することにより、双方の発熱体を空冷するようにした、ファン式空冷装置が開示されている。
【0010】
さらに、特許文献4には、電子装置に内蔵される筐体内の複数箇所に、それぞれ温度センサを設けておき、各温度センサの検出温度に基づいて、ファンを駆動制御することにより、電子装置内を冷却するようにした、ファン式空冷装置が開示されている。
【0011】
【特許文献1】
特開平10−326125号(第2−4頁,第1−2図)
【特許文献2】
特開平11−129578号(第2−3頁,第1図)
【特許文献3】
特開2002−006991号(第2−4頁,第3図,第5図)
【特許文献4】
特開平09−250489号(第2−4頁,第1図)
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した各特許文献による空冷装置においては、以下のような問題がある。
すなわち、特許文献1および2による空冷装置においては、コンピュータ装置に内蔵される各種搭載デバイスのうち、CPUのみに限定して、その動作周波数に見合ったファンの駆動電圧を設定して、ファンを駆動制御するようにしている。
他方、コンピュータ装置内の各種搭載デバイスのうち、例えばハードディスクドライブやメモリ等も発熱すると共に、これらも記憶容量に応じて発熱量が異なることが知られている。
【0013】
したがって、これらのハードディスクドライブやメモリ等についても、その記憶容量に応じて、ファンの最適な駆動電圧を設定することが望ましいが、上記特許文献1および2による空冷装置は、このような設定を行なうことができず、そのため最大容量に対応してファンの駆動電圧を設定するようにしている。
このようにして、特許文献1および2による空冷装置においては、最大容量のハードディスクドライブやメモリ等を選択しない場合には、ファンの駆動電圧が必要以上に高くなって、ファンの騒音が必要以上に大きくなってしまう。
【0014】
また、特許文献3による空冷装置においては、発熱体となり得るCPUおよび電源回路等に対して、それぞれ温度センサを設けて、これらの検出温度に基づいて、ファンの駆動電圧を設定している。このため、各発熱体毎に温度センサが必要であるが、現在市販されているハードディスクドライブやメモリ等の各種搭載デバイスには温度センサは搭載されておらず、これらに新たに温度センサを設置することが必要になると共に、温度センサから駆動制御装置への配線が必要になってしまう。
【0015】
さらに、特許文献4による空冷装置においては、電子装置に内蔵される筐体の複数箇所に、それぞれ温度センサを設けておき、各温度センサの検出温度に基づいて、ファンの駆動電圧を設定している。このため、複数の温度センサが必要であると共に、CPUの動作周波数やハードディスク,メモリ等の各種搭載デバイスに対応して、ファンの駆動電圧を設定することはできない。
【0016】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、CPUの動作周波数,ハードディスクドライブやメモリ等の記憶容量等の各種搭載デバイスの構成情報に応じて、適正なファンの駆動制御を行なうようにした、ファン式空冷装置における駆動制御技術の提供を目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、本発明の請求項1記載のファン式空冷装置は、内部に複数の搭載デバイスを備えた各種機器等の筐体に備えられた空冷用のファンと、上記筐体内に備えられた温度センサと、温度センサからの検出信号により筐体内の温度を検知して、その温度に対応するファンの駆動電圧を設定して、この駆動電圧によりファンの駆動制御を行なう駆動制御装置と、を設けたファン式空冷装置であって、上記駆動制御装置が、各搭載デバイスの構成情報に応じたファンの駆動電圧を設定するためのデータファイルを備えており、筐体内の搭載デバイスのうち、複数の搭載デバイスについて、各搭載デバイスの構成情報からデータファイルを参照してファンの駆動電圧を設定する構成としてある。
【0018】
ファン式空冷装置をこのような構成とすると、ファンは、筐体内の各搭載デバイスの構成情報に対応したデータファイルによって、このデータファイルに設定されたファンの駆動電圧により駆動制御されることになるので、ファンの回転数は各搭載デバイスの構成情報に対応したデータファイルにより最適な回転数となり、各種機器の内部の各搭載デバイスを冷却することにより、各搭載デバイスが十分に空冷されると共に、ファンの駆動により発生する各種機器全体の騒音レベルが低く抑制されることになる。
【0019】
ここで、各種機器の内部の一部で温度が上昇すると、この部位の温度が温度センサにより検出されるので、駆動制御装置は、当該温度センサの検出信号に基づいて、データファイルによりファンの回転数を駆動制御して、回転数を高めることにより、より強く空冷して、筐体内の温度を低下させる。
そして、筐体内の温度が十分に低くなると、駆動制御装置は、再びデータファイルによりファンの駆動電圧を定常運転状態のファンの駆動電圧に戻して、ファンの回転数を低くし、再び定常運転状態に戻す。
【0020】
したがって、各種機器の筐体内の各搭載デバイスの構成情報に応じて、駆動制御装置は、データファイルによりファンの駆動電圧を設定して、ファンの回転数をできるだけ低く抑制することにより、ファンの駆動により発生する騒音が小さくなると共に、ファンの駆動のための消費電力も低減され得ることになる。
【0021】
請求項2記載のファン式空冷装置は、上記搭載デバイスのうち、一つの搭載デバイスがCPUであって、駆動制御装置が、CPUの構成情報として動作周波数に対応して、ファンの駆動電圧を設定する構成としてある。
ファン式空冷装置をこのような構成とすると、CPUの動作周波数に対応して、駆動制御装置がファンの駆動電圧を設定するので、できるだけ低いファンの回転数によりCPUが確実に空冷されることになる。
【0022】
請求項3記載のファン式空冷装置は、上記搭載デバイスのうち、一つの搭載デバイスがハードディスクドライブであって、駆動制御装置が、ハードディスクドライブの構成情報として記憶容量に対応して、ファンの駆動電圧を設定する構成としてある。
ファン式空冷装置をこのような構成とすると、ハードディスクドライブの記憶容量に対応して、駆動制御装置がファンの駆動電圧を設定するので、できるだけ低いファンの回転数によりハードディスクドライブが確実に空冷されることになる。
【0023】
請求項4記載のファン式空冷装置は、上記搭載デバイスのうち、一つの搭載デバイスがメモリであって、駆動制御装置が、メモリの構成情報として記憶容量に対応して、ファンの駆動電圧を設定する構成としてある。
ファン式空冷装置をこのような構成とすると、メモリの記憶容量に対応して、駆動制御装置がファンの駆動電圧を設定するので、できるだけ低いファンの回転数によりメモリが確実に空冷されることになる。
【0024】
請求項5記載のファン式空冷装置は、上記駆動制御装置が、各搭載デバイスの構成情報の組合せ毎に対応したフラグ情報を有しており、このフラグ情報毎にそれぞれ上記データファイルを備えている構成としてある。
そして、請求項6記載のファン式空冷装置は、上記データファイルが複数あり、デバイスの構成情報にもとづいて一つのデータファイルを選択する構成としてある。
ファン式空冷装置をこのような構成とすると、駆動制御装置が、各搭載デバイスの構成情報の組合せに対応するフラグ情報を読み取って、このフラグ情報に対応したデータファイルに基づいて、ファンの駆動電圧を設定して、ファンを駆動制御することにより、個々のデータファイルが小さくなり、これらのデータファイルにより容易にそして高速でファンの駆動電圧を設定することができる。
【0025】
請求項7記載のファン式空冷装置は、複数の発熱装置と、この複数の発熱装置を冷却するファンと、前記複数の発熱装置に関する動的な情報を検出する検出手段と、この検出手段の検出結果に応じて前記ファンを制御するための複数の制御情報を前記複数の発熱装置の静的な情報の組合せに基づいて選択する駆動制御装置とを含む構成としてある。
ファン式空冷装置をこのような構成とすると、前記複数の制御情報のうちから静的な情報に基づいて選択した一つの制御情報により、前記動的な情報に基づいてファンが駆動制御される。
【0026】
また、この目的を達成するため、本発明の請求項8記載のファン式空冷装置の駆動制御方法は、内部に複数の搭載デバイスを備えた各種機器等の筐体に備えられた空冷用のファンに関して、上記筐体内に備えられた温度センサからの検出信号により筐体内の温度を検知して、その温度に対応するファンの駆動電圧を設定して、この駆動電圧によりファンの駆動制御を行なうファン式空冷装置の駆動制御方法であって、各搭載デバイスの構成情報に応じたファンの駆動電圧を設定するためのデータファイルを備えており、筐体内の搭載デバイスのうち、複数の搭載デバイスについて、各搭載デバイスの構成情報からデータファイルを参照してファンの駆動電圧を設定する構成としてある。
【0027】
ファン式空冷装置の駆動制御方法をこのような構成とすると、筐体内の各搭載デバイスの構成情報に対応したデータファイルによって、このデータファイルに設定されたファンの駆動電圧によりファンを駆動制御するので、ファンの回転数は各搭載デバイスの構成情報に対応したデータファイルにより最適な回転数となり、各種機器の内部の各搭載デバイスを冷却することにより、各搭載デバイスが十分に空冷されると共に、ファンの駆動により発生する各種機器全体の騒音レベルが低く抑制されることになる。
【0028】
ここで、各種機器の内部の一部で温度が上昇すると、この部位の温度が温度センサにより検出されるので、当該温度センサの検出信号に基づいて、データファイルによりファンの回転数が駆動制御され、回転数を高めることにより、より強く空冷して、筐体内の温度を低下させる。そして、筐体内の温度が十分に低くなると、再びデータファイルによりファンの駆動電圧が定常運転状態のファンの駆動電圧に戻され、ファンの回転数が低くなって、再び定常運転状態に戻る。
【0029】
したがって、定常運転状態では、各種機器の筐体内の各搭載デバイスの構成情報に応じて、データファイルによりファンの駆動電圧が設定され、ファンの回転数ができるだけ低く抑制されることにより、ファンの駆動により発生する騒音が小さくなると共に、ファンの駆動のための消費電力も低減され得ることになる。
【0030】
このようにして、本発明によるファン式空冷装置およびその駆動制御方法によれば、各種機器の筐体内の各搭載デバイスの構成情報、例えばCPUの動作周波数,ハードディスクドライブやメモリの記憶容量等に応じて、ファンの駆動電圧を設定することによって、筐体内を十分に冷却しつつ、できるだけ低いファンの回転数を実現することができるので、ファンの運転により発生する騒音ができるだけ低減され得ることになり、さらにファンの駆動のための消費電力も低減され得ることになる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
まず、本発明のファン式空冷装置の一実施形態について、図1〜図3を参照して説明する。
図1は、本実施形態によるファン式空冷装置の一実施形態の構成を示すブロック図である。
【0032】
図1に示すように、ファン式空冷装置10は、図示しないコンピュータ装置内部を空冷するためのものであり、コンピュータ装置の内部に設けられた空冷用のファン11と、コンピュータ装置内に設けられた温度センサ(検出手段)12と、温度センサ12からの検出温度(動的な情報)に基づいてファン11を駆動制御する駆動制御装置13と、から構成されている。
【0033】
上記ファン11は、公知の構成であって、駆動制御装置13により駆動制御されることにより、制御された回転数で回転駆動され、例えば装置内部から外方に向かって気流を発生させることにより、装置内の発熱により高温になった空気を排出するようになっている。
【0034】
上記温度センサ12は、同様に公知の構成であって、コンピュータ装置の内部の適宜の箇所に配置されており、コンピュータ装置内の温度(環境温度)Tを検出して、検出信号を出力するようになっている。
【0035】
上記駆動制御装置13は、温度センサ12からの検出信号に基づいて、ファンの駆動電圧を設定するための温度−ファンの駆動電圧対比データ(制御情報)14により、最適なファンの駆動電圧Vを設定して、この駆動電圧Vにより、ファン11を駆動制御するようになっている。
【0036】
ここで、駆動制御装置13は、上記温度−ファンの駆動電圧対比データ14として、図2に示す搭載デバイス(発熱装置)の構成情報(静的な情報)を示すフラグ情報30、そして、図3に示すデータファイルを前もって備えている。
すなわち、上記駆動制御装置13は、搭載デバイスの構成情報として、コンピュータ装置に搭載されているCPU21の動作周波数とハードディスクドライブ22の記憶容量を識別することができるようになっている。
そして、駆動制御装置13は、これらのCPU21の動作周波数およびハードディスクドライブ22の記憶容量の組合せ毎に対応するフラグ31から成るフラグ情報30(図2参照)を前もって備えており、識別したCPU21の動作周波数およびハードディスクドライブ22の記憶容量の組合せに基づいて、上記フラグ情報30から対応するフラグ31を読み出す。
【0037】
さらに、駆動制御装置13は、各フラグ31に対応する検出温度T−ファンの駆動電圧Vのデータファイル32、具体的には「2」なるフラグ31に対するデータファイル32a,「1」なるフラグ31に対するデータファイル32b,「0」なるフラグ31に対するデータファイル32cの複数のデータファイルを前もって備えており、上記のように読み出したフラグ31に対応するデータファイル32(32a,32bまたは32c)を使用して、温度センサ12からの検出温度Tに対応して、ファンの駆動電圧Vを設定するようになっている。
【0038】
すなわち、温度センサ12からの検出温度Tが高くなった場合には、駆動制御装置13は、対応するデータファイル32に基づいて、検出温度Tに対応したファンの駆動電圧Vを設定して、より高い回転数でファン11を駆動制御して、ファン11の空冷能力を高めて、コンピュータ装置の内部の環境温度Tを低下させるようになっている。
【0039】
次に、本実施形態のファン式空冷装置10の動作について説明する。
まず、図示しない、コンピュータ装置が作動すると、コンピュータ装置に内蔵されたファン式空冷装置10も作動する。
これにより、ファン式空冷装置10の駆動制御装置13は、コンピュータ装置のCPU21の動作周波数およびハードディスクドライブ22の記憶容量を識別して、識別したコンピュータ装置のCPU21の動作周波数およびハードディスクドライブ22の記憶容量の組合せに対応するフラグ31をフラグ情報30から読み出す。
例えば、CPU21の動作周波数が2GHz,ハードディスクドライブ22の記憶容量が74GBの場合には、駆動制御装置13は、フラグ情報30から「2」なるフラグ31を読み出す。
【0040】
続いて、駆動制御装置13は、このフラグ31に対応するデータファイル32を利用して、温度センサ12からの検出温度Tに対応するファンの駆動電圧Vを設定する。
例えば、上記例の場合、駆動制御装置13は、「2」なるフラグ31により、データファイル32aを利用して、温度センサ12からの検出温度Tに対応して、例えば検出温度Tが25℃未満の場合には、ファン11の駆動電圧Vを最大値の60%に設定し、検出温度Tが25℃以上30℃未満の場合には、駆動電圧Vを最大値の80%に設定し、検出温度Tが30℃以上の場合には、駆動電圧Vを最大値100%に設定する。
【0041】
そして、駆動制御装置13は、設定したファンの駆動電圧Vにより、ファン11を駆動制御する。
これにより、コンピュータ装置は、ファン11が、コンピュータ装置のCPU21の動作周波数,ハードディスクドライブ22の記憶容量そして温度センサ12による検出温度Tに対応して、駆動制御されることによって、最適温度に空冷されることになる。
【0042】
このようにして、本実施形態によるファン式空冷装置10によれば、駆動制御装置13が、各搭載デバイスの構成情報、例えばCPU21の動作周波数,ハードディスクドライブ22の記憶容量の組合せに対応したフラグ31を読み出して、このフラグ31に対応したデータファイル32を利用する。
そして、駆動制御装置13が、このデータファイル32に基づいて、温度センサ12による検出温度Tに対応して、ファン11の駆動電圧Vを設定して、ファン11を駆動制御する。
【0043】
これにより、コンピュータ装置の内部の各搭載デバイスの構成情報、例えばCPU21の動作周波数,ハードディスクドライブ22の記憶容量の組合せに応じて、駆動制御装置13は、ファン11の駆動電圧Vを設定するので、ファン11の回転数をできるだけ低く抑制することができる。
したがって、最高の動作周波数のCPU21が搭載されていても、ハードディスクドライブの記憶容量が比較的小さい場合には、必要以上にファンの駆動電圧を高く設定して、ファン11の回転数を必要以上に高くするようなことがなく、できるだけファン11の駆動により生ずる騒音を低減することができる。
【0044】
上述した実施形態においては、駆動制御装置13が、搭載デバイスとして、コンピュータ装置のCPU21の動作周波数およびハードディスクドライブ22の記憶容量を識別して、これらに対応してフラグ31を読み出して、データファイル32を選択するようになっているが、これに限らず、他の搭載デバイス、例えばメモリやPCIバススロット数を識別するようにして、これらに対応したデータファイルを利用して、ファン11の駆動電圧Vを設定するようにしてもよい。また、上述した実施形態においては、ファン式空冷装置10は、コンピュータ装置内に備えられているが、これに限らず、他の発熱デバイスを搭載する各種機器に備えるようにしてもよいことは明らかである。
【0045】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、各種機器の筐体内の各搭載デバイスの構成情報に応じて、駆動制御装置は、データファイルによりファンの駆動電圧を設定して、ファンの回転数をできるだけ低く抑制することにより、ファンの駆動により発生する騒音が小さくなると共に、ファンの駆動のための消費電力も低減され得ることになる。
このようにして、本発明によれば、CPUの動作周波数,ハードディスクドライブやメモリ等の記憶容量等の各種搭載デバイスの構成情報に応じて、適正なファンの駆動制御を行なうようにした、極めて優れたファン式空冷装置およびその駆動制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のファン式空冷装置の一実施形態の構成を示すブロック図である。
【図2】図1のファン式空冷装置の駆動制御装置におけるフラグ情報を示す図である。
【図3】図1のファン式空冷装置の駆動制御装置における検出温度T−ファンの駆動電圧Vのデータファイルを示す図である。
【図4】従来のファン式空冷装置の一例の構成を示すブロック図である。
【図5】図4のファン式空冷装置の駆動制御装置における検出温度T−ファンの駆動電圧Vのデータファイルを示す図である。
【符号の説明】
10 ファン式空冷装置
11 ファン
12 温度センサ
13 駆動制御装置
14 検出温度−ファンの駆動電圧対比データ
20 コンピュータ装置
21 CPU(搭載デバイス)
22 ハードディスクドライブ(搭載デバイス)
30 フラグ情報
31 フラグ
32,32a,32b,32c データファイル
Claims (8)
- 内部に複数の搭載デバイスを備えた各種機器等の筐体に備えられた空冷用のファンと、上記筐体内に備えられた温度センサと、温度センサからの検出信号により筐体内の温度を検知して、その温度に対応するファンの駆動電圧を設定して、この駆動電圧によりファンの駆動制御を行なう駆動制御装置と、を設けたファン式空冷装置であって、
上記駆動制御装置が、各搭載デバイスの構成情報に応じたファンの駆動電圧を設定するためのデータファイルを備えており、筐体内の搭載デバイスのうち、複数の搭載デバイスについて、各搭載デバイスの構成情報からデータファイルを参照してファンの駆動電圧を設定することを特徴とするファン式空冷装置。 - 上記搭載デバイスのうち、一つの搭載デバイスがCPUであって、駆動制御装置が、CPUの構成情報として動作周波数に対応して、ファンの駆動電圧を設定することを特徴とする請求項1に記載のファン式空冷装置。
- 上記搭載デバイスのうち、一つの搭載デバイスがハードディスクドライブであって、駆動制御装置が、ハードディスクドライブの構成情報として記憶容量に対応して、ファンの駆動電圧を設定することを特徴とする請求項1または2に記載のファン式空冷装置。
- 上記搭載デバイスのうち、一つの搭載デバイスがメモリであって、駆動制御装置が、メモリの構成情報として記憶容量に対応して、ファンの駆動電圧を設定することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のファン式空冷装置。
- 上記駆動制御装置が、各搭載デバイスの構成情報の組合せ毎に対応したフラグ情報を有しており、このフラグ情報毎にそれぞれ上記データファイルを備えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のファン式空冷装置。
- 上記データファイルが複数あり、デバイスの構成情報にもとづいて一つのデータファイルを選択することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のファン式空冷装置。
- 複数の発熱装置と、
この複数の発熱装置を冷却するファンと、
前記複数の発熱装置に関する動的な情報を検出する検出手段と、
この検出手段の検出結果に応じて前記ファンを制御するための複数の制御情報を前記複数の発熱装置の静的な情報の組合せに基づいて選択する駆動制御装置とを含むことを特徴とするファン式空冷装置。 - 内部に複数の搭載デバイスを備えた各種機器等の筐体に備えられた空冷用のファンに関して、上記筐体内に備えられた温度センサからの検出信号により筐体内の温度を検知して、その温度に対応するファンの駆動電圧を設定して、この駆動電圧によりファンの駆動制御を行なうファン式空冷装置の駆動制御方法であって、
各搭載デバイスの構成情報に応じたファンの駆動電圧を設定するためのデータファイルを備えており、筐体内の搭載デバイスのうち、複数の搭載デバイスについて、各搭載デバイスの構成情報からデータファイルを参照してファンの駆動電圧を設定することを特徴とするファン式空冷装置の駆動制御方法。
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2003
- 2003-03-12 JP JP2003066880A patent/JP2004280164A/ja active Pending
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