JP2004276750A - 洗車機 - Google Patents
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Abstract
【課題】温水を用いて洗車するときに、温水から発生する湯気によって車両形状の検出が妨げられないようにしながら、洗車効率の向上を図る。
【解決手段】洗車機本体1が第1往行するときには、車両形状検出装置14によって車両Vの上面形状が検出され、それが記憶手段に記憶される。そして、その記憶内容に基づいてトップブラシ10が昇降制御されるとともに、洗浄水噴射装置C,Rから洗浄水が噴射され、車両Vが洗浄される。そのときの洗浄水には、車両形状検出装置14による車両形状の検出に影響を及ぼすような湯気を発生しない程度の、比較的低温の温水が用いられる。洗車機本体1の第1復行時には、記憶手段に記憶されている記憶内容に基づいてトップブラシ10が昇降制御されるとともに、洗浄水噴射装置M,C,Rから、より高温の温水を用いた洗浄水が噴射され、それによって車両Vの洗浄が行われる。
【選択図】 図5
【解決手段】洗車機本体1が第1往行するときには、車両形状検出装置14によって車両Vの上面形状が検出され、それが記憶手段に記憶される。そして、その記憶内容に基づいてトップブラシ10が昇降制御されるとともに、洗浄水噴射装置C,Rから洗浄水が噴射され、車両Vが洗浄される。そのときの洗浄水には、車両形状検出装置14による車両形状の検出に影響を及ぼすような湯気を発生しない程度の、比較的低温の温水が用いられる。洗車機本体1の第1復行時には、記憶手段に記憶されている記憶内容に基づいてトップブラシ10が昇降制御されるとともに、洗浄水噴射装置M,C,Rから、より高温の温水を用いた洗浄水が噴射され、それによって車両Vの洗浄が行われる。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、洗車機本体に、無接触で車両を検出する車両検出装置と、洗浄水、ワックス水、艶出し剤、濯ぎ水などの洗浄水を噴射する洗浄水噴射装置を有し、その洗車機本体を車両に対して相対移動させながら洗車を行なう洗車機に関し、特に洗浄水噴射装置から噴射する水として温水を用いるようにした、洗車機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両に対して相対移動可能に構成された洗車機本体に、車両に向けて洗剤水やワックス水、艶出し水、濯ぎ水などの洗浄水を噴射する洗浄水噴射装置、トップブラシやサイドブラシ等の洗浄ブラシ、および空気を噴射する乾燥ノズルなどを設けておき、その洗車機本体を車両に対して相対的に往復移動させ、その間に、洗浄水噴射装置からの洗浄水の噴射や洗浄ブラシによるブラッシング、乾燥ノズルからの空気の吹き付け等を行うことにより車両の車体面を洗浄処理する、という洗車機による洗車が行われている。その場合、洗浄処理効果を高めるためには、洗浄ブラシや乾燥ノズル等が車両形状に追従して移動するようにされていることが望まれる。そこで、洗車機本体に、無接触で車両の形状を検出する車両形状検出装置と、その車両形状検出装置により検出された車両形状を記憶する記憶手段を有する制御装置とを設け、車両形状検出装置により車両形状を検出してその車両形状を記憶させるとともに、記憶された車両形状に基づいて洗浄ブラシや乾燥ノズルの位置を制御するようにした洗車機が開発されている。その無接触式車両形状検出装置としては、一般に、光線を検知して作動する光電センサが用いられている。
【0003】
ところで、寒冷地などにおいては、洗浄水噴射装置から噴射された洗浄水が凍結するおそれがあるので、その洗浄水としては比較的高温の温水が用いられることが多い。また、温水の方が洗浄効果が向上するので、洗浄水が凍結するおそれのない一般地においても温水が用いられることがある。
【0004】
しかしながら、そのように洗浄水として温水を用いると、その温水から湯気が発生し、その湯気によって光線が妨げられるので、無接触式車両形状検出装置による車両形状の検出が正確に行われなくなり、その車両に適した洗車機の制御がなされなくなってしまう。
【0005】
このようなことから、洗浄水として温水を用いる場合、従来は、洗浄水を噴射する洗浄工程に入る前に、まず、車両形状を検出するためのみの検出工程を行い、検出された車両形状を記憶させておいて、その後、記憶されている車両形状に基づいて実質的な洗浄を行うようにしていた(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−222106号公報(第4ページ第5欄第19〜23行)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、そのような車両形状の検出工程を行うためには、洗車機本体を車両の一端側から他端側まで、車両に対して相対移動させる必要がある。そして、その間は車両の洗浄が全く行われないので、洗浄処理の終了までに、それだけの時間が余分にかかることになる。すなわち、洗車効率が低下する。
【0008】
本発明は、上述のような事情に鑑みてなされたもので、洗浄水として温水を用いるようにしながら、洗車機による洗車が効率よく行われるようにすることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、車両に対して相対移動可能に構成された洗車機本体に、前記車両に向けて洗浄水を噴射する洗浄水噴射装置と、前記車両を無接触で検出する車両検出装置とを有し、前記車両検出装置の検出信号で前記洗車機本体に備えた装置を制御するようにした洗車機において、
前記洗車機本体が前記車両に対して相対移動しているときに、前記車両検出装置により検出されるような湯気を発生しない程度の温度の洗浄水を前記洗浄水噴射装置から噴射しながら前記車両検出装置により前記車両を検出する第1の工程と、その第1の工程終了後に、前記洗車機本体が前記車両に対して相対移動しているときに、前記第1の工程で噴射する洗浄水よりも高温の洗浄水を前記洗浄水噴射装置から噴射する第2の工程とを含む洗車を行なうよう制御する制御手段を備えたことを特徴としており、かかる特徴によれば、第1工程では、車両検出装置が検出する湯気を発生しない洗浄水を用いるので、車両検出装置で車両を正常に検出でき、車両に適した制御ができる。また車両検出装置で車両を検出するのみの工程を行なわないので、洗車効率を向上させることができる。
【0010】
そして、第1の工程後に行われる第2の工程においては、より高温の温水を用いるようにしているので、洗浄効果を一層高めることができ、また、洗浄水が凍結するような場合にも、その凍結を防止するとともに洗浄効果を一層向上させることができる。
【0011】
また、請求項2記載の発明は、車両に対して相対移動可能に構成された洗車機本体に、前記車両に向けて洗浄水を噴射する洗浄水噴射装置と、前記車両の形状をを無接触で検出する車両形状検出装置と、その車両形状検出装置により検出された車両形状を記憶する記憶手段を有する制御装置とを設けておき、前記洗車機本体を前記車両に対して相対移動させながら、前記車両形状検出装置により前記車両の形状を検出し、その車両形状を前記記憶手段に記憶させる第1の工程と、前記洗車機本体を前記車両に対して相対移動させながら、前記記憶手段の記憶内容に基づいて前記洗車機本体の各部を制御し、前記洗浄水噴射装置から洗浄水を噴射させることにより、前記車両の車体面を洗浄する第2の工程と、を含む複数の工程を行う洗車機において、前記第1の工程においても、前記洗浄水噴射装置から、前記車両形状検出装置によって検出されるような湯気を発生しない程度の温度の洗浄水を噴射させることにより、前記車両の車体面を洗浄するとともに、前記第2の工程においては、前記洗浄水噴射装置から、前記第1の工程で噴射する洗浄水よりも高温の洗浄水を噴射させることを特徴としており、かかる特徴によれば、無接触式車両形状検出装置によって車両の形状検出を行う第1の工程においても、洗浄水噴射装置から洗浄水を噴射させることによって車両の車体面を洗浄するようにしているので、車両の検出工程のみを別に行う場合に比べ、洗車効率を高めることができる。また、その第1の工程において噴射する洗浄水は、車両形状検出装置によって検出されるような湯気を発生しない程度の温度のものとしているので、その車両形状検出装置による車両の形状検出を正確に行うことができ、洗車機を、そのときの車両に対して最適に制御することができる。そして、第1の工程後に行われる第2の工程においては、より高温の温水を用いるようにしているので、洗浄効果を一層高めることができ、また、洗浄水が凍結するような場合にも、その凍結を防止するとともに洗浄効果を一層向上させることができる。
【0012】
さらに、請求項3に記載の発明は、請求項1または2記載の発明において、第1の工程で噴射する洗浄水が、加熱装置により加熱された温水であることを特徴としており、かかる特徴によれば、第1の工程においても、その洗浄水として加熱された温水を用いるようにしているので、洗浄効果の一層の向上を図ることができ、また、洗浄水が凍結するような場合にも、洗浄水の凍結防止するとともに洗浄効果の一層の向上を図ることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に示す本発明の実施例に基づいて説明する。
【0014】
図中、図1〜図4は本発明の実施に用いられる洗車機の一例を示すもので、図1はその洗車機の正面図、図2はその洗車機の要部側面図、図3はその洗車機の洗浄水噴射装置を示す斜視図、図4は図3の洗浄水噴射装置に温水を供給するための給水装置を示す配管図である。また、図5はその洗車機による洗車工程を示す説明図であり、図6は図5の各工程における各部の動作を説明するための動作説明図である。
【0015】
図1および図2に示すように、洗車機の洗車機本体1は、車両を跨ぎ得る門型の走行フレーム2を備えている。その門型走行フレーム2の下端部にはそれぞれ左右一対の前車輪3,3と後車輪4,4とが設けられており、門型走行フレーム2は、それらの車輪3,3;4,4を介して、設置面に敷設された左右一対の走行レール5,5上に支持されている。前車輪3,3は走行用モータ6,6により駆動され、それによって、門型走行フレーム2が走行レール5,5に沿い前後方向(図2で右左方向)に往復走行するようにされている。
【0016】
洗車機設置面には、一方の走行レール5の後端部(図2で左側の端部)近傍に、スタート位置カム7が設置されている。そして、門型走行フレーム2の下端部には、その門型走行フレーム2がスタート位置(基準位置)にあるとき上記スタート位置カム7に係合する位置に、スタート位置検出スイッチ8が設けられている。そのスタート位置検出スイッチ8は、スタート位置カム7と係合しているとき、すなわち門型走行フレーム2がスタート位置にあるときOFFとなり、スタート位置カム7から離れたときONとなるものである。
【0017】
また、一方の走行用モータ6の出力軸には、その回転数に応じたパルス信号を出力するロータリエンコーダ9が接続されている。そのパルス信号は、洗車機本体1の前面に設けられている制御装置SGに入力されるようになっている。制御装置SGは、スタート位置検出スイッチ8がONとなっている間、入力されるパルス数をカウントして、門型走行フレーム2が前進走行(往行)するときにはそのパルス数を加算し、後進走行(復行)するときには減算する。したがって、制御装置SGが示すパルス数により、門型走行フレーム2のスタート位置からの距離、すなわち前後方向の位置が検出される。
【0018】
門型走行フレーム2には、トップブラシ10と左右一対のサイドブラシ11,11とが設けられている。トップブラシ10は車両の上面をブラッシングするもので、上下方向に昇降可能に支持されていて、図示されていないブラシ昇降モータによって昇降駆動されるとともに、図示されていない回転用モータによって回転駆動されるようになっている。サイドブラシ11,11は車両の前後面および両側面をブラッシングするもので、トップブラシ10よりも後方に配置され、左右方向に開閉移動するとともに、図示されていない回転用モータによって回転駆動されるようになっている。
【0019】
また、門型走行フレーム2には、トップノズル12と左右一対のサイドノズル13,13とが設けられている。トップノズル12は、車両の上面に空気を吹き付けることによりその上面を乾燥させるもので、トップブラシ10よりも前方に配置されていて、上下方向に昇降可能に支持され、図示されていないノズル昇降モータによって昇降駆動されるようになっている。サイドノズル13,13は車両の両側面に空気を吹き付けてその側面を乾燥させるもので、トップノズル12よりもさらに前方に配置されている。
【0020】
さらに、門型走行フレーム2には、サイドノズル13,13よりも前方に、車両の上面位置を検出する車両上面位置検出装置14が設けられている。この車両上面位置検出装置14は、投光器15aと受光器15bとからなる光電センサ15を多数、上下方向に等間隔をおいて配列することによって構成したもので、各投光器15a,15a…および受光器15b,15b…は、互いに対向するようにして門型走行フレーム2の左右にそれぞれ配置されている。このような投光器15aと受光器15bとの間に車両が位置すると、投光器15aから投射された光線が車両によって遮られる部分では受光器15bがOFFとなり、車両上面よりも上方に位置する受光器15bはONとなるので、ONとなっている受光器15bの数をカウントすることにより、車両の上面位置、すなわち車両の高さを検出することができる。その検出は前記制御装置SGによって行われる。そして、その車両上面位置検出装置14によって検出された車両上面位置と、前述のロータリエンコーダ9によって検出された門型走行フレーム2の前後方向の位置とから、車両の上面形状が検出される。制御装置SGには、それらの検出値を記憶する記憶手段が設けられている。
【0021】
この実施例では、車両検出装置として車両形状検出装置が用いられる。この車両形状検出装置は、ロータリエンコーダ9、車両上面位置検出装置14、および制御装置SG内のカウント手段によって、無接触で車両の形状を検出するように構成されている。そして、その車両形状検出装置により検出された車両形状を記憶させる記憶手段は、制御装置SGに内蔵されている。
【0022】
洗車機本体1には、さらに1、洗浄水噴射装置としての濯ぎ水噴射装置R、洗剤噴射装置C、および艶出し剤噴射装置Mが設けられている。図2および図3に示すように、濯ぎ水噴射装置Rは、サイドブラシ11,11の後方において門型走行フレーム2に配設された門型の濯ぎ水噴射管31を備えている。その濯ぎ水噴射管31には、門型走行フレーム2の内方に向けて濯ぎ水を噴射する複数のノズル30,30…が設けられている。そして、その濯ぎ水噴射管31の上部水平部の中央に、電磁弁S1を介して給水管32が接続されている。その給水管32の他端は、後述する給水ポンプP(図4)に接続されている。したがって、給水ポンプPを駆動するとともに、電磁弁S1を開くと、給水ポンプPによって給水管32から送られてくる水が、そのまま濯ぎ水としてノズル30,30…から噴射される。
【0023】
また、洗剤噴射装置Cは、トップブラシ10とトップノズル12との間において門型走行フレーム2に配設された門型の洗剤噴射管37を備えている。その洗剤噴射管37には、門型走行フレーム2の内方に向けて洗剤を噴射する複数のノズル36,36…が設けられている。洗剤噴射管37の上部水平部の中央にはエゼクタE2が取り付けられており、そのエゼクタE2の中央部に、電磁弁S3を備えた洗剤供給管38が接続されている。その洗剤供給管38の他端は洗剤タンクT2に接続されている。エゼクタE2の他端には、電磁弁S4を介して前記給水管32が接続されている。したがって、給水ポンプPを駆動するとともに、電磁弁S3,S4を開くと、給水ポンプPによって給水管32から送られてくる水と洗剤タンクT2から吸い上げられた洗剤とが混合され、その希釈洗剤がノズル36,36…から噴射される。また、電磁弁S3は閉じ、電磁弁S4のみを開くと、ノズル36,36…からは、給水管32から送られてくる水がそのまま噴射される。
【0024】
艶出し剤噴射装置Mは、洗剤噴射管37とトップノズル12との間において門型走行フレーム2に配設された門型の艶出し剤噴射管40を備えている。その艶出し剤噴射管40には、門型走行フレーム2の内方に向けて艶出し剤を噴射する4個のノズル39,39…が設けられている。艶出し剤噴射管40の上部水平部の中央にはT継手Gが連結されており、そのT継手Gの一端に、電磁弁S5を備えたエア供給管41が接続されている。そのエア供給管41の他端はエア供給源Aに接続されている。また、T継手Gの中央端にはエゼクタE3が取り付けられており、そのエゼクタE3の中央部に、艶出し剤給水管42を介して艶出し剤タンクT3が接続されている。エゼクタE3の他端には、電磁弁S6を介して前記給水管32が接続されている。したがって、給水ポンプPを駆動するとともに、電磁弁S5,S6を開くと、給水ポンプPによって給水管32から送られてくる水およびエア供給源から供給されるエアと、艶出し剤タンクT3から吸い上げられた艶出し剤とが混合され、泡状の艶出し剤がノズル39,39…から噴射される。
【0025】
図4に示すように、給水ポンプPは洗車水槽ST内に設置されている。その洗車水槽STは、循環ポンプ20および循環配管21を介してボイラBに接続され、洗車水槽STとボイラBとの間で水が循環するようにされている。したがって、ボイラBを稼働させて循環ポンプ20を駆動すれば、洗車水槽ST内の水が循環ポンプ20によってボイラBに送られるとともに、ボイラBによって加熱された温水が循環配管21を介して洗車水槽STに戻される。洗車水槽STには、その水槽ST内の水の温度を検出する水温センサ24が設けられている。ボイラBおよび循環ポンプ20はその水温センサ24の出力信号によって制御され、洗車水槽ST内の水の温度が例えば40℃に保たれるようになっている。また、ボイラBには給水源としての上水道が接続されており、洗車水槽ST内の水位が下がったときには上水道の水が自動的に供給され、それによって洗車水槽ST内の水位が一定に保たれるようになっている。
【0026】
給水ポンプPを駆動すると、洗車水槽ST内の温水が給水管32を通して前述の各洗浄水噴射装置に送られる。その給水管32の途中には混合器22が設けられている。その混合器22には、電磁弁23を介して上水道が接続されている。したがって、給水ポンプPを作動させた状態で電磁弁23を開弁させると、混合器22において、給水ポンプPにより洗車水槽STから送られる温水と上水道の水とが混合され、比較的低温の温水となる。その混合器22における温水と水との混合割合は、生成された温水の温度が、光線を遮るような湯気を発生しない程度、例えば20℃となるように設定されている。電磁弁23は、後述するように制御装置SGによって開閉制御され、洗車水槽ST内の水の温度が例えば20℃以下となったときには、開弁されないようになっている。そのように洗車水槽ST内の水温が低くなるのは、例えば洗車機の最大稼働時など、ボイラBの容量を超える温水が使用されたときである。
【0027】
制御装置SGは、上述した洗車機本体1の各部をそれぞれ制御する。すなわち、制御装置SGには、洗車機の動作順序を定めるシーケンスがあらかじめ設定されており、そのシーケンスに従って制御装置SGから出力される指令信号により、走行用モータ6、トップブラシ10およびサイドブラシ11の回転用モータ、あるいは給水ポンプPの駆動制御や、各洗浄水噴射装置の電磁弁S1〜S6および給水装置の電磁弁23の開閉制御などが行われる。また、制御装置SGから出力される制御信号により、トップブラシ10およびトップノズル12の昇降モータがそれぞれ制御される。さらに、制御装置SGには、洗車水槽STに設けられている水温センサ24からの水温信号が入力されており、上述のように、その水温が低いときには、シーケンスにかかわらず電磁弁23が開弁しないようになっている。
【0028】
つぎに、上述のような構成を備えた洗車機により洗車するときの手順について説明する。
【0029】
洗車を行うときには、まず、図5(A)に実線で示すように洗車機本体1が走行レール5,5の左端のスタート位置に停止している状態で、車両Vを走行レール5,5間の所定位置に停車させる。そして、図示されていないスタートスイッチを押す。すると、洗車機本体1が走行レール5,5に沿って前方、すなわち図で右方向に走行し、図5(A)に二点鎖線で示す走行レール5,5の右端位置において停止する。これが第1往行である。続いて、洗車機本体1は、図5(B)に実線で示す走行レール5,5の右端位置から左方向に走行し、図5(B)に二点鎖線で示す走行レール5,5の左端位置、すなわちスタート位置に達したところで停止する。これが第1復行である。さらに、洗車機本体1は、図5(C)に実線で示すスタート位置から右方向に走行し、同図に二点鎖線で示す走行レール5,5の右端位置において停止する。これが第2往行である。最後に、洗車機本体1は、図5(D)に実線で示す走行レール5,5の右端位置から左方向に走行し、同図に二点鎖線で示すスタート位置に戻ったところで停止する。これが第2復行である。このようにして洗車機本体1が走行レール5,5に沿って2往復する間に、洗車の各工程が行われる。すなわち、第1往行において第1洗浄工程が行われ、第1復行において第2洗浄工程と艶出し剤の第1塗布工程とが行われる。また、第2往行において艶出し剤の第2塗布工程が行われ、第2復行において乾燥工程が行われる。
【0030】
▲1▼ 第1往行(第1洗浄工程)
第1往行時には、制御装置SGに設定されているシーケンスに従って、図6に示すように、洗剤噴射装置Cによる洗剤の噴射と、トップブラシ10およびサイドブラシ11,11によるブラッシングと、濯ぎ水噴射装置Rによる濯ぎ水の噴射とが行われる。
【0031】
すなわち、スタートスイッチを押すと、制御装置SGからの指令信号により、まず、給水ポンプPが駆動されるとともに、電磁弁23が開弁される。それによって、洗車水槽STから送られる温水と上水道の水とを混合した比較的低温の温水が給水管32に圧送される。また、電磁弁S1,S3およびS4が開弁される。したがって、洗剤噴射装置Cのノズル36から、給水管32を通して供給される比較的低温の温水と混合して希釈された洗剤が噴出し、濯ぎ水噴射装置Rのノズル30から、比較的低温の温水からなる濯ぎ水が噴出する。さらに、トップブラシ10およびサイドブラシ11,11が回転駆動される。そして、その状態で洗車機本体1が前進する。
【0032】
この第1往行時に、最も先行する車両上面位置検出装置14によって車両Vの上面位置が検出され、その車両上面位置とロータリエンコーダ9によって検出された洗車機本体1の走行位置とから、車両Vの形状が検出される。そして、それらの検出値が、制御装置SGに設けられている記憶手段に記憶される。その場合、第1往行時に洗剤噴射装置Cおよび濯ぎ水噴射装置Rから噴射される洗浄水には、上述のように比較的低温の温水が用いられているので、その洗浄水から発生する湯気を車両上面位置検出装置14が誤って検出することは防止される。したがって、その車両上面位置検出装置14による車両Vの上面位置の検出は正しく行われる。
【0033】
そして、このようにして記憶手段に記憶された車両Vの形状に基づいて、後続するトップブラシ10を昇降させるブラシ昇降モータが制御され、そのトップブラシ10の回転中心が、常に車両上面から所定の距離だけ離れて位置するようにされる。
【0034】
したがって、洗車機本体1の第1往行時には、まず、先行する洗剤噴射装置Cから洗剤が車両Vに向かって噴射され、次いで、車両Vの上面がトップブラシ10によってブラッシングされるとともに、前面、側面および後面がサイドブラシ11,11によってブラッシングされる。そして、濯ぎ水噴射装置Rから噴射する濯ぎ水によって車両表面が濯がれる。こうして、洗車機本体1が走行レール5,5の右端に達したところで車両Vの第1洗浄工程が終了する。
【0035】
▲2▼ 第1復行(第2洗浄工程および艶出し剤第1塗布工程)
第1復行時には、図6に示すように、艶出し剤噴射装置Mによる艶出し剤の噴射と、洗剤噴射装置Cによる水の噴射と、トップブラシ10およびサイドブラシ11,11によるブラッシングと、濯ぎ水噴射装置Rによる濯ぎ水の噴射とが行われる。
【0036】
この場合には、給水ポンプPは駆動したまま、電磁弁23が閉弁される。したがって、給水管32には、洗車水槽ST内の比較的高温の温水がそのまま圧送される。また、電磁弁S1は開いたままとされるが、電磁弁S3は閉じられ、さらに、電磁弁S5およびS6が開弁される。それによって、濯ぎ水噴射装置Rのノズル30および洗剤噴射装置Cのノズル36から、ともに高温の温水が噴射し、艶出し剤噴射装置Mのノズル39から、温水およびエアと混合した艶出し剤が噴出する。さらに、トップブラシ10およびサイドブラシ11,11が回転駆動される。そして、その状態で洗車機本体1が後進する。
【0037】
この第1復行時には、第1往行時に記憶手段に記憶された車両Vの形状に基づいて、車両上面からトップブラシ10の回転中心までの距離が所定の値に保たれるように、トップブラシ10を昇降させるブラシ昇降モータが制御される。すなわち、第1復行時には、車両形状の検出は行われない。したがって、その第1復行時に、湯気を発生する高温の洗浄水を用いても問題はない。
【0038】
このようにして、洗車機本体1の第1復行時には、洗車機本体1の後進に伴い、まず、先行する濯ぎ水噴射装置Rから高温の温水が車両Vに向かって噴射され、次いで、車両Vの後面、側面および前面がサイドブラシ11,11によってブラッシングされるとともに、上面がトップブラシ10によってブラッシングされる。そして、洗剤噴射装置Cから噴射する温水によって車両表面が濯がれた後、艶出し剤噴射装置Mから噴射する艶出し剤が車両Vの表面に塗布される。
【0039】
洗車機本体1が走行レール5,5の左端のスタート位置に達すると、洗車機本体1の走行を停止させ、トップブラシ10およびサイドブラシ11,11を車両Vに作用しない位置に退避させて保持するとともに、その回転を停止させる。こうして、車両Vの第2洗浄工程および艶出し剤第1塗布工程が終了する。
【0040】
▲3▼ 第2往行(艶出し剤第2塗布工程)
第2往行時には、図6に示すように、艶出し剤噴射装置Mによる艶出し剤の噴射と、濯ぎ水噴射装置Rによる濯ぎ水の噴射とが行われる。
【0041】
このときには、第1復行時の状態から、電磁弁S4が閉弁される。したがって、濯ぎ水噴射装置Rのノズル30から高温の温水が噴射するとともに、艶出し剤噴射装置Mのノズル39から、温水およびエアと混合した艶出し剤が噴出する。そして、その状態で洗車機本体1が前進する。この第2往行時にも、車両形状の検出は行われないので、その第2往行時に、湯気を発生する高温の洗浄水を用いても問題はない。
【0042】
このようにして、洗車機本体1の第2往行時には、まず、先行する艶出し剤噴射装置Mから高温の艶出し剤が車両Vに向かって噴射され、次いで、濯ぎ水噴射装置Rから噴射する高温の濯ぎ水によって車両Vの表面が濯がれる。
【0043】
洗車機本体1が走行レール5,5の右端の位置に達すると、洗車機本体1の走行が停止し、車両Vの艶出し剤第2塗布工程が終了する。
【0044】
▲4▼ 第2復行(乾燥工程)
第2復行時には、図6に示すように、トップノズル12およびサイドノズル13,13による空気の吹き付けが行われる。
【0045】
このときには、給水ポンプPの駆動が停止されるとともに、電磁弁S1〜S6がすべて閉弁される。そして、トップノズル12およびサイドノズル13,13からそれぞれ空気が噴射される。洗車機本体1は、図5(D)に実線で示す位置から二点鎖線で示す位置に向かって後進する。
【0046】
この第2復行時には、第1往行時に記憶手段に記憶された車両Vの形状に基づいて、車両Vの上面からトップノズル12の下端までの距離が所定の値に保たれるように、トップノズル12を昇降させるノズル昇降モータが制御される。すなわち、第2復行時にも、車両形状の検出は行われない。したがって、その第2復行時に、直前の第2往行時に車両Vに噴射された高温の洗浄水によって車両Vの表面から湯気が発生していても問題はない。
【0047】
このようにして、洗車機本体1の第2復行時には、トップノズル12およびサイドノズル13,13から噴射される空気によって、車両Vの表面に付着していた水滴が吹き飛ばされ、乾燥される。
【0048】
洗車機本体1が走行レール5,5の左端のスタート位置に達すると、洗車機本体1の走行を停止させ、トップノズル12およびサイドノズル13,13からの空気の噴射を停止させるとともに、トップノズル12を上限位置に退避させて保持する。こうして、車両Vの乾燥工程が終了する。
【0049】
以上のように、本発明の実施例によれば、第1洗浄工程においては、車両上面位置検出装置が検出するような湯気を発生しない程度の比較的低温の温水からなる洗浄水を用いて車両Vの洗浄を行うので、その第1洗浄工程の間に、湯気に妨げられることなく車両形状を正しく検出することができる。したがって、その車両Vに適した洗車機の制御を行うことができる。しかも、車両形状の検出と車両Vの洗浄とが同時に行われるので、従来のように車両形状の検出のためのみの検出工程を行う場合に比べて、洗車効率を向上させることができる。
【0050】
また、第1洗浄工程後に行われる第2洗浄工程や艶出し剤塗布工程ではより高温の温水を用いるので、その工程において噴射した洗浄水が凍結するような場合にも、その凍結を防止することができるのみでなく、第1洗浄工程において噴射した比較的低温の洗浄水が凍結したとしても、その解凍を図ることができる。さらに、そのように高温の温水を用いることにより、洗浄効果および艶出し効果を向上させることができる。
【0051】
さらにまた、第1洗浄工程においてもある程度の温度にまで加熱した温水を用いるので、加熱しない水を用いる場合に比べて、洗浄効果を向上させることができ、また洗浄水が凍結するような場合にも、その凍結を防止するとともに洗浄効果を一層高めることができる。
【0052】
以上、以上本発明の一実施例について説明したが、本発明はその実施例に限定されることなく、本発明の範囲内で種々の実施例が可能である。
【0053】
たとえば、前記実施例では、本発明を、停車している車両に対して洗車機本体が移動して洗車を行なうようにした洗車機に実施した場合について説明したが、固定されている洗車機本体に対して車両を走行させて洗車を行なうようにした洗車機にも実施できることは勿論である。また、外気温によっては、第1洗浄工程において、水道水を加熱することなくそのまま使用することもできる。さらに、水道水を加熱する加熱装置としては、上記実施例のようなボイラBのほか、電気ヒータ等を用いることもできる。さらに、艶出し剤第2塗布工程や乾燥工程は、場合によっては省略することもできる。
【0054】
【発明の効果】
以上のように、請求項1記載の本発明によれば、第1工程では、車両検出装置が検出する湯気を発生しない洗浄水を用いるので、車両検出装置で車両を正常に検出でき、車両に適した制御ができる。また、車両検出装置で車両を検出するのみの工程を行なわないので、洗車効率を向上させることができる。
【0055】
そして、第1の工程後に行われる第2の工程においては、より高温の温水を用いるようにしているので、洗浄効果を一層高めることができ、また、洗浄水が凍結するような場合にも、その凍結を防止するとともに洗浄効果を一層向上させることができる。
【0056】
また、請求項2記載の発明によれば、無接触式車両形状検出装置によって車両の形状検出を行う第1の工程においても、洗浄水噴射装置から洗浄水を噴射させることによって車両の車体面を洗浄するようにしているので、車両の検出工程のみを別に行う場合に比べ、洗車効率を高めることができる。また、その第1の工程において噴射する洗浄水は、車両形状検出装置によって検出されるような湯気を発生しない程度の温度のものとしているので、その車両形状検出装置による車両の形状検出を正確に行うことができ、洗車機を、そのときの車両に対して最適に制御することができる。そして、第1の工程後に行われる第2の工程においては、より高温の温水を用いるようにしているので、洗浄効果を一層高めることができ、また、洗浄水が凍結するような場合にも、その凍結を防止するとともに洗浄効果を一層向上させることができる。
【0057】
さらに、請求項3記載の発明によれば、第1の工程においても、その洗浄水として加熱された温水を用いるようにしているので、洗浄効果の一層の向上を図ることができ、また、洗浄水が凍結するような場合にも、洗浄水の凍結防止するとともに洗浄効果の一層の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施に用いられる洗車機の正面図。
【図2】図1の洗車機の要部側面図。
【図3】図1の洗車機の洗浄水噴射装置を示す斜視図。
【図4】図3の洗浄水噴射装置に温水を供給するための給水装置を示す配管図。
【図5】図1〜図4に示す洗車機による洗車工程を示す説明図。
【図6】図5の各工程における各部の動作を説明するための動作説明図。
【符号の説明】
1 洗車機本体
2 門型走行フレーム
9 ロータリエンコーダ(車両検出装置、車両形状検出装置)
10 トップブラシ(洗車機の各部)
12 トップノズル(洗車機の各部)
14 車両上面位置検出装置(車両検出装置、車両形状検出装置)
P 給水ポンプ
R 濯ぎ水噴射装置(洗浄水噴射装置)
C 洗剤噴射装置(洗浄水噴射装置)
M 艶出し剤噴射装置(洗浄水噴射装置)
SG 制御装置
B ボイラ(加熱装置)
V 車両
【発明の属する技術分野】
本発明は、洗車機本体に、無接触で車両を検出する車両検出装置と、洗浄水、ワックス水、艶出し剤、濯ぎ水などの洗浄水を噴射する洗浄水噴射装置を有し、その洗車機本体を車両に対して相対移動させながら洗車を行なう洗車機に関し、特に洗浄水噴射装置から噴射する水として温水を用いるようにした、洗車機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両に対して相対移動可能に構成された洗車機本体に、車両に向けて洗剤水やワックス水、艶出し水、濯ぎ水などの洗浄水を噴射する洗浄水噴射装置、トップブラシやサイドブラシ等の洗浄ブラシ、および空気を噴射する乾燥ノズルなどを設けておき、その洗車機本体を車両に対して相対的に往復移動させ、その間に、洗浄水噴射装置からの洗浄水の噴射や洗浄ブラシによるブラッシング、乾燥ノズルからの空気の吹き付け等を行うことにより車両の車体面を洗浄処理する、という洗車機による洗車が行われている。その場合、洗浄処理効果を高めるためには、洗浄ブラシや乾燥ノズル等が車両形状に追従して移動するようにされていることが望まれる。そこで、洗車機本体に、無接触で車両の形状を検出する車両形状検出装置と、その車両形状検出装置により検出された車両形状を記憶する記憶手段を有する制御装置とを設け、車両形状検出装置により車両形状を検出してその車両形状を記憶させるとともに、記憶された車両形状に基づいて洗浄ブラシや乾燥ノズルの位置を制御するようにした洗車機が開発されている。その無接触式車両形状検出装置としては、一般に、光線を検知して作動する光電センサが用いられている。
【0003】
ところで、寒冷地などにおいては、洗浄水噴射装置から噴射された洗浄水が凍結するおそれがあるので、その洗浄水としては比較的高温の温水が用いられることが多い。また、温水の方が洗浄効果が向上するので、洗浄水が凍結するおそれのない一般地においても温水が用いられることがある。
【0004】
しかしながら、そのように洗浄水として温水を用いると、その温水から湯気が発生し、その湯気によって光線が妨げられるので、無接触式車両形状検出装置による車両形状の検出が正確に行われなくなり、その車両に適した洗車機の制御がなされなくなってしまう。
【0005】
このようなことから、洗浄水として温水を用いる場合、従来は、洗浄水を噴射する洗浄工程に入る前に、まず、車両形状を検出するためのみの検出工程を行い、検出された車両形状を記憶させておいて、その後、記憶されている車両形状に基づいて実質的な洗浄を行うようにしていた(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−222106号公報(第4ページ第5欄第19〜23行)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、そのような車両形状の検出工程を行うためには、洗車機本体を車両の一端側から他端側まで、車両に対して相対移動させる必要がある。そして、その間は車両の洗浄が全く行われないので、洗浄処理の終了までに、それだけの時間が余分にかかることになる。すなわち、洗車効率が低下する。
【0008】
本発明は、上述のような事情に鑑みてなされたもので、洗浄水として温水を用いるようにしながら、洗車機による洗車が効率よく行われるようにすることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、車両に対して相対移動可能に構成された洗車機本体に、前記車両に向けて洗浄水を噴射する洗浄水噴射装置と、前記車両を無接触で検出する車両検出装置とを有し、前記車両検出装置の検出信号で前記洗車機本体に備えた装置を制御するようにした洗車機において、
前記洗車機本体が前記車両に対して相対移動しているときに、前記車両検出装置により検出されるような湯気を発生しない程度の温度の洗浄水を前記洗浄水噴射装置から噴射しながら前記車両検出装置により前記車両を検出する第1の工程と、その第1の工程終了後に、前記洗車機本体が前記車両に対して相対移動しているときに、前記第1の工程で噴射する洗浄水よりも高温の洗浄水を前記洗浄水噴射装置から噴射する第2の工程とを含む洗車を行なうよう制御する制御手段を備えたことを特徴としており、かかる特徴によれば、第1工程では、車両検出装置が検出する湯気を発生しない洗浄水を用いるので、車両検出装置で車両を正常に検出でき、車両に適した制御ができる。また車両検出装置で車両を検出するのみの工程を行なわないので、洗車効率を向上させることができる。
【0010】
そして、第1の工程後に行われる第2の工程においては、より高温の温水を用いるようにしているので、洗浄効果を一層高めることができ、また、洗浄水が凍結するような場合にも、その凍結を防止するとともに洗浄効果を一層向上させることができる。
【0011】
また、請求項2記載の発明は、車両に対して相対移動可能に構成された洗車機本体に、前記車両に向けて洗浄水を噴射する洗浄水噴射装置と、前記車両の形状をを無接触で検出する車両形状検出装置と、その車両形状検出装置により検出された車両形状を記憶する記憶手段を有する制御装置とを設けておき、前記洗車機本体を前記車両に対して相対移動させながら、前記車両形状検出装置により前記車両の形状を検出し、その車両形状を前記記憶手段に記憶させる第1の工程と、前記洗車機本体を前記車両に対して相対移動させながら、前記記憶手段の記憶内容に基づいて前記洗車機本体の各部を制御し、前記洗浄水噴射装置から洗浄水を噴射させることにより、前記車両の車体面を洗浄する第2の工程と、を含む複数の工程を行う洗車機において、前記第1の工程においても、前記洗浄水噴射装置から、前記車両形状検出装置によって検出されるような湯気を発生しない程度の温度の洗浄水を噴射させることにより、前記車両の車体面を洗浄するとともに、前記第2の工程においては、前記洗浄水噴射装置から、前記第1の工程で噴射する洗浄水よりも高温の洗浄水を噴射させることを特徴としており、かかる特徴によれば、無接触式車両形状検出装置によって車両の形状検出を行う第1の工程においても、洗浄水噴射装置から洗浄水を噴射させることによって車両の車体面を洗浄するようにしているので、車両の検出工程のみを別に行う場合に比べ、洗車効率を高めることができる。また、その第1の工程において噴射する洗浄水は、車両形状検出装置によって検出されるような湯気を発生しない程度の温度のものとしているので、その車両形状検出装置による車両の形状検出を正確に行うことができ、洗車機を、そのときの車両に対して最適に制御することができる。そして、第1の工程後に行われる第2の工程においては、より高温の温水を用いるようにしているので、洗浄効果を一層高めることができ、また、洗浄水が凍結するような場合にも、その凍結を防止するとともに洗浄効果を一層向上させることができる。
【0012】
さらに、請求項3に記載の発明は、請求項1または2記載の発明において、第1の工程で噴射する洗浄水が、加熱装置により加熱された温水であることを特徴としており、かかる特徴によれば、第1の工程においても、その洗浄水として加熱された温水を用いるようにしているので、洗浄効果の一層の向上を図ることができ、また、洗浄水が凍結するような場合にも、洗浄水の凍結防止するとともに洗浄効果の一層の向上を図ることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に示す本発明の実施例に基づいて説明する。
【0014】
図中、図1〜図4は本発明の実施に用いられる洗車機の一例を示すもので、図1はその洗車機の正面図、図2はその洗車機の要部側面図、図3はその洗車機の洗浄水噴射装置を示す斜視図、図4は図3の洗浄水噴射装置に温水を供給するための給水装置を示す配管図である。また、図5はその洗車機による洗車工程を示す説明図であり、図6は図5の各工程における各部の動作を説明するための動作説明図である。
【0015】
図1および図2に示すように、洗車機の洗車機本体1は、車両を跨ぎ得る門型の走行フレーム2を備えている。その門型走行フレーム2の下端部にはそれぞれ左右一対の前車輪3,3と後車輪4,4とが設けられており、門型走行フレーム2は、それらの車輪3,3;4,4を介して、設置面に敷設された左右一対の走行レール5,5上に支持されている。前車輪3,3は走行用モータ6,6により駆動され、それによって、門型走行フレーム2が走行レール5,5に沿い前後方向(図2で右左方向)に往復走行するようにされている。
【0016】
洗車機設置面には、一方の走行レール5の後端部(図2で左側の端部)近傍に、スタート位置カム7が設置されている。そして、門型走行フレーム2の下端部には、その門型走行フレーム2がスタート位置(基準位置)にあるとき上記スタート位置カム7に係合する位置に、スタート位置検出スイッチ8が設けられている。そのスタート位置検出スイッチ8は、スタート位置カム7と係合しているとき、すなわち門型走行フレーム2がスタート位置にあるときOFFとなり、スタート位置カム7から離れたときONとなるものである。
【0017】
また、一方の走行用モータ6の出力軸には、その回転数に応じたパルス信号を出力するロータリエンコーダ9が接続されている。そのパルス信号は、洗車機本体1の前面に設けられている制御装置SGに入力されるようになっている。制御装置SGは、スタート位置検出スイッチ8がONとなっている間、入力されるパルス数をカウントして、門型走行フレーム2が前進走行(往行)するときにはそのパルス数を加算し、後進走行(復行)するときには減算する。したがって、制御装置SGが示すパルス数により、門型走行フレーム2のスタート位置からの距離、すなわち前後方向の位置が検出される。
【0018】
門型走行フレーム2には、トップブラシ10と左右一対のサイドブラシ11,11とが設けられている。トップブラシ10は車両の上面をブラッシングするもので、上下方向に昇降可能に支持されていて、図示されていないブラシ昇降モータによって昇降駆動されるとともに、図示されていない回転用モータによって回転駆動されるようになっている。サイドブラシ11,11は車両の前後面および両側面をブラッシングするもので、トップブラシ10よりも後方に配置され、左右方向に開閉移動するとともに、図示されていない回転用モータによって回転駆動されるようになっている。
【0019】
また、門型走行フレーム2には、トップノズル12と左右一対のサイドノズル13,13とが設けられている。トップノズル12は、車両の上面に空気を吹き付けることによりその上面を乾燥させるもので、トップブラシ10よりも前方に配置されていて、上下方向に昇降可能に支持され、図示されていないノズル昇降モータによって昇降駆動されるようになっている。サイドノズル13,13は車両の両側面に空気を吹き付けてその側面を乾燥させるもので、トップノズル12よりもさらに前方に配置されている。
【0020】
さらに、門型走行フレーム2には、サイドノズル13,13よりも前方に、車両の上面位置を検出する車両上面位置検出装置14が設けられている。この車両上面位置検出装置14は、投光器15aと受光器15bとからなる光電センサ15を多数、上下方向に等間隔をおいて配列することによって構成したもので、各投光器15a,15a…および受光器15b,15b…は、互いに対向するようにして門型走行フレーム2の左右にそれぞれ配置されている。このような投光器15aと受光器15bとの間に車両が位置すると、投光器15aから投射された光線が車両によって遮られる部分では受光器15bがOFFとなり、車両上面よりも上方に位置する受光器15bはONとなるので、ONとなっている受光器15bの数をカウントすることにより、車両の上面位置、すなわち車両の高さを検出することができる。その検出は前記制御装置SGによって行われる。そして、その車両上面位置検出装置14によって検出された車両上面位置と、前述のロータリエンコーダ9によって検出された門型走行フレーム2の前後方向の位置とから、車両の上面形状が検出される。制御装置SGには、それらの検出値を記憶する記憶手段が設けられている。
【0021】
この実施例では、車両検出装置として車両形状検出装置が用いられる。この車両形状検出装置は、ロータリエンコーダ9、車両上面位置検出装置14、および制御装置SG内のカウント手段によって、無接触で車両の形状を検出するように構成されている。そして、その車両形状検出装置により検出された車両形状を記憶させる記憶手段は、制御装置SGに内蔵されている。
【0022】
洗車機本体1には、さらに1、洗浄水噴射装置としての濯ぎ水噴射装置R、洗剤噴射装置C、および艶出し剤噴射装置Mが設けられている。図2および図3に示すように、濯ぎ水噴射装置Rは、サイドブラシ11,11の後方において門型走行フレーム2に配設された門型の濯ぎ水噴射管31を備えている。その濯ぎ水噴射管31には、門型走行フレーム2の内方に向けて濯ぎ水を噴射する複数のノズル30,30…が設けられている。そして、その濯ぎ水噴射管31の上部水平部の中央に、電磁弁S1を介して給水管32が接続されている。その給水管32の他端は、後述する給水ポンプP(図4)に接続されている。したがって、給水ポンプPを駆動するとともに、電磁弁S1を開くと、給水ポンプPによって給水管32から送られてくる水が、そのまま濯ぎ水としてノズル30,30…から噴射される。
【0023】
また、洗剤噴射装置Cは、トップブラシ10とトップノズル12との間において門型走行フレーム2に配設された門型の洗剤噴射管37を備えている。その洗剤噴射管37には、門型走行フレーム2の内方に向けて洗剤を噴射する複数のノズル36,36…が設けられている。洗剤噴射管37の上部水平部の中央にはエゼクタE2が取り付けられており、そのエゼクタE2の中央部に、電磁弁S3を備えた洗剤供給管38が接続されている。その洗剤供給管38の他端は洗剤タンクT2に接続されている。エゼクタE2の他端には、電磁弁S4を介して前記給水管32が接続されている。したがって、給水ポンプPを駆動するとともに、電磁弁S3,S4を開くと、給水ポンプPによって給水管32から送られてくる水と洗剤タンクT2から吸い上げられた洗剤とが混合され、その希釈洗剤がノズル36,36…から噴射される。また、電磁弁S3は閉じ、電磁弁S4のみを開くと、ノズル36,36…からは、給水管32から送られてくる水がそのまま噴射される。
【0024】
艶出し剤噴射装置Mは、洗剤噴射管37とトップノズル12との間において門型走行フレーム2に配設された門型の艶出し剤噴射管40を備えている。その艶出し剤噴射管40には、門型走行フレーム2の内方に向けて艶出し剤を噴射する4個のノズル39,39…が設けられている。艶出し剤噴射管40の上部水平部の中央にはT継手Gが連結されており、そのT継手Gの一端に、電磁弁S5を備えたエア供給管41が接続されている。そのエア供給管41の他端はエア供給源Aに接続されている。また、T継手Gの中央端にはエゼクタE3が取り付けられており、そのエゼクタE3の中央部に、艶出し剤給水管42を介して艶出し剤タンクT3が接続されている。エゼクタE3の他端には、電磁弁S6を介して前記給水管32が接続されている。したがって、給水ポンプPを駆動するとともに、電磁弁S5,S6を開くと、給水ポンプPによって給水管32から送られてくる水およびエア供給源から供給されるエアと、艶出し剤タンクT3から吸い上げられた艶出し剤とが混合され、泡状の艶出し剤がノズル39,39…から噴射される。
【0025】
図4に示すように、給水ポンプPは洗車水槽ST内に設置されている。その洗車水槽STは、循環ポンプ20および循環配管21を介してボイラBに接続され、洗車水槽STとボイラBとの間で水が循環するようにされている。したがって、ボイラBを稼働させて循環ポンプ20を駆動すれば、洗車水槽ST内の水が循環ポンプ20によってボイラBに送られるとともに、ボイラBによって加熱された温水が循環配管21を介して洗車水槽STに戻される。洗車水槽STには、その水槽ST内の水の温度を検出する水温センサ24が設けられている。ボイラBおよび循環ポンプ20はその水温センサ24の出力信号によって制御され、洗車水槽ST内の水の温度が例えば40℃に保たれるようになっている。また、ボイラBには給水源としての上水道が接続されており、洗車水槽ST内の水位が下がったときには上水道の水が自動的に供給され、それによって洗車水槽ST内の水位が一定に保たれるようになっている。
【0026】
給水ポンプPを駆動すると、洗車水槽ST内の温水が給水管32を通して前述の各洗浄水噴射装置に送られる。その給水管32の途中には混合器22が設けられている。その混合器22には、電磁弁23を介して上水道が接続されている。したがって、給水ポンプPを作動させた状態で電磁弁23を開弁させると、混合器22において、給水ポンプPにより洗車水槽STから送られる温水と上水道の水とが混合され、比較的低温の温水となる。その混合器22における温水と水との混合割合は、生成された温水の温度が、光線を遮るような湯気を発生しない程度、例えば20℃となるように設定されている。電磁弁23は、後述するように制御装置SGによって開閉制御され、洗車水槽ST内の水の温度が例えば20℃以下となったときには、開弁されないようになっている。そのように洗車水槽ST内の水温が低くなるのは、例えば洗車機の最大稼働時など、ボイラBの容量を超える温水が使用されたときである。
【0027】
制御装置SGは、上述した洗車機本体1の各部をそれぞれ制御する。すなわち、制御装置SGには、洗車機の動作順序を定めるシーケンスがあらかじめ設定されており、そのシーケンスに従って制御装置SGから出力される指令信号により、走行用モータ6、トップブラシ10およびサイドブラシ11の回転用モータ、あるいは給水ポンプPの駆動制御や、各洗浄水噴射装置の電磁弁S1〜S6および給水装置の電磁弁23の開閉制御などが行われる。また、制御装置SGから出力される制御信号により、トップブラシ10およびトップノズル12の昇降モータがそれぞれ制御される。さらに、制御装置SGには、洗車水槽STに設けられている水温センサ24からの水温信号が入力されており、上述のように、その水温が低いときには、シーケンスにかかわらず電磁弁23が開弁しないようになっている。
【0028】
つぎに、上述のような構成を備えた洗車機により洗車するときの手順について説明する。
【0029】
洗車を行うときには、まず、図5(A)に実線で示すように洗車機本体1が走行レール5,5の左端のスタート位置に停止している状態で、車両Vを走行レール5,5間の所定位置に停車させる。そして、図示されていないスタートスイッチを押す。すると、洗車機本体1が走行レール5,5に沿って前方、すなわち図で右方向に走行し、図5(A)に二点鎖線で示す走行レール5,5の右端位置において停止する。これが第1往行である。続いて、洗車機本体1は、図5(B)に実線で示す走行レール5,5の右端位置から左方向に走行し、図5(B)に二点鎖線で示す走行レール5,5の左端位置、すなわちスタート位置に達したところで停止する。これが第1復行である。さらに、洗車機本体1は、図5(C)に実線で示すスタート位置から右方向に走行し、同図に二点鎖線で示す走行レール5,5の右端位置において停止する。これが第2往行である。最後に、洗車機本体1は、図5(D)に実線で示す走行レール5,5の右端位置から左方向に走行し、同図に二点鎖線で示すスタート位置に戻ったところで停止する。これが第2復行である。このようにして洗車機本体1が走行レール5,5に沿って2往復する間に、洗車の各工程が行われる。すなわち、第1往行において第1洗浄工程が行われ、第1復行において第2洗浄工程と艶出し剤の第1塗布工程とが行われる。また、第2往行において艶出し剤の第2塗布工程が行われ、第2復行において乾燥工程が行われる。
【0030】
▲1▼ 第1往行(第1洗浄工程)
第1往行時には、制御装置SGに設定されているシーケンスに従って、図6に示すように、洗剤噴射装置Cによる洗剤の噴射と、トップブラシ10およびサイドブラシ11,11によるブラッシングと、濯ぎ水噴射装置Rによる濯ぎ水の噴射とが行われる。
【0031】
すなわち、スタートスイッチを押すと、制御装置SGからの指令信号により、まず、給水ポンプPが駆動されるとともに、電磁弁23が開弁される。それによって、洗車水槽STから送られる温水と上水道の水とを混合した比較的低温の温水が給水管32に圧送される。また、電磁弁S1,S3およびS4が開弁される。したがって、洗剤噴射装置Cのノズル36から、給水管32を通して供給される比較的低温の温水と混合して希釈された洗剤が噴出し、濯ぎ水噴射装置Rのノズル30から、比較的低温の温水からなる濯ぎ水が噴出する。さらに、トップブラシ10およびサイドブラシ11,11が回転駆動される。そして、その状態で洗車機本体1が前進する。
【0032】
この第1往行時に、最も先行する車両上面位置検出装置14によって車両Vの上面位置が検出され、その車両上面位置とロータリエンコーダ9によって検出された洗車機本体1の走行位置とから、車両Vの形状が検出される。そして、それらの検出値が、制御装置SGに設けられている記憶手段に記憶される。その場合、第1往行時に洗剤噴射装置Cおよび濯ぎ水噴射装置Rから噴射される洗浄水には、上述のように比較的低温の温水が用いられているので、その洗浄水から発生する湯気を車両上面位置検出装置14が誤って検出することは防止される。したがって、その車両上面位置検出装置14による車両Vの上面位置の検出は正しく行われる。
【0033】
そして、このようにして記憶手段に記憶された車両Vの形状に基づいて、後続するトップブラシ10を昇降させるブラシ昇降モータが制御され、そのトップブラシ10の回転中心が、常に車両上面から所定の距離だけ離れて位置するようにされる。
【0034】
したがって、洗車機本体1の第1往行時には、まず、先行する洗剤噴射装置Cから洗剤が車両Vに向かって噴射され、次いで、車両Vの上面がトップブラシ10によってブラッシングされるとともに、前面、側面および後面がサイドブラシ11,11によってブラッシングされる。そして、濯ぎ水噴射装置Rから噴射する濯ぎ水によって車両表面が濯がれる。こうして、洗車機本体1が走行レール5,5の右端に達したところで車両Vの第1洗浄工程が終了する。
【0035】
▲2▼ 第1復行(第2洗浄工程および艶出し剤第1塗布工程)
第1復行時には、図6に示すように、艶出し剤噴射装置Mによる艶出し剤の噴射と、洗剤噴射装置Cによる水の噴射と、トップブラシ10およびサイドブラシ11,11によるブラッシングと、濯ぎ水噴射装置Rによる濯ぎ水の噴射とが行われる。
【0036】
この場合には、給水ポンプPは駆動したまま、電磁弁23が閉弁される。したがって、給水管32には、洗車水槽ST内の比較的高温の温水がそのまま圧送される。また、電磁弁S1は開いたままとされるが、電磁弁S3は閉じられ、さらに、電磁弁S5およびS6が開弁される。それによって、濯ぎ水噴射装置Rのノズル30および洗剤噴射装置Cのノズル36から、ともに高温の温水が噴射し、艶出し剤噴射装置Mのノズル39から、温水およびエアと混合した艶出し剤が噴出する。さらに、トップブラシ10およびサイドブラシ11,11が回転駆動される。そして、その状態で洗車機本体1が後進する。
【0037】
この第1復行時には、第1往行時に記憶手段に記憶された車両Vの形状に基づいて、車両上面からトップブラシ10の回転中心までの距離が所定の値に保たれるように、トップブラシ10を昇降させるブラシ昇降モータが制御される。すなわち、第1復行時には、車両形状の検出は行われない。したがって、その第1復行時に、湯気を発生する高温の洗浄水を用いても問題はない。
【0038】
このようにして、洗車機本体1の第1復行時には、洗車機本体1の後進に伴い、まず、先行する濯ぎ水噴射装置Rから高温の温水が車両Vに向かって噴射され、次いで、車両Vの後面、側面および前面がサイドブラシ11,11によってブラッシングされるとともに、上面がトップブラシ10によってブラッシングされる。そして、洗剤噴射装置Cから噴射する温水によって車両表面が濯がれた後、艶出し剤噴射装置Mから噴射する艶出し剤が車両Vの表面に塗布される。
【0039】
洗車機本体1が走行レール5,5の左端のスタート位置に達すると、洗車機本体1の走行を停止させ、トップブラシ10およびサイドブラシ11,11を車両Vに作用しない位置に退避させて保持するとともに、その回転を停止させる。こうして、車両Vの第2洗浄工程および艶出し剤第1塗布工程が終了する。
【0040】
▲3▼ 第2往行(艶出し剤第2塗布工程)
第2往行時には、図6に示すように、艶出し剤噴射装置Mによる艶出し剤の噴射と、濯ぎ水噴射装置Rによる濯ぎ水の噴射とが行われる。
【0041】
このときには、第1復行時の状態から、電磁弁S4が閉弁される。したがって、濯ぎ水噴射装置Rのノズル30から高温の温水が噴射するとともに、艶出し剤噴射装置Mのノズル39から、温水およびエアと混合した艶出し剤が噴出する。そして、その状態で洗車機本体1が前進する。この第2往行時にも、車両形状の検出は行われないので、その第2往行時に、湯気を発生する高温の洗浄水を用いても問題はない。
【0042】
このようにして、洗車機本体1の第2往行時には、まず、先行する艶出し剤噴射装置Mから高温の艶出し剤が車両Vに向かって噴射され、次いで、濯ぎ水噴射装置Rから噴射する高温の濯ぎ水によって車両Vの表面が濯がれる。
【0043】
洗車機本体1が走行レール5,5の右端の位置に達すると、洗車機本体1の走行が停止し、車両Vの艶出し剤第2塗布工程が終了する。
【0044】
▲4▼ 第2復行(乾燥工程)
第2復行時には、図6に示すように、トップノズル12およびサイドノズル13,13による空気の吹き付けが行われる。
【0045】
このときには、給水ポンプPの駆動が停止されるとともに、電磁弁S1〜S6がすべて閉弁される。そして、トップノズル12およびサイドノズル13,13からそれぞれ空気が噴射される。洗車機本体1は、図5(D)に実線で示す位置から二点鎖線で示す位置に向かって後進する。
【0046】
この第2復行時には、第1往行時に記憶手段に記憶された車両Vの形状に基づいて、車両Vの上面からトップノズル12の下端までの距離が所定の値に保たれるように、トップノズル12を昇降させるノズル昇降モータが制御される。すなわち、第2復行時にも、車両形状の検出は行われない。したがって、その第2復行時に、直前の第2往行時に車両Vに噴射された高温の洗浄水によって車両Vの表面から湯気が発生していても問題はない。
【0047】
このようにして、洗車機本体1の第2復行時には、トップノズル12およびサイドノズル13,13から噴射される空気によって、車両Vの表面に付着していた水滴が吹き飛ばされ、乾燥される。
【0048】
洗車機本体1が走行レール5,5の左端のスタート位置に達すると、洗車機本体1の走行を停止させ、トップノズル12およびサイドノズル13,13からの空気の噴射を停止させるとともに、トップノズル12を上限位置に退避させて保持する。こうして、車両Vの乾燥工程が終了する。
【0049】
以上のように、本発明の実施例によれば、第1洗浄工程においては、車両上面位置検出装置が検出するような湯気を発生しない程度の比較的低温の温水からなる洗浄水を用いて車両Vの洗浄を行うので、その第1洗浄工程の間に、湯気に妨げられることなく車両形状を正しく検出することができる。したがって、その車両Vに適した洗車機の制御を行うことができる。しかも、車両形状の検出と車両Vの洗浄とが同時に行われるので、従来のように車両形状の検出のためのみの検出工程を行う場合に比べて、洗車効率を向上させることができる。
【0050】
また、第1洗浄工程後に行われる第2洗浄工程や艶出し剤塗布工程ではより高温の温水を用いるので、その工程において噴射した洗浄水が凍結するような場合にも、その凍結を防止することができるのみでなく、第1洗浄工程において噴射した比較的低温の洗浄水が凍結したとしても、その解凍を図ることができる。さらに、そのように高温の温水を用いることにより、洗浄効果および艶出し効果を向上させることができる。
【0051】
さらにまた、第1洗浄工程においてもある程度の温度にまで加熱した温水を用いるので、加熱しない水を用いる場合に比べて、洗浄効果を向上させることができ、また洗浄水が凍結するような場合にも、その凍結を防止するとともに洗浄効果を一層高めることができる。
【0052】
以上、以上本発明の一実施例について説明したが、本発明はその実施例に限定されることなく、本発明の範囲内で種々の実施例が可能である。
【0053】
たとえば、前記実施例では、本発明を、停車している車両に対して洗車機本体が移動して洗車を行なうようにした洗車機に実施した場合について説明したが、固定されている洗車機本体に対して車両を走行させて洗車を行なうようにした洗車機にも実施できることは勿論である。また、外気温によっては、第1洗浄工程において、水道水を加熱することなくそのまま使用することもできる。さらに、水道水を加熱する加熱装置としては、上記実施例のようなボイラBのほか、電気ヒータ等を用いることもできる。さらに、艶出し剤第2塗布工程や乾燥工程は、場合によっては省略することもできる。
【0054】
【発明の効果】
以上のように、請求項1記載の本発明によれば、第1工程では、車両検出装置が検出する湯気を発生しない洗浄水を用いるので、車両検出装置で車両を正常に検出でき、車両に適した制御ができる。また、車両検出装置で車両を検出するのみの工程を行なわないので、洗車効率を向上させることができる。
【0055】
そして、第1の工程後に行われる第2の工程においては、より高温の温水を用いるようにしているので、洗浄効果を一層高めることができ、また、洗浄水が凍結するような場合にも、その凍結を防止するとともに洗浄効果を一層向上させることができる。
【0056】
また、請求項2記載の発明によれば、無接触式車両形状検出装置によって車両の形状検出を行う第1の工程においても、洗浄水噴射装置から洗浄水を噴射させることによって車両の車体面を洗浄するようにしているので、車両の検出工程のみを別に行う場合に比べ、洗車効率を高めることができる。また、その第1の工程において噴射する洗浄水は、車両形状検出装置によって検出されるような湯気を発生しない程度の温度のものとしているので、その車両形状検出装置による車両の形状検出を正確に行うことができ、洗車機を、そのときの車両に対して最適に制御することができる。そして、第1の工程後に行われる第2の工程においては、より高温の温水を用いるようにしているので、洗浄効果を一層高めることができ、また、洗浄水が凍結するような場合にも、その凍結を防止するとともに洗浄効果を一層向上させることができる。
【0057】
さらに、請求項3記載の発明によれば、第1の工程においても、その洗浄水として加熱された温水を用いるようにしているので、洗浄効果の一層の向上を図ることができ、また、洗浄水が凍結するような場合にも、洗浄水の凍結防止するとともに洗浄効果の一層の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施に用いられる洗車機の正面図。
【図2】図1の洗車機の要部側面図。
【図3】図1の洗車機の洗浄水噴射装置を示す斜視図。
【図4】図3の洗浄水噴射装置に温水を供給するための給水装置を示す配管図。
【図5】図1〜図4に示す洗車機による洗車工程を示す説明図。
【図6】図5の各工程における各部の動作を説明するための動作説明図。
【符号の説明】
1 洗車機本体
2 門型走行フレーム
9 ロータリエンコーダ(車両検出装置、車両形状検出装置)
10 トップブラシ(洗車機の各部)
12 トップノズル(洗車機の各部)
14 車両上面位置検出装置(車両検出装置、車両形状検出装置)
P 給水ポンプ
R 濯ぎ水噴射装置(洗浄水噴射装置)
C 洗剤噴射装置(洗浄水噴射装置)
M 艶出し剤噴射装置(洗浄水噴射装置)
SG 制御装置
B ボイラ(加熱装置)
V 車両
Claims (3)
- 車両に対して相対移動可能に構成された洗車機本体に、前記車両に向けて洗浄水を噴射する洗浄水噴射装置と、前記車両を無接触で検出する車両検出装置とを有し、前記車両検出装置の検出信号で前記洗車機本体に備えた装置を制御するようにした洗車機において、
前記洗車機本体が前記車両に対して相対移動しているときに、前記車両検出装置によって検出されるような湯気を発生しない程度の温度の洗浄水を前記洗浄水噴射装置から噴射しながら前記車両検出装置により前記車両を検出する第1の工程と、その第1の工程終了後に、前記洗車機本体が前記車両に対して相対移動しているときに、前記第1の工程で噴射する洗浄水よりも高温の洗浄水を前記洗浄水噴射装置から噴射する第2の工程とを含む洗車を行なうよう制御する制御手段を備えたことを特徴とする洗車機。 - 車両に対して相対移動可能に構成された洗車機本体に、前記車両に向けて洗浄水を噴射する洗浄水噴射装置と、前記車両の形状を無接触で検出する車両形状検出装置と、その車両形状検出装置により検出された車両形状を記憶する記憶手段を有する制御装置とを設けておき、前記洗車機本体を前記車両に対して相対移動させながら、前記車両形状検出装置により前記車両の形状を検出し、その車両形状を前記記憶手段に記憶させる第1の工程と、前記洗車機本体を前記車両に対して相対移動させながら、前記記憶手段の記憶内容に基づいて前記洗車機本体の各部を制御し、前記洗浄水噴射装置から洗浄水を噴射させることにより、前記車両の車体面を洗浄する第2の工程と、を含む複数の工程を行う洗車機において、
前記第1の工程においても、前記洗浄水噴射装置から、前記車両形状検出装置によって検出されるような湯気を発生しない程度の温度の洗浄水を噴射させることにより、前記車両の車体面を洗浄するとともに、
前記第2の工程においては、前記洗浄水噴射装置から、前記第1の工程で噴射する洗浄水よりも高温の洗浄水を噴射させることを特徴とする洗車機。 - 前記第1の工程において噴射する洗浄水は、加熱装置により加熱された温水であることを特徴とする、請求項1または2記載の洗車機。
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JP2003071361A JP2004276750A (ja) | 2003-03-17 | 2003-03-17 | 洗車機 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR100943008B1 (ko) | 2007-09-11 | 2010-02-18 | (주)신한티엔티 | 스팀 세차 장치 |
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2003
- 2003-03-17 JP JP2003071361A patent/JP2004276750A/ja active Pending
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