JP2004275325A - 乳房画像撮影装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】カセッテの前面板が放射線を吸収することによる放射線量の低下及びそれに伴う放射線量子ノイズの増大を防止して高精細な画像撮影を行うことのできる乳房画像撮影装置を提供する。
【解決手段】被写体Hに放射線を照射する放射線源6と、被写体Hを放射線源6に対峙するように載置する被写体台10と、被写体Hを透過した放射線を検出する輝尽性蛍光体プレート17を保持する検出器保持部12とを備えてなる乳房画像撮影装置1において、検出器保持部12を覆う遮光部材30を備えるとともに、検出器保持部12は、放射線画像検出器に直接放射線が照射されるように放射線画像検出器を保持し、検出器保持部12は、カセッテに収納されていない輝尽性蛍光体プレート17のみを保持し、輝尽性蛍光体プレート17に記録された放射線画像を読み取る画像読取装置22及び記録画像を消去する消去装置23を備える。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、乳房画像撮影装置に係り、特に、位相コントラスト撮影を可能とする乳房画像撮影装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、放射線が物質を透過する作用を利用する乳房画像撮影装置は、医療用画像診断や非破壊検査等に広く利用されている。特に乳房撮影に用いられる放射線画像装置については、通常、放射線画像検出器と一体化した被写体台上に被写体を固定し、撮影する方法が行われてきた。しかし、この方法によると被写体が実寸大で撮影されることとなるが、画像のコントラストが十分に上がらず、乳房の病変部分等の特定部位の微細な構造を判読するために用いられる医療用撮影装置としては画像の鮮明さが不十分であるという問題があった。
そこで、近年、位相コントラスト画像を撮影する乳房画像撮影装置が提案されている。(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
位相コントラスト画像とは、屈折コントラスト画像とも呼ばれるもので、以前はSPring−8など放射線源から得る単色の平行放射線による撮影や、10μm程度の焦点サイズをもつマイクロ焦点放射線源による撮影によって得られるものと言われていたが、医療用の放射線源でも得ることが可能であることが分かってきた(特開2001−91479号公報参照)。位相コントラスト画像は、通常の吸収コントラストのみの画像に比べ、被写体の境界のコントラストを高く描写でき、高精細な放射線画像を得ることが可能である。
【0004】
この点、放射線画像検出器としては、例えば、輝尽性蛍光体プレート等が用いられる。輝尽性蛍光体プレートとは、放射線照射後に赤外光又は可視光を照射することにより、既に照射した放射線強度に対応する可視光発光が誘起されるものである。すなわち、撮影を行うにあたっては、撮影装置に放射線画像検出器として輝尽性蛍光体プレートをセットし、このプレートに放射線を照射した後、レーザ読み取り装置等の放射線画像読取装置によってこのプレートから輝尽発光を読み取り、読み取った発光を光電子倍増管で電気信号に置き換えて、放射線画像の電気信号を得ることとなる。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−238871号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
この点、従来は、放射線画像読取装置は、撮影装置とは別に設けられていたため、撮影後に操作者が輝尽性蛍光体プレート等の放射線画像検出器を撮影装置から取り出して放射線画像読取装置まで運び、画像の読み取り処理を行う必要があった。しかし、医療の現場等で用いられる撮影装置においてこのような手間を必要とすることは不便であるとともに、カセッテの出し入れの際にカセッテを取り違える等のミスを招くおそれもある。
【0007】
また、従来は画像の読み取り処理を行うにあたって放射線画像検出器を一旦撮影装置から取り出す必要があったため、放射線画像検出器の保護及び露光防止のため放射線画像検出器をカセッテに収める必要があった。
しかし、放射線画像検出器をカセッテに入れたまま使用すると、カセッテの前面板により放射線が吸収されることにより実際に放射線画像検出器に達する放射線量が低下し、放射線量子ノイズが増大することとなる。このような放射線量子ノイズの増大は、特定部位の精密な撮影を目的とし、鮮鋭で高画質な画像形成が求められる乳房画像撮影装置において画質の低下を招くという問題があった。
【0008】
そこで、本発明は以上のような課題を解決すべくなされたものであり、撮影装置と放射線読取装置とを一体化し、放射線画像検出器を撮影装置から取り出す手間を省くとともに、カセッテを使用せずに放射線画像検出器を直接撮影装置内にセットすることによりカセッテの前面板が放射線を吸収することによる放射線量の低下及びそれに伴う画質の低下を防止することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、被写体に放射線を照射する放射線源と、前記被写体を前記放射線源に対峙するように載置する被写体台と、前記被写体を透過した放射線を検出する放射線画像検出器を保持する検出器保持部とを備えてなる乳房画像撮影装置において、
前記検出器保持部を覆う遮光部材を備えるとともに、前記検出器保持部は、放射線画像検出器に直接放射線が照射されるように前記放射線画像検出器を保持し、前記放射線画像検出器に記録された放射線画像を読み取る画像読取装置及び記録画像を消去する消去装置を備えることを特徴としている。
【0010】
このような構成を有する請求項1に記載の発明においては、放射線画像読取装置を乳房画像撮影装置と一体に設けられているため、撮影を行った後、操作者がカセッテに収納された放射線画像検出器を撮影装置から取り出して画像読取装置まで運ぶ手間を省くことができる。
【0011】
また、放射線画像検出器を撮影装置から取り出す必要がないため、放射線画像検出器をカセッテに入れる必要がなく、カセッテの前面板に放射線が吸収されることによる放射線量の低下及びそれに伴う放射線量子ノイズの増大を防止することができる点で優れている。
【0012】
さらに、検出器保持部が遮光部材で覆われているので、放射線画像検出器をカセッテに収納しない状態で撮影を行っても周囲の光によって放射線画像検出器が感光することがなく、カセッテを用いずに撮影を行うことが可能となる。
【0013】
次に、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の乳房画像撮影装置において、前記放射線画像検出器が前記検出器保持部に載置されていないときには前記放射線源から放射線が照射されないように制御する制御部を有することを特徴としている。
【0014】
このように、請求項2に記載の発明では、放射線画像検出器が載置され撮影可能な状態になっていないと放射線が照射されないので、被写体を提供する患者が不必要な被曝をすることがなく、患者の身体の安全を確保することができる。
【0015】
さらに、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の乳房画像撮影装置において、前記制御部は、前記放射線画像検出器が前記検出器保持部に載置されているか否かを表示部に表示させるように制御することを特徴としている。
【0016】
放射線画像検出器が載置されていないときには、撮影を行うことができない状態であることが表示部に表示されるので、撮影可能な状態か否かを操作者が視認することができる。このため、撮影可能な状態でないのに誤って放射線が照射されることを防止することができ、被写体を提供する患者の不必要な被曝を回避してより安全に乳房画像撮影を行うことができる点で優れている。
【0017】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の乳房画像撮影装置において、前記検知器保持部は、前記放射線源に対する距離を可変自在に設けられていることを特徴としている。
【0018】
したがって、請求項4に記載の発明によれば、通常コントラスト撮影よりも被写体の境界のコントラストを高く描写でき、高精細な放射線画像を得ることが可能な位相コントラスト撮影を行う場合に、拡大倍率を任意に調整することが可能である。
【0019】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の乳房画像撮影装置において、前記検知器保持部は、少なくとも一つ以上固定して設けられていることを特徴としている。
【0020】
したがって、請求項5に記載の発明によれば、通常コントラスト撮影よりも被写体の境界のコントラストを高く描写でき、高精細な放射線画像を得ることが可能な位相コントラスト撮影を行う場合に、操作者が倍率を手動で調整する必要がないため装置の操作性が向上する。
【0021】
また、請求項6に記載の発明は、請求項1から5のいずれか一項に記載の乳房画像撮影装置において、前記画像読取装置及び消去装置は、着脱可能に設けられていることを特徴としている。
【0022】
したがって、請求項6に記載の発明によれば、画像読取装置及び消去装置を撮影装置に簡易に取り付けることができるため、撮影後に放射線画像検出器を撮影装置から取り出すことなく画像情報の読み取り及び消去を行うことが可能である。
【0023】
また、請求項7に記載の発明は、請求項1から6のいずれか一項に記載の乳房画像撮影装置において、前記放射線画像検出器は、輝尽性蛍光体プレートであることを特徴としている。
【0024】
したがって、請求項7に記載の発明によれば、損傷しやすく光に当たると感光するという性質を有する輝尽性蛍光体プレートを放射線画像検出器として用いる場合にも、カセッテの前面板がない状態での撮影を行うことが可能である。
【0025】
また、請求項8に記載の発明は、請求項1から7のいずれか一項に記載の乳房画像撮影装置において、前記放射線源と前記放射線画像検出器との間隔を75cm以上、前記被写体台と前記放射線画像検出器との間隔を15cm以上としたことを特徴としている。
【0026】
したがって、請求項8に記載の発明によれば、放射線が被写体を透過するときに生じる位相のずれによる回折や屈折現象により、被写体のコントラストが高い放射線画像を撮影することが可能である。
【0027】
また、請求項9に記載の発明は、請求項1から8のいずれか一項に記載の乳房画像撮影装置において、前記放射線源の焦点径が50μm以上250μm以下であることを特徴としている。
【0028】
したがって、請求項9に記載の発明によれば、撮影に焦点径が50μm以上250μm以下である小焦点の放射線源を用いるので、通常の吸収コントラスト撮影に比べて被写体の境界のコントラストを高く描写でき、高精細な放射線画像を得ることのできる位相コントラスト撮影を行うことができる点で優れている。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しつつ本発明の第一の実施の形態について説明する。
図1に示すように、本実施の形態において乳房画像撮影装置1は、本体部9を有しており、本体部9には支持基台3が昇降自在に設けられている。また、支持基台3には、支持基台3に設けられた支軸4を介して撮影装置本体2が支持されている。撮影装置本体2は、撮影装置駆動機構26(図3参照)により前記支軸4を支点として回動可能となっている。
【0030】
撮影装置本体2の上部には放射線を照射するための放射線源6が設けられており、この放射線源6は、電源部15に接続されている。放射線源6は、この電源部15によって管電圧が印加され管電流が通電されるようになっている。
【0031】
また、放射線源6の放射線照射口には、放射線照射野を調節する照射野調整装置としての絞り装置7の絞り口が、開閉自在に設けられている。
【0032】
次に、撮影装置本体2には、放射線源6からの放射線照射方向に沿ってほぼ垂直に延在する位置であって放射線の照射野内に、被写体Hを載置する被写体台10が設けられている。また、撮影装置本体2の側部であって、被写体台10よりも前記放射線源6に近い位置には、被写体台10の被写体Hを載置させる面に対向し被写体Hを上部から圧迫して固定するための圧迫板11が昇降自在に配設されている。撮影時において、被写体Hは、被写体台10によって支持され、かつ圧迫板11によって固定されることにより、放射線源6に対峙するとともに放射線源6から照射される放射線の照射野内に位置するようになっている。
【0033】
撮影装置本体2の下方は、ガイドレール(図示せず)を有する支持部5となっており、支持部5には、放射線画像検出器としての輝尽性蛍光体プレート17を保持する検出器保持部12が放射線源6に対向するように設けられている。この検出器保持部12は、保持部駆動機構27(図3参照)により、ガイドレールに沿って昇降可能となっている。
【0034】
また、支持部5のガイドレール上には、例えば接触センサ等のガイドレール上にある検出器保持部12を検知することにより検出器保持部12の位置情報を得る保持部位置判別装置24(図3参照)が前記ガイドレールに沿って設けられている。
【0035】
また、支持部5の内部には、放射線の照射野側の面に沿って検出器搬送機構18が設けられている。図2に示すように、検出器搬送機構18は、上下に位置し間にほぼL字状の搬送路を形成する一対の搬送ベルト20a,20a,20b,20bを備えている。この搬送ベルト20a,20a,20b,20bは、検出器保持部12の両側にそれぞれ配置されるようになっており、搬送ベルト20a,20a,20b,20bの上端部は、支持部5の上端近傍に配置されるとともに、下端部は、検出器保持部12の両側面に配置されるようになっている。また、一対の搬送ベルト20a,20a,20b,20bにより構成される搬送路の間隔は、輝尽性蛍光体プレート17の厚さ寸法とほぼ等しく形成されており、各搬送ベルト20a,20a,20b,20bの内側には、図示しない駆動機構により回転駆動され搬送ベルト20a,20a,20b,20bを動作させるための複数の搬送ローラ21,21…が配設されている。搬送ベルト20a,20a,20b,20bは、搬送ローラ21,21…が回転することに伴って回転し、輝尽性蛍光体プレート17を一対の搬送ベルト20a,20a,20b,20bの間隙に挟持した状態で検出器保持部12と搬送ベルト20a,20a,20b,20bの上端部との間を搬送するようになっている。
【0036】
支持部5の内部であって検出器保持部12の取り付け位置よりも上方には、搬送ベルト20a,20a,20b,20bによって搬送される輝尽性蛍光体プレート17の搬送路に沿って輝尽性蛍光体プレート17に記録された放射線画像を読み取るための画像読取装置22が設けられている。
また、前記搬送路に沿って画像読取装置22よりも上方には、画像読取装置22によって放射線画像が読み取られた後、輝尽性蛍光体プレート17に残存している放射線画像を消去するための消去装置23が設けられている。
【0037】
画像読取装置22には、ガスレーザ、固体レーザ又は半導体レーザ等の励起光源221が設けられており、この励起光源221から発せられた励起光の光路上には発生した励起光を集光するための集光レンズ222が配置されている。また、励起光の光路上であって前記集光レンズ222を通過した先には、この集光レンズ222を通過した励起光を輝尽性蛍光体プレート17の表面に照射される方向に偏向して輝尽性蛍光体プレート17上を走査させる光偏向器であるポリゴンミラー223及び励起光の光路を変更させるミラー224がそれぞれ配置されている。励起光源221から発せられた励起光は、これらポリゴンミラー223やミラー224によって照射方向を自在に変えることができ、前記輝尽性蛍光体プレート17の上を繰り返し走査させることができるようになっている。また、画像読取装置22には、励起光が照射されることによって発生した輝尽性発光による光を検出するフォトマルチプライヤ225が、搬送される輝尽性蛍光体プレート17に対向するように配設されている。
【0038】
一方、消去装置23は、例えばハロゲンランプ等の消去光源231を複数備えており、この消去光源231からの消去光を輝尽性蛍光体プレート17に照射することにより、輝尽性蛍光体プレート17に残存している放射線エネルギーを放出させることにより輝尽性蛍光体プレート17の放射線画像情報を消去し、輝尽性蛍光体プレート17を新たに放射線画像撮影に供し得る状態とするようになっている。
【0039】
前記検出器搬送機構18、画像読取装置22及び消去装置23は、検出器保持部12と一体に設けられており、検出器保持部12が支持部5に沿って移動する際、検出器保持部12にともなって支持部5内を支持部5の長手方向に沿って移動可能となっている。なお、画像読取装置22及び消去装置23を支持部5内の一箇所に固定して設け、画像の読み取り及び消去を行う場合には、輝尽性蛍光体プレートが搬送ベルト20a,20a,20b,20bに沿って画像読取装置22及び消去装置23の設置位置まで搬送されるものとしてもよい。
【0040】
前記検出器保持部12の被写体台10に対向する面と反対の面には、照射された放射線量の強度を検出する放射線量検出器13が、検出器保持部12に接するように設けられている。
【0041】
また、被写体台10と検出器保持部12の間には、被写体台10と検出器保持部12の間を囲むように遮光部材30が設けられている。この遮光部材30は蛇腹形状を有しており、検出器保持部12が支持部5に沿って移動するのに伴い伸縮自在となっている。また、この遮光部材30の被写体Hを提供する患者に対向する面は、例えば鉛等の放射線を遮蔽できる部材で形成されている。
【0042】
なお、前記本体部5には、撮影条件等の入力を行うキーボードやタッチパネル等の入力部141及び各種のメッセージを表示するCRTディスプレイや液晶ディスプレイ等の表示部142を有する操作装置14と、装置の動力源である電源部15とが接続されている
【0043】
次に、図3を参照しつつ、乳房画像撮影装置1の制御構成について説明する。図3に示す通り、乳房画像撮影装置1の本体部9には、被写体Hの放射線画像撮影を行うための撮影プログラム等の各種データが格納される記憶部101を備える制御部100が設けられている。
【0044】
制御部100は、操作装置14の入力部141から入力される情報に基づき、撮影装置駆動機構26を制御して撮影装置本体2の高さや位置を調整するとともに保持部駆動機構27を制御して検出器保持部12を撮影条件に適する位置まで移動させるようになっている。また、制御部100は、保持部位置判別装置22によって検知された検出器保持部12の位置情報及び前記各種の撮影条件に最も適した絞り値となるように絞り装置7を制御するようになっている。
【0045】
制御部100は、検出器搬送機構18を制御することにより、検出器保持部12に保持されている輝尽性蛍光体プレート17を検出器搬送機構18の上端まで搬送させるようになっている。また、制御部100は、輝尽性蛍光体プレート17が搬送される過程において、画像読取装置22及び消去装置23を制御して、輝尽性蛍光体プレート17に記録された画像情報の読み取り及び読み取り後の画像情報の消去を行わせるようになっている。
【0046】
また、検出器保持部12の輝尽性蛍光体プレート17を保持する面上には、輝尽性蛍光体プレート17が検出器保持部12の所定の位置に載置されているか否かを検知する検出器検知センサ25が設けられており、この検出器検知センサ25は、輝尽性蛍光体プレート17が所定位置にあることを検知したときは制御部100に対して信号を送るようになっている。
【0047】
また、制御部100には、電源部15が接続されており、前記検出器検知センサ25から制御部100に対して信号が送られたときは、制御部100は、輝尽性蛍光体プレート17が撮影可能状態にあると判断し、入力部141から入力された条件等に基づいて所定の放射線量及び強度の放射線が放射線源6から照射されるように電源部15の管電圧の印加と管電流の通電を制御するようになっている。
【0048】
また、制御部100には、被写体Hを透過した放射線量を検出する放射線量検出器13が接続されており、この放射線量検出器13は、被写体Hを透過する放射線量が所定の量に達したときに、制御部100に対して信号を送るようになっている。放射線量検出器13から制御部100に対して信号が送られると、制御部100は、電源部15を制御して放射線源6への管電圧の印加と管電流の通電を停止させるようになっている。
【0049】
ここで、被写体Hを透過するときに生じる放射線の位相のずれによって被写体Hのコントラストが高い位相コントラスト放射線画像を得るためには、放射線源6の放射線管焦点61と放射線画像検出器としての輝尽性蛍光体プレート17との間隔が75cm以上であり、被写体台10と輝尽性蛍光体プレート17との間隔が15cm以上であることを必要とする。
【0050】
なお、被写体台10と輝尽性蛍光体プレート17との間隔が大きい方が位相コントラストによるエッジ効果が大きくなるが、この間隔が放射線管焦点61と被写体台10との間隔に対してあまりに大きいと半影のボケの影響で鮮鋭性が低下する。したがって、被写体台10と輝尽性蛍光体プレート17との間隔および放射線管焦点61と被写体台10との間隔がともに大きいことが画質向上の面から望まれる。一方、これらの間隔を大きくすると、乳房画像撮影装置1全体が大きくなるため、撮影室の大きさや乳房画像撮影装置1の取扱いの便宜の面から問題となる。
【0051】
以上の観点から、位相コントラスト放射線画像を得る上では、放射線管焦点61と輝尽性蛍光体プレート17との間隔が85cm以上となるように検出器保持部12の位置を制御することが好ましい。一方、装置の取扱いの便宜上からは、放射線管焦点61と輝尽性蛍光体プレート17との間隔が200cm以下となるように検出器保持部12の位置を制御することが好ましい。このとき、被写体台10は、放射線管焦点61との間隔が50cm以上100cm以下となり、輝尽性蛍光体プレート17との間隔が15cm以上100cm以下となるように設けることが、良好な画質を得る上で好ましい。なお、放射線管焦点61と輝尽性蛍光体プレート17との間隔を90cm以上165cm以下となるようにし、放射線管焦点61と被写体台10との間隔が60cm以上75cm以下であり、被写体台10と検出器保持部12との間隔が30cm以上90cm以下であることがより好ましい。
【0052】
ここで、本実施の形態における放射線源6について説明する。
本実施の形態において、放射線源6としては、放射線の波長が0.1〜1Å前後の放射線を放射する放射線管を用いる。この放射線管は熱励起によって生ずる電子を高電圧で加速して陰極に衝突させることで、その運動エネルギーを照射エネルギーに変換することによって放射線が照射されるものである。放射線画像を撮影するとき、この加速電圧を管電圧として、また電子の発生量を管電流として、そして、放射線照射時間を露光時間として設定する。電子が衝突する陽極(対陰極)は銅、モリブデン、ロジウム、タングステンなど、その種類を変えることで、照射される放射線エネルギースペクトルを変えることができる。銅、モリブデン、ロジウムなどを陽極として用いる場合、放射線のエネルギー分布の狭い比較的エネルギーの低い線スペクトルが得られ、その特性を利用して放射線回折結晶分析や微細な構造を判読する乳房撮影に用いられる。タングステンを陽極として用いる場合は広いスペクトルの比較的高いエネルギーの放射線で、人体の胸部や腹部、頭部、そして工業一般の非破壊検査に用いられる。医療用あるいは工業用では照射する放射線量が多いことが特徴である。この場合、多量の電子を陽極に高速で衝突させるために陽極が発熱し、高温になると陽極が溶解する恐れがあることから、陽極を回転させて衝突する場所を変えることで、発熱による不具合を回避することが行われる。すなわち回転陽極を用いることが一般的である。本実施の形態の撮影装置は、医療用あるいは非破壊検査を目的として用いる装置であるので、モリブデン、ロジウム、タングステンの回転陽極をもつ放射線管が好ましく、さらに乳房画像撮影装置であるので、モリブデンまたはロジウムであることが望ましい。
【0053】
ここで放射線源6の焦点61は、放射線管の例えば回転陽極に電子が衝突して発生する放射線を取り出す、被写体方向から見た窓である。一般にこれは正方形であり、その1辺の長さが焦点サイズである。焦点の形状が円である場合はその直径を、長方形である場合はその短辺をさす。この焦点サイズの測定方法はピンホールカメラによる方法とマイクロテストチャートを用いる方法などがJIS Z 4704に記載されている。通常、焦点サイズは放射線管メーカーの測定に基づく値が製品仕様で示されている。
【0054】
なお、放射線源6の焦点サイズが大きいと照射される放射線量が多くなるが、それに伴って、いわゆる半影が生じる。半影とは、焦点61の大きさに起因して被写体H上の1点が、放射線画像検出器である輝尽性蛍光体プレート17の上で大きさを持った像として検出される現象であり、いわゆるボケのことである。従って、放射線源6が小焦点放射線源である場合には、有限な大きさの焦点サイズを有するが故に、単色の平行放射線を出射するシンクロトロンや、点焦点と見なせるマイクロ焦点放射線源と異なり、この半影の影響が問題となる。そして、この半影によるボケ幅は、被写体Hと放射線画像検出器12との間隔を大きくすると、これに伴って増加する。
【0055】
したがって、位相コントラストを半影のボケをしのいで実現して高鮮鋭な画像を得るために被写体Hと放射線画像検出器12との間隔、放射線源6と被写体Hとの間隔または放射線物理特性などから、焦点サイズの上限が決まってしまう。他方で、一定以上の放射線量を得るためには、ある程度の焦点サイズが必要であることから焦点サイズの下限値が決まる。
【0056】
このため、通常の医療施設で位相コントラスト撮影を行うには、焦点サイズは30μm以上で300μm以下であることが必要であり、50μm以上200μm以下であることが好ましい。
【0057】
次に、本実施形態における作用について説明する。
まず、操作者によって被写体Hを提供する患者の身長等の情報や、各種の撮影条件等の情報が入力141から入力された場合には、これらの情報が制御部100によって取得され、制御部100がこの情報に基づいて撮影装置駆動機構26を制御することにより撮影装置本体2の高さ等が調節されるとともに保持部駆動機構27を制御することにより、検出器保持部12が所定の位置に配置されるように支持部5のガイドレールに沿って検出器保持部12を移動させる。さらに、被写体台10の上に患者の撮影部位である被写体Hが載置されると、圧迫板11が下がって被写体Hを圧迫する。
【0058】
検出器保持部12が配置された位置は、保持部位置判別装置24により認識されて、制御部100に伝えられる。制御部100は、この位置情報に対応する絞り値になるように絞り装置7の絞り口を開閉させる。
【0059】
次に、輝尽性蛍光体プレート17が検出器保持部12の所定の位置に載置されているか否かが検出器検知センサ24によって検知され、この情報が制御部100に送られる。制御部100は、取得した情報から輝尽性蛍光体プレート17が適切に載置されていないと判断した場合にはその旨を表示部142に表示させる。また、検出器保持部12に輝尽性蛍光体プレート17が適切に載置されていると判断した場合には、制御部100は、放射線源6に対して所定の管電圧を印加し管電流を通電させるように電源部15を制御し、放射線源6から被写体台10に載置された被写体Hに対して、放射線が照射される。なお、検出器保持部12の上には輝尽性蛍光体プレート17のみが載置されているため、カセッテの前面板によって放射線が吸収されることなく、輝尽性蛍光体プレート上に直接放射線が照射されることが可能となる。
【0060】
放射線源6から放射線が照射されている間、被写体Hを透過した放射線量が放射線量検出器13により検出され、透過した放射線量が所定の量に到達すると、前記制御部100に対して信号が送られる。制御部100は放射線量検出器13からの信号を受けると、電源部15の管電圧の印加及び管電流の通電を停止させ、放射線源6からの放射線の照射を停止させる。
【0061】
放射線の照射が停止され撮影が終了すると、制御部100は、検出器搬送機構18を制御することにより搬送ローラ21,21…を回転させることにより輝尽性蛍光体プレート17を各搬送ベルト20a,20a,20b,20bの間隙に保持させたまま搬送ベルト20a,20a,20b,20bに沿って搬送ベルト20a,20a,20b,20bの上端部に向かって移動させるとともに、画像読取装置22の励起光源221を制御して励起光を発生させる。
【0062】
制御部100は、ポリゴンミラー223及びミラー224を制御することによって輝尽性蛍光体プレート17が搬送ベルト20a,20a,20b,20bの搬送方向に搬送されていく間に輝尽性蛍光体プレート17の全面に励起光が順次走査されるようにする。励起光が照射されることによって発生した輝尽性発光による光がフォトマルチプライヤ225によって検出され、検出された光は光電変換されて画像信号となり、制御部100に送られる。制御部100は、送られた画像信号に基づき必要な画像処理を行った後、記憶部101に記憶するか、または例えばCRT等のディスプレイ上に可視像として表示させる。
【0063】
画像読取装置22による放射線画像の読み取りが終了すると、制御部100は検出器搬送機構18を制御して、駆動手段により、搬送ローラ21,21…を逆回転させることにより搬送ベルト20a,20a,20b,20bに沿って輝尽性蛍光体プレート17を検出器保持部12の所定の位置まで搬送させる。この際、制御部100は消去装置23を制御して消去光源231を点灯させ、輝尽性蛍光体プレート17に消去光を照射させる。これにより輝尽性蛍光体プレート17に残存する画像情報は輝尽性蛍光体プレート17が搬送方向に搬送されるに伴い順次消去される。
【0064】
なお、本実施形態では、被写体台10と検出器保持部12の間をすべて囲むように遮光部材30を設けるようにしたが、図4に示すように、遮光部材30を検出器保持部12の周囲のみを囲むように設けてもよい。この場合には、遮光部材30が放射線画像撮影を行うにあたって障害とならないように、遮光部材30の被写体台10に対向する面は放射線透過率の高い部材によって形成される。この点、例えばカセッテを用いて撮影を行えば別途遮光部材30を用いる必要はなくなるが、カセッテは輝尽性蛍光体プレート17を保護するため一定の強度を備えるものでなければならないのに対して、遮光部材30はこのような強度を備える必要がないため、カセッテの前面板に比して極薄い部材によって形成することができる。その結果、例えば輝尽性蛍光体プレート17をカセッテに収納した状態で撮影する場合と比較して放射線透過率を放射線画像撮影を阻害しない程度に高くすることが可能である。
【0065】
なお、本実施形態は、一枚の輝尽性蛍光体プレート17について繰り返し撮影及び画像読み取りを行うものとしたが、乳房画像撮影装置1が二枚の輝尽性蛍光体プレート17を同時に有し、一方の輝尽性蛍光体プレート17で撮影を行っている間に、他方の輝尽性蛍光体プレート17について画像読み取りを行うことができるようにしてもよい。
【0066】
本実施形態によれば、検出器保持部12が遮光された状態の下で撮影を行うので、輝尽性蛍光体プレート17を収納する筐体であるカセッテ等を用いずに輝尽性蛍光体プレート17を直接検出器保持部12に保持させて撮影を行うことができる。そのため、カセッテの前面板等による放射線の吸収が発生せず、放射線量子ノイズの増加による撮影画像の画質低下を防止することができる。
【0067】
次に、図5を参照しつつ、本発明による第二の実施の形態について、第一の実施の形態と異なる点を説明する。なお、本実施形態において、第一の実施の形態と同一の符号を付したものについては、第一の実施の形態と同様である。
【0068】
本実施形態においては、図5に示すように、乳房画像撮影装置31には、被写体台10が、撮影装置本体2に固定して設けられている。
【0069】
また、撮影装置本体2の下方に延在する支持部5の所定の位置には、2つの検出器保持部32a,32bが、検出器保持部32a,32bの一端を支持部5に固定して設けられている。検出器保持部32a,32bは、図示しない駆動装置により、検出器保持部32a,32bの固定端を支点として支持部5に対して上方に回動可能となっており、使用する検出器保持部32が選択的に放射線照射方向に対して垂直位置に倒されることにより、放射線源6と使用する放射線画像検出器としての輝尽性蛍光体プレートとの間隔が変更されるようになっている。なお、検出器保持部32bは、支持部5から突出している側が、支持部5に対して沿わせるように収納した場合に検出器保持部32aの固定端と干渉しない程度に、検出器保持部32b内にスライドして収納されるようになっている。
【0070】
支持部5には、検出器保持部32が選択的に放射線照射方向に対して垂直位置に倒されて放射線を読取可能な状態にあるときに、検出器保持部32の位置が検出できるようにセンサが設けられており、これにより撮影に使用される検出器保持部32が認識されるようになっている。
【0071】
なお、乳房画像撮影装置31の場合、検出器保持部32a,32bは、放射線管焦点61との間隔が105cm以上150cm以下となるように設けることが、コントラストが高い良質な放射線画像を得る上で好ましい。
【0072】
支持部5の内部には、検出器保持部32a及び検出器保持部32bの取り付け位置の水平位置から上方にかけて、それぞれ輝尽性蛍光体プレートを検出器保持部32a,検出器保持部32bに搬送するための第一実施形態に示したものと同様の検出器搬送機構が配設されている。また、支持部5の内部であって検出器搬送機構の近傍には、画像読取装置及び消去装置が配設されている。
【0073】
また、本実施形態において、乳房画像撮影装置31は、第一の実施形態に示したものと同様の遮光部材を有しており、また、第一の実施形態に示したものと同様の制御部を備えている。
【0074】
次に、本実施形態の作用について説明する。
操作者によって入力部141から撮影条件等が入力されると、入力された情報及びセンサによって取得された情報等から撮影に使用される検出器保持部32が判断される。
【0075】
次に、検出器検知センサによって輝尽性蛍光体プレートが撮影に使用される検出器保持部32の所定位置にセットされたか否かが検知され、適正にセットされている場合には、電源部15を制御して放射線源6に電圧を印加させ、放射線が照射される。
【0076】
撮影が終了すると、検出器搬送機構が制御されて、輝尽性蛍光体プレートが搬送ベルトに沿って検出器搬送機構の上端部まで搬送される。その際、画像読取装置が制御され、輝尽性蛍光体プレートに記録された画像情報の読み取りが行われる。画像情報の読み取りが終了すると、検出器搬送機構が制御されることにより、輝尽性蛍光体プレートが検出器保持部32の所定位置まで搬送される。この際、消去装置が制御され、輝尽性蛍光体プレートが搬送されるに伴い輝尽性蛍光体プレートに残存する画像情報の消去が行われる。
【0077】
なお、本発明は、本実施形態に限られないことは第一の実施形態と同様である。
【0078】
また、本実施形態においては、検出器保持部32a,32bを、支持部5の所定の位置に、検出器保持部32a,32bの上面の一端を支持部5に固定して設け、固定端を支軸として回動させることにより使用しない検出器保持部32a,32bを放射線の照射野内から退避可能としたが、検出器保持部32a,32bを支持部5の被写体側にスライド可能に設け、使用しない検出器保持部32a,32bを被写体側に引き出して取り外すことにより放射線の照射野内から退避可能としてもよい。
【0079】
次に、本発明による第三の実施の形態について、図6を参照しつつ、第一の実施の形態と異なる点を説明する。なお、本実施形態において、第一の実施の形態と同一の符号を付したものについては、第一の実施の形態と同様である。
【0080】
本実施形態においては、乳房画像撮影装置の撮影装置本体2の下方に延在する支持部5の所定の位置には、検出器保持部が、検出器保持部42一端を支持部5に固定して設けられている。図6に示すように、検出器保持部42は、上面のない薄い箱型に形成されており、検出器保持部42の両内側面には放射線照射方向に対して垂直方向に延在するガイド溝43が設けられている。
【0081】
支持部5の側面であって検出器保持部42の取付位置の近傍には、放射線照射方向に対して垂直方向に延在する開口44が形成されている。開口44は、輝尽性蛍光体プレート17の幅よりもわずかに大きい幅寸法を有しており、支持部5の内部であって開口44の近傍には、輝尽性蛍光体プレート17に記録された画像情報を読み取る画像読取装置45と画像読取装置45による読取後に画像情報を消去する消去装置46とが、一体として設けられている。消去装置46は画像読取装置45の移動方向の後方に位置し、画像読取装置45及び消去装置46は、図示しない駆動装置により、輝尽性蛍光体プレート17の上方を検出器保持部42に設けられた前記ガイド溝43に沿って検出器保持部42の前端部に向かって移動可能となっている。
なお、画像読取装置45及び消去装置46の側面であって前記ガイド溝43に摺接する位置には、画像読取装置45及び消去装置46の位置を検知するセンサ(図示せず)が設けられている。また、画像読取装置45及び消去装置46は、撮影時には撮影を阻害しないように前記開口44から支持部5の内部に格納されるようになっている。
【0082】
なお、乳房画像撮影装置の場合、検出器保持部42は、放射線管焦点61との間隔が105cm以上150cm以下となるように設けることが、コントラストが高い良質な放射線画像を得る上で好ましい。
【0083】
なお、乳房画像撮影装置は、第一実施形態におけるものと同様の遮光部材を有している。また、第一実施形態におけるものと同様の制御部を備えている。また、本実施形態で示した構成は、図1に示す第一の実施形態における乳房画像撮影装置1及び図5に示す第二の実施形態における乳房画像撮影装置31にも適用可能なものである。
【0084】
次に、本実施形態の作用について説明する。
操作者によって入力部141から撮影条件等が入力されると、撮影装置駆動機構が制御されることによって患者の身長等の条件に合わせて撮影装置本体の高さ等が調整される。次に、検出器保持部42に設けられている検出器検知センサによって輝尽性蛍光体プレート17が検出器保持部42の所定位置に載置されたか否かが検知される。また、画像読取装置45及び消去装置46の位置がセンサによって検知される。画像読取装置45及び消去装置46が支持部5の内部に完全に格納されたことが確認され、かつ、輝尽性蛍光体プレート17が検出器保持部42の所定位置に適正に載置されている場合には、電源部15が制御されて放射線源に電圧が印加され、放射線が照射される。
【0085】
放射線量検出器の検出した放射線量が一定量を超えると、電源部15を制御することにより、電源部15からの管電圧の印加及び管電流の通電が中止され、放射線画像撮影が終了する。
【0086】
撮影が終了すると、駆動装置によって画像読取装置45及び消去装置46を検出器保持部42のガイド溝43に沿って輝尽性蛍光体プレート17の上方を移動させる。その際、画像読取装置45は発光部で発生させた励起光を輝尽性蛍光体プレート17の上面に照射させるとともに、励起光の照射によって輝尽性蛍光体プレート17上に生じる輝尽性発光光をフォトマルチプライヤによって検知させる。画像の読み取りが行われた後、駆動装置を駆動させることにより画像読取装置45と消去装置46とは支持部5の中の所定の位置に移動される。この際、消去装置46が輝尽性蛍光体プレートの上面に消去光を照射することにより輝尽性蛍光体プレート17に残存する画像情報を消去させる。
【0087】
画像読取装置45と消去装置46とが支持部5の中の所定の位置に完全に収納されると、乳房画像撮影装置41は撮影可能な状態となる。
【0088】
なお、本発明は、本実施形態に限られないことは第一の実施形態と同様である。
【0089】
また、本実施形態においては、画像読取装置及び消去装置は、輝尽性蛍光体プレートの上方を移動可能としたが、検出器保持部42と輝尽性蛍光体プレートとの間に間隙を設け、画像読取装置及び消去装置が、輝尽性蛍光体プレートと検出器保持部42との間にある間隙を移動可能としてもよい。
【0090】
次に、本発明による第四の実施の形態について、図7を参照しつつ、第一の実施の形態と異なる点を説明する。なお、本実施形態において、第一の実施の形態と同一の符号を付したものについては、第一の実施の形態と同様である。
【0091】
本実施形態においては、乳房画像撮影装置の撮影装置本体2の下方に延在する支持部5の所定の位置には、検出器保持部52が、検出器保持部部52の一端を支持部5に固定して設けられている。
【0092】
支持部5の放射線照射野に対向する面であって検出器保持部52の取り付け位置の下方には検出器保持部52の幅とほぼ等しい幅に形成されたユニット装着口56が設けられている。
【0093】
また、支持部5の内部であって放射線の照射野側の面には、検出器搬送機構58が設けられている。図7に示すように、検出器搬送機構58は、上下に位置し間にほぼ逆L字状の搬送路を形成する一対の搬送ベルト50a,50a,50b,50bを備えている。この搬送ベルト50a,50a,50b,50bは、検出器保持部52の両側にそれぞれ配置されるようになっており、搬送ベルト50a,50a,50b,50bの上端部は、検出器保持部52の両側面に配置されるとともに、下端部は、ユニット装着口56の上端に延在する位置に配置されるようになっている。また、各搬送ベルト50a,50a,50b,50bの内側には、図示しない駆動機構により回転駆動され搬送ベルト50a,50a,50b,50bを動作させるための複数の搬送ローラ51,51…が配設されている。
【0094】
また、前記ユニット装着口56には、輝尽性蛍光体プレートに記録された画像を読み取る画像読取装置551と画像読取後に画像情報を消去する消去装置552とを備える画像読取ユニット55が、着脱自在に装着されている。画像読取ユニット55の上面一端であって前記搬送ベルト50a,50a,50b,50bの下方には、輝尽性蛍光体プレートを挿入するための検出器挿入口53が形成されている。検出器挿入口53の近傍であって、前記各搬送ベルト50a,50a,50b,50bに対応する位置には、挿入された輝尽性蛍光体プレートを画像読取ユニット55の内部に引き込み、搬送するためのガイドローラ54,54…が複数設けられている。ガイドローラ54,54…は、輝尽性蛍光体プレートの厚さ寸法とほぼ等しく支持部に沿って放射線照射方向と反対方向に延在する搬送路を形成しており、図示しない駆動源によって回転し、輝尽性蛍光体プレートを支持部に沿って搬送可能となっている。
【0095】
なお、本実施形態において、乳房画像撮影装置は、第一の実施形態におけると同様の遮光部材を有している。また、第一の実施形態におけると同様の制御部を備えている。また、本実施形態で示した構成は、図1に示す第一の実施形態における乳房画像撮影装置1及び図5に示す第二の実施形態における乳房画像撮影装置31にも適用可能なものである。
【0096】
なお、本実施形態においては、ユニット装着口56を支持部5の放射線照射野に対向する面であって検出器保持部52の取り付け位置の下方に位置するものとし、画像読取ユニット55を放射線照射野側から装着するものとしたが、ユニット装着口56を支持部5の放射線照射野と反対側の面に配置するものとし、画像読取ユニット55を放射線照射野側の反対側から装着するものとしてもよい。
【0097】
次に、本実施形態における作用について説明する。
検出器保持部52に載置された輝尽性蛍光体プレートに放射線が照射されることによって、放射線画像撮影が行われた後、検出器搬送機構58が制御されることにより搬送ローラ51,51…が回転し、輝尽性蛍光体プレートを各搬送ベルト50a,50a,50b,50bの間隙に保持させたまま搬送ベルト50a,50a,50b,50bに沿って検出器挿入口53に向かって移動させる。輝尽性蛍光体プレートが検出器挿入口53まで搬送されると、画像読取ユニット55の中のガイドローラ54,54…が回転し、輝尽性蛍光体プレートを画像読取ユニット55の中に引き込むとともに下方に向かって搬送する。同時に、画像読取装置551が制御されて輝尽性蛍光体プレートに記録された画像の読取が行われる。画像読取装置551による放射線画像の読み取りが終了すると、ガイドローラ54,54…が逆回転することにより輝尽性蛍光体プレートは検出器挿入口53に向かって搬送される。この際、消去装置552が制御され、消去光源が点灯されて輝尽性蛍光体プレートに残存する画像情報が輝尽性蛍光体プレートが搬送方向に搬送されるに伴い順次消去される。
【0098】
輝尽性蛍光体プレートが検出器挿入口53まで搬送されると、さらに、検出器搬送機構58が制御されて搬送ローラ51,51…が回転し、輝尽性蛍光体プレートは搬送ベルト50a,50a,50b,50bによって検出器搬送機構58の搬送路に引き込まれて、検出器保持部52まで搬送される。
【0099】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載された発明によれば、画像読取装置と消去装置とを乳房画像撮影装置と一体に設けているため、撮影を行った後、操作者がカセッテに収納された放射線画像検出器を撮影装置から取り出して画像読取装置まで運ぶ手間を省くことができるとともに、放射線画像検出器が異なるカセッテに誤って収納されることが防止でき、医療用に用いられる乳房画像撮影装置において、より信頼度の高い画像記録を行うことができるという効果がある。
【0100】
また、検出器保持部を遮光部材で覆っているので、周囲の光によって輝尽性蛍光体プレートが感光することがなく、放射線画像検出器を収納するための筐体であるカセッテを用いずに撮影を行うことができる。したがって、放射線源から照射された放射線がカセッテの前面板によって吸収されることなく放射線画像検出器に到達するので、放射線量の低下による放射線量子ノイズの増大を防止することができ、より高精密な画像撮影を行うことができるという効果がある。
【0101】
次に、請求項2に記載された発明によれば、放射線画像検出器が載置され撮影可能な状態になっていないと放射線が照射されないので、被写体を提供する患者が不必要な被曝をすることがなく、患者の身体の安全を確保しつつ撮影を行うことが可能となるという効果がある。
【0102】
さらに、請求項3に記載された発明によれば、放射線画像検出器が載置されていないときには、撮影を行うことができない状態であることが表示部に表示されるので、撮影可能な状態か否かを操作者が視認することができる。このため、撮影可能な状態でないのに誤って放射線が照射されることを防止することができ、被写体を提供する患者の不必要な被曝を適切に防止することにより安全に乳房画像撮影を行うことができるという効果がある。
【0103】
また、請求項4に記載された発明によれば、通常コントラスト撮影よりも被写体の境界のコントラストを高く描写でき、高精細な放射線画像を得ることが可能な位相コントラスト撮影を行う場合に、拡大倍率を任意に調整することができるという効果がある。
【0104】
また、請求項5に記載された発明によれば、被写体の境界のコントラストを高く描写でき、高精細な放射線画像を得ることが可能な位相コントラスト撮影を行う場合に、操作者が倍率を手動で調整する必要がないため装置の操作性が向上するとの効果がある。
【0105】
また、請求項6に記載された発明によれば、画像読取装置及び消去装置を撮影装置に簡易に取り付けることができるため、撮影後に放射線画像検出器を撮影装置から取り出すことなく、画像読取装置及び消去装置を撮影装置に装着するだけで画像情報の読み取り及び消去を行うことができるという効果がある。
【0106】
また、請求項7に記載された発明によれば、損傷しやすく光に当たると感光するという性質を有する輝尽性蛍光体プレートを放射線画像検出器として用いる場合にも、カセッテの前面板がない状態での高精細な画像撮影を行うことができるとの効果がある。
【0107】
また、請求項8に記載された発明によれば、放射線が被写体を透過するときに生じる位相のずれによる回折や屈折現象により、被写体のコントラストが高い放射線画像を撮影することができるとの効果がある。
【0108】
また、請求項9に記載された発明によれば、撮影に焦点径が50μm以上250μm以下である小焦点の放射線源を用いるので、通常の吸収コントラスト撮影に比べて被写体の境界のコントラストを高く描写でき、高精細な放射線画像を得ることのできる位相コントラスト撮影を行うことができるとの効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による乳房画像撮影装置の第一の実施形態の構成を示す側面図である。
【図2】本発明による乳房画像撮影装置の検出器搬送機構及び画像読取装置、消去装置の構成を示す側面図である。
【図3】本発明による乳房画像撮影装置の制御構成を示すブロック図である。
【図4】本発明による乳房画像撮影装置の第一の実施形態の一変形例を表す側面図である。
【図5】本発明による乳房画像撮影装置の第二の実施形態の構成を表す側面図である。
【図6】本発明による乳房画像撮影装置の第三の実施形態の検出器保持部部分を表す斜視図である。
【図7】本発明による乳房画像撮影装置の第四の実施形態の検出器搬送機構及び画像読取装置、消去装置の構成を示す側面図である。
【符号の説明】
1 乳房画像撮影装置
2 撮影装置本体
3 支持基台
4 支軸
5 支持部
6 放射線源
8 開口部
9 本体部
10 被写体台
12 検出器保持部
13 放射線量検出器
17 輝尽性蛍光体プレート
18 検出器搬送機構
20a,b 搬送ベルト
21 搬送ローラ
22 画像読取装置
23 消去装置
24 保持部位置判別装置
25 検出器検知センサ
26 撮影装置駆動機構
27 保持部駆動機構
30 遮光部材
42a,b,c 検出器保持部
100 制御部

Claims (9)

  1. 被写体に放射線を照射する放射線源と、前記被写体を前記放射線源に対峙するように載置する被写体台と、前記被写体を透過した放射線を検出する放射線画像検出器を保持する検出器保持部とを備えてなる乳房画像撮影装置において、
    前記検出器保持部を覆う遮光部材を備えるとともに、前記検出器保持部は、放射線画像検出器に直接放射線が照射されるように前記放射線画像検出器を保持し、前記放射線画像検出器に記録された放射線画像を読み取る画像読取装置及び記録画像を消去する消去装置を備えることを特徴とする乳房画像撮影装置。
  2. 前記放射線画像検出器が前記検出器保持部に載置されていないときには前記放射線源から放射線が照射されないように制御する制御部を有することを特徴とする請求項1に記載の乳房画像撮影装置。
  3. 前記制御部は、前記放射線画像検出器が前記検出器保持部に載置されているか否かを表示部に表示させるように制御することを特徴とする請求項2に記載の乳房画像撮影装置。
  4. 前記検知器保持部は、前記放射線源に対する距離を可変自在に設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の乳房画像撮影装置。
  5. 前記検知器保持部は、少なくとも一つ以上固定して設けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の乳房画像撮影装置。
  6. 前記画像読取装置及び前記消去装置は、着脱可能に設けらていれることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の乳房画像撮影装置。
  7. 前記放射線画像検出器は、輝尽性蛍光体プレートであることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の乳房画像撮影装置。
  8. 前記放射線源と前記放射線画像検出器との間隔を75cm以上、前記被写体台と前記放射線画像検出器との間隔を15cm以上としたことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の乳房画像撮影装置。
  9. 前記放射線源の焦点径が50μm以上250μm以下であることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の乳房画像撮影装置。
JP2003069334A 2003-03-14 2003-03-14 乳房画像撮影装置 Pending JP2004275325A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012120715A (ja) * 2010-12-08 2012-06-28 Fujifilm Corp 放射線画像検出装置、放射線撮影装置、放射線撮影システム
JP2015150174A (ja) * 2014-02-13 2015-08-24 株式会社東芝 Ip読み取り装置及びx線診断装置

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