JP2004271262A - Fm−cwレーダ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】同一監視領域のビーム内に近接する2つの目標物がある場合、あるいはガードレールなどの周辺環境によりノイズレベルが等価的に上昇してしまう場合に、CFARなどの手段にて第1の目標物を検出する際、第2の目標物からの受信強度によって周辺のノイズレベルが上昇し、第一の目標物がスレッショルドレベルに埋もれて検出できないという課題があった。
【解決手段】目標物周辺の周波数領域における受信強度レベル分布において、目標物周辺の大きい受信強度レベルをスレッショルド算出処理における入力値から削除することにより、目標物周辺のノイズレベルの上昇を抑えると共に、周辺環境に即したダイナミックなスレッショルドを設定することが可能となり、目標物を精度よく検出することができる。
【選択図】 図3
【解決手段】目標物周辺の周波数領域における受信強度レベル分布において、目標物周辺の大きい受信強度レベルをスレッショルド算出処理における入力値から削除することにより、目標物周辺のノイズレベルの上昇を抑えると共に、周辺環境に即したダイナミックなスレッショルドを設定することが可能となり、目標物を精度よく検出することができる。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、車載レーダ装置、特に、前方に存在する車両やバイク等の障害物の位置情報から危険度を判別することにより、事故を未然に防止するなどの安全走行に応用する走査式のFM−CWレーダ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のFM−CWレーダ装置は、目標物に対して電磁波を送信し、目標物からの反射波を受信する空中線と、空中線に対して所定の周波数を送信し、目標物からの反射波から目標物の情報を検波する送受信機と、送受信機にて検波した受信信号によりノイズレベルを算出するためのノイズレベル算出部と、ノイズレベル算出部の出力信号からスレッショルドを算出するスレッショルド算出部と、送受信機からの受信信号とスレッショルド算出部出力とにより目標を検出する目標検出部と、目標検出部出力を表示する表示部と、表示部からの指令にて、スレッショルド値を変化させることができる係数切替装置とを設けている(例えば、特許文献1参照)。
また、FM−CWレーダ装置の原理は、広く公知とされている(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−230028号公報(段落番号[0012]から[0015]、図1)
【非特許文献1】
吉田孝監修「レーダ技術」、コロナ社、P287〜P289、FM−CWレーダ
【0004】
従来、前方に存在する車両やバイク等の目標物の受信強度を検出する際に、ガードレールや地面反射などの不要信号によりノイズレベルが等価的に上昇した場合、目標物とノイズレベルとを区別するためのスレッショルドレベルが高くなり、正しく目標検出を行えなくなるという場合が発生する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来のレーダ装置は、以上のように構成されているので、同一監視領域のビーム内に近接する2つの目標物がいる場合や、ガードレールなどの周辺環境によりノイズレベルが等価的に上昇してしまう場合に、CFAR(Constant False Alarm Ratio)などの手段にて、第1の目標物を検出する方法もある。しかしながら、この方法を用いても、第2の目標物からの受信強度によって周辺のノイズレベルが上昇し、第一の目標物がスレッショルドレベルに埋もれて検出できないことがあるという課題があった。
【0006】
特に、FM−CWレーダ装置においては、異なる変調区間にてそれぞれ目標物として検出しなければ、目標物の距離と相対速度とを算出することができない。しかし、周辺の影響により異なる変調区間のいずれでも目標を検出できなければ、目標物までの距離と相対速度とを求めることができないという課題があった。
【0007】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、目標物を周辺の状況に影響されにくく、精度よく検出するFM−CWレーダ装置を得ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るFM−CWレーダ装置は、目標物に対して周波数を時間的に上昇或いは下降させて異なる変調を施した電波を送信し、目標物からの反射波を受信して目標物までの距離と相対速度に対応したビート信号を周波数解析し目標物までの距離と相対速度とを求めるFM−CWレーダ装置において、変調をかけた電波を送信し、その反射波を受信する空中線と、送信電波の周波数を上限値と下限値の間で周期的かつ直線的に変調し送信信号を発信し、受信波と送信波の差分を検波して増幅する送受信機と、この送受信機出力を高速フーリエ変換等の手段を用いて目標物に相当する離散的な周波数と受信強度に分離する周波数解析手段と、この周波数解析手段より得られた監視領域における送受信機出力の離散的な周波数と受信強度とから、目標物周辺のレベルの平均値であるノイズレベル平均値Nを算出するノイズレベル算出部と、このノイズレベル平均値Nにおいて、受信強度が最も大きい受信データ関連部分を削除して平均化して、補正後のノイズレベル平均値N’を算出するノイズレベル補正手段と、この補正後のノイズレベル平均値N’と予め保持する所定の係数Kとからスレッショルド値である(N’×K)を算出するスレッショルド算出部と、このスレッショルド値(N’×K)から、目標物の受信強度値Sが上記スレッショルド値(N’×K)よりも大きい場合に、目標物からの受信強度と識別するCFARなどの目標検出手段と、この目標検出手段より得られた異なる変調区間の目標物の離散的な周波数と受信強度とから、目標物までの距離と相対速度とを算出する距離・相対速度演算器と、距離・相対速度演算器出力を表示する表示部とを備えたものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の一形態を説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1によるFM−CWレーダ装置の運用形態を示す概念図である。図において、道路において自車両1に搭載されたFM−CWレーダ装置2にて進行方向を監視中に、ラインL1上を走行中の第1の前方車両3とラインL2上を走行中の第2の前方車両4とを車線マーカ6をはさんで、監視中のビーム5にて第1の前方車両と第2の前方車両とに電磁波を送信し、それぞれから反射波を受信した様子を示している。
【0010】
図2(a)(b)は、この発明の実施の形態1によるFM−CWレーダ装置において、目標を検出するための原理を説明するための図であり、以下のように動作する。
まず、図において、送信する周波数を時間に対して上昇させた送信波7と周波数を時間に対して下降させた送信波8をそれぞれ目標物に対して送信する。
次に、目標物までの距離による時間遅延と目標物の速度による周波数のドップラーシフトにより、点線で示すような送信波7に対する受信波9と送信波8に対する受信波10を得る。
次に、FM−CWレーダ装置において、送信波7と受信波9との差分信号11、および送信波8と受信波10との差分信号12を検波する。差分信号11および差分信号12は、時間に対してビート信号13のような周波数変移をとる。
【0011】
また、時間に対して周波数を上昇させたときに得た差分信号11の周波数をfup、時間に対して周波数を下降させたときに得た差分信号12の周波数をfdownとすると、目標物までの距離による時間遅延により差分信号に現れる周波数fr、および目標物の速度による周波数のドップラーシフトにより差分信号に現れる周波数fvにより、それぞれfup=fr+fv、fdown=fr−fvと現すことができる。
従って、fupおよびfdownをそれぞれ高速フーリエ変換などの周波数解析手段を用いて検出し、上記の組合せ式を解くことにより目標物の距離と速度とを得ることができる。ここでは、簡便的に目標物が1つである場合について詳述したが、目標物が2つ以上の場合には、差分信号が合成波形になるだけであり原理は同じである。
【0012】
図3は、この発明の実施の形態1によるFM−CWレーダ装置を示す詳細構成図である。図において、FM−CWレーダ装置は、目標物に対して電磁波を送信し、目標物からの反射波を受信する空中線14と、空中線に対して所定の周波数を送信し、目標物からの反射波から目標物の情報を検波する送受信機15と、送受信機にて検波した受信信号により高速フーリエ変換などの周波数解析手段を用いて受信信号の周波数領域の受信強度分布を算出する周波数解析手段16と、周波数解析手段出力から目標物のみの周波数成分と受信強度とを検出する目標信号検出手段17と、タイミング制御回路22と、相対距離・相対速度演算部23と、表示部24を備える。
また、目標信号検出手段17には、周波数解析手段16出力からノイズレベルを算出するためのノイズレベル算出部18と、ノイズレベル算出部18にて周波数領域における受信強度の平均レベルを算出する過程において、受信強度が大きいものを削除して平均化することによりノイズレベルの上昇を防ぐノイズレベル補正手段19と、ノイズレベル補正手段19の出力信号からスレッショルドを算出するスレッショルド算出部20と、周波数解析手段16からの出力とスレッショルド算出部出力20とにより目標を検出する目標検出部21を備える。
また、タイミング制御回路22は、上昇変調区間と下降変調区間とを切り替える。相対距離・相対速度演算部23は、上昇変調区間と下降変調区間とにおいて、それぞれの目標検出部出力により目標物の相対距離と相対速度とを算出し、表示部24は、相対距離・相対速度演算器出力を表示する。
【0013】
図4は、この発明の実施の形態1によるFM−CWレーダ装置において、目標物の周辺に存在する大きい受信強度によりノイズレベルが上昇することを防ぐ動作を説明するための図であり、まず、周波数解析手段からの出力により第1の目標物25と第2の目標物26の存在する周波数領域における離散的な強度分布を得ることができる。
次に、CFARなどの手段により目標物として検出しない確率(誤警報確率)が一定となるようにスレッショルドを決定する場合、第1の目標物25の周辺レベルから、例えば、離散的な周波数分布において周波数の低い方の4つの領域27と、周波数の高い方の4つの領域28とにおける平均レベルをノイズレベルNとして算出する。
この時、周波数の高い方の4つの領域28の中に第2の目標物26による受信強度が存在することにより、ノイズレベルNが等価的に上昇することとなり、目標物を検出するためのスレッショルドを所定の係数をKとして、K×Nとすれば、同じように上昇することとなる。このように、ノイズレベル算出を離散的な周波数毎に受信強度分布により繰り返すと、スレッショルドK×Nは、スレッショルドA29のようなり、第1の目標物25はスレッショルドA29に埋もれてしまい検出できないことになる。
例えば、第1の目標物25の周辺レベルとして、目標物25の受信強度を示す離散的な周波数から低い周波数の受信強度データの範囲27と、目標物25の受信強度を示す離散的な周波数から高い周波数の受信強度データの範囲28との中で受信強度の最も大きい方から降順に並べ替える。この時、第2の目標物26の受信強度が受信強度データの範囲28に入っている。従って、受信強度の最も大きい第2の目標物26の受信強度を削除して平均レベルを求めることにより、ノイズレベルN‘を再度算出するノイズレベル補正手段により、スレッショルド値K×N’はスレッショルドB30のようになり、第1の目標物25を正確に検出することができる。
【0014】
この実施の形態1によれば、目標物周辺の大きい受信強度レベルをスレッショルド算出処理における入力値から排除することにより、目標物周辺のノイズレベルの上昇を抑えるとともに、周辺環境に即したダイナミックなスレッショルドを設定することができるため、目標物を精度よく検出することができる効果を奏する。
【0015】
実施の形態2.
図5は、この発明の実施の形態2によるFM−CWレーダ装置を示す詳細構成図であり、図2と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
カウンタ31は、ノイズレベル算出部18において、離散的な周波数毎にノイズレベルを算出する順番をカウントするカウンタである。
【0016】
次に、動作について説明する。
カウンタ31は、ノイズレベル算出部18において離散的な周波数の数を昇順にカウントする。例えば、図4において、第1の目標物25の周辺レベルとして、目標物25の受信強度を示す離散的な周波数から低い周波数の受信強度データの範囲27が、DC付近の受信強度の高い部分(図4において、離散的周波数の0から5付近までの範囲)にあると、ノイズレベルNを上昇させてしまう。
従って、カウンタ31は、ノイズレベル算出部18において離散的な周波数の数をカウントしていき、DC付近の受信強度が大きい領域の間にカウント値がある場合には信号をノイズレベル算出部18に出力する。ノイズレベル算出部18は、カウンタ31からの信号がある場合には、目標物の周波数よりも高い周波数の受信強度データの範囲について使用し、目標物の周波数よりも低い周波数の受信強度データの範囲はノイズレベル算出に使用しないこととする。
【0017】
この実施の形態2により、目標物の周辺レベルをノイズレベルとして算出する場合に、DC付近の漏れ込みによる大きな受信強度の領域を使用しないため、ノイズレベルを等価的に上昇させることを防ぐことができるため、目標物を精度よく検出できる効果を奏する。
【0018】
【発明の効果】
この発明によれば、目標物周辺の大きい受信強度レベルをスレッショルド算出処理における入力値から削除することにより、目標物周辺のノイズレベルの上昇を抑えるとともに、周辺環境に即したダイナミックなスレッショルドを設定することができるため、目標物を精度よく検出することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1によるFM−CWレーダ装置の運用を示す概念図である。
【図2】この発明のFM−CWレーダ装置の原理示す図である。
【図3】この発明の実施の形態1によるFM−CWレーダ装置を示す詳細構成図である。
【図4】この発明の実施の形態1によるFM−CWレーダ装置の処理内容を示す図である。
【図5】この発明の実施の形態2によるFM−CWレーダ装置を示す詳細構成図である。
【符号の説明】
1 自車両、2 FM−CWレーダ装置、3 第1の前方車両、4 第2の前方車両、5 レーンマーカ、6 監視領域のビーム、7 送信する周波数を時間に対して上昇させた送信波、8 周波数を時間に対して下降させた送信波、9 送信波7に対する受信波、10 送信波8に対する受信波、11 送信波7と受信波9との差分信号、12 送信波8と受信波10との差分信号、13 ビート信号、 14 空中線、15 送受信機、 16 周波数解析手段、17 目標信号検出手段、18 ノイズレベル算出部、19 ノイズレベル補正手段、20 スレッショルド算出部、21 目標検出部、22 タイミング制御部、23 相対距離・相対速度演算部、24 表示部、25 第1の目標物、26 第2の目標物、27 周波数の低い方のノイズ算出領域、28 周波数の高い方のノイズ算出領域、29 スレッショルドA、30 スレッショルドB、31 カウンタ。
【発明の属する技術分野】
この発明は、車載レーダ装置、特に、前方に存在する車両やバイク等の障害物の位置情報から危険度を判別することにより、事故を未然に防止するなどの安全走行に応用する走査式のFM−CWレーダ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のFM−CWレーダ装置は、目標物に対して電磁波を送信し、目標物からの反射波を受信する空中線と、空中線に対して所定の周波数を送信し、目標物からの反射波から目標物の情報を検波する送受信機と、送受信機にて検波した受信信号によりノイズレベルを算出するためのノイズレベル算出部と、ノイズレベル算出部の出力信号からスレッショルドを算出するスレッショルド算出部と、送受信機からの受信信号とスレッショルド算出部出力とにより目標を検出する目標検出部と、目標検出部出力を表示する表示部と、表示部からの指令にて、スレッショルド値を変化させることができる係数切替装置とを設けている(例えば、特許文献1参照)。
また、FM−CWレーダ装置の原理は、広く公知とされている(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−230028号公報(段落番号[0012]から[0015]、図1)
【非特許文献1】
吉田孝監修「レーダ技術」、コロナ社、P287〜P289、FM−CWレーダ
【0004】
従来、前方に存在する車両やバイク等の目標物の受信強度を検出する際に、ガードレールや地面反射などの不要信号によりノイズレベルが等価的に上昇した場合、目標物とノイズレベルとを区別するためのスレッショルドレベルが高くなり、正しく目標検出を行えなくなるという場合が発生する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来のレーダ装置は、以上のように構成されているので、同一監視領域のビーム内に近接する2つの目標物がいる場合や、ガードレールなどの周辺環境によりノイズレベルが等価的に上昇してしまう場合に、CFAR(Constant False Alarm Ratio)などの手段にて、第1の目標物を検出する方法もある。しかしながら、この方法を用いても、第2の目標物からの受信強度によって周辺のノイズレベルが上昇し、第一の目標物がスレッショルドレベルに埋もれて検出できないことがあるという課題があった。
【0006】
特に、FM−CWレーダ装置においては、異なる変調区間にてそれぞれ目標物として検出しなければ、目標物の距離と相対速度とを算出することができない。しかし、周辺の影響により異なる変調区間のいずれでも目標を検出できなければ、目標物までの距離と相対速度とを求めることができないという課題があった。
【0007】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、目標物を周辺の状況に影響されにくく、精度よく検出するFM−CWレーダ装置を得ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るFM−CWレーダ装置は、目標物に対して周波数を時間的に上昇或いは下降させて異なる変調を施した電波を送信し、目標物からの反射波を受信して目標物までの距離と相対速度に対応したビート信号を周波数解析し目標物までの距離と相対速度とを求めるFM−CWレーダ装置において、変調をかけた電波を送信し、その反射波を受信する空中線と、送信電波の周波数を上限値と下限値の間で周期的かつ直線的に変調し送信信号を発信し、受信波と送信波の差分を検波して増幅する送受信機と、この送受信機出力を高速フーリエ変換等の手段を用いて目標物に相当する離散的な周波数と受信強度に分離する周波数解析手段と、この周波数解析手段より得られた監視領域における送受信機出力の離散的な周波数と受信強度とから、目標物周辺のレベルの平均値であるノイズレベル平均値Nを算出するノイズレベル算出部と、このノイズレベル平均値Nにおいて、受信強度が最も大きい受信データ関連部分を削除して平均化して、補正後のノイズレベル平均値N’を算出するノイズレベル補正手段と、この補正後のノイズレベル平均値N’と予め保持する所定の係数Kとからスレッショルド値である(N’×K)を算出するスレッショルド算出部と、このスレッショルド値(N’×K)から、目標物の受信強度値Sが上記スレッショルド値(N’×K)よりも大きい場合に、目標物からの受信強度と識別するCFARなどの目標検出手段と、この目標検出手段より得られた異なる変調区間の目標物の離散的な周波数と受信強度とから、目標物までの距離と相対速度とを算出する距離・相対速度演算器と、距離・相対速度演算器出力を表示する表示部とを備えたものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の一形態を説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1によるFM−CWレーダ装置の運用形態を示す概念図である。図において、道路において自車両1に搭載されたFM−CWレーダ装置2にて進行方向を監視中に、ラインL1上を走行中の第1の前方車両3とラインL2上を走行中の第2の前方車両4とを車線マーカ6をはさんで、監視中のビーム5にて第1の前方車両と第2の前方車両とに電磁波を送信し、それぞれから反射波を受信した様子を示している。
【0010】
図2(a)(b)は、この発明の実施の形態1によるFM−CWレーダ装置において、目標を検出するための原理を説明するための図であり、以下のように動作する。
まず、図において、送信する周波数を時間に対して上昇させた送信波7と周波数を時間に対して下降させた送信波8をそれぞれ目標物に対して送信する。
次に、目標物までの距離による時間遅延と目標物の速度による周波数のドップラーシフトにより、点線で示すような送信波7に対する受信波9と送信波8に対する受信波10を得る。
次に、FM−CWレーダ装置において、送信波7と受信波9との差分信号11、および送信波8と受信波10との差分信号12を検波する。差分信号11および差分信号12は、時間に対してビート信号13のような周波数変移をとる。
【0011】
また、時間に対して周波数を上昇させたときに得た差分信号11の周波数をfup、時間に対して周波数を下降させたときに得た差分信号12の周波数をfdownとすると、目標物までの距離による時間遅延により差分信号に現れる周波数fr、および目標物の速度による周波数のドップラーシフトにより差分信号に現れる周波数fvにより、それぞれfup=fr+fv、fdown=fr−fvと現すことができる。
従って、fupおよびfdownをそれぞれ高速フーリエ変換などの周波数解析手段を用いて検出し、上記の組合せ式を解くことにより目標物の距離と速度とを得ることができる。ここでは、簡便的に目標物が1つである場合について詳述したが、目標物が2つ以上の場合には、差分信号が合成波形になるだけであり原理は同じである。
【0012】
図3は、この発明の実施の形態1によるFM−CWレーダ装置を示す詳細構成図である。図において、FM−CWレーダ装置は、目標物に対して電磁波を送信し、目標物からの反射波を受信する空中線14と、空中線に対して所定の周波数を送信し、目標物からの反射波から目標物の情報を検波する送受信機15と、送受信機にて検波した受信信号により高速フーリエ変換などの周波数解析手段を用いて受信信号の周波数領域の受信強度分布を算出する周波数解析手段16と、周波数解析手段出力から目標物のみの周波数成分と受信強度とを検出する目標信号検出手段17と、タイミング制御回路22と、相対距離・相対速度演算部23と、表示部24を備える。
また、目標信号検出手段17には、周波数解析手段16出力からノイズレベルを算出するためのノイズレベル算出部18と、ノイズレベル算出部18にて周波数領域における受信強度の平均レベルを算出する過程において、受信強度が大きいものを削除して平均化することによりノイズレベルの上昇を防ぐノイズレベル補正手段19と、ノイズレベル補正手段19の出力信号からスレッショルドを算出するスレッショルド算出部20と、周波数解析手段16からの出力とスレッショルド算出部出力20とにより目標を検出する目標検出部21を備える。
また、タイミング制御回路22は、上昇変調区間と下降変調区間とを切り替える。相対距離・相対速度演算部23は、上昇変調区間と下降変調区間とにおいて、それぞれの目標検出部出力により目標物の相対距離と相対速度とを算出し、表示部24は、相対距離・相対速度演算器出力を表示する。
【0013】
図4は、この発明の実施の形態1によるFM−CWレーダ装置において、目標物の周辺に存在する大きい受信強度によりノイズレベルが上昇することを防ぐ動作を説明するための図であり、まず、周波数解析手段からの出力により第1の目標物25と第2の目標物26の存在する周波数領域における離散的な強度分布を得ることができる。
次に、CFARなどの手段により目標物として検出しない確率(誤警報確率)が一定となるようにスレッショルドを決定する場合、第1の目標物25の周辺レベルから、例えば、離散的な周波数分布において周波数の低い方の4つの領域27と、周波数の高い方の4つの領域28とにおける平均レベルをノイズレベルNとして算出する。
この時、周波数の高い方の4つの領域28の中に第2の目標物26による受信強度が存在することにより、ノイズレベルNが等価的に上昇することとなり、目標物を検出するためのスレッショルドを所定の係数をKとして、K×Nとすれば、同じように上昇することとなる。このように、ノイズレベル算出を離散的な周波数毎に受信強度分布により繰り返すと、スレッショルドK×Nは、スレッショルドA29のようなり、第1の目標物25はスレッショルドA29に埋もれてしまい検出できないことになる。
例えば、第1の目標物25の周辺レベルとして、目標物25の受信強度を示す離散的な周波数から低い周波数の受信強度データの範囲27と、目標物25の受信強度を示す離散的な周波数から高い周波数の受信強度データの範囲28との中で受信強度の最も大きい方から降順に並べ替える。この時、第2の目標物26の受信強度が受信強度データの範囲28に入っている。従って、受信強度の最も大きい第2の目標物26の受信強度を削除して平均レベルを求めることにより、ノイズレベルN‘を再度算出するノイズレベル補正手段により、スレッショルド値K×N’はスレッショルドB30のようになり、第1の目標物25を正確に検出することができる。
【0014】
この実施の形態1によれば、目標物周辺の大きい受信強度レベルをスレッショルド算出処理における入力値から排除することにより、目標物周辺のノイズレベルの上昇を抑えるとともに、周辺環境に即したダイナミックなスレッショルドを設定することができるため、目標物を精度よく検出することができる効果を奏する。
【0015】
実施の形態2.
図5は、この発明の実施の形態2によるFM−CWレーダ装置を示す詳細構成図であり、図2と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
カウンタ31は、ノイズレベル算出部18において、離散的な周波数毎にノイズレベルを算出する順番をカウントするカウンタである。
【0016】
次に、動作について説明する。
カウンタ31は、ノイズレベル算出部18において離散的な周波数の数を昇順にカウントする。例えば、図4において、第1の目標物25の周辺レベルとして、目標物25の受信強度を示す離散的な周波数から低い周波数の受信強度データの範囲27が、DC付近の受信強度の高い部分(図4において、離散的周波数の0から5付近までの範囲)にあると、ノイズレベルNを上昇させてしまう。
従って、カウンタ31は、ノイズレベル算出部18において離散的な周波数の数をカウントしていき、DC付近の受信強度が大きい領域の間にカウント値がある場合には信号をノイズレベル算出部18に出力する。ノイズレベル算出部18は、カウンタ31からの信号がある場合には、目標物の周波数よりも高い周波数の受信強度データの範囲について使用し、目標物の周波数よりも低い周波数の受信強度データの範囲はノイズレベル算出に使用しないこととする。
【0017】
この実施の形態2により、目標物の周辺レベルをノイズレベルとして算出する場合に、DC付近の漏れ込みによる大きな受信強度の領域を使用しないため、ノイズレベルを等価的に上昇させることを防ぐことができるため、目標物を精度よく検出できる効果を奏する。
【0018】
【発明の効果】
この発明によれば、目標物周辺の大きい受信強度レベルをスレッショルド算出処理における入力値から削除することにより、目標物周辺のノイズレベルの上昇を抑えるとともに、周辺環境に即したダイナミックなスレッショルドを設定することができるため、目標物を精度よく検出することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1によるFM−CWレーダ装置の運用を示す概念図である。
【図2】この発明のFM−CWレーダ装置の原理示す図である。
【図3】この発明の実施の形態1によるFM−CWレーダ装置を示す詳細構成図である。
【図4】この発明の実施の形態1によるFM−CWレーダ装置の処理内容を示す図である。
【図5】この発明の実施の形態2によるFM−CWレーダ装置を示す詳細構成図である。
【符号の説明】
1 自車両、2 FM−CWレーダ装置、3 第1の前方車両、4 第2の前方車両、5 レーンマーカ、6 監視領域のビーム、7 送信する周波数を時間に対して上昇させた送信波、8 周波数を時間に対して下降させた送信波、9 送信波7に対する受信波、10 送信波8に対する受信波、11 送信波7と受信波9との差分信号、12 送信波8と受信波10との差分信号、13 ビート信号、 14 空中線、15 送受信機、 16 周波数解析手段、17 目標信号検出手段、18 ノイズレベル算出部、19 ノイズレベル補正手段、20 スレッショルド算出部、21 目標検出部、22 タイミング制御部、23 相対距離・相対速度演算部、24 表示部、25 第1の目標物、26 第2の目標物、27 周波数の低い方のノイズ算出領域、28 周波数の高い方のノイズ算出領域、29 スレッショルドA、30 スレッショルドB、31 カウンタ。
Claims (2)
- 目標物に対して周波数を時間的に上昇或いは下降させて異なる変調を施した電波を送信し、目標物からの反射波を受信して目標物までの距離と相対速度に対応したビート信号を周波数解析し目標物までの距離と相対速度とを求めるFM−CWレーダ装置において、
変調をかけた電波を送信し、その反射波を受信する空中線と、
送信電波の周波数を上限値と下限値の間で周期的かつ直線的に変調し送信信号を発信し、受信波と送信波の差分を検波して増幅する送受信機と、
この送受信機出力を高速フーリエ変換等の手段を用いて目標物に相当する離散的な周波数と受信強度に分離する周波数解析手段と、
この周波数解析手段より得られた監視領域における送受信機出力の離散的な周波数と受信強度とから、目標物周辺のレベルの平均値であるノイズレベル平均値Nを算出するノイズレベル算出部と、
このノイズレベル平均値Nにおいて、受信強度が最も大きい受信データ関連部分を削除し平均化して補正後のノイズレベル平均値N’を算出するノイズレベル補正手段と、
この補正後のノイズレベル平均値N’と予め保持する所定の係数Kとからスレッショルド値である(N’×K)を算出するスレッショルド算出部と、
このスレッショルド値(N’×K)から、目標物の受信強度値Sが上記スレッショルド値(N’×K)よりも大きい場合に、目標物からの受信強度と識別するCFARなどの目標検出手段と、
この目標検出手段より得られた異なる変調区間の目標物の離散的な周波数と受信強度とから、目標物までの距離と相対速度とを算出する距離・相対速度演算器と、
距離・相対速度演算器出力を表示する表示部と、
を備えたことを特徴とするFM−CWレーダ装置。 - 上記ノイズレベル算出部において、離散的な周波数を昇順にカウントするカウンタ部を備え、
上記ノイズレベル平均値Nを算出する際に、DC付近の受信強度が大きい部分の離散的な周波数をカウントして目標物が当該領域にある場合に、目標物よりも高い側にある周辺レベルをノイズレベルの算出に使用して、上記スレッショルド補正手段がDC付近にある受信強度の大きい値の影響を受けない様にしたことを特徴とする請求項1記載のFM−CWレーダ装置。
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