JP2004276759A - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】耐偏摩耗性を阻害することなく耐轍ワンダリング性を向上させた空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】トレッド面1を周方向に延びる複数の周方向溝2aにより区画し、これらの周方向溝2aのうちタイヤ幅方向の最も外側に位置するショルダ−周方向溝2bを挟んで、トレッド面をセンタ−陸部3aとショルダ−陸部3bとに区分形成し、ショルダ−陸部3bをセンタ−陸部3aに対してタイヤ径方向に低くした空気入りタイヤにおいて、センタ−陸部3aのラジアスR1と、ショルダ−陸部3bのラジアスR2とをR2<R1の関係にし、かつショルダ−周方向溝2bのタイヤ幅方向内側の端縁PにおけるラジアスR1とラジアスR2とのタイヤ径方向の段差H1と、ラジアスR1の仮想延長線L1とサイドウォール外壁4の仮想延長線L2とが交差する点QにおけるラジアスR1の仮想延長線L1とラジアスR2とのタイヤ径方向の段差H2とをH1<H2の関係にする。
【選択図】 図1
【解決手段】トレッド面1を周方向に延びる複数の周方向溝2aにより区画し、これらの周方向溝2aのうちタイヤ幅方向の最も外側に位置するショルダ−周方向溝2bを挟んで、トレッド面をセンタ−陸部3aとショルダ−陸部3bとに区分形成し、ショルダ−陸部3bをセンタ−陸部3aに対してタイヤ径方向に低くした空気入りタイヤにおいて、センタ−陸部3aのラジアスR1と、ショルダ−陸部3bのラジアスR2とをR2<R1の関係にし、かつショルダ−周方向溝2bのタイヤ幅方向内側の端縁PにおけるラジアスR1とラジアスR2とのタイヤ径方向の段差H1と、ラジアスR1の仮想延長線L1とサイドウォール外壁4の仮想延長線L2とが交差する点QにおけるラジアスR1の仮想延長線L1とラジアスR2とのタイヤ径方向の段差H2とをH1<H2の関係にする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は空気入りタイヤに関し、さらに詳しくは、耐偏摩耗性を損なうことなく耐轍ワンダリング性を向上させた空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来技術】
道路の整備が進んだ近年においても、悪路を走行する必要が多いトラック等のタイヤにあっては、荒廃した路面を走行する際、轍によりハンドルが取られるいわゆる轍ワンダリング現象により安定した走行が確保できない場合がしばしばあるため、ドライバーからの耐轍ワンダリング性能の向上の要請は未だ絶えることがない。
【0003】
轍ワンダリング現象から脱却するための対応として、従来からタイヤショルダー側のトレッド面の形状に関する提案が数多くなされてきた。これらの提案は道路事情の改善と共に次第に耐偏摩耗の防止という命題に様変わりしながら今日に至っている。
【0004】
重荷重から軽荷重に至るまでの広範な荷重域を扱うトラック、バス用のタイヤにおける耐偏摩耗対策として、従来から、タイヤトレッド面のラジアスを2〜3段階に形成したり、又はタイヤショルダー側のトレッド面に段差を形成する提案が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−219009号公報(第1〜4頁、図1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの対策は、タイヤの偏摩耗を防止する効果が認められるものの、轍ワンダリングを防止する面からは充分な対応となっていなかった。
【0007】
本発明の目的は、かかる従来の問題点を解消し、耐偏摩耗性を阻害することなく耐轍ワンダリング性を向上させた空気入りタイヤを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の空気入りタイヤは、トレッド面を周方向に延びる複数の周方向溝により区画し、これらの周方向溝のうちタイヤ幅方向の最も外側に位置するショルダ−周方向溝を挟んで、前記トレッド面をセンタ−陸部とショルダ−陸部とに区分形成し、前記ショルダ−陸部を前記センタ−陸部に対してタイヤ径方向に低くした空気入りタイヤにおいて、前記センタ−陸部のラジアスR1と、前記ショルダ−陸部のラジアスR2とをR2<R1の関係にし、かつ前記ショルダ−周方向溝のタイヤ幅方向内側の端縁における前記ラジアスR1と前記ラジアスR2とのタイヤ径方向の段差H1と、前記ラジアスR1の仮想延長線とサイドウォール外壁の仮想延長線とが交差する点における前記ラジアスR1の仮想延長線と前記ラジアスR2とのタイヤ径方向の段差H2とをH1<H2の関係としたことを要旨とする。
【0009】
このように、センタ−陸部のラジアスR1をショルダ−陸部のラジアスR2より大きく設定すると共に、タイヤ幅方向最外側のショルダ−周方向溝内側の端縁及びラジアスR1の仮想延長線とサイドウォール外壁の仮想延長線との交点とのそれぞれにおいて、センタ−陸部のラジアスR1とショルダ−陸部のラジアスR2とがなすタイヤ径方向の段差H1、H2をショルダー側で大きくなるように設定したため、悪路走行時においてショルダ−部が轍を乗り越えることを容易にすると共に、一般路走行時における広範な荷重域の負荷に対してトレッド面の各陸部の接地圧を均等化して耐偏摩耗性を維持する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成につき添付の図面を参照しながら詳細に説明する。図1は本発明の空気入りタイヤのトレッド部の一部を例示する断面図である。
【0011】
トレッド部にはカーカス層Cの外周にベルト層Bが配置され、トレッド面1を周方向に延びる複数の周方向溝2aにより区画している。トレッド面1は、これら周方向溝2aのうちタイヤ幅方向の最も外側に位置するショルダ−周方向溝2bを挟んで、タイヤ赤道線CL側のタイヤ径方向外側にラジアスR1を有するセンタ−陸部3aと、タイヤ径方向内側にラジアスR2を有するショルダ−陸部3bとに区分され、ショルダ−陸部3bはセンタ−陸部3aに対してタイヤ径方向に対して低く形成される。
【0012】
センタ−陸部3aのラジアスR1とショルダ−陸部3bのラジアスR2とは、R2<R1となるように設定し、ショルダ−周方向溝2bのタイヤ幅方向内側の端縁PにおけるラジアスR1とラジアスR2とのタイヤ径方向の段差H1と、ラジアスR1の仮想延長線L1とサイドウォール外壁4の仮想延長線L2とが交差する点QにおけるラジアスR1の仮想延長線L1とラジアスR2とのタイヤ径方向の段差H2とは、H1<H2となるように設定する。
【0013】
このように、センタ−陸部3aのラジアスR1をショルダ−陸部3bのラジアスR2より大きく設定すると共に、センタ−陸部3aのラジアスR1とショルダ−陸部3bのラジアスR2とがなすタイヤ径方向の段差H1、H2をショルダー側で大きくなるように設定したため、悪路走行時においてショルダ−部が轍を乗り越えることを容易にすると共に、一般路走行時における広範な荷重域の負荷に対してトレッド面の各陸部3a、3bの接地圧を均等化して良好な耐偏摩耗性を維持する。
【0014】
ここで、耐偏摩耗性を低下させずに耐轍ワンダリング性を一層向上させる観点から、ラジアスR2はラジアスR1の0. 4〜0.8倍に設定することが好ましく、段差H1及びH2はショルダ−周方向溝2bの溝深さdの0. 1〜0.5倍に設定することが好ましい。
【0015】
ラジアスR2がラジアスR1の0. 4倍未満であると耐偏摩耗性を阻害し、0.8倍超になると耐轍ワンダリング性の向上効果が低減する。また、段差H1がショルダ−周方向溝2bの溝深さdの0. 1倍未満又は0.5倍超であると耐偏摩耗性にとって不利となり、段差H2がショルダ−周方向溝2bの溝深さdの0. 1倍未満となると耐轍ワンダリング性が低下し、0.5倍超になると耐偏摩耗性にとって不利となる。
【0016】
なお、図1に例示する本発明タイヤのセンタ−陸部3aは、図示しない周方向に延びる複数の溝により区画して複数の陸部を構成する場合を含むが、耐偏摩耗性を低下させずに耐轍ワンダリング性を向上させる観点から、ショルダー陸部3bの幅はこれらセンタ−陸部3aの幅の75〜125%に設定することが好ましく、更にショルダー陸部3bの幅をショルダー周方向溝2bの溝深さdの2倍以上に設定することが好ましい。
【0017】
ショルダー陸部3bの幅がセンタ−陸部3aの幅の75%未満であると耐轍ワンダリング性に不利となり、125%超では耐轍ワンダリング性に加えて耐偏摩耗性にとって不利となる。また、ショルダー陸部3bの幅がショルダー周方向溝2bの溝深さdの2倍未満では耐轍ワンダリング性に加えて耐偏摩耗性にとって不利となる。
【0018】
【実験例】
ラジアスR1、R2及び段差H1、H2が耐轍ワンダリング性及び耐偏摩耗性に及ぼす影響を調べるため、タイヤサイズ(175R14)及びトレッドパターン(図2)を共通にして、ラジアスR1、R2を同一にした従来タイヤ(従来例)と、前記R1、R2、H1、H2の値をそれぞれ表1に示す通り変化させた本発明タイヤ6種(実施例1〜6)及び比較タイヤ2種(比較例1,2)を作製した。
【0019】
上記9種類のタイヤについて、下記の試験方法により耐轍ワンダリング性及び耐偏摩耗性を調べた結果を表1に併せて記載した。なお、各試験タイヤのトレッド部の構成は図1に示す構造とし、上記の値を除く仕様は同一とした。
【0020】
[耐轍ワンダリング性評価試験方法]
轍路を実車にて走行させ、轍内の直進性、轍への導入性及び脱出性を総合的にフィーリング評価し、その結果を従来タイヤを100とする指数により表1に表示した。数値が大きいほど優れていることを示す。
【0021】
[耐偏摩耗性評価試験方法]
規定コースを規定条件により実車にて走行させ、規定距離を走行した後のタイヤトレッド面のセンター部とショルダー部における摩耗量の差を測定し、その結果を従来タイヤを100とする指数により表1に表示した。数値が大きいほど優れていることを示す。
【0022】
【表1】
【0023】
表1から判るように、本発明タイヤ(実施例1〜6)は従来タイヤ(従来例)に比して耐摩耗性を著しく低下させることなく耐轍ワンダリング性を向上させる。一方、比較タイヤ(比較例1)はR1<R2で、更にH2<H1であるために耐摩耗性の向上は認められるものの耐轍ワンダリング性が著しく低下し、比較タイヤ(比較例2)はH2<H1であるために耐摩耗性が著しく低下する。
【0024】
なお、本発明タイヤ(実施例6)はR2/R1が0.8超であるものの耐轍ワンダリング性の向上が僅かながら認められた。
【0025】
【発明の効果】
上述したように、本発明の空気入りタイヤは、センタ−陸部のラジアスをショルダ−陸部のラジアスより大きく設定すると共に、タイヤ幅方向最外側のショルダ−周方向溝内側の端縁及びセンター陸部のラジアスR1の仮想延長線とサイドウォール外壁の仮想延長線との交点とのそれぞれにおいて、センタ−陸部のラジアスとショルダ−陸部のラジアスとがなすタイヤ径方向の段差をショルダー側で大きくなるように設定したため、耐偏摩耗性を損なうことなく耐轍ワンダリング性を向上させる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の空気入りタイヤのトレッド部の一部を例示する断面図である。
【図2】実験例において採用したトレッドパターンの一部を示す平面図である。
【符号の説明】
1 トレッド面
2a 周方向溝
2b ショルダー周方向溝
3a センター陸部
3b ショルダー陸部
4 サイドウォール外壁
B ベルト層
C カーカス層
【発明の属する技術分野】
本発明は空気入りタイヤに関し、さらに詳しくは、耐偏摩耗性を損なうことなく耐轍ワンダリング性を向上させた空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来技術】
道路の整備が進んだ近年においても、悪路を走行する必要が多いトラック等のタイヤにあっては、荒廃した路面を走行する際、轍によりハンドルが取られるいわゆる轍ワンダリング現象により安定した走行が確保できない場合がしばしばあるため、ドライバーからの耐轍ワンダリング性能の向上の要請は未だ絶えることがない。
【0003】
轍ワンダリング現象から脱却するための対応として、従来からタイヤショルダー側のトレッド面の形状に関する提案が数多くなされてきた。これらの提案は道路事情の改善と共に次第に耐偏摩耗の防止という命題に様変わりしながら今日に至っている。
【0004】
重荷重から軽荷重に至るまでの広範な荷重域を扱うトラック、バス用のタイヤにおける耐偏摩耗対策として、従来から、タイヤトレッド面のラジアスを2〜3段階に形成したり、又はタイヤショルダー側のトレッド面に段差を形成する提案が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−219009号公報(第1〜4頁、図1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの対策は、タイヤの偏摩耗を防止する効果が認められるものの、轍ワンダリングを防止する面からは充分な対応となっていなかった。
【0007】
本発明の目的は、かかる従来の問題点を解消し、耐偏摩耗性を阻害することなく耐轍ワンダリング性を向上させた空気入りタイヤを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の空気入りタイヤは、トレッド面を周方向に延びる複数の周方向溝により区画し、これらの周方向溝のうちタイヤ幅方向の最も外側に位置するショルダ−周方向溝を挟んで、前記トレッド面をセンタ−陸部とショルダ−陸部とに区分形成し、前記ショルダ−陸部を前記センタ−陸部に対してタイヤ径方向に低くした空気入りタイヤにおいて、前記センタ−陸部のラジアスR1と、前記ショルダ−陸部のラジアスR2とをR2<R1の関係にし、かつ前記ショルダ−周方向溝のタイヤ幅方向内側の端縁における前記ラジアスR1と前記ラジアスR2とのタイヤ径方向の段差H1と、前記ラジアスR1の仮想延長線とサイドウォール外壁の仮想延長線とが交差する点における前記ラジアスR1の仮想延長線と前記ラジアスR2とのタイヤ径方向の段差H2とをH1<H2の関係としたことを要旨とする。
【0009】
このように、センタ−陸部のラジアスR1をショルダ−陸部のラジアスR2より大きく設定すると共に、タイヤ幅方向最外側のショルダ−周方向溝内側の端縁及びラジアスR1の仮想延長線とサイドウォール外壁の仮想延長線との交点とのそれぞれにおいて、センタ−陸部のラジアスR1とショルダ−陸部のラジアスR2とがなすタイヤ径方向の段差H1、H2をショルダー側で大きくなるように設定したため、悪路走行時においてショルダ−部が轍を乗り越えることを容易にすると共に、一般路走行時における広範な荷重域の負荷に対してトレッド面の各陸部の接地圧を均等化して耐偏摩耗性を維持する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成につき添付の図面を参照しながら詳細に説明する。図1は本発明の空気入りタイヤのトレッド部の一部を例示する断面図である。
【0011】
トレッド部にはカーカス層Cの外周にベルト層Bが配置され、トレッド面1を周方向に延びる複数の周方向溝2aにより区画している。トレッド面1は、これら周方向溝2aのうちタイヤ幅方向の最も外側に位置するショルダ−周方向溝2bを挟んで、タイヤ赤道線CL側のタイヤ径方向外側にラジアスR1を有するセンタ−陸部3aと、タイヤ径方向内側にラジアスR2を有するショルダ−陸部3bとに区分され、ショルダ−陸部3bはセンタ−陸部3aに対してタイヤ径方向に対して低く形成される。
【0012】
センタ−陸部3aのラジアスR1とショルダ−陸部3bのラジアスR2とは、R2<R1となるように設定し、ショルダ−周方向溝2bのタイヤ幅方向内側の端縁PにおけるラジアスR1とラジアスR2とのタイヤ径方向の段差H1と、ラジアスR1の仮想延長線L1とサイドウォール外壁4の仮想延長線L2とが交差する点QにおけるラジアスR1の仮想延長線L1とラジアスR2とのタイヤ径方向の段差H2とは、H1<H2となるように設定する。
【0013】
このように、センタ−陸部3aのラジアスR1をショルダ−陸部3bのラジアスR2より大きく設定すると共に、センタ−陸部3aのラジアスR1とショルダ−陸部3bのラジアスR2とがなすタイヤ径方向の段差H1、H2をショルダー側で大きくなるように設定したため、悪路走行時においてショルダ−部が轍を乗り越えることを容易にすると共に、一般路走行時における広範な荷重域の負荷に対してトレッド面の各陸部3a、3bの接地圧を均等化して良好な耐偏摩耗性を維持する。
【0014】
ここで、耐偏摩耗性を低下させずに耐轍ワンダリング性を一層向上させる観点から、ラジアスR2はラジアスR1の0. 4〜0.8倍に設定することが好ましく、段差H1及びH2はショルダ−周方向溝2bの溝深さdの0. 1〜0.5倍に設定することが好ましい。
【0015】
ラジアスR2がラジアスR1の0. 4倍未満であると耐偏摩耗性を阻害し、0.8倍超になると耐轍ワンダリング性の向上効果が低減する。また、段差H1がショルダ−周方向溝2bの溝深さdの0. 1倍未満又は0.5倍超であると耐偏摩耗性にとって不利となり、段差H2がショルダ−周方向溝2bの溝深さdの0. 1倍未満となると耐轍ワンダリング性が低下し、0.5倍超になると耐偏摩耗性にとって不利となる。
【0016】
なお、図1に例示する本発明タイヤのセンタ−陸部3aは、図示しない周方向に延びる複数の溝により区画して複数の陸部を構成する場合を含むが、耐偏摩耗性を低下させずに耐轍ワンダリング性を向上させる観点から、ショルダー陸部3bの幅はこれらセンタ−陸部3aの幅の75〜125%に設定することが好ましく、更にショルダー陸部3bの幅をショルダー周方向溝2bの溝深さdの2倍以上に設定することが好ましい。
【0017】
ショルダー陸部3bの幅がセンタ−陸部3aの幅の75%未満であると耐轍ワンダリング性に不利となり、125%超では耐轍ワンダリング性に加えて耐偏摩耗性にとって不利となる。また、ショルダー陸部3bの幅がショルダー周方向溝2bの溝深さdの2倍未満では耐轍ワンダリング性に加えて耐偏摩耗性にとって不利となる。
【0018】
【実験例】
ラジアスR1、R2及び段差H1、H2が耐轍ワンダリング性及び耐偏摩耗性に及ぼす影響を調べるため、タイヤサイズ(175R14)及びトレッドパターン(図2)を共通にして、ラジアスR1、R2を同一にした従来タイヤ(従来例)と、前記R1、R2、H1、H2の値をそれぞれ表1に示す通り変化させた本発明タイヤ6種(実施例1〜6)及び比較タイヤ2種(比較例1,2)を作製した。
【0019】
上記9種類のタイヤについて、下記の試験方法により耐轍ワンダリング性及び耐偏摩耗性を調べた結果を表1に併せて記載した。なお、各試験タイヤのトレッド部の構成は図1に示す構造とし、上記の値を除く仕様は同一とした。
【0020】
[耐轍ワンダリング性評価試験方法]
轍路を実車にて走行させ、轍内の直進性、轍への導入性及び脱出性を総合的にフィーリング評価し、その結果を従来タイヤを100とする指数により表1に表示した。数値が大きいほど優れていることを示す。
【0021】
[耐偏摩耗性評価試験方法]
規定コースを規定条件により実車にて走行させ、規定距離を走行した後のタイヤトレッド面のセンター部とショルダー部における摩耗量の差を測定し、その結果を従来タイヤを100とする指数により表1に表示した。数値が大きいほど優れていることを示す。
【0022】
【表1】
【0023】
表1から判るように、本発明タイヤ(実施例1〜6)は従来タイヤ(従来例)に比して耐摩耗性を著しく低下させることなく耐轍ワンダリング性を向上させる。一方、比較タイヤ(比較例1)はR1<R2で、更にH2<H1であるために耐摩耗性の向上は認められるものの耐轍ワンダリング性が著しく低下し、比較タイヤ(比較例2)はH2<H1であるために耐摩耗性が著しく低下する。
【0024】
なお、本発明タイヤ(実施例6)はR2/R1が0.8超であるものの耐轍ワンダリング性の向上が僅かながら認められた。
【0025】
【発明の効果】
上述したように、本発明の空気入りタイヤは、センタ−陸部のラジアスをショルダ−陸部のラジアスより大きく設定すると共に、タイヤ幅方向最外側のショルダ−周方向溝内側の端縁及びセンター陸部のラジアスR1の仮想延長線とサイドウォール外壁の仮想延長線との交点とのそれぞれにおいて、センタ−陸部のラジアスとショルダ−陸部のラジアスとがなすタイヤ径方向の段差をショルダー側で大きくなるように設定したため、耐偏摩耗性を損なうことなく耐轍ワンダリング性を向上させる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の空気入りタイヤのトレッド部の一部を例示する断面図である。
【図2】実験例において採用したトレッドパターンの一部を示す平面図である。
【符号の説明】
1 トレッド面
2a 周方向溝
2b ショルダー周方向溝
3a センター陸部
3b ショルダー陸部
4 サイドウォール外壁
B ベルト層
C カーカス層
Claims (2)
- トレッド面を周方向に延びる複数の周方向溝により区画し、これらの周方向溝のうちタイヤ幅方向の最も外側に位置するショルダ−周方向溝を挟んで、前記トレッド面をセンタ−陸部とショルダ−陸部とに区分形成し、前記ショルダ−陸部を前記センタ−陸部に対してタイヤ径方向に低くした空気入りタイヤにおいて、
前記センタ−陸部のラジアスR1と、前記ショルダ−陸部のラジアスR2とをR2<R1の関係にし、かつ前記ショルダ−周方向溝のタイヤ幅方向内側の端縁における前記ラジアスR1と前記ラジアスR2とのタイヤ径方向の段差H1と、前記ラジアスR1の仮想延長線とサイドウォール外壁の仮想延長線とが交差する点における前記ラジアスR1の仮想延長線と前記ラジアスR2とのタイヤ径方向の段差H2とをH1<H2の関係とした空気入りタイヤ。 - 前記センタ−陸部が、周方向に延びる複数の陸部である請求項1に記載の空気入りタイヤ。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003071614A JP2004276759A (ja) | 2003-03-17 | 2003-03-17 | 空気入りタイヤ |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003071614A JP2004276759A (ja) | 2003-03-17 | 2003-03-17 | 空気入りタイヤ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004276759A true JP2004276759A (ja) | 2004-10-07 |
Family
ID=33288012
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003071614A Pending JP2004276759A (ja) | 2003-03-17 | 2003-03-17 | 空気入りタイヤ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004276759A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006168549A (ja) * | 2004-12-16 | 2006-06-29 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | 小型トラック用空気入りタイヤ |
JP2010264792A (ja) * | 2009-05-12 | 2010-11-25 | Sumitomo Rubber Ind Ltd | 空気入りタイヤ |
JP2017094914A (ja) * | 2015-11-24 | 2017-06-01 | 東洋ゴム工業株式会社 | 空気入りタイヤ |
EP3741582A1 (en) * | 2019-05-23 | 2020-11-25 | The Goodyear Tire & Rubber Company | Tire with shoulder structure |
-
2003
- 2003-03-17 JP JP2003071614A patent/JP2004276759A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP4577005B2 (ja) * | 2004-12-16 | 2010-11-10 | 横浜ゴム株式会社 | 小型トラック用空気入りタイヤ |
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