JP2004279118A - 焦電型赤外線検出器 - Google Patents

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Toshinori Hirao
敏則 平尾
Makoto Tamura
誠 田村
Shingo Kimura
親吾 木村
Motoki Tanaka
基樹 田中
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Abstract

【課題】従来の製造技術工程から特異する事無く、低コストで小型の、焦電素子、FET及び抵抗、オペアンプIC、抵抗、コンデンサ等の構成部品を金属CANケースに単一収容とした焦電型赤外線検出器を提供する。
【解決手段】内部配線を形成した基板3の表面側に焦電素子1を搭載し、基板の裏面側に焦電素子からの出力信号を取り出すインピーダンス変換用のFET10及び抵抗11、並びに増幅回路14を構成するオペアンプ12、抵抗、コンデンサ等を搭載する事により、最大断面積155.54平方ミリメートル以下の金属CANケース4にパッケージ封入される構造。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、人体検知、照明器具制御等に用いられる焦電型赤外線検出器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の焦電型赤外線検出器は、図4に示すように、赤外線を受光し、赤外線入射量の変化により電荷を生じる焦電素子と、前記焦電素子より生じた電荷を電圧に変換するFET及び抵抗が、赤外線透過材を具備した金属CANケース(一般的には、TO−5型パッケージ焦電型赤外線検出器13が主に利用されている)にハーメチックシールされており、インピーダンス変換された前記焦電素子の出力信号を増幅する増幅回路及び信号処理回路を構成する部品14a、14bを実装した外付け接続用基板15とを接続した構成となっている。
【0003】
さらに、これら焦電素子、FET及び抵抗、オペアンプIC、抵抗、コンデンサ等の部品を同一基板上に設け、前記基板を金属CANケース内にハーメチックシールを行い、ケース一体化とした構成としても使用される。前記焦電型赤外線検出器は焦電素子からの出力信号をFETによる高インピーダンス変換を行うもので、一般に電圧モードタイプとして広く利用されている。
【0004】
また、FETの代わりにオペアンプIC等を接続し、前記焦電素子より生じた電荷の低インピーダンス変換増幅を行う、電流モードタイプと呼ばれる焦電型赤外線検出器は、焦電素子の出力信号増幅を前記オペアンプICによっても兼用可能な構成が得られる事より、構成部品の低減による増幅回路用部品も単一ケースに収容した構造でもって、小型パッケージ化が進められている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、FETインピーダンス変換による電圧モードタイプ焦電型赤外線検出器において、オペアンプIC、抵抗、コンデンサ等から成る増幅回路部並びに信号処理回路部を単一ケースハーメチックシールする場合、前記構成部品自体の容積サイズの関係より、基板の実装スペースを大きく設ける必要があり、さらに、両面実装タイプの基板を形成しても基板平面積の縮小化には限界があり、加えて実装工数も多くなってしまう。また、金属CANケースの容積及びヘッダーの平面積も大きくなり、増幅回路部及び信号処理回路部を外部基板側に設けた、図4に示すような一般的な上記使用例と比較しても、ケースヘッダー部リード端子を接続固定する基板(すなわち、外付け接続用基板)がTO−5型パッケージ焦電型赤外線検出器を搭載した外付け接続用基板15より大きくなる。その為、従来のケースパッケージタイプは実使用上及び経済的に大きな利益が得られにくかった。
【0006】
また、電流モードタイプ焦電型赤外線検出器では、前記電圧モードタイプ焦電型赤外線検出器と比べて、低周波側(1Hz以下)での出力信号S/N比が一般的に低く、例えば、1Hz程度を中心とした、特に人体検知用途として構成される赤外線検出回路の場合、人体の検出性能としては、微動検知、換言すれば赤外線の緩やかな温度変化に対する応答性能が最適とは言い難く、取り扱い仕様等が限定されるという問題があった。従って使用頻度が少なくあり、小型パッケージ化の波及も見られていない。
【0007】
本発明は、上記問題点を解消する為、従来の製造技術により低コストで小型パッケージの焦電型赤外線検出器を提供する事を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決する為に、内部配線を形成した基板の表面側に焦電素子を搭載し、裏面側に前記焦電素子の出力信号をFETによりインピーダンス変換を行った後、増幅を行う回路構成部品を実装した前記基板を、最大断面積155.54平方ミリメートル以下の赤外線透過材を具備した金属CANケースと、前記基板との電気的接続を成すリード端子を備えたヘッダーにより、単一パッケージ内にハーメチックシールした事を特徴としている。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について、図を参照にして詳細に説明する。
【0010】
図1は、本発明に係わる焦電型赤外線検出器の内部構造図である。赤外線を入射透過させるフィルタ材7を具備した金属製CANケース4と、焦電素子1、FET10及び抵抗11、オペアンプIC12、抵抗、コンデンサ等の構成部品6a、6bを搭載した基板3と、焦電素子1の出力信号を取り出し、且つ前記基板3を支える為の電気的接続及び機械的固定用のリード端子8を設けたヘッダー5とを、外来からの環境的変化や電磁障害を防止する為にハーメチックシールとした構成となっている。
【0011】
基板3は、内部配線が形成(図1では、配線が複雑な為図示せず)されている薄体板である。また焦電素子1は赤外線を受光する電極2を形成しており、この基板3の表面側には、焦電素子1を支える支持台9を備えて、支持台9上に前記焦電素子を搭載し、導電性接着剤等により電気的接続を行い、赤外線を受光し温度変化により焦電素子1から生じた電荷を取り出している。基板3の裏面側は、焦電素子1から生じた電荷を電圧変化として取り出す為のインピーダンス変換用のFET10及び抵抗11を設けて、さらにインピーダンス変換後の出力信号を増幅する為に、オペアンプIC12、抵抗、コンデンサ等の構成部品6a、6bを搭載している。
【0012】
上記焦電素子1、並びに焦電素子1から生じる出力信号のインピーダンス変換部及びインピーダンス変換後の出力信号増幅部の構成部品6a、6bは、最大平面積100.78平方ミリメートル以下の基板3に搭載構成され、最大断面積155.54平方ミリメートル以下の金属CANケース4及びヘッダー5によりハーメチックシールされる。ここでは、出力信号の増幅回路部が焦電素子1と単一ケースにパッケージされている為、外来雑音や環境的変化の影響を受けにくい構造となっている。
【0013】
【実施例】
ここで、本発明の一実施例について、以下詳細に説明する。
【0014】
図2は、本実施例に係わる焦電型赤外線検出器の外観形状図である。図3は、本実施例に係わる焦電型赤外線検出器の内部配線等価回路図である。図2に示すように、上面A、下面B及び側面Cから見た場合のパッケージサイズが、それぞれ上面A側断面積113.49〜117.82平方ミリメートル、下面B側断面積150.81〜155.54平方ミリメートル、側面C側断面積51.98〜57.64平方ミリメートルのフラット型にパッケージした構造としている。
【0015】
焦電素子の出力信号を増幅する増幅回路部は、図3に示すように、抵抗R1〜R4、コンデンサC1〜C4とを設けて所定のバンドパス信号のみを通過させ、オペアンプIC12a、12bによる2段式増幅回路構成としており、取り扱いやすい大きさの検知信号が出力される。一般的に、人体検知用途の場合は1Hz程度を中心としたバンドパス増幅回路として用いられている。ここで、2段目のオペアンプ12bの一方の入力側端子は、抵抗R5、R6によりオフセット電圧を定めている。
【0016】
人体検知用途としての本実施例の焦電型赤外線検出器の動作は、人体の移動により焦電素子1の赤外線受光電極2エリア内の赤外線入射量が変動し、温度変化に応じて焦電素子1から出力信号が生じ、FET10及びオペアンプIC12から成る増幅回路部を通して増幅出力信号が検出される。前記検知出力信号は、電気的接続を成すリード端子8より、直接出力信号の取り出しを行う事ができる為、人体の移動検知並びに出力信号の信号処理を行う回路部を、最小平面積サイズの外付け接続基板15を設けて、前記基板上にコンパレーター用IC等を実装、配線する事で容易に構成が可能である。
【0017】
尚、本実施例の焦電型赤外線検出器では、赤外線受光電極2を4エレメントデュアルタイプとしているが、種々の焦電素子サイズ、且つ受光電極パターンにて赤外線検出回路を構成する事もできる。また焦電素子1の受光電極2へ赤外線を集光させる光学系の具備も容易である。これらは、従来の製造技術及び組立工程から特異する事がなく構成されている。
【0018】
【発明の効果】
本発明の焦電型赤外線検出器によれば、基板の表面側に焦電素子、基板の裏面側に焦電素子からの出力信号を取り出すFET及び抵抗、オペアンプIC、抵抗、コンデンサ等の増幅回路部を搭載する事により、組立工数の増加を抑制でき、最大平面積100.78平方ミリメートル以下の基板サイズでの構成が可能となり、最大断面積155.54平方ミリメートル以下の金属CANケースにパッケージされる為、製造工程の簡素化による低価格な焦電型赤外線検出器を提供する事が可能である。
【0019】
また、本実施例にて挙げている、パッケージサイズが上面側断面積113.49〜117.82平方ミリメートル、下面側断面積150.81〜155.54平方ミリメートル、側面側断面積51.98〜57.64平方ミリメートルのフラット型パッケージ焦電型赤外線検出器は、一般的なTO−5型パッケージ焦電型赤外線検出器と並び従来より生産使用されている為、焦電素子の受光電極部へ赤外線を集光させる光学レンズ及びミラーのデザイン並びに使用自由度がアップし、既存製品の適用選択等も可能となる。さらに、信号処理回路部等を搭載した外付け接続基板の縮小化にも繋がり、赤外線検出装置自体の低コスト化及び小型、軽量化への一助となる。
これらにおいて、本発明は工業的に価値がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の焦電型赤外線検出器を示す分解外観図である。
【図2】本発明の一実施例の焦電型赤外線検出器の外観図である。
【図3】本発明の一実施例の焦電型赤外線検出器の回路図である。
【図4】従来のTO−5型パッケージ焦電型赤外線検出器を用いた赤外線検出回路を示す外観図である。
【符号の説明】
1 焦電素子
2 赤外線受光電極
3 内部配線基板
4 金属CANケース
5 ヘッダー
6a,6b 回路構成電子部品
7 赤外線透過フィルタ材
8 外部取出し用リード端子
9 支持台
10 FET
11 ゲート抵抗
12a,12b オペアンプ
13 TO−5型パッケージ焦電型赤外線検出器
14a,14b 増幅回路及び信号処理回路用構成電子部品
15 外付け接続用基板
R1〜R6 抵抗
C1〜C4 コンデンサ
A 上面側の方向指示
B 下面側の方向指示
C 側面側の方向指示

Claims (2)

  1. 内部配線を形成した薄体基板の表面側に支持台を設け、その上に焦電素子を搭載し、前記基板の裏面側にインピーダンス変換用のFET及び抵抗と、前記焦電素子の出力信号を増幅するバンドパス増幅回路を構成するオペアンプIC、抵抗、コンデンサ等の構成部品を実装し、前記基板を赤外線透過材を具備した金属CANケースと、前記基板との電気的接続を成すリード端子を備えたヘッダーにより、単一パッケージ内に封入した事を特徴とする焦電型赤外線検出器
  2. 前記焦電素子、FET及び抵抗、増幅回路構成部品、基板を最大断面積155.54平方ミリメートル以下の金属CANケースにパッケージした事を特徴とする請求項1記載の焦電型赤外線検出器
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100862947B1 (ko) * 2006-09-07 2008-10-15 주식회사 이노칩테크놀로지 적외선 온도 센서 및 적외선 온도 센서 모듈
JP2010169520A (ja) * 2009-01-22 2010-08-05 Nippon Ceramic Co Ltd 焦電型赤外線検出器

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