JP2004277075A - 紙粉除去装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】搬送品質や画像品質は従来のままで機械品質を向上しながら紙粉を従来以上に除去できる紙粉除去装置を提供する。
【解決手段】本発明は、像担持体1上に画像を形成し、その画像を転写紙に転写する画像形成装置において、転写紙を転写部に搬送する手段を利用して転写紙の紙粉を除去する紙粉除去装置であって、転写手段6より転写紙搬送方向上流側で転写紙に当接して回転する駆動ローラ5−1と、駆動ローラ5−1と対向する位置に配置され該駆動ローラに対して平行で間隔が一定に保持された2本の従動軸5−5,5−6と、その2本の従動軸を覆い前記駆動ローラとの対向部で転写紙と接するエンドレスベルト5−4とを備えた搬送手段を有し、搬送手段のエンドレスベルト5−4の外周面で転写紙搬送面以外の部分で一方の従動軸5−6と接している位置に紙粉除去部材12を当接させたことを特徴とする。
【選択図】 図3
【解決手段】本発明は、像担持体1上に画像を形成し、その画像を転写紙に転写する画像形成装置において、転写紙を転写部に搬送する手段を利用して転写紙の紙粉を除去する紙粉除去装置であって、転写手段6より転写紙搬送方向上流側で転写紙に当接して回転する駆動ローラ5−1と、駆動ローラ5−1と対向する位置に配置され該駆動ローラに対して平行で間隔が一定に保持された2本の従動軸5−5,5−6と、その2本の従動軸を覆い前記駆動ローラとの対向部で転写紙と接するエンドレスベルト5−4とを備えた搬送手段を有し、搬送手段のエンドレスベルト5−4の外周面で転写紙搬送面以外の部分で一方の従動軸5−6と接している位置に紙粉除去部材12を当接させたことを特徴とする。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像形成装置に用いられる紙粉除去装置及び、その紙粉除去装置を備えた複写機、ファクシミリ、プリンター、プロッター、印刷機等の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
複写機、ファクシミリ、プリンター、プロッター、印刷機等の画像形成装置においては、例えば感光体等の像担持体上に電子写真方式や静電記録方式等により静電潜像を形成し、この潜像を現像剤で現像して顕画像化した後、像担持体上の画像を転写紙に転写し、定着して画像を形成している。
このような画像形成装置に用いられる転写紙としては、繊維と繊維が填量によってつながり紙が形成されているが、部分的に填量が不十分で繊維が剥がれ易かったり、給紙分離の過程や搬送経路を通過することで紙にダメージが加わり繊維や填量が剥がれ易くなり、画像形成装置内で繊維と填量から成る紙粉が発生する。そして、転写紙が転写部を通過する時に、転写紙の表面にあった紙粉は静電的に感光体に吸着してしまい、感光体の表面を清掃するクリーニング部のブレードに引っ掛かり、紙粉が累積することでクリーニング性が低下したり、感光体を傷つけたりして寿命を低下させていた。
【0003】
従来の機械では例えば特許文献1に記載の「画像形成装置の紙粉取りユニット装置」に代表されるような形態で、主にレジストローラにスクレーパを当接して、転写紙の表面の紙粉がローラ表面に自然に転移してきた物をスクレーパで掻き取っていた。そのため一枚の紙から除去できる紙粉量は後述の強制的に除去する方式に比べると微々たるもので、作像系に流出する紙粉を無くすには至らず、紙粉による問題を無くすことはできず、問題が発生する時期を延ばす程度の効果しか得られなかった。しかし、従来は各メーカ共に紙粉対策にはこの方式を採用していた。
【0004】
また、特許文献2に記載の「画像形成装置」のような、レジストローラにバイアスを印加する方式が提案されているが、現実には転写過程のバイアスとの兼ね合いにより、高温多湿環境下で転写紙が調湿して抵抗値が低いと、転写バイアスが転写紙を介してレジストローラのバイアスと喧嘩したり筐体に流れたりして、作像部のトナー像を転写紙に転写するのが不十分だったり転写できなかったりして、転写性能が低下してしまい画像品質が落ち、紙粉を除去する性能は高くても従来は無かった問題による画像への副作用や、専用のパワーパックが必要となるためコストが高く付いたりと課題が多く、現在市場に出回っている各メーカの量産機では一機種たりとも搭載されていないのが現状である。
【0005】
【特許文献1】
特許第3281673号公報
【特許文献2】
特開平7−25503号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、転写性能を悪化させること無く紙粉除去性能を向上することができ、搬送品質や画像品質は従来のままで機械品質を向上しながら紙粉を従来以上に除去できる紙粉除去装置を提供すること、及びその紙粉除去装置を備え、紙粉によるクリーニング不良や感光体の劣化、画像品質の低下等の問題を解消した画像形成装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、像担持体上に画像を形成する作像手段と、前記像担持体上の画像を転写する転写部に向けて転写紙を搬送するための搬送手段と、前記転写部において像担持体上の画像を転写紙に転写するための転写手段とを有する画像形成装置において、前記搬送手段を利用して前記転写紙の紙粉を除去する紙粉除去装置であって、前記転写手段より転写紙搬送方向上流側で転写紙に当接して回転する駆動ローラと、前記駆動ローラと対向する位置に配置され該駆動ローラに対して平行で間隔が一定に保持された2本の従動軸と、その2本の従動軸を覆い前記駆動ローラとの対向部で転写紙と接するエンドレスベルトとを備えた搬送手段を有し、前記搬送手段のエンドレスベルトの外周面で転写紙搬送面以外の部分で一方の従動軸と接している位置に紙粉除去部材を当接させたことを特徴とする。
【0008】
請求項2に係る発明は、請求項1記載の紙粉除去装置において、前記転写紙の前記転写部にて画像を転写する面側に、前記搬送手段の2本の従動軸とエンドレスベルトを配置したことを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1または2記載の紙粉除去装置において、前記紙粉除去部材は従動軸を保持する両端の軸受に保持したことを特徴とする。
【0009】
請求項4に係る発明は、像担持体上に画像を形成する作像手段と、前記像担持体上の画像を転写する転写部に向けて転写紙を搬送するための搬送手段と、前記転写部において像担持体上の画像を転写紙に転写するための転写手段とを有する画像形成装置において、請求項1〜3のいずれか一つに記載の紙粉除去装置を備えたことを特徴とする。
【0010】
本発明は、転写性能を悪化させること無く紙粉除去性能を向上するため、従来は一対のローラにより構成されていたレジスト部の搬送手段(レジストローラ)に換えて、レジスト部の搬送手段として、駆動側は一本の駆動ローラで構成し、従動側を2本の従動軸にエンドレスベルトを巻き付けて駆動ローラに圧接した構成によるベルト搬送とし、かつスクレーパ等の紙粉除去部材をエンドレスベルトの外周面に当接した紙粉除去手段を組み合わせた構成としている。これにより、転写紙がレジスト部を通過する時には、2本の従動軸とエンドレスベルトによって駆動ローラに巻き付けられて曲げた状態で搬送されるので、平面状態では露出しにくかった転写紙の繊維の奥の紙粉までもが露出され、また、平面状態では繊維と繊維に絡まっていた紙粉も、転写紙を曲げた状態で搬送して繊維と繊維を離すことにより繊維との絡みをほぐすことができる。これにより、転写紙表面の紙粉は勿論のこと、繊維と繊維の間に隠れていた浮遊しやすい紙粉までもがベルトと接することで、ベルト周面に付着させることができるので、ベルトに付着する紙粉の量が増え、その後、紙粉除去部材でベルト周面の紙粉を掻き取ることで一枚当たりの転写紙から取れる紙粉の除去量を増やすことができる。
【0011】
また、従来の一対のローラによる構成では、高い圧力をローラ間に与えて搬送力を得ていたため、圧力に影響されて軸心に撓みが生じ搬送不良が起きない様に、軸心強度を上げるため径を太くしていたので材料費がかかっていた。さらに従動ローラは転写紙と直接に接するため、表面粗さも高い精度が求められ、生産コストが高くなっていた。
これに対して、本発明に係るベルト搬送方式では、従来構成に対して従動軸が2本に増えエンドレスベルトが追加されるが、駆動ローラに巻き付く長さ(角度)で搬送力を得ているため、圧力は巻付け角度を100度付けると加圧力は従来の4分の1(1/4)で済み、一本当たりの軸径を半分以下に細められ、また、従動軸は紙と接しないため表面粗さは通常加工で済み、生産コストが大幅に下がるので、軸が増えたりベルトが追加された分のコストは帳消しされる。さらに加圧力が低いと軸受部にかかる負担も軽減されるため高寿命が望め、駆動負荷も減るので駆動源や駆動部品にかかる負荷が減り機械品質が高まる。また、加圧力が減少するため、転写紙に与えるダメージを防止でき、紙粉の発生を抑制できる。
以上のことから、搬送品質や画像品質は従来のままで機械品質を上しながら、紙粉を従来以上に除去できる紙粉除去装置及び画像形成装置を提供することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成、動作及び作用を図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態を示す画像形成装置の概略構成図である。図1において、符号1は像担持体の一例であるドラム状の感光体であり、この感光体1の周囲には、電子写真方式による作像プロセスを実行し感光体上に画像を形成するための帯電装置2、画像書込装置3、現像装置4等からなる作像手段と、転写部において感光体上の画像を転写紙に転写するための転写装置6と、転写後の感光体表面をクリーニングするクリーニング装置7が配設されている。また、転写部6よりも転写紙搬送方向上流側には、転写紙を転写部に向けて所定のタイミングで搬送するためのレジスト部5と、レジスト部5に転写紙が搬送されて来たことを検知するレジストセンサ13が設けられており、さらにその上流側には、搬送ローラ11と転写紙の給紙部(給紙カセット9,10及び給紙ローラ9a,10a)が設けられている。また、転写部よりも転写紙搬送方向下流側には、転写紙に転写された画像を定着するための定着装置8や排紙ローラ、排紙トレイ等が設けられている。
【0013】
より詳しく述べると、帯電装置2は、帯電チャージャ、帯電ローラ、帯電ブラシ等により構成され、感光体1の表面を均一に帯電する。
画像書込装置3は、例えばレーザ光源3a、回転多面鏡3b、fθレンズ等の結像光学系3c、ミラー3d等から構成され、画像信号に応じて変調されたレーザ光を感光体1に露光して静電潜像を形成する。尚、画像書込装置としては、この他、発光ダイオード(LED)アレイとマイクロレンズアレイを組み合わせたもの、液晶シャッターアレイとマイクロレンズアレイを組み合わせたものなどを用いることができる。
現像装置4は、現像剤としてトナーのみからなる1成分現像剤を用いる1成分現像装置、あるいは現像剤としてトナーとキャリアからなる2成分現像剤を用いる2成分現像装置等があり、現像ローラで担持した現像剤のトナーで感光体1上の静電潜像を現像して顕画像化する。
転写部の転写装置6は、転写ローラ、転写チャージャ、転写ベルト等からなり、給紙部9,10から搬送ローラ11とレジスト部5を介して搬送されて来る転写紙に感光体1上の画像を転写する。
定着装置8は、例えば加熱ローラ8aと加圧ローラ8bからなり、転写部で転写紙に転写された画像を加熱ローラ8aと加圧ローラ8bのニップ部で加熱・加圧して定着する。
クリーニング装置7は、クリーニングブレードやクリーニングローラ、クリーニングブラシ等のクリーニング部材を備え、転写後の感光体上の残留トナーや紙粉等を除去する。尚、クリーニング装置7と帯電装置2の間には必要に応じて除電装置が設けられるが図示を省略する。
【0014】
ここで、本発明では上記レジスト部5を構成する搬送手段を利用して転写紙の紙粉を除去する紙粉除去装置を構成している。以下、紙粉除去装置の構成及び動作を図2〜6を参照して詳細に説明する。
【0015】
図3は図1に示す画像形成装置のレジスト部(紙粉除去装置)の要部構成を示す概略図である。図3に示すように、紙粉除去装置を兼ねたレジスト部5は、転写装置6より転写紙搬送方向上流側で転写紙に当接して回転する駆動ローラ5−1と、駆動ローラ5−1と対向する位置に配置され該駆動ローラ5−1に対して平行で間隔が一定に保持された2本の従動軸5−5,5−6と、その2本の従動軸5−5.5−6を覆い前記駆動ローラ5−1との対向部で転写紙と接するエンドレスベルト5−4とを備えた搬送手段を有し、この搬送手段のエンドレスベルト5−4の外周面で転写紙搬送面以外の部分で一方の従動軸5−6と接している位置に紙粉除去部材12を当接させたものである。
【0016】
図2は図1に示す画像形成装置のレジスト部(紙粉除去装置)を分解して示す概略斜視図である。図2に示すように、レジスト部5の駆動ローラ5−1は金属製の芯金(軸)5−2にゴムを覆い被せた物であり、この駆動ローラ5−1は軸5−2の両端を軸受け5−3によって回転可能に保持され、図示しない駆動源からの回転駆動が伝達されて回転されるようになっている。
従動側は2本の従動軸5−5,5−6が前後一つづつの計2個の軸受け5−7によって回転可能に保持され、この2本の従動軸5−5,5−6を一緒に覆う様にエンドレスベルト5−4が被せられている。また、従動軸5−5,5−6の両端を支持する軸受け5−7は、駆動ローラ5−1の軸心からの放射線に沿って平行移動可能に取り付けられている。
【0017】
エンドレスベルト5−4の周長は2本の従動軸5−5,5−6が駆動ローラ5−1に当接し、双方の当接位置と駆動ローラ5−1の軸心をつなぐ角度が約40度になる長さとする。
2本の従動軸5−5,5−6を保持する軸受け5−7には前後一つづつの加圧スプリング5−8が駆動軸心に向かって取り付けられており、この加圧スプリング5−8の加圧力(P)により、2本の従動軸5−5,5−6は均等に駆動ローラ5−1へ加圧されるので、2本の従動軸5−5,5−6を覆うエンドレスベルト5−4は、図3に示すように駆動ローラ5−1に巻き付くように押し付けられ、2本の従動軸5−5,5−6間のベルトに張力が働く。
【0018】
従来のレジストローラのように一対のローラによる構成では、約4kgfの搬送力(F)を得るため、加圧スプリングはローラ軸の前後に2kgf、計4kgfの加圧力(P)を必要とし、搬送力の算出には下記の式が用いられていた。
F=P×μ
μ:紙とローラ間の摩擦係数
【0019】
これに対して、図2,3に示す構成のベルト搬送では、エンドレスベルト5−4の駆動ローラ5−1への巻付き量が搬送力(F)に大きく寄与するため、搬送力(F)の算出には、図4に示すような各要素を用いて、下記のベルト摩擦の算出式により求める。
F=eμ1×β×T
μ1:紙とローラ間の摩擦係数
β:巻き付き量
β=φD×π×θ
φD:駆動ローラの直径
θ:ベルトの巻き付き角度
T:入り口側従動軸の回転負荷
T=(P/2)×μ2×(φW2/φW1)×μ3
P:加圧スプリングの荷重(加圧力)
μ2:紙とベルトの摩擦係数
φW1:従動軸の直径
φW2:従動軸の軸受け部の直径
μ3:従動軸と軸受けの摩擦係数
【0020】
上記の式の各設定値を、
φD=φ20mm
φW1=φ8mm
φW2=φ6mm
θ=40°
P=1kgf
μ1=0.8
μ2=0.05
μ3=0.8
とすれば、従来の約4分の1の加圧力(1kgf)で、従来と同等の搬送力(4kgf)が得られる。従って、レジスト部5に本発明に係るベルト搬送を採用することにより、転写紙の低圧力搬送が可能となる。
【0021】
従動軸5−5,5−6を支える前後の軸受け5−7に保持されるようにして紙粉除去部材12のブラケット12−1が取り付けられており、このブラケット12−1にはスクレーパ12−2がエンドレスベルト5−4に当接するように固定され、ベルト表面の異物を掻き取って除去できるようにしている。
スクレーパ12−2の当接位置は、エンドレスベルト5−4の外周面で転写紙搬送面以外の部分で一方の従動軸5−6と接している位置、すなわちエンドレスベルト5−4を介した内側に一方の従動軸5−6が在る所に設置する。それによってエンドレスベルト5−4が撓むこと無くスクレーパ12−2の押し圧を確実にエンドレスベルト5−4にかけることができる。
【0022】
次にレジスト部5の動作について説明する。図1〜4において、給紙カセット9(または10)から給紙ローラ9a(または10a)により1枚づつ分離されて給紙され、搬送ローラ11にてレジスト部5に送られてきた転写紙Sは、レジスト部5の駆動ローラ5−1と、2つの従動軸5−5,5−6に支持されたエンドレスベルト5−4とのニップに突き当り曲がりを補正され、下流の転写部(感光体1と転写装置6の対向部)へと搬送される。
【0023】
転写紙Sは、駆動ローラ5−1と、2本の従動軸5−5,5−6上のエンドレスベルト5−4との間のニップ部を通過する時に、エンドレスベルト5−4によって駆動ローラ5−1の周面上に巻き付けられる。
ここで、転写紙Sは駆動ローラ5−1に巻き付けられることによって図5(a)に示す平らな状態から、(b)に示す曲げた状態となり、紙の厚みの半分を境にしてローラ側の内側は縮み、厚み半分よりベルト側の外側は伸ばされる。そして、転写紙Sは図5(b)のように曲げた状態となり、紙が伸ばされることによって表面上の繊維と繊維は離され、平らな時には繊維と繊維に隠れて露出し難かった奥の紙粉までもが露出される。このため、奥に隠れていた紙粉も取り出し易くなる。
また、図6に示すように、(a)の平らな状態では繊維と繊維の間に絡まっていた紙粉も、転写紙Sを駆動ローラ5−1に巻き付けることにより(b)のように曲げた状態となり、紙が伸ばされ繊維と紙粉が離されることによって絡みが解れ、転写紙から分離し易くなる。
【0024】
平らな時の転写紙Sの表面上の紙粉は、通常のレジストローラのような一対のローラの組み合わせでも取れるように、本発明の駆動ローラ5−1とエンドレスベルト5−4の組み合わせでも同じく取ることができる。さらに本発明の駆動ローラ5−1とエンドレスベルト5−4の組み合わせでは、図5(b)や図6(b)に示すように、転写紙を曲げた状態で搬送するので、繊維に絡まっている紙粉や、繊維に隠れた紙粉までもがエンドレスベルト5−4に転写させることができるので、一対のローラ方式に比べてより多くの紙粉を転写紙から除去することができる。この場合、ベルト表面に転写される紙粉の量は多くなるが、エンドレスベルト5−4の表面に転写された紙粉は、エンドレスベルト5−4の外周面に当接した紙粉除去部材12のスクレーパ12−2によって掻き取られるので、紙粉除去を効果的に行うことができる。
【0025】
また、従来のレジストローラのような一対のローラ方式では高圧力を加えて搬送力を得ているため、転写紙にダメージが与えられ、一対のローラを通り抜けたことにより紙粉の発生が起きるという問題があった。しかし、本発明のベルト搬送方式のレジスト部5では、前述したように転写紙にかかる圧力が低いため、転写紙に与えるダメージが殆ど無く、レジスト部5を通り抜けても紙粉が発生しない。
【0026】
転写部の転写装置6による画像転写は静電的に行われるため、従来の一対のローラ方式では取りきれなかった繊維に絡まった紙粉や、繊維に隠れた紙粉や、高圧力が掛ったローラ対を通り抜けたために発生した紙粉が転写部で電気的に感光体に吸着してしまい、クリーニング部で支障が起きていた。
これに対して、本発明のベルト搬送方式のレジスト部5では、繊維に絡まった紙粉や、繊維に隠れた紙粉までもがベルト5−4と紙粉除去部材12により除去され、しかも駆動ローラ5−1とベルト5−4による低圧力搬送なため、レジスト部5の駆動ローラ5−1とベルト5−4間を転写紙Sが通り抜けても紙粉が発生せず、転写部で感光体1に紙粉が吸着される量を減少することができる。従って、クリーニング部7に回り込む紙粉の量が大幅に減少されるため、従来発生していた紙粉によるクリーニング不良や、感光体1のスジ状の破損が防止でき、また、装置内でトナーを現像部に循環して使用する時にも、紙粉の混入が殆ど無いので、現像部で濃度バラ付きが発生する等のトラブルによる画像不良の問題が解消される。
【0027】
以上のように、従来の一対のローラにスクレーパを組み合わせた紙粉除去手段に比べ、本発明のベルト搬送にスクレーパを組み合わせた紙粉除去手段を用いることにより、紙粉による種々の問題が解消され、長期間に亘って良好な画像品質を得ることができる。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る紙粉除去装置では、エンドレスベルトにて駆動ローラへ転写紙を強制的に巻き付けて湾曲させることで、転写紙の通常状態の表面に付着した紙粉と、繊維と繊維の間に隠れた浮遊し易い紙粉までもを露出させてベルトに付着させることができ、そのベルトに付着させた紙粉を紙粉除去部材で除去することができるので、従来のローラにバイアスを印加して静電的に紙粉を吸着させて除去させる方式に比べて低コストで、従来の機械式除去手段より多くの紙粉を除去することができる紙粉除去装置を実現することができる。従って、この紙粉除去装置を画像形成装置に用いることにより、転写部にて作像側へ紙粉が流出することを防止できるので、紙粉によるクリーニング不良や感光体の劣化等、紙粉によってダメージを受けていた作像部の耐久性を向上することができる。
【0029】
さらに本発明に係る紙粉除去装置では、エンドレスベルトによる駆動ローラへの巻付け搬送を行なっているため、転写紙への加圧力を低くできるので、転写紙に与えるダメージが無く、従来のローラを通過したことによる紙粉の発生を防止することができる。また、ベルトを介した対向位置に従動軸が在ることで、紙粉除去部材(スクレーパ)の当接圧が確実にベルトへかかり、ベルト上の紙粉を効率よく除去することができる。
尚、駆動ローラや従動軸の外径バラ付きや、ベルトの周長誤差や、搬送する転写紙の厚み等のバラ付きによって従動軸の位置が多少変わることがあるが、本発明に係る紙粉除去装置では、従動軸を保持する軸受けに紙粉除去部材(スクレーパ)が取り付くため、従動軸と紙粉除去部材(スクレーパ)の位置関係は変わらず、安定した紙粉除去を行なうことができる。
【0030】
本発明に係る画像形成装置では、上記の構成及び効果を有する紙粉除去装置を備えたので、転写部に搬送されてくる途中で転写紙の紙粉を除去することができ、転写部にて作像側へ紙粉が流出することを防止できるので、紙粉によるクリーニング不良や感光体の劣化等、紙粉によってダメージを受けていた作像部の耐久性を向上することができ、画像品質の低下も防止することができ、紙粉による従来の問題を解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す画像形成装置の概略構成図である。
【図2】図1に示す画像形成装置のレジスト部(紙粉除去装置)を分解して示す概略斜視図である。
【図3】図1に示す画像形成装置のレジスト部(紙粉除去装置)の要部構成を示す概略図である。
【図4】図3に示すレジスト部(紙粉除去装置)の搬送力の算出に用いる各要素を説明するための図である。
【図5】転写紙を駆動ローラに巻き付けることによる紙粉除去原理の一例を示す図である。
【図6】転写紙を駆動ローラに巻き付けることによる紙粉除去原理の別の例を示す図である。
【符号の説明】
1:感光体(像担持体)
2:帯電装置
3:画像書込装置
4:現像装置
5:レジスト部(紙粉除去装置)
5−1:駆動ローラ
5−2:軸
5−3:軸受け
5−4:エンドレスベルト
5−5,5−6:従動軸
5−7:軸受け
5−8:加圧スプリング
6:転写装置
7:クリーニング装置
8:定着装置
9,10:給紙カセット
9a,10a:給紙ローラ
11:搬送ローラ
12:紙粉除去部材
12−1:ブラケット
12−2:スクレーパ
13:レジストセンサ
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像形成装置に用いられる紙粉除去装置及び、その紙粉除去装置を備えた複写機、ファクシミリ、プリンター、プロッター、印刷機等の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
複写機、ファクシミリ、プリンター、プロッター、印刷機等の画像形成装置においては、例えば感光体等の像担持体上に電子写真方式や静電記録方式等により静電潜像を形成し、この潜像を現像剤で現像して顕画像化した後、像担持体上の画像を転写紙に転写し、定着して画像を形成している。
このような画像形成装置に用いられる転写紙としては、繊維と繊維が填量によってつながり紙が形成されているが、部分的に填量が不十分で繊維が剥がれ易かったり、給紙分離の過程や搬送経路を通過することで紙にダメージが加わり繊維や填量が剥がれ易くなり、画像形成装置内で繊維と填量から成る紙粉が発生する。そして、転写紙が転写部を通過する時に、転写紙の表面にあった紙粉は静電的に感光体に吸着してしまい、感光体の表面を清掃するクリーニング部のブレードに引っ掛かり、紙粉が累積することでクリーニング性が低下したり、感光体を傷つけたりして寿命を低下させていた。
【0003】
従来の機械では例えば特許文献1に記載の「画像形成装置の紙粉取りユニット装置」に代表されるような形態で、主にレジストローラにスクレーパを当接して、転写紙の表面の紙粉がローラ表面に自然に転移してきた物をスクレーパで掻き取っていた。そのため一枚の紙から除去できる紙粉量は後述の強制的に除去する方式に比べると微々たるもので、作像系に流出する紙粉を無くすには至らず、紙粉による問題を無くすことはできず、問題が発生する時期を延ばす程度の効果しか得られなかった。しかし、従来は各メーカ共に紙粉対策にはこの方式を採用していた。
【0004】
また、特許文献2に記載の「画像形成装置」のような、レジストローラにバイアスを印加する方式が提案されているが、現実には転写過程のバイアスとの兼ね合いにより、高温多湿環境下で転写紙が調湿して抵抗値が低いと、転写バイアスが転写紙を介してレジストローラのバイアスと喧嘩したり筐体に流れたりして、作像部のトナー像を転写紙に転写するのが不十分だったり転写できなかったりして、転写性能が低下してしまい画像品質が落ち、紙粉を除去する性能は高くても従来は無かった問題による画像への副作用や、専用のパワーパックが必要となるためコストが高く付いたりと課題が多く、現在市場に出回っている各メーカの量産機では一機種たりとも搭載されていないのが現状である。
【0005】
【特許文献1】
特許第3281673号公報
【特許文献2】
特開平7−25503号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、転写性能を悪化させること無く紙粉除去性能を向上することができ、搬送品質や画像品質は従来のままで機械品質を向上しながら紙粉を従来以上に除去できる紙粉除去装置を提供すること、及びその紙粉除去装置を備え、紙粉によるクリーニング不良や感光体の劣化、画像品質の低下等の問題を解消した画像形成装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、像担持体上に画像を形成する作像手段と、前記像担持体上の画像を転写する転写部に向けて転写紙を搬送するための搬送手段と、前記転写部において像担持体上の画像を転写紙に転写するための転写手段とを有する画像形成装置において、前記搬送手段を利用して前記転写紙の紙粉を除去する紙粉除去装置であって、前記転写手段より転写紙搬送方向上流側で転写紙に当接して回転する駆動ローラと、前記駆動ローラと対向する位置に配置され該駆動ローラに対して平行で間隔が一定に保持された2本の従動軸と、その2本の従動軸を覆い前記駆動ローラとの対向部で転写紙と接するエンドレスベルトとを備えた搬送手段を有し、前記搬送手段のエンドレスベルトの外周面で転写紙搬送面以外の部分で一方の従動軸と接している位置に紙粉除去部材を当接させたことを特徴とする。
【0008】
請求項2に係る発明は、請求項1記載の紙粉除去装置において、前記転写紙の前記転写部にて画像を転写する面側に、前記搬送手段の2本の従動軸とエンドレスベルトを配置したことを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1または2記載の紙粉除去装置において、前記紙粉除去部材は従動軸を保持する両端の軸受に保持したことを特徴とする。
【0009】
請求項4に係る発明は、像担持体上に画像を形成する作像手段と、前記像担持体上の画像を転写する転写部に向けて転写紙を搬送するための搬送手段と、前記転写部において像担持体上の画像を転写紙に転写するための転写手段とを有する画像形成装置において、請求項1〜3のいずれか一つに記載の紙粉除去装置を備えたことを特徴とする。
【0010】
本発明は、転写性能を悪化させること無く紙粉除去性能を向上するため、従来は一対のローラにより構成されていたレジスト部の搬送手段(レジストローラ)に換えて、レジスト部の搬送手段として、駆動側は一本の駆動ローラで構成し、従動側を2本の従動軸にエンドレスベルトを巻き付けて駆動ローラに圧接した構成によるベルト搬送とし、かつスクレーパ等の紙粉除去部材をエンドレスベルトの外周面に当接した紙粉除去手段を組み合わせた構成としている。これにより、転写紙がレジスト部を通過する時には、2本の従動軸とエンドレスベルトによって駆動ローラに巻き付けられて曲げた状態で搬送されるので、平面状態では露出しにくかった転写紙の繊維の奥の紙粉までもが露出され、また、平面状態では繊維と繊維に絡まっていた紙粉も、転写紙を曲げた状態で搬送して繊維と繊維を離すことにより繊維との絡みをほぐすことができる。これにより、転写紙表面の紙粉は勿論のこと、繊維と繊維の間に隠れていた浮遊しやすい紙粉までもがベルトと接することで、ベルト周面に付着させることができるので、ベルトに付着する紙粉の量が増え、その後、紙粉除去部材でベルト周面の紙粉を掻き取ることで一枚当たりの転写紙から取れる紙粉の除去量を増やすことができる。
【0011】
また、従来の一対のローラによる構成では、高い圧力をローラ間に与えて搬送力を得ていたため、圧力に影響されて軸心に撓みが生じ搬送不良が起きない様に、軸心強度を上げるため径を太くしていたので材料費がかかっていた。さらに従動ローラは転写紙と直接に接するため、表面粗さも高い精度が求められ、生産コストが高くなっていた。
これに対して、本発明に係るベルト搬送方式では、従来構成に対して従動軸が2本に増えエンドレスベルトが追加されるが、駆動ローラに巻き付く長さ(角度)で搬送力を得ているため、圧力は巻付け角度を100度付けると加圧力は従来の4分の1(1/4)で済み、一本当たりの軸径を半分以下に細められ、また、従動軸は紙と接しないため表面粗さは通常加工で済み、生産コストが大幅に下がるので、軸が増えたりベルトが追加された分のコストは帳消しされる。さらに加圧力が低いと軸受部にかかる負担も軽減されるため高寿命が望め、駆動負荷も減るので駆動源や駆動部品にかかる負荷が減り機械品質が高まる。また、加圧力が減少するため、転写紙に与えるダメージを防止でき、紙粉の発生を抑制できる。
以上のことから、搬送品質や画像品質は従来のままで機械品質を上しながら、紙粉を従来以上に除去できる紙粉除去装置及び画像形成装置を提供することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成、動作及び作用を図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態を示す画像形成装置の概略構成図である。図1において、符号1は像担持体の一例であるドラム状の感光体であり、この感光体1の周囲には、電子写真方式による作像プロセスを実行し感光体上に画像を形成するための帯電装置2、画像書込装置3、現像装置4等からなる作像手段と、転写部において感光体上の画像を転写紙に転写するための転写装置6と、転写後の感光体表面をクリーニングするクリーニング装置7が配設されている。また、転写部6よりも転写紙搬送方向上流側には、転写紙を転写部に向けて所定のタイミングで搬送するためのレジスト部5と、レジスト部5に転写紙が搬送されて来たことを検知するレジストセンサ13が設けられており、さらにその上流側には、搬送ローラ11と転写紙の給紙部(給紙カセット9,10及び給紙ローラ9a,10a)が設けられている。また、転写部よりも転写紙搬送方向下流側には、転写紙に転写された画像を定着するための定着装置8や排紙ローラ、排紙トレイ等が設けられている。
【0013】
より詳しく述べると、帯電装置2は、帯電チャージャ、帯電ローラ、帯電ブラシ等により構成され、感光体1の表面を均一に帯電する。
画像書込装置3は、例えばレーザ光源3a、回転多面鏡3b、fθレンズ等の結像光学系3c、ミラー3d等から構成され、画像信号に応じて変調されたレーザ光を感光体1に露光して静電潜像を形成する。尚、画像書込装置としては、この他、発光ダイオード(LED)アレイとマイクロレンズアレイを組み合わせたもの、液晶シャッターアレイとマイクロレンズアレイを組み合わせたものなどを用いることができる。
現像装置4は、現像剤としてトナーのみからなる1成分現像剤を用いる1成分現像装置、あるいは現像剤としてトナーとキャリアからなる2成分現像剤を用いる2成分現像装置等があり、現像ローラで担持した現像剤のトナーで感光体1上の静電潜像を現像して顕画像化する。
転写部の転写装置6は、転写ローラ、転写チャージャ、転写ベルト等からなり、給紙部9,10から搬送ローラ11とレジスト部5を介して搬送されて来る転写紙に感光体1上の画像を転写する。
定着装置8は、例えば加熱ローラ8aと加圧ローラ8bからなり、転写部で転写紙に転写された画像を加熱ローラ8aと加圧ローラ8bのニップ部で加熱・加圧して定着する。
クリーニング装置7は、クリーニングブレードやクリーニングローラ、クリーニングブラシ等のクリーニング部材を備え、転写後の感光体上の残留トナーや紙粉等を除去する。尚、クリーニング装置7と帯電装置2の間には必要に応じて除電装置が設けられるが図示を省略する。
【0014】
ここで、本発明では上記レジスト部5を構成する搬送手段を利用して転写紙の紙粉を除去する紙粉除去装置を構成している。以下、紙粉除去装置の構成及び動作を図2〜6を参照して詳細に説明する。
【0015】
図3は図1に示す画像形成装置のレジスト部(紙粉除去装置)の要部構成を示す概略図である。図3に示すように、紙粉除去装置を兼ねたレジスト部5は、転写装置6より転写紙搬送方向上流側で転写紙に当接して回転する駆動ローラ5−1と、駆動ローラ5−1と対向する位置に配置され該駆動ローラ5−1に対して平行で間隔が一定に保持された2本の従動軸5−5,5−6と、その2本の従動軸5−5.5−6を覆い前記駆動ローラ5−1との対向部で転写紙と接するエンドレスベルト5−4とを備えた搬送手段を有し、この搬送手段のエンドレスベルト5−4の外周面で転写紙搬送面以外の部分で一方の従動軸5−6と接している位置に紙粉除去部材12を当接させたものである。
【0016】
図2は図1に示す画像形成装置のレジスト部(紙粉除去装置)を分解して示す概略斜視図である。図2に示すように、レジスト部5の駆動ローラ5−1は金属製の芯金(軸)5−2にゴムを覆い被せた物であり、この駆動ローラ5−1は軸5−2の両端を軸受け5−3によって回転可能に保持され、図示しない駆動源からの回転駆動が伝達されて回転されるようになっている。
従動側は2本の従動軸5−5,5−6が前後一つづつの計2個の軸受け5−7によって回転可能に保持され、この2本の従動軸5−5,5−6を一緒に覆う様にエンドレスベルト5−4が被せられている。また、従動軸5−5,5−6の両端を支持する軸受け5−7は、駆動ローラ5−1の軸心からの放射線に沿って平行移動可能に取り付けられている。
【0017】
エンドレスベルト5−4の周長は2本の従動軸5−5,5−6が駆動ローラ5−1に当接し、双方の当接位置と駆動ローラ5−1の軸心をつなぐ角度が約40度になる長さとする。
2本の従動軸5−5,5−6を保持する軸受け5−7には前後一つづつの加圧スプリング5−8が駆動軸心に向かって取り付けられており、この加圧スプリング5−8の加圧力(P)により、2本の従動軸5−5,5−6は均等に駆動ローラ5−1へ加圧されるので、2本の従動軸5−5,5−6を覆うエンドレスベルト5−4は、図3に示すように駆動ローラ5−1に巻き付くように押し付けられ、2本の従動軸5−5,5−6間のベルトに張力が働く。
【0018】
従来のレジストローラのように一対のローラによる構成では、約4kgfの搬送力(F)を得るため、加圧スプリングはローラ軸の前後に2kgf、計4kgfの加圧力(P)を必要とし、搬送力の算出には下記の式が用いられていた。
F=P×μ
μ:紙とローラ間の摩擦係数
【0019】
これに対して、図2,3に示す構成のベルト搬送では、エンドレスベルト5−4の駆動ローラ5−1への巻付き量が搬送力(F)に大きく寄与するため、搬送力(F)の算出には、図4に示すような各要素を用いて、下記のベルト摩擦の算出式により求める。
F=eμ1×β×T
μ1:紙とローラ間の摩擦係数
β:巻き付き量
β=φD×π×θ
φD:駆動ローラの直径
θ:ベルトの巻き付き角度
T:入り口側従動軸の回転負荷
T=(P/2)×μ2×(φW2/φW1)×μ3
P:加圧スプリングの荷重(加圧力)
μ2:紙とベルトの摩擦係数
φW1:従動軸の直径
φW2:従動軸の軸受け部の直径
μ3:従動軸と軸受けの摩擦係数
【0020】
上記の式の各設定値を、
φD=φ20mm
φW1=φ8mm
φW2=φ6mm
θ=40°
P=1kgf
μ1=0.8
μ2=0.05
μ3=0.8
とすれば、従来の約4分の1の加圧力(1kgf)で、従来と同等の搬送力(4kgf)が得られる。従って、レジスト部5に本発明に係るベルト搬送を採用することにより、転写紙の低圧力搬送が可能となる。
【0021】
従動軸5−5,5−6を支える前後の軸受け5−7に保持されるようにして紙粉除去部材12のブラケット12−1が取り付けられており、このブラケット12−1にはスクレーパ12−2がエンドレスベルト5−4に当接するように固定され、ベルト表面の異物を掻き取って除去できるようにしている。
スクレーパ12−2の当接位置は、エンドレスベルト5−4の外周面で転写紙搬送面以外の部分で一方の従動軸5−6と接している位置、すなわちエンドレスベルト5−4を介した内側に一方の従動軸5−6が在る所に設置する。それによってエンドレスベルト5−4が撓むこと無くスクレーパ12−2の押し圧を確実にエンドレスベルト5−4にかけることができる。
【0022】
次にレジスト部5の動作について説明する。図1〜4において、給紙カセット9(または10)から給紙ローラ9a(または10a)により1枚づつ分離されて給紙され、搬送ローラ11にてレジスト部5に送られてきた転写紙Sは、レジスト部5の駆動ローラ5−1と、2つの従動軸5−5,5−6に支持されたエンドレスベルト5−4とのニップに突き当り曲がりを補正され、下流の転写部(感光体1と転写装置6の対向部)へと搬送される。
【0023】
転写紙Sは、駆動ローラ5−1と、2本の従動軸5−5,5−6上のエンドレスベルト5−4との間のニップ部を通過する時に、エンドレスベルト5−4によって駆動ローラ5−1の周面上に巻き付けられる。
ここで、転写紙Sは駆動ローラ5−1に巻き付けられることによって図5(a)に示す平らな状態から、(b)に示す曲げた状態となり、紙の厚みの半分を境にしてローラ側の内側は縮み、厚み半分よりベルト側の外側は伸ばされる。そして、転写紙Sは図5(b)のように曲げた状態となり、紙が伸ばされることによって表面上の繊維と繊維は離され、平らな時には繊維と繊維に隠れて露出し難かった奥の紙粉までもが露出される。このため、奥に隠れていた紙粉も取り出し易くなる。
また、図6に示すように、(a)の平らな状態では繊維と繊維の間に絡まっていた紙粉も、転写紙Sを駆動ローラ5−1に巻き付けることにより(b)のように曲げた状態となり、紙が伸ばされ繊維と紙粉が離されることによって絡みが解れ、転写紙から分離し易くなる。
【0024】
平らな時の転写紙Sの表面上の紙粉は、通常のレジストローラのような一対のローラの組み合わせでも取れるように、本発明の駆動ローラ5−1とエンドレスベルト5−4の組み合わせでも同じく取ることができる。さらに本発明の駆動ローラ5−1とエンドレスベルト5−4の組み合わせでは、図5(b)や図6(b)に示すように、転写紙を曲げた状態で搬送するので、繊維に絡まっている紙粉や、繊維に隠れた紙粉までもがエンドレスベルト5−4に転写させることができるので、一対のローラ方式に比べてより多くの紙粉を転写紙から除去することができる。この場合、ベルト表面に転写される紙粉の量は多くなるが、エンドレスベルト5−4の表面に転写された紙粉は、エンドレスベルト5−4の外周面に当接した紙粉除去部材12のスクレーパ12−2によって掻き取られるので、紙粉除去を効果的に行うことができる。
【0025】
また、従来のレジストローラのような一対のローラ方式では高圧力を加えて搬送力を得ているため、転写紙にダメージが与えられ、一対のローラを通り抜けたことにより紙粉の発生が起きるという問題があった。しかし、本発明のベルト搬送方式のレジスト部5では、前述したように転写紙にかかる圧力が低いため、転写紙に与えるダメージが殆ど無く、レジスト部5を通り抜けても紙粉が発生しない。
【0026】
転写部の転写装置6による画像転写は静電的に行われるため、従来の一対のローラ方式では取りきれなかった繊維に絡まった紙粉や、繊維に隠れた紙粉や、高圧力が掛ったローラ対を通り抜けたために発生した紙粉が転写部で電気的に感光体に吸着してしまい、クリーニング部で支障が起きていた。
これに対して、本発明のベルト搬送方式のレジスト部5では、繊維に絡まった紙粉や、繊維に隠れた紙粉までもがベルト5−4と紙粉除去部材12により除去され、しかも駆動ローラ5−1とベルト5−4による低圧力搬送なため、レジスト部5の駆動ローラ5−1とベルト5−4間を転写紙Sが通り抜けても紙粉が発生せず、転写部で感光体1に紙粉が吸着される量を減少することができる。従って、クリーニング部7に回り込む紙粉の量が大幅に減少されるため、従来発生していた紙粉によるクリーニング不良や、感光体1のスジ状の破損が防止でき、また、装置内でトナーを現像部に循環して使用する時にも、紙粉の混入が殆ど無いので、現像部で濃度バラ付きが発生する等のトラブルによる画像不良の問題が解消される。
【0027】
以上のように、従来の一対のローラにスクレーパを組み合わせた紙粉除去手段に比べ、本発明のベルト搬送にスクレーパを組み合わせた紙粉除去手段を用いることにより、紙粉による種々の問題が解消され、長期間に亘って良好な画像品質を得ることができる。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る紙粉除去装置では、エンドレスベルトにて駆動ローラへ転写紙を強制的に巻き付けて湾曲させることで、転写紙の通常状態の表面に付着した紙粉と、繊維と繊維の間に隠れた浮遊し易い紙粉までもを露出させてベルトに付着させることができ、そのベルトに付着させた紙粉を紙粉除去部材で除去することができるので、従来のローラにバイアスを印加して静電的に紙粉を吸着させて除去させる方式に比べて低コストで、従来の機械式除去手段より多くの紙粉を除去することができる紙粉除去装置を実現することができる。従って、この紙粉除去装置を画像形成装置に用いることにより、転写部にて作像側へ紙粉が流出することを防止できるので、紙粉によるクリーニング不良や感光体の劣化等、紙粉によってダメージを受けていた作像部の耐久性を向上することができる。
【0029】
さらに本発明に係る紙粉除去装置では、エンドレスベルトによる駆動ローラへの巻付け搬送を行なっているため、転写紙への加圧力を低くできるので、転写紙に与えるダメージが無く、従来のローラを通過したことによる紙粉の発生を防止することができる。また、ベルトを介した対向位置に従動軸が在ることで、紙粉除去部材(スクレーパ)の当接圧が確実にベルトへかかり、ベルト上の紙粉を効率よく除去することができる。
尚、駆動ローラや従動軸の外径バラ付きや、ベルトの周長誤差や、搬送する転写紙の厚み等のバラ付きによって従動軸の位置が多少変わることがあるが、本発明に係る紙粉除去装置では、従動軸を保持する軸受けに紙粉除去部材(スクレーパ)が取り付くため、従動軸と紙粉除去部材(スクレーパ)の位置関係は変わらず、安定した紙粉除去を行なうことができる。
【0030】
本発明に係る画像形成装置では、上記の構成及び効果を有する紙粉除去装置を備えたので、転写部に搬送されてくる途中で転写紙の紙粉を除去することができ、転写部にて作像側へ紙粉が流出することを防止できるので、紙粉によるクリーニング不良や感光体の劣化等、紙粉によってダメージを受けていた作像部の耐久性を向上することができ、画像品質の低下も防止することができ、紙粉による従来の問題を解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す画像形成装置の概略構成図である。
【図2】図1に示す画像形成装置のレジスト部(紙粉除去装置)を分解して示す概略斜視図である。
【図3】図1に示す画像形成装置のレジスト部(紙粉除去装置)の要部構成を示す概略図である。
【図4】図3に示すレジスト部(紙粉除去装置)の搬送力の算出に用いる各要素を説明するための図である。
【図5】転写紙を駆動ローラに巻き付けることによる紙粉除去原理の一例を示す図である。
【図6】転写紙を駆動ローラに巻き付けることによる紙粉除去原理の別の例を示す図である。
【符号の説明】
1:感光体(像担持体)
2:帯電装置
3:画像書込装置
4:現像装置
5:レジスト部(紙粉除去装置)
5−1:駆動ローラ
5−2:軸
5−3:軸受け
5−4:エンドレスベルト
5−5,5−6:従動軸
5−7:軸受け
5−8:加圧スプリング
6:転写装置
7:クリーニング装置
8:定着装置
9,10:給紙カセット
9a,10a:給紙ローラ
11:搬送ローラ
12:紙粉除去部材
12−1:ブラケット
12−2:スクレーパ
13:レジストセンサ
Claims (4)
- 像担持体上に画像を形成する作像手段と、前記像担持体上の画像を転写する転写部に向けて転写紙を搬送するための搬送手段と、前記転写部において像担持体上の画像を転写紙に転写するための転写手段とを有する画像形成装置において、前記搬送手段を利用して前記転写紙の紙粉を除去する紙粉除去装置であって、
前記転写手段より転写紙搬送方向上流側で転写紙に当接して回転する駆動ローラと、前記駆動ローラと対向する位置に配置され該駆動ローラに対して平行で間隔が一定に保持された2本の従動軸と、その2本の従動軸を覆い前記駆動ローラとの対向部で転写紙と接するエンドレスベルトとを備えた搬送手段を有し、前記搬送手段のエンドレスベルトの外周面で転写紙搬送面以外の部分で一方の従動軸と接している位置に紙粉除去部材を当接させたことを特徴とする紙粉除去装置。 - 請求項1記載の紙粉除去装置において、
前記転写紙の前記転写部にて画像を転写する面側に、前記搬送手段の2本の従動軸とエンドレスベルトを配置したことを特徴とする紙粉除去装置。 - 請求項1または2記載の紙粉除去装置において、
前記紙粉除去部材は従動軸を保持する両端の軸受に保持したことを特徴とする紙粉除去装置。 - 像担持体上に画像を形成する作像手段と、前記像担持体上の画像を転写する転写部に向けて転写紙を搬送するための搬送手段と、前記転写部において像担持体上の画像を転写紙に転写するための転写手段とを有する画像形成装置において、
請求項1〜3のいずれか一つに記載の紙粉除去装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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JP2007015797A (ja) * | 2005-07-06 | 2007-01-25 | Nikka Kk | 印刷機の紙粉除去装置及び紙粉除去方法 |
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2003
- 2003-03-14 JP JP2003069940A patent/JP2004277075A/ja active Pending
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