JP2004278383A - ガスエンジンの制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ガスエンジンの調速制御において、幅広い回転域での運転を実現する技術を提案するものであり、特に、低速回転領域の高負荷領域での安定した運転を実現する調速制御を行うための技術を提案する。
【解決手段】ガスエンジンの制御装置であって、動力負荷を検知する手段と、エンジン回転数を検知する手段と、空燃比を検知する手段と、コントローラを有し、エンジン回転数の調速制御を行う際に、予め記憶された制御マップ34に基づき、動力負荷D、回転数N及び空燃比Gに対応する制御ゲインKp4を決定するとともに、前記制御ゲインKp4を動力負荷、エンジン回転数及び空燃比に応じて変更させることにより、ガスエンジンの調速制御を行う。
【選択図】 図10
【解決手段】ガスエンジンの制御装置であって、動力負荷を検知する手段と、エンジン回転数を検知する手段と、空燃比を検知する手段と、コントローラを有し、エンジン回転数の調速制御を行う際に、予め記憶された制御マップ34に基づき、動力負荷D、回転数N及び空燃比Gに対応する制御ゲインKp4を決定するとともに、前記制御ゲインKp4を動力負荷、エンジン回転数及び空燃比に応じて変更させることにより、ガスエンジンの調速制御を行う。
【選択図】 図10
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガスエンジンの制御装置に関するものであり、より詳しくは、低速回転・高負荷領域での安定した運転を行うためのエンジン回転数の調速制御に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のガスヒートポンプでは、ガスエンジンによってコンプレッサを駆動する動力負荷に応じて、ガスエンジンの回転数を制御、即ち、調速制御するようにしている。
このガスエンジンの調速制御には、前記動力負荷に応じたスロットル弁の開度調整にて行なわれる制御があり、この制御によって、図14のグラフに示すごとく、例えば、設定回転数800〜2800(rpm)といった範囲でガスエンジンを安定して運転させるようにしている。
また、この回転数制御は、図15に示すブロック線図のごとく、前記動力負荷から決定されるエンジンの目標回転数を目標値Xとし、該目標値Xに対し、出力値Yである実際の回転数をフィードバックさせて回転偏差Uを求め、該回転偏差Uの関数値に制御ゲインKpを掛け、スロットル弁駆動モータ等の操作部の指令値Zを算出してスロットル弁の開度を変更し、エンジンの回転数を目標値に近づけるように制御している。
そして、前記指令値Zは、
〔指令値Z:制御ゲインKp(固定値)×f(回転偏差U)〕
により求めるものとし、また、制御ゲインKpは、ガスエンジンの運転状況、即ち、伝達関数Knに関係なく固定とされていた。ここで、f(回転偏差U)は、回転偏差Uを変数とする関数である。
【0003】
上述した図15に示すブロック線図の構成では、図16に示すごとく、横軸を動力負荷、縦軸をスロットル弁開度として各回転数ごとにプロットした場合には、負荷が増加するに従って傾きが増加する傾向が示される。つまり、エンジン回転数を一定に制御しようとする場合では、低負荷領域Lと比較して、高負荷領域Hであるほどスロットル弁開度の負荷変動に対する変化の割合が大きくなる(高負荷領域Hの傾斜は低負荷領域Lより大きい)のである。このことから、高負荷領域Hで回転数を一定に保つためには、僅かな負荷変化に対しても、スロットル弁開度を大きく調整する必要があることがわかる。そして、この傾向は、低速回転領域である(回転数が低い)ものほど顕著であるといえる。
また、図17では、回転数変化量をスロットル弁開度変化量で割って求まる値を回転数変化率として、負荷に対する回転数変化率の特性曲線を示すものであり、高負荷領域Hでは当該回転数変化率が低くなる傾向があることがわかる。このことから、高負荷領域Hでの負荷変動に対する回転数の追従(一定回転数の維持)には、スロットル弁開度を大きく調整する必要があることがわかる。
そして、これらの傾向、及び、制御ゲインKpが固定値であるということから、ガスエンジンにおける伝達関数Kn(図15)は、負荷及び回転数によって変動するということがわかる。
【0004】
他方、ガスエンジンの調速制御に関連する技術として、発電機を駆動するガスエンジンの制御装置の構成であって、無負荷時から定格負荷時までの全体のエンジン回転変動を4〜6%に収まるようにフィードバック制御系の比例要素の制御ゲイン(固定値)を設定し、発電機の発生電圧及びその周波数の復元性の改善を図るものが周知となっている(例えば、特許文献1参照。)。
この技術では、どのような負荷に対しても、一定の回転数にてガスエンジンを駆動させることにより、安定した発電電力を発生させることを目的とするものである。
【0005】
また、同じくガスエンジンの調速制御に関連する技術として、ガス機関の空燃比制御装置の構成であって、ガス機関の目標回転数と実際の回転数との偏差を決定するとともに、予め設定された制御マップに基づいて前記偏差に対応するスロットル弁、又は燃料制御弁の開度を制御する補整手段を備え、NOx量の軽減を図るものが周知となっている(例えば、特許文献2参照。)。
この技術では、スロットル弁、又は燃料制御弁の開度の制御においては、ガス機関の回転数のみをパラメータとして用い、Nox量の軽減、エンスト回避制御を行っている。
【0006】
また、前記スロットル弁によるガスエンジンの調速制御に関連する技術として、特に自動車用エンジンのスロットル弁の制御装置の構成であって、スロットル弁の制御に使用する制御式の制御ゲインを可変とするものが周知となっている(例えば、特許文献3参照。)。
この技術では、スロットル弁の回動位置と、アクセルペダルの踏込量をそれぞれセンサで検出するとともに、二つの検出値に基づいて、即ち、二つのパラメータに基づいて一つの制御ゲインを求め、該制御ゲインによってスロットル弁の開度を制御するものであり、これにより、前記スロットル弁を操作するアクチュエータに異常が発生した場合であっても充分なフェイルセイフ機能を付与させることを目的としている。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−317393号公報
【特許文献2】
特開平6−341335号公報
【特許文献3】
特開平6−299871号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述した図16及び図17で示される傾向からわかるように、高負荷領域Hでは、負荷変動に対するスロットル弁開度の大きな調整が必要となる。
しかし、前記ブロック線図(図15)のごとく、制御ゲインKpを固定値とする場合では、全負荷領域において回転偏差Uの関数に対する指令値Zが一律に算出される。つまり、負荷の高低にかかわらず、回転偏差Uの関数が同一であれば、同一の指令値Zが算出されるものであった。
このため、本来高負荷領域Hであれば、スロットル弁の開度を大きく調整する必要があるところ、その開度調整が足りない、つまりは、スロットル弁の開度調整が負荷変動に追従できず、制御が不安定となり、エンジン回転数のハンチングが生じる可能性があった。また、図16からもわかるように、低速回転ではより大きな開度調整が必要となることから、エンジン回転数のハンチングが発生する可能性はより大きいものであった。
このような傾向から、図14に示すごとく、低速回転領域(この例では700rpm)であって、かつ、高負荷領域での運転である場合には、ハンチング発生の可能性のある不安定領域Mでの運転となり、この不安定領域Mでの運転を避けるべく、設定回転数の下限(この例では800rpm)が設定されていたものである。このように、ハンチング発生の点から設定回転数には制限があったのである。
【0009】
さらに、負荷、設定回転数の他、空燃比の変化によってもハンチング発生が確認されている。図18は、スロットル弁の開度を一定とした場合において、空燃比が大きくなるほど(燃料リーンとなるほど)、エンジン回転数変化率が減少する傾向を示しており、これにより、スロットル弁の開度調整の負荷変動に対する追従性が低下することがわかる。この原因として、空燃比が大きくなると、スロットル弁の開度変化に対する燃料流量の変化の割合が小さくなることが考えられる。
また、図19では、時間T1までは、空燃比が小さくなる(燃料リッチとなる)ことがあっても、スロットル弁の開度が安定して追従する傾向が見られるが、時間T1において、何らかの外乱により、空燃比を想定外に小さくさせる制御指令がされると、混合気量の極度の微調整を行う必要が生じ、スロットル弁の開度調整が過敏となり、これによってエンジン回転数のハンチングが発生することを示している。
これらの傾向、及び、上述した制御ゲインKpが固定値であるということから、ガスエンジンにおける伝達関数Kn(図15)は、負荷及び回転数のみならず空燃比によって変動するということがわかる。このことから、安定したエンジン回転数の調速制御を行うためには、空燃比の変化に着目することが必要であるといえる。
【0010】
そして、ガスエンジンにおいては、負荷・エンジン回転数・空燃比の影響によってハンチングが発生するといった問題があるが、室内機が数多く接続されるガスヒートポンプでは、少数の室内機による空調を想定した場合の省エネルギー運転の観点から、設定回転数の低速側への領域拡大、つまりは、低速回転領域であって、かつ、高負荷領域での安定した運転が望まれており、上述したハンチング発生の問題の解決が技術的な課題となっている。
【0011】
他方、上記の特許文献1で示されるところの従来技術では、無負荷時から定格負荷時までの全体のエンジン回転変動(エンジン回転数の変動)を少なくすることを課題としており、各負荷におけるエンジン回転数の変動、つまりは、高負荷領域のみを見た場合におけるエンジン回転数の変動(ハンチング)の発生を防止することは課題としていない。
【0012】
また、特許文献2で示されるところの従来技術では、予め設定された制御マップに基づいたエンジン回転数の調速制御を行うものであるが、調速制御においては、ガス機関の回転数のみをパラメータとして用いているに過ぎず、上述した動力負荷や、空燃比を検出した上での制御を行うものではない。
【0013】
さらに、特許文献3で示されるところの従来技術では、スロットル弁の制御に使用する制御式の制御ゲインを可変とするものであるが、確実なフェイルセイフ機能の付与を課題としており、上記と同様、エンジン回転数の変動(ハンチング)の発生を防止することは課題としていない。
【0014】
そこで、本発明は、上記の技術的な課題に鑑み、ガスヒートポンプに備えるガスエンジンの調速制御において、幅広い回転域での運転を実現する技術を提案するものであり、より具体的には、前記負荷・エンジン回転数・空燃比の要因によって変化するガスエンジンの伝達関数Kn(図15)の変化を、制御ゲインKpを変化させることにより、全体としての伝達係数Kp×Knを一定に保つことにより、前記要因によらず、常に安定した運転が実現される調速制御のための技術を提案するものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上のごとくであり、次に該課題を解決する為の手段を説明する。
即ち、請求項1に記載のごとく、ガスエンジンの制御装置であって、
前記制御装置は、動力負荷を検知する手段と、コントローラを有し、
前記コントローラには、動力負荷に対応するエンジン回転数制御の制御ゲインを決定する制御マップが記憶され、
前記コントローラは、エンジン出力回転数の調速制御を行う際に、前記制御マップに基づき、前記制御ゲインを動力負荷に応じて変更させることである。
【0016】
また、請求項2に記載のごとく、ガスエンジンの制御装置であって、
前記制御装置は、動力負荷を検知する手段と、エンジン回転数を検知する手段と、コントローラを有し、
前記コントローラには、動力負荷及びエンジン回転数に対応するエンジン回転数制御の制御ゲインを決定する制御マップが記憶され、
前記コントローラは、エンジン出力回転数の調速制御を行う際に、前記制御マップに基づき、前記制御ゲインを動力負荷及びエンジン回転数に応じて変更させることである。
【0017】
また、請求項3に記載のごとく、ガスエンジンの制御装置であって、
前記制御装置は、空燃比を検知する手段と、コントローラを有し、
前記コントローラには、空燃比に対応するエンジン出力回転数制御の制御ゲインを決定する制御マップが記憶され、
前記コントローラは、エンジン出力回転数の調速制御を行う際に、前記制御マップに基づき、前記制御ゲインを空燃比に応じて変更させることである。
【0018】
また、請求項4に記載のごとく、ガスエンジンの制御装置であって、
前記制御装置は、動力負荷を検知する手段と、エンジン回転数を検知する手段と、空燃比を検知する手段と、コントローラを有し、
前記コントローラには、動力負荷、エンジン回転数及び空燃比に対応するエンジン出力回転数制御の制御ゲインを決定する制御マップが記憶され、
前記コントローラは、エンジン出力回転数の調速制御を行う際に、前記制御マップに基づき、前記制御ゲインを動力負荷、エンジン回転数及び空燃比に応じて変更させることである。
【0019】
また、請求項5に記載のごとく、ガスエンジンの制御装置であって、
前記制御装置は、スロットル弁の開度を検知する手段と、コントローラを有し、
前記コントローラには、スロットル弁の開度に対応するエンジン出力回転数制御の制御ゲインを決定する制御マップが記憶され、
前記コントローラは、エンジン出力回転数の調速制御を行う際に、前記制御マップに基づき、前記制御ゲインをスロットル弁の開度に応じて変更させることである。
【0020】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
図1は本発明を適用する装置構成の一実施例を示す図、図2は同じく調速制御に関する装置のブロック図、図3は第一の実施形態のブロック線図、図4は第一の実施形態の制御マップ、図5は第二の実施形態の制御マップ、図6は第二の実施形態のブロック線図、図7は第三の実施形態の制御マップ、図8は第三の実施形態のブロック線図、図9は第四の実施形態の制御マップ、図10は第四の実施形態のブロック線図、図11は第五の実施形態の制御マップ、図12の(a)は、空燃比の変化に対するスロットル弁開度の変化の傾向を示す図、図12の(b)は、動力負荷の変化に対するスロットル弁開度の変化の傾向を示す図、図13は第五の実施形態のブロック線図、図14はガスエンジンにおける運転領域の概念を示す図、図15はガスエンジンの従来の調速制御の構成を示すブロック線図、図16は動力負荷の変化に対するスロットル弁開度の変化の挙動を示す図、図17は動力負荷の変化に対するエンジン回転数変化率の変化の挙動を示す図、図18は空燃比の変化に対するエンジン回転数変化率の変化の挙動を示す図、図19は空燃比の変化によりエンジン回転数のハンチングが発生することを示すグラフである。
【0021】
図1は、本発明を適用する装置構成の一実施例を示すものであり、1はガスエンジン、2はシリンダヘッド、3はミキサー、4はコントローラ、5はスロットル弁、6はスロットル弁駆動モータ、7はガスを一定の圧力で供給するゼロガバナー、8は空燃比制御弁、9は空燃比制御弁駆動モータである。
また、10は空燃比センサ(UEGOセンサ)、11はクランク軸端円盤、12はその回転数を検知するための電磁ピックアップ、13はカム軸端円盤、14はその回転数を検知するための電磁ピックアップ、15は排気ガス熱交換器である。
また、16は外気温度センサ、17はセルモータである。
また、22は前記スロットル弁5の実際の開度を検知するためのスロットル弁開度センサである。
【0022】
そして、図2に示すごとく、前記コントローラ4には、スロットル弁駆動モータ6、空燃比制御弁駆動モータ9、空燃比センサ10、クランク軸端円盤11の回転数を検出する電磁ピックアップ12、カム軸端円盤の回転数を検出する電磁ピックアップ14、外気温度センサ16、セルモータ17、及びスロットル弁開度センサ22がそれぞれ接続されている。
【0023】
また、本発明は、ガスエンジン1によりコンプレッサを駆動するガスヒートポンプや、発電機を駆動するガスコージェネ等に適用されるものである。
図2で示される構成は、ガスヒートポンプに適用した場合を想定したものであり、コンプレッサ20への冷媒の吸入圧力を検知するための吸入圧力センサ18と、コンプレッサ20からの冷媒の吐出圧力を検知するための吐出圧力センサ19の検出値がコントローラ4に入力される。該コントローラ4は、両センサ18・19の検出値の圧力差からガスエンジン1に要求される空調負荷(コンプレッサ20の負荷)、つまり動力負荷を算出する。一方、稼動室内機容量検出部21より、室内機の運転容量がコントローラ4に入力され、コントローラ4により目標回転数が算出される。尚、ガスコージェネに適用する場合は、室内機の運転容量を基に目標回転数を算出する代わりに、発電機負荷を基に目標回転数を算出するものである。
【0024】
そして、以上の装置構成により図3のブロック線図に示されるエンジン回転数の制御構成を構築するものであり、コントローラ4が算出したエンジンの目標回転数を目標値Xとして、出力値Yである実際の回転数をフィードバックさせて回転偏差Uを求め、該回転偏差Uの関数に制御ゲインKp1を掛けた値がスロットル弁5の開度(deg.)の指令値Zとして出力され、スロットル弁駆動モータ6の動作によりスロットル弁5が開閉制御され、ガスエンジン1の回転数が制御される。また、電磁ピックアップ12は、ガスエンジン1のクランク軸端円盤11の回転数を検出し、エンジンの回転数を出力値Yとして出力し、該出力値Yがフィードバックされるものである。
この制御装置では、電磁ピックアップ12を検出部、コントローラ4を調節部、スロットル弁駆動モータ6を操作部とし、スロットル弁5の開度(deg.)の操作量に応じて前記クランク軸端円盤11の回転数(ガスエンジン1の回転数)の制御量が決定されるようにしている。
また、前記コントローラ4には、前記回転偏差に対するスロットル弁5の制御量を決定する制御マップ31が記憶されている他、制御用の諸データが記憶されている。
【0025】
以上の構成で、本発明にかかるガスエンジンの制御装置が構築されるものであり、該制御装置は、エンジンの回転数を検知する手段としての電磁ピックアップ12(電磁ピックアップ14)と、スロットル弁の開度を検知する手段としてのスロットル弁開度センサ22と、動力負荷を検知する手段としての吸入圧力センサ18・吐出圧力センサ19と、スロットル弁の開度を変更する手段としてのスロットル弁駆動モータ6と、空燃比を検知する手段としての空燃比センサー10と、目標エンジン回転数決定のための室内機運転容量検知手段としての稼動室内機容量検出部21と、コントローラ4を有している。そして、該ガスエンジンの制御装置において、ガスエンジン1のエンジン回転数の調速制御を行う際に、本発明では、以下に述べる制御マップに基づいた制御を行うものである。
(1)第一の実施形態
本実施形態では、図4に示すごとく、エンジン回転数の調速制御の際に、予め記憶された制御マップ31に基づいて、動力負荷Dに対応する制御ゲインKp1を決定するとともに、前記制御ゲインKp1を動力負荷Dに応じて変更させるものである。
換言すれば、ガスエンジンの制御装置であるコントローラ4には、動力負荷Dをパラメータとしてエンジン回転数制御の制御ゲインKp1を決定する制御マップ31が記憶され、前記制御マップ31における制御ゲインKp1は、動力負荷Dのパラメータ毎に異なる値とするものである。
さらに、前記制御マップ31は、動力負荷Dのパラメータが大きいほど、制御ゲインKp1が大きくなるマッピング(マップ)としているものである。
尚、動力負荷Dは、前記回転数指令部21によって求められるものである。
【0026】
図4に示すごとく、本実施形態の制御マップ31は、横軸の動力負荷Dをパラメータとし、縦軸に各パラメータに対応する制御ゲインKp1をプロットした線F1で描かれるものである。
該線F1は、動力負荷Dが大きいほど、より大きな値の制御ゲインKp1が決定されるマップに構成されるものであり、特に、高負荷領域における制御ゲインKp1を大きくして、高負荷領域における前記指令値Zの変化量を大きくし、これにより、スロットル弁駆動モータ6の操作量を大きくし、スロットル弁5の開度の調整が大きく行われるようにしている。
一方、低負荷領域においては、スロットル弁5の大きな開度調整が必要とされないことから、負荷変動に対する制御ゲインKp1を小さくするようにして、スロットル弁5の開度の調整が大きく行われないようにしている。
尚、線F1については、折れ線とする他、曲線であっても良く、屈曲点(D2・D3)の数なども特に限定されるものではない。
そして、以上の制御マップ31を用い、図3に示すブロック線図のごとく、動力負荷Dに応じて変更される制御ゲインKp1を回転偏差Uの関数に掛けることで、動力負荷Dに個別に対応するスロットル弁駆動モータ6の指令値Zが出力され、スロットル弁駆動モータ6がスロットル弁5の開度を変更し、制御量であるエンジン回転数を目標値Xに合致させる調速制御を行うものである。
【0027】
以上の第一の実施形態の制御によれば、高負荷領域では制御ゲインKp1が大きく設定され、これにより、指令値Zも大きく変化して、スロットル弁5の開度はスロットル弁駆動モータ6により大きく調整されることになる。このように、高負荷領域では、スロットル弁5の開度が大きく調整されるため、高負荷領域における負荷変動に対するスロットル弁5の開度調整の追従性が改善し、高負荷領域におけるエンジン回転数のハンチングの発生を防止することができる。そして、この制御によれば、低速回転における高負荷領域での安定した運転が実現可能となり、低速側への設定回転数の拡大が図られ、特に、ガスヒートポンプにおいては、低速回転領域での無駄のない省エネルギー運転を実現することができる。一方、低負荷領域では、負荷に対する制御ゲインKp1が小さいため、スロットル弁5の開度が負荷変動に過敏に変動することもなく、エンジン回転数のハンチングの発生を防止することができる。
そして、以上のように、制御マップ31は、動力負荷Dのパラメータが大きいほど、制御ゲインKp1が大きくなるマッピングとしているので、各負荷領域においてハンチングの防止の観点からの最適な制御ゲインKp1の設定が行われ、全負荷領域において、安定した調速制御を行うことができる。
【0028】
(2)第二の実施形態
本実施形態では、図5に示すごとく、エンジン回転数の調速制御の際に、予め記憶された制御マップ32に基づいて、動力負荷D及び設定回転数Nに対応する制御ゲインKp2を決定するとともに、前記制御ゲインKp2を動力負荷D及び設定回転数Nに応じて変更させるものである。
換言すれば、ガスエンジンの制御装置であるコントローラ4には、動力負荷D及び設定回転数Nをパラメータとしてエンジン回転数制御の制御ゲインKp2を決定する制御マップ32が記憶され、前記制御マップ32における制御ゲインKp2は、動力負荷D及び設定回転数Nのパラメータ毎に異なる値とするものである。
さらに、前記制御マップ32は、動力負荷Dのパラメータが大きいほど、また、設定回転数Nのパラメータが小さいほど、制御ゲインKp2が大きくなるマッピングとしているものである。
【0029】
図5に示すごとく、本実施形態の制御マップ32は、横軸を設定回転数N、縦軸を動力負荷Dとし、全運転領域を、低制御ゲイン領域Ka1、中制御ゲイン領域Ka2、高制御ゲイン領域Ka3の三領域に区画してマッピングされるものであり、いずれか一の領域内に設定回転数N及び動力負荷Dのパラメータが存在する場合に、当該一の領域の制御ゲインを制御式に用いるものである。
この制御マップ32における領域Ka1〜Ka3においては、低制御ゲイン領域Ka1、中制御ゲイン領域Ka2、高制御ゲイン領域Ka3となるにしたがって値を大きくするものである。尚、各領域内においては、一つの値の制御ゲイン(固定値)が設定されるものでもよいし、領域Ka1から領域Ka3になるにしたがって段階的、もしくは、連続的に値が大きくなるように設定されるものでもよく、特に限定されるものではない。
このように、制御マップ32は、動力負荷Dが大きく、かつ、設定回転数Nが小さいほど、より大きな値の制御ゲインKp2が決定されるマップに構成されるものであり、特に、高負荷であって、かつ、低速回転における制御ゲインKp2を大きくして、高負荷・低速回転領域における前記指令値Zの変化量を大きくし、これにより、スロットル弁駆動モータ6の操作量を大きくし、スロットル弁5の開度の調整が大きく行われるようにしている。
一方、図16の線図に示されるごとく、低負荷においては線図の傾きは小さく、また、高負荷であっても高速回転のもの(例えば、1400rpm)であれば線図の傾きが低速回転のもの(例えば、800rpm)と比較して小さい傾向があることがわかる。このため、低負荷、又は高速回転である場合には、スロットル弁5の大きな開度調整が必要とされないため、負荷に対する制御ゲインKp2を小さくするようにして、スロットル弁5の開度の調整が大きく行われないようにしている。
そして、以上の制御マップ32を用い、図6に示すブロック線図のごとく、動力負荷D及び設定回転数Nに応じて変更される制御ゲインKp2を回転偏差Uの関数に掛けることで、動力負荷D及び設定回転数Nの変動に対応するスロットル弁駆動モータ6の指令値Zが出力され、スロットル弁駆動モータ6がスロットル弁5の開度を変更し、制御量であるエンジン回転数を目標値Xに合致させる調速制御を行うものである。
【0030】
以上の第二の実施形態の制御によれば、動力負荷Dが大きく、かつ、設定回転数Nが小さい場合では制御ゲインKp2が大きく設定され、これにより、指令値Zも大きく変化して、スロットル弁5の開度はスロットル弁駆動モータ6により大きく調整されることになる。このように、低速回転において高負荷となる場合では、スロットル弁5の開度が大きく調整されるため、負荷変動に対するスロットル弁5の開度調整の追従性が改善し、低速回転・高負荷領域におけるエンジン回転数のハンチングの発生を防止することができる。そして、この制御によれば、低速回転における高負荷領域での安定した運転が実現可能となり、低速側への設定回転数の拡大が図られ、特に、ガスヒートポンプにおいては、低速回転領域での無駄のない省エネルギー運転を実現することができる。
一方、低負荷領域、又は、高速回転では、負荷に対する制御ゲインKp2が小さいため、スロットル弁5の開度が負荷変動に過敏に変動することもなく、エンジン回転数のハンチングの発生を防止することができる。
そして、以上のように、制御マップ32は、動力負荷Dのパラメータが大きいほど、また、設定回転数Nのパラメータが小さいほど、制御ゲインKp2が大きくなるマッピングとしているので、各負荷領域、及び各設定回転数においてハンチングの防止の観点からの最適な制御ゲインKp2の設定が行われ、全負荷領域、及び全設定回転数において、安定した調速制御を行うことができる。
【0031】
(3)第三の実施形態
本実施形態では、図7に示すごとく、エンジン回転数の調速制御の際に、予め記憶された制御マップ33に基づいて、前記空燃比センサ10で検出された空燃比Gに対応する制御ゲインKp3を決定するとともに、前記制御ゲインKp3を空燃比Gに応じて変更させるものである。
換言すれば、ガスエンジンの制御装置であるコントローラ4には、空燃比Gをパラメータとしてエンジン回転数制御の制御ゲインKp3を決定する制御マップ33が記憶され、前記制御マップ33における制御ゲインKp3は、空燃比Gのパラメータ毎に異なる値とするものである。
さらに、前記制御マップ33は、空燃比Gのパラメータが大きいほど、制御ゲインKp3が大きくなるマッピングとしているものである。
【0032】
図7に示すごとく、本実施形態の制御マップ33は、横軸の空燃比Gをパラメータとし、縦軸に各パラメータに対応する制御ゲインKp3をプロットした線F3で描かれるものである。
該線F3は、空燃比Gが大きいほど、より大きな値の制御ゲインKp3が決定されるマップに構成されるものであり、特に、空燃比Gが大きい場合における制御ゲインKp3を大きくして、空燃比Gが大きい場合における前記指令値Zの変化量を大きくし、これにより、スロットル弁駆動モータ6の操作量を大きくし、スロットル弁5の開度の調整が大きく行われるようにしている。
一方、空燃比Gが小さい場合においては、スロットル弁の開度変化に対する燃料流量の変化の割合が大きくなるため、スロットル弁5の開度調整の負荷変動に対して良好な追従性が得られるものである。このように、スロットル弁5の大きな開度調整は必要とされないことから、負荷に対する制御ゲインKp3を小さくするようにして、スロットル弁5の開度の調整が大きく行われないようにしている。
また、図7に示されるごとく、線F3は、エンジン回転数変化率の特性曲線FEの変化の傾向を相殺するようにマッピングすることで、エンジン回転数のハンチングを防止するようにしている。尚、該線F3については、折れ線とする他、曲線であっても良く、屈曲点(G2・G3)の数なども特に限定されるものではない。
そして、以上の制御マップ33を用い、図8に示すブロック線図のごとく、空燃比センサ10によって検出される空燃比Gに応じて変更される制御ゲインKp3を回転偏差Uの関数に掛けることで、空燃比Gに個別に対応するスロットル弁駆動モータ6の指令値Zが出力され、スロットル弁駆動モータ6がスロットル弁5の開度を変更し、制御量であるエンジン回転数を目標値Xに合致させる調速制御を行うものである。
【0033】
以上の第三の実施形態の制御によれば、空燃比Gが大きい場合では制御ゲインKp3が大きく設定され、これにより、指令値Zも大きく変化して、スロットル弁5の開度はスロットル弁駆動モータ6により大きく調整されることになる。このように、空燃比Gが大きい場合では、スロットル弁5の開度が大きく調整されるため、空燃比Gが大きい場合における回転偏差Uに対するスロットル弁5の開度調整の追従性が改善する、つまり、空燃比Gが大きい場合でのエンジン回転数変化率の低下により前記追従性が悪化するという悪影響をなくすことにより、空燃比Gが大きい場合における回転数制御の追従性の向上、即ち、エンジン回転数のハンチングの発生を防止することができる。
一方、低負荷領域では、空燃比Gに対する制御ゲインKp3が小さいため、空燃比Gが小さい場合において、エンジン回転数変化率の増加によりハンチングが発生するという悪影響をなくすことにより、空燃比が小さい場合におけるハンチングの発生を防止することができる。
そして、以上のように、制御マップ33は、空燃比Gのパラメータが大きいほど、制御ゲインKp3が大きくなるマッピングとしており、空燃比Gの状況に応じてハンチングの防止の観点からの最適な制御ゲインKp3の設定が行われ、空燃比Gの変化の影響によらず、安定した調速制御を行うことができる。
【0034】
(4)第四の実施形態
本実施形態では、図9に示すごとく、エンジン回転数の調速制御の際に、予め記憶された制御マップ34に基づいて、動力負荷D、設定回転数N、及び空燃比Gに対応する制御ゲインKp4を決定するとともに、前記制御ゲインKp4を動力負荷D、設定回転数N、及び空燃比Gに応じて変更させるものである。
換言すれば、ガスエンジンの制御装置であるコントローラ4には、動力負荷D、設定回転数N、及び空燃比Gをパラメータとしてエンジン回転数制御の制御ゲインKp4を決定する制御マップ34が記憶され、前記制御マップ34における制御ゲインKp4は、動力負荷D、設定回転数N、及び空燃比Gのパラメータ毎に異なる値とするものである。
さらに、前記制御マップ34は、動力負荷Dのパラメータが大きいほど、設定回転数Nのパラメータが小さいほど、また、空燃比Gが大きいほど、制御ゲインKp4が大きくなるマッピングとしているものである。
【0035】
図9に示すごとく、本実施形態の制御マップ34は、横軸を設定回転数N、縦軸を動力負荷D、高さ軸を空燃比Gとし、全運転領域を、最低制御ゲイン領域Kb1〜最高制御ゲイン領域Kb5の5領域に区画してマッピングされるものであり、いずれか一の領域内に設定回転数N及び動力負荷Dのパラメータが存在する場合に、当該一の領域の制御ゲインを制御式に用いるものである。
この制御マップ34における領域Kb1〜Kb5においては、対応レベル44に示されるごとく、低制御ゲイン領域Kb1から最高制御ゲイン領域Kb5となるにしたがって値を大きくするものである。尚、各領域内においては、一つの値の制御ゲイン(固定値)が設定されるものでもよいし、領域Kb1からKb5になるにしたがって段階的、もしくは、連続的に値が大きくなるように設定されるものでもよく、特に限定されるものではない。
このように、制御マップ34は、動力負荷Dが大きく、設定回転数Nが小さい、さらに、空燃比Gが大きいほど、より大きな値の制御ゲインKp4が決定されるマップに構成されるものであり、高負荷、低速回転、高空燃比における制御ゲインKp4を大きくするようにしている。これにより、高負荷・低速回転領域において、高空燃比となった場合では、前記指令値Zの変化量を大きくし、これにより、スロットル弁駆動モータ6の操作量を大きくし、スロットル弁5の開度の調整が大きく行われるようにしている。
一方、逆に、制御マップ34は、動力負荷Dが小さく、設定回転数Nが大きく、さらに、空燃比Gが小さいほど、より小さな値の制御ゲインKp4が決定されるマップに構成されるものであり、低負荷、高速回転、低空燃比における制御ゲインKp4を小さくするようにしている。これにより、低負荷・高速回転において、低空燃比となった場合では、前記指令値Zの変化量を小さくし、これにより、スロットル弁駆動モータ6の操作量を小さくし、スロットル弁5の開度の調整が大きく行われないようにしている。
そして、以上の制御マップ34を用い、図10に示すブロック線図のごとく、動力負荷D、設定回転数N及び空燃比Gに応じて変更される制御ゲインKp4を回転偏差Uの関数に掛けることで、動力負荷D、設定回転数N、及び空燃比Gの変動に対応するスロットル弁駆動モータ6の指令値Zが出力され、スロットル弁駆動モータ6がスロットル弁5の開度を変更し、制御量であるエンジン回転数を目標値Xに合致させる調速制御を行うものである。
【0036】
以上の第四の実施形態の制御マップ34は、上述した第一、第二、第三の実施形態において使用される三種の制御マップ31・32・33で使用されるパラメータの全てが使用されるものである。即ち、各制御マップ31・32・33の単独での効果が呈されるとともに、これらを相関付けての制御を行うものである。このように、本実施形態の制御マップ34によって、負荷、設定回転数に加え、空燃比の変化によっても発生し得るハンチングの防止が図られ、安定した調速制御が実現されるものである。
【0037】
(5)第五の実施形態
本実施形態では、図11に示すごとく、エンジン回転数の調速制御の際に、予め記憶された制御マップ35に基づいて、スロットル弁開度センサ22により検出されたスロットル弁開度Sに対応する制御ゲインKp5を決定するとともに、前記制御ゲインKp5をスロットル弁開度Sに応じて変更させるものである。
換言すれば、ガスエンジンの制御装置であるコントローラ4には、スロットル弁開度Sをパラメータとしてエンジン回転数制御の制御ゲインKp5を決定する制御マップ35が記憶され、前記制御マップ35における制御ゲインKp5は、スロットル弁開度Sのパラメータ毎に異なる値とするものである。
さらに、前記制御マップ35は、スロットル弁開度Sのパラメータが大きいほど、制御ゲインKp5が大きくなるマッピングとしているものである。
【0038】
本実施形態の詳細の説明の前に、先ず、スロットル弁開度Sの変化の傾向として、図12の(a)に示すごとく、同一負荷・同一回転数の設定では、スロットル弁開度Sは空燃比Gの変化に追従する傾向があり、また、図12の(b)に示すごとく、同一回転数・同一空燃比の設定では、スロットル弁開度Sは動力負荷Dの変化に追従する傾向があることが確認されている。また、スロットル弁開度Sは、エンジン回転数変化率の特性曲線FEの変化と逆の傾向を示すことが確認されている。
そこで、本実施形態では、これらの追従性に着目し、空燃比G及び動力負荷Dの値によって制御ゲインを決定するところを、スロットル弁開度Sの値により空燃比G及び動力負荷Dの値を代表して制御ゲインKp5を決定するようにして、調速制御の構成をシンプルにしようとするものである。
尚、このスロットル弁開度Sの検出は、前記スロットル弁開度センサ22で行うものの他、スロットル弁駆動モータ6の電圧値より算出するものでもよい。或いは、コントローラ4のスロットル弁5の開度指令値を利用して、コントローラ4で判定する構成でもよい。
【0039】
図11に示すごとく、本実施形態の制御マップ35は、横軸のスロットル弁開度Sをパラメータとし、縦軸に各パラメータに対応する制御ゲインKp5をプロットした線F5で描かれるものである。
該線F5は、スロットル弁開度Sが大きいほど、より大きな値の制御ゲインKp5が決定されるマップに構成されるものであり、特に、スロットル弁開度Sが大きい場合における制御ゲインKp5を大きくして、スロットル弁開度Sが大きい場合における前記指令値Zの変化量を大きくし、これにより、スロットル弁駆動モータ6の操作量を大きくし、スロットル弁5の開度の調整が大きく行われるようにしている。
一方、スロットル弁開度Sが小さい場合においては、スロットル弁の開度変化に対する燃料流量の変化の割合が大きくなるため、スロットル弁5の開度調整の負荷変動に対して良好な追従性が得られるものである。このように、スロットル弁5の大きな開度調整は必要とされないことから、負荷に対する制御ゲインKp5を小さくするようにして、スロットル弁5の開度の調整が大きく行われないようにしている。
また、スロットル弁開度Sは、エンジン回転数変化率の特性曲線FEの変化と逆の傾向を示すことから、エンジン回転数変化率の特性曲線FEの変化の傾向を相殺するようにマッピングすることで、エンジン回転数のハンチングを防止するようにしている。
そして、以上の制御マップ35を用い、図13に示すブロック線図のごとく、スロットル弁開度センサ22によって検出されるスロットル弁開度Sに応じて変更される制御ゲインKp5を前記回転偏差Uの関数に掛けることで、スロットル弁開度Sに個別に対応するスロットル弁駆動モータ6の指令値Zが出力され、スロットル弁駆動モータ6がスロットル弁5の開度を変更し、制御量であるエンジン回転数を目標値Xに合致させる調速制御を行うものである。
【0040】
以上の第五の実施形態の制御によれば、スロットル弁開度Sが大きい場合では制御ゲインKp5が大きく設定され、これにより、指令値Zも大きく変化して、スロットル弁5の開度はスロットル弁駆動モータ6により大きく調整されることになる。このように、スロットル弁開度Sが大きい場合では、スロットル弁5の開度が大きく調整されるため、空燃比G又は動力負荷Dが大きい場合における回転偏差Uに対するスロットル弁5の開度調整の追従性が改善する、つまり、空燃比G又は動力負荷Dが大きい場合でのエンジン回転数変化率の低下により前記追従性が悪化するという悪影響をなくすことにより、空燃比G又は動力負荷Dが大きい場合における回転数制御の追従性の向上、即ち、エンジン回転数のハンチングの発生を防止することができる。
一方、低負荷領域では、スロットル弁開度Sの変動に対する制御ゲインKp5が小さいため、空燃比G又は動力負荷Dが小さい場合において、エンジン回転数変化率の増加によりハンチングが発生するという悪影響をなくすことにより、空燃比G又は動力負荷Dが小さい場合におけるハンチングの発生を防止することができる。
そして、以上のように、制御マップ35は、スロットル弁開度Sのパラメータが大きいほど、制御ゲインKp5が大きくなるマッピングとしており、スロットル弁開度Sを元にハンチングの防止の観点からの最適な制御ゲインKp5の設定が行われることから、安定した調速制御を行うことができる。
【0041】
【発明の効果】
本発明は以上のごとく構成したので、次のような効果を奏するのである。
即ち、請求項1に記載のごとく、ガスエンジンの制御装置であって、
前記制御装置は、動力負荷を検知する手段と、コントローラを有し、
前記コントローラには、動力負荷に対応するエンジン回転数制御の制御ゲインを決定する制御マップが記憶され、
前記コントローラは、エンジン出力回転数の調速制御を行う際に、前記制御マップに基づき、前記制御ゲインを動力負荷に応じて変更させるので、各負荷領域においてハンチングの防止の観点からの最適な制御ゲインの設定が行われ、全負荷領域において、安定した調速制御を行うことができる。
【0042】
また、請求項2に記載のごとく、ガスエンジンの制御装置であって、
前記制御装置は、動力負荷を検知する手段と、エンジン回転数を検知する手段と、コントローラを有し、
前記コントローラには、動力負荷及びエンジン回転数に対応するエンジン回転数制御の制御ゲインを決定する制御マップが記憶され、
前記コントローラは、エンジン出力回転数の調速制御を行う際に、前記制御マップに基づき、前記制御ゲインを動力負荷及びエンジン回転数に応じて変更させるので、各負荷領域、及び各設定回転数においてハンチングの防止の観点からの最適な制御ゲインの設定が行われ、全負荷領域、及び全設定回転数において、安定した調速制御を行うことができる。
【0043】
また、請求項3に記載のごとく、ガスエンジンの制御装置であって、
前記制御装置は、空燃比を検知する手段と、コントローラを有し、
前記コントローラには、空燃比に対応するエンジン出力回転数制御の制御ゲインを決定する制御マップが記憶され、
前記コントローラは、エンジン出力回転数の調速制御を行う際に、前記制御マップに基づき、前記制御ゲインを空燃比に応じて変更させるので、空燃比の状況に応じてハンチングの防止の観点からの最適な制御ゲインの設定が行われ、空燃比の変化の影響によらず、安定した調速制御を行うことができる。
【0044】
また、請求項4に記載のごとく、ガスエンジンの制御装置であって、
前記制御装置は、動力負荷を検知する手段と、エンジン回転数を検知する手段と、空燃比を検知する手段と、コントローラを有し、
前記コントローラには、動力負荷、エンジン回転数及び空燃比に対応するエンジン出力回転数制御の制御ゲインを決定する制御マップが記憶され、
前記コントローラは、エンジン出力回転数の調速制御を行う際に、前記制御マップに基づき、前記制御ゲインを動力負荷、エンジン回転数及び空燃比に応じて変更させるので、動力負荷・エンジン回転数・空燃比の状況に応じてハンチングの防止の観点からの最適な制御ゲインの設定が行われ、動力負荷・エンジン回転数・空燃比の変化の影響によらず、安定した調速制御を行うことができる。
【0045】
また、請求項5に記載のごとく、ガスエンジンの制御装置であって、
前記制御装置は、スロットル弁の開度を検知する手段と、コントローラを有し、
前記コントローラには、スロットル弁の開度に対応するエンジン出力回転数制御の制御ゲインを決定する制御マップが記憶され、
前記コントローラは、エンジン出力回転数の調速制御を行う際に、前記制御マップに基づき、前記制御ゲインをスロットル弁の開度に応じて変更させるので、動力負荷・空燃比の状況に応じてハンチングの防止の観点からの最適な制御ゲインの設定が行われ、動力負荷・空燃比の変化の影響によらず、安定した調速制御を行うことができる。
また、動力負荷及び空燃比の値によって制御ゲインを決定するところを、スロットル弁開度の値により代表して制御ゲインを決定することから、制御マップが煩雑にならず、調速制御の構成を簡易化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用する装置構成の一実施例を示す図である。
【図2】同じく調速制御に関する装置のブロック図である。
【図3】第一の実施形態のブロック線図である。
【図4】第一の実施形態の制御マップである。
【図5】第二の実施形態の制御マップである。
【図6】第二の実施形態のブロック線図である。
【図7】第三の実施形態の制御マップである。
【図8】第三の実施形態のブロック線図である。
【図9】第四の実施形態の制御マップである。
【図10】第四の実施形態のブロック線図である。
【図11】第五の実施形態の制御マップである。
【図12】(a)は、空燃比の変化に対するスロットル弁開度の変化の傾向を示す図である。(b)は、動力負荷の変化に対するスロットル弁開度の変化の傾向を示す図である。
【図13】第五の実施形態のブロック線図である。
【図14】ガスエンジンにおける運転領域の概念を示す図である。
【図15】ガスエンジンの従来の調速制御の構成を示すブロック線図である。
【図16】動力負荷の変化に対するスロットル弁開度の変化の挙動を示す図である。
【図17】動力負荷の変化に対するエンジン回転数変化率の変化の挙動を示す図である。
【図18】空燃比の変化に対するエンジン回転数変化率の変化の挙動を示す図である。
【図19】空燃比の変化によりエンジン回転数のハンチングが発生することを示すグラフである。
【符号の説明】
D 動力負荷
N 設定回転数
G 空燃比
Kp4 制御ゲイン
34 制御マップ
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガスエンジンの制御装置に関するものであり、より詳しくは、低速回転・高負荷領域での安定した運転を行うためのエンジン回転数の調速制御に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のガスヒートポンプでは、ガスエンジンによってコンプレッサを駆動する動力負荷に応じて、ガスエンジンの回転数を制御、即ち、調速制御するようにしている。
このガスエンジンの調速制御には、前記動力負荷に応じたスロットル弁の開度調整にて行なわれる制御があり、この制御によって、図14のグラフに示すごとく、例えば、設定回転数800〜2800(rpm)といった範囲でガスエンジンを安定して運転させるようにしている。
また、この回転数制御は、図15に示すブロック線図のごとく、前記動力負荷から決定されるエンジンの目標回転数を目標値Xとし、該目標値Xに対し、出力値Yである実際の回転数をフィードバックさせて回転偏差Uを求め、該回転偏差Uの関数値に制御ゲインKpを掛け、スロットル弁駆動モータ等の操作部の指令値Zを算出してスロットル弁の開度を変更し、エンジンの回転数を目標値に近づけるように制御している。
そして、前記指令値Zは、
〔指令値Z:制御ゲインKp(固定値)×f(回転偏差U)〕
により求めるものとし、また、制御ゲインKpは、ガスエンジンの運転状況、即ち、伝達関数Knに関係なく固定とされていた。ここで、f(回転偏差U)は、回転偏差Uを変数とする関数である。
【0003】
上述した図15に示すブロック線図の構成では、図16に示すごとく、横軸を動力負荷、縦軸をスロットル弁開度として各回転数ごとにプロットした場合には、負荷が増加するに従って傾きが増加する傾向が示される。つまり、エンジン回転数を一定に制御しようとする場合では、低負荷領域Lと比較して、高負荷領域Hであるほどスロットル弁開度の負荷変動に対する変化の割合が大きくなる(高負荷領域Hの傾斜は低負荷領域Lより大きい)のである。このことから、高負荷領域Hで回転数を一定に保つためには、僅かな負荷変化に対しても、スロットル弁開度を大きく調整する必要があることがわかる。そして、この傾向は、低速回転領域である(回転数が低い)ものほど顕著であるといえる。
また、図17では、回転数変化量をスロットル弁開度変化量で割って求まる値を回転数変化率として、負荷に対する回転数変化率の特性曲線を示すものであり、高負荷領域Hでは当該回転数変化率が低くなる傾向があることがわかる。このことから、高負荷領域Hでの負荷変動に対する回転数の追従(一定回転数の維持)には、スロットル弁開度を大きく調整する必要があることがわかる。
そして、これらの傾向、及び、制御ゲインKpが固定値であるということから、ガスエンジンにおける伝達関数Kn(図15)は、負荷及び回転数によって変動するということがわかる。
【0004】
他方、ガスエンジンの調速制御に関連する技術として、発電機を駆動するガスエンジンの制御装置の構成であって、無負荷時から定格負荷時までの全体のエンジン回転変動を4〜6%に収まるようにフィードバック制御系の比例要素の制御ゲイン(固定値)を設定し、発電機の発生電圧及びその周波数の復元性の改善を図るものが周知となっている(例えば、特許文献1参照。)。
この技術では、どのような負荷に対しても、一定の回転数にてガスエンジンを駆動させることにより、安定した発電電力を発生させることを目的とするものである。
【0005】
また、同じくガスエンジンの調速制御に関連する技術として、ガス機関の空燃比制御装置の構成であって、ガス機関の目標回転数と実際の回転数との偏差を決定するとともに、予め設定された制御マップに基づいて前記偏差に対応するスロットル弁、又は燃料制御弁の開度を制御する補整手段を備え、NOx量の軽減を図るものが周知となっている(例えば、特許文献2参照。)。
この技術では、スロットル弁、又は燃料制御弁の開度の制御においては、ガス機関の回転数のみをパラメータとして用い、Nox量の軽減、エンスト回避制御を行っている。
【0006】
また、前記スロットル弁によるガスエンジンの調速制御に関連する技術として、特に自動車用エンジンのスロットル弁の制御装置の構成であって、スロットル弁の制御に使用する制御式の制御ゲインを可変とするものが周知となっている(例えば、特許文献3参照。)。
この技術では、スロットル弁の回動位置と、アクセルペダルの踏込量をそれぞれセンサで検出するとともに、二つの検出値に基づいて、即ち、二つのパラメータに基づいて一つの制御ゲインを求め、該制御ゲインによってスロットル弁の開度を制御するものであり、これにより、前記スロットル弁を操作するアクチュエータに異常が発生した場合であっても充分なフェイルセイフ機能を付与させることを目的としている。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−317393号公報
【特許文献2】
特開平6−341335号公報
【特許文献3】
特開平6−299871号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述した図16及び図17で示される傾向からわかるように、高負荷領域Hでは、負荷変動に対するスロットル弁開度の大きな調整が必要となる。
しかし、前記ブロック線図(図15)のごとく、制御ゲインKpを固定値とする場合では、全負荷領域において回転偏差Uの関数に対する指令値Zが一律に算出される。つまり、負荷の高低にかかわらず、回転偏差Uの関数が同一であれば、同一の指令値Zが算出されるものであった。
このため、本来高負荷領域Hであれば、スロットル弁の開度を大きく調整する必要があるところ、その開度調整が足りない、つまりは、スロットル弁の開度調整が負荷変動に追従できず、制御が不安定となり、エンジン回転数のハンチングが生じる可能性があった。また、図16からもわかるように、低速回転ではより大きな開度調整が必要となることから、エンジン回転数のハンチングが発生する可能性はより大きいものであった。
このような傾向から、図14に示すごとく、低速回転領域(この例では700rpm)であって、かつ、高負荷領域での運転である場合には、ハンチング発生の可能性のある不安定領域Mでの運転となり、この不安定領域Mでの運転を避けるべく、設定回転数の下限(この例では800rpm)が設定されていたものである。このように、ハンチング発生の点から設定回転数には制限があったのである。
【0009】
さらに、負荷、設定回転数の他、空燃比の変化によってもハンチング発生が確認されている。図18は、スロットル弁の開度を一定とした場合において、空燃比が大きくなるほど(燃料リーンとなるほど)、エンジン回転数変化率が減少する傾向を示しており、これにより、スロットル弁の開度調整の負荷変動に対する追従性が低下することがわかる。この原因として、空燃比が大きくなると、スロットル弁の開度変化に対する燃料流量の変化の割合が小さくなることが考えられる。
また、図19では、時間T1までは、空燃比が小さくなる(燃料リッチとなる)ことがあっても、スロットル弁の開度が安定して追従する傾向が見られるが、時間T1において、何らかの外乱により、空燃比を想定外に小さくさせる制御指令がされると、混合気量の極度の微調整を行う必要が生じ、スロットル弁の開度調整が過敏となり、これによってエンジン回転数のハンチングが発生することを示している。
これらの傾向、及び、上述した制御ゲインKpが固定値であるということから、ガスエンジンにおける伝達関数Kn(図15)は、負荷及び回転数のみならず空燃比によって変動するということがわかる。このことから、安定したエンジン回転数の調速制御を行うためには、空燃比の変化に着目することが必要であるといえる。
【0010】
そして、ガスエンジンにおいては、負荷・エンジン回転数・空燃比の影響によってハンチングが発生するといった問題があるが、室内機が数多く接続されるガスヒートポンプでは、少数の室内機による空調を想定した場合の省エネルギー運転の観点から、設定回転数の低速側への領域拡大、つまりは、低速回転領域であって、かつ、高負荷領域での安定した運転が望まれており、上述したハンチング発生の問題の解決が技術的な課題となっている。
【0011】
他方、上記の特許文献1で示されるところの従来技術では、無負荷時から定格負荷時までの全体のエンジン回転変動(エンジン回転数の変動)を少なくすることを課題としており、各負荷におけるエンジン回転数の変動、つまりは、高負荷領域のみを見た場合におけるエンジン回転数の変動(ハンチング)の発生を防止することは課題としていない。
【0012】
また、特許文献2で示されるところの従来技術では、予め設定された制御マップに基づいたエンジン回転数の調速制御を行うものであるが、調速制御においては、ガス機関の回転数のみをパラメータとして用いているに過ぎず、上述した動力負荷や、空燃比を検出した上での制御を行うものではない。
【0013】
さらに、特許文献3で示されるところの従来技術では、スロットル弁の制御に使用する制御式の制御ゲインを可変とするものであるが、確実なフェイルセイフ機能の付与を課題としており、上記と同様、エンジン回転数の変動(ハンチング)の発生を防止することは課題としていない。
【0014】
そこで、本発明は、上記の技術的な課題に鑑み、ガスヒートポンプに備えるガスエンジンの調速制御において、幅広い回転域での運転を実現する技術を提案するものであり、より具体的には、前記負荷・エンジン回転数・空燃比の要因によって変化するガスエンジンの伝達関数Kn(図15)の変化を、制御ゲインKpを変化させることにより、全体としての伝達係数Kp×Knを一定に保つことにより、前記要因によらず、常に安定した運転が実現される調速制御のための技術を提案するものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上のごとくであり、次に該課題を解決する為の手段を説明する。
即ち、請求項1に記載のごとく、ガスエンジンの制御装置であって、
前記制御装置は、動力負荷を検知する手段と、コントローラを有し、
前記コントローラには、動力負荷に対応するエンジン回転数制御の制御ゲインを決定する制御マップが記憶され、
前記コントローラは、エンジン出力回転数の調速制御を行う際に、前記制御マップに基づき、前記制御ゲインを動力負荷に応じて変更させることである。
【0016】
また、請求項2に記載のごとく、ガスエンジンの制御装置であって、
前記制御装置は、動力負荷を検知する手段と、エンジン回転数を検知する手段と、コントローラを有し、
前記コントローラには、動力負荷及びエンジン回転数に対応するエンジン回転数制御の制御ゲインを決定する制御マップが記憶され、
前記コントローラは、エンジン出力回転数の調速制御を行う際に、前記制御マップに基づき、前記制御ゲインを動力負荷及びエンジン回転数に応じて変更させることである。
【0017】
また、請求項3に記載のごとく、ガスエンジンの制御装置であって、
前記制御装置は、空燃比を検知する手段と、コントローラを有し、
前記コントローラには、空燃比に対応するエンジン出力回転数制御の制御ゲインを決定する制御マップが記憶され、
前記コントローラは、エンジン出力回転数の調速制御を行う際に、前記制御マップに基づき、前記制御ゲインを空燃比に応じて変更させることである。
【0018】
また、請求項4に記載のごとく、ガスエンジンの制御装置であって、
前記制御装置は、動力負荷を検知する手段と、エンジン回転数を検知する手段と、空燃比を検知する手段と、コントローラを有し、
前記コントローラには、動力負荷、エンジン回転数及び空燃比に対応するエンジン出力回転数制御の制御ゲインを決定する制御マップが記憶され、
前記コントローラは、エンジン出力回転数の調速制御を行う際に、前記制御マップに基づき、前記制御ゲインを動力負荷、エンジン回転数及び空燃比に応じて変更させることである。
【0019】
また、請求項5に記載のごとく、ガスエンジンの制御装置であって、
前記制御装置は、スロットル弁の開度を検知する手段と、コントローラを有し、
前記コントローラには、スロットル弁の開度に対応するエンジン出力回転数制御の制御ゲインを決定する制御マップが記憶され、
前記コントローラは、エンジン出力回転数の調速制御を行う際に、前記制御マップに基づき、前記制御ゲインをスロットル弁の開度に応じて変更させることである。
【0020】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
図1は本発明を適用する装置構成の一実施例を示す図、図2は同じく調速制御に関する装置のブロック図、図3は第一の実施形態のブロック線図、図4は第一の実施形態の制御マップ、図5は第二の実施形態の制御マップ、図6は第二の実施形態のブロック線図、図7は第三の実施形態の制御マップ、図8は第三の実施形態のブロック線図、図9は第四の実施形態の制御マップ、図10は第四の実施形態のブロック線図、図11は第五の実施形態の制御マップ、図12の(a)は、空燃比の変化に対するスロットル弁開度の変化の傾向を示す図、図12の(b)は、動力負荷の変化に対するスロットル弁開度の変化の傾向を示す図、図13は第五の実施形態のブロック線図、図14はガスエンジンにおける運転領域の概念を示す図、図15はガスエンジンの従来の調速制御の構成を示すブロック線図、図16は動力負荷の変化に対するスロットル弁開度の変化の挙動を示す図、図17は動力負荷の変化に対するエンジン回転数変化率の変化の挙動を示す図、図18は空燃比の変化に対するエンジン回転数変化率の変化の挙動を示す図、図19は空燃比の変化によりエンジン回転数のハンチングが発生することを示すグラフである。
【0021】
図1は、本発明を適用する装置構成の一実施例を示すものであり、1はガスエンジン、2はシリンダヘッド、3はミキサー、4はコントローラ、5はスロットル弁、6はスロットル弁駆動モータ、7はガスを一定の圧力で供給するゼロガバナー、8は空燃比制御弁、9は空燃比制御弁駆動モータである。
また、10は空燃比センサ(UEGOセンサ)、11はクランク軸端円盤、12はその回転数を検知するための電磁ピックアップ、13はカム軸端円盤、14はその回転数を検知するための電磁ピックアップ、15は排気ガス熱交換器である。
また、16は外気温度センサ、17はセルモータである。
また、22は前記スロットル弁5の実際の開度を検知するためのスロットル弁開度センサである。
【0022】
そして、図2に示すごとく、前記コントローラ4には、スロットル弁駆動モータ6、空燃比制御弁駆動モータ9、空燃比センサ10、クランク軸端円盤11の回転数を検出する電磁ピックアップ12、カム軸端円盤の回転数を検出する電磁ピックアップ14、外気温度センサ16、セルモータ17、及びスロットル弁開度センサ22がそれぞれ接続されている。
【0023】
また、本発明は、ガスエンジン1によりコンプレッサを駆動するガスヒートポンプや、発電機を駆動するガスコージェネ等に適用されるものである。
図2で示される構成は、ガスヒートポンプに適用した場合を想定したものであり、コンプレッサ20への冷媒の吸入圧力を検知するための吸入圧力センサ18と、コンプレッサ20からの冷媒の吐出圧力を検知するための吐出圧力センサ19の検出値がコントローラ4に入力される。該コントローラ4は、両センサ18・19の検出値の圧力差からガスエンジン1に要求される空調負荷(コンプレッサ20の負荷)、つまり動力負荷を算出する。一方、稼動室内機容量検出部21より、室内機の運転容量がコントローラ4に入力され、コントローラ4により目標回転数が算出される。尚、ガスコージェネに適用する場合は、室内機の運転容量を基に目標回転数を算出する代わりに、発電機負荷を基に目標回転数を算出するものである。
【0024】
そして、以上の装置構成により図3のブロック線図に示されるエンジン回転数の制御構成を構築するものであり、コントローラ4が算出したエンジンの目標回転数を目標値Xとして、出力値Yである実際の回転数をフィードバックさせて回転偏差Uを求め、該回転偏差Uの関数に制御ゲインKp1を掛けた値がスロットル弁5の開度(deg.)の指令値Zとして出力され、スロットル弁駆動モータ6の動作によりスロットル弁5が開閉制御され、ガスエンジン1の回転数が制御される。また、電磁ピックアップ12は、ガスエンジン1のクランク軸端円盤11の回転数を検出し、エンジンの回転数を出力値Yとして出力し、該出力値Yがフィードバックされるものである。
この制御装置では、電磁ピックアップ12を検出部、コントローラ4を調節部、スロットル弁駆動モータ6を操作部とし、スロットル弁5の開度(deg.)の操作量に応じて前記クランク軸端円盤11の回転数(ガスエンジン1の回転数)の制御量が決定されるようにしている。
また、前記コントローラ4には、前記回転偏差に対するスロットル弁5の制御量を決定する制御マップ31が記憶されている他、制御用の諸データが記憶されている。
【0025】
以上の構成で、本発明にかかるガスエンジンの制御装置が構築されるものであり、該制御装置は、エンジンの回転数を検知する手段としての電磁ピックアップ12(電磁ピックアップ14)と、スロットル弁の開度を検知する手段としてのスロットル弁開度センサ22と、動力負荷を検知する手段としての吸入圧力センサ18・吐出圧力センサ19と、スロットル弁の開度を変更する手段としてのスロットル弁駆動モータ6と、空燃比を検知する手段としての空燃比センサー10と、目標エンジン回転数決定のための室内機運転容量検知手段としての稼動室内機容量検出部21と、コントローラ4を有している。そして、該ガスエンジンの制御装置において、ガスエンジン1のエンジン回転数の調速制御を行う際に、本発明では、以下に述べる制御マップに基づいた制御を行うものである。
(1)第一の実施形態
本実施形態では、図4に示すごとく、エンジン回転数の調速制御の際に、予め記憶された制御マップ31に基づいて、動力負荷Dに対応する制御ゲインKp1を決定するとともに、前記制御ゲインKp1を動力負荷Dに応じて変更させるものである。
換言すれば、ガスエンジンの制御装置であるコントローラ4には、動力負荷Dをパラメータとしてエンジン回転数制御の制御ゲインKp1を決定する制御マップ31が記憶され、前記制御マップ31における制御ゲインKp1は、動力負荷Dのパラメータ毎に異なる値とするものである。
さらに、前記制御マップ31は、動力負荷Dのパラメータが大きいほど、制御ゲインKp1が大きくなるマッピング(マップ)としているものである。
尚、動力負荷Dは、前記回転数指令部21によって求められるものである。
【0026】
図4に示すごとく、本実施形態の制御マップ31は、横軸の動力負荷Dをパラメータとし、縦軸に各パラメータに対応する制御ゲインKp1をプロットした線F1で描かれるものである。
該線F1は、動力負荷Dが大きいほど、より大きな値の制御ゲインKp1が決定されるマップに構成されるものであり、特に、高負荷領域における制御ゲインKp1を大きくして、高負荷領域における前記指令値Zの変化量を大きくし、これにより、スロットル弁駆動モータ6の操作量を大きくし、スロットル弁5の開度の調整が大きく行われるようにしている。
一方、低負荷領域においては、スロットル弁5の大きな開度調整が必要とされないことから、負荷変動に対する制御ゲインKp1を小さくするようにして、スロットル弁5の開度の調整が大きく行われないようにしている。
尚、線F1については、折れ線とする他、曲線であっても良く、屈曲点(D2・D3)の数なども特に限定されるものではない。
そして、以上の制御マップ31を用い、図3に示すブロック線図のごとく、動力負荷Dに応じて変更される制御ゲインKp1を回転偏差Uの関数に掛けることで、動力負荷Dに個別に対応するスロットル弁駆動モータ6の指令値Zが出力され、スロットル弁駆動モータ6がスロットル弁5の開度を変更し、制御量であるエンジン回転数を目標値Xに合致させる調速制御を行うものである。
【0027】
以上の第一の実施形態の制御によれば、高負荷領域では制御ゲインKp1が大きく設定され、これにより、指令値Zも大きく変化して、スロットル弁5の開度はスロットル弁駆動モータ6により大きく調整されることになる。このように、高負荷領域では、スロットル弁5の開度が大きく調整されるため、高負荷領域における負荷変動に対するスロットル弁5の開度調整の追従性が改善し、高負荷領域におけるエンジン回転数のハンチングの発生を防止することができる。そして、この制御によれば、低速回転における高負荷領域での安定した運転が実現可能となり、低速側への設定回転数の拡大が図られ、特に、ガスヒートポンプにおいては、低速回転領域での無駄のない省エネルギー運転を実現することができる。一方、低負荷領域では、負荷に対する制御ゲインKp1が小さいため、スロットル弁5の開度が負荷変動に過敏に変動することもなく、エンジン回転数のハンチングの発生を防止することができる。
そして、以上のように、制御マップ31は、動力負荷Dのパラメータが大きいほど、制御ゲインKp1が大きくなるマッピングとしているので、各負荷領域においてハンチングの防止の観点からの最適な制御ゲインKp1の設定が行われ、全負荷領域において、安定した調速制御を行うことができる。
【0028】
(2)第二の実施形態
本実施形態では、図5に示すごとく、エンジン回転数の調速制御の際に、予め記憶された制御マップ32に基づいて、動力負荷D及び設定回転数Nに対応する制御ゲインKp2を決定するとともに、前記制御ゲインKp2を動力負荷D及び設定回転数Nに応じて変更させるものである。
換言すれば、ガスエンジンの制御装置であるコントローラ4には、動力負荷D及び設定回転数Nをパラメータとしてエンジン回転数制御の制御ゲインKp2を決定する制御マップ32が記憶され、前記制御マップ32における制御ゲインKp2は、動力負荷D及び設定回転数Nのパラメータ毎に異なる値とするものである。
さらに、前記制御マップ32は、動力負荷Dのパラメータが大きいほど、また、設定回転数Nのパラメータが小さいほど、制御ゲインKp2が大きくなるマッピングとしているものである。
【0029】
図5に示すごとく、本実施形態の制御マップ32は、横軸を設定回転数N、縦軸を動力負荷Dとし、全運転領域を、低制御ゲイン領域Ka1、中制御ゲイン領域Ka2、高制御ゲイン領域Ka3の三領域に区画してマッピングされるものであり、いずれか一の領域内に設定回転数N及び動力負荷Dのパラメータが存在する場合に、当該一の領域の制御ゲインを制御式に用いるものである。
この制御マップ32における領域Ka1〜Ka3においては、低制御ゲイン領域Ka1、中制御ゲイン領域Ka2、高制御ゲイン領域Ka3となるにしたがって値を大きくするものである。尚、各領域内においては、一つの値の制御ゲイン(固定値)が設定されるものでもよいし、領域Ka1から領域Ka3になるにしたがって段階的、もしくは、連続的に値が大きくなるように設定されるものでもよく、特に限定されるものではない。
このように、制御マップ32は、動力負荷Dが大きく、かつ、設定回転数Nが小さいほど、より大きな値の制御ゲインKp2が決定されるマップに構成されるものであり、特に、高負荷であって、かつ、低速回転における制御ゲインKp2を大きくして、高負荷・低速回転領域における前記指令値Zの変化量を大きくし、これにより、スロットル弁駆動モータ6の操作量を大きくし、スロットル弁5の開度の調整が大きく行われるようにしている。
一方、図16の線図に示されるごとく、低負荷においては線図の傾きは小さく、また、高負荷であっても高速回転のもの(例えば、1400rpm)であれば線図の傾きが低速回転のもの(例えば、800rpm)と比較して小さい傾向があることがわかる。このため、低負荷、又は高速回転である場合には、スロットル弁5の大きな開度調整が必要とされないため、負荷に対する制御ゲインKp2を小さくするようにして、スロットル弁5の開度の調整が大きく行われないようにしている。
そして、以上の制御マップ32を用い、図6に示すブロック線図のごとく、動力負荷D及び設定回転数Nに応じて変更される制御ゲインKp2を回転偏差Uの関数に掛けることで、動力負荷D及び設定回転数Nの変動に対応するスロットル弁駆動モータ6の指令値Zが出力され、スロットル弁駆動モータ6がスロットル弁5の開度を変更し、制御量であるエンジン回転数を目標値Xに合致させる調速制御を行うものである。
【0030】
以上の第二の実施形態の制御によれば、動力負荷Dが大きく、かつ、設定回転数Nが小さい場合では制御ゲインKp2が大きく設定され、これにより、指令値Zも大きく変化して、スロットル弁5の開度はスロットル弁駆動モータ6により大きく調整されることになる。このように、低速回転において高負荷となる場合では、スロットル弁5の開度が大きく調整されるため、負荷変動に対するスロットル弁5の開度調整の追従性が改善し、低速回転・高負荷領域におけるエンジン回転数のハンチングの発生を防止することができる。そして、この制御によれば、低速回転における高負荷領域での安定した運転が実現可能となり、低速側への設定回転数の拡大が図られ、特に、ガスヒートポンプにおいては、低速回転領域での無駄のない省エネルギー運転を実現することができる。
一方、低負荷領域、又は、高速回転では、負荷に対する制御ゲインKp2が小さいため、スロットル弁5の開度が負荷変動に過敏に変動することもなく、エンジン回転数のハンチングの発生を防止することができる。
そして、以上のように、制御マップ32は、動力負荷Dのパラメータが大きいほど、また、設定回転数Nのパラメータが小さいほど、制御ゲインKp2が大きくなるマッピングとしているので、各負荷領域、及び各設定回転数においてハンチングの防止の観点からの最適な制御ゲインKp2の設定が行われ、全負荷領域、及び全設定回転数において、安定した調速制御を行うことができる。
【0031】
(3)第三の実施形態
本実施形態では、図7に示すごとく、エンジン回転数の調速制御の際に、予め記憶された制御マップ33に基づいて、前記空燃比センサ10で検出された空燃比Gに対応する制御ゲインKp3を決定するとともに、前記制御ゲインKp3を空燃比Gに応じて変更させるものである。
換言すれば、ガスエンジンの制御装置であるコントローラ4には、空燃比Gをパラメータとしてエンジン回転数制御の制御ゲインKp3を決定する制御マップ33が記憶され、前記制御マップ33における制御ゲインKp3は、空燃比Gのパラメータ毎に異なる値とするものである。
さらに、前記制御マップ33は、空燃比Gのパラメータが大きいほど、制御ゲインKp3が大きくなるマッピングとしているものである。
【0032】
図7に示すごとく、本実施形態の制御マップ33は、横軸の空燃比Gをパラメータとし、縦軸に各パラメータに対応する制御ゲインKp3をプロットした線F3で描かれるものである。
該線F3は、空燃比Gが大きいほど、より大きな値の制御ゲインKp3が決定されるマップに構成されるものであり、特に、空燃比Gが大きい場合における制御ゲインKp3を大きくして、空燃比Gが大きい場合における前記指令値Zの変化量を大きくし、これにより、スロットル弁駆動モータ6の操作量を大きくし、スロットル弁5の開度の調整が大きく行われるようにしている。
一方、空燃比Gが小さい場合においては、スロットル弁の開度変化に対する燃料流量の変化の割合が大きくなるため、スロットル弁5の開度調整の負荷変動に対して良好な追従性が得られるものである。このように、スロットル弁5の大きな開度調整は必要とされないことから、負荷に対する制御ゲインKp3を小さくするようにして、スロットル弁5の開度の調整が大きく行われないようにしている。
また、図7に示されるごとく、線F3は、エンジン回転数変化率の特性曲線FEの変化の傾向を相殺するようにマッピングすることで、エンジン回転数のハンチングを防止するようにしている。尚、該線F3については、折れ線とする他、曲線であっても良く、屈曲点(G2・G3)の数なども特に限定されるものではない。
そして、以上の制御マップ33を用い、図8に示すブロック線図のごとく、空燃比センサ10によって検出される空燃比Gに応じて変更される制御ゲインKp3を回転偏差Uの関数に掛けることで、空燃比Gに個別に対応するスロットル弁駆動モータ6の指令値Zが出力され、スロットル弁駆動モータ6がスロットル弁5の開度を変更し、制御量であるエンジン回転数を目標値Xに合致させる調速制御を行うものである。
【0033】
以上の第三の実施形態の制御によれば、空燃比Gが大きい場合では制御ゲインKp3が大きく設定され、これにより、指令値Zも大きく変化して、スロットル弁5の開度はスロットル弁駆動モータ6により大きく調整されることになる。このように、空燃比Gが大きい場合では、スロットル弁5の開度が大きく調整されるため、空燃比Gが大きい場合における回転偏差Uに対するスロットル弁5の開度調整の追従性が改善する、つまり、空燃比Gが大きい場合でのエンジン回転数変化率の低下により前記追従性が悪化するという悪影響をなくすことにより、空燃比Gが大きい場合における回転数制御の追従性の向上、即ち、エンジン回転数のハンチングの発生を防止することができる。
一方、低負荷領域では、空燃比Gに対する制御ゲインKp3が小さいため、空燃比Gが小さい場合において、エンジン回転数変化率の増加によりハンチングが発生するという悪影響をなくすことにより、空燃比が小さい場合におけるハンチングの発生を防止することができる。
そして、以上のように、制御マップ33は、空燃比Gのパラメータが大きいほど、制御ゲインKp3が大きくなるマッピングとしており、空燃比Gの状況に応じてハンチングの防止の観点からの最適な制御ゲインKp3の設定が行われ、空燃比Gの変化の影響によらず、安定した調速制御を行うことができる。
【0034】
(4)第四の実施形態
本実施形態では、図9に示すごとく、エンジン回転数の調速制御の際に、予め記憶された制御マップ34に基づいて、動力負荷D、設定回転数N、及び空燃比Gに対応する制御ゲインKp4を決定するとともに、前記制御ゲインKp4を動力負荷D、設定回転数N、及び空燃比Gに応じて変更させるものである。
換言すれば、ガスエンジンの制御装置であるコントローラ4には、動力負荷D、設定回転数N、及び空燃比Gをパラメータとしてエンジン回転数制御の制御ゲインKp4を決定する制御マップ34が記憶され、前記制御マップ34における制御ゲインKp4は、動力負荷D、設定回転数N、及び空燃比Gのパラメータ毎に異なる値とするものである。
さらに、前記制御マップ34は、動力負荷Dのパラメータが大きいほど、設定回転数Nのパラメータが小さいほど、また、空燃比Gが大きいほど、制御ゲインKp4が大きくなるマッピングとしているものである。
【0035】
図9に示すごとく、本実施形態の制御マップ34は、横軸を設定回転数N、縦軸を動力負荷D、高さ軸を空燃比Gとし、全運転領域を、最低制御ゲイン領域Kb1〜最高制御ゲイン領域Kb5の5領域に区画してマッピングされるものであり、いずれか一の領域内に設定回転数N及び動力負荷Dのパラメータが存在する場合に、当該一の領域の制御ゲインを制御式に用いるものである。
この制御マップ34における領域Kb1〜Kb5においては、対応レベル44に示されるごとく、低制御ゲイン領域Kb1から最高制御ゲイン領域Kb5となるにしたがって値を大きくするものである。尚、各領域内においては、一つの値の制御ゲイン(固定値)が設定されるものでもよいし、領域Kb1からKb5になるにしたがって段階的、もしくは、連続的に値が大きくなるように設定されるものでもよく、特に限定されるものではない。
このように、制御マップ34は、動力負荷Dが大きく、設定回転数Nが小さい、さらに、空燃比Gが大きいほど、より大きな値の制御ゲインKp4が決定されるマップに構成されるものであり、高負荷、低速回転、高空燃比における制御ゲインKp4を大きくするようにしている。これにより、高負荷・低速回転領域において、高空燃比となった場合では、前記指令値Zの変化量を大きくし、これにより、スロットル弁駆動モータ6の操作量を大きくし、スロットル弁5の開度の調整が大きく行われるようにしている。
一方、逆に、制御マップ34は、動力負荷Dが小さく、設定回転数Nが大きく、さらに、空燃比Gが小さいほど、より小さな値の制御ゲインKp4が決定されるマップに構成されるものであり、低負荷、高速回転、低空燃比における制御ゲインKp4を小さくするようにしている。これにより、低負荷・高速回転において、低空燃比となった場合では、前記指令値Zの変化量を小さくし、これにより、スロットル弁駆動モータ6の操作量を小さくし、スロットル弁5の開度の調整が大きく行われないようにしている。
そして、以上の制御マップ34を用い、図10に示すブロック線図のごとく、動力負荷D、設定回転数N及び空燃比Gに応じて変更される制御ゲインKp4を回転偏差Uの関数に掛けることで、動力負荷D、設定回転数N、及び空燃比Gの変動に対応するスロットル弁駆動モータ6の指令値Zが出力され、スロットル弁駆動モータ6がスロットル弁5の開度を変更し、制御量であるエンジン回転数を目標値Xに合致させる調速制御を行うものである。
【0036】
以上の第四の実施形態の制御マップ34は、上述した第一、第二、第三の実施形態において使用される三種の制御マップ31・32・33で使用されるパラメータの全てが使用されるものである。即ち、各制御マップ31・32・33の単独での効果が呈されるとともに、これらを相関付けての制御を行うものである。このように、本実施形態の制御マップ34によって、負荷、設定回転数に加え、空燃比の変化によっても発生し得るハンチングの防止が図られ、安定した調速制御が実現されるものである。
【0037】
(5)第五の実施形態
本実施形態では、図11に示すごとく、エンジン回転数の調速制御の際に、予め記憶された制御マップ35に基づいて、スロットル弁開度センサ22により検出されたスロットル弁開度Sに対応する制御ゲインKp5を決定するとともに、前記制御ゲインKp5をスロットル弁開度Sに応じて変更させるものである。
換言すれば、ガスエンジンの制御装置であるコントローラ4には、スロットル弁開度Sをパラメータとしてエンジン回転数制御の制御ゲインKp5を決定する制御マップ35が記憶され、前記制御マップ35における制御ゲインKp5は、スロットル弁開度Sのパラメータ毎に異なる値とするものである。
さらに、前記制御マップ35は、スロットル弁開度Sのパラメータが大きいほど、制御ゲインKp5が大きくなるマッピングとしているものである。
【0038】
本実施形態の詳細の説明の前に、先ず、スロットル弁開度Sの変化の傾向として、図12の(a)に示すごとく、同一負荷・同一回転数の設定では、スロットル弁開度Sは空燃比Gの変化に追従する傾向があり、また、図12の(b)に示すごとく、同一回転数・同一空燃比の設定では、スロットル弁開度Sは動力負荷Dの変化に追従する傾向があることが確認されている。また、スロットル弁開度Sは、エンジン回転数変化率の特性曲線FEの変化と逆の傾向を示すことが確認されている。
そこで、本実施形態では、これらの追従性に着目し、空燃比G及び動力負荷Dの値によって制御ゲインを決定するところを、スロットル弁開度Sの値により空燃比G及び動力負荷Dの値を代表して制御ゲインKp5を決定するようにして、調速制御の構成をシンプルにしようとするものである。
尚、このスロットル弁開度Sの検出は、前記スロットル弁開度センサ22で行うものの他、スロットル弁駆動モータ6の電圧値より算出するものでもよい。或いは、コントローラ4のスロットル弁5の開度指令値を利用して、コントローラ4で判定する構成でもよい。
【0039】
図11に示すごとく、本実施形態の制御マップ35は、横軸のスロットル弁開度Sをパラメータとし、縦軸に各パラメータに対応する制御ゲインKp5をプロットした線F5で描かれるものである。
該線F5は、スロットル弁開度Sが大きいほど、より大きな値の制御ゲインKp5が決定されるマップに構成されるものであり、特に、スロットル弁開度Sが大きい場合における制御ゲインKp5を大きくして、スロットル弁開度Sが大きい場合における前記指令値Zの変化量を大きくし、これにより、スロットル弁駆動モータ6の操作量を大きくし、スロットル弁5の開度の調整が大きく行われるようにしている。
一方、スロットル弁開度Sが小さい場合においては、スロットル弁の開度変化に対する燃料流量の変化の割合が大きくなるため、スロットル弁5の開度調整の負荷変動に対して良好な追従性が得られるものである。このように、スロットル弁5の大きな開度調整は必要とされないことから、負荷に対する制御ゲインKp5を小さくするようにして、スロットル弁5の開度の調整が大きく行われないようにしている。
また、スロットル弁開度Sは、エンジン回転数変化率の特性曲線FEの変化と逆の傾向を示すことから、エンジン回転数変化率の特性曲線FEの変化の傾向を相殺するようにマッピングすることで、エンジン回転数のハンチングを防止するようにしている。
そして、以上の制御マップ35を用い、図13に示すブロック線図のごとく、スロットル弁開度センサ22によって検出されるスロットル弁開度Sに応じて変更される制御ゲインKp5を前記回転偏差Uの関数に掛けることで、スロットル弁開度Sに個別に対応するスロットル弁駆動モータ6の指令値Zが出力され、スロットル弁駆動モータ6がスロットル弁5の開度を変更し、制御量であるエンジン回転数を目標値Xに合致させる調速制御を行うものである。
【0040】
以上の第五の実施形態の制御によれば、スロットル弁開度Sが大きい場合では制御ゲインKp5が大きく設定され、これにより、指令値Zも大きく変化して、スロットル弁5の開度はスロットル弁駆動モータ6により大きく調整されることになる。このように、スロットル弁開度Sが大きい場合では、スロットル弁5の開度が大きく調整されるため、空燃比G又は動力負荷Dが大きい場合における回転偏差Uに対するスロットル弁5の開度調整の追従性が改善する、つまり、空燃比G又は動力負荷Dが大きい場合でのエンジン回転数変化率の低下により前記追従性が悪化するという悪影響をなくすことにより、空燃比G又は動力負荷Dが大きい場合における回転数制御の追従性の向上、即ち、エンジン回転数のハンチングの発生を防止することができる。
一方、低負荷領域では、スロットル弁開度Sの変動に対する制御ゲインKp5が小さいため、空燃比G又は動力負荷Dが小さい場合において、エンジン回転数変化率の増加によりハンチングが発生するという悪影響をなくすことにより、空燃比G又は動力負荷Dが小さい場合におけるハンチングの発生を防止することができる。
そして、以上のように、制御マップ35は、スロットル弁開度Sのパラメータが大きいほど、制御ゲインKp5が大きくなるマッピングとしており、スロットル弁開度Sを元にハンチングの防止の観点からの最適な制御ゲインKp5の設定が行われることから、安定した調速制御を行うことができる。
【0041】
【発明の効果】
本発明は以上のごとく構成したので、次のような効果を奏するのである。
即ち、請求項1に記載のごとく、ガスエンジンの制御装置であって、
前記制御装置は、動力負荷を検知する手段と、コントローラを有し、
前記コントローラには、動力負荷に対応するエンジン回転数制御の制御ゲインを決定する制御マップが記憶され、
前記コントローラは、エンジン出力回転数の調速制御を行う際に、前記制御マップに基づき、前記制御ゲインを動力負荷に応じて変更させるので、各負荷領域においてハンチングの防止の観点からの最適な制御ゲインの設定が行われ、全負荷領域において、安定した調速制御を行うことができる。
【0042】
また、請求項2に記載のごとく、ガスエンジンの制御装置であって、
前記制御装置は、動力負荷を検知する手段と、エンジン回転数を検知する手段と、コントローラを有し、
前記コントローラには、動力負荷及びエンジン回転数に対応するエンジン回転数制御の制御ゲインを決定する制御マップが記憶され、
前記コントローラは、エンジン出力回転数の調速制御を行う際に、前記制御マップに基づき、前記制御ゲインを動力負荷及びエンジン回転数に応じて変更させるので、各負荷領域、及び各設定回転数においてハンチングの防止の観点からの最適な制御ゲインの設定が行われ、全負荷領域、及び全設定回転数において、安定した調速制御を行うことができる。
【0043】
また、請求項3に記載のごとく、ガスエンジンの制御装置であって、
前記制御装置は、空燃比を検知する手段と、コントローラを有し、
前記コントローラには、空燃比に対応するエンジン出力回転数制御の制御ゲインを決定する制御マップが記憶され、
前記コントローラは、エンジン出力回転数の調速制御を行う際に、前記制御マップに基づき、前記制御ゲインを空燃比に応じて変更させるので、空燃比の状況に応じてハンチングの防止の観点からの最適な制御ゲインの設定が行われ、空燃比の変化の影響によらず、安定した調速制御を行うことができる。
【0044】
また、請求項4に記載のごとく、ガスエンジンの制御装置であって、
前記制御装置は、動力負荷を検知する手段と、エンジン回転数を検知する手段と、空燃比を検知する手段と、コントローラを有し、
前記コントローラには、動力負荷、エンジン回転数及び空燃比に対応するエンジン出力回転数制御の制御ゲインを決定する制御マップが記憶され、
前記コントローラは、エンジン出力回転数の調速制御を行う際に、前記制御マップに基づき、前記制御ゲインを動力負荷、エンジン回転数及び空燃比に応じて変更させるので、動力負荷・エンジン回転数・空燃比の状況に応じてハンチングの防止の観点からの最適な制御ゲインの設定が行われ、動力負荷・エンジン回転数・空燃比の変化の影響によらず、安定した調速制御を行うことができる。
【0045】
また、請求項5に記載のごとく、ガスエンジンの制御装置であって、
前記制御装置は、スロットル弁の開度を検知する手段と、コントローラを有し、
前記コントローラには、スロットル弁の開度に対応するエンジン出力回転数制御の制御ゲインを決定する制御マップが記憶され、
前記コントローラは、エンジン出力回転数の調速制御を行う際に、前記制御マップに基づき、前記制御ゲインをスロットル弁の開度に応じて変更させるので、動力負荷・空燃比の状況に応じてハンチングの防止の観点からの最適な制御ゲインの設定が行われ、動力負荷・空燃比の変化の影響によらず、安定した調速制御を行うことができる。
また、動力負荷及び空燃比の値によって制御ゲインを決定するところを、スロットル弁開度の値により代表して制御ゲインを決定することから、制御マップが煩雑にならず、調速制御の構成を簡易化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用する装置構成の一実施例を示す図である。
【図2】同じく調速制御に関する装置のブロック図である。
【図3】第一の実施形態のブロック線図である。
【図4】第一の実施形態の制御マップである。
【図5】第二の実施形態の制御マップである。
【図6】第二の実施形態のブロック線図である。
【図7】第三の実施形態の制御マップである。
【図8】第三の実施形態のブロック線図である。
【図9】第四の実施形態の制御マップである。
【図10】第四の実施形態のブロック線図である。
【図11】第五の実施形態の制御マップである。
【図12】(a)は、空燃比の変化に対するスロットル弁開度の変化の傾向を示す図である。(b)は、動力負荷の変化に対するスロットル弁開度の変化の傾向を示す図である。
【図13】第五の実施形態のブロック線図である。
【図14】ガスエンジンにおける運転領域の概念を示す図である。
【図15】ガスエンジンの従来の調速制御の構成を示すブロック線図である。
【図16】動力負荷の変化に対するスロットル弁開度の変化の挙動を示す図である。
【図17】動力負荷の変化に対するエンジン回転数変化率の変化の挙動を示す図である。
【図18】空燃比の変化に対するエンジン回転数変化率の変化の挙動を示す図である。
【図19】空燃比の変化によりエンジン回転数のハンチングが発生することを示すグラフである。
【符号の説明】
D 動力負荷
N 設定回転数
G 空燃比
Kp4 制御ゲイン
34 制御マップ
Claims (5)
- ガスエンジンの制御装置であって、
前記制御装置は、動力負荷を検知する手段と、コントローラを有し、
前記コントローラには、動力負荷に対応するエンジン回転数制御の制御ゲインを決定する制御マップが記憶され、
前記コントローラは、エンジン出力回転数の調速制御を行う際に、前記制御マップに基づき、前記制御ゲインを動力負荷に応じて変更させる、ことを特徴とするガスエンジンの制御装置。 - ガスエンジンの制御装置であって、
前記制御装置は、動力負荷を検知する手段と、エンジン回転数を検知する手段と、コントローラを有し、
前記コントローラには、動力負荷及びエンジン回転数に対応するエンジン回転数制御の制御ゲインを決定する制御マップが記憶され、
前記コントローラは、エンジン出力回転数の調速制御を行う際に、前記制御マップに基づき、前記制御ゲインを動力負荷及びエンジン回転数に応じて変更させる、ことを特徴とするガスエンジンの制御装置。 - ガスエンジンの制御装置であって、
前記制御装置は、空燃比を検知する手段と、コントローラを有し、
前記コントローラには、空燃比に対応するエンジン出力回転数制御の制御ゲインを決定する制御マップが記憶され、
前記コントローラは、エンジン出力回転数の調速制御を行う際に、前記制御マップに基づき、前記制御ゲインを空燃比に応じて変更させる、ことを特徴とするガスエンジンの制御装置。 - ガスエンジンの制御装置であって、
前記制御装置は、動力負荷を検知する手段と、エンジン回転数を検知する手段と、空燃比を検知する手段と、コントローラを有し、
前記コントローラには、動力負荷、エンジン回転数及び空燃比に対応するエンジン出力回転数制御の制御ゲインを決定する制御マップが記憶され、
前記コントローラは、エンジン出力回転数の調速制御を行う際に、前記制御マップに基づき、前記制御ゲインを動力負荷、エンジン回転数及び空燃比に応じて変更させる、ことを特徴とするガスエンジンの制御装置。 - ガスエンジンの制御装置であって、
前記制御装置は、スロットル弁の開度を検知する手段と、コントローラを有し、
前記コントローラには、スロットル弁の開度に対応するエンジン出力回転数制御の制御ゲインを決定する制御マップが記憶され、
前記コントローラは、エンジン出力回転数の調速制御を行う際に、前記制御マップに基づき、前記制御ゲインをスロットル弁の開度に応じて変更させる、ことを特徴とするガスエンジンの制御装置。
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Cited By (4)
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CN101302970B (zh) * | 2007-05-11 | 2011-07-20 | 中国第一汽车集团公司 | 天然气发动机排放控制方法 |
CN103670756A (zh) * | 2013-12-31 | 2014-03-26 | 中国汽车工程研究院股份有限公司 | 一种基于cpld的燃气电控发动机喷嘴控制器 |
JP2014152752A (ja) * | 2013-02-13 | 2014-08-25 | Kokusan Denki Co Ltd | エンジン用電子ガバナー |
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-
2003
- 2003-03-14 JP JP2003069642A patent/JP2004278383A/ja active Pending
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