JP2004279029A - 室内機 - Google Patents

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Abstract

【課題】
R22の代替冷媒を用いても性能向上を図ると共に、必要な熱交換容量に対して自由度を広げ、組立性が良く安価なものとする。
【解決手段】
2列の伝熱管を重ねた熱交換器を有した4方向吹出天井埋込タイプの室内機において、冷凍サイクルの作動流体は2種類以上の非塩素系フルオロカーボンを混合してなる冷媒とし、2列の伝熱管のうち一方が接続された液冷媒側分配器4と、他方が接続されたガス冷媒側分配器3と、伝熱管の管軸方向に垂直に構成され遠心型送風機1の周囲を取り巻くようにむだなく配置されたフィン1、2と、を備え、多段のパスのそれぞれは熱交換器の長さ方向の1往復分で1パスとされて2列のフィンを通過し、1パスとされてから伝熱管は曲げ加工によって口の字状に形成される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、冷凍サイクルに蒸発器あるいは凝縮器として用いられる熱交換器および室内機並びに熱交換器の製作方法に関し、冷凍サイクルに非共沸混合冷媒を用いた熱交換器、複数列のクロスフローフィンチューブタイプの熱交換器に好適である。
従来、冷凍サイクルの蒸発器あるいは凝縮器として用いられる熱交換器の形態の一つに、内部が冷媒の通路である伝熱管の外部に管軸方向に垂直なフィンを構成して空気と熱交換する、いわゆるクロスフローフィンチューブタイプの熱交換器がある。この熱交換器は伝熱管の配列が等間隔のピッチで構成されており、予め伝熱管の外径よりわずかに大きい内径の穴が加工されたフィンを層状にならべて、U字形状に加工された伝熱管を貫通挿入し、伝熱管内部より圧力をかけて拡管することで伝熱管外面とフィン穴内面を接触させ、かん合するようにして組み立てられる。
また、熱交換器は機器の大きさや伝熱性能の観点から、空気の流れ方向側に対しては伝熱管の配列が2列以上を必要とする場合が多く、例えば特許文献1に示されるようなものが知られている。
特開昭63−17364号公報
上記従来技術は、伝熱管の配列を2列としているが、1列フィンの熱交換器として構成され、2列以上に熱交換器を重ねるものではなく、組立が必ずしも容易とは言い難かった。
本発明の目的は、R22規制のため非共沸混合冷媒を代替冷媒として用いる場合、熱交換器の大きさ、冷媒通路の適正化などを考慮して性能向上を図ることにある。
また、熱交換器の性能を向上し、必要な熱交換容量に対して自由度を広げると共に、組立性が良く安価な熱交換器を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、冷凍サイクルの蒸発器または凝縮器に用いられ2列の伝熱管を重ねて口の字状に形成された熱交換器を有し、前記口の字形状の略中心に配置された遠心型送風機により中央から室内空気を吸い込み、放射方向に吹き出す4方向吹出天井埋込タイプの室内機において、前記冷凍サイクルの作動流体は2種類以上の非塩素系フルオロカーボンを混合してなる冷媒とし、2列の前記伝熱管のうち一方が接続された液冷媒側分配器と、他方が接続されたガス冷媒側分配器と、伝熱管の外部で管軸方向に垂直に構成され前記遠心型送風機の周囲を取り巻くようにむだなく配置されたフィンと、を備え、前記伝熱管による前記冷媒を分配する多段のパスのそれぞれは前記熱交換器の長さ方向の1往復分で1パスとされて前記2列のフィンを通過し、1パスとされてから前記伝熱管は曲げ加工によって口の字状に形成されるものである。
また、上記のものにおいて、空気の流れる方向に対して上流側の前記フィンに組み立てられた伝熱管を液冷媒側分配器に接続し、下流側の前記フィンに組み立てられた伝熱管をガス冷媒側分配器に接続したことが望ましい。
さらに、上記のものにおいて、前記伝熱管の曲げ加工後に両端部が同一となるように、予め外周側の前記伝熱管が長くされたことが望ましい。
さらに、上記のものにおいて、2列の前記伝熱管を冷媒が通過するように前記伝熱管の同一段が接続されたパスを備えたことが望ましい。
本発明によれば、非共沸混合冷媒を代替冷媒として用い、冷媒通路を適正化して性能向上を図ると共に、必要な熱交換容量に対して自由度を広げ、組立性が良く安価なものとすることができる。
本発明の実施の形態を図1ないし図7を参照して説明する。図1は、蒸気圧縮冷凍サイクルを用いた空気調和機における室内機の熱交換器の構造を示す斜視図、図2は一実施の形態のパス配列を示す側面図、図3は実施の形態を示す上面図、図4は他の実施の形態を示す上面図、図5は他の実施の形態を示す上面図、図6は一実施の形態における制作方法を示し、主に接続管の部分の斜視図、図7は一実施の形態における制作方法を示し、フィンの曲げ加工を示す側面図、図8は従来のパス配列を示す側面図である。
本室内機は、一般に4方向吹出天井埋込タイプと呼ばれる形態のものであり、中央より室内空気を吸い込み、遠心型送風機により空気を放射方向に吹き出し、遠心型送風機の周囲を囲むように設置された熱交換器と熱交換した後、室内へ送られるようになっている。図中の矢印は空気の流れ方向を示している。
本図のものは、同一段数(4段)のフィンを2枚重ねて2列にした熱交換器であり、冷媒の通路となる伝熱管の軸方向に垂直なフィンを設けて空気と熱交換する、いわゆるクロスフローフィンチューブタイプの形態である。
4方向吹出天井埋込タイプでは、中心に遠心型送風機を配置してその周囲を取り巻くように熱交換器を設置する必要があり、天井裏に設置されるために高さ方向も極力低くすることが望ましい。そのため、熱交換器は比較的に長いものとなる。
よって、冷媒を分配するパスの長さは、その圧力損失を最小とするように最短パスとすることが良く、長さ方向の1往復分に相当するU字型の伝熱管1本毎に、1パスとすることが良い。
このようにフィンの長さを長くする必要のある場合は、伝熱管の長さも長くなる。冷媒流動による圧力損失を小さくするためには、冷媒の通路を分配する各パスの長さがU字形状に加工された伝熱管1本分で1パスを構成する必要がある。
本実施の形態では、図2に示すように、空気の流れに対して後列となるフィン1と前列のフィン2に接続管5をつないでいる。これにより冷媒を分配する伝熱管による各パスともフィン1とフィン2を冷媒が通過することになるので、各パス間の熱交換量の格差が小さくなり、各パスへの冷媒流量の分配も比較的容易に設定できるようになる。冷媒流量の分配の調整は、例えば網細管の抵抗調節によって行なうことができる。
これに対し、図8に示すような従来のパス配列では、フィンを2枚重ねるので、フィン1とフィン2に一つのパスが別れてしまう。よって、空気の流れに対して上流側にあり熱交換量が大きいフィン2と、下流にあるため空気温度と冷媒温度の差が小さくなってしまうフィン1で、各パスにおいて冷媒流量の分配が難しくなる。
また、本実施の形態では、ガス冷媒分配器3を空気後流側の後列のフィン1に接続し、液冷媒分配器4を前列のフィン2に接続し、暖房で用いた場合、空気の流れ方向に対して対向流的な配置としている。これによりフィン1でも空気温度と冷媒温度の差を大きくできるので、凝縮性能の向上を図ることができる。
さらに、ガス冷媒分配器3と液冷媒分配器4を完全に分離しているので、フィンの製造誤差による接続箇所の高さにずれを生じても良くなり、製造上の不具合が軽減される。
また、図8に示した従来例のように2段が一組になるので偶数倍の段数しか選択できなかったが、本実施の形態では1段づつ選択することができるので、必要熱交換容量にたいして、設計の自由度を拡大できる。
さらに、段数の違いに対して、等ピッチで熱交換器高さやガス冷媒分配器の高さを変化させれば良いので、標準化設計に対しても非常に有利となる。
図3に示される実施の形態は空気通路部に目一杯、むだなくフィンを配置するように、後列のフィン1と前列のフィン2の長さを、フィン1が曲げ部の円周長差の分だけ長くなるようにしている。
これに対し、図4および図5に示す実施の形態は、フィン1とフィン2の長さを同一として、同じフィンを用いている。図4の例は、接続管5側の端面を基準として曲げ加工をしたもので、円周長さの差の分だけフィン1が短くなる。また、図5ではガス冷媒分配器3と液冷媒分配器4を基準に同じ長さの熱交換器を曲げるので、接続管5側の端面があわなくなるが、接続管5の形状をJ字型にして長さの差を補っている。
図4、図5のいずれもフィン1、2の長さを一種類とすることができるので、長さ変更のため製造装置の段取りを変更するなどの時間が短縮でき、生産性が向上する。また、標準化にも有利である。
図6は本発明の熱交換器の製作方法手順を示し、2枚のフィンの各列のそれぞれに伝熱管を挿入して拡管し、所望の形状に曲げ加工を施し、各列間の伝熱管を連結管で接続することにより行われる。そして、その後、U字部分を切断する。
つぎに、切断された端部の内径を拡管して接続管であるベンド管を斜めに前後の列に渡して接続する。
これにより、熱交換器の製造工程は拡管まで従来と同一にでき、製造誤差により接続箇所の高さが多少ずれても良くなり、制作が容易となる。さらに、切断により切り落としたU部の転用もできるので経済的である。
以上の実施の形態は冷凍サイクルの作動流体を2種類以上の非塩素系フルオロカーボンを混合してなる非共沸混合冷媒としたものに適用することができる。これによれば小形化され、低価格であり、非共沸混合冷媒としたにも係わらず性能を損なうことがない。
空気調和機における室内機の熱交換器の構造を示す斜視図である。 一実施の形態のパス配列を示す側面図である。 図1の一実施の形態を示す上面図である。 他の実施の形態を示す上面図である。 他の実施の形態を示す上面図である。 一実施の形態における制作方法を示し、主に接続管の部分の斜視図である。 一実施の形態における制作方法を示し、フィンの曲げ加工を示す側面図である。 従来のパス配列を示す側面図である。
符号の説明
1、2…フィン、3…ガス冷媒分配器、4…液冷媒分配器、5…接続管、6…遠心型送風機。

Claims (4)

  1. 冷凍サイクルの蒸発器または凝縮器に用いられ2列の伝熱管を重ねて口の字状に形成された熱交換器を有し、前記口の字形状の略中心に配置された遠心型送風機により中央から室内空気を吸い込み、放射方向に吹き出す4方向吹出天井埋込タイプの室内機において、
    前記冷凍サイクルの作動流体は2種類以上の非塩素系フルオロカーボンを混合してなる冷媒とし、
    2列の前記伝熱管のうち一方が接続された液冷媒側分配器と、他方が接続されたガス冷媒側分配器と、
    伝熱管の外部で管軸方向に垂直に構成され前記遠心型送風機の周囲を取り巻くようにむだなく配置されたフィンと、
    を備え、前記伝熱管による前記冷媒を分配する多段のパスのそれぞれは前記熱交換器の長さ方向の1往復分で1パスとされて前記2列のフィンを通過し、1パスとされてから前記伝熱管は曲げ加工によって口の字状に形成されることを特徴とする室内機。
  2. 請求項1に記載のものにおいて、空気の流れる方向に対して上流側の前記フィンに組み立てられた伝熱管を液冷媒側分配器に接続し、下流側の前記フィンに組み立てられた伝熱管をガス冷媒側分配器に接続したことを特徴とする室内機。
  3. 請求項1に記載のものにおいて、前記伝熱管の曲げ加工後に両端部が同一となるように、予め外周側の前記伝熱管が長くされたことを特徴とする室内機。
  4. 請求項1に記載のものにおいて、2列の前記伝熱管を冷媒が通過するように前記伝熱管の同一段が接続されたパスを備えたことを特徴とする室内機。
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