JP2004276368A - 木質化粧シートとその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】家具等の表面化粧材として使用される木質化粧シートであって、表面が導管ワイピング着色と同様な外観を呈し、且つ、立体感と無垢感が付与された意匠的にも優れた木質化粧シートを提供する。
【解決手段】木質薄板1にはブラッシング処理によってその導管部分を表面から裏面に貫通するように削り取られてなる凹条部3が形成されていると共に、裏面に着色裏打ちシート2を貼着していて、この着色裏打ちシート2を上記凹条部3から露出させてあり、さらに、凹条部3を含む木質薄板1の表面全面に湿気硬化型ウレタン系ホットメルト樹脂の塗布による透明樹脂層4を設けている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は各種の家具や建具の表面化粧材として使用される木質化粧シートとその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、天然木の枯渇によって天然木からなる厚い一枚ものの板材等をそのまま家具材や建具に使用することが困難となってきている。このため、天然木をスライスした突板単板からなる木質薄板を用い、この木質薄板の裏面に紙や不織布からなる裏打ちシートを貼着したり、或いは、合板等の一定厚みの基材表面に上記木質薄板を積層、一体化し、この木質薄板の導管部を着色して化粧シートや化粧板とすることが行われている。
【0003】
木質薄板の導管部を着色するには、一般的に木質薄板の表面全面に着色剤を塗布したのち、導管凹部のみに着色剤が残存するように木質薄板の表面を掻き取る、所謂、ワイピングと称される手段を採用しているが、生産性を向上させるために上記ワイピング処理を機械で行うと、木質薄板が天然物であるためにその導管形態が微妙に異なっていることと機械の精度とによって、導管部に塗布されている着色剤がワイピングされる木地部分に塗布された着色剤と共に掻き取られる箇所が部分的に発生し、着色ムラが生じて商品価値を低下させるという問題点がある。
【0004】
また、近年求められる木質化粧シートや化粧板の意匠も多様化されており、例えば、導管部と木地部とを全く異なった色調にしたり、或いは、導管部に光輝性物質を充填して該導管部を強調する等の特異な意匠性を有する化粧シートや化粧板が要望されることもあるが、導管部と木地部とを異なった色調にするには、木質薄板の素地を着色したのち、一旦、シーラを塗布し、さらにワイピング処理を施すという非常に手間のかかる工程を必要として生産性が悪く、また、導管に光輝性物質を充填する方法では、木質薄板の表面に塗布した光輝性物質を完全に掻き取ることができず、木肌表面に残存するという問題点がある。
【0005】
一方、針葉樹単板からなる木質薄板の表面をブラッシングすることにより、その早材部分を晩材部分よりも多く研削して木質薄板の表面を凹凸面に形成したのち、木質薄板の表面全面に着色剤を塗布し、サンディング、UV塗料による表面塗装を施すことによって化粧板を得る方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−326210号公報(第2頁、第1図)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
この方法によれば着色ムラが生じたりすることなく、また、ワイピング処理等の手間のかかる工程を必要とすることなく、表面化粧を施した化粧板を製造することができるが、木質薄板が0.15〜0.6 mmの厚さにスライスされた薄い単板からなる場合には、ブラッシング処理を行うと割れや亀裂が発生し易くなって安定的な生産が行えなくなるという問題点がある。
【0008】
このため、木質薄板の表面にフィルムを貼着したり、表面塗装の厚みを増大させる等の補強処理を行うことが考えられるが、表面にフィルムを貼着すると、木質薄板が本来持っている手触り感が損なわれるばかりでなく、塗装時の照りを生かすことができなくなり、意匠性に劣るという問題点がある。さらに、凹凸に形成した木質薄板の表面は上記着色剤による色調しか得ることができない。
【0009】
また、木質薄板の表面に通常行われている塗装を施す場合、2液硬化型ウレタン塗料では揮発性有機化合物(VOC)が発生するという問題点があり、無溶剤型のUV塗料では木質薄板内に染み込んだ塗料が未硬化になる等の問題点がある。さらに、水系塗料では突板からなる木質薄板にあばれや割れが生じるという問題点がある。
【0010】
本発明は上記のような問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、導管ワイピング着色と同様な外観と、立体感に溢れて無垢感が付与された意匠的にも優れた外観を呈すると共に、導管部と木地部とを異なった色調に簡単に形成することができ、さらに、揮発性有機化合物を放散する虞れのない木質化粧シートと、この木質化粧シートを能率よく製造することができる製造方法を提供するにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の木質化粧シートは、請求項1に記載したように、木質薄板の裏面に着色裏打ちシートを透明又はこの裏打ちシートと同色の接着剤を介して貼着していると共に上記木質薄板の導管部はブラッシング処理により削り取られていて上記裏打ちシートが露出した凹条部に形成されてあり、この凹条部を含む木質薄板の表面全面に透明樹脂層を層着した構造としている。
【0012】
このように構成した木質化粧シートにおいて、請求項2に係る発明は、上記木質薄板を厚さが0.15〜0.6 mmにスライスされた広葉樹の突板単板から形成していることを特徴とする。
【0013】
さらに、請求項3に係る発明は、上記木質薄板の導管部を研削することによって裏打ちシートを露出させている凹条部に塗布する透明樹脂として、湿気硬化型ウレタン系ホットメルト樹脂を用いていることを特徴とし、請求項4に係る発明は、この湿気硬化型ウレタン系ホットメルト樹脂は無黄変型又は難黄変型であることを特徴とする。
【0014】
請求項5に係る発明は、上記木質化粧シートの製造方法であって、厚さが0.15〜0.6 mmの木質薄板の裏面に着色裏打ちシートを透明又はこの裏打ちシートと同色の接着剤を介して貼着したのち、この木質薄板の表面をブラッシング処理してその導管部を裏面に達するまで研削することにより上記着色裏打ちシートの表面が露出した凹条部を形成し、しかるのち、この凹条部を含む木質薄板の表面全面に湿気硬化型ウレタン系ホットメルト樹脂を塗布することを特徴とする。
【0015】
【作用】
木質薄板の導管部は、木質薄板の表裏面間に貫通した凹条部に形成されているので、木質薄板の裏面に貼着している着色裏打ちシートがその凹条部を通じて外部に露出して導管ワイピング着色と同様な外観を呈すると共に、木質薄板が薄いにもかかわらず、深みが増大して立体感、無垢感が付与され、意匠的にも優れた高級な木質化粧シートを提供することができる。なお、上記凹条部はブラッシングによる目開き処理によって容易に形成することができる。
【0016】
さらに、上記凹条部を含む木質薄板の表面全面に透明樹脂層を層着しているから、この透明樹脂層によって木質薄板の透明感が増大し、その上、ブラッシングによって凹条部を形成した際に生じている微細な粗面がこの透明樹脂層によってカバーされて性能を損することはない。また、凹条部を通じて露出している着色裏打ちシート、即ち、導管部と木質薄板の木地部とを異なる色調にすることができ、表面に層着している透明樹脂層と共に、深みのある変化に富んだ木質化粧シートを提供することができる。さらにまた、木質薄板の表面に層着する透明な樹脂として湿気硬化型ウレタン系ホットメルト樹脂を採用すれば、この樹脂は無溶剤であるから揮発性有機化合物を放散する虞れはなく、その上、湿気硬化型であるから未硬化となる虞れもなく、多量生産に適する。
【0017】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を図面について説明すると、図1は本発明の木質化粧シートの一例を示すもので、この木質化粧シートAは木質薄板1の裏面に着色裏打ちシート2を貼着していると共にその導管部1bを表面から裏面に貫通するまで研削することによって凹条部3に形成してあり、この凹条部3に上記着色裏打ちシート2を露出させてある。従って、凹条部3から露出しているこの着色裏打ちシート2の露出面によって凹条部3の底面を形成している。さらに、この凹条部3を含む木質薄板1の表面全面に透明樹脂層4を層着してなるものである。
【0018】
上記木質薄板1としては、導管のある広葉樹からなる木材、好ましくは環孔材を0.15〜0.6 mmの厚さにスライスした突板単板を採用している。この突板単板からなる木質薄板の厚さが0.15mm以下であると、上記凹条部3の深さが浅くなって立体感を現出させることができず、0.6 mmを越えると上記凹条部3を形成するためのブラッシングによる目開き処理に時間を要して生産性が低下するばかりでなく、木質薄板1の凹凸差が必要以上に増大して不自然感を与えるので好ましくない。
【0019】
さらに、木質化粧シートの連続生産を可能にするために、この突板単板をバッドジョイントやフィンガージョイントによって縦継ぎすると共に裏面に上記裏打ちシート2を貼着して帯状の長尺シートに形成しておくことが好ましい。
【0020】
裏打ちシート2は、予め所望の色に着色している厚さが0.02〜0.15mm程度の紙又は繊維質シートからなり、図2に示すように、この着色裏打ちシート2を透明又は該着色裏打ちシート2と同色に着色した接着剤5によって木質薄板1の裏面全面に貼着している。なお、この接着剤5としては、揮発性有機化合物を含んでいない接着剤、若しくは含んでいても極微量の接着剤が望ましい。
【0021】
また、上記凹条部3は、木質薄板1の表面全面をブラッシングにより目開き処理を行って木地部1aよりも柔らかい導管部1bを木質薄板1の裏面に貫通するまで掘り削ることにより形成され、図3に示すように、この凹条部3に上記着色裏打ちシート2を露出させている。
【0022】
ブラッシング処理は、突板単板をフィンガージョイント等によって縦継ぎし且つ裏面に着色裏打ちシート2を貼着してなる上記帯状の長尺シートをロール状に巻装しておき、この長尺シートを繰り出して巻取り機構に巻取る際に、この巻取り機構に達するまでの中間部に配設したワイヤーブラシによって行われる。このブラッシング処理による目開きの程度は、木質薄板1を形成している処理すべき突板の樹種や厚みに応じて上記ワイヤーブラシの線径や腰の強さ、接触圧力を調整することにより行われる。
【0023】
このワイヤーブラシはステンレスや真鍮、或いはナイロン製であって、線径が0.1 〜1.0 mm、毛足の長さが10〜80mmの範囲のものが使用される。なお、木質薄板1(突板単板)にワイヤーブラシによるブラッシング処理を行うと、木質薄板1の表面が多少毛羽立つので、ワイヤーブラシの後方にグリッドブラシやサンダーを配設してその毛羽を除去することが望ましい。
【0024】
さらに、木質薄板1に対するブラッシング処理の後、木地部1aを所望の着色剤を塗布することによって着色してもよい。この場合、研削された導管部、即ち、凹条部3の壁面部や該凹条部3の底面に露出している着色裏打ちシート2の表面まで着色されないように、硬質のスチールロール等によって着色剤を木地部1aの頂面にのみ塗布することが望ましい。
【0025】
このように、裏面に着色裏打ちシート2を貼着している木質薄板1の表面をブラッシング処理してその導管部1bを裏面に達するまで研削することにより、上記着色裏打ちシート2の表面が露出した凹条部3を形成したたのち、この凹条部3を含む木質薄板の表面全面に湿気硬化型ウレタン系ホットメルト樹脂を塗布して図1に示すように透明樹脂層4を設ける。
【0026】
この透明樹脂層4を形成する湿気硬化型ウレタン系ホットメルト樹脂は無溶剤であるので、有害な揮発性有機化合物(VOC)を放散させることがなく、また、塗装後に冷えると見かけ上固化するので連続的な生産が可能となり、その上、一般的なホットメルトである熱可塑性タイプの樹脂ではないので、耐熱性にも優れた木質化粧シートAを得ることができる。
【0027】
上記湿気硬化型ウレタン系ホットメルト樹脂は、100 μmの厚みに硬化させた時の全光線透過率(JIS K 7105) が70%以上の透明度の高い樹脂を用いており、この透明性の向上は、一般的に非結晶成分を増やすことによって行われる。また、この湿気硬化型ウレタン系ホットメルト樹脂を顔料や染料等で所望の色に着色しておいてもよい。
【0028】
さらに、湿気硬化型ウレタン系ホットメルト樹脂は無黄変型または難黄変型のものを用いることを必須とする。湿気硬化型ウレタン系ホットメルト樹脂の黄変のし易さは、この樹脂を合成する際に使用するイソシアネートの種類によって決まるため、次に挙げられるイソシアネートが一般的に使用されている。
【0029】
即ち、難黄変型としては芳香環を有するイソシアネート基が芳香環に直結していないタイプであるキシリレンイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)などが該当する。無黄変型としては脂肪族または脂環族系のイソホロンジイソシアネート(IPDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)などがある。
【0030】
また、湿気硬化型ウレタン系ホットメルト樹脂を合成する際に、黄変タイプのイソシアネートであるトリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)などを使用し、これに紫外線吸収剤や光安定剤を添加して難黄変にする方法もある。なお、使用する紫外線吸収剤は公知のものでよく、例えば、パラジメチル安息香酸オクチル等のパラアミノ安息香酸系、オキシベンゾンなどのベンゾフェノン誘導体、メトキシ桂皮酸誘導体、サリチル酸誘導体などや無機系の酸化セリウムなどがある。
【0031】
さらに、湿気硬化型ウレタン系ホットメルト樹脂を硬化させた時の硬軟度については、木質化粧シートAに与えたい性能に応じたものを選定する。例えば、ラッピングやVカットが可能な柔軟性を有する木質化粧シートAを得たい場合にはガラス転移温度(Tg)が比較的低い樹脂、或いは、架橋密度の低い樹脂など、軟質タイプの湿気硬化型ウレタン系ホットメルト樹脂を使用すればよく、床材やカウンター等の平坦な面を形成するための高い硬度の表面化粧シートを得たい場合には、ガラス転移温度(Tg)が高く架橋密度の高い硬質タイプの湿気硬化型ウレタン系ホットメルト樹脂を使用すればよい。
【0032】
木質薄板1の表面に湿気硬化型ウレタン系ホットメルト樹脂を塗布する際に、この湿気硬化型ウレタン系ホットメルト樹脂を90〜140 ℃に加温して溶融させ、この溶融樹脂をダイコータ、スリットコータ、ホットロールコータなどの既知の塗布手段を用いて10〜100 g/mの範囲で木質薄板1の表面に塗布する。
【0033】
さらに、こうして湿気硬化型ウレタン系ホットメルト樹脂の塗布によって木質薄板1の凹条部3を含む表面全面に透明樹脂層4を設けたのち、この表面の艶を調整したり、テーブルトップ等の水平面を構成する化粧材に使用する上で表面性能を向上させたりしたい場合には、図4に示すように、上記透明樹脂層4の上にさらに透明な無溶剤型塗料を塗布して表面塗布層6を設けてもよい。次に、本発明の具体的な実施例を示す。
【0034】
【実施例1】
厚みが0.25mmにスライスしたレッドオークの突板をフィンガジョイントにより縦継ぎすると共にその裏面に、赤色に着色した60μm厚の裏打ち紙を硬化後に透明になる酢酸ビニル系接着剤を用いて貼着して連続突板シートを作製した。次いで、この連続突板シートを送り速度10m/分でもって巻戻しロールから送り出し、巻取り機構までの搬送途上に設けている線径0.15mmのステンレス製のワイヤーブラシによってこの突板シートの表面にブラッシング処理を行い、導管部を表裏面間に亘って貫通させて裏面に貼着している上記裏打ち紙が露出するように目開き処理を行った。
【0035】
次いで、この連続突板シートの表面にスチールロールを用いて褐色の着色剤を塗布し、木地部分のみを褐色に着色した。さらに、連続突板シートの表面に120℃に加温溶融させている無黄変で軟質タイプの湿気硬化型ウレタン系ホットメルト樹脂をホットメルト用ロールコータによって厚さ50μmとなるように塗布し、硬化させることによってラッピング用木質化粧シートを得た。
【0036】
こうして得られた木質化粧シートを通常のラッピング貼り合わせ機を用いて角部の曲率半径が3mmの曲面形状を有する部材にラッピング加工をしたところ、従来の導管ワイピング着色手法によって得られた化粧シートと同様な外観を呈すると共に角部表面にラッピングした湾曲部分にはクラックもなく、さらに、ブラッシングによる目開き処理の効果で立体感、無垢感が表現され、オイルフィニッシュのような深みのある極めて意匠性の高い製品が得られた。
【0037】
【実施例2】
厚みが0.25mmにスライスしたレッドオークの突板をフィンガジョイントにより縦継ぎすると共にその裏面に、白色に着色した60μm厚の裏打ち紙を硬化後に透明になる酢酸ビニル系接着剤を用いて貼着して連続突板シートを作製した。次いで、上記実施例と同様に、この連続突板シートの表面をブラッシングして上記裏打ち紙が露出するように目開き処理を行った。しかるのち、この連続突板シートの表面にスチールロールを用いて黒褐色の着色剤を塗布し、木地部分のみを黒褐色に着色した。さらに、連続突板シートの表面に120 ℃に加温溶融させている無黄変で軟質タイプの湿気硬化型ウレタン系ホットメルト樹脂をホットメルト用ロールコータによって厚さ50μmとなるように塗布し、硬化させることによってラッピング用木質化粧シートを得た。こうして得られた製品は、使い古したアンティーク調の非常に意匠性の高いものであった。
【0038】
アルミを蒸着した紙を裏打ちシートとして用いる他は、上記実施例2と同様にしてラッピング用木質化粧シートを作製したところ、導管部が銀色に輝く意匠性の高い製品が得られた。
【0039】
【発明の効果】
以上のように本発明の木質化粧シートによれば、請求項1に記載したように、木質薄板の裏面に着色裏打ちシートを透明又はこの裏打ちシートと同色の接着剤を介して貼着していると共に上記木質薄板の導管部はブラッシング処理により削り取られていて上記裏打ちシートが露出した凹条部に形成されてあり、この凹条部を含む木質薄板の表面全面に透明樹脂層を層着しているので、木質薄板の導管部を表裏面間に貫通させて凹条部を形成し、この凹状部を通じて木質薄板の裏面に貼着している着色裏打ちシートを露出させていることにより、導管ワイピング着色と同様なきれいな外観を呈すると共に、木質薄板が薄いにもかかわらず、ブラッシングによる目開き効果により深みが増大して立体感、無垢感が付与され、意匠的にも優れた高級な木質化粧シートを提供することができる。
【0040】
さらに、上記凹条部を含む木質薄板の表面全面に透明樹脂層を層着しているから、この透明樹脂層によって木質薄板の透明感を増大させることができ、その上、ブラッシングによって凹条部を形成した際に生じている微細な粗面がこの透明樹脂層によってカバーされて性能を損することはない。また、凹条部を通じて露出している着色裏打ちシートによって、導管部と木質薄板の木地部とを異なる色調にすることができ、表面に層着している透明樹脂層と共に深みのある変化に富んだ木質化粧シートを提供することができる。
【0041】
また、請求項3に係る発明によれば、上記木質薄板の表面に層着する透明な樹脂として湿気硬化型ウレタン系ホットメルト樹脂を採用しているので、この樹脂は無溶剤であるから揮発性有機化合物を放散する虞れはなく、その上、湿気硬化型であるから未硬化となる虞れもない。
【0042】
上記のように構成している木質化粧シートの製造方法は、請求項5に記載したように、厚さが0.15〜0.6 mmの木質薄板の裏面に着色裏打ちシートを透明又はこの裏打ちシートと同色の接着剤を介して貼着したのち、この木質薄板の表面をブラッシング処理してその導管部を裏面に達するまで研削することにより上記着色裏打ちシートの表面が露出した凹条部を形成し、しかるのち、この凹条部を含む木質薄板の表面全面に湿気硬化型ウレタン系ホットメルト樹脂を塗布することを特徴とするものであるから、導管ワイピング着色と同様なきれいな外観と共に立体感、無垢感が付与された意匠的にも優れた高級な木質化粧シートを連続的に能率よく生産することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】木質化粧シートの一部の簡略拡大縦断面図、
【図2】処理前のシートの一部を示す簡略拡大縦断面図、
【図3】ブラッシング処理を施したシートの一部の簡略拡大縦断面図、
【図4】透明樹脂層上に塗装を施した木質化粧シートの一部の簡略拡大縦断面図。
【符号の説明】
A 木質化粧シート
1 木質薄板
2 着色裏打ちシート
3 凹条部
4 湿気硬化型ウレタン系ホットメルト樹脂による透明樹脂層

Claims (5)

  1. 木質薄板の裏面に着色裏打ちシートを透明又はこの裏打ちシートと同色の接着剤を介して貼着していると共に上記木質薄板の導管部はブラッシング処理により削り取られていて上記裏打ちシートが露出した凹条部に形成されてあり、この凹条部を含む木質薄板の表面全面に透明樹脂層を層着していることを特徴とする木質化粧シート。
  2. 木質薄板は厚さが0.15〜0.6 mmにスライスされた広葉樹の突板単板であることを特徴とする請求項1に記載の木質化粧シート。
  3. 凹条部に層着している透明樹脂は、湿気硬化型ウレタン系ホットメルト樹脂であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の木質化粧シート。
  4. 湿気硬化型ウレタン系ホットメルト樹脂は無黄変型又は難黄変型であることを特徴とする請求項3に記載の木質化粧シート。
  5. 厚さが0.15〜0.6 mmの木質薄板の裏面に着色裏打ちシートを透明又はこの裏打ちシートと同色の接着剤を介して貼着したのち、この木質薄板の表面をブラッシング処理してその導管部を裏面に達するまで研削することにより上記着色裏打ちシートの表面が露出した凹条部を形成し、しかるのち、この凹条部を含む木質薄板の表面全面に湿気硬化型ウレタン系ホットメルト樹脂を塗布することを特徴とする木質化粧シートの製造方法。
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