JP2004276505A - ブローンフィルム製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】製品であるフィルムの膜厚を均一にするために、赤外線円筒炉を用いたり、リングダイに多数のヒータを埋め込んで熱可塑性樹脂の延伸率を制御していたが、赤外線円筒炉は高価であり、リングダイにヒータを埋め込む方式は熱慣性が大きく制御に時間がかかっていたという課題を解決する。
【解決手段】リングダイから押し出してチューブ状になったフィルムに冷却用の空気を吹きつけ、この空気の吹きつけ方向や流量を制御してチューブ状フィルムの温度、すなわち延伸率を調整するようにした。応答性がよいので正確な制御が可能であり、かつ装置が簡単になり消費電力を低減することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】リングダイから押し出してチューブ状になったフィルムに冷却用の空気を吹きつけ、この空気の吹きつけ方向や流量を制御してチューブ状フィルムの温度、すなわち延伸率を調整するようにした。応答性がよいので正確な制御が可能であり、かつ装置が簡単になり消費電力を低減することができる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、制御性のよい冷却用エアを用いて、偏肉が少ない優れたフィルムを製造することができるブローンフィルム製造装置に関するものである。
【0001】
【従来の技術】
図5にインフレーションマシンを用いたブローンフィルム製造装置の構成を示す。図5において、熱可塑性樹脂は押出機51によって加熱、溶融され、リングダイ53から押し出される。リングダイ53には、押し出された熱可塑性樹脂に気体を吹き込む吹き出し部が設けられ、給排気装置52から空気が供給される。そのため、熱可塑性樹脂は6のようにチューブ状になる。このチューブ6はピンチローラ71で折り畳まれ、巻取り機72で巻き取られる。
【0002】
このようなブローンフィルム製造装置では、製品であるフィルムの厚さを一定に制御しなければならない。そのため、図5の矢印1〜3で示す位置で押し出されたチューブ6の厚さを測定し、厚さが均一になるように制御する。
【0003】
特許文献1にはこのようなブローンフィルム製造装置の発明が記載されている。この発明では押出機によって押し出されてチューブ状になったフィルムを予備ヒータおよび赤外線加熱円筒炉に通し、これらの加熱部を出た所でフィルムの厚さを測定して、厚さが均一になるように赤外線円筒炉を制御するものである。
【0004】
特許文献2には他のブローンフィルム製造装置の発明が記載されている。この発明では、リングダイに多数の厚み調整用ヒータを等間隔で埋設し、これらのヒータを制御して樹脂の粘度を変えて、リングダイを通る樹脂の流速を調整してフィルムの厚さを均一にするものである。
【0005】
また、リングダイに多数のヒータを埋め込み、フィルムの厚さが均一になるように、このヒータを固定しているボルトを調整することも行われている。
【特許文献1】
特公平6−41172号公報
【特許文献2】
特開平9−123251号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなブローンフィルム製造装置には次のような課題があった。
【0007】
特許文献1に記載された装置では、制御性がよいという利点はあるが、赤外線円筒炉が必要であり、装置が大がかりになってしまうという課題があった。また、赤外線ヒータを駆動するためには大きな電力が必要であり、そのための制御装置が大がかりになってしまうという課題もあった。
【0008】
特許文献2に記載された装置では、延伸率調整用のヒータの熱慣性が大きいために素早い応答が得られず、制御に時間がかかるという課題があった。また、大型マシンではボルトの押し引き調整が難しいために微調整が困難であり、ボルトの調整だけでフィルムの厚さを均一に調整することは実用的ではないという課題もあった。
【0009】
従って本発明の目的は、制御性のよい空気を用いて、偏肉が少ない製品を簡単に製造することができるブローンフィルム製造装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決するために、本発明のうち請求項1記載の発明は、環状のリングダイから熱可塑性樹脂を押し出し、この押し出した熱可塑性樹脂を冷却すると共にその内部に空気を吹き込んでチューブ状にしてフィルムを形成するブローンフィルム製造装置であって、前記チューブ状フィルムに空気を吹きつけ、この空気の流れを制御することによって前記チューブ状フィルムの冷却の程度を調整し、前記チューブ状フィルムの円周方向の膜厚のプロファイルを所定の値に制御するようにしたものである。制御性がよい。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記吹きつける空気の方向を制御することによって前記チューブ状フィルムに吹きつける空気を制御するようにしたものである。簡単に制御できる。
【0012】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記吹きつける空気の吹き出し口に導風板を設け、この導風板の傾きを変えることにより、前記吹きつける空気の方向を制御するようにしたものである。構成が簡単になる。
【0013】
請求項4記載の発明は、請求項1ないし請求項3いずれかに記載の発明において、前記吹きつける空気の流量を制御することによって前記チューブ状フィルムに吹きつける空気を制御するようにしたものである。簡単に制御できる。
【0014】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明において、前記吹きつける空気の吹き出し口に弁を設け、この弁を制御することにより、前記吹きつける空気の流量を制御するようにしたものである。構成が簡単になる。
【0015】
請求項6記載の発明は、請求項1ないし請求項5いずれかに記載の発明において、前記吹きつける空気を前記チューブ状フィルムの円周方向に沿って吹き出させ、前記吹きつける空気の角度を変えて前記チューブ状フィルムにあたる面積を制御するようにしたものである。制御性がよい。
【0016】
請求項7記載の発明は、環状のリングダイから熱可塑性樹脂を押し出し、この押し出した熱可塑性樹脂を冷却すると共にその内部に空気を吹き込んでチューブ状にしてフィルムを形成するブローンフィルム製造装置であって、前記チューブ状フィルムの円周方向の厚さのプロファイルを測定するセンサと、このセンサの出力が入力される制御部と、前記チューブ状フィルムに冷却用空気を吹きつける空気吹き出し部とを有し、前記制御部は前記チューブ状フィルムの円周方向の厚さのプロファイルが所定の値になるように、前記空気吹き出し部が吹き出す空気を制御するようにしたものである。自動的に膜厚を制御できる。
【0017】
請求項8記載の発明は、請求項7記載の発明において、前記制御部は、前記空気吹き出し部が吹き出す空気の角度を制御するようにしたものである。簡単に制御できる。
【0018】
請求項9記載の発明は、請求項7または請求項8記載の発明において、前記制御部は、前記空気吹き出し部が吹き出す空気の流量を制御するようにしたものである。簡単に制御できる。
【0019】
請求項10記載の発明は、請求項7ないし請求項9いずれかに記載の発明において、前記空気吹き出し部は、前記チューブ状フィルムの円周方向に沿って空気を吹き出すようにし、前記制御部は前記空気吹き出し部が吹き出す空気の角度を変えて、この吹き出した空気が前記チューブ状フィルムにあたる面積を制御するようにしたものである。制御性がよい。
【0020】
請求項11記載の発明は、環状のリングダイから熱可塑性樹脂を押し出し、この押し出した熱可塑性樹脂を冷却すると共にその内部に空気を吹き込んでチューブ状にしてフィルムを形成するブローンフィルム製造装置であって、前記チューブ状フィルムに冷却用空気を吹きつける空気吹き出し部と、この空気の温度を測定する温度センサと、この温度センサの出力が入力される制御部とを有し、この制御部は前記温度センサの出力によって前記空気吹き出し部が吹き出す空気を制御するようにしたものである。厚さ計が不要になる。
【0021】
請求項12記載の発明は、請求項11記載の発明において、前記制御部は、前記空気吹き出し部が吹き出す空気の角度を制御するようにしたものである。構成が簡単になる。
【0022】
請求項13記載の発明は、請求項11または請求項12記載の発明において、前記制御部は、前記空気吹き出し部が吹き出す空気の流量を制御するようにしたものである。構成が簡単になる。
【0023】
請求項14記載の発明は、請求項11ないし請求項13いずれかに記載の発明において、前記空気吹き出し部は、前記チューブ状フィルムの円周方向に沿って空気を吹き出すようにし、前記制御部は前記空気吹き出し部が吹き出す空気の角度を変えて、この吹き出した空気が前記チューブ状フィルムにあたる面積を制御するようにしたものである。制御性がよい。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下に、図に基づいて本発明を詳細に説明する。
図1は本発明に係るブローフィルム製造装置のリングダイの構成図である。図1において、1はリングダイであり、シャフト11,空気取り入れ口12およびエアリング吹き出し口14で構成されている。エアリング吹き出し口14はチューブ状になった熱可塑性樹脂を冷却する空気の吹き出し口であり、シャフト11の周囲を取り囲んでいる。
【0025】
シャフト11は熱可塑性樹脂を押し出し、この押し出した熱可塑性樹脂の中央に空気を吹き込む。これによって熱可塑性樹脂はチューブ状に変形する。6はこのようにして成形されたチューブである。
【0026】
チューブ6はエアリング吹き出し口14から吹き出す空気によって冷却される。この冷却空気は空気流入口12から取り入れられ、矢印13に沿って流れてチューブ6の外周を冷却する。この冷却空気の流れる方向および流量を制御することによってチューブ6の温度すなわち延伸率を調整して、その膜厚のプロファイルを制御する。
【0027】
図2はエアリング吹き出し口14の一例の構成図であり、21は空気の吹き出し口、22はルーバー(導風板)である。ルーバー22は矢印23の方向に回転し、吹き出し口21から吹き出す空気の流れる方向を変化させる。なお、ルーバー22の形状、駆動するアクチュエータの種類(モータ、空気圧など)には種々のものが考えられるが、要は空気の流れ方向を任意に変えられるものであればよく、その構成は特に限定されない。
【0028】
チューブ6の膜厚が厚いときには、ルーバー22を水平に近い位置にして冷却空気を外側に吹き出させ、チューブ6に当たり難くする。こうするとチューブ6の冷却が遅れるので粘度が小さくなり、延伸率が高くなって厚みが薄くなる。逆に膜厚が薄いときにはルーバー22を立てて冷却空気を内側に吹き出させてチューブ6が早く冷えるようにする。チューブ6の延伸率が小さくなり、膜厚が薄くなりすぎることがなくなる。
【0029】
なお、この実施例では単に空気の流れる角度だけを変えるようにしたが、空気をスパイラル状に吹き出してチューブ6の外周に沿って流れるようにして、この流れる区間を調整するようにしてもよい。
【0030】
図3にエアリング吹き出し口14の他の実施例の構成図を示す。この実施例は吹き出す冷却空気の量を調整することができるものである。図3において、31は冷却空気の吹き出し口、32は弁である。弁32は矢印33の方向に移動できるようになっている。弁32を左側に移動させると吹き出し口が小さくなり、冷却空気の流量が減少する。逆に右側に移動させると吹き出し口が大きくなり、冷却空気の流量が増加する。なお、弁32の形状、駆動するアクチュエータの種類(モータ、空気圧など)は種々のものが考えられるが、要は空気の流量が制御できればよく、その構成は特に限定されない。
【0031】
チューブ6の膜厚が厚いときには弁32を左側に移動させる。チューブ2に当たる冷却空気の流量が減少するのでチューブ6は冷やされ難くなり、延伸率が高くなり、その厚さが減少する。逆に膜厚が薄いときには弁32を右側に移動させて冷却空気の流量を増加させ、チューブ6が早く冷えるようにする。このようにすると延伸率が低くなり、チューブ6が薄くなりすぎるのを防ぐことができる。
【0032】
なお、チューブ6の膜圧が均一でなく偏肉が大きいときには、シャフト11の周囲に形成したエアリング吹き出し口のうち、一部の吹き出し口のみ流れ方向や流量を変えて、膜厚を均一にすることもできる。
【0033】
図4に本発明の他の実施例を示す。なお、図5と同じ要素には同一符号を付し、説明を省略する。図4において、4はセンサであり、チューブ6の円周方向の膜厚を測定する。この測定値は図示しない制御装置に出力され、チューブ6の膜厚が指定の厚さになり、かつ偏肉がなくなるような制御出力が演算される。この制御出力によって図2のルーバー22や図3の弁32を制御してチューブ6に当たる冷却空気の方向や流量を調整する。制御装置が行う制御演算は、PID、サンプルPI、モデル予測制御などを用いることができる。
【0034】
なお、この実施例では自動的にルーバー22や弁32を制御するようにしたが、ルーバー22や弁32の適正な位置の演算のみを行い、手動で操作するようにしてもよい。また、冷却空気の流量と方向のどちらか一方のみを変化させるようにしてもよい。さらに、冷却空気の吹き出し圧力を変えて流量を調整するようにしてもよい。
【0035】
また、チューブ6の膜厚を測定するセンサ4としてX線式検出器、レーザー変位式厚さ計などを用いることができるが、その他のセンサを用いてもよい。測定データの単位としては、g/m2、μm、℃などを用いることができる。
【0036】
また、膜厚を測定するのではなく、チューブ6に当たる空気の温度を測定し、この温度データを制御装置に入力して制御演算を行うようにしてもよい。空気の温度はチューブ6の温度と相関があり、またチューブ6の温度によって延伸率が変化するので、結果的にチューブ6の膜厚を均一にすることができる。
【0037】
さらに、オフラインで膜厚、温度を測定し、このデータを用いて冷却用空気の方向や流量を演算するようにしてもよい。
【発明の効果】
以上説明したことから明らかなように、本発明によれば次の効果が期待できる。
請求項1記載の発明によれば、環状のリングダイから熱可塑性樹脂を押し出し、この押し出した熱可塑性樹脂を冷却すると共にその内部に空気を吹き込んでチューブ状にしてフィルムを形成するブローンフィルム製造装置であって、前記チューブ状フィルムに空気を吹きつけ、この空気の流れを制御することによって前記チューブ状フィルムの冷却の程度を調整し、前記チューブ状フィルムの円周方向の膜厚のプロファイルを所定の値に制御するようにした。
【0038】
空気の流れを制御するため、制御部分の構成が簡単になるという効果がある。また、応答性がよく、自由度の大きな制御が可能になるという効果もある。さらに、細かな制御が可能であり、暖めるためのヒータを用いないので、消費電力を削減することができるという効果もある。
【0039】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明において、前記吹きつける空気の方向を制御することによって前記チューブ状フィルムに吹きつける空気を制御するようにした。構成が簡単になり、かつ制御性がよいという効果がある。
【0040】
請求項3記載の発明によれば、請求項2記載の発明において、前記吹きつける空気の吹き出し口に導風板を設け、この導風板の傾きを変えることにより、前記吹きつける空気の方向を制御するようにした。導風板のみで制御できるので、構成が簡単になり、かつ制御性がよいという効果がある。
【0041】
請求項4記載の発明によれば、請求項1ないし請求項3いずれかに記載の発明において、前記吹きつける空気の流量を制御することによって前記チューブ状フィルムに吹きつける空気を制御するようにした。吹きつける空気の流量を調整するだけなので、構成が簡単になりかつ制御性がよくなるという効果がある。
【0042】
請求項5記載の発明によれば、請求項4記載の発明において、前記吹きつける空気の吹き出し口に弁を設け、この弁を制御することにより、前記吹きつける空気の流量を制御するようにした。構成が簡単になり、かつ簡単に制御できるという効果がある。
【0043】
請求項6記載の発明によれば、請求項1ないし請求項5いずれかに記載の発明において、前記吹きつける空気を前記チューブ状フィルムの円周方向に沿って吹き出させ、前記吹きつける空気の角度を変えて前記チューブ状フィルムにあたる面積を制御するようにした。空気のあたる量を広い範囲で調整することができるので、制御性がよくなるという効果がある。
【0044】
請求項7記載の発明によれば、環状のリングダイから熱可塑性樹脂を押し出し、この押し出した熱可塑性樹脂を冷却すると共にその内部に空気を吹き込んでチューブ状にしてフィルムを形成するブローンフィルム製造装置であって、前記チューブ状フィルムの円周方向の厚さのプロファイルを測定するセンサと、このセンサの出力が入力される制御部と、前記チューブ状フィルムに冷却用空気を吹きつける空気吹き出し部とを有し、前記制御部は前記チューブ状フィルムの円周方向の厚さのプロファイルが所定の値になるように、前記空気吹き出し部が吹き出す空気を制御するようにした。
【0045】
自動的に膜厚の制御ができるという効果がある。また、空気の流れを制御するため、制御部分の構成が簡単になり、かつ応答性がよく、自由度の大きな制御が可能になるという効果もある。さらに、細かな制御が可能であり、暖めるためのヒータを用いないので、消費電力を削減することができるという効果もある。
【0046】
請求項8記載の発明によれば、請求項7記載の発明において、前記制御部は、前記空気吹き出し部が吹き出す空気の角度を制御するようにした。構成が簡単になり、かつ制御性がよいという効果がある。
【0047】
請求項9記載の発明によれば、請求項7または請求項8記載の発明において、前記制御部は、前記空気吹き出し部が吹き出す空気の流量を制御するようにした。吹きつける空気の流量を調整するだけなので、構成が簡単になりかつ制御性がよくなるという効果がある。
【0048】
請求項10記載の発明によれば、請求項7ないし請求項9いずれかに記載の発明において、前記空気吹き出し部は、前記チューブ状フィルムの円周方向に沿って空気を吹き出すようにし、前記制御部は前記空気吹き出し部が吹き出す空気の角度を変えて、この吹き出した空気が前記チューブ状フィルムにあたる面積を制御するようにした。空気のあたる量を広い範囲で調整することができるので、制御性がよくなるという効果がある。
【0049】
請求項11記載の発明によれば、環状のリングダイから熱可塑性樹脂を押し出し、この押し出した熱可塑性樹脂を冷却すると共にその内部に空気を吹き込んでチューブ状にしてフィルムを形成するブローンフィルム製造装置であって、前記チューブ状フィルムに冷却用空気を吹きつける空気吹き出し部と、この空気の温度を測定する温度センサと、この温度センサの出力が入力される制御部とを有し、この制御部は前記温度センサの出力によって前記空気吹き出し部が吹き出す空気を制御するようにした。
【0050】
温度計のみで厚さ計が不要になるので、構成が簡単になり、設置費用を削減することができるという効果がある。また、空気の流れを制御するため、制御部分の構成が簡単になり、かつ応答性がよく、自由度の大きな制御が可能になるという効果もある。さらに、細かな制御が可能であり、暖めるためのヒータを用いないので、消費電力を削減することができるという効果もある。
【0051】
請求項12記載の発明によれば、請求項11記載の発明において、前記制御部は、前記空気吹き出し部が吹き出す空気の角度を制御するようにした。構成が簡単になり、かつ制御性がよいという効果がある。
【0052】
請求項13記載の発明によれば、請求項11または請求項12記載の発明において、前記制御部は、前記空気吹き出し部が吹き出す空気の流量を制御するようにした。吹きつける空気の流量を調整するだけなので、構成が簡単になりかつ制御性がよくなるという効果がある。
【0053】
請求項14記載の発明によれば、請求項11ないし請求項13いずれかに記載の発明において、前記空気吹き出し部は、前記チューブ状フィルムの円周方向に沿って空気を吹き出すようにし、前記制御部は前記空気吹き出し部が吹き出す空気の角度を変えて、この吹き出した空気が前記チューブ状フィルムにあたる面積を制御するようにした。空気のあたる量を広い範囲で調整することができるので、制御性がよくなるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す構成図である。
【図2】本発明の一実施例であるエアリング吹き出し口の一実施例の構成図である。
【図3】本発明の一実施例であるエアリング吹き出し口の一実施例の構成図である。
【図4】本発明の他の実施例の構成図である。
【図5】ブローンフィルム製造装置の構成図である。
【符号の説明】
1 リングダイ
11 シャフト
12 空気取り入れ口
14 エアリング吹き出し口
22 ルーバー
32 弁
6 チューブ
この発明は、制御性のよい冷却用エアを用いて、偏肉が少ない優れたフィルムを製造することができるブローンフィルム製造装置に関するものである。
【0001】
【従来の技術】
図5にインフレーションマシンを用いたブローンフィルム製造装置の構成を示す。図5において、熱可塑性樹脂は押出機51によって加熱、溶融され、リングダイ53から押し出される。リングダイ53には、押し出された熱可塑性樹脂に気体を吹き込む吹き出し部が設けられ、給排気装置52から空気が供給される。そのため、熱可塑性樹脂は6のようにチューブ状になる。このチューブ6はピンチローラ71で折り畳まれ、巻取り機72で巻き取られる。
【0002】
このようなブローンフィルム製造装置では、製品であるフィルムの厚さを一定に制御しなければならない。そのため、図5の矢印1〜3で示す位置で押し出されたチューブ6の厚さを測定し、厚さが均一になるように制御する。
【0003】
特許文献1にはこのようなブローンフィルム製造装置の発明が記載されている。この発明では押出機によって押し出されてチューブ状になったフィルムを予備ヒータおよび赤外線加熱円筒炉に通し、これらの加熱部を出た所でフィルムの厚さを測定して、厚さが均一になるように赤外線円筒炉を制御するものである。
【0004】
特許文献2には他のブローンフィルム製造装置の発明が記載されている。この発明では、リングダイに多数の厚み調整用ヒータを等間隔で埋設し、これらのヒータを制御して樹脂の粘度を変えて、リングダイを通る樹脂の流速を調整してフィルムの厚さを均一にするものである。
【0005】
また、リングダイに多数のヒータを埋め込み、フィルムの厚さが均一になるように、このヒータを固定しているボルトを調整することも行われている。
【特許文献1】
特公平6−41172号公報
【特許文献2】
特開平9−123251号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなブローンフィルム製造装置には次のような課題があった。
【0007】
特許文献1に記載された装置では、制御性がよいという利点はあるが、赤外線円筒炉が必要であり、装置が大がかりになってしまうという課題があった。また、赤外線ヒータを駆動するためには大きな電力が必要であり、そのための制御装置が大がかりになってしまうという課題もあった。
【0008】
特許文献2に記載された装置では、延伸率調整用のヒータの熱慣性が大きいために素早い応答が得られず、制御に時間がかかるという課題があった。また、大型マシンではボルトの押し引き調整が難しいために微調整が困難であり、ボルトの調整だけでフィルムの厚さを均一に調整することは実用的ではないという課題もあった。
【0009】
従って本発明の目的は、制御性のよい空気を用いて、偏肉が少ない製品を簡単に製造することができるブローンフィルム製造装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決するために、本発明のうち請求項1記載の発明は、環状のリングダイから熱可塑性樹脂を押し出し、この押し出した熱可塑性樹脂を冷却すると共にその内部に空気を吹き込んでチューブ状にしてフィルムを形成するブローンフィルム製造装置であって、前記チューブ状フィルムに空気を吹きつけ、この空気の流れを制御することによって前記チューブ状フィルムの冷却の程度を調整し、前記チューブ状フィルムの円周方向の膜厚のプロファイルを所定の値に制御するようにしたものである。制御性がよい。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記吹きつける空気の方向を制御することによって前記チューブ状フィルムに吹きつける空気を制御するようにしたものである。簡単に制御できる。
【0012】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記吹きつける空気の吹き出し口に導風板を設け、この導風板の傾きを変えることにより、前記吹きつける空気の方向を制御するようにしたものである。構成が簡単になる。
【0013】
請求項4記載の発明は、請求項1ないし請求項3いずれかに記載の発明において、前記吹きつける空気の流量を制御することによって前記チューブ状フィルムに吹きつける空気を制御するようにしたものである。簡単に制御できる。
【0014】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明において、前記吹きつける空気の吹き出し口に弁を設け、この弁を制御することにより、前記吹きつける空気の流量を制御するようにしたものである。構成が簡単になる。
【0015】
請求項6記載の発明は、請求項1ないし請求項5いずれかに記載の発明において、前記吹きつける空気を前記チューブ状フィルムの円周方向に沿って吹き出させ、前記吹きつける空気の角度を変えて前記チューブ状フィルムにあたる面積を制御するようにしたものである。制御性がよい。
【0016】
請求項7記載の発明は、環状のリングダイから熱可塑性樹脂を押し出し、この押し出した熱可塑性樹脂を冷却すると共にその内部に空気を吹き込んでチューブ状にしてフィルムを形成するブローンフィルム製造装置であって、前記チューブ状フィルムの円周方向の厚さのプロファイルを測定するセンサと、このセンサの出力が入力される制御部と、前記チューブ状フィルムに冷却用空気を吹きつける空気吹き出し部とを有し、前記制御部は前記チューブ状フィルムの円周方向の厚さのプロファイルが所定の値になるように、前記空気吹き出し部が吹き出す空気を制御するようにしたものである。自動的に膜厚を制御できる。
【0017】
請求項8記載の発明は、請求項7記載の発明において、前記制御部は、前記空気吹き出し部が吹き出す空気の角度を制御するようにしたものである。簡単に制御できる。
【0018】
請求項9記載の発明は、請求項7または請求項8記載の発明において、前記制御部は、前記空気吹き出し部が吹き出す空気の流量を制御するようにしたものである。簡単に制御できる。
【0019】
請求項10記載の発明は、請求項7ないし請求項9いずれかに記載の発明において、前記空気吹き出し部は、前記チューブ状フィルムの円周方向に沿って空気を吹き出すようにし、前記制御部は前記空気吹き出し部が吹き出す空気の角度を変えて、この吹き出した空気が前記チューブ状フィルムにあたる面積を制御するようにしたものである。制御性がよい。
【0020】
請求項11記載の発明は、環状のリングダイから熱可塑性樹脂を押し出し、この押し出した熱可塑性樹脂を冷却すると共にその内部に空気を吹き込んでチューブ状にしてフィルムを形成するブローンフィルム製造装置であって、前記チューブ状フィルムに冷却用空気を吹きつける空気吹き出し部と、この空気の温度を測定する温度センサと、この温度センサの出力が入力される制御部とを有し、この制御部は前記温度センサの出力によって前記空気吹き出し部が吹き出す空気を制御するようにしたものである。厚さ計が不要になる。
【0021】
請求項12記載の発明は、請求項11記載の発明において、前記制御部は、前記空気吹き出し部が吹き出す空気の角度を制御するようにしたものである。構成が簡単になる。
【0022】
請求項13記載の発明は、請求項11または請求項12記載の発明において、前記制御部は、前記空気吹き出し部が吹き出す空気の流量を制御するようにしたものである。構成が簡単になる。
【0023】
請求項14記載の発明は、請求項11ないし請求項13いずれかに記載の発明において、前記空気吹き出し部は、前記チューブ状フィルムの円周方向に沿って空気を吹き出すようにし、前記制御部は前記空気吹き出し部が吹き出す空気の角度を変えて、この吹き出した空気が前記チューブ状フィルムにあたる面積を制御するようにしたものである。制御性がよい。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下に、図に基づいて本発明を詳細に説明する。
図1は本発明に係るブローフィルム製造装置のリングダイの構成図である。図1において、1はリングダイであり、シャフト11,空気取り入れ口12およびエアリング吹き出し口14で構成されている。エアリング吹き出し口14はチューブ状になった熱可塑性樹脂を冷却する空気の吹き出し口であり、シャフト11の周囲を取り囲んでいる。
【0025】
シャフト11は熱可塑性樹脂を押し出し、この押し出した熱可塑性樹脂の中央に空気を吹き込む。これによって熱可塑性樹脂はチューブ状に変形する。6はこのようにして成形されたチューブである。
【0026】
チューブ6はエアリング吹き出し口14から吹き出す空気によって冷却される。この冷却空気は空気流入口12から取り入れられ、矢印13に沿って流れてチューブ6の外周を冷却する。この冷却空気の流れる方向および流量を制御することによってチューブ6の温度すなわち延伸率を調整して、その膜厚のプロファイルを制御する。
【0027】
図2はエアリング吹き出し口14の一例の構成図であり、21は空気の吹き出し口、22はルーバー(導風板)である。ルーバー22は矢印23の方向に回転し、吹き出し口21から吹き出す空気の流れる方向を変化させる。なお、ルーバー22の形状、駆動するアクチュエータの種類(モータ、空気圧など)には種々のものが考えられるが、要は空気の流れ方向を任意に変えられるものであればよく、その構成は特に限定されない。
【0028】
チューブ6の膜厚が厚いときには、ルーバー22を水平に近い位置にして冷却空気を外側に吹き出させ、チューブ6に当たり難くする。こうするとチューブ6の冷却が遅れるので粘度が小さくなり、延伸率が高くなって厚みが薄くなる。逆に膜厚が薄いときにはルーバー22を立てて冷却空気を内側に吹き出させてチューブ6が早く冷えるようにする。チューブ6の延伸率が小さくなり、膜厚が薄くなりすぎることがなくなる。
【0029】
なお、この実施例では単に空気の流れる角度だけを変えるようにしたが、空気をスパイラル状に吹き出してチューブ6の外周に沿って流れるようにして、この流れる区間を調整するようにしてもよい。
【0030】
図3にエアリング吹き出し口14の他の実施例の構成図を示す。この実施例は吹き出す冷却空気の量を調整することができるものである。図3において、31は冷却空気の吹き出し口、32は弁である。弁32は矢印33の方向に移動できるようになっている。弁32を左側に移動させると吹き出し口が小さくなり、冷却空気の流量が減少する。逆に右側に移動させると吹き出し口が大きくなり、冷却空気の流量が増加する。なお、弁32の形状、駆動するアクチュエータの種類(モータ、空気圧など)は種々のものが考えられるが、要は空気の流量が制御できればよく、その構成は特に限定されない。
【0031】
チューブ6の膜厚が厚いときには弁32を左側に移動させる。チューブ2に当たる冷却空気の流量が減少するのでチューブ6は冷やされ難くなり、延伸率が高くなり、その厚さが減少する。逆に膜厚が薄いときには弁32を右側に移動させて冷却空気の流量を増加させ、チューブ6が早く冷えるようにする。このようにすると延伸率が低くなり、チューブ6が薄くなりすぎるのを防ぐことができる。
【0032】
なお、チューブ6の膜圧が均一でなく偏肉が大きいときには、シャフト11の周囲に形成したエアリング吹き出し口のうち、一部の吹き出し口のみ流れ方向や流量を変えて、膜厚を均一にすることもできる。
【0033】
図4に本発明の他の実施例を示す。なお、図5と同じ要素には同一符号を付し、説明を省略する。図4において、4はセンサであり、チューブ6の円周方向の膜厚を測定する。この測定値は図示しない制御装置に出力され、チューブ6の膜厚が指定の厚さになり、かつ偏肉がなくなるような制御出力が演算される。この制御出力によって図2のルーバー22や図3の弁32を制御してチューブ6に当たる冷却空気の方向や流量を調整する。制御装置が行う制御演算は、PID、サンプルPI、モデル予測制御などを用いることができる。
【0034】
なお、この実施例では自動的にルーバー22や弁32を制御するようにしたが、ルーバー22や弁32の適正な位置の演算のみを行い、手動で操作するようにしてもよい。また、冷却空気の流量と方向のどちらか一方のみを変化させるようにしてもよい。さらに、冷却空気の吹き出し圧力を変えて流量を調整するようにしてもよい。
【0035】
また、チューブ6の膜厚を測定するセンサ4としてX線式検出器、レーザー変位式厚さ計などを用いることができるが、その他のセンサを用いてもよい。測定データの単位としては、g/m2、μm、℃などを用いることができる。
【0036】
また、膜厚を測定するのではなく、チューブ6に当たる空気の温度を測定し、この温度データを制御装置に入力して制御演算を行うようにしてもよい。空気の温度はチューブ6の温度と相関があり、またチューブ6の温度によって延伸率が変化するので、結果的にチューブ6の膜厚を均一にすることができる。
【0037】
さらに、オフラインで膜厚、温度を測定し、このデータを用いて冷却用空気の方向や流量を演算するようにしてもよい。
【発明の効果】
以上説明したことから明らかなように、本発明によれば次の効果が期待できる。
請求項1記載の発明によれば、環状のリングダイから熱可塑性樹脂を押し出し、この押し出した熱可塑性樹脂を冷却すると共にその内部に空気を吹き込んでチューブ状にしてフィルムを形成するブローンフィルム製造装置であって、前記チューブ状フィルムに空気を吹きつけ、この空気の流れを制御することによって前記チューブ状フィルムの冷却の程度を調整し、前記チューブ状フィルムの円周方向の膜厚のプロファイルを所定の値に制御するようにした。
【0038】
空気の流れを制御するため、制御部分の構成が簡単になるという効果がある。また、応答性がよく、自由度の大きな制御が可能になるという効果もある。さらに、細かな制御が可能であり、暖めるためのヒータを用いないので、消費電力を削減することができるという効果もある。
【0039】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明において、前記吹きつける空気の方向を制御することによって前記チューブ状フィルムに吹きつける空気を制御するようにした。構成が簡単になり、かつ制御性がよいという効果がある。
【0040】
請求項3記載の発明によれば、請求項2記載の発明において、前記吹きつける空気の吹き出し口に導風板を設け、この導風板の傾きを変えることにより、前記吹きつける空気の方向を制御するようにした。導風板のみで制御できるので、構成が簡単になり、かつ制御性がよいという効果がある。
【0041】
請求項4記載の発明によれば、請求項1ないし請求項3いずれかに記載の発明において、前記吹きつける空気の流量を制御することによって前記チューブ状フィルムに吹きつける空気を制御するようにした。吹きつける空気の流量を調整するだけなので、構成が簡単になりかつ制御性がよくなるという効果がある。
【0042】
請求項5記載の発明によれば、請求項4記載の発明において、前記吹きつける空気の吹き出し口に弁を設け、この弁を制御することにより、前記吹きつける空気の流量を制御するようにした。構成が簡単になり、かつ簡単に制御できるという効果がある。
【0043】
請求項6記載の発明によれば、請求項1ないし請求項5いずれかに記載の発明において、前記吹きつける空気を前記チューブ状フィルムの円周方向に沿って吹き出させ、前記吹きつける空気の角度を変えて前記チューブ状フィルムにあたる面積を制御するようにした。空気のあたる量を広い範囲で調整することができるので、制御性がよくなるという効果がある。
【0044】
請求項7記載の発明によれば、環状のリングダイから熱可塑性樹脂を押し出し、この押し出した熱可塑性樹脂を冷却すると共にその内部に空気を吹き込んでチューブ状にしてフィルムを形成するブローンフィルム製造装置であって、前記チューブ状フィルムの円周方向の厚さのプロファイルを測定するセンサと、このセンサの出力が入力される制御部と、前記チューブ状フィルムに冷却用空気を吹きつける空気吹き出し部とを有し、前記制御部は前記チューブ状フィルムの円周方向の厚さのプロファイルが所定の値になるように、前記空気吹き出し部が吹き出す空気を制御するようにした。
【0045】
自動的に膜厚の制御ができるという効果がある。また、空気の流れを制御するため、制御部分の構成が簡単になり、かつ応答性がよく、自由度の大きな制御が可能になるという効果もある。さらに、細かな制御が可能であり、暖めるためのヒータを用いないので、消費電力を削減することができるという効果もある。
【0046】
請求項8記載の発明によれば、請求項7記載の発明において、前記制御部は、前記空気吹き出し部が吹き出す空気の角度を制御するようにした。構成が簡単になり、かつ制御性がよいという効果がある。
【0047】
請求項9記載の発明によれば、請求項7または請求項8記載の発明において、前記制御部は、前記空気吹き出し部が吹き出す空気の流量を制御するようにした。吹きつける空気の流量を調整するだけなので、構成が簡単になりかつ制御性がよくなるという効果がある。
【0048】
請求項10記載の発明によれば、請求項7ないし請求項9いずれかに記載の発明において、前記空気吹き出し部は、前記チューブ状フィルムの円周方向に沿って空気を吹き出すようにし、前記制御部は前記空気吹き出し部が吹き出す空気の角度を変えて、この吹き出した空気が前記チューブ状フィルムにあたる面積を制御するようにした。空気のあたる量を広い範囲で調整することができるので、制御性がよくなるという効果がある。
【0049】
請求項11記載の発明によれば、環状のリングダイから熱可塑性樹脂を押し出し、この押し出した熱可塑性樹脂を冷却すると共にその内部に空気を吹き込んでチューブ状にしてフィルムを形成するブローンフィルム製造装置であって、前記チューブ状フィルムに冷却用空気を吹きつける空気吹き出し部と、この空気の温度を測定する温度センサと、この温度センサの出力が入力される制御部とを有し、この制御部は前記温度センサの出力によって前記空気吹き出し部が吹き出す空気を制御するようにした。
【0050】
温度計のみで厚さ計が不要になるので、構成が簡単になり、設置費用を削減することができるという効果がある。また、空気の流れを制御するため、制御部分の構成が簡単になり、かつ応答性がよく、自由度の大きな制御が可能になるという効果もある。さらに、細かな制御が可能であり、暖めるためのヒータを用いないので、消費電力を削減することができるという効果もある。
【0051】
請求項12記載の発明によれば、請求項11記載の発明において、前記制御部は、前記空気吹き出し部が吹き出す空気の角度を制御するようにした。構成が簡単になり、かつ制御性がよいという効果がある。
【0052】
請求項13記載の発明によれば、請求項11または請求項12記載の発明において、前記制御部は、前記空気吹き出し部が吹き出す空気の流量を制御するようにした。吹きつける空気の流量を調整するだけなので、構成が簡単になりかつ制御性がよくなるという効果がある。
【0053】
請求項14記載の発明によれば、請求項11ないし請求項13いずれかに記載の発明において、前記空気吹き出し部は、前記チューブ状フィルムの円周方向に沿って空気を吹き出すようにし、前記制御部は前記空気吹き出し部が吹き出す空気の角度を変えて、この吹き出した空気が前記チューブ状フィルムにあたる面積を制御するようにした。空気のあたる量を広い範囲で調整することができるので、制御性がよくなるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す構成図である。
【図2】本発明の一実施例であるエアリング吹き出し口の一実施例の構成図である。
【図3】本発明の一実施例であるエアリング吹き出し口の一実施例の構成図である。
【図4】本発明の他の実施例の構成図である。
【図5】ブローンフィルム製造装置の構成図である。
【符号の説明】
1 リングダイ
11 シャフト
12 空気取り入れ口
14 エアリング吹き出し口
22 ルーバー
32 弁
6 チューブ
Claims (14)
- 環状のリングダイから熱可塑性樹脂を押し出し、この押し出した熱可塑性樹脂を冷却すると共にその内部に空気を吹き込んでチューブ状にしてフィルムを形成するブローンフィルム製造装置において、
前記チューブ状フィルムに空気を吹きつけ、この空気の流れを制御することによって前記チューブ状フィルムの冷却の程度を調整し、前記チューブ状フィルムの円周方向の膜厚のプロファイルを所定の値に制御するようにしたことを特徴とするブローンフィルム製造装置。 - 前記吹きつける空気の方向を制御することによって前記チューブ状フィルムに吹きつける空気を制御するようにしたことを特徴とする請求項1記載のブローンフィルム製造装置。
- 前記吹きつける空気の吹き出し口に導風板を設け、この導風板の傾きを変えることにより、前記吹きつける空気の方向を制御するようにしたことを特徴とする請求項2記載のブローンフィルム製造装置。
- 前記吹きつける空気の流量を制御することによって前記チューブ状フィルムに吹きつける空気を制御するようにしたことを特徴とする請求項1ないし請求項3いずれかに記載のブローンフィルム製造装置。
- 前記吹きつける空気の吹き出し口に弁を設け、この弁を制御することにより、前記吹きつける空気の流量を制御するようにしたことを特徴とする請求項4記載のブローンフィルム製造装置。
- 前記吹きつける空気を前記チューブ状フィルムの円周方向に沿って吹き出させ、前記吹きつける空気の角度を変えて前記チューブ状フィルムにあたる面積を制御するようにしたことを特徴とする請求項1ないし請求項5いずれかに記載のブローンフィルム製造装置。
- 環状のリングダイから熱可塑性樹脂を押し出し、この押し出した熱可塑性樹脂を冷却すると共にその内部に空気を吹き込んでチューブ状にしてフィルムを形成するブローンフィルム製造装置において、
前記チューブ状フィルムの円周方向の厚さのプロファイルを測定するセンサと、このセンサの出力が入力される制御部と、前記チューブ状フィルムに冷却用空気を吹きつける空気吹き出し部とを有し、前記制御部は前記チューブ状フィルムの円周方向の厚さのプロファイルが所定の値になるように、前記空気吹き出し部が吹き出す空気を制御するようにしたことを特徴とするブローンフィルム製造装置。 - 前記制御部は、前記空気吹き出し部が吹き出す空気の角度を制御するようにしたことを特徴とする請求項7記載のブローンフィルム製造装置。
- 前記制御部は、前記空気吹き出し部が吹き出す空気の流量を制御するようにしたことを特徴とする請求項7または請求項8記載のブローンフィルム製造装置。
- 前記空気吹き出し部は、前記チューブ状フィルムの円周方向に沿って空気を吹き出すようにし、前記制御部は前記空気吹き出し部が吹き出す空気の角度を変えて、この吹き出した空気が前記チューブ状フィルムにあたる面積を制御するようにしたことを特徴とする請求項7ないし請求項9いずれかに記載のブローンフィルム製造装置。
- 環状のリングダイから熱可塑性樹脂を押し出し、この押し出した熱可塑性樹脂を冷却すると共にその内部に空気を吹き込んでチューブ状にしてフィルムを形成するブローンフィルム製造装置において、
前記チューブ状フィルムに冷却用空気を吹きつける空気吹き出し部と、この空気の温度を測定する温度センサと、この温度センサの出力が入力される制御部とを有し、この制御部は前記温度センサの出力によって前記空気吹き出し部が吹き出す空気を制御するようにしたことを特徴とするブローンフィルム製造装置。 - 前記制御部は、前記空気吹き出し部が吹き出す空気の角度を制御するようにしたことを特徴とする請求項11記載のブローンフィルム製造装置。
- 前記制御部は、前記空気吹き出し部が吹き出す空気の流量を制御するようにしたことを特徴とする請求項11または請求項12記載のブローンフィルム製造装置。
- 前記空気吹き出し部は、前記チューブ状フィルムの円周方向に沿って空気を吹き出すようにし、前記制御部は前記空気吹き出し部が吹き出す空気の角度を変えて、この吹き出した空気が前記チューブ状フィルムにあたる面積を制御するようにしたことを特徴とする請求項11ないし請求項13いずれかに記載のブローンフィルム製造装置。
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