JP2004276841A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】操舵軸3の回転をアシスト用モータ6の駆動力により補助する電動パワーステアリング装置1において、車載電源からモータ駆動電圧を得るステップアップ型DC−DCコンバータよりなる昇圧回路120を用いる。DC−DCコンバータ内のパワートランジスタよりなるスイッチング素子122の、駆動世信号を作る昇圧信号変換部への車載電源電圧が不足した場合に、該昇圧信号変換部におけるスイッチング指令信号の昇圧動作に必要な入力電圧レベルをバックアップする電圧バックアップ手段126を設ける。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、車両用の電動パワーステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
特開平8−127350号公報
【0003】
車両の操舵装置、特に自動車用の操舵装置において、近年、低燃燃費化あるいはステアリング系統の簡略化及び軽量化を図るために、電動パワーステアリング装置(電動油圧パワーステアリング装置を概念として含む)を採用する車種が増えてきている(特許文献1等)。電動パワーステアリング装置においては、操舵軸の回転をアシスト用モータの駆動力により補助するとともに、操舵用ハンドルの操作角に応じた操舵角が得られるようにアシスト用モータを回転駆動制御する。このアシスト用モータは高出力のため、バッテリーやDC−DCコンバータなどで構成された車載電源電圧を、昇圧回路によりモータ駆動電圧に昇圧して使用している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記昇圧回路が、いわゆるステップアップ型DC−DCコンバータで構成されている場合、モータ駆動電流が比較的大きいことから、昇圧用のスイッチング素子はパワーFET等のパワートランジスタで構成される。パワートランジスタは、スイッチングに必要な入力電圧(FETの場合はゲート−ソース間電圧)が比較的高く、また大電流が必要であるので、マイコン等の制御部からの微弱な信号では直接駆動することができない。従って、該制御部とパワートランジスタとの間には、制御部からの微弱な信号を昇圧しつつ、パワートランジスタの直接駆動に使用できる信号に変換する昇圧信号変換部が必要となる。
【0005】
この昇圧信号変換部も昇圧用の電源を車載電源に求めることになるが、車載電源の電圧は負荷状況により大きく変動するのが一般的であり、場合により、電源供給が瞬間的に途絶えることもありえる。そして、昇圧信号変換部に供給される電源電圧が極端に低下したり、途絶えてしまったりすると、パワートランジスタの駆動電圧が不足し、トランジスタのON時抵抗が高くなって、異常発熱によるトランジスタの損傷や寿命低下につながる。また、モータ駆動電圧出力が不足してモータ制御がスムーズに行なえなくなり、操舵に違和感を生ずるなどの問題にもつながる。
【0006】
本発明の課題は、アシスト用モータの車載電源電圧を発生する昇圧回路において、昇圧スイッチング用のパワートランジスタを駆動するための昇圧信号変換部に供給される車載電源電圧が低下したり瞬断した場合においても、操舵に違和感を生ずることなくスムーズに操舵制御を行なうことができる電動パワーステアリング装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】
本発明は、操舵軸の回転をアシスト用モータの駆動力により補助するとともに、操舵用ハンドルの操作角に応じた操舵角が得られるように、アシスト用モータを回転駆動制御するようにした電動パワーステアリング装置において、上記の課題を解決するために、
車載電源からの電源電圧を昇圧し、アシスト用モータの駆動電圧として出力する昇圧回路であって、昇圧出力電圧保持及び平滑化用のコンデンサと、該コンデンサの昇圧回路入力側への逆流放電を阻止するための昇圧用整流部と、該昇圧用整流部よりも上段側において電源電圧を受電するコイルと、該コイルの通過電流を断続的に変化させることにより昇圧用誘導電圧波形を発生させる、パワートランジスタからなる昇圧用スイッチング部とを備え、該昇圧用誘導電圧波形を電源電圧の入力電圧波形に重畳させ、昇圧用整流部を経てコンデンサにより平滑化しつつモータ駆動電圧として出力するステップアップ型DC−DCコンバータとして構成されたモータ用昇圧回路と、
モータ用昇圧回路の昇圧動作を制御するために、パワートランジスタのスイッチングを指令するためのスイッチング指令信号を出力するスイッチング指令部と、該スイッチング指令信号を、車載電源電圧の入力に基づいて昇圧しつつ、パワートランジスタを直接駆動するための駆動信号に変換する昇圧信号変換部とを有した昇圧回路制御部と、
昇圧信号変換部に入力される車載電源電圧が不足した場合に、該昇圧信号変換部におけるスイッチング指令信号の昇圧動作に必要な入力電圧レベルをバックアップする電圧バックアップ手段と、を有することを特徴とする。
【0008】
上記の構成においては、アシスト用モータにモータ駆動電圧を供給するための、ステップアップ型DC−DCコンバータよりなる昇圧回路が設けられている。ステップアップ型DC−DCコンバータ内の、昇圧用のスイッチング素子はパワーFET等のパワートランジスタで構成されているが、そのパワートランジスタの駆動信号は、スイッチング指令部からの微弱なスイッチング指令信号を、車載電源電圧の入力に基づいて昇圧しつつ変換することにより生成される。そして、本発明においては、昇圧信号変換部に入力される車載電源電圧が不足した場合に、該昇圧信号変換部におけるスイッチング指令信号の昇圧動作に必要な入力電圧レベルをバックアップする電圧バックアップ手段を設けたから、昇圧信号変換部に供給される車載電源電圧が低下したり瞬断した場合においても、パワートランジスタの駆動電圧を十分に確保でき、ひいては操舵に違和感を生ずることなくスムーズに操舵制御を継続することができる。
【0009】
上記電圧バックアップ手段は、昇圧回路の出力電圧を、昇圧信号変換部への車載電源電圧の入力経路に分配するバックアップ経路を有するものとして構成できる。すなわち、昇圧回路側にてコンデンサにより保持されるモータ駆動用の出力電圧を、バックアップ経路を経て昇圧信号変換部入力に分配することで、バックアップ用の電源部をわざわざ設ける必要がなくなり、回路の単純化を図ることができる。
【0010】
ただし、バックアップ経路が分岐するのが、昇圧回路にのモータ駆動用に昇圧された高電圧出力部であるから、後述するモータからの逆起電力電圧などが重畳された形で、バックアップ経路を経て昇圧信号変換部に過大な電圧が入力されると、回路の破損等につながる場合がある。そこで、入力される電圧レベルが予め定められた限界電圧を超えたときに、該入力電圧を当該限界値以下の電圧値に制限する電圧制限手段を設けておけば、そのような過電圧が発生した場合においても、昇圧信号変換部を該過電圧の入力から保護することができる。なお、昇圧回路の通常時の出力電圧が昇圧信号変換部への入力電圧として元から高すぎる場合は、バックアップ経路上に電圧調整用の抵抗を挿入し、許容される入力電圧範囲に降圧してから昇圧信号変換部へ入力することが有効である。
【0011】
電圧制限手段は、例えば、バックアップ経路から分岐する経路上に設けられたツェナーダイオードとすれば、簡単な回路構成により電圧制限手段を実現できる。この場合、前記の限界電圧は該ツェナーダイオードのツェナー電圧により規定される。ツェナーダイオードは、ツェナー電圧が、車載電源からの電源電圧の規定上限値に対応した値に設定することができる。
【0012】
次に、モータ駆動などのパワー駆動回路において、ステップアップ昇圧回路の整流部に通常のシリコンダイオードを用いると、通過電流値が大きいためp−n接合の順方向電圧降下ひいては出力側の電圧損失が大きくなり、問題となる場合がある。この場合、昇圧用整流部を、昇圧回路の入力部から出力部へ向かう経路上に配置された昇圧制御用FETが有する寄生ダイオードとし、該昇圧制御用FETを、昇圧用スイッチング部と位相反転同期して導通・遮断する構成を採用することで、該問題を解消することができる。すなわち、昇圧用スイッチング部のON(閉)周期においては、コイルに流れ込む電流(電気エネルギー)が増加し、昇圧用の重畳電圧波形は減少傾向をたどる。次に、昇圧用スイッチング部をOFF(開)にすると、コイルは誘導電流を放出する。これに伴い、昇圧用の重畳電圧波形は増加傾向に転ずる。そこで、この昇圧用スイッチング部のOFF周期に同期させて、昇圧制御用FETをON状態にすると、電流は直流抵抗の高い寄生ダイオード部分を迂回し、抵抗の低いFET部分を通過して流れるので、電圧損失を抑制することができる。他方、昇圧用スイッチング部のON周期に同期させて、昇圧制御用FETをOFFにすると、FET部分のチャネルが閉じる。寄生ダイオード部分は、昇圧回路のコンデンサ側が高電位であれば逆バイアス状態となり、電流通過が遮断される。すなわち、昇圧用整流部としての機能を果たす。
【0013】
そして、この場合、昇圧回路制御部を、昇圧用スイッチング部の駆動信号とともに昇圧制御用FETの駆動信号を、スイッチング指令部からのスイッチング指令信号に基づいて、車載電源電圧の入力により昇圧しつつ変換・生成するものとして構成することができる。このようにすると、昇圧信号変換部に供給される車載電源電圧が低下したり瞬断した場合に、昇圧制御用FETの駆動電圧も十分に確保でき、ひいては昇圧制御用FETのON抵抗の増大も効果的に防止することができる。従って、操舵に違和感を生ずることなくスムーズに操舵制御を継続する効果がより高められる。
【0014】
次に、本発明の電動パワーステアリング装置には、モータ用昇圧回路からのモータ駆動電圧をスイッチングしつつアシスト用モータに入力することにより、該アシスト用モータの回転駆動を行なうスイッチングドライバを設けることができる。昇圧回路が、上記ステップアップ型DC−DCコンバータで構成されている場合、従来、次のような問題を生ずることがあった。すなわち、ステップアップ回路の昇圧用整流部は、昇圧回路側からモータ側への電流通過は許容するが、逆方向、すなわち、モータ側から昇圧回路側への電流通過は遮断する働きをなす。しかし、急ハンドル操作時や、大きな段差に乗り上げながらハンドル操作をする場合など、操舵用ハンドル側からの大きな逆回転負荷がモータに作用する状況では、モータの発電作用による逆起電力が増加する。この場合、上記のように昇圧回路側に昇圧用整流部が存在して逆起電力電流の通過が遮断されていると、スイッチングドライバに組み込まれたFET等のスイッチング素子には、上記逆起電力による過大な電圧が印加され、素子を破損したり寿命を短くしたりする問題を生ずる。もちろん、この逆起電力電圧は昇圧用整流部にも印加されるから、昇圧用整流部をなすダイオード等の素子にも同様の悪影響が及ぶ可能性がある。
【0015】
そこで、昇圧回路の昇圧用整流部に前述の昇圧制御用FETを用いる場合、昇圧用整流部をなす昇圧制御用FETのカソード側の電圧を検出するカソード側電圧検出部を設け、該カソード側電圧検出部の検出電圧が予め定められた基準電圧を超えたとき、昇圧回路制御部は、昇圧制御用FETがONとなる期間が通常時(つまり、基準電圧よりも検出電圧が低いとき)よりも長くなるように、当該昇圧制御用FETの動作を制御する構成を採用すれば、上記の問題を効果的に解消できる。すなわち、昇圧用整流部のカソード側の電圧は、アシスト用モータからの逆起電力が大きくなった場合に大きくなる。そこでこれを検出し、該電圧が基準電圧を超えたとき、昇圧制御用FETがONとなる期間を通常時よりも長くなるように、望ましくは、ON期間が連続継続するように調整すれば、昇圧制御用FETにおいて逆起電力電流を効率的に逆流通過させることができる。これにより、アシスト用モータにて大きな逆起電力が生じた場合でも、それに基づく過大な電圧が、スイッチングドライバ内のスイッチング素子に印加される不具合を効果的に防止することができ、ひいては、該スイッチング素子の長寿命化を図ることができる。また、昇圧制御用FET自体への高電圧印加も同様に抑制され、昇圧制御用FETの保護を図ることもできる。
【0016】
上記の構成は、車載電源が車載バッテリーである場合に特に有利である。これによると、逆起電力電流のエネルギーを、昇圧制御用FETを経て車載バッテリーに戻す構成とすることで、バッテリーの消耗を抑制することができ、エネルギー効率を高めることができる。
【0017】
次に、前述のスイッチングドライバが設けられる場合、前述のバックアップ経路を、スイッチングドライバを経て昇圧回路側へ向かうアシスト用モータの逆起電力電流を、昇圧用整流部を回避して通過させる逆起電力通過用分岐経路に兼用させる構成とすることもできる。この構成では、アシスト用モータにて大きな逆起電力が生じた場合、上記逆起電力電流を、バックアップ経路を通過させることにより、スイッチングドライバ内のスイッチング素子に過大な電圧が印加される不具合を効果的に防止することができる。
【0018】
例えば、車載電源が、高圧主直流電源(例えば燃料電池)の直流出力を交流変換する交流変換部と、該交流変換された車載電源電圧を出力用に変圧するトランスと、該トランスの二次側交流出力を整流する整流部とを有したDC−DCコンバータを有するものとされている場合、大きな逆起電力電圧が該DC−DCコンバータの出力側に印加されると、整流部の損傷等につながる場合がある。しかし、バックアップ経路側に逆起電力電流を流してしまえば該整流部の保護を図ることができる。この場合、バックアップ経路上に前述の調整抵抗が設けてあれば、逆起電力電流を、該抵抗を負荷として消費させることができ、回路保護上より有利となる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を用いて説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明が適用される電動パワーステアリング装置の、第一の実施形態を示す回路図である(なお、本実施形態において「車両」は自動車とするが、本発明の適用対象はこれに限定されるものではない)。該電動パワーステアリング装置1は、操舵用ハンドル2に操舵軸3が結合され、該操舵軸3の先端に設けられた、該操舵軸3とともに回転するピニオン10が、ラックバー11を軸線方向に往復動させることにより、車輪13,13の転舵角が変化する。また、ラックバー11の往復動すなわち操舵軸3の回転は、アシスト用モータ6の駆動力により補助される。本実施形態では、ラックバー11と噛み合う別のピニオン4をアシスト用モータ6が回転させるようになっている。
【0020】
操舵軸3の角度位置とアシスト用モータ6の回転角度位置とは、それぞれ、ロータリエンコーダ等の周知の角度検出部からなる操舵軸角度検出部101及びモータ角度位置検出部103により検出される。また、操舵制御部110はCPU111、ROM112、RAM113及び入出力インターフェース110を有するマイコンにて構成されている。操舵制御部110はROM112に格納された制御プログラムの実行により、検出された操舵軸3の角度位置とアシスト用モータ6の角度位置とに基づいて、操舵用ハンドル2の操作角に応じた操舵角が得られるように、スイッチングドライバ18を介したPWM制御によりアシスト用モータ6の動作を制御する。
【0021】
アシスト用モータ6はブラシレスモータ、本実施形態では3相ブラシレスモータにて構成されている。3相ブラシレスモータは、図2に示すように、120゜間隔で配置された3相のコイルU,V,Wからなり、これらのコイルU,V,Wと、電機子34との相対的な角度関係が、モータ内に設けられた角度センサをなすホールICにより検出される。そして、これらホールICの出力を受けて、図1のスイッチングドライバ18は、コイルU,V,Wの通電を、W→U(1)、U→V(3)、V→W(5)のごとく循環的に順次切り替える(正方向回転の場合:逆方向回転の場合は、上記の逆順のスイッチングとなる)。
【0022】
該アシスト用モータ6の回転制御は、上記コイルU,V,Wの各相の通電切り替えシーケンスに、駆動制御部110からのPWM信号によるデューティ比制御シーケンスが重畳された形で行なわれる。図3は、スイッチングドライバ18の回路例を示すもので、コイルU,V,Wの各端子u,u’,v,v’,w、w’に対応したFET(スイッチング素子)75〜80が、周知のH型ブリッジ回路を構成するように配線されている(符号87〜92は、コイルU,V,Wのスイッチングに伴なう誘導電流のバイパス経路を形成するフライホイールダイオードである)。ANDゲート81〜86によりアシスト用モータ側のホールIC(角度センサ)からのスイッチング信号と駆動制御部100からのPWM信号との論理積信号を作り、これを用いてFET75〜80をスイッチング駆動すれば、通電に関与する相のコイルを選択的にPWM通電することができる。
【0023】
図1に戻り、アシスト用モータ6の駆動電源は、本実施形態においては、車載バッテリー57である。モータ用昇圧回路120は、モータ用昇圧回路120の出力電圧保持及び平滑化用のコンデンサ124と、該コンデンサ124の昇圧回路入力側への逆流放電を阻止するための昇圧用整流部123と、該昇圧用整流部123よりも上段側において電源電圧を受電するコイル121と、該コイル121の通過電流を断続的に変化させることにより昇圧用誘導電圧波形を発生させる昇圧用スイッチング部122とを備えたステップアップ型DC−DCコンバータとして構成されている。該昇圧用誘導電圧波形は電源電圧の入力電圧波形に重畳され、昇圧用整流部123を経てコンデンサ124により平滑化されつつモータ駆動電圧として出力される。昇圧用スイッチング部122は、本実施形態ではパワートランジスタの一つであるパワーMOSFETにて構成されている。
【0024】
また、前述の操舵制御部をなすマイコン110(以下、マイコン110ともいう)は、パワートランジスタのスイッチングを指令するためのスイッチング指令信号を出力するスイッチング指令部としても機能している(以下、スイッチング指令部110ともいう:マイコン及び操舵制御部とハードウェア上の実体は同一)。また、該スイッチング指令部110には、スイッチング指令信号を、車載電源電圧、ここではバッテリー電圧の入力に基づいて昇圧しつつ、パワートランジスタを直接駆動するための駆動信号に変換する昇圧信号変換部115が接続されている。これらスイッチング指令部110と昇圧信号変換部115とが昇圧回路制御部を構成している。
【0025】
本実施形態においては、車載バッテリー57からの直流出力が、電源リレー141と電源フィルタ140とを介してモータ用昇圧回路120に入力される。なお、符号142はイグニッションスイッチと連動して操作される電源スイッチであり、該電源スイッチ142が閉になると、電源リレー141が動作して、車載バッテリー57からモータ用昇圧回路120への電圧入力が許容される。
【0026】
車載バッテリー57からの入力経路134上には、電源フィルタ140の下段側に昇圧用のコイル121が配置され、そのさらに下段から接地側に分岐するスイッチング分岐経路135上に、前述の昇圧用スイッチング部122が設けられている。他方、入力経路134には、スイッチング分岐経路135の分岐点よりも下段側に昇圧用整流部123が配置され、さらにその先にコンデンサ124が並列分岐する形で設けられている。
【0027】
また、昇圧用整流部123のカソード側において入力経路134からは、昇圧回路120の出力電圧を、昇圧信号変換部115へのバッテリー電圧の入力経路136(逆流防止用ダイオード132が設けられている)に分配するバックアップ経路126が分岐している。このバックアップ経路126は、昇圧信号変換部115に入力される車載電源電圧が不足した場合に、該昇圧信号変換部115におけるスイッチング指令信号の昇圧動作に必要な入力電圧レベルをバックアップする電圧バックアップ手段の主体をなす。
【0028】
また、昇圧用整流部123のカソード側の電圧測定点Pから分岐する形で、分圧抵抗129,130からなるカソード側電圧検出部が設けられ、該電圧測定点Pの電圧が分圧調整された形でマイコン110の入出力インターフェース114(A/D変換ポート)に入力されている。さらに、バックアップ経路126上には、逆流防止用のダイオード127と調整抵抗131が設けられている。
【0029】
次に、昇圧用整流部123は、図1においては、昇圧制御用FETが有する寄生ダイオードとされている。図4を用いて具体的に説明する。寄生ダイオードを有したFET構造は、例えばMOSFETを採用したときに現われる。図4上図はMOSFET(nチャネル型)の断面模式図であり、下図は等価回路図である。シリコン基板の層厚方向に、ドレインをなす半導体部分と空乏層をなす半導体部分とが隣接してp−n接合を作り、チャネル領域に形成されるFET構造部分に対し、並列接続された形で寄生ダイオードが生じている。
【0030】
モータ駆動などのパワー駆動回路において、ステップアップ昇圧回路の整流部に通常のシリコンダイオードを用いると、通過電流値が大きいためp−n接合の順方向電圧降下ひいては出力側の電圧損失が大きくなり、問題となる場合がある。この場合、昇圧用整流部123を、昇圧用スイッチング部122と位相反転させた形で同期して導通・遮断される昇圧制御用FET(以下、「昇圧制御用FET123」と記載する)とすることにより、該問題を解消することができる。すなわち、図1において、昇圧用スイッチング部122のON(閉)周期においては、コイル121に流れ込む電流(電気エネルギー)が増加し、昇圧用の重畳電圧波形は減少傾向をたどる。次に、昇圧用スイッチング部122をOFF(開)にすると、スイッチング分岐経路135に流れ込む電流が遮断され、コイル121は誘導電流を放出する。これに伴い、昇圧用の重畳電圧波形は増加傾向に転ずる。そこで、この昇圧用スイッチング部122のOFF周期に同期させて、昇圧制御用FETをON状態にすると、図4において、電流は直流抵抗の高い寄生ダイオード部分を迂回し、抵抗の低いFET部分を通過して流れるので、電圧損失を抑制することができる。他方、昇圧用スイッチング部122のON周期に同期させて、昇圧制御用FETをOFFにすると、FET部分のチャネルが閉じる。図4の寄生ダイオード部分は、図1においてコンデンサ124側が高電位であれば逆バイアス状態となり、電流通過が遮断される。すなわち、昇圧用整流部としての機能を果たす。
【0031】
なお、昇圧用スイッチング部122と昇圧制御用FET123との同期スイッチング制御は、操舵制御部110をなすマイコンが行なう。本実施形態では、昇圧制御用FET123が昇圧用スイッチング部122とともにパワーMOSFETにて構成されている。これらパワーMOSFETのゲート駆動電圧は比較的高いので、マイコン110からのスイッチング指令信号を、昇圧信号変換部115においてバッテリー電圧を用いて昇圧後、スイッチング駆動回路116を経て各パワーMOSFET122,123のゲートに供給するようにしている。
【0032】
なお、本実施形態においてスイッチング駆動回路116は、昇圧用スイッチング部及び昇圧制御用FETをなすパワーMOSFET122,123の同期スイッチング制御を行なうに際し、それらFET122,123のゲート電圧とソース電圧とをモニタし、該モニタ値をマイコン110に供給するようにしている。マイコン110は、各FET122,123のゲート−ソース間電圧が略一定保持されるように(すなわち、アシスト用モータ6に略一定の駆動電圧が供給されるように)、スイッチング駆動回路116への駆動指令信号の出力パターンを変化させ、安定化電源としての機能を実現している。
【0033】
例えば、昇圧用スイッチング部122をスイッチング制御する場合、モニタしたゲート−ソース間電圧の目標値から差分に応じて、スイッチングパターンを変化させることができる。スイッチングのデューティ比と周波数が一定であれば、常時スイッチングを継続させた場合の重畳電圧波形の電圧レベル(整流・平滑化したときの値)が、概ねステップアップによる電圧増分の最大値となる。従って、該ステップアップによる電圧増分の最大値が、入力されるゲート−ソース間電圧のレベルと、得るべき直流出力の目標電圧との差分よりも大きくなるようにスイッチング周波数を設定しておけば、そのスイッチング動作の停止/継続の時間比を調整することで、目標電圧に出力電圧を調整することができる。
【0034】
例えば、ゲート−ソース間電圧の目標値から差分が大きいときは、スイッチング動作の停止/継続の時間比を大きくし、逆に目標値からの差分が小さいかオーバーシュートした場合(例えば、後述のように逆起電力電流が大きくなっている場合)は、該時間比を小さくするように制御を行なう。また、スイッチング動作の停止/継続の時間比を調整する代わりに、モニタしたゲート−ソース間電圧の目標値から差分に応じて、スイッチングのデューティηを変化させる方法(つまり、PWM方式)を採用することもできる。この場合、昇圧制御用FET123は、同じデューティηにて位相反転させた形で(すなわち、FET122がONのときFET123をOFFとし、FET122がOFFのときFET123をONとする)同期スイッチングする。
【0035】
上記各パワーMOSFET122,123は、スイッチング指令部110からの微弱なスイッチング指令信号を、昇圧信号変換部115にてバッテリー電圧の入力に基づいて昇圧しつつ変換することにより生成される。ここで、昇圧信号変換部115に入力されるバッテリー電圧が不足したり瞬断した場合は、バックアップ経路126により、昇圧回路120の出力電圧が昇圧信号変換部115への、バッテリー電圧の入力経路136に分配され、昇圧信号変換部115におけるスイッチング指令信号の昇圧動作に必要な入力電圧レベルが確保される。
【0036】
なお、バックアップ経路126が分岐するのは、昇圧回路120の昇圧された電圧出力部であり、後述のアシスト用モータ6からの逆起電力電圧などが重畳されると、バックアップ経路126を経て昇圧信号変換部115に過大な電圧が入力され、回路の破損等につながる場合がある。これを防止するために、入力される電圧レベルが予め定められた限界電圧を超えたときに、該入力電圧を当該限界値以下の電圧値に制限するツェナーダイオード128が、電圧制限手段として設けられている。なお、バックアップ経路126を介した昇圧回路120からの分配電圧は、前述の調整抵抗131により降圧してから昇圧信号変換部115へ入力される。
【0037】
この場合、前記の限界電圧は該ツェナーダイオード128のツェナー電圧により規定される。ツェナーダイオード128は、ツェナー電圧が、バッテリー電圧の規定上限値に対応した値に設定することができるが、この場合、バックアップ経路126上に設けられた前述の調整抵抗131は、バックアップ経路126が分岐する昇圧回路120の出力電圧を、ツェナー電圧よりも高い値に確保する働きをなし、ツェナーダイオードのブレークダウンを抑制しつつ、昇圧回路120の出力電圧の望まざる低下を抑制することができる。なお、本実施形態ではツェナーダイオード128のアノード側は接地され、昇圧信号変換部115への入力電圧がツェナー電圧により直接規制されている。
【0038】
上記電動パワーステアリング装置1においては、例えば急ハンドルを切ったり、縁石などの大きな段差に乗り上げながらハンドル操作をする場合、アシスト用モータ6には大きな逆起電力が発生する。発生する逆起電力レベルが上昇すると、図1の測定点P(昇圧制御用FETをなすパワーMOSFET123が有する寄生ダイオードのカソード側)の電圧が上昇する。マイコン110は、モータ用昇圧回路120のFET122,123のスイッチング駆動を継続しながら、該電圧をモニタし、これが規定の基準電圧を超えた場合、マイコン110(昇圧回路制御部)は昇圧制御用FET123を、ON期間が連続継続するようにその動作を制御する。これにより、逆起電力電流は、昇圧制御用FET123を逆流通過して車載バッテリー57に戻り、アシスト用モータ6にて大きな逆起電力が生じた場合でも、それに基づく過大な電圧が、スイッチングドライバ18内のスイッチング素子75〜80に印加される不具合を効果的に防止することができる。
【0039】
(実施の形態2)
図5は、本発明の電動パワーステアリング装置の第二の実施形態を示すものであるが、図1〜図4を用いて既に説明した第一の実施形態との共通部分には、同一の符号を付与して詳細な説明は省略する。図5においては車載電源が、高圧主直流電源150と、該高圧主直流電源150の出力電圧をモータ駆動直流電圧に変換するDC−DCコンバータ157とからなる。高圧主直流電源150は例えば燃料電池であり、自動車の主動力モータ(図示せず)の駆動用マージンを考慮して、出力電圧が200〜450Vと高く設定されている。他方、アシスト用モータ6の駆動電源を含めた自動車内の周辺電装系には、主動力系よりは低電圧(例えば30〜50V:本実施形態では42V)の周辺電装用直流電源が使用され、DC−DCコンバータ157は高圧主直流電源150からの入力電圧を降圧して、周辺電装用直流電源電圧として出力する。
【0040】
DC−DCコンバータ157は、具体的には、図6に示すように、高圧主直流電源150からの入力直流電圧を交流変換する交流変換部162と、該交流変換された電圧を出力用に降圧するトランス163と、該トランス163の二次側交流出力を整流する整流部164とを有する。交流変換部162は、周知のスイッチング用トランジスタブリッジにより構成され、入力直流電圧を一定周波数でスイッチングして双極性方形波交流に変換する。なお、交流変換部162の入力側には、ノイズ除去用のコモンモードチョークコイル101が設けられている。また、スイッチングにより生成された交流電圧波形はトランス163に入力され、二次側から降圧された波形が出力される。整流部164はダイオードブリッジからなる全波整流部であり、LCローパスフィルタ型の平滑化部165にてリップル除去され、直流波形として出力される。
【0041】
そして、本実施形態では、バックアップ経路126が、スイッチングドライバ18を経て昇圧回路120側へ向かうアシスト用モータ6の逆起電力電流を、昇圧用整流部123を回避して通過させる逆起電力通過用分岐経路に兼用されている。また、ツェナーダイオード128のツェナー電圧は、スイッチングドライバ18内のスイッチング素子75〜80の耐圧規定値よりも低く設定されている。逆起電力発生によりスイッチング素子75〜80の耐圧を超えて電圧が高くなろうとしたとき、ツェナーダイオード128のブレークダウンにより、スイッチング素子75〜80を確実かつ効果的に保護することができる。なお、ツェナーダイオード128のアノード側が接地されていることにより、昇圧信号変換部115への入力をツェナー電圧により直接規制することができることに加え、逆起電力電流を接地側に流し、その影響を他の回路部に及びにくくする効果も同時に達成できる。
【0042】
例えば、大きな逆起電力電圧が該DC−DCコンバータ157の出力側に印加されると、整流部164の損傷等につながる場合があるが、バックアップ経路126側に逆起電力電流を流してしまえば該整流部の保護を図ることができる。この場合、バックアップ経路126上に前述の調整抵抗131が設けてあるので、逆起電力電流を、該抵抗131を負荷として消費させることができ、回路保護上より有利となっている。
【0043】
なお、DC−DCコンバータ157を含む車載電源側には、なるべく逆起電力電流が還流しないほうが、整流部164の保護の観点において有利である。従って、カソード側電圧検出部129,130の検出電圧が予め定められた基準電圧を超えたとき、マイコン110(昇圧回路制御部)は、昇圧制御用FET123がOFFとなる期間が通常時よりも長くなるように、望ましくは、連続的にOFFとなるように、当該昇圧制御用FET123の動作を制御するものとして構成するとよい。すなわち、昇圧制御用FET123をOFFにすれば、バックアップ経路126側へ逆起電力電流が優先的に流れ、車載電源側のDC−DCコンバータ157の整流部を保護する効果が高められる。
【0044】
なお、図7に示すように(図5と共通の部分については詳細な説明は省略する)、昇圧用整流部として昇圧制御用FETに代え、通常のダイオード127を用いることもできる。この場合、ダイオード127を逆起電力電流が通過することはできないので、車載電源側のDC−DCコンバータ157の整流部146へは、その影響が及びにくい利点がある。そして、バックアップ経路126を逆起電力電流の通過路として設けることは、スイッチングドライバ18内のスイッチング素子75〜80の保護の観点において重要である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電動パワーステアリング装置の第一の実施形態を示す回路図。
【図2】アシスト用モータを構成する三相ブラシレスモータの動作説明図。
【図3】図2の三相ブラシレスモータを駆動するためのスイッチングドライバの一例を示す回路図。
【図4】MOSFETの断面構造と、寄生ダイオードを含むその等価回路を示す図。
【図5】本発明の電動パワーステアリング装置の第二の実施形態を示す回路図。
【図6】車載電源を構成するDC−DCコンバータの一例を示す回路図。
【図7】図5の動パワーステアリング装置の実施実姉態様を示す回路図。
【符号の説明】
1 電動パワーステアリング装置
2 操舵用ハンドル
3 操舵軸
6 アシスト用モータ
18 スイッチングドライバ
57 車載バッテリー(車載電源)
110 操舵制御部(マイコン、スイッチング指令部)
115 昇圧信号変換部
120 昇圧回路
121 コイル
122 昇圧用スイッチング部(パワーMOSFET;パワートランジスタ)123 昇圧制御用FET(昇圧用整流部;パワーMOSFET;パワートランジスタ)
124 コンデンサ
126 バックアップ経路(電圧バックアップ手段)
128 ツェナーダイオード(電圧制限手段)
129,130 分圧抵抗(カソード側電圧検出部)
131 調整抵抗
150 高圧主直流電源
157 DC−DCコンバータ
223 ダイオード(昇圧用整流部)
Claims (12)
- 操舵軸の回転をアシスト用モータの駆動力により補助するとともに、操舵用ハンドルの操作角に応じた操舵角が得られるように、前記アシスト用モータを回転駆動制御するようにした電動パワーステアリング装置において、
車載電源からの電源電圧を昇圧し、前記アシスト用モータの駆動電圧として出力する昇圧回路であって、昇圧出力電圧保持及び平滑化用のコンデンサと、該コンデンサの昇圧回路入力側への逆流放電を阻止するための昇圧用整流部と、該昇圧用整流部よりも上段側において前記電源電圧を受電するコイルと、該コイルの通過電流を断続的に変化させることにより昇圧用誘導電圧波形を発生させる、パワートランジスタからなる昇圧用スイッチング部とを備え、該昇圧用誘導電圧波形を前記電源電圧の入力電圧波形に重畳させ、前記昇圧用整流部を経て前記コンデンサにより平滑化しつつ前記モータ駆動電圧として出力するステップアップ型DC−DCコンバータとして構成されたモータ用昇圧回路と、
前記モータ用昇圧回路の昇圧動作を制御するために、前記パワートランジスタのスイッチングを指令するためのスイッチング指令信号を出力するスイッチング指令部と、該スイッチング指令信号を、前記車載電源電圧の入力に基づいて昇圧しつつ、前記パワートランジスタを直接駆動するための駆動信号に変換する昇圧信号変換部とを有した昇圧回路制御部と、
前記昇圧信号変換部に入力される車載電源電圧が不足した場合に、該昇圧信号変換部における前記スイッチング指令信号の昇圧動作に必要な入力電圧レベルをバックアップする電圧バックアップ手段と、
を有することを特徴とする電動パワーステアリング装置。 - 前記電圧バックアップ手段は、前記昇圧回路の出力電圧を、前記昇圧信号変換部への前記車載電源電圧の入力経路に分配するバックアップ経路を有する請求項1記載の電動パワーステアリング装置。
- 前記バックアップ経路に入力される電圧レベルが予め定められた限界電圧を超えたときに、該入力電圧を当該限界値以下の電圧値に制限する電圧制限手段が設けられている請求項2記載の電動パワーステアリング装置。
- 前記電圧制限手段が前記バックアップ経路から分岐する経路上に設けられたツェナーダイオードであり、前記限界電圧は該ツェナーダイオードのツェナー電圧により規定されるものである請求項3記載の電動パワーステアリング装置。
- 前記ツェナーダイオードは、前記ツェナー電圧が、前記電源電圧の規定上限値に対応した値に設定され、かつ前記バックアップ経路上には、該バックアップ経路が分岐する前記昇圧回路の出力電圧を、前記ツェナー電圧よりも高い値に確保するための調整抵抗が挿入されている請求項4記載の電動パワーステアリング装置。
- 前記昇圧用整流部は、前記昇圧回路の入力部から出力部へ向かう経路上に配置された、パワーMOSFETよりなる昇圧制御用FETが有する寄生ダイオードであり、該昇圧制御用FETは、前記昇圧用スイッチング部と位相反転同期して導通・遮断されるものであり、
前記昇圧回路制御部は、前記昇圧用スイッチング部の駆動信号とともに前記昇圧制御用FETの駆動信号を、前記スイッチング指令部からのスイッチング指令信号に基づいて、前記車載電源電圧の入力により昇圧しつつ変換・生成するものである請求項1ないし5のいずれか1項に記載の電動パワーステアリング装置。 - 前記モータ用昇圧回路からのモータ駆動電圧をスイッチングしつつ前記アシスト用モータに入力することにより、該アシスト用モータの回転駆動を行なうスイッチングドライバを備え、
また、前記昇圧用整流部をなす昇圧制御用FETのカソード側の電圧を検出するカソード側電圧検出部が設けられ、該カソード側電圧検出部の検出電圧が予め定められた基準電圧を超えたとき、前記昇圧回路制御部は、前記昇圧制御用FETがONとなる期間が通常時よりも長くなるように、当該昇圧制御用FETの動作を制御する請求項6記載の電動パワーステアリング装置。 - 前記車載電源が車載バッテリーであり、前記逆起電力電流のエネルギーを、前記昇圧制御用FETを経て前記車載バッテリーに戻すようになっている請求項7記載の電動パワーステアリング装置。
- 前記モータ用昇圧回路からのモータ駆動電圧をスイッチングしつつ前記アシスト用モータに入力することにより、該アシスト用モータの回転駆動を行なうスイッチングドライバを備え、
前記バックアップ経路が、前記スイッチングドライバを経て前記昇圧回路側へ向かう前記アシスト用モータの逆起電力電流を、前記昇圧用整流部を回避して通過させる逆起電力通過用分岐経路に兼用されている請求項2ないし6のいずれか1項に記載の電動パワーステアリング装置。 - 請求項4記載の要件を備え、前記ツェナーダイオードの前記ツェナー電圧が、前記スイッチングドライバ内のスイッチング素子の耐圧規定値よりも低く設定されている請求項9記載の電動パワーステアリング装置。
- 前記ツェナーダイオードのアノード側が接地されている請求項10記載の電動パワーステアリング装置。
- 前記車載電源は、高圧主直流電源の直流出力を交流変換する交流変換部と、該交流変換された車載電源電圧を出力用に変圧するトランスと、該トランスの二次側交流出力を整流する整流部とを有したDC−DCコンバータを有するものであり、
また、請求項5記載の要件を備え、前記昇圧用整流部をなす昇圧制御用FETのカソード側の電圧を検出するカソード側電圧検出部が設けられ、該カソード側電圧検出部の検出電圧が予め定められた基準電圧を超えたとき、前記昇圧回路制御部は、前記昇圧制御用FETがOFFとなる期間が通常時よりも長くなるように、当該昇圧制御用FETの動作を制御する請求項11記載の電動パワーステアリング装置。
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