JP2004279512A - 多機能耐粉砕安全眼鏡用ガラスレンズ - Google Patents
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Abstract
【課題】通常のガラスレンズの優れた光学用性質を保持しながら樹脂レンズの安全性、美しさ、加工特性をもち、従来のガラスレンズの重大な欠点を克服したガラスレンズ改良品である多機能耐粉砕安全眼鏡用ガラスレンズを提供すること。
【解決手段】中央部厚さが0.5mm〜1.5mmの二枚の光学用に研磨されたガラスレンズ要素1、2はカリウムイオン侵入によって硬化され、耐粉砕レンズを形成するために中間に耐破断ポリマー膜3をもって重ね合わされるために接着剤4、5を付け加えることを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】中央部厚さが0.5mm〜1.5mmの二枚の光学用に研磨されたガラスレンズ要素1、2はカリウムイオン侵入によって硬化され、耐粉砕レンズを形成するために中間に耐破断ポリマー膜3をもって重ね合わされるために接着剤4、5を付け加えることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、安全で美しく優れた光学用性質をもち、特別な技能や装置がなくても通常のレンズ工場や眼鏡工場で容易に処理される多機能耐粉砕安全眼鏡用ガラスレンズに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在市場で入手できるガラスレンズは眼鏡産業において広く認識されたままになっている次のような不具合を抱えている。
【0003】
1.ガラスレンズは染色することができない。従来ガラスレンズに所望の色をつける実用的方法はない。
【0004】
2.ガラスレンズは紫外線防護性に欠ける。通常のガラスレンズは有害な放射された紫外線をブロックできない。市場には特殊な紫外線吸収ガラスがある。しかしこれは、最近の市場の400nmまでの紫外線遮断の要求に対して、380nm以下の光学振動数での紫外線を遮断できるだけである。最近のコーニング社の新しいガラス製品(コーニング社製品コードNo.8010)は400nmの紫外線を遮断している。しかしその化学的不安定性、劣等な耐酸・アルカリ性、高価であるために眼鏡産業では広く使用されていない。
【0005】
3.ガラスレンズは樹脂レンズより重い。ガラスレンズの光学的性質は樹脂レンズのそれに比べてはるかに優れるが、重さゆえに着用時に快適でない。
【0006】
4.ガラスレンズは加工が難しい。小売市場で売られるガラスレンズは欧州、米国、豪州、日本などの国や地域の耐衝撃基準に適合するように、熱的または化学的に硬化させることが必要である。これらの硬化処理は特別な技術と設備を要する。さらに化学的硬化処理で使用される化学薬品は適切に取り扱わないと破裂する危険性がある。一方、熱的硬化処理は温度を600〜800℃の間に上げる必要がある。これは取り扱いに危険な温度である。普通のガラスレンズラボ、眼鏡ショップまたはガラスレンズ加工所でもこのような処理をする装置がない。
【0007】
5.ガラスレンズは破損や粉砕しやすい。ガラスレンズは耐衝撃基準に合致するように適切に硬化されても、ガラスレンズに負荷される外力が耐衝撃強さを超えるときにはひび割れしたり、粉々に壊れて目や顔を傷つける可能性がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述の問題点に鑑みて提供したものであって、この発明の目的は、通常のガラスレンズの優れた光学用性質を保持しながら樹脂レンズの安全性、美しさ、加工特性をもち、上記のガラスレンズの重大な欠点を克服したガラスレンズ改良品である多機能耐粉砕安全眼鏡用ガラスレンズを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明の請求項1記載の多機能耐粉砕安全眼鏡用ガラスレンズでは、中央部厚さが0.5mm〜1.5mmの二枚の光学用に研磨されたガラスレンズ要素はカリウムイオン侵入によって硬化され、耐粉砕レンズを形成するために中間に耐破断性ポリマー薄膜層をもって前記二枚のガラスレンズ要素が重ね合わされていることを特徴としている。
【0010】
請求項2に記載の多機能耐粉砕安全眼鏡用ガラスレンズでは、前記ポリマー薄膜は異なる色と異なる可視光線透過率をもつレンズを得るように染色されていることを特徴としている。
【0011】
請求項3に記載の多機能耐粉砕安全眼鏡用ガラスレンズでは、前記重ね合わせのための接着剤には有害な紫外線防護機能をレンズに与えるためにベンゾトリアゾール(BTA) のような紫外線吸収剤が添加されていることを特徴としている。
【0012】
請求項4に記載の多機能耐粉砕安全眼鏡用ガラスレンズでは、前記レンズの凹面は半仕上げ製品として使用されるためにより厚いレンズ要素でもって重ね合わされていることを特徴としている。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。本発明の目的、特徴、効果は下記の図を参照して、以下の推奨実施例の詳細においてより明らかになる。
【0014】
この発明は高強度をもつ熱硬化したポリマー薄膜が柔軟光学グレード接着剤によって接合される二枚のガラスレンズ要素の間で重ね合わされることを特徴とする。図1に示すように、1と2は光学用に研磨されたガラスレンズ要素であり、3は高強度の球面ポリマー薄膜であり、4と5は柔軟光学グレード接着剤( soft optical grade adhesive )である。
【0015】
本発明は次の特徴を有している。
1.染色されるガラスレンズ:
この発明のレンズの色は主に染料中に浸漬して所望の色を固着したポリマー薄膜からくる。無色のガラスレンズが使用されるとポリマー薄膜の色が完璧に透けて見える。色付きのレンズ要素が使用されると色付きのポリマー薄膜はレンズ要素の色を修正してより魅力的な新しい色になる。
【0016】
2.紫外線防護性:
ガラスレンズ自体が紫外線吸収特性をもたない、またはそれが不十分な場合には、要求される紫外線防護レベルにまで到達するように紫外線吸収剤が接着剤に添加される。
【0017】
3.裁断および端部加工後にさらなる硬化が要求されないこと:
本発明のガラスレンズは重ね合わせ前に化学的硬化している。大きなナトリウムイオンが残す空孔を埋めるために小さなカリウムイオンがガラス分子構造の内層中に熱エネルギーによって強制的に導入されて、表面ガラス組織がより緻密になりその結果レンズの耐衝撃性が上る。レンズ表面層の断面を示す図2のように硬化前のガラス表面は低い耐衝撃特性をもつ粗な構造のナトリウムイオン(○印)からなるだけである。図3はカリウムイオン(●印)の侵入後のより緻密なガラスの表面構造を示す。カリウムイオンの侵入深さが深いほど、表面は硬く、耐衝撃性は高い。
【0018】
4.薄くて軽いレンズ:
通常のガラスレンズは化学硬化で処理される両面をもつだけである。そしてレンズ自体が眼鏡用ガラスレンズの耐衝撃基準を充たすために普通2mm以上の大きな厚さをもつ。しかしながら、本発明の重ね合わせレンズは化学的硬化処理のために四つの表面をもつ二枚のレンズ要素をもつ。二枚の硬化レンズ要素が一枚のレンズとして重ね合わされた後、その衝撃強さは向上する。さらに間に入る接着剤と耐破断膜によって固められて合計耐衝撃強さは通常の完全硬化厚ガラスレンズの2倍以上になる。このようにして、レンズ要素は厚さを薄くでき、0.6mmで、欧州、米国、豪州、日本などで規定された耐衝撃基準に適合できる。
【0019】
5.粉々にならないこと:
本発明のレンズが優れた耐衝撃特性もつとしても、外力がこの種のレンズの高められた耐衝撃強さを超えるときには、表面レンズ要素にひびや割れが入る。しかしながら、レンズは粉々に壊れずに、破片は柔軟接着剤によってポリマー薄膜にくっついている。
【0020】
発明の特徴
本発明の特徴の一つは、二枚の光学用に研磨された中央部厚さが0.5mm〜1.5mmのガラスレンズ要素がカリウムイオン浸透によって硬化され、耐粉砕レンズを形成するために間に耐破断ポリマー薄膜の層を重ね合わされることである。
本発明の二つめの特徴は前記ポリマー薄膜は光吸収能をもつ全ての種類の美しい色合いのレンズを作るように染色できることである。
【0021】
本発明の三つめの特徴は接着剤には有害な放射された紫外線に対する最大防護能力を持つレンズを提供するためにベンゾトリアゾール(BTA) のような有害な紫外線の吸収剤が添加されることである。
本発明の四つめの特徴は後側レンズ要素はより厚いガラス板を使うことによって半仕上げ加工のレンズ素板として製造されることで、この場合さらに処方眼鏡レンズとして加工処理される。
【0022】
発明の材料
この発明で使用されるポリマー薄膜は、ポリカーボネート(PC)、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート(PET) などの20〜200μm厚の耐破壊ポリマー薄膜であり、これらは重ね合わせ前に熱によって球面形状に整えることが必要である。
【0023】
本発明のレンズは前側レンズと後側レンズの二枚のレンズ要素からなり、次のような組み合わせをもつ。
1.仕上げ平面レンズ:
前側および後側レンズ要素は中央部厚さが0.5mm〜1.5mmの仕上げレンズで、二枚のレンズ要素の二つの重ね合わせた表面間のジオプトリ差( dioptre difference ) は0.10ジオプトリ( dioptre )より大きくない。こうして重ね合わせた後の複合レンズはやはり0ジオプトリである。前側レンズと後側レンズ要素は化学硬化されて、カリウムイオンの浸透深さは10μm以上であることが必要である。
【0024】
2.半仕上げレンズ素板:
前側レンズ要素は中央部厚さが0.5mm〜1.5mmの両面仕上げ球面レンズで、光学的曲率は−0.15〜+0.15ジオプトリである。この仕上げレンズはカリウムイオンの浸透深さが20μm以上になるように化学硬化しなければならない。後側レンズ要素は光学用に仕上げられた単なる凸面の半仕上げレンズ素板で、中央部厚さが5mm〜15mmである。二つの重ね合わされた面の間の曲率差は0.10ジオプトリを超えない。
【0025】
この発明で使用される接着剤には、それが良好な接着性をもち、養生後(=硬化後) の硬さが前側と後側レンズ要素のそれを超えないかぎり制約はない。エポキシまたはポリウレタン(PU)タイプの接着剤、紫外線または熱による養生は許容される。接着剤は使用前にその中の全ての気泡および湿気を除去するために脱ガスおよび脱水されねばならない。
使用されるレンズ要素が紫外線吸収性をもたない通常のガラスで作られる場合には、目の保護のために、ベンゾトリアゾール(BTA) のような紫外線吸収剤が360nm〜400nmの波長をもつ有害な紫外線放射を効率よく吸収するために添加されてよい。
【0026】
推奨実施例の詳細
(実施例1)
この発明の実施例を述べる。図4及び図5に発明の第1の実施例として8−基本曲線( 8−base curve )平面濃灰色サングラスレンズの構造を示す。図4は重ね合わせ後のガラスレンズの構造を示し、図5は重ね合わせ前のレンズの以下の要素を示す。
【0027】
1.薄膜6:
灰色染料に30μmのPET 薄膜を浸漬し、可視光線の15%が透過するようになったとき取り出して、色を固定した後乾燥する。灰色PET 薄膜を曲率半径66.075mmの球面金型をもつ真空成形装置にかける。
【0028】
2.前側レンズ要素7:
紫外線吸収能をもたない通常の無色ガラス( コーニング社のガラスコードNo.8361)を次の規定まで研磨する。凸面の曲率半径65.952mm、凹面の曲率半径66.276mm、中央部厚さ0.9mmである。重ね合わせ前に化学硬化される。
【0029】
3.後側レンズ要素8:
前側レンズ要素と同じガラス材料を使用する。凸面の曲率半径66.075mm、凹面の曲率半径65.375mm、中央部厚さ0.8mmである。重ね合わせ前に化学硬化される。
【0030】
4.接着剤9:
ポリウレタン二液形接着剤紫外線吸収熱養生タイプ。
仕上がったレンズは0ジオプトリで、接着剤とポリマー薄膜を含めて中央部厚さは1.9mmで、可視光線透過率18%の濃灰色である。
【0031】
(実施例2)
図6及び図7に発明の実施例2として8−基本曲線(8−base curve)平面ホトクロミズムの灰色サングラスレンズの構造を示す。図6は重ね合わせ後のガラスレンズの構造を示し、図7は重ね合わせ前のレンズの以下の要素を示す。
【0032】
1.薄膜10:
灰色染料に120μmのPC薄膜を浸漬し、可視光線の40%が透過するようになったとき取り出して、色が固定するまで熱風乾燥する。薄膜を曲げるために、前記ポリカーボネート(PC)のガラス転移点以下の30℃を超えない温度まで暖める。薄膜が十分軟化した後、球面金型でもってプレスする。球面金型は第一例と同じ曲率半径をもつ。
【0033】
2.前側レンズ要素11:
コーニングサンシティブ(Sunsitive) 灰色ガラス( コーニング社のガラスコードNo.81251) を実施例1と同じ規定まで研磨する。ガラス材料は380nmの紫外線を遮断し、周囲の光の強さで色相が変化する。
【0034】
3.後側レンズ要素8:実施例1と同じ。
【0035】
4.接着剤12:
エポキシ二液形熱養生硬化型:紫外線吸収は要求されず。
仕上がったレンズは0ジオプトリで、接着剤とポリマー薄膜を含めて中央部厚さは1.9mmであり、色変化前の淡灰色の際は可視光線透過率36%で、強い光に十分曝された後では濃灰色で可視光線透過率10%である。
【0036】
(実施例3)
図8及び図9に発明の実施例3として6−基本曲線(6−base curve)平面淡青色サングラスレンズの構造を示す。図8は重ね合わせ後のガラスレンズの構造を示し、図9は重ね合わせ前のレンズの以下の要素を示す。
【0037】
1.薄膜13:
淡青色染料に50μmのナイロン薄膜を浸漬し、可視光線の35%が透過するようになったとき取り出して、色を固定し、乾燥した後、前記ナイロンのガラス転移点以下の40℃を超えない温度に達するために熱風で暖める。軟化した薄膜を表面半径88.776mmの球形の鋼製ダイスをもつ成形装置に固定する。高圧力下で鋼ダイスに向かう膜表面に熱風を激しく吹きつけ、圧力を維持して、膜が固体になるまでそのまま冷却する。得られた膜の凸面の曲率半径はそのとき88.766mmである。
【0038】
2.前側レンズ要素14:
コーニング社の通常の(non−UV)紫外線を吸収しない無色ガラスを次の規定まで研磨する。凸面の曲率半径87.751mm、凹面の曲率半径88.766mm、中央部厚さ0.8mmである。重ね合わせ前に化学硬化される。
【0039】
3.後側レンズ要素15:
後側レンズ要素は、前側レンズ要素と同じガラス材料を使用するが、異なる曲率をもつ。凸面の曲率半径88.567mm、凹面の曲率半径87.166mmである。
【0040】
4.接着剤16:
400nmまでの紫外線吸収のためにBTA が添加された紫外線養生タイプのPU(ポリウレタン)接着剤。
仕上がったレンズは0ジオプトリで、接着剤とポリマー薄膜を含めて中央部厚さは1.7mmで、可視光線透過率34%の淡青色で、400nmまで紫外線を遮断する。
【0041】
(実施例4)
図10及び図11に発明の実施例4として濃褐色半仕上げレンズ素板の構造を示す。図10は重ね合わせ後のガラスレンズの構造を示し、図11は重ね合わせ前のレンズの以下の要素を示す。
【0042】
1.薄膜17:
濃褐色染料に80μmのPET 薄膜を浸漬し、可視光線の15%が透過するようになったとき取り出して、曲率半径88.567mmをもつ球面状表面の薄膜を得るために実施例1と同じ方法で薄膜を曲げる。
【0043】
2.前側レンズ要素14:
実施例3の前側レンズ要素と同じ。
【0044】
3.後側レンズ要素18:
後側レンズ要素は前側レンズ要素と同じ材料で作られる。凸面の曲率半径は88.567mm、一方凹面は曲率半径は85mmで良好な透明度を得るために表面研磨される。後側レンズ要素18の中央部厚さは10mmである。
【0045】
4.接着剤9:
実施例1と同じ接着剤が使用される。
重ね合わされた半仕上げレンズ素板の凹面18は粉砕しない、紫外線防護、美的感覚のある処方眼鏡レンズを作るために、ある一定ジオプトリまでさらに加工される。
【0046】
(実施例5)
図12、図13及び図14に発明の実施例5として半仕上げ二焦点レンズ素板の構造を示す。図12はレンズ前側外観を、図13は重ね合わせ後のレンズ構造を示し、図14は重ね合わせ前のレンズの以下の要素を示す。
【0047】
1.薄膜19:
透明で無色の粒状PET を直径88.766mmで皮膜厚0.2mmの球面状孔に吹き込み成形法によって加工する。二つの球状の薄膜要素にするために球体を二つに分割する。
【0048】
2.前側レンズ要素20:
通常の平面二焦点レンズ素板から作られて、それを中央部厚さ0.8mm〜1.5mmの光学用品質に研磨する。薄いほど好ましいが、老眼レンズ21の部分のみはそのまま完全に残す。凸面の曲率半径を87.751mm、凹面の曲率半径を88.766mmに調節する。
【0049】
3.後側レンズ要素18:
実施例4と同じ規格で通常の(non−UV)紫外線を吸収しない無色ガラスで作られる。
【0050】
4.接着剤22:PU(ポリウレタン)二液形紫外線吸収熱養生接着剤
重ね合わされた製品は半仕上げ二焦点レンズ素板である。レンズ要素18の凹面は耐粉砕性および紫外線吸収性をもつ所望の処方の仕上げ加工された二焦点レンズになるためにさらに加工される。
【0051】
【発明の効果】
本発明の多機能耐粉砕安全眼鏡用ガラスレンズによれば、通常のガラスレンズの優れた光学用性質を保持しながら樹脂レンズの安全性、美しさ、加工特性をもち、従来のガラスレンズの重大な欠点を克服したガラスレンズ改良品である多機能耐粉砕安全眼鏡用ガラスレンズを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における多機能耐粉砕安全眼鏡用ガラスレンズの構造図である。
【図2】本発明の実施の形態におけるレンズ表面層の断面で、ガラス中の隙間のあるナトリウムイオン(○)構造を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態におけるレンズ表面層の異なる断面で、ガラス中の元のナトリウムイオンの間にカリウムイオン(●)の侵入を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態における実施例1で、重ね合わせ後のレンズ構造を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態における図4の重ね合わせ前の要素の集合を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態における実施例2で、重ね合わせ後のレンズ構造を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態における図6の重ね合わせ前の要素の集合を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態における実施例3で、重ね合わせ後のレンズ構造を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態における図8の重ね合わせ前の要素の集合を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態における実施例4で、重ね合わせ後のレンズ構造を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態における図10の重ね合わせ前の要素の集合を示す図である。
【図12】本発明の実施の形態における実施例5で、レンズの前側片の前面を示す図である。
【図13】本発明の実施の形態における図12の断面を示し、重ね合わせ後のレンズ構造を示す図である。
【図14】本発明の実施の形態における図13の重ね合わせ前の要素の集合を示す図である。
【符号の説明】
1 ガラスレンズ要素
2 ガラスレンズ要素
3 球面ポリマー薄膜
4 接着剤
5 接着剤
【発明の属する技術分野】
本発明は、安全で美しく優れた光学用性質をもち、特別な技能や装置がなくても通常のレンズ工場や眼鏡工場で容易に処理される多機能耐粉砕安全眼鏡用ガラスレンズに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在市場で入手できるガラスレンズは眼鏡産業において広く認識されたままになっている次のような不具合を抱えている。
【0003】
1.ガラスレンズは染色することができない。従来ガラスレンズに所望の色をつける実用的方法はない。
【0004】
2.ガラスレンズは紫外線防護性に欠ける。通常のガラスレンズは有害な放射された紫外線をブロックできない。市場には特殊な紫外線吸収ガラスがある。しかしこれは、最近の市場の400nmまでの紫外線遮断の要求に対して、380nm以下の光学振動数での紫外線を遮断できるだけである。最近のコーニング社の新しいガラス製品(コーニング社製品コードNo.8010)は400nmの紫外線を遮断している。しかしその化学的不安定性、劣等な耐酸・アルカリ性、高価であるために眼鏡産業では広く使用されていない。
【0005】
3.ガラスレンズは樹脂レンズより重い。ガラスレンズの光学的性質は樹脂レンズのそれに比べてはるかに優れるが、重さゆえに着用時に快適でない。
【0006】
4.ガラスレンズは加工が難しい。小売市場で売られるガラスレンズは欧州、米国、豪州、日本などの国や地域の耐衝撃基準に適合するように、熱的または化学的に硬化させることが必要である。これらの硬化処理は特別な技術と設備を要する。さらに化学的硬化処理で使用される化学薬品は適切に取り扱わないと破裂する危険性がある。一方、熱的硬化処理は温度を600〜800℃の間に上げる必要がある。これは取り扱いに危険な温度である。普通のガラスレンズラボ、眼鏡ショップまたはガラスレンズ加工所でもこのような処理をする装置がない。
【0007】
5.ガラスレンズは破損や粉砕しやすい。ガラスレンズは耐衝撃基準に合致するように適切に硬化されても、ガラスレンズに負荷される外力が耐衝撃強さを超えるときにはひび割れしたり、粉々に壊れて目や顔を傷つける可能性がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述の問題点に鑑みて提供したものであって、この発明の目的は、通常のガラスレンズの優れた光学用性質を保持しながら樹脂レンズの安全性、美しさ、加工特性をもち、上記のガラスレンズの重大な欠点を克服したガラスレンズ改良品である多機能耐粉砕安全眼鏡用ガラスレンズを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明の請求項1記載の多機能耐粉砕安全眼鏡用ガラスレンズでは、中央部厚さが0.5mm〜1.5mmの二枚の光学用に研磨されたガラスレンズ要素はカリウムイオン侵入によって硬化され、耐粉砕レンズを形成するために中間に耐破断性ポリマー薄膜層をもって前記二枚のガラスレンズ要素が重ね合わされていることを特徴としている。
【0010】
請求項2に記載の多機能耐粉砕安全眼鏡用ガラスレンズでは、前記ポリマー薄膜は異なる色と異なる可視光線透過率をもつレンズを得るように染色されていることを特徴としている。
【0011】
請求項3に記載の多機能耐粉砕安全眼鏡用ガラスレンズでは、前記重ね合わせのための接着剤には有害な紫外線防護機能をレンズに与えるためにベンゾトリアゾール(BTA) のような紫外線吸収剤が添加されていることを特徴としている。
【0012】
請求項4に記載の多機能耐粉砕安全眼鏡用ガラスレンズでは、前記レンズの凹面は半仕上げ製品として使用されるためにより厚いレンズ要素でもって重ね合わされていることを特徴としている。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。本発明の目的、特徴、効果は下記の図を参照して、以下の推奨実施例の詳細においてより明らかになる。
【0014】
この発明は高強度をもつ熱硬化したポリマー薄膜が柔軟光学グレード接着剤によって接合される二枚のガラスレンズ要素の間で重ね合わされることを特徴とする。図1に示すように、1と2は光学用に研磨されたガラスレンズ要素であり、3は高強度の球面ポリマー薄膜であり、4と5は柔軟光学グレード接着剤( soft optical grade adhesive )である。
【0015】
本発明は次の特徴を有している。
1.染色されるガラスレンズ:
この発明のレンズの色は主に染料中に浸漬して所望の色を固着したポリマー薄膜からくる。無色のガラスレンズが使用されるとポリマー薄膜の色が完璧に透けて見える。色付きのレンズ要素が使用されると色付きのポリマー薄膜はレンズ要素の色を修正してより魅力的な新しい色になる。
【0016】
2.紫外線防護性:
ガラスレンズ自体が紫外線吸収特性をもたない、またはそれが不十分な場合には、要求される紫外線防護レベルにまで到達するように紫外線吸収剤が接着剤に添加される。
【0017】
3.裁断および端部加工後にさらなる硬化が要求されないこと:
本発明のガラスレンズは重ね合わせ前に化学的硬化している。大きなナトリウムイオンが残す空孔を埋めるために小さなカリウムイオンがガラス分子構造の内層中に熱エネルギーによって強制的に導入されて、表面ガラス組織がより緻密になりその結果レンズの耐衝撃性が上る。レンズ表面層の断面を示す図2のように硬化前のガラス表面は低い耐衝撃特性をもつ粗な構造のナトリウムイオン(○印)からなるだけである。図3はカリウムイオン(●印)の侵入後のより緻密なガラスの表面構造を示す。カリウムイオンの侵入深さが深いほど、表面は硬く、耐衝撃性は高い。
【0018】
4.薄くて軽いレンズ:
通常のガラスレンズは化学硬化で処理される両面をもつだけである。そしてレンズ自体が眼鏡用ガラスレンズの耐衝撃基準を充たすために普通2mm以上の大きな厚さをもつ。しかしながら、本発明の重ね合わせレンズは化学的硬化処理のために四つの表面をもつ二枚のレンズ要素をもつ。二枚の硬化レンズ要素が一枚のレンズとして重ね合わされた後、その衝撃強さは向上する。さらに間に入る接着剤と耐破断膜によって固められて合計耐衝撃強さは通常の完全硬化厚ガラスレンズの2倍以上になる。このようにして、レンズ要素は厚さを薄くでき、0.6mmで、欧州、米国、豪州、日本などで規定された耐衝撃基準に適合できる。
【0019】
5.粉々にならないこと:
本発明のレンズが優れた耐衝撃特性もつとしても、外力がこの種のレンズの高められた耐衝撃強さを超えるときには、表面レンズ要素にひびや割れが入る。しかしながら、レンズは粉々に壊れずに、破片は柔軟接着剤によってポリマー薄膜にくっついている。
【0020】
発明の特徴
本発明の特徴の一つは、二枚の光学用に研磨された中央部厚さが0.5mm〜1.5mmのガラスレンズ要素がカリウムイオン浸透によって硬化され、耐粉砕レンズを形成するために間に耐破断ポリマー薄膜の層を重ね合わされることである。
本発明の二つめの特徴は前記ポリマー薄膜は光吸収能をもつ全ての種類の美しい色合いのレンズを作るように染色できることである。
【0021】
本発明の三つめの特徴は接着剤には有害な放射された紫外線に対する最大防護能力を持つレンズを提供するためにベンゾトリアゾール(BTA) のような有害な紫外線の吸収剤が添加されることである。
本発明の四つめの特徴は後側レンズ要素はより厚いガラス板を使うことによって半仕上げ加工のレンズ素板として製造されることで、この場合さらに処方眼鏡レンズとして加工処理される。
【0022】
発明の材料
この発明で使用されるポリマー薄膜は、ポリカーボネート(PC)、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート(PET) などの20〜200μm厚の耐破壊ポリマー薄膜であり、これらは重ね合わせ前に熱によって球面形状に整えることが必要である。
【0023】
本発明のレンズは前側レンズと後側レンズの二枚のレンズ要素からなり、次のような組み合わせをもつ。
1.仕上げ平面レンズ:
前側および後側レンズ要素は中央部厚さが0.5mm〜1.5mmの仕上げレンズで、二枚のレンズ要素の二つの重ね合わせた表面間のジオプトリ差( dioptre difference ) は0.10ジオプトリ( dioptre )より大きくない。こうして重ね合わせた後の複合レンズはやはり0ジオプトリである。前側レンズと後側レンズ要素は化学硬化されて、カリウムイオンの浸透深さは10μm以上であることが必要である。
【0024】
2.半仕上げレンズ素板:
前側レンズ要素は中央部厚さが0.5mm〜1.5mmの両面仕上げ球面レンズで、光学的曲率は−0.15〜+0.15ジオプトリである。この仕上げレンズはカリウムイオンの浸透深さが20μm以上になるように化学硬化しなければならない。後側レンズ要素は光学用に仕上げられた単なる凸面の半仕上げレンズ素板で、中央部厚さが5mm〜15mmである。二つの重ね合わされた面の間の曲率差は0.10ジオプトリを超えない。
【0025】
この発明で使用される接着剤には、それが良好な接着性をもち、養生後(=硬化後) の硬さが前側と後側レンズ要素のそれを超えないかぎり制約はない。エポキシまたはポリウレタン(PU)タイプの接着剤、紫外線または熱による養生は許容される。接着剤は使用前にその中の全ての気泡および湿気を除去するために脱ガスおよび脱水されねばならない。
使用されるレンズ要素が紫外線吸収性をもたない通常のガラスで作られる場合には、目の保護のために、ベンゾトリアゾール(BTA) のような紫外線吸収剤が360nm〜400nmの波長をもつ有害な紫外線放射を効率よく吸収するために添加されてよい。
【0026】
推奨実施例の詳細
(実施例1)
この発明の実施例を述べる。図4及び図5に発明の第1の実施例として8−基本曲線( 8−base curve )平面濃灰色サングラスレンズの構造を示す。図4は重ね合わせ後のガラスレンズの構造を示し、図5は重ね合わせ前のレンズの以下の要素を示す。
【0027】
1.薄膜6:
灰色染料に30μmのPET 薄膜を浸漬し、可視光線の15%が透過するようになったとき取り出して、色を固定した後乾燥する。灰色PET 薄膜を曲率半径66.075mmの球面金型をもつ真空成形装置にかける。
【0028】
2.前側レンズ要素7:
紫外線吸収能をもたない通常の無色ガラス( コーニング社のガラスコードNo.8361)を次の規定まで研磨する。凸面の曲率半径65.952mm、凹面の曲率半径66.276mm、中央部厚さ0.9mmである。重ね合わせ前に化学硬化される。
【0029】
3.後側レンズ要素8:
前側レンズ要素と同じガラス材料を使用する。凸面の曲率半径66.075mm、凹面の曲率半径65.375mm、中央部厚さ0.8mmである。重ね合わせ前に化学硬化される。
【0030】
4.接着剤9:
ポリウレタン二液形接着剤紫外線吸収熱養生タイプ。
仕上がったレンズは0ジオプトリで、接着剤とポリマー薄膜を含めて中央部厚さは1.9mmで、可視光線透過率18%の濃灰色である。
【0031】
(実施例2)
図6及び図7に発明の実施例2として8−基本曲線(8−base curve)平面ホトクロミズムの灰色サングラスレンズの構造を示す。図6は重ね合わせ後のガラスレンズの構造を示し、図7は重ね合わせ前のレンズの以下の要素を示す。
【0032】
1.薄膜10:
灰色染料に120μmのPC薄膜を浸漬し、可視光線の40%が透過するようになったとき取り出して、色が固定するまで熱風乾燥する。薄膜を曲げるために、前記ポリカーボネート(PC)のガラス転移点以下の30℃を超えない温度まで暖める。薄膜が十分軟化した後、球面金型でもってプレスする。球面金型は第一例と同じ曲率半径をもつ。
【0033】
2.前側レンズ要素11:
コーニングサンシティブ(Sunsitive) 灰色ガラス( コーニング社のガラスコードNo.81251) を実施例1と同じ規定まで研磨する。ガラス材料は380nmの紫外線を遮断し、周囲の光の強さで色相が変化する。
【0034】
3.後側レンズ要素8:実施例1と同じ。
【0035】
4.接着剤12:
エポキシ二液形熱養生硬化型:紫外線吸収は要求されず。
仕上がったレンズは0ジオプトリで、接着剤とポリマー薄膜を含めて中央部厚さは1.9mmであり、色変化前の淡灰色の際は可視光線透過率36%で、強い光に十分曝された後では濃灰色で可視光線透過率10%である。
【0036】
(実施例3)
図8及び図9に発明の実施例3として6−基本曲線(6−base curve)平面淡青色サングラスレンズの構造を示す。図8は重ね合わせ後のガラスレンズの構造を示し、図9は重ね合わせ前のレンズの以下の要素を示す。
【0037】
1.薄膜13:
淡青色染料に50μmのナイロン薄膜を浸漬し、可視光線の35%が透過するようになったとき取り出して、色を固定し、乾燥した後、前記ナイロンのガラス転移点以下の40℃を超えない温度に達するために熱風で暖める。軟化した薄膜を表面半径88.776mmの球形の鋼製ダイスをもつ成形装置に固定する。高圧力下で鋼ダイスに向かう膜表面に熱風を激しく吹きつけ、圧力を維持して、膜が固体になるまでそのまま冷却する。得られた膜の凸面の曲率半径はそのとき88.766mmである。
【0038】
2.前側レンズ要素14:
コーニング社の通常の(non−UV)紫外線を吸収しない無色ガラスを次の規定まで研磨する。凸面の曲率半径87.751mm、凹面の曲率半径88.766mm、中央部厚さ0.8mmである。重ね合わせ前に化学硬化される。
【0039】
3.後側レンズ要素15:
後側レンズ要素は、前側レンズ要素と同じガラス材料を使用するが、異なる曲率をもつ。凸面の曲率半径88.567mm、凹面の曲率半径87.166mmである。
【0040】
4.接着剤16:
400nmまでの紫外線吸収のためにBTA が添加された紫外線養生タイプのPU(ポリウレタン)接着剤。
仕上がったレンズは0ジオプトリで、接着剤とポリマー薄膜を含めて中央部厚さは1.7mmで、可視光線透過率34%の淡青色で、400nmまで紫外線を遮断する。
【0041】
(実施例4)
図10及び図11に発明の実施例4として濃褐色半仕上げレンズ素板の構造を示す。図10は重ね合わせ後のガラスレンズの構造を示し、図11は重ね合わせ前のレンズの以下の要素を示す。
【0042】
1.薄膜17:
濃褐色染料に80μmのPET 薄膜を浸漬し、可視光線の15%が透過するようになったとき取り出して、曲率半径88.567mmをもつ球面状表面の薄膜を得るために実施例1と同じ方法で薄膜を曲げる。
【0043】
2.前側レンズ要素14:
実施例3の前側レンズ要素と同じ。
【0044】
3.後側レンズ要素18:
後側レンズ要素は前側レンズ要素と同じ材料で作られる。凸面の曲率半径は88.567mm、一方凹面は曲率半径は85mmで良好な透明度を得るために表面研磨される。後側レンズ要素18の中央部厚さは10mmである。
【0045】
4.接着剤9:
実施例1と同じ接着剤が使用される。
重ね合わされた半仕上げレンズ素板の凹面18は粉砕しない、紫外線防護、美的感覚のある処方眼鏡レンズを作るために、ある一定ジオプトリまでさらに加工される。
【0046】
(実施例5)
図12、図13及び図14に発明の実施例5として半仕上げ二焦点レンズ素板の構造を示す。図12はレンズ前側外観を、図13は重ね合わせ後のレンズ構造を示し、図14は重ね合わせ前のレンズの以下の要素を示す。
【0047】
1.薄膜19:
透明で無色の粒状PET を直径88.766mmで皮膜厚0.2mmの球面状孔に吹き込み成形法によって加工する。二つの球状の薄膜要素にするために球体を二つに分割する。
【0048】
2.前側レンズ要素20:
通常の平面二焦点レンズ素板から作られて、それを中央部厚さ0.8mm〜1.5mmの光学用品質に研磨する。薄いほど好ましいが、老眼レンズ21の部分のみはそのまま完全に残す。凸面の曲率半径を87.751mm、凹面の曲率半径を88.766mmに調節する。
【0049】
3.後側レンズ要素18:
実施例4と同じ規格で通常の(non−UV)紫外線を吸収しない無色ガラスで作られる。
【0050】
4.接着剤22:PU(ポリウレタン)二液形紫外線吸収熱養生接着剤
重ね合わされた製品は半仕上げ二焦点レンズ素板である。レンズ要素18の凹面は耐粉砕性および紫外線吸収性をもつ所望の処方の仕上げ加工された二焦点レンズになるためにさらに加工される。
【0051】
【発明の効果】
本発明の多機能耐粉砕安全眼鏡用ガラスレンズによれば、通常のガラスレンズの優れた光学用性質を保持しながら樹脂レンズの安全性、美しさ、加工特性をもち、従来のガラスレンズの重大な欠点を克服したガラスレンズ改良品である多機能耐粉砕安全眼鏡用ガラスレンズを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における多機能耐粉砕安全眼鏡用ガラスレンズの構造図である。
【図2】本発明の実施の形態におけるレンズ表面層の断面で、ガラス中の隙間のあるナトリウムイオン(○)構造を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態におけるレンズ表面層の異なる断面で、ガラス中の元のナトリウムイオンの間にカリウムイオン(●)の侵入を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態における実施例1で、重ね合わせ後のレンズ構造を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態における図4の重ね合わせ前の要素の集合を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態における実施例2で、重ね合わせ後のレンズ構造を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態における図6の重ね合わせ前の要素の集合を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態における実施例3で、重ね合わせ後のレンズ構造を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態における図8の重ね合わせ前の要素の集合を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態における実施例4で、重ね合わせ後のレンズ構造を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態における図10の重ね合わせ前の要素の集合を示す図である。
【図12】本発明の実施の形態における実施例5で、レンズの前側片の前面を示す図である。
【図13】本発明の実施の形態における図12の断面を示し、重ね合わせ後のレンズ構造を示す図である。
【図14】本発明の実施の形態における図13の重ね合わせ前の要素の集合を示す図である。
【符号の説明】
1 ガラスレンズ要素
2 ガラスレンズ要素
3 球面ポリマー薄膜
4 接着剤
5 接着剤
Claims (4)
- 中央部厚さが0.5mm〜1.5mmの二枚の光学用に研磨されたガラスレンズ要素はカリウムイオン侵入によって硬化され、耐粉砕レンズを形成するために中間に耐破断性ポリマー薄膜層をもって前記二枚のガラスレンズ要素が重ね合わされていることを特徴とする多機能耐粉砕安全眼鏡用ガラスレンズ。
- 前記ポリマー薄膜は異なる色と異なる可視光線透過率をもつレンズを得るように染色されていることを特徴とする請求項1記載の多機能耐粉砕安全眼鏡用ガラスレンズ。
- 前記重ね合わせのための接着剤には有害な紫外線防護機能をレンズに与えるためにベンゾトリアゾール(BTA) のような紫外線吸収剤が添加されていることを特徴とする請求項1記載の多機能耐粉砕安全眼鏡用ガラスレンズ。
- 前記レンズの凹面は半仕上げ製品として使用されるためにより厚いレンズ要素でもって重ね合わされていることを特徴とする請求項1記載の多機能耐粉砕安全眼鏡用ガラスレンズ。
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