JP7212570B2 - フィルム成形装置 - Google Patents

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Description

本発明は、フィルム成形装置に関する。
ダイの環状の吐出口からチューブ状に押し出された溶融樹脂を、冷却装置からの冷却風により固化させてフィルムを成形するフィルム成形装置が知られている。従来では、ダイのリップ幅や冷却装置からの冷却風の風速、風温を調節することによりフィルム厚を目標範囲に収めるフィルム成形装置が提案されている。
特開2017-177348号公報
フロストライン高さが周方向で不均一になると、フィルムに弛みが生じるなど、フィルムの品質が低下する。そのため、フロストライン高さを理想範囲に収めてフロストライン高さを周方向で均一にすることが望まれる。しかしながら、ダイのリップ幅や冷却装置からの冷却風の風速、風温を調節すると、フィルム厚もフロストライン高さも変化するため、フィルム厚を目標範囲に収めつつもフロストライン高さを理想範囲に近づけることは、それほど単純ではない。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、そのある態様の例示的な目的のひとつは、より高品質なフィルムを成形できるフィルム成形装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様のフィルム成形装置は、吐出口から溶融樹脂を押し出すダイと、吐出口から押し出される溶融樹脂のフィルム厚を調節するフィルム厚調節部と、フィルム厚調節部によるフィルム厚の調節を制御する制御装置と、を備える。フィルム厚調節部は、フィルム厚を調節するための複数の調節要素を含む。複数の調節要素は、フィルムの同一箇所のフィルム厚を、それぞれ独立して調節可能であり、調節要素の操作量を変化させたときのフロストライン高さの変化量に対するフィルム厚の変化量の比を変化比と称すとき、制御装置は、複数の調節要素のそれぞれ変化比と、検出されたフィルム厚およびフロストライン高さとに基づいて操作量を変化させる調節要素を選択する。
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや、本発明の構成要素や表現を方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、より高品質なフィルムを成形できる。
実施の形態に係るフィルム成形装置の概略構成を示す図である。 図1のダイおよびフィルム厚調節部の断面図である。 図1のダイおよびフィルム厚調節部の上面図である。 図1のダイおよびフィルム厚調節部の上面図である。 図5(a)、(b)は、図1のダイのリップ幅と、成形されるフィルムのフィルム厚およびフロストライン高さとの関係を示す図である。 図6(a)、(b)は、図1のフィルム厚調節部からの冷却風の風速と、成形されるフィルムのフィルム厚およびフロストライン高さとの関係を示す図である。 図1の制御装置の機能および構成を示すブロック図である。 図8の選択部による調節要素の選択を説明する図である。 図9(a)、(b)は、図1のフィルム厚調節部からの冷却風の風温と、成形されるフィルムのフィルム厚およびフロストライン高さとの関係を示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。
図1は、実施の形態に係るフィルム成形装置1の概略構成を示す。フィルム成形装置1は、チューブ状のフィルムを成形する。フィルム成形装置1は、ダイ10と、フィルム厚調節部2と、一対の安定板4と、ピンチロール5と、厚み検出部6と、フロストライン高さ検出部26と、制御装置7と、を備える。
ダイ10は、押出機(不図示)より供給された溶融樹脂をチューブ状に成形する。ダイ10は特に、リング状のスリット18(図2で後述)から溶融樹脂を押し出すことにより、溶融樹脂をチューブ状に成形する。
フィルム厚調節部2は、ダイ10から押し出された溶融樹脂のフィルム厚を調節するとともに冷却する。溶融樹脂が冷却されると、フィルムが成形される。
一対の安定板4は、フィルム厚調節部2の上方に配置され、成形されたフィルムを一対のピンチロール5の間に案内する。ピンチロール5は、安定板4の上方に配置され、案内されたフィルムを引っ張り上げながら扁平に折りたたむ。折りたたまれたフィルムは、巻取機(不図示)によって巻き取られる。
厚み検出部6は、フィルム厚調節部2と安定板4との間に配置される。厚み検出部6は、チューブ状のフィルムの周りを回りながら、周方向の各位置におけるフィルム厚を検出する。厚み検出部6による検出結果は制御装置7に送信される。
フロストライン高さ検出部26は、フィルム厚調節部2と安定板4との間に配置される。フロストライン高さ検出部26は、チューブ状のフィルムの周りを回りながら、周方向の各位置におけるフロストライン高さを検出する。フロストライン高さは、ダイ10の吐出口18a(後述)から、樹脂が固まる位置であるフロストラインまでの高さである。フロストライン高さ検出部26の構成は特に限定されず、例えば、吐出口18aおよびフロストラインを含むようにフィルムを撮影するカメラと、撮影された画像を画像処理することによりフロストライン高さを特定する画像処理部と、を含んで構成されてもよい。フロストライン高さ検出部26による検出結果は制御装置7に送信される。
図2は、ダイ10およびフィルム厚調節部2の断面図である。図3、4は、ダイ10およびフィルム厚調節部2の上面図である。図3では、冷却装置3の内部を透視した状態を示している。図4では、冷却装置3の表示を省略している。
ダイ10は、ダイ本体11と、内周部材12と、外周部材14と、を含む。内周部材12は、ダイ本体11の上面に載置される略円柱状の部材である。外周部材14は、環状の部材であり、内周部材12を環囲する。内周部材12と外周部材14との間には、リング状に上下方向に延びるスリット18が形成される。このスリット18を溶融樹脂が上側に向かって流れ、スリット18の吐出口(すなわち上端開口)18aから溶融樹脂が押し出される。
ダイ本体11の外周には、複数のヒータ19が装着される。また、外周部材14の外周にもヒータ19が装着される。ダイ本体11および外周部材14は、ヒータ19によって所要の温度に加熱される。これにより、ダイ10の内部を流れる溶融樹脂を適度な温度および溶融状態に保つことができる。
フィルム厚調節部2は、冷却装置3と、複数(ここでは32個)の調節ユニット16と、を含む。
冷却装置3は、ダイ10の上方に配置される。冷却装置3は、エアーリング8と、複数(図3では20個)のバルブ装置9と、を備える。エアーリング8は、内周部が下方に凹んだリング状の筐体である。エアーリング8の内周部には、上側に開口したリング状の吹出口8aが形成されている。吹出口8aは特に、中心軸Aを中心とするリング状のスリット18と同心となるよう形成される。冷却風が樹脂に当たる高さ、および、樹脂に当たる冷却風の風量が、周方向で均一になるためである。
エアーリング8の外周部には、複数のホース口8bが周方向に等間隔で形成されている。複数のホース口8bのそれぞれにはホース(不図示)が接続され、このホースを介してブロワー(不図示)からエアーリング8内に冷却風が送り込まれる。エアーリング8内に送り込まれた冷却風は、吹出口8aから吹き出て溶融樹脂に吹き付けられる。
複数のバルブ装置9は、吹出口8aとホース口8bとの間の通風路内に、周方向に例えば隙間なく配置される。複数のバルブ装置9のそれぞれの開度を調節することによって、吹出口8aから吹き出る冷却風の風量ひいては風速を調節できる。例えば、すべてのバルブ装置9の開度を同じにすることによって、吹出口8aから吹き出る冷却風の風速を周方向に均一にできる。また例えば、少なくとも1つのバルブ装置9の開度を他のバルブ装置9と異なる開度にすることによって、吹出口8aから吹き出る冷却風の風速を周方向に変化させることができる。フィルム厚に周方向でばらつきが生じている場合、例えば、フィルム厚が薄い部分に対応する(例えば肉厚が薄い部分の下方に位置する)バルブ装置9の開度を大きくし、フィルム厚が薄い部分の下方の溶融樹脂に吹き付けられる風速を速くする。これにより、当該部分には、より風速が速い冷却風が吹き付けられるため、冷却されて固化するまでの時間が短くなる。フィルムは、冷却されて固化するまでは、ピンチロール5に引っ張られて伸びて薄くなるところ、固化するまでの時間が短くなるため、当該部分はあまり伸びずに厚くなる。その結果、フィルム厚の周方向のばらつきが小さくなる。
複数の調節ユニット16は、外周部材14の上端側を囲むように周方向に例えば等間隔に配置される。調節ユニット16は特に、片持ち状に外周部材14に取り付けられる。複数の調節ユニット16の上方には冷却装置3が固定される。複数の調節ユニット16はそれぞれ、外周部材14に径方向内向きの押圧荷重または径方向外向きの引張荷重を付与できるよう構成される。外周部材14は、押圧荷重または引張荷重が付与されることによって弾性変形する。したがって、複数の調節ユニット16を調節することによって、リップ幅を周方向で部分的に調節でき、フィルム厚を周方向で部分的に制御できる。フィルム厚に周方向でばらつきが生じている場合、例えば、フィルム厚が薄い部分に対応する(例えばフィルム厚が薄い部分の下方に位置する)調節ユニット16から外周部材14に引張荷重を付与させ、フィルム厚が薄い部分の下方の吐出口18aの間隙を大きくする。吐出口18aの間隙が大きくなると、そこから押し出される溶融樹脂の量が増え、その上方のフィルム厚は厚くなる。その結果、フィルム厚のばらつきが小さくなる。
調節ユニット16は、図2に示すように、制御装置7からの制御指令に基づいて駆動するアクチュエータ24と、回動軸32を支点として支持され、アクチュエータ24の回転力を受けるレバー34と、外周部材14により軸線方向に変位可能に支持され、レバー34の作用点に支持された作動ロッド36と、含む。そして、レバー34の回転力が作動ロッド36の軸線方向の力に変換され、その軸線方向の力が内周部材12または外周部材14に対する荷重となり、レバー34がレバー34の作用点において作動ロッド36に直接力を付与する。
なお、調節ユニット16は、リップ幅を変化させることができるものであれば、その構成は特に限定されない。例えば調節ユニット16は、ヒータを内蔵し、ヒータの加熱によって軸方向に膨張して外周部材14に荷重を付与するヒートボルトであってもよい。
図1に戻る。制御装置7は、厚み検出部6およびフロストライン高さ検出部26の各検出結果に応じた制御指令であって、フィルム厚を目標のフィルム厚の範囲(以下、目標範囲という)に収め、かつ、フロストライン高さを理想のフロストライン高さの範囲(以下、理想範囲という)に近づけるための制御指令を、フィルム厚調節部2に送信する。フィルム厚調節部2は、制御指令に基づいてスリット18の吐出口18aの幅(以下、リップ幅という)を調節する。またフィルム厚調節部2は、制御指令に基づいて冷却風の風量ひいては風速を調節する。
図5(a)、(b)は、ダイ10のリップ幅と、成形されるフィルムのフィルム厚およびフロストライン高さとの関係を示す図である。図5(a)、(b)に示すように、リップ幅が大きくなると、フィルム厚は厚く、フロストライン高さは高くなり、リップ幅が小さくなると、フィルム厚は薄く、フロストライン高さは低くなる。リップ幅が大きくなると押し出される溶融樹脂の量が多くなり、リップ幅が小さくなると押し出される溶融樹脂の量が少なくなるためである。
図6(a)、(b)は、フィルム厚調節部2からの冷却風の風速と、成形されるフィルムのフィルム厚およびフロストライン高さとの関係を示す図である。図6(a)に示すように、冷却風の風速が増加すると、フィルム厚は厚くなり、冷却風の風速が減少すると、フィルム厚は薄くなる。フィルムは、冷却されて固化するまでは、ピンチロール5に引っ張られて伸びて薄くなるところ、冷却風の風速が増加すると、フィルムが冷却されて固化するまでの時間が短くなるため、フィルムはあまり伸びずに厚くなり、冷却風の風速が減少すると、フィルムが冷却されて固化されるまでの時間が長くなるため、フィルムは伸びて薄くなるためである。また、図6(b)に示すように、冷却風の風速が増加すると、フロストライン高さは低くなり、冷却風の風速が減少すると、フロストライン高さは高くなる。冷却風の風速が増加すると、フィルムが冷却されて固化されるまでの時間が短くなり、冷却風の風速が減少すると、フィルムが冷却されて固化されるまでの時間が長くなるためである。
本明細書において、調節要素の操作量を変化させたときのフロストライン高さの変化量に対するフィルム厚の変化量の比を「変化比」と称する。図5(a)、(b)から明らかなように、調節要素がリップ幅を変化させてフィルム厚を調節する調節要素である場合の変化比は正の値となり、図6(a)、(b)から明らかなように、調節要素が冷却風の風速を変化させてフィルム厚を調節する調節要素である場合の変化比は負の値となる。本実施形態では、リップ幅を変化させてフィルム厚を調節する調節要素は調節ユニット16であり、冷却風の風速を変化させてフィルム厚を調節する調節要素は、冷却装置3である。調節ユニット16と冷却装置3とは、周方向における同一箇所のフィルム厚をそれぞれ独立して調節可能である。
図7は、制御装置7の機能および構成を模式的に示すブロック図である。ここに示す各ブロックは、ハードウェア的には、コンピュータのCPUをはじめとする素子や機械装置で実現でき、ソフトウェア的にはコンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、当業者には理解されるところである。
制御装置7は、種々の通信プロトコルにしたがって厚み検出部6およびフロストライン高さ検出部26との通信処理を実行する通信部40と、ユーザによる操作入力を受け付け、また各種画面を表示部に表示させるU/I部42と、通信部40およびU/I部42から取得されたデータをもとにして各種のデータ処理を実行するデータ処理部46と、データ処理部46により参照、更新されるデータを記憶する記憶部48と、を含む。
記憶部48は、第1対応関係記憶部64と、第2対応関係記憶部66と、を含む。第1対応関係記憶部64は、フィルム厚と、そのフィルム厚を有するフィルムを目標のフィルム厚にするために調節ユニット16が外周部材14に加えるべき荷重とを対応付けて記憶する。第2対応関係記憶部66は、フィルム厚と、そのフィルム厚を有するフィルム目標のフィルム厚にするためバルブ装置9の開度とを対応付けて記憶する。
データ処理部46は、取得部50と、選択部52と、リップ幅制御部54と、風速制御部56と、を含む。
取得部50は、厚み検出部6により検出されたフィルム厚、および、フロストライン高さ検出部26により検出されたフロストライン高さ、を取得する。
選択部52は、成形されるフィルムのフィルム厚を目標範囲に収めつつもフロストライン高さを理想範囲に収めるために操作量を調節するべき調節要素を選択する。
図8は、選択部52による調節要素の選択を説明する図である。図8において、第1領域Z1は、フィルム厚が目標範囲より薄く、かつ、フロストライン高さが理想範囲より低い範囲であり、第2領域Z2は、フィルム厚が目標範囲より厚く、かつ、フロストライン高さが理想範囲より高い範囲であり、第3領域Z3は、フィルム厚が目標範囲よりも薄く、かつ、フロストライン高さが理想範囲よりも高い範囲であり、第4領域Z4は、フィルム厚が目標範囲よりも厚く、かつ、フロストライン高さが理想範囲よりも低い範囲である。
検出されたフィルムの状態が第1領域Z1の状態である場合、フィルム厚を厚くし、フロストライン高さを高くする必要がある。すなわち、フィルム厚およびフロストライン高さをいずれもプラス方向に変化させる必要がある。また、検出されたフィルムの状態が第2領域Z2の状態である場合、フィルム厚を薄くし、フロストライン高さを低くする必要がある。すなわち、フィルム厚およびフロストライン高さをいずれもマイナス方向に変化させる必要がある。つまり、検出されたフィルムの応対が第1領域Z1または第2領域Z2の状態である場合、フィルム厚およびフロストライン高さを同じ方向に変化させる必要がある。この場合、選択部52は、変化比が正の値である調節ユニット16を調節要素として選択する。
検出されたフィルムの状態が第3領域Z3の状態である場合、フィルム厚を厚くし、フロストライン高さを低くする必要がある。すなわち、フィルム厚はプラス方向に変化させ、フロストライン高さはマイナス方向に変化させる必要がある。また、検出されたフィルムの状態が第4領域Z4の状態である場合、フィルム厚を薄くし、フロストライン高さを高くする必要がある。すなわち、フィルム厚はマイナス方向に変化させ、フロストライン高さはプラス方向に変化させる必要がある。つまり、検出されたフィルムの状態が第3領域Z3または第4領域Z4の状態である場合、フィルム厚およびフロストライン高さを異なる方向に変化させる必要がある。この場合、選択部52は、変化比が負の値である冷却装置3を調節要素として選択する。
次に、フロストライン高さが目標範囲内にあるときの選択部52による調節要素の選択についての一例を説明する。
フロストライン高さが目標範囲内にあるとき、選択部52は、調節ユニット16および冷却装置3のいずれかを操作量を変化させる調節要素として選択する。選択部52がいずれかの調節要素を選択し、後述のようにしてフィルム厚を調節すると、いずれ、フロストライン高さが目標範囲から外れる。フロストライン高さが目標範囲から外れたら、選択部52は、上述のように、検出されたフィルムの状態に応じた調節要素を選択して、フィルム厚を調節する。このように、フロストライン高さが目標範囲から外れるまで同じ調節要素でフィルム厚を調節すれば、フロストライン高さは目標範囲から大きく外れることがなくなる。
フロストライン高さが目標範囲内にあるときの選択部52による調節要素の選択についての別の例を説明する。選択部52は、複数の調節要素を、具体的には変化比が正の調節要素と、変化比が負の調節要素の両方を選択する。本実施の形態では、選択部52は、変化比が正である調節ユニット16と、変化比が負である冷却装置3の両方を調節要素として選択する。そして、調節ユニット16および冷却装置3の操作量を同時に変化させる。選択部52は、各調節要素のフィルム厚とフロストライン高さとの関係に基づいて、各調節要素の操作量をそれぞれ決定する。これにより、調節ユニット16の操作量を変化させたことによるフロストライン高さの変化量と、冷却装置3の操作量を変化させたことによるフロストライン高さの変化量とを相殺させながら、フィルム厚を厚くまたは薄く変化させることができる。
リップ幅制御部54は、調節ユニット16が調節要素として選択された場合、各調節ユニット16が外周部材14に付与すべき荷重を決定する。リップ幅制御部54は特に、厚み検出部6によって検出された周方向の各位置におけるフィルム厚と、第1対応関係記憶部64とを参照して、各調節ユニット16が外周部材14に付与すべき荷重を決定する。そしてリップ幅制御部54は、決定した荷重を外周部材14に付与するように各調節ユニット16に制御指令を送信する。
風速制御部56は、冷却装置3が調節要素として選択された場合、各バルブ装置9の開度を決定する。風速制御部56は特に、厚み検出部6によって検出された周方向の各位置におけるフィルム厚と、第2対応関係記憶部66とを参照して、各バルブ装置9の開度を決定する。そして風速制御部56は、決定した開度となるように各バルブ装置9に制御指令を送信する。
以上のように構成されたフィルム成形装置1の動作を説明する。以下の動作は、所定の周期で繰り返し実行される。
制御装置7は、厚み検出部6およびフロストライン高さ検出部26による検出結果を取得する。制御装置7は、各調節要素の変化比と、検出されたフィルム厚およびフロストライン高さとに基づいて、それぞれ性質の異なる複数の調節要素のうちから操作量を変化させる調節要素を選択する。具体的には制御装置7は、検出されたフィルムの状態が図8の第1領域Z1または第2領域Z2の状態である場合、変化比が正の値である調節ユニット16を調節要素として選択し、検出されたフィルムの状態が図8の第3領域Z3または第4領域Z4の状態である場合、変化比が負の値である冷却装置3を調節要素として選択する。制御装置7は、選択した調節要素の操作量を調節することにより、フィルム厚を目標範囲に収めつつ、フロストライン高さを理想範囲に近づける。
以上説明した本実施の形態によれば、フィルム厚を目標範囲に収つつも、フロストライン高さを理想範囲に近づけることが、すなわちフロストライン高さを周方向で比較的均一にできる。これにより、フィルムの品質を高めることができる。
また、本実施の形態によれば、周方向における同一箇所のフィルム厚をそれぞれ独立して調節可能な複数の調節要素のうちから操作量を変化させる調節要素がフィルム成形装置1により選択され、すなわち自動で選択され、選択された調節要素が調節されることによってフィルム厚を目標範囲に収めつつもフロストライン高さを理想範囲に近づけることができる。したがって、熟練者でなくても、高品質のフィルムを成形できる。
以上、実施の形態に係るフィルム成形装置の構成と動作について説明した。これらの実施の形態は例示であり、それらの各構成要素の組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
(変形例1)
冷却装置3は、冷却風の風速に代えて、風温を調節できるよう構成されてもよい。例えば冷却装置3は、吹出口8aとホース口8bとの間の通風路内に、複数のバルブ装置9の代わりに、周方向に隙間なく配置される複数のヒータを備えてもよい。制御装置7は、複数のヒータの出力を制御してもよい。ヒータの出力が高くなると、当該ヒータを通過した冷却風の風温が高くなり、ヒータの出力が低くなると、当該ヒータを通過した冷却風の風温が低くなる。
図9(a)、(b)は、冷却装置3からの冷却風の風温と、成形されるフィルムのフィルム厚およびフロストライン高さとの関係を示す図である。図9(a)に示すように、冷却風の風温が高くなると、フィルム厚は薄く、冷却風の風温が低くなると、フィルム厚は厚くなる。冷却風の風温が高くなると、フィルムが冷却されて固化するまでの時間が長くなるため、フィルムは伸びて薄くなり、冷却風の風温が低くなると、フィルムが冷却されて固化するまでの時間が短くなるため、フィルムはあまり伸びずに厚くなるためである。また、図9(b)に示すように、冷却風の風温が高くなると、フロストライン高さは高くなり、冷却風の風温が低くなると、フロストライン高さは低くなる。冷却風の風温が高くなると、フィルムが冷却されて固化するまでの時間が長くなり、冷却風の風温が低くなると、フィルムが冷却されて固化するまでの時間が短くなるためである。図9(a)、(b)から明らかなように、調節要素が冷却風の風温である場合の変化比は、調節要素が冷却風の風速である場合と同様、負の値となる。
制御装置7の選択部52は、検出されたフィルムの状態が第3領域Z3または第4領域Z4の状態である場合、冷却装置3(風温)を調節要素として選択する。この場合、冷却風の風速を速くする代わりに冷却風の風温を低くし、冷却風の風速を遅くする代わりに冷却風の風温を高くすればよい。
本変形例によれば、実施の形態と同様の効果を奏することができる。
(変形例2)
冷却装置3は、冷却風の風速に加えて風温も調節できるよう構成されてもよい。この場合、制御装置7の選択部52は、検出されたフィルムの状態が第1領域Z1または第2領域Z2の状態である場合、変化比が正の値である調節ユニット16を調節要素として選択し、検出されたフィルムの状態が第3領域Z3または第4領域Z4の状態である場合、変化比が負の値である冷却装置3(冷却風の風速および風温の少なくとも一方)を調節要素として選択すればよい。
例えば選択部52は、まず応答性に優れる冷却風の風速で調節してから、次いで微調整が可能な冷却風の風温で調節するように、冷却装置3(冷却風の風速)および冷却装置3(冷却風の風温)を調節要素として選択してもよい。
また例えば選択部52は、冷却装置3(冷却風の風速)および冷却装置3(冷却風の風温)の各変化比と、検出されたフィルム厚およびフロストライン高さとに基づいて、冷却風に関する調節要素を選択してもよい。具体的には、図8を参照して、検出されたフィルムの状態が第3領域Z3の状態であり、かつ、フロストライン高さが所定の第3閾値h3以上の場合、および、検出されたフィルムの状態が第4領域Z4の状態であり、かつ、フロストライン高さが所定の第4閾値h4以下の場合、言い換えると、フロストライン高さが理想範囲から比較的離れている場合、選択部52は、変化比の絶対値がより小さい調節要素(すなわちフィルム厚の変化量に対するフロストライン高さの変化量がより大きい調節要素)、具体的には冷却装置3(冷却風の風速)を調節要素として選択する。一方、検出されたフィルムの状態が第3領域Z3の状態であり、かつ、フロストライン高さが所定の第3閾値h3よりも低い場合、および、検出されたフィルムの状態が第4領域Z4の状態であり、かつ、フロストライン高さが所定の第4閾値h4より高い場合、言い換えると、フロストライン高さが理想範囲に比較的近い場合、選択部52は、変化比の絶対値がより大きい調節要素(すなわちフィルム厚の変化量に対するフロストライン高さの変化量がより小さい調節要素)、具体的には冷却装置3(冷却風の風温)を調節要素として選択する。
この場合、フィルム厚を目標範囲に収めつつも、フロストライン高さをより理想範囲に近づけることが、すなわちフロストライン高さを周方向でより均一にすることができる。
(変形例3)
フィルム厚調節部2は、それぞれ性質の異なる、変化比が正の値である調節要素を複数含んでいてもよい。この場合、選択部52は、各調節要素の変化比と、検出されたフィルム厚およびフロストライン高さとに基づいて、操作量を変化させる調節要素を選択してもよい。
以下では、変化比が正の値である第1の調節要素と第2の調節要素があり、第1の調節要素の変化比が第2の調節要素の変化比よりも大きい場合を例に説明する。
図8を参照して、検出されたフィルムの状態が第1領域Z1の状態であり、かつ、フロストライン高さが所定の第1閾値h1以下の場合、および、検出されたフィルムの状態が第2領域Z2の状態であり、かつ、フロストライン高さが所定の第2閾値h2以上の場合、言い換えるとフロストライン高さが理想範囲から比較的離れている場合、選択部52は変化比がより小さい調節要素(すなわちフィルム厚の変化量に対するフロストライン高さの変化量がより大きい調節要素)を操作量を変化させる調節要素として選択する。一方、検出されたフィルムの状態が第1領域Z1の状態であり、かつ、フロストライン高さが所定の第1閾値h1よりも高い場合、および、検出されたフィルムの状態が第2領域Z2の状態であり、かつ、フロストライン高さが所定の第2閾値h2よりも低い場合、言い換えるとフロストライン高さが理想範囲に比較的近い場合、選択部52は変化比がより大きい調節要素(すなわちフィルム厚の変化量に対するフロストライン高さの変化量がより小さい調節要素)を操作量を変化させる調節要素として選択する。
この場合、フィルム厚を目標範囲に収めつつも、フロストライン高さをより理想範囲に近づけることが、すなわちフロストライン高さを周方向でより均一にすることができる。
(変形例4)
実施の形態では、ダイ10の吐出口18aが環状であるいわゆる丸ダイである場合について説明したが、これに限られない。実施の形態の技術思想の少なくとも一部は、吐出口が直線状であるいわゆるTダイにも適用できる。
上述した実施の形態および変形例の任意の組み合わせもまた本発明の実施の形態として有用である。組み合わせによって生じる新たな実施の形態は、組み合わされる実施の形態および変形例それぞれの効果をあわせもつ。
1 フィルム成形装置、 2 フィルム厚調節部、 7 制御装置、 10 ダイ、 52 選択部。

Claims (4)

  1. 吐出口から溶融樹脂を押し出すダイと、
    前記吐出口から押し出される溶融樹脂のフィルム厚を調節するフィルム厚調節部と、
    前記フィルム厚調節部によるフィルム厚の調節を制御する制御装置と、
    を備え、
    前記フィルム厚調節部は、フィルム厚を調節するための複数の調節要素を含み、
    前記複数の調節要素は、フィルムの同一箇所のフィルム厚を、それぞれ独立して調節可能であり、
    調節要素の操作量を変化させたときのフロストライン高さの変化量に対するフィルム厚の変化量の比を変化比と称すとき、前記制御装置は、複数の調節要素のそれぞれ変化比と、検出されたフィルム厚およびフロストライン高さとに基づいて前記操作量を変化させる調節要素を選択することを特徴とするフィルム成形装置。
  2. 前記フィルム厚を検出する厚み検出部と、
    前記フロストライン高さを検出するフロストライン高さ検出部と、を備え、
    前記フィルム厚調節部は、前記厚み検出部の検出値と、前記フロストライン高さ検出部の検出値と、に基づいて、前記操作量を変化させる調節要素を選択する、請求項1に記載のフィルム成形装置。
  3. 前記制御装置は、(i)フィルム厚が目標範囲より薄く、かつ、フロストライン高さが理想範囲より低い場合、または、フィルム厚が目標範囲よりも厚く、かつ、フロストライン高さが理想範囲より高い場合、変化比が正の値である調節要素を選択し、(ii)フィルム厚が目標範囲より薄く、かつ、フロストライン高さが理想範囲より高い場合、または、フィルム厚が目標範囲より厚く、かつ、フロストライン高さが理想範囲より低い場合、変化比が負の値である調節要素を選択することを特徴とする請求項1または2に記載のフィルム成形装置。
  4. 前記フィルム厚調節部は、前記ダイのリップ幅を変化させてフィルム厚を調節する調節ユニットと、冷却風の風速および風温の少なくとも一方を変化させてフィルム厚を調節する冷却装置と、を含むことを特徴とする請求項2に記載のフィルム成形装置。
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