JP2004271550A - 電子写真用感光体試験装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電子写真用感光体試料片をセット可能な開口部を持つターンテーブルと、ターンテーブルを高速で回転させる手段と、帯電及び露光手段により電子写真用感光体の特性を評価する試験装置において、ターンテーブルのサンプル設置面と該設置面に対して垂直であるサンプル窓枠部分を絶縁性の皮膜により被覆することを特徴とする電子写真用感光体試験装置を主たる構成にする。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電位測定装置に関し、更に詳しくは、レーザープリンター・複写機等の画像形成装置に使用される電子写真用感光体の検査、さらに、誘電体薄膜の非接触・非破壊の電気特性測定にも応用可能な装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来技術として、電子写真感光体の試料片をセットする開口部を持つターンテーブルと、該ターンテーブルを高速回転させるための手段と、ターンテーブルに対向して配置され該感光体試料片を徐々に帯電させるコロナ帯電器と、ターンテーブルの開口部に装着された感光体試験片表面の平均帯電電位と感光体試料片に流れ込む電流を同時に計測する為の手段とを有し、該電流は時間で積分され充電電荷として処理され、Q=C・Vの関係式より感光体試料片の静電容量を非破壊、非接触で測定する装置が知られている。
この装置は、感光体試料片の静電容量の測定時に高速回転するターンテーブルの感光体試料片に流れ込む電流に対する真の電流を算出し、静電容量の測定精度を向上した測定装置である(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平10−282057号公報
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
電子写真用感光体に要求される特性として、帯電能、電荷保持能、感度等があげられる。これらの各特性の評価には、電子写真プロセスと同様にコロナ帯電・露光を行うことによって上記各特性を評価する方法が用いられることが多い。
上記各特性を評価する装置の例として、概略構成図の図1に示す様な、電子写真用感光体試料片の特性評価装置が知られている。この特性評価装置の測定方法の具体例として、ターンテーブル1には感光体試料片を装着する開口部3が設けられており、開口部3の大きさは、例えば、中心から見て44°の開口角度をもち、面積は19.36cm2(開口部:44×44mm)である。また、ターンテーブル1に付属して導電性金属板からなる試料片押さえ板2が設けられている。
また、ターンテーブル1は、開口部3によって保持された感光体試料片をコロナ帯電器4に対向静止させるような位置で停止することができ、また、実機と同程度のスピードで回転させることができ、また、試料片を帯電させて帯電の立ちあがりの様子を観察する為、高速で回転させて試料片をコロナ帯電器4に何度も通過させることができるようになっている。
【0004】
コロナ帯電器4から試料片に与えられ試料片を充電するパルス電流は、所定の検出間隔で電流計6に送られその中の平滑化回路で平滑化等がされた後、A/D変換器8で変換されコントローラ9に送られ演算処理される。
また、試料片の表面電位は、コロナ帯電器4と別の位置に配置された表面電位計7のモニタ部である表面電位計電極5でモニタされ、モニタされた信号は所定の検出間隔で表面電位計7に送られ、その中の増幅器で増幅等がされた後、A/D変換器8で変換され、コントローラ9に送られ演算処理される。
このような電子写真用感光体試料片特性評価装置の計測により算出される帯電能・電荷保持性能・感度等の特性評価において、正確な電位計測は必要条件であり正確な計測により精度の良い特性値が得られる。また、この測定装置では、帯電した感光体の電荷が漏洩しないようサンプル台に絶縁性の皮膜を覆わせ、測定を行なっている。
しかしながら、電子写真用感光体をコロナ放電により劣化させ、劣化後の特性を測定する場合、常湿環境下では問題無く測定できても、高湿環境下においては予測される以上の帯電特性の劣化が見られることが有る(電位測定結果は図2、電流測定結果は図3参照)。これはサンプルの環境に依存した特性ではなく、計測の問題であることが推測されていたが原因が不明であった。
本発明者はこの問題を鋭意検討し、斯かる現象は、コロナ放電により、オゾン・NOx等の放電生成物が、高湿環境下において水分と吸着し、電子写真用感光体の表面抵抗を低下させ、電子写真用感光体の表面の電荷が横方向に動きやすくなり、サンプル台の絶縁性の膜に覆われていない窓枠部分に漏洩してしまうことが原因で発生することがわかった。このため、高湿環境下でも正確に測定できる電子写真用感光体試験装置が要望されていた。
ところで、上記従来技術である特開平10−282057号公報には、図1のような電子写真感光体試料片の特性値評価装置を利用しての静電容量算出方法について述べられている。しかしながら、この従来技術では電位計測に関する詳細は述べられておらず、高湿環境下での使用時に電位計測を正確に行うことができないという問題があった。
そこで本発明は上記の問題点を解決するためになされたもので、高湿環境下でも正確に測定できる電子写真用感光体試験装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するために、請求項1記載の発明では、電子写真用感光体試料片をセット可能な開口部を持つターンテーブルと、ターンテーブルを高速で回転させる手段と、帯電及び露光手段により電子写真用感光体の特性を評価する電子写真用感光体試験装置において、ターンテーブルのサンプル設置面及び/又は該設置面に対して垂直であるサンプル窓枠部分を絶縁性の皮膜により被覆する電子写真用感光体試験装置を最も主要な特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の電子写真用感光体試験装置において、ターンテーブルのサンプル窓枠部分のサイズより、被試験体の電位を計測する電位計による測定面積を小面積にし、ターンテーブル回転中に該面積がサンプル測定サイズ内に収まる面積にした電子写真用感光体試験装置を主要な特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の電子写真用感光体試験装置において、感光体試料片の電位計測を行うゲート時間は、電位計がサンプル測定サイズ内の位置に存在する時間内である電子写真用感光体試験装置を主要な特徴とする。
請求項4記載の発明は、電子写真用感光体試料片をセット可能な開口部を持つターンテーブルと、ターンテーブルを高速回転する手段と、帯電及び露光手段を有する電子写真用感光体の特性値評価試験装置において、ターンテーブルのサンプル台に、ターンテーブルのサンプル窓枠部分のサイズより小さな開口部を持った絶縁性の薄膜を設置し、その上に感光体試料片を設置して感光体特性値を測定する電子写真用感光体試験装置を主要な特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項4記載の電子写真用感光体試験装置において、絶縁性薄膜の開口部サイズより、被試験体の電位を計測する電位計による測定面積を小面積にし、ターンテーブル回転中に該面積が絶縁性薄膜の開口部サイズ内に収まる電子写真用感光体試験装置を主要な特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項5記載の電子写真用感光体試験装置において、感光体試料片の電位計測を行うゲート時間は、電位計が絶縁性薄膜の開口部サイズ内の位置に存在する時間内である電子写真用感光体試験装置を主要な特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、図面により本発明の実施の形態を詳細に説明する。以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本発明に係る電子写真用感光体の特性評価装置は従来測定装置と同様、図1に示す装置を使用する。
まず測定に先立ち、開口部3に感光体試料片を装着せずに試料片押さえ板2にて開口部3を塞ぎ、この開口部3がコロナ帯電器4の真上にくるようにして静止させる。コロナ帯電器4の放電を開始し、試料片押さえ板2に流れる電流値を検出し、所定の値(ここでは−18μA)に調整する。
次に、開口部3に感光体の試料片を感光面が下向きになるように装着して、試料片押さえ板2により固定し、ターンテーブル1をモータ等の回転駆動手段によって所定の回転数になるよう回転させる。回転が安定したところでコロナ帯電器4により放電を開始し、帯電能・電荷保持性能・感度等の特性値を計測する。
【0007】
<実施例1>
図1と同様の特性評価装置を用いて、感光体試料片(リコーSP2000用感光体と同じ材料・処方構成の試料片)を高速で回転し(回転数:1000rpm)、コロナ帯電・露光を行い、感光体試料片を劣化させた(感光体表面電位:−800V、感光体通過電流:−5.6μAに維持した状態で感光体試料片を1時間劣化させた)。その後、高湿環境下(湿度80%)で図1の特性評価装置を用いて、感光体試料片の電気特性(20秒間帯電し20秒暗減衰した時の電位推移)を測定した。
その際、ターンテーブルのサンプル窓枠部分まで絶縁性の皮膜(材質:テフロン(登録商標))で覆い(図4参照)、更に電位計測は石英ガラス片面をメッシュ状にネサコーティングされたNESA静電容量型電位計を利用し、メッシュコーティング部の大きさは50mm×50mmの物を使用し測定した。
電位を測定するゲート時間は、電位計が測定する面積が感光体試料片の一部にかかった時点から、感光体試料片が測定可能な位置から抜けた時点まで測定するような構造とした場合を実施例1とする。また、劣化感光体を測定する際、高湿環境下(湿度80%)でターンテーブルのサンプル窓枠部分に何もせず、金属部分が剥き出しの状態で、電位計測は石英ガラス片面をメッシュ状にネサコーティングされたNESA静電容量型電位計を利用し、メッシュコーティング部の大きさは50mm×50mmの物を使用し、電位を測定するゲート時間は、電位計が測定する面積が感光体試料片の一部にかかった時点から、感光体試料片が測定可能な位置から抜けた時点まで測定するような構造とした場合を比較例1とする。暗減衰率(20秒帯電後の電位と、その後20秒間暗減衰させた後の電位の比率)の結果と、その時の電位と電流の推移についての状況結果を表1に示す。
【表1】
表1の結果から、高湿環境下でもターンテーブルのサンプル窓枠部分に絶縁性の皮膜を覆うことにより、サンプル窓枠部分への電位の漏洩を防ぐことができ、常湿環境下と同様の電気特性結果(帯電特性・暗減衰特性)を得ることができ、精度の高い特性値を算出することが可能となることが分かる。
【0008】
<実施例2>
図1と同様の特性評価装置を用いて、感光体試料片(リコーSP2000用感光体と同じ材料・処方構成の試料片)を高速で回転し(回転数:1000rpm)、コロナ帯電・露光を行い、感光体試料片を劣化させた(感光体表面電位:−800V、感光体通過電流:−5.6μAに維持した状態で感光体試料片を1時間劣化)。その後、高湿環境下(湿度80%)で図1の特性評価装置を用いて、感光体試料片の電気特性を測定した(20秒間帯電し20秒間暗減衰させ、30秒間露光を行なった時の電位推移)。
その際、ターンテーブルのサンプル窓枠部分まで絶縁性の皮膜(材質:テフロン(登録商標))で覆い(図4参照)、更に電位計測は石英ガラス片面をメッシュ状にネサコーティングされたNESA静電容量型電位計を利用し、メッシュコーティング部の大きさは35mm×35mmの物を使用し測定した。メッシュコーティング部はサンプル測定サイズ内に収まることが可能な位置に存在し、電位を測定するゲート時間は、電位計が測定する面積が感光体試料片の一部にかかった時点から、感光体試料片が測定可能な位置から抜けた時点まで測定する構造とした場合を実施例2とする。また、劣化感光体を測定する際、高湿環境下(湿度80%)でターンテーブルのサンプル窓枠部分まで絶縁性の皮膜(材質:テフロン(登録商標))で覆い、電位計測は石英ガラス片面をメッシュ状にネサコーティングされたNESA静電容量型電位計を利用し、メッシュコーティング部の大きさは50mm×50mmの物を使用し、電位を測定するゲート時間は、電位計が測定する面積が感光体試料片の一部にかかった時点から、感光体試料片が測定可能な位置から抜けた時点まで測定する構造とした場合を比較例2aとする。
【0009】
また、劣化感光体を測定する際、常湿環境下(湿度55%)でターンテーブルのサンプル窓枠部分に何もせず、金属部分が剥き出しの状態で電位計測は石英ガラス片面をメッシュ状にネサコーティングされたNESA静電容量型電位計を利用し、メッシュコーティング部の大きさは50mm×50mmの物を使用し、電位を測定するゲート時間は、電位計が測定する面積が感光体試料片の一部にかかった時点から、感光体試料片が測定可能な位置から抜けた時点まで測定する構造とした場合を比較例2bとする。30秒間露光を行なった後の残留電位の結果を表2に示す。
【表2】
表2の結果から、サンプル窓枠部分に絶縁性の皮膜で覆うことにより、残留電位の上昇が確認されるが、電位計の測定する面積を、ターンテーブルのサンプル窓枠部分のサイズより小さくすることにより、残留電位の上昇を抑えることができることが分かる。
【0010】
<実施例3>
図1と同様の特性評価装置を用いて、感光体試料片(リコーSP2000用感光体と同じ材料・処方構成の試料片)を高速で回転し(回転数:1000rpm)、コロナ帯電・露光を行い、感光体試料片を劣化させた。(感光体表面電位:−800V、感光体通過電流:−5.6μAに維持した状態で感光体試料片を1時間劣化)その後、高湿環境下(湿度80%)で図1の特性評価装置を用いて、感光体試料片の電気特性を測定した。その際、ターンテーブルのサンプル窓枠部分まで絶縁性の皮膜(材質:テフロン(登録商標))で覆い(図4参照)、更に電位計測は石英ガラス片面をメッシュ状にネサコーティングされたNESA静電容量型電位計を利用し、メッシュコーティング部の大きさは35mm×35mmの物を使用し測定した。メッシュコーティング部はサンプル測定サイズ内に収まることが可能な位置に存在し、電位を測定するゲート時間は、電位計が測定する面積がサンプル測定サイズ内の位置に存在する時間となる構造で測定した場合を実施例3とする。
また、劣化感光体を測定する際、高湿環境下(湿度80%)でターンテーブルのサンプル窓枠部分まで絶縁性の皮膜(材質:テフロン(登録商標))で覆い、電位計測は石英ガラス片面をメッシュ状にネサコーティングされたNESA静電容量型電位計を利用し、メッシュコーティング部の大きさは35mm×35mmの物を使用し、電位を測定するゲート時間は、電位計が測定する面積が感光体試料片の一部にかかった時点から、感光体試料片が測定可能な位置から抜けた時点まで測定する構造とした場合を比較例3aとする。また、劣化感光体を測定する際、常湿環境下(湿度55%)でターンテーブルのサンプル窓枠部分に何もせず、金属部分が剥き出しの状態で電位計測は石英ガラス片面をメッシュ状にネサコーティングされたNESA静電容量型電位計を利用し、メッシュコーティング部の大きさは50mm×50mmの物を使用し、電位を測定するゲート時間は、電位計が測定する面積が感光体試料片の一部にかかった時点から、感光体試料片が測定可能な位置から抜けた時点まで測定する構造とした場合を比較例3bとする。残留電位の結果を表3に示す。
【表3】
表3の結果から、サンプル窓枠部分を絶縁性の皮膜で覆い、電位計の測定する面積を、ターンテーブルのサンプル窓枠部分のサイズより小さくし、更に電位を測定するゲート時間を、電位計が測定する面積がサンプル測定サイズ内の位置に存在する時間で測定することにより、残留電位の上昇を防ぎ正確な測定ができることが分かる。
【0011】
<実施例4>
図1と同様の特性評価装置を用いて、感光体試料片(リコーSP2000用感光体と同じ材料・処方構成の試料片)を高速で回転し(回転数:1000rpm)、コロナ帯電・露光を行い、感光体試料片を劣化させた。(感光体表面電位:−800V、感光体通過電流:−5.6μAに維持した状態で感光体試料片を1時間劣化)その後、高湿環境下(湿度80%)で図1の特性評価装置を用いて、感光体試料片の電気特性(20秒間帯電し20秒暗減衰した時の電位推移)を測定した。その際、ターンテーブルのサンプル台に開口部を持つ絶縁性の薄膜(厚さ:10μm、材質:テフロン(登録商標)、大きさ:55×55mm、開口部大きさ:43×43mm)を置いた上にサンプルを置いた(図5参照)。更に電位計測は石英ガラス片面をメッシュ状にネサコーティングされたNESA静電容量型電位計を利用し、メッシュコーティング部の大きさは50mm×50mmの物を使用し測定した。
【0012】
電位を測定するゲート時間は、電位計が測定する面積が感光体試料片の一部にかかった時点から、感光体試料片が測定可能な位置から抜けた時点まで測定するような構造とした場合を実施例4とする。また、劣化感光体を測定する際、高湿環境下(湿度80%)でターンテーブルのサンプル台に何も置かず、そのままサンプルを置き、電位計測は石英ガラス片面をメッシュ状にネサコーティングされたNESA静電容量型電位計を利用し、メッシュコーティング部の大きさは50mm×50mmの物を使用し、電位を測定するゲート時間は、電位計が測定する面積が感光体試料片の一部にかかった時点から、感光体試料片が測定可能な位置から抜けた時点まで測定するような構造とした場合を比較例4とする。暗減衰率(20秒帯電後の電位と、その後20秒間暗減衰させた後の電位の比率)の結果と、その時の電位と電流の推移についての状況結果を表4に示す。
【表4】
表4の測定結果から、高湿環境下でターンテーブルのサンプル台に開口部を持つ絶縁性の薄膜を置き、その上にサンプルを乗せて測定することにより、サンプル窓枠部分への電荷の漏洩を防ぎ、常湿環境下と同様の電気特性結果(帯電特性・暗減衰特性)を得ることができ、精度の高い特性値を算出することが可能となることが分かる。
【0013】
<実施例5>
図1と同様の特性評価装置を用いて、感光体試料片(リコーSP2000用感光体と同じ材料・処方構成の試料片)を高速で回転し(回転数:1000rpm)、コロナ帯電・露光を行い、感光体試料片を劣化させた。(感光体表面電位:−800V、感光体通過電流:−5.6μAに維持した状態で感光体試料片を1時間劣化)その後、高湿環境下(湿度80%)で図1の特性評価装置を用いて、感光体試料片の電気特性を測定した(20秒間帯電し20秒間暗減衰させ、30秒間露光を行なった時の電位推移)。
その際、ターンテーブルのサンプル台に開口部を持つ絶縁性の薄膜(厚さ:10μm、材質:テフロン(登録商標)、大きさ:55×55mm、開口部大きさ:43×43mm)を置いた上にサンプルを置いた(図5参照)。
更に、電位計測は石英ガラス片面をメッシュ状にネサコーティングされたNESA静電容量型電位計を利用し、メッシュコーティング部の大きさは35mm×35mmの物を使用し測定した。メッシュコーティング部は絶縁性薄膜開口部内に収まることが可能な位置に存在し、電位を測定するゲート時間は、電位計が測定する面積が感光体試料片の一部にかかった時点から、感光体試料片が測定可能な位置から抜けた時点まで測定する構造とした場合を実施例5とする。
【0014】
また、劣化感光体を測定する際、高湿環境下(湿度80%)でターンテーブルサンプル台に何も置かず、そのままサンプルを置き、電位計測は石英ガラス片面をメッシュ状にネサコーティングされたNESA静電容量型電位計を利用し、メッシュコーティング部の大きさは50mm×50mmの物を使用し、電位を測定するゲート時間は、電位計が測定する面積が感光体試料片の一部にかかった時点から、感光体試料片が測定可能な位置から抜けた時点まで測定する構造とした場合を比較例5aとする。
また、劣化感光体を測定する際、常湿環境下(湿度55%)でターンテーブルサンプル台に何も置かず、そのままサンプルを置き、電位計測は石英ガラス片面をメッシュ状にネサコーティングされたNESA静電容量型電位計を利用し、メッシュコーティング部の大きさは50mm×50mmの物を使用し、電位を測定するゲート時間は、電位計が測定する面積が感光体試料片の一部にかかった時点から、感光体試料片が測定可能な位置から抜けた時点まで測定する構造とした場合を比較例5bとする。30秒間露光を行なった後の残留電位の結果を表5に示す。
【表5】
表5の結果から、ターンテーブルのサンプル台に開口部を持った絶縁性の薄膜を置くことにより、残留電位の上昇が確認されるが、絶縁性薄膜の開口部サイズより、被試験体の電位を計測する電位計の測定する面積の方を小さくすることにより、残留電位の上昇を抑えることができることが分かる。
【0015】
<実施例6>
図1と同様の特性評価装置を用いて、感光体試料片(リコーSP2000用感光体と同じ材料・処方構成の試料片)を高速で回転し(回転数:1000rpm)、コロナ帯電・露光を行い、感光体試料片を劣化させた。(感光体表面電位:−800V、感光体通過電流:−5.6μAに維持した状態で感光体試料片を1時間劣化)その後、高湿環境下(湿度80%)で図1の特性評価装置を用いて、感光体試料片の電気特性を測定した。
その際、ターンテーブルのサンプル台に開口部を持つ絶縁性の薄膜(厚さ:10μm、材質:テフロン(登録商標)、大きさ:55×55mm、開口部大きさ:43×43mm)を置いた上にサンプルを置いた(図5参照)。更に電位計測は石英ガラス片面をメッシュ状にネサコーティングされたNESA静電容量型電位計を利用し、メッシュコーティング部の大きさは35mm×35mmの物を使用し測定した。メッシュコーティング部は絶縁性薄膜開口部内に収まることが可能な位置に存在し、電位を測定するゲート時間は、電位計が測定する面積がサンプル測定サイズ内の位置に存在する時間となる構造で測定した場合を実施例6とする。
【0016】
また、劣化感光体を測定する際、高湿環境下(湿度80%)で、ターンテーブルのサンプル台に開口部を持つ絶縁性の薄膜(厚さ:10μm、材質:テフロン(登録商標)、大きさ:55×55mm、開口部大きさ:43×43mm)を置いた上にサンプルを置き、電位計測は石英ガラス片面をメッシュ状にネサコーティングされたNESA静電容量型電位計を利用し、メッシュコーティング部の大きさは35mm×35mmの物を使用し、電位を測定するゲート時間は、電位計が測定する面積が感光体試料片の一部にかかった時点から、感光体試料片が測定可能な位置から抜けた時点まで測定する構造とした場合を比較例6aとする。
また、劣化感光体を測定する際、常湿環境下(湿度55%)でターンテーブルのサンプル台に何も置かず、電位計測は石英ガラス片面をメッシュ状にネサコーティングされたNESA静電容量型電位計を利用し、メッシュコーティング部の大きさは50mm×50mmの物を使用し、電位を測定するゲート時間は、電位計が測定する面積が感光体試料片の一部にかかった時点から、感光体試料片が測定可能な位置から抜けた時点まで測定する構造とした場合を比較例6bとする。残留電位の結果を表6に示す。
【表6】
表6の結果から、ターンテーブルのサンプル台に開口部を持つ絶縁性の薄膜をのせ、その上にサンプルを置き、電位計の測定する面積を、絶縁性薄膜の開口部サイズより小さくし、更に電位を測定するゲート時間を、電位計が測定する面積が絶縁性薄膜の開口部サイズ内の位置に存在する時間で測定することにより、残留電位の上昇を防ぎ正確な測定ができることが分かる。
【0017】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1によれば、電子写真用感光体試料片をセット可能な開口部を持つターンテーブルと、ターンテーブルを高速で回転させる手段と、帯電及び露光手段により電子写真用感光体の特性を評価する試験装置において、ターンテーブルのサンプル設置面及び/又は該設置面に対して垂直であるサンプル窓枠部分を絶縁性の皮膜により被覆することを特徴とする電子写真用感光体試験装置により、測定中に電子写真用感光体の電荷がサンプル窓枠部分へ漏洩するのを防ぐことができる。
請求項2の電子写真用感光体試験装置において、請求項1記載の電子写真用感光体試験装置において、ターンテーブルのサンプル窓枠部分のサイズより、被試験体の電位を計測する電位計による測定面積を小面積にし、ターンテーブル回転中に該面積がサンプル測定サイズ内に収まる面積にしたことを特徴とする電子写真用感光体試験装置により、被試験体以外の電位計測を抑えることができる。
請求項3の電子写真用感光体試験装置において、請求項2記載の電子写真用感光体試験装置において、感光体試料片の電位計測を行うゲート時間は、電位計がサンプル測定サイズ内の位置に存在する時間内であることを特徴とする電子写真用感光体試験装置により、必要無い部分の電位計測を行なわず、被試験体のみの電位計測を行うことができる。
請求項4の電子写真用感光体試験装置において、電子写真用感光体試料片をセット可能な開口部を持つターンテーブルと、ターンテーブルを高速回転する手段と、帯電及び露光手段を有する電子写真用感光体の特性値評価試験装置において、ターンテーブルのサンプル台に、ターンテーブルのサンプル窓枠部分のサイズより小さな開口部を持った絶縁性の薄膜を設置し、その上に感光体試料片を設置して感光体特性値を測定することを特徴とする電子写真用感光体試験装置により、測定中に電子写真用感光体の電荷がサンプル窓枠部分へ漏洩するのを防ぐことができる。
請求項5の電子写真用感光体試験装置において、請求項4記載の電子写真用感光体試験装置において、絶縁性薄膜の開口部サイズより、被試験体の電位を計測する電位計による測定面積を小面積にし、ターンテーブル回転中に該面積が絶縁性薄膜の開口部サイズ内に収まることを特徴とする電子写真用感光体試験装置により、被試験体以外の電位計測を抑えることができる。
請求項6の電子写真用感光体試験装置において、請求項5記載の電子写真用感光体試験装置において、感光体試料片の電位計測を行うゲート時間は、電位計が絶縁性薄膜の開口部サイズ内の位置に存在する時間内であることを特徴とする電子写真用感光体試験装置により、必要無い部分の電位計測を行なわず、被試験体のみの電位計測を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来及び本発明に使用の電子写真感光体試料特性評価装置の概略構成図。
【図2】本発明の評価装置サンプル台被覆による表面電位測定結果を示す説明図。
【図3】本発明の評価装置サンプル台被覆による充電電流測定結果を示す説明図。
【図4】本発明の評価装置のサンプル台窓枠部分皮膜被覆を示す説明図。
【図5】本発明の評価装置のサンプル台開口部皮膜被覆を示す説明図。
【符号の説明】
1 ターンテーブル、2 試料片押え板、3 開口部、4 コロナ帯電器、5表面電位計電極部・露光装置、6 電流計測・平滑化回路、他、7 表面電位計:アンプ回路、他、8 インターフェイス(A/D変換)、9 コントローラ
Claims (6)
- 電子写真用感光体試料片をセット可能な開口部を持つターンテーブルと、ターンテーブルを高速で回転させる回転駆動手段と、を備え、帯電及び露光手段により電子写真用感光体の特性を評価する電子写真用感光体試験装置において、ターンテーブルのサンプル設置面及び/又は該設置面に対して垂直であるサンプル窓枠部分を絶縁性の皮膜により被覆することを特徴とする電子写真用感光体試験装置。
- 請求項1記載の電子写真用感光体試験装置において、ターンテーブルのサンプル窓枠部分のサイズより、被試験体の電位を計測する電位計による測定面積を小面積にし、ターンテーブル回転中に該測定面積がサンプル測定サイズ内に収まる面積にしたことを特徴とする電子写真用感光体試験装置。
- 請求項2記載の電子写真用感光体試験装置において、感光体試料片の電位計測を行うゲート時間は、電位計がサンプル測定サイズ内の位置に存在する時間内であることを特徴とする電子写真用感光体試験装置。
- 電子写真用感光体試料片をセット可能な開口部を持つターンテーブルと、ターンテーブルを高速回転する回転駆動手段と、帯電及び露光手段を有する電子写真用感光体の特性値評価試験装置において、ターンテーブルのサンプル台に、ターンテーブルのサンプル窓枠部分のサイズより小さな開口部を持った絶縁性の薄膜を設置し、その上に感光体試料片を設置して感光体特性値を測定することを特徴とする電子写真用感光体試験装置。
- 請求項4記載の電子写真用感光体試験装置において、絶縁性薄膜の開口部サイズより、被試験体の電位を計測する電位計による測定面積を小面積にし、ターンテーブル回転中に該測定面積が絶縁性薄膜の開口部サイズ内に収まることを特徴とする電子写真用感光体試験装置。
- 請求項5記載の電子写真用感光体試験装置において、感光体試料片の電位計測を行うゲート時間は、電位計が絶縁性薄膜の開口部サイズ内の位置に存在する時間内であることを特徴とする電子写真用感光体試験装置。
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