JP2004273383A - MoSi2製帯状発熱体及び同発熱体の製造方法 - Google Patents

MoSi2製帯状発熱体及び同発熱体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】端子部の発熱を抑えるとともに、発熱部の面積をできるだけ広くすることができ、加熱炉等の底壁、上壁、側壁等にMoSi製帯状発熱体を密に設置し、効率的な加熱ができるMoSi製帯状発熱体及び同発熱体の製造方法を提供する。
【解決手段】MoSi製帯状発熱体の発熱部に、多数の小孔を備えているMoSi製帯状発熱体及びMoSi製帯状発熱体の製造方法であって、発熱体の原料粉末をバインダーと混合し、この混合物を型から押出すか又はプレス成型して帯状の成型体とし、この押出し材又は成型体にレーザー加工又はウォータージェット加工により、帯状体の発熱部にランダム若しくは規則配列した小孔又は帯状体の長手方向に沿うスリット又は空所を形成し、これを通電加熱焼結するか又は外部加熱により焼結するMoSi製帯状発熱体の製造方法。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、発熱体の集積性が高く高温化及び温度制御が容易であり、また加熱時の変形(あばれ)やショート等の故障が少なく、特に発熱部の発熱を効果的に被熱処理物に輻射伝熱できるMoSi製帯状発熱体及び同発熱体の製造方法に関する。
なお、本明細書で使用するMoSi製帯状発熱体は、純MoSi乃至MoSiにSiO等の絶縁性酸化物等を含有させて(通常、MoSiは70wt%以上含有する)電気抵抗を増加させたMoSi主成分とする発熱体を含む。
【0002】
【従来の技術】
二珪化モリブデン(MoSi)を主成分とする発熱体は、優れた耐酸化特性を有するため、特に大気又は酸化性雰囲気下で使用する超高温発熱体として1950〜1960年頃から市販され、現在まで幅広い用途で使用されている。この発熱体は主成分として、MoSiを70wt%以上含有している。
従来、ガラス工業やセラミックス焼成等の多くの分野で使用されている発熱体は発熱部(なお、通常「発熱部」は、通電時に主として発熱する発熱体の径が細い部分(端子部以外)を意味する。)が1つのU字形を成す形状(2シャンク型)をしており、炉の天井や側壁から宙吊りに取り付けられ、その炉の最高使用温度は1700〜1850°Cに達する。
【0003】
最近、半導体デバイスの微細化及びデバイス製造時間の短縮化と省エネルギー化に伴い、従来金属発熱体が使用されていたCVD装置や拡散炉等の半導体製造装置にMoSiを主成分とする発熱体が利用されるようになってきた。
MoSiを主成分とする発熱体は優れた耐熱特性を有し、金属発熱体の約10倍の表面負荷が可能であり、また急速加熱昇温することができる大きな特長を有する。
一般に、半導体製造装置に使用される熱処理炉は炉内の温度分布を厳密に制御するなど、非常に高精度な温度特性が要求される。
【0004】
MoSiを主成分とする発熱体は、図6に示すように、通常棒状の発熱体素材をU字形に曲げ、この発熱部の両端に端子部を溶接したU字形発熱体が使用されている。図6においてU字形発熱体11は発熱部12、溶接部13、グリップ(端子)部14、電極部15からなる。
しかし、この端子部は発熱部に比べて温度低下が大きいので、上記のような精密な温度制御が必要となる炉では、端子部を減らすために同様に棒状の発熱体素材を曲げたU字形の発熱部を多数連接した形状(マルチシャンク)の発熱体が提案されている。
このような多数連接した発熱体の形状は、炉の内外を貫通する端子部の数が減るので該端子部から放熱する熱損失を減少させることができ、炉の温度の均一化に一定の効果があると考えられている。
【0005】
最近は発熱体の集積性を高め、かつ熱のコントロールを正確にできる発熱体が求められている。ところが棒状の発熱体素材を曲げた発熱体又は溶接した発熱体は加熱時の変形(あばれ)が生じ易く、曲げ部を密にした場合はショート等の事故が発生するという問題があった。したがって、集積性を高めた高精度の発熱体を製造することは事実上難しいという問題があった。
このようなことから、同じ断面積を有する発熱体でも被熱処理物が位置する方向への発熱部の面積を増加させたMoSi製の帯状発熱体が提案されている。発熱体全体が同一組成であり、かつ端子部が発熱部と同じ程度の断面積を有する場合、端子部も同様に高温に発熱するので、この端子部の発熱を抑えるために端子部の断面積を発熱部の4倍以上にするか又は発熱部の断面積を端子部の1/4以下にすることが行われる。
一般には、発熱部の線径や板幅を縮小して断面積を1/4以下にすることが行われているが、これは上記の発熱部の面積を増加させるという目的に合致せず、材料のコストアップと発熱面積の非効率化という問題になっている。
【0006】
二つの黒体面の輻射伝熱を考える場合、二つの黒体面の面積をそれぞれA、Aとし、絶対温度をそれぞれT、Tとすると、各黒体面の単位面積当たりの輻射は、ステファン・ボルツマンの法則によって、それぞれの絶対温度の4乗とステファン・ボルツマン定数sに比例して輻射エネルギーを放出するので、一方のA面から見た伝熱量Qは、それらの差となるため、Q=s(T −T )・A・F12で表される。
12は面Aと面A間の形態係数と呼ばれ、二つの面の幾何学的配置関係から決定される値である。その意味は、一方の面の、全ての位置から発射された輻射線が相手の面内に到達する割合を足し合わせた値と考えることができ、0〜1の値で表さられる。
【0007】
上記の式より、形態係数が大きいすなわち1に近いほど、伝熱量が大きくなることが分かる。したがって、発熱体と被熱処理物の関係で考える場合は、発熱体と被熱処理物の幾何学的配置や発熱体形状の変更により形態係数を大きくとることができれば、発熱体の発熱を効果的に被熱処理物に輻射伝熱することができる。
そこで、同じ断面積を有する発熱体で比較すると、断面積が円である従来の棒状の形状より、被熱処理物が位置する方向に向き合う発熱部の面積(幅)を広げ、また厚さを薄くした形状の方が形態係数を大きくすることができ、被熱処理物を効果的に加熱できる。また、幅広にすると発熱体のあばれを小さくできるメリットもある。
【0008】
また、実際に発熱体として使用する場合、端子部の抵抗は発熱部の約1/4にする必要がある。発熱部と端子部が同程度の抵抗である場合は、端子部までが高温に加熱されてしまい冷却機能のついた特殊な給電構造を必要とする。そのため、発熱体の交換が容易で安価な給電構造にするには、上記のように端子部の抵抗を発熱部の1/4にする必要がある。
一般に、MoSiを主体とする発熱体では、端子部と発熱部の抵抗に差をつけるためには、発熱体の組成を変更するよりも、端子部の断面積を大きくすることが行われている。例えば、市販されている発熱部の径がφ3、φ4、φ6の発熱体では、端子部がそれぞれφ6、φ9、φ12に対応しており、直径が2倍以上、断面積で4倍以上になっている。
【0009】
形態係数を大きくできる帯状発熱体においても、従来は同様に端子部の断面積を発熱部の約4倍以上にするか、又は発熱部の断面積を端子部の約1/4にすることが行われている。しかし、板厚が同じ場合は、発熱部に比べ端子部の板幅が約4倍以上必要になる。
複数の発熱体をそのまま並列させて使用する場合は、端子部の板幅が規制される幅となって高集積化できないという問題があり、単独の発熱体では形態係数を大きくできても、設置枚数が少ない(1個)ので、特殊な装置に使用するというケースに限られ、全体としては十分な効果が得られない。
また、板幅を同じにして端子部の板厚を発熱部の約4倍にした場合は、同一の材料から製作する場合は加工が非常に煩雑となり、材料の無駄が非常に多くなる。板厚の異なる2ピースの板を接合して製作する場合には、接合条件が棒状に比べてはるかに難しく、また接合強度も不安定になるという問題があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、端子部の発熱を抑えるとともに、発熱部の面積をできるだけ広くすることができ、加熱炉等の底壁、上壁、側壁等にMoSi製帯状発熱体を密に設置し、効率的な輻射伝熱ができるMoSi製帯状発熱体及び同発熱体の製造方法を提供する。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明者らは鋭意研究の結果、MoSi製発熱体を帯状に成形し、かつ集積度を高めるように帯状体に工夫を施すことにより発熱面積を広範囲にできるとの知見を得た。
本発明はこの知見に基づき、
1.MoSi製帯状発熱体の発熱部に、多数の小孔を備えていることを特徴とするMoSi製帯状発熱体
2.小孔が規則性をもって配列されていることを特徴とする上記1記載のMoSi製帯状発熱体
3.小孔がランダムに配列されていることを特徴とする上記1記載のMoSi製帯状発熱体
4.MoSi製帯状発熱体の発熱部に、帯の長手方向に沿うスリット又は空所を備えていることを特徴とするMoSi製帯状発熱体
5.同一平面上で、円弧形、波形、V字形、U字形又は矩形等の1又は連続形状を備えていることを特徴とする上記1〜4のそれぞれに記載のMoSi製帯状発熱体
6.MoSi製帯状発熱体が立体的に円弧形、波形、U字形、矩形、リング形又はスパイラル形等の1又は連続形状を備えていることを特徴とする上記1〜4のそれぞれに記載のMoSi製帯状発熱体
7.端子部の板幅が発熱部の板幅の3倍以下であることを特徴とする上記1〜6のそれぞれに記載のMoSi製帯状発熱体。
8.端子部の板厚が発熱部の板厚の3倍以下であることを特徴とする上記1〜7のそれぞれに記載のMoSi製帯状発熱体。
を提供する。
【0012】
また、本発明は、
9.MoSi製帯状発熱体の製造方法であって、発熱体の原料粉末をバインダーと混合し、この混合物を型から押出すか又はプレス成型して帯状の成型体とし、この押出し材又は成型体に電子ビーム加工、レーザー加工又はウォータージェット加工により、帯状体の発熱部にランダム若しくは規則配列した小孔又は帯状体の長手方向に沿うスリット又は空所を形成し、これを脱脂後に通電加熱焼結するか又は外部加熱により焼結することを特徴とMoSi製帯状発熱体の製造方法
10.複数の小孔又はスリット若しくは空所を形成する前後に、帯状の押出し材又はプレス成型材を機械加工、電子ビーム加工、レーザー加工又はウォータージェット加工により同一平面上で円弧形、波形、V字形、U字形又は矩形等の1又は連続形状に加工することを特徴とする上記9記載のMoSi製帯状発熱体の製造方法
11.複数の小孔又はスリット若しくは空所を形成した帯状の押出し材又はプレス成型材を脱脂・焼結後に立体的に円弧形、波形、V字形、U字形、矩形、リング形又はスパイラル形等の1又は連続形状に加工することを特徴とする上記9又は10記載のMoSi製帯状発熱体の製造方法
12.通電加熱焼結の前に、脱脂及び一次焼結することを特徴とする上記9〜11のそれぞれに記載のMoSi製帯状発熱体の製造方法
を提供する。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明のMoSi製帯状発熱体を製造する際には、まず発熱体の原料粉末をバインダーと混合し、この混合物を型から押出して帯状の(グリーン)成形体とするか又はプレス成型して帯状の成型体とする。
本発明において重要なことは、前記押出し材又は成型体にレーザー加工又はウォータージェット加工により、帯状体の発熱部にランダム若しくは規則配列した小孔又は帯状体の長手方向に沿うスリット若しくは空所を形成することである。この小孔又は帯状体の長手方向に沿うスリット若しくは空所は、結果として板幅方向の材料断面積を減少させる(なお、ここで言う「材料断面積」は文字通り、帯状体の外形寸法の断面積ではなく、材料そのものの実効断面積である)。しかし、板幅の外形寸法は減少させない効果がある。すなわち、本発明は発熱体の形状改良により、形態係数を大きくするものである。帯状体の発熱部の幅方向断面積が端子部の約1/4となるようにするのが望ましい。
これによって、帯状体の板幅を変えずに端子部の発熱を防止することができるという大きな効果が得られる。したがって、単なる帯状体として使用するならば、このままの形でMoSi製帯状発熱体とすることができ、加工コストを低減し、歩留まりを向上させることができる。
【0014】
また、バインダーと混合し成形した成型体に内孔やスリットを入れる加工の前後に、この成型体を同一平面上で、レーザー加工、ウォータージェット加工、電子ビーム加工、打ち抜き加工等の機械加工を行い、所定の形状(例えば円弧形、波形、V字形、U字形又は矩形等の1又は連続形状)に成形し、用途に適合させた形状とすることができる。これらは全て同一平面上にある形状を有している。
以上の場合、所定の形状にする加工で、発熱部の断面積の減少があるため、小孔又は帯状体の長手方向に沿うスリット若しくは空所による端子部の板幅方向の材料断面積減少は少量でも良い。
生地の切り取り加工と、小孔やスリットの加工を合わせて、発熱部の断面積を端子部の約1/4とすることにより、交換が容易で安価な給電構造を有するMoSi製帯状発熱体とすることができる。
次に、この成形した材料を脱脂、一次焼結及び通電焼結又は外部加熱を経て高密度の焼結体とし、目的とする形状を持つMoSi製帯状発熱体を得ることができる。
【0015】
金属発熱体では孔を開けた形状の特許が散見される。しかし、MoSi製発熱体では前例がない。それはMoSi製発熱体が難加工性のため、直接電子ビームやレーザー加工等の熱衝撃を伴う加工を行った場合、局所的に加熱される部分とその周辺部での著しい温度差が原因で、MoSi製焼結発熱体が破損してしまうからである。したがって、このようなMoSi製発熱体のもつ性質の特殊性が孔を開けた形状が開発されなかった原因である。
しかし、本発明においては、一旦MoSi製焼結材料と有機物のバインダーと混合し、この混合物を型から押出すか又はプレス成形してバインダーを含んだMoSiを主体とする生地を作製し、その後電子ビームやレーザー加工等により加工するものである。これにより激しい熱衝撃を受けても、問題なく加工することができることが確認できた。
【0016】
MoSi製帯状発熱体は、例えば厚さ1〜5mm、幅8〜40mm、長さ600〜1500mmとすることができる。なお、この寸法は好適な一例であり、本発明は必ずしも、これらの寸法に制限されるものではない。
図1に、MoSi製帯状発熱体の代表的な形状例を示す。この例は、発熱体の原料粉末をバインダーと混合し、この混合物を型から押出して帯状の(グリーン)成形体とし、さらにこの帯状体の発熱部分を、レーザビームを使用し表面から裏面にかけて貫通する小孔をランダムに形成したものである。小孔は規則的に配列しても良い。
上記においては、押出しによって帯状体とする方法を用いたが、プレス成型により帯状の成型体とすることもできる。密度の高いより精密な成形体を得ることができれば、いずれの帯状体を使用しても良い。
【0017】
小孔の形成にはウォータージェットを使用することもできる。しかし、電子ビームやレーザビームによる加工は、加工速度が極めて高いので、生産効率を上げることができ、より望ましいと言える。
小孔を形成することによりMoSi製材料の発熱部の材料断面積が端子部の約1/4程度になるようにすることが望ましい。これによって、断面積が減少した発熱部分は高温に発熱するが、断面積の大きい端子部の発熱が抑制され、そしてこの端子部は加熱用電極に容易に接続させることができる。
【0018】
図2に、MoSi製帯状発熱体の別の形状例を示す。この例は、上記と同様に発熱体の原料粉末をバインダーと混合し、この混合物を型から押出して帯状の(グリーン)成形体とし又はプレス成形により帯状の成型体とし、さらにこの帯状体の発熱部分を、レーザビームを使用し表面から裏面にかけて貫通しかつ帯状体の長手方向に沿って伸びるスリットを複数本形成したものである。このスリットは1又は2以上の個数とすることができる。
同様に、スリットの形成にはウォータージェットを使用することもできる。スリットを形成することによりMoSi製材料の発熱部の材料断面積が端子部の約1/4以下程度になるようにすることが望ましい。これによって、断面積が減少した発熱部分は高温に発熱するが、断面積の大きい端子部の発熱が抑制され、そしてこの端子部は加熱用電極に容易に接続させることができる。
この例では、均一なスリットを形成する例を示したが、これは加工が容易で発熱する断面を容易に調整することができるためである。しかし、このような均一断面のスリットを形成するだけでなく、空間部(空所)の形状を使用目的に応じて、任意に設計することができる。
【0019】
上記においては、単純な帯状体の例を示したが、この帯状体を複数の小孔又はスリット若しくは空所を形成する前後又は同時に、レーザー加工、ウォータージェットあるいは打ち抜き加工し、同一平面上で所定の形状(例えば円弧形、波形、V字形、U字形又は矩形等の1又は連続形状)に成形することができる。その例を図3及び図4に示す。
また、従来のように端子部を広幅にし発熱部を狭幅にしあるいは発熱部の板厚を薄くすることもできる。
しかし、本発明はこの後に、小孔又はスリット若しくは空所を形成するので、発熱部を狭幅にしあるいは発熱部の板厚を薄くするという量は著しく減少させることができる。同一平面上で所定の形状に成形する場合、その加工により発熱部の断面積が減少するので小孔やスリットの加工密度を小さくできるメリットがある。
【0020】
例えば、図3では従来の端子部の幅は4倍以上必要であったものを、小孔やスリットの効果で3倍以下に、図4では従来の端子部の板厚が4倍以上必要であったものを小孔やスリットの効果で3倍以下にすることができる。このような両者の併用は特に妨げるものではない。
複数の小孔又はスリット若しくは空所を形成した帯状の押出し材又はプレス成型材を、使用条件に応じてさらに立体的に円弧形、波形、U字形、矩形、リング形又はスパイラル形等の1又は連続形状に加工することができる。これらの例を図5に示す。図5において(a)円弧形、(b)波形、(c)U字形、(d)矩形、(e)リング形、(f)スパイラルに加工したMoSi製帯状発熱体の例である。
【0021】
このようにして得た複数の小孔又はスリット若しくは空所を形成した成形体を脱脂、一次焼結及び通電加熱焼結することによって又は外部加熱による焼結よって、強度の高いMoSi製帯状発熱体を製造することができる。
本発明の帯状発熱体の大きな特徴点は、端子部を発熱させずに又は発熱を効果的に抑制して、より広い幅で面発熱ができるので、被熱処理物をより効率的に加熱することができることである。また、これによって、加熱炉の均熱性を高め、昇温速度を速くすることができる等の多くの利点がある。
さらに、帯状体は幅方向の変形が殆ど無いか又は著しく小さいために、帯状発熱体をそのまま使用する場合には密に設置(近接配置)できるので、発熱体の集積性が高く、高温化及び温度制御が容易であり、さらに炉等の均熱性を高めることができるという大きな利点がある。
【0022】
【発明の効果】
本発明のMoSi製帯状発熱体は、発熱部に複数の小孔又はスリット若しくは空所を形成することによって、端子部の発熱を効果的に抑制し、発熱部において板幅の外形寸法をより広くでき、広幅の面発熱ができるので、被熱処理物をより効率的に加熱することができるという優れた特徴を有する。また、端子部と発熱部の板厚が同じ場合は、端子部の板幅を発熱部の3倍以下にすることが可能であり、発熱体を高集積に配置することが可能である。
また、1枚の板から端子部と発熱部の双方を同時作製ができ、接合部を無くし、また接合部を極力減少させることが可能であるため、強度的に弱い接合部の破損の危険性を著しく低下させることができるメリットがある。
以上によって均熱性を高め、昇温速度を速くすることができる等の多くの利点がある。さらに、帯状体をそのまま使用する場合は、幅方向の変形が小さいために、帯状発熱体を密に設置(近接配置)できるので発熱体の集積性が高く、高温化及び温度制御が容易であり、さらに炉等の均熱性を高めることができるという大きな利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】帯状体の発熱部にランダムに小孔を形成したMoSi製帯状発熱体の模式図である。
【図2】帯状体の発熱部にスリットを形成したMoSi製帯状発熱体の模式図である。
【図3】帯状体の発熱部の幅を減少させランダムに小孔を形成したMoSi製帯状発熱体の模式図である。
【図4】帯状体の発熱部の厚さを減少させランダムに小孔を形成したMoSi製帯状発熱体の模式図である。
【図5】帯状体の発熱部に小孔を形成し、さらに長手方向に(a)円弧形、(b)波形、(c)U字形、(d)矩形、(e)リング形、(f)スパイラルに加工したMoSi製帯状発熱体の模式図である。
【図6】従来のU字形の発熱部を示す図である。
【符号の説明】
1 帯状の発熱体
2 小孔
3 スリット
4 発熱部の幅を縮小した発熱体
5 発熱部の厚さを減少させた発熱体
11 U字形発熱体
12 発熱部
13 溶接部
14 グリップ部
15 電極部

Claims (12)

  1. MoSi製帯状発熱体の発熱部に、多数の小孔を備えていることを特徴とするMoSi製帯状発熱体。
  2. 小孔が規則性をもって配列されていることを特徴とする請求項1記載のMoSi製帯状発熱体。
  3. 小孔がランダムに配列されていることを特徴とする請求項1記載のMoSi製帯状発熱体。
  4. MoSi製帯状発熱体の発熱部に、帯の長手方向に沿うスリット又は空所を備えていることを特徴とするMoSi製帯状発熱体。
  5. 同一平面上で、円弧形、波形、V字形、U字形又は矩形等の1又は連続形状を備えていることを特徴とする請求項1〜4のそれぞれに記載のMoSi製帯状発熱体。
  6. MoSi製帯状発熱体が立体的に円弧形、波形、U字形、矩形、リング形又はスパイラル形等の1又は連続形状を備えていることを特徴とする請求項1〜4のそれぞれに記載のMoSi製帯状発熱体。
  7. 端子部の板幅が発熱部の板幅の3倍以下であることを特徴とする請求項1〜6のそれぞれに記載のMoSi製帯状発熱体。
  8. 端子部の板厚が発熱部の板厚の3倍以下であることを特徴とする請求項1〜7のそれぞれに記載のMoSi製帯状発熱体。
  9. MoSi製帯状発熱体の製造方法であって、発熱体の原料粉末をバインダーと混合し、この混合物を型から押出すか又はプレス成型して帯状の成型体とし、この押出し材又は成型体に電子ビーム加工、レーザー加工又はウォータージェット加工により、帯状体の発熱部にランダム若しくは規則配列した小孔又は帯状体の長手方向に沿うスリット又は空所を形成し、これを脱脂後に通電加熱焼結するか又は外部加熱により焼結することを特徴とMoSi製帯状発熱体の製造方法。
  10. 複数の小孔又はスリット若しくは空所を形成する前後に、帯状の押出し材又はプレス成型材を機械加工、電子ビーム加工、レーザー加工又はウォータージェット加工により同一平面上で円弧形、波形、V字形、U字形又は矩形等の1又は連続形状に加工することを特徴とする請求項9記載のMoSi製帯状発熱体の製造方法。
  11. 複数の小孔又はスリット若しくは空所を形成した帯状の押出し材又はプレス成型材を脱脂・焼結後に、立体的に円弧形、波形、V字形、U字形、矩形、リング形又はスパイラル形等の1又は連続形状に加工することを特徴とする請求項9又は10記載のMoSi製帯状発熱体の製造方法。
  12. 通電加熱焼結の前に、脱脂及び一次焼結することを特徴とする請求項9〜11のそれぞれに記載のMoSi製帯状発熱体の製造方法。
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