JP2004279917A - 画像形成装置用導電性部品及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】電子写真方式の画像形成装置に用いられる導電性部品であって、当該導電性部品内に電荷を生じさせる電荷発生機器の作用により、当該導電性部品に対向して設けられた他の部材との間で電界を生じさせる画像形成装置用導電性部品において、発生した電荷が表面方向に迅速に移動でき、さらに耐久性が増加する可能性のある画像形成装置用導電性部品、及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】導電性部品の一例として、感光体ドラム21との間に電界を生じる転写ベルト27においては、内部にカーボンナノチューブを一様に分布させた高分子材料により形成された転写ベルト27を用いることで、転写ローラ28の作用による電荷が表面方向に迅速に移動できる。
【選択図】 図3
【解決手段】導電性部品の一例として、感光体ドラム21との間に電界を生じる転写ベルト27においては、内部にカーボンナノチューブを一様に分布させた高分子材料により形成された転写ベルト27を用いることで、転写ローラ28の作用による電荷が表面方向に迅速に移動できる。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像形成装置用導電性部品及び画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式の画像形成装置では、一様帯電された感光体ドラム等の像担持体表面を露光して形成された静電潜像をトナーにより可視化したり、像担持体上に形成されたトナー像を記録シートに転写したりする場合など、像担持体表面との間に形成した電界の作用によりトナーを移動させることが行われている。
【0003】
このように、像担持体との間に電界を形成する部品として例えば転写ベルトがある。転写ベルトにおいては、ベルトの内側に配置された例えば転写ローラ等の作用により転写ベルト内に生じた電荷が転写ベルト表面側へと移動し、対向して配置された感光体ドラム等の像担持体との間で転写電界が生じることにより、像担持体表面に形成されたトナー像が転写ベルト上を搬送される記録シートに転写される。転写ベルトは高分子材料により形成されることが一般的であるが、上記のように電荷が移動する必要があることから、ある程度導電性を持たせる必要があり、従来、例えば高分子材料中にカーボンブラック等を混入させたものが用いられていた。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−132016号公報
【0005】
【特許文献2】
特開2001−52598号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように高分子材料から成る部品に導電性を持たせた場合、当該導電性部品内部の電荷の移動速度が問題となる。電荷の移動が遅ければ転写ベルト表面における転写に必要な電荷が十分に供給されず、転写不良となってしまうおそれがあるからである。一方、転写ベルトの厚み方向だけでなく、転写ベルトの表面に平行な水平方向の電荷移動速度が速くなると、転写ニップから水平方向に電荷が逃げることによる転写不良が問題となり得る。
【0007】
転写ベルトの厚み方向において電荷が表面まで迅速に移動するようにするために、転写ベルトの厚みを薄くすることが考えられる。しかしながら厚みを薄くすることは、耐久性の劣化を招くおそれがある。長期間の使用による磨耗で転写ベルトの表面抵抗が変化すると、転写ベルトに保持されていた電荷が拡散して転写ニップの電位低下が発生し、逆に転写ニップ部外では電位の上昇が起こり、画質の劣化の問題が生じる。
【0008】
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであって、電荷発生手段により部品内に発生した電荷が迅速に移動でき、さらに耐久性が増加する可能性のある画像形成装置用導電性部品、及び画像形成装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る画像形成装置用導電性部品は、電子写真方式の画像形成装置に用いられる導電性部品であって、当該導電性部品内に電荷を発生させる電荷発生手段の作用により、当該導電性部品に対向して設けられた他の部材との間で電界を生じさせる画像形成装置用導電性部品において、カーボンナノチューブ及び/又はそれに類似する気相成長炭素繊維を内部に一様に分布させた高分子材料により形成されていることを特徴としている。
【0010】
カーボンナノチューブは、高分子材料中に混入することで、耐久性の上昇効果が期待されている材料である。上記構成により導電性部材の強度の上昇が期待でき、もって、例えば導電性部品の厚みを薄くする、といったことが可能となり、これにより導電性部品中の電荷の移動を速めることができる。また、カーボンナノチューブを樹脂に混入した場合の電気抵抗について、上記特許文献1に開示がある。なお、混入される材料はカーボンナノチューブに限定されず、これと類似の構造、物性を有する、例えばカーボンナノファイバーなどの気相成長炭素繊維を用いてもよい。
【0011】
なお、前記導電性部品は、ローラ状、シート状、又はベルト状の部品であるとすることができる。
さらに、前記導電性部品は、転写媒体である転写ベルトとして用いられるベルト状部品であって、略直線状にされたカーボンナノチューブ等の軸方向が前記転写ベルトの厚み方向に略平行となるように配列されているとすることができる。このようにカーボンナノチューブの配向性を揃えることにより、転写ベルトの厚み方向の電荷移動速度を速くすることができる一方、転写ベルト表面に平行な水平方向の電荷の移動を抑制することが可能となるため、転写ベルトの水平方向に電荷が逃げることによる画質劣化等の問題の防止を図ることができる。
【0012】
なお、本発明に係る画像形成装置は、上記本発明に係る導電性部品を用いることを特徴としている。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る画像形成装置用導電性部品及び画像形成装置の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(1)画像形成装置の全体構成
図1は、本実施の形態に係る画像形成装置1の全体構成を示す概略図である。
【0014】
画像形成装置1は、感光体ドラム21、現像装置4、中間転写ベルト27、クリーナ8、定着装置9、露光部11等を有する画像形成部10、および転写材としての記録シートSを収容する給紙カセット等を有する給紙部20を備えており、周知の電子写真方式によりフルカラー画像を形成するものである。
画像形成装置1は、図示しない外部コンピュータ等とLAN等のネットワークを介して接続されており、制御部100がこの外部コンピュータから送られてくるプリントデータを受信すると、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の再現色毎の画像データを生成する。
【0015】
これら画像データは、露光時に露光部11の半導体レーザの駆動パルスに変換されて再現色毎に半導体レーザに出力される。制御部100からの駆動信号を受けた半導体レーザは、画像データに対応したレーザビーム(同図破線)を射出する。レーザビームは、感光体ドラム21上の露光位置において主走査方向に露光走査していずれかの再現色について静電潜像を形成する。
【0016】
感光体ドラム21は、上記露光を受ける前にクリーナ5により、その表面の残留トナーを除去され、帯電チャージャ3により表面が一様に帯電されており、このように一様に帯電した状態でA方向に回転駆動されながら露光を受けると、その表面に静電潜像が形成されるようになっている。
現像装置4は、Y、M、C、Kの各色のトナーを含む現像剤を収容した4つの現像ユニット40Y〜40Kが現像ラック15にその周方向90度の等間隔で装着されたものであり、現像ラック15の支軸16の軸芯を中心として、同図の矢印B方向に回転が可能となっている。そして、現像装置4は、図示しない現像モータにより回転駆動され、次の再現色に対応する現像ユニット40Y〜40Kの現像ローラ41Y〜41Kが感光体ドラム2と対向する現像位置に位置するように制御部100により回転制御され、感光体ドラム2上の静電潜像の現像が行われる。
【0017】
中間転写ベルト27は、無端状であり、一次転写ローラ28、駆動ローラ62、従動ローラ63、64、65に張架されており、駆動ローラ62の回転駆動力により矢印E方向に走行する。ここで、一次転写ローラ28にはトナーの帯電極性と逆極性の電圧が印加されており、駆動ローラ62は接地されている。
感光体ドラム21上に形成されたトナー像は、一次転写位置Dにおいて、一次転写ローラ28と感光体ドラム21との間で発生する電界により中間転写ベルト27上に転写(一次転写)される。その際、感光体ドラム21上における作像動作は、Y、M、C、Kの順に各色のトナー像が中間転写ベルト27上の同じ位置に転写されるようなタイミングで実行される。これにより、各色のトナー像が中間転写ベルト27上に順次重ねられてフルカラートナー像が形成される。
【0018】
中間転写ベルト27上に形成されたフルカラートナー像は、二次転写位置Fにおいて二次転写ローラ7とこれに対向する駆動ローラ62との間で発生する電界により、給紙カセットから給送されてくる記録シートS上に転写(二次転写)される。なお、クリーナ8はブレード81を備えており、所定のタイミングで中間転写ベルト6表面に圧接して二次転写後の残留トナー等の付着物を掻き取る、ポリウレタン等の弾性体からなる公知のものである。
【0019】
給紙カセットに収容された記録シートSは、給紙ローラ22の回転によってタイミングローラ対23まで給送され、中間転写ベルト27上にフルカラートナー像が形成される動作と同期して、タイミングローラ対23により二次転写ローラ7に送り出される。フルカラートナー像が転写された記録シートSは、定着装置9まで搬送され、ここで加熱圧着されて、記録シートS表面のトナーが定着し、その後排紙ローラ12により排紙トレー13に排出される。
【0020】
(2)転写ベルトの特性向上のための考察
以下、本発明について説明するに先立ち、中間転写ベルト27(以下、単に「転写ベルト」ともいう。)の特性向上のための要素について説明する。図2は、転写媒体としてベルト状の転写ベルトを用いた場合の転写ニップの基本的形態を示す図である。同図に示されるように、感光体ドラム21の表面に形成された感光体層211と、転写電圧が印加された一時転写ローラ28との間に形成される転写電界の作用により、感光体ドラム21表面のトナー粒子が一時転写ベルト27に移動する。通常、転写時間はたかだか10ミリ秒程度であり、転写ベルトの電気的特性は転写ベルトの設計について重要な要素である。
【0021】
電気的特性を考慮するに際し、転写ニップを図3に示されるようなモデルに置き換えて検討する。転写ニップの電気的特性については、転写ニップの全てをコンデンサの直列回路に見立てたモデルもあるが、転写ベルトとしてカーボン系素材を内部に分散させ、導電性を持たせた樹脂を用いるような場合には、図4に示されるように抵抗成分(RBLT)と容量成分(CBLT)を持つものと考えるのが妥当である。
【0022】
従って、転写ニップの等価回路は、図4に示すような回路図で表される。転写ベルトの等価回路の時定数は、ベルト抵抗(RBLT)とベルト容量(CBLT)との積とで決まり、この時定数が転写ベルト内の電荷移動速度を左右する。よって転写ベルト内の電荷移動速度を速くするには、まず、ベルト抵抗を小さくすることが考えられる。
【0023】
前記したように転写ベルトにおける技術的課題は、転写ニップにいかに電荷を速く移動させるかであり、現在では、ポリイミド樹脂で形成された転写ベルトがもっとも優れた電気的特性を有すると言われている。そこで、一例としてポリイミド樹脂(比誘電率=20、ベルト厚み=100μmの場合)で形成された転写ベルトにおいて、抵抗値を可変させた場合の転写ニップに必要とされる転写電圧印加時間(秒)の特性を図5に示す。同図のグラフからも分かるように、転写ベルトの電気抵抗が大きいほど、転写ベルト内の電荷移動速度が遅くなる。すなわち、安定した電荷移動を速く達成するためには、転写ベルトの電気抵抗を小さくし、転写ニップの時定数を小さくする必要があると言える。
【0024】
また、転写ベルト等の転写媒体を設計する際に考慮すべき事項として転写媒体の厚さがある。転写媒体の素材強度が十分でないと、転写媒体が経時的に磨耗し、転写媒体の厚みが変化(減少)してしまう。磨耗によって転写媒体の厚みが変化すると転写媒体の表面抵抗が変化し、本来転写媒体の特定領域に保持されているべき電荷が拡散し、転写ニップの電位低下が発生する。この不安定な電位低下が原因となって、プレ転写などの転写異常が起こり、出力画像の画質劣化が発生してしまう。
【0025】
図6は、ポリイミド樹脂(比誘電率=20、ベルト初期抵抗=1010Ωcmの場合)で形成された転写ベルトについて、ベルトの厚みが変化した場合の転写ニップの電荷移動量の変化の様子を示す。図6にも示されるように、転写ベルトの厚みが薄いほど、転写ニップの電気抵抗(即ち、図4に示した等価回路の時定数)が小さくなり、転写ニップにかかる電圧印加所要時間は短くなる。なお、本願発明者らの検討によると、転写媒体の電気抵抗を1オーダー下げるには転写媒体の厚みを約1/4にする必要があることがわかっている。
【0026】
(3)本発明に係る導電性部品の構成
以上のような検討に基づいて、以下、本実施の形態の導電性部品について、より詳細に説明する。本発明の導電性部品は、高分子材料中にカーボンナノチューブや、それに類似するカーボンナノファイバーなどの気相成長炭素繊維を含有させた点に特徴がある。図7は、本発明の第1の実施の形態としての転写ベルトの一例の断面を模式的に示す図である。第1の実施の形態では、高分子材料中にカーボンナノチューブ(以下、「CNT」という。)を均一に分散させる。同図の例は、CNTの配列方向に規定が無い場合であり、CNTを転写ベルト中に一様に分散させている。
【0027】
CNTとは、グラファイト状炭素原子面を丸めた円筒が一個(「単層カーボンナノチューブ」と呼ぶ)又は複数個円筒状に配列した繊維状(ファイバー)構造(「多層カーボンナノチューブ」と呼ぶ)を有し、直径がナノメートルオーダーの極めて微細な物質である。CNTは、その構造によって金属あるいは半導体といった異なる電気的特性を示すことが知られており、微小で表面積が大きいこと、アスペクト比(長さ/直径比)が大きいこと、中空であるといった独特の構造を有する。そのため、ガス分子の吸着性が高く、燃料電池における水素ガスの貯蔵への応用が検討されているし、またCNTの先端には強い局所電界が生じやすいことから、電界放出素子として用いることも検討されている。
【0028】
また、CNTは、引張強度が強く、高分子材料中に含有させることにより耐久性の向上等が期待されている材料である。本実施の形態においては、転写ベルトにCNTを含有させることにより、転写ベルトの耐久性を向上させ、使用開始時からの転写ベルトの厚みを薄くすることによって、電気抵抗を小さくすることを図ったものである。
【0029】
なお、CNTを含有させる導電性部品を構成する高分子材料としては、上記に説明したポリイミド樹脂に限定されるものではなく、例えば、ポリエチレン、ポリテレフタル酸エチレン(PET)、ポリテレフタル酸ブチレン(PBT)、などのポリエステル、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン、ポリオレフィン、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリアミド(PA)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリカーボネート(PC)、ポリウレタン、ポリフッ化ビニリデン、エチレン−ビニルアルコール共重合体などの樹脂や軟質塩化ビニル樹脂、シリコーン樹脂、アセタール樹脂等限定されない。また、樹脂に限られることなく、ゴム系材料(天然ゴム、ブタジエンゴム、スチレンゴム、ウレタンゴム、アクリルゴム等)でも構わない。
【0030】
図8は、本発明の第2の実施の形態の転写ベルトの断面を模式的に示す図である。同図の例は、CNTの軸方向(図中下向きの矢印で示される。)を転写ベルトの厚み方向に合わせて分散、混入したものを示す。CNTは、チューブの直径や構造により半導体的性質や金属的性質を持つことが知られているが、一般的に軸方向の電気的抵抗が低く、図8に示されるようにCNTの軸方向を転写ベルトの厚み方向に合わせることで、転写ベルトの内側に発生した電荷がCNTを通過した場合、電荷を迅速にベルト表面部に移動させることができる。
【0031】
一方、転写ベルトの水平方向(横方向)には電荷が移動しないこととなり、転写ベルトの電荷移動特性としては理想的なものとなる。もっとも、CNTを、より密に、かつ均一に分布させることが転写ベルト表面の一部にのみ迅速に電荷が移動することによる転写ムラを抑制する観点から好ましい。
なお、上記のようなCNTの配列方法については、例えば上記特許文献2に開示があるような方法を利用することが考えられるが適切な方法については、なお検討の余地が十分あるのが現状である。具体的には高分子材料中にCNTを分散させた状態で電界を作用させるような方法が考えられ、この際、CNTの先端部及び末端部に化学修飾により電荷を付与することも考えられる。
【0032】
<変形例>
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明の内容が、上記実施の形態に示された具体例に限定されないことは勿論であり、例えば、以下のような変形例を考えることができる。
(1)即ち、転写ベルト等の転写媒体、その他シート状、ローラ状の導電性部品の電気抵抗のコントロールは、CNT単体を材料中に含有させるだけでなく、金属フィラーや金属微粒子、カーボンブラック、金属酸化物粒子などを併用して含有させるようにしてもよい。また、CNTを用いる場合は、単層カーボンナノチューブだけでなく多層カーボンナノチューブ、あるいは、それらの混合物を用いてもよい。CNTには、先端部が開いているものと閉じているものとが存在するが、いずれを用いてもよいし、各種の構造を有するCNTの混合物を用いてもよい。
【0033】
(2)さらに導電性部品中に含有させる物質としても、CNTに限定されず、CNTに類似る構造、物性を有する、例えばカーボンナノファイバー等の気相成長炭素繊維を用いても良い。それらの気相成長炭素繊維やCNTに、さらにグラファイトやフラーレンを混入してもよい。
(3)上記実施の形態では、導電性部品の一例として、本願発明を転写ベルトに適用した場合について説明したが、ベルト状の部品に限らず、シート状やローラ状の部品に適用することもできる。また、転写ベルトに限らず感光体ベルト、定着ベルト、原稿搬送ベルト、中間転写体としての転写ベルトなど、いずれの形態でもよい。
【0034】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る画像形成装置用導電性部品によれば、CNT等を含有した構成としているので、導電性部品の耐久性を上昇させ、厚みを薄くすることが可能となることから電荷移動速度を速くすることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像形成装置の一例の全体構成を示す概略断面図である。
【図2】転写媒体としてベルト状の転写ベルトを用いた場合の転写ニップの基本的形態を示す図である。
【図3】転写ニップの電気的特性を考慮するに際してのモデルの一例を示す図である。
【図4】転写ニップの等価回路の一例を示す図である。
【図5】抵抗値を可変させた場合の転写ニップに必要とされる転写電圧印加時間の特性を示す図である。
【図6】ベルトの厚みが変化した場合の転写ニップの電圧印加時間の変化の様子を示す図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態としての転写ベルトの一例の断面を模式的に示す図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態の転写ベルトの断面を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1 画像形成装置
21 感光体ドラム
211 感光体層
27 転写ベルト
28 転写ローラ
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像形成装置用導電性部品及び画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式の画像形成装置では、一様帯電された感光体ドラム等の像担持体表面を露光して形成された静電潜像をトナーにより可視化したり、像担持体上に形成されたトナー像を記録シートに転写したりする場合など、像担持体表面との間に形成した電界の作用によりトナーを移動させることが行われている。
【0003】
このように、像担持体との間に電界を形成する部品として例えば転写ベルトがある。転写ベルトにおいては、ベルトの内側に配置された例えば転写ローラ等の作用により転写ベルト内に生じた電荷が転写ベルト表面側へと移動し、対向して配置された感光体ドラム等の像担持体との間で転写電界が生じることにより、像担持体表面に形成されたトナー像が転写ベルト上を搬送される記録シートに転写される。転写ベルトは高分子材料により形成されることが一般的であるが、上記のように電荷が移動する必要があることから、ある程度導電性を持たせる必要があり、従来、例えば高分子材料中にカーボンブラック等を混入させたものが用いられていた。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−132016号公報
【0005】
【特許文献2】
特開2001−52598号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように高分子材料から成る部品に導電性を持たせた場合、当該導電性部品内部の電荷の移動速度が問題となる。電荷の移動が遅ければ転写ベルト表面における転写に必要な電荷が十分に供給されず、転写不良となってしまうおそれがあるからである。一方、転写ベルトの厚み方向だけでなく、転写ベルトの表面に平行な水平方向の電荷移動速度が速くなると、転写ニップから水平方向に電荷が逃げることによる転写不良が問題となり得る。
【0007】
転写ベルトの厚み方向において電荷が表面まで迅速に移動するようにするために、転写ベルトの厚みを薄くすることが考えられる。しかしながら厚みを薄くすることは、耐久性の劣化を招くおそれがある。長期間の使用による磨耗で転写ベルトの表面抵抗が変化すると、転写ベルトに保持されていた電荷が拡散して転写ニップの電位低下が発生し、逆に転写ニップ部外では電位の上昇が起こり、画質の劣化の問題が生じる。
【0008】
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであって、電荷発生手段により部品内に発生した電荷が迅速に移動でき、さらに耐久性が増加する可能性のある画像形成装置用導電性部品、及び画像形成装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る画像形成装置用導電性部品は、電子写真方式の画像形成装置に用いられる導電性部品であって、当該導電性部品内に電荷を発生させる電荷発生手段の作用により、当該導電性部品に対向して設けられた他の部材との間で電界を生じさせる画像形成装置用導電性部品において、カーボンナノチューブ及び/又はそれに類似する気相成長炭素繊維を内部に一様に分布させた高分子材料により形成されていることを特徴としている。
【0010】
カーボンナノチューブは、高分子材料中に混入することで、耐久性の上昇効果が期待されている材料である。上記構成により導電性部材の強度の上昇が期待でき、もって、例えば導電性部品の厚みを薄くする、といったことが可能となり、これにより導電性部品中の電荷の移動を速めることができる。また、カーボンナノチューブを樹脂に混入した場合の電気抵抗について、上記特許文献1に開示がある。なお、混入される材料はカーボンナノチューブに限定されず、これと類似の構造、物性を有する、例えばカーボンナノファイバーなどの気相成長炭素繊維を用いてもよい。
【0011】
なお、前記導電性部品は、ローラ状、シート状、又はベルト状の部品であるとすることができる。
さらに、前記導電性部品は、転写媒体である転写ベルトとして用いられるベルト状部品であって、略直線状にされたカーボンナノチューブ等の軸方向が前記転写ベルトの厚み方向に略平行となるように配列されているとすることができる。このようにカーボンナノチューブの配向性を揃えることにより、転写ベルトの厚み方向の電荷移動速度を速くすることができる一方、転写ベルト表面に平行な水平方向の電荷の移動を抑制することが可能となるため、転写ベルトの水平方向に電荷が逃げることによる画質劣化等の問題の防止を図ることができる。
【0012】
なお、本発明に係る画像形成装置は、上記本発明に係る導電性部品を用いることを特徴としている。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る画像形成装置用導電性部品及び画像形成装置の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(1)画像形成装置の全体構成
図1は、本実施の形態に係る画像形成装置1の全体構成を示す概略図である。
【0014】
画像形成装置1は、感光体ドラム21、現像装置4、中間転写ベルト27、クリーナ8、定着装置9、露光部11等を有する画像形成部10、および転写材としての記録シートSを収容する給紙カセット等を有する給紙部20を備えており、周知の電子写真方式によりフルカラー画像を形成するものである。
画像形成装置1は、図示しない外部コンピュータ等とLAN等のネットワークを介して接続されており、制御部100がこの外部コンピュータから送られてくるプリントデータを受信すると、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の再現色毎の画像データを生成する。
【0015】
これら画像データは、露光時に露光部11の半導体レーザの駆動パルスに変換されて再現色毎に半導体レーザに出力される。制御部100からの駆動信号を受けた半導体レーザは、画像データに対応したレーザビーム(同図破線)を射出する。レーザビームは、感光体ドラム21上の露光位置において主走査方向に露光走査していずれかの再現色について静電潜像を形成する。
【0016】
感光体ドラム21は、上記露光を受ける前にクリーナ5により、その表面の残留トナーを除去され、帯電チャージャ3により表面が一様に帯電されており、このように一様に帯電した状態でA方向に回転駆動されながら露光を受けると、その表面に静電潜像が形成されるようになっている。
現像装置4は、Y、M、C、Kの各色のトナーを含む現像剤を収容した4つの現像ユニット40Y〜40Kが現像ラック15にその周方向90度の等間隔で装着されたものであり、現像ラック15の支軸16の軸芯を中心として、同図の矢印B方向に回転が可能となっている。そして、現像装置4は、図示しない現像モータにより回転駆動され、次の再現色に対応する現像ユニット40Y〜40Kの現像ローラ41Y〜41Kが感光体ドラム2と対向する現像位置に位置するように制御部100により回転制御され、感光体ドラム2上の静電潜像の現像が行われる。
【0017】
中間転写ベルト27は、無端状であり、一次転写ローラ28、駆動ローラ62、従動ローラ63、64、65に張架されており、駆動ローラ62の回転駆動力により矢印E方向に走行する。ここで、一次転写ローラ28にはトナーの帯電極性と逆極性の電圧が印加されており、駆動ローラ62は接地されている。
感光体ドラム21上に形成されたトナー像は、一次転写位置Dにおいて、一次転写ローラ28と感光体ドラム21との間で発生する電界により中間転写ベルト27上に転写(一次転写)される。その際、感光体ドラム21上における作像動作は、Y、M、C、Kの順に各色のトナー像が中間転写ベルト27上の同じ位置に転写されるようなタイミングで実行される。これにより、各色のトナー像が中間転写ベルト27上に順次重ねられてフルカラートナー像が形成される。
【0018】
中間転写ベルト27上に形成されたフルカラートナー像は、二次転写位置Fにおいて二次転写ローラ7とこれに対向する駆動ローラ62との間で発生する電界により、給紙カセットから給送されてくる記録シートS上に転写(二次転写)される。なお、クリーナ8はブレード81を備えており、所定のタイミングで中間転写ベルト6表面に圧接して二次転写後の残留トナー等の付着物を掻き取る、ポリウレタン等の弾性体からなる公知のものである。
【0019】
給紙カセットに収容された記録シートSは、給紙ローラ22の回転によってタイミングローラ対23まで給送され、中間転写ベルト27上にフルカラートナー像が形成される動作と同期して、タイミングローラ対23により二次転写ローラ7に送り出される。フルカラートナー像が転写された記録シートSは、定着装置9まで搬送され、ここで加熱圧着されて、記録シートS表面のトナーが定着し、その後排紙ローラ12により排紙トレー13に排出される。
【0020】
(2)転写ベルトの特性向上のための考察
以下、本発明について説明するに先立ち、中間転写ベルト27(以下、単に「転写ベルト」ともいう。)の特性向上のための要素について説明する。図2は、転写媒体としてベルト状の転写ベルトを用いた場合の転写ニップの基本的形態を示す図である。同図に示されるように、感光体ドラム21の表面に形成された感光体層211と、転写電圧が印加された一時転写ローラ28との間に形成される転写電界の作用により、感光体ドラム21表面のトナー粒子が一時転写ベルト27に移動する。通常、転写時間はたかだか10ミリ秒程度であり、転写ベルトの電気的特性は転写ベルトの設計について重要な要素である。
【0021】
電気的特性を考慮するに際し、転写ニップを図3に示されるようなモデルに置き換えて検討する。転写ニップの電気的特性については、転写ニップの全てをコンデンサの直列回路に見立てたモデルもあるが、転写ベルトとしてカーボン系素材を内部に分散させ、導電性を持たせた樹脂を用いるような場合には、図4に示されるように抵抗成分(RBLT)と容量成分(CBLT)を持つものと考えるのが妥当である。
【0022】
従って、転写ニップの等価回路は、図4に示すような回路図で表される。転写ベルトの等価回路の時定数は、ベルト抵抗(RBLT)とベルト容量(CBLT)との積とで決まり、この時定数が転写ベルト内の電荷移動速度を左右する。よって転写ベルト内の電荷移動速度を速くするには、まず、ベルト抵抗を小さくすることが考えられる。
【0023】
前記したように転写ベルトにおける技術的課題は、転写ニップにいかに電荷を速く移動させるかであり、現在では、ポリイミド樹脂で形成された転写ベルトがもっとも優れた電気的特性を有すると言われている。そこで、一例としてポリイミド樹脂(比誘電率=20、ベルト厚み=100μmの場合)で形成された転写ベルトにおいて、抵抗値を可変させた場合の転写ニップに必要とされる転写電圧印加時間(秒)の特性を図5に示す。同図のグラフからも分かるように、転写ベルトの電気抵抗が大きいほど、転写ベルト内の電荷移動速度が遅くなる。すなわち、安定した電荷移動を速く達成するためには、転写ベルトの電気抵抗を小さくし、転写ニップの時定数を小さくする必要があると言える。
【0024】
また、転写ベルト等の転写媒体を設計する際に考慮すべき事項として転写媒体の厚さがある。転写媒体の素材強度が十分でないと、転写媒体が経時的に磨耗し、転写媒体の厚みが変化(減少)してしまう。磨耗によって転写媒体の厚みが変化すると転写媒体の表面抵抗が変化し、本来転写媒体の特定領域に保持されているべき電荷が拡散し、転写ニップの電位低下が発生する。この不安定な電位低下が原因となって、プレ転写などの転写異常が起こり、出力画像の画質劣化が発生してしまう。
【0025】
図6は、ポリイミド樹脂(比誘電率=20、ベルト初期抵抗=1010Ωcmの場合)で形成された転写ベルトについて、ベルトの厚みが変化した場合の転写ニップの電荷移動量の変化の様子を示す。図6にも示されるように、転写ベルトの厚みが薄いほど、転写ニップの電気抵抗(即ち、図4に示した等価回路の時定数)が小さくなり、転写ニップにかかる電圧印加所要時間は短くなる。なお、本願発明者らの検討によると、転写媒体の電気抵抗を1オーダー下げるには転写媒体の厚みを約1/4にする必要があることがわかっている。
【0026】
(3)本発明に係る導電性部品の構成
以上のような検討に基づいて、以下、本実施の形態の導電性部品について、より詳細に説明する。本発明の導電性部品は、高分子材料中にカーボンナノチューブや、それに類似するカーボンナノファイバーなどの気相成長炭素繊維を含有させた点に特徴がある。図7は、本発明の第1の実施の形態としての転写ベルトの一例の断面を模式的に示す図である。第1の実施の形態では、高分子材料中にカーボンナノチューブ(以下、「CNT」という。)を均一に分散させる。同図の例は、CNTの配列方向に規定が無い場合であり、CNTを転写ベルト中に一様に分散させている。
【0027】
CNTとは、グラファイト状炭素原子面を丸めた円筒が一個(「単層カーボンナノチューブ」と呼ぶ)又は複数個円筒状に配列した繊維状(ファイバー)構造(「多層カーボンナノチューブ」と呼ぶ)を有し、直径がナノメートルオーダーの極めて微細な物質である。CNTは、その構造によって金属あるいは半導体といった異なる電気的特性を示すことが知られており、微小で表面積が大きいこと、アスペクト比(長さ/直径比)が大きいこと、中空であるといった独特の構造を有する。そのため、ガス分子の吸着性が高く、燃料電池における水素ガスの貯蔵への応用が検討されているし、またCNTの先端には強い局所電界が生じやすいことから、電界放出素子として用いることも検討されている。
【0028】
また、CNTは、引張強度が強く、高分子材料中に含有させることにより耐久性の向上等が期待されている材料である。本実施の形態においては、転写ベルトにCNTを含有させることにより、転写ベルトの耐久性を向上させ、使用開始時からの転写ベルトの厚みを薄くすることによって、電気抵抗を小さくすることを図ったものである。
【0029】
なお、CNTを含有させる導電性部品を構成する高分子材料としては、上記に説明したポリイミド樹脂に限定されるものではなく、例えば、ポリエチレン、ポリテレフタル酸エチレン(PET)、ポリテレフタル酸ブチレン(PBT)、などのポリエステル、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン、ポリオレフィン、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリアミド(PA)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリカーボネート(PC)、ポリウレタン、ポリフッ化ビニリデン、エチレン−ビニルアルコール共重合体などの樹脂や軟質塩化ビニル樹脂、シリコーン樹脂、アセタール樹脂等限定されない。また、樹脂に限られることなく、ゴム系材料(天然ゴム、ブタジエンゴム、スチレンゴム、ウレタンゴム、アクリルゴム等)でも構わない。
【0030】
図8は、本発明の第2の実施の形態の転写ベルトの断面を模式的に示す図である。同図の例は、CNTの軸方向(図中下向きの矢印で示される。)を転写ベルトの厚み方向に合わせて分散、混入したものを示す。CNTは、チューブの直径や構造により半導体的性質や金属的性質を持つことが知られているが、一般的に軸方向の電気的抵抗が低く、図8に示されるようにCNTの軸方向を転写ベルトの厚み方向に合わせることで、転写ベルトの内側に発生した電荷がCNTを通過した場合、電荷を迅速にベルト表面部に移動させることができる。
【0031】
一方、転写ベルトの水平方向(横方向)には電荷が移動しないこととなり、転写ベルトの電荷移動特性としては理想的なものとなる。もっとも、CNTを、より密に、かつ均一に分布させることが転写ベルト表面の一部にのみ迅速に電荷が移動することによる転写ムラを抑制する観点から好ましい。
なお、上記のようなCNTの配列方法については、例えば上記特許文献2に開示があるような方法を利用することが考えられるが適切な方法については、なお検討の余地が十分あるのが現状である。具体的には高分子材料中にCNTを分散させた状態で電界を作用させるような方法が考えられ、この際、CNTの先端部及び末端部に化学修飾により電荷を付与することも考えられる。
【0032】
<変形例>
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明の内容が、上記実施の形態に示された具体例に限定されないことは勿論であり、例えば、以下のような変形例を考えることができる。
(1)即ち、転写ベルト等の転写媒体、その他シート状、ローラ状の導電性部品の電気抵抗のコントロールは、CNT単体を材料中に含有させるだけでなく、金属フィラーや金属微粒子、カーボンブラック、金属酸化物粒子などを併用して含有させるようにしてもよい。また、CNTを用いる場合は、単層カーボンナノチューブだけでなく多層カーボンナノチューブ、あるいは、それらの混合物を用いてもよい。CNTには、先端部が開いているものと閉じているものとが存在するが、いずれを用いてもよいし、各種の構造を有するCNTの混合物を用いてもよい。
【0033】
(2)さらに導電性部品中に含有させる物質としても、CNTに限定されず、CNTに類似る構造、物性を有する、例えばカーボンナノファイバー等の気相成長炭素繊維を用いても良い。それらの気相成長炭素繊維やCNTに、さらにグラファイトやフラーレンを混入してもよい。
(3)上記実施の形態では、導電性部品の一例として、本願発明を転写ベルトに適用した場合について説明したが、ベルト状の部品に限らず、シート状やローラ状の部品に適用することもできる。また、転写ベルトに限らず感光体ベルト、定着ベルト、原稿搬送ベルト、中間転写体としての転写ベルトなど、いずれの形態でもよい。
【0034】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る画像形成装置用導電性部品によれば、CNT等を含有した構成としているので、導電性部品の耐久性を上昇させ、厚みを薄くすることが可能となることから電荷移動速度を速くすることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像形成装置の一例の全体構成を示す概略断面図である。
【図2】転写媒体としてベルト状の転写ベルトを用いた場合の転写ニップの基本的形態を示す図である。
【図3】転写ニップの電気的特性を考慮するに際してのモデルの一例を示す図である。
【図4】転写ニップの等価回路の一例を示す図である。
【図5】抵抗値を可変させた場合の転写ニップに必要とされる転写電圧印加時間の特性を示す図である。
【図6】ベルトの厚みが変化した場合の転写ニップの電圧印加時間の変化の様子を示す図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態としての転写ベルトの一例の断面を模式的に示す図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態の転写ベルトの断面を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1 画像形成装置
21 感光体ドラム
211 感光体層
27 転写ベルト
28 転写ローラ
Claims (4)
- 電子写真方式の画像形成装置に用いられる導電性部品であって、当該導電性部品内に電荷を発生させる電荷発生手段の作用により、当該導電性部品に対向して設けられた他の部材との間で電界を生じさせる画像形成装置用導電性部品において、
カーボンナノチューブ及び/又はそれに類似する気相成長炭素繊維を内部に一様に分布させた高分子材料により形成されている
ことを特徴とする画像形成装置用導電性部品。 - 前記導電性部品は、
ローラ状、シート状、又はベルト状の部品である
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置用導電性部品。 - 前記導電性部品は、転写媒体である転写ベルトとして用いられるベルト状部品であって、
略直線状にされたカーボンナノチューブ等の軸方向が前記転写ベルトの厚み方向に略平行となるように配列されている
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置用導電性部品。 - 請求項1から3のいずれかに記載の導電性部品が用いられていることを特徴とする画像形成装置。
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-
2003
- 2003-03-18 JP JP2003073646A patent/JP2004279917A/ja active Pending
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