JP2004273262A - 燃料電池 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電解質膜・電極構造体24(1)の第1導電性拡散層32と、電解質膜・電極構造体24(2)の第2導電性拡散層34とは、それぞれの第1および第2端部32a、34aが固体高分子電解質膜22を挟んで重なり合っている。この重合部位にリベット部材36が挿入されることにより、電解質膜・電極構造体24(1)の第1導電性拡散層32と、電解質膜・電極構造体24(2)の第2導電性拡散層34とが電気的に接続される。
【選択図】図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電解質をアノード側電極とカソード側電極とで挟んで構成される発電部を備え、複数の前記発電部が平面状に配設される燃料電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
通常、固体高分子形燃料電池は、高分子イオン交換膜(陽イオン交換膜)からなる電解質膜(電解質)を採用している。この電解質膜の両側に、それぞれカーボンを主体とする基材に貴金属系の電極触媒層を接合したアノード側電極およびカソード側電極を設けた電解質膜・電極構造体(発電部)を、セパレータ(バイポーラ板)によって挟持した単位セルを備えている。通常、この単位セルは、所定数だけ積層することにより燃料電池スタックとして使用されている。
【0003】
この種の燃料電池において、アノード側電極に供給された燃料ガス、例えば、主に水素を含有するガス(以下、水素含有ガスともいう)は、電極触媒上で水素がイオン化され、電解質を介してカソード側電極側へと移動する。その間に生じた電子は外部回路に取り出され、直流の電気エネルギとして利用される。なお、カソード側電極には、酸化剤ガス、例えば、主に酸素を含有するガスあるいは空気(以下、酸素含有ガスともいう)が供給されているために、このカソード側電極において、水素イオン、電子および酸素が反応して水が生成される。
【0004】
ところで、他の燃料電池では、複数の単位セルを平面状に1列または複数列に配設し、各単位セル同士を電気的に直列に接続した平面形燃料電池が採用されている。例えば、図7に示す平面形燃料電池(特許文献1参照)では、電解質層1a〜1dを挟んで空気極(カソード極)2a〜2dと燃料極(アノード極)3a〜3dとを対設した複数個の単位セル4a〜4dを、同じ極が同じ面に並ぶように平面に配列している。単位セル4a〜4dは、導電性のZ字状接続板5a〜5cにより接続されて、各単位セル4a〜4dが電気的に直列に接続されている。
【0005】
具体的には、Z字状接続板5aが単位セル4aの空気極2aと単位セル4bの燃料極3bとを接続し、Z字状接続板5bが単位セル4bの空気極2bと単位セル4cの燃料極3cとを接続し、Z字状接続板5cが単位セル4cの空気極2cと単位セル4dの燃料極3dとを接続している。単位セル4aの燃料極3aは、陰極側電流端子6aに接続される一方、単位セル4dの空気極2dは、陽極側電流端子6bに接続されている。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−56855号公報(図1)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の特許文献1では、各単位セル4a〜4dを電気的に直列に接続するために、専用のZ字状接続板5a〜5cが用いられており、前記Z字状接続板5a〜5cは、空気極2a〜2dと燃料極3a〜3dとに跨っている。このため、空気極2a〜2dと燃料極3a〜3dとの間におけるシール構造等の信頼性を確保することが困難になるという問題が指摘されている。
【0008】
しかも、燃料電池の厚さ方向(矢印T方向)の寸法が拡大してしまい、燃料電池全体の小型化を図ることができないという問題がある。さらに、各単位セル4a〜4dは、基本的に独立した部品であり、基準となる面がないために前記単位セル4a〜4d同士の位置精度が得られないという問題がある。
【0009】
本発明はこの種の問題を解決するものであり、複数の発電部を電気的に直列に接続するとともに、簡単かつコンパクトな構成で、シート性の向上を図って所望の電圧を確保することが可能な燃料電池を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る燃料電池では、電解質をアノード側電極とカソード側電極とで挟んで構成される複数の発電部が平面状に配設されるとともに、前記各発電部は、アノード側電極とカソード側電極とが前記電解質の異なる面に配置されている。
【0011】
そして、隣接する第1および第2の発電部において、前記第1の発電部のカソード側電極に接続された第1導電性拡散層の第1端部は、前記第2の発電部のアノード側電極に接続された第2導電性拡散層の第2端部に近接している。第1および第2端部は、少なくとも電解質の両側(電解質に補強用フィルムが設けられている場合には、電解質および補強用フィルムの両側)に配置されており、前記第1および第2端部同士は、少なくとも前記電解質(および補強用フィルム)を貫通する導電部材により電気的に結合される。
【0012】
従って、隣接する発電部同士は、第1および第2導電性拡散層と導電部材とによりカソード側電極とアノード側電極とが接続され、全体として複数の発電部が電気的に直列に接続される。
【0013】
さらに、第2の発電部のカソード側電極に接続された第1導電性拡散層の第1端部は、前記第2の発電部に隣接する第3の発電部のアノード側電極に接続された第2導電性拡散層の第2端部に近接している。第1および第2端部は、少なくとも電解質の両側に配置されており、前記第1および第2端部同士が、前記電解質を貫通する導電部材により電気的に結合される。これにより、第2の発電部と第3の発電部とは、電気的に接続され、第1の発電部、第2の発電部および第3の発電部は、電気的に直列に接続される。
【0014】
このように、第1および第2導電性拡散層に設けられて互いに近接する方向に突出する第1および第2端部同士を、導電部材により結合するだけでよく、従来の専用のZ字状接続板が不要になる。これにより、構成が簡素化されて経済的であるとともに、シール構造等の信頼性が有効に向上する。しかも、燃料電池全体の構成が簡素化される他、燃料電池の小型化が容易に図られる。
【0015】
また、本発明の請求項2に係る燃料電池では、第1および第2端部は、少なくとも電解質を挟んで重なり合う重合部位を有しており、前記重合部位同士が、導電部材である(導電性)リベット部材により一体的に接続される。従って、導電部材の構成が有効に簡素化される。
【0016】
さらに、本発明の請求項3に係る燃料電池では、複数の発電部が平面状に配設されるMEAユニットと、前記MEAユニットを挟持する第1および第2電気絶縁性セパレータとを備える。第1電気絶縁性セパレータは、発電部に対向する面に燃料ガスを供給するための燃料ガス流路を設けるとともに、第2電気絶縁性セパレータは、前記発電部材に対向する面に酸化剤ガスを供給するための酸化剤ガス流路を設ける。これにより、燃料電池全体の小型化が容易に図られるとともに、前記燃料電池を経済的に構成することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施形態に係る燃料電池10の要部分解斜視説明図であり、図2は、前記燃料電池10の要部断面説明図である。
【0018】
燃料電池10は、MEA(Membrane and Electrode Assembly)ユニット12と、このMEAユニット12の両面に配置される第1および第2セパレータ14、16とを備える。
【0019】
燃料電池10の矢印B方向の一端縁部には、積層方向である矢印A方向に連通して、燃料ガス、例えば、水素含有ガスを供給するための燃料ガス入口連通孔18aと、酸化剤ガス、例えば、酸素含有ガスを供給するための酸化剤ガス入口連通孔20aとが、矢印C方向一端側に配列して設けられる。燃料電池10の矢印B方向の一端縁部には、矢印A方向に連通して、燃料ガスを排出するための燃料ガス出口連通孔18bと、酸化剤ガスを排出するための酸化剤ガス出口連通孔20bとが、矢印C方向他端側に配列して設けられる。
【0020】
MEAユニット12は、例えば、パーフルオロスルホン酸ポリマーの薄膜である固体高分子電解質膜22を備える。この固体高分子電解質膜22を共通の電解質として、複数の電解質膜・電極構造体(発電部)24(1)〜24(n)が構成される。この電解質膜・電極構造体24(1)〜24(n)は、図1に示すように、固体高分子電解質膜22の面内に、矢印B方向および矢印C方向に所定の数ずつ配列して設けられる。
【0021】
図3に示すように、固体高分子電解質膜22の両面22a、22bには、電極(後述する)が設けられていない部分に対応して補強用フィルム、例えば、シリコンフィルム26a、26bが設けられる。この固体高分子電解質膜22には、所定の位置に複数の孔部27が形成される。
【0022】
電解質膜・電極構造体24(1)は、固体高分子電解質膜22の一方の面22aに設けられるカソード側電極28と、前記固体高分子電解質膜22の他方の面22bに設けられるアノード側電極30とを備える。カソード側電極28およびアノード側電極30は、白金合金が表面に担持された多孔質カーボン粒子を固体高分子電解質膜22の面22a、22bに塗布して構成されている。カソード側電極28には、第1導電性拡散層32が設けられるとともに、アノード側電極30には、第2導電性拡散層34が設けられる。
【0023】
電解質膜・電極構造体24(2)〜24(n)は、上記の電解質膜・電極構造体24(1)と同様に構成されており、同一の構成要素には同一の参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0024】
図3および図4に示すように、電解質膜・電極構造体24(1)の第1導電性拡散層32は、カソード側電極28の外周から隣接する電解質膜・電極構造体24(2)に向かって突出する第1端部32aを設ける。電解質膜・電極構造体24(2)の第2導電性拡散層34は、アノード側電極30の外周から隣接する電解質膜・電極構造体24(1)に向かって突出する第2端部34aを設ける。
【0025】
第1および第2端部32a、34aは、固体高分子電解質膜22およびシリコンフィルム26a、26bを挟んで重なり合う重合部位を有しており、この重合部位同士は、前記固体高分子電解質膜22および前記シリコンフィルム26a、26bを貫通する導電部材、例えば、導電性リベット部材36により電気的に接続される。リベット部材36は、外周面にシール材38が塗布されており、固体高分子電解質膜22の両面を気密に遮断する。このリベット部材36は、かしめ処理が施されることにより、第1および第2端部32a、34a側にフランジ部36a、36bが形成される。
【0026】
図2および図4に示すように、電解質膜・電極構造体24(2)の第1導電性拡散層32は、隣接する電解質膜・電極構造体24(3)側に向かって突出する第1端部32aを設ける。電解質膜・電極構造体24(3)の第2導電性拡散層34は、隣接する電解質膜・電極構造体24(2)側に向かって突出する第2端部34aを設ける。第1および第2端部32a、34aの重合部位同士は、リベット部材36を介して電気的に結合される。以下、電解質膜・電極構造体24(3)〜24(n)も同様にして電気的に直列に接続される。
【0027】
第1および第2セパレータ14、16は、非導電性の伝熱材補強プラスチック製成形体で構成される。図1および図5に示すように、第1セパレータ14のMEAユニット12に対向する面14aには、矢印C方向一端側に矢印B方向に延在して供給マニホールド40が形成されるとともに、矢印C方向他端側に矢印B方向に延在して排出マニホールド42が形成される。供給マニホールド40は、凹部形状を有しており、燃料ガス入口連通孔18aに連通する。排出マニホールド42は、同様に凹部形状を有しており、燃料ガス出口連通孔18bに連通する。
【0028】
面14aには、供給マニホールド40から排出マニホールド42に向かって燃料ガスを供給するための燃料ガス流路44が形成される。この燃料ガス流路44は、矢印C方向に延在して供給マニホールド40と排出マニホールド42とに連通する複数本の流路溝を備えている。面14aには、電解質膜・電極構造体24(1)〜24(n)の各アノード側電極30を収容するための矩形状溝部46が形成されるとともに、所定の位置に複数のシール付きねじ孔48が形成される。
【0029】
面14aには、燃料ガス入口連通孔18a、燃料ガス出口連通孔18b、供給マニホールド40、排出マニホールド42および燃料ガス流路44を覆ってシール50が焼き付け等により設けられる。第1セパレータ14は、−(マイナス)側の端子52が電解質膜・電極構造体24(1)のアノード側電極30に接続可能に設けられる。
【0030】
図6に示すように、第2セパレータ16のMEAユニット12に対向する面16aには、酸化剤ガス入口連通孔20aに連通して矢印B方向に延在する供給マニホールド54と、酸化剤ガス出口連通孔20bに連通して矢印B方向に延在する排出マニホールド56とが形成される。供給マニホールド54と排出マニホールド56とは、矢印C方向に延在する複数本の流路溝を備えた酸化剤ガス流路58を介して連通する。
【0031】
面16aには、酸化剤ガス入口連通孔20a、酸化剤ガス出口連通孔20b、供給マニホールド54、排出マニホールド56および酸化剤ガス流路58を覆ってシール59が焼き付け等により設けられる。
【0032】
面16aには、電解質膜・電極構造体24(1)〜24(n)の各カソード側電極28に対応して矩形状の溝部60が形成される。面16aには、所定の位置にシール付き孔部62が形成されており、図1に示すように、前記シール付き孔部62からMEAユニット12の孔部27を貫通して第2セパレータ16のシール付きねじ孔48に締結ねじ64が螺合して燃料電池10が一体化される。第2セパレータ16には、電解質膜・電極構造体24(n)のカソード側電極28に接続可能な+(プラス)側の端子66が設けられる。
【0033】
図1に示すように、第2セパレータ16の面16aとは反対側の面16bには、矢印C方向に延在してリブ70が設けられ、前記リブ70間には、冷却媒体流路72が形成される。
【0034】
このように構成される燃料電池10を製造する作業について、以下に説明する。
【0035】
まず、固体高分子電解質膜22の両方の面22a、22bにシリコンフィルム26a、26bが貼り付けられる。このシリコンフィルム26a、26bには、発電部である電解質膜・電極構造体24(1)〜24(n)に対応した切り抜き部が形成されている。なお、シリコンフィルム26a、26bに代替して、ポリイミド等の薄膜を用いてもよい。
【0036】
次に、固体高分子電解質膜22の面22aには、カソード側電極触媒が塗布される一方、前記固体高分子電解質膜22の面22bには、アノード側電極触媒が塗布される。これにより、固体高分子電解質膜22を挟んでカソード側電極28とアノード側電極30とが対向して設けられ、所定数の電解質膜・電極構造体24(1)〜24(n)を形成したMEAユニット12が製造される。
【0037】
そこで、MEAユニット12の両面には、電解質膜・電極構造体24(1)〜24(n)に対応して第1および第2導電性拡散層32、34が配置される。図3に示すように、電解質膜・電極構造体24(1)の第1導電性拡散層32と、電解質膜・電極構造体24(2)の第2導電性拡散層34とは、それぞれの第1および第2端部32a、34aが固体高分子電解質膜22を挟んで重なり合っており、この重合部位にリベット部材36が挿入される。
【0038】
リベット部材36の貫通部位では、貫通孔と前記リベット部材36の外周面との間にシリコンゴム等のシール材38が充填され、燃料ガスと酸化剤ガスとを確実に遮断する。さらに、リベット部材36にかしめ処理が施され、フランジ部36a、36bが第1および第2端部32a、34aに圧接する。このため、電解質膜・電極構造体24(1)のカソード側電極28と、電解質膜・電極構造体24(2)のアノード側電極30とは、電気的に結合される。
【0039】
同様に、電解質膜・電極構造体24(2)〜24(n)が電気的に結合され、全ての発電部である電解質膜・電極構造体24(1)〜24(n)は、電気的に直列に接続される(図4中、矢印参照)。
【0040】
このように、本実施形態では、隣接する電解質膜・電極構造体24(1)、24(2)の第1および第2導電性拡散層32、34が、カソード側電極28およびアノード側電極30の外周から互いに近接する方向に突出する第1および第2端部32a、34aを設ける。そして、第1および第2端部32a、34aの重合部位同士は、固体高分子電解質膜22およびシリコンフィルム26a、26bを貫通するリベット部材36により電気的に結合される。
【0041】
従って、従来の専用のZ字状接続板が不要になり、特に多数の電解質膜・電極構造体24(1)〜24(n)を配置する際に、経済的であるとともに、シール構造等の信頼性が有効に向上する。しかも、燃料電池10全体の構成が簡素化されて、燃料電池10の小型化が容易に図られるという効果が得られる。
【0042】
次いで、第1および第2セパレータ14、16間にMEAユニット12が挟持された状態で、燃料電池10全体を固定するための貫通孔が一体的に形成される。この貫通孔は、具体的には、第1セパレータ14のシール付きねじ孔48、MEAユニット12の孔部27および第2セパレータ16のシール付き孔部62に相当する。その際、MEAユニット12の平面性が維持されるため、第1および第2セパレータ14、16により前記MEAユニット12を挟持した状態で、孔開け処理が所定の位置に高精度に遂行されるという利点がある。
【0043】
なお、シール付き孔部62およびシール付きねじ孔48には、例えば、液状のシリコンゴム等を貫通孔に充填することにより、所望のシール性を維持することができる。
【0044】
そこで、シール付き孔部62に締結ねじ64が挿入されて、この締結ねじ64の先端がシール付きねじ孔48に螺合する。これにより、第1セパレータ14、MEAユニット12および第2セパレータ16が一体的に締め付け固定され、燃料電池10が得られる。
【0045】
次に、上記の燃料電池10の動作について説明する。
【0046】
まず、図1に示すように、酸化剤ガス入口連通孔20aに酸素含有ガス等の酸化剤ガスが供給されるとともに、燃料ガス入口連通孔18aに水素含有ガス等の燃料ガスが供給される。また、冷却媒体流路72には、純水やエチレングリコールオイル等の冷却媒体が供給される。
【0047】
このため、酸化剤ガスは、図6に示すように、第2セパレータ16の面16aに形成される供給マニホールド54に一旦導入された後、酸化剤ガス流路58に供給される。酸化剤ガスは、複数の流路溝を介して矢印C方向に移動し、電解質膜・電極構造体24(1)〜24(n)の各カソード側電極28に供給される。未使用の酸化剤ガスは、排出マニホールド56から酸化剤ガス出口連通孔20bに排出される。
【0048】
一方、燃料ガスは、図5に示すように、第1セパレータ14の面14bに形成される供給マニホールド40に導入され、この供給マニホールド40に連通する燃料ガス流路44に供給される。この燃料ガス流路44では、燃料ガスが矢印C方向に移動しながら、電解質膜・電極構造体24(1)〜24(n)の各アノード側電極30に供給される。未使用の燃料ガスは、排出マニホールド42を通って燃料ガス出口連通孔18bから排出される。
【0049】
従って、電解質膜・電極構造体24(1)〜24(n)では、各カソード側電極28に供給される酸化剤ガスと、各アノード側電極30に供給される燃料ガスとが電気化学反応により消費され、発電が行われる。これにより、端子52、66間には、全ての発電部である電解質膜・電極構造体24(1)〜24(n)が電気的に直列に接続され、所望の電圧を発生させることができる。
【0050】
【発明の効果】
本発明に係る燃料電池では、第1および第2導電性拡散層の互いに近接する方向に突出する第1および第2端部同士を、導電部材により結合するだけでよく、従来の専用のZ字状接続板が不要になる。これにより、構成が簡素化されて経済的であるとともに、シール構造等の信頼性が有効に向上する。しかも、燃料電池全体の構成が簡素化される他、燃料電池の小型化が容易に図られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る燃料電池の要部分解斜視説明図である。
【図2】前記燃料電池の要部断面説明図である。
【図3】前記燃料電池を構成するMEAユニットの接続状態を示す説明図である。
【図4】前記MEAユニットの正面図である。
【図5】前記燃料電池を構成する第1セパレータの正面図である。
【図6】前記燃料電池を構成する第2セパレータの正面図である。
【図7】特許文献1に係る平面形燃料電池の要部断面説明図である。
【符号の説明】
10…燃料電池 12…MEAユニット
14、16…セパレータ 18a…燃料ガス入口連通孔
18b…燃料ガス出口連通孔 20a…酸化剤ガス入口連通孔
20b…酸化剤ガス出口連通孔 22…固体高分子電解質膜
24(1)〜24(n)…電解質膜・電極構造体
26a、26b…シリコンフィルム 28…カソード側電極
30…アノード側電極 32、34…導電性拡散層
32a、34a…端部 36…リベット部材
40、54…供給マニホールド 42、56…排出マニホールド
44…燃料ガス流路 50、59…シール
52、66…端子 58…酸化剤ガス流路
Claims (3)
- 電解質をアノード側電極とカソード側電極とで挟んで構成される発電部を備え、複数の前記発電部が平面状に配設される燃料電池であって、
前記発電部は、前記電解質の一方の面にアノード側電極が配置され、かつ該電解質の他方の面にカソード側電極が配置されるとともに、
前記発電部の両面を挟持する第1および第2導電性拡散層を備え、
第1の発電部のカソード側電極に接続された第1導電性拡散層は、前記カソード側電極の外周から前記第1の発電部に隣接する第2の発電部に近接する方向に突出する第1端部を設け、
前記第2の発電部のアノード側電極に接続された第2導電性拡散層は、前記アノード側電極の外周から前記第1の発電部に近接する方向に突出する第2端部を設け、
前記第1および第2端部同士は、少なくとも前記電解質を貫通する導電部材により電気的に結合されることを特徴とする燃料電池。 - 請求項1記載の燃料電池において、前記第1および第2端部は、少なくとも前記電解質を挟んで重なり合う重合部位を有しており、
前記重合部位同士には、前記導電部材である導電性リベット部材により一体的に接続されることを特徴とする燃料電池。 - 請求項1または2記載の燃料電池において、複数の前記発電部が平面状に配設されるMEAユニットと、
前記MEAユニットを挟持する第1および第2電気絶縁性セパレータと、
を備え、
前記第1電気絶縁性セパレータは、前記発電部に対向する面に燃料ガスを供給するための燃料ガス流路を設けるとともに、
前記第2電気絶縁性セパレータは、前記発電部材に対向する面に酸化剤ガスを供給するための酸化剤ガス流路を設けることを特徴とする燃料電池。
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