JP2004271194A - 電波修正時計及びその制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】電波修正時計の使用者が、時刻修正のために時差情報を入力するに於いて、午前と午後を誤り12時間ずれた時差情報を入力したとしても、その時差情報の誤りを検出して自動的に補正し、正しい時刻を表示する電波修正時計を実現する。
【解決手段】標準時を受信する受信部20と、設定時刻を入力して時刻情報を計時する計時回路23と、計時回路23からの時刻情報を表示する表示部3と、使用者が要求する前記標準時に対する時差を記憶する時差メモリ26と、計時回路23に設定時刻を出力する演算回路27とを有し、演算回路27は時差メモリ26に記憶された時差の午前と午後の誤りを検出し、誤りが検出された場合には時差の午前と午後の誤りを補正し、補正された時差と標準時とによって設定時刻を算出する構成とする。
【選択図】 図2
【解決手段】標準時を受信する受信部20と、設定時刻を入力して時刻情報を計時する計時回路23と、計時回路23からの時刻情報を表示する表示部3と、使用者が要求する前記標準時に対する時差を記憶する時差メモリ26と、計時回路23に設定時刻を出力する演算回路27とを有し、演算回路27は時差メモリ26に記憶された時差の午前と午後の誤りを検出し、誤りが検出された場合には時差の午前と午後の誤りを補正し、補正された時差と標準時とによって設定時刻を算出する構成とする。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は時刻情報を受信し、内蔵された計時手段内の時刻情報を自動修正する電波修正時計に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
時刻情報を乗せた標準電波を小型アンテナで受信し、時刻修正を自動的に行う電波修正時計は、アンテナの小型高性能化、受信装置の低消費電力化、コストダウン等の技術開発が進み、製品化が盛んに行われている。また、標準電波を送信する送信基地局も日本だけでなく、アメリカ、ヨーロッパ、アジアと各国に存在し、世界的な広がりを見せている。しかしながら時刻は当然のことではあるが、国や地域によって時差があり、それぞれの国や地域に於いて使用される時計は、その国や地域ごとの標準時を表示するものでなければならない。
【0003】
また、標準電波を送信する世界の送信基地局は、日本のようにその国の標準時を送信している国も有れば、アメリカ合衆国のように協定世界時(以下UTCと略す)を送信している国もある。ここでアメリカ合衆国のようにUTCを送信している国で電波修正時計を使用する場合、電波修正時計はUTCの時刻を表示することになり、正確な時刻を表示出来たとしても、その地域の標準時を表示することが出来ないので、使用者にとってはきわめて利便性が悪い。
【0004】
このような問題点を解決するために、使用者が必要とする時刻と受信する標準時との時差情報を記憶する時差記憶手段を設け、標準時を受信してもこの時差記憶手段に記憶された時差情報で、計時手段の時刻を自動的に補正する提案がなされている。(例えば特許文献1参照)。この方法によれば、電波修正時計はUTCを受信しても時差記憶手段に記憶された地域の時差情報によって、時刻情報を自動的に修正出来るので、手動による時差修正が不要で利便性が良い。
【0005】
【特許文献1】
特開平04−83196号公報(特許請求の範囲、第1図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、時差記憶手段を設けた電波修正時計であっても、使用者が時差情報を誤って入力し、受信する標準時との時差を間違った時差情報として記憶させてしまうと、その電波修正時計は標準時を正しく受信しても、結果として狂った時刻表示をすることになり大きな問題を有している。特に午前表示か午後表示かの判断が難しいアナログ表示方式の電波修正時計に於いては、例えば使用者がAM10時に時計を修正しようとして、誤ってPM10時に修正してしまうような操作ミスが起こりやすい。このような場合、見かけの時刻表示は正しいように見えても12時間のずれが生じているので、日付機能付き時計では昼間の12時に日付が翌日になり、また、アラーム機能付きの時計では、アラームが12時間ずれて鳴るといった大きな問題が生じる。
【0007】
本発明の目的は、上記課題を解決して、電波修正時計の使用者が、国又は地域の時刻に時計を合わせるために時差情報を入力するに於いて、午前と午後を誤り12時間ずれた時差情報を入力したとしても、その時差情報の誤りを検出して自動的に補正し、受信する標準時に対して正しい時差で時刻を表示する電波修正時計を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の電波修正時計は、下記記載の構成と方法を採用する。
【0009】
本発明の電波修正時計は、標準時を受信する受信手段と、前記標準時に対する時差データを記憶する時差記憶手段と、前記受信手段と前記時差記憶手段からの標準時と時差データに基づき前記標準時を基準とする時刻である設定時刻を演算し出力する演算手段と、該演算手段からの設定時刻を時刻情報として設定される機能を含み、且つ、該時刻情報を計時する計時手段と、該計時手段からの時刻情報を表示する表示手段とを有し、前記演算手段は前記時差記憶手段に記憶された前記時差データの誤りを検出して補正する様に構成したことを特徴とする。
【0010】
本発明の電波修正時計により、受信した標準時に対する時差を使用者が誤って記憶させたとしても、その誤りを検出して自動的に補正し正しい時刻情報を表示することが出来る。
【0011】
また更に、時差入力手段を有し、該時差入力手段によって前記時差記憶手段に前記時差データを任意に入力できる様に構成したことを特徴とする。
【0012】
これにより、使用者は受信した標準時に対して任意な時差データを入力することが出来るので、使用者の都合に合わせた時刻を表示させることが出来る。
【0013】
また更に、前記標準時に対する国又は地域の時差を記憶する固有時差記憶手段を有し、該固有時差記憶手段は単独の固有時差データを一つ以上、又は、時差範囲を示す一対の固有時差データを一組以上記憶する様に構成したことを特徴とする。
【0014】
これにより、電波修正時計が使用される国や地域の時差データを固有時差記憶手段に記憶させることが出来る。
【0015】
また、前記演算手段は、前記時差データが前記標準時に対して零乃至進んでいる場合、前記時差データから12時間を減算した値が前記固有時差データに等しいとき、又は前記一対の固有時差データが示す時差範囲に含まれるとき、前記時差データに12時間の誤りがあると判断し、また、前記時差データが前記標準時に対して遅れている場合、前記時差データに12時間を加算した値が前記固有時差データに等しいとき、又は前記一対の固有時差データが示す時差範囲に含まれるとき、前記時差データに12時間の誤りがあると判断することを特徴とする。
【0016】
これにより、電波修正時計は受信した標準時に対して、使用者が誤って入力した時差データの12時間の誤りを検出することが出来る。
【0017】
また、前記演算手段は、前記時差データが前記標準時に対して零乃至進んでおり、且つ、前記時差データに誤りが検出された場合は、前記時差データから12時間を減算した値を時差データとして補正し、また、前記時差データが前記標準時に対して遅れており、且つ、前記時差データに誤りが検出された場合は、前記時差データに12時間を加算した値を時差データとして補正することを特徴とする。
【0018】
これにより、電波修正時計は受信した標準時に対して、使用者が入力した時差データの誤りを正しく補正することが出来る。
【0019】
本発明の制御方法は、標準時を受信する工程と、前記標準時に対する時差データを入力し記憶する工程と、標準時と時差データに基づき標準時を基準とする時刻である設定時刻を算出する工程と、該設定時刻を時刻情報として設定する工程と、設定された時刻情報を計時する工程と、該時刻情報を表示する工程と、前記時差データの誤りを検出する工程と、該時差データの誤りを補正する工程とを有することを特徴とする。
【0020】
本発明の制御方法により、受信した標準時に対する時差を使用者が誤って記憶させたとしても、その誤りを検出して自動的に補正し正しい時刻情報を表示することが出来る。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の実施形態である電波修正時計と標準電波を送信する送信基地局との関係を示した説明図である。図1に於いて1はアナログ表示方式の電波修正時計である。2は金属等によって成る外装であり、3は表示手段としての表示部であり、秒針3a、分針3b、時針3c、及び日付を表示する日付表示部3dによって構成される。4は超小型の受信アンテナであり、外装2の内部の12時の方向に配置されている。5は時刻や日付を修正するリューズである。6は使用者の腕に装着するためのバンドである。
【0022】
10は標準電波を送信するための送信基地局である。11は標準時を乗せた標準電波を放射する送信アンテナであり、12は標準時を高精度で計時する原子時計である。13は送信アンテナ11から送信される標準時を乗せた標準電波である。標準電波13は通常数十KHzの長波によってなり、半径1000Km程度の範囲で受信することが出来る。
【0023】
ここで、電波修正時計1で標準電波13を受信するには、前述した如く、受信アンテナ4が外装2の内部の12時方向に配置されているので、好ましくは電波修正時計1の12時方向を送信基地局10がある方向に向け、受信開始ボタン(図示せず)を操作する。電波修正時計1が標準電波13を受信すると、電波修正時計1内部で受信した標準電波13を解読して、秒分時や日付等の時刻情報と必要に応じて閏年やサマータイムの有無データ等を取得し、取得した時刻情報を計時して、表示部3や日付表示部3dで時刻情報や日付を表示する。尚、標準電波の受信は深夜などのノイズが少なく受信環境の良い時刻に定期的に実行させることが好ましい。
【0024】
次に図2に基づいて本発明の実施形態である電波修正時計1の回路ブロックの構成を説明する。図2に於いて、20は受信手段としての受信部であり、標準電波を受信する受信アンテナ4と接続され、微弱な標準電波を受信して増幅し受信信号P1を出力する。21はデコーダであり、受信信号P1を入力して秒、分、時、日等の標準時としての時刻情報に変換し標準時データP2を出力する。22は内部に水晶発振器(図示せず)を備える基準信号源であり、基準信号P3を出力する。
【0025】
23は計時手段としての計時回路であり、基準信号P3を入力して時刻情報を計時し、秒信号P4、時信号P5、日信号P6を出力する。表示部3は秒信号P4、時信号P5、日信号P6を入力して、秒分モータ3e、時モータ3f、日モータ3gを駆動し、前述した秒針3a、分針3b、時針3c、日付表示部3dによって時刻情報や日付情報を表示する。また、表示部3には各モータ3e〜3gの回転を伝達する輪列等の機械伝達機構があるがここでは説明を省略する。
【0026】
24は不揮発性メモリ等によって成る固有時差記憶手段としての固有時差メモリであり、国又は地域固有の標準時に対する時差情報を複数個記憶し、固有時差データP7を出力する。SW1とSW2は時差入力手段としての入力スイッチであり、前記リューズ5と連動しリューズ5の回転方向に従って選択的にON、OFFを繰り返し、入力信号P9、P10を出力する。25はインターフェース回路(以下I/F回路と略す)であり、入力信号P9,P10を入力して入力スイッチSW1とSW2の動作に応じて時差入力データP11を出力する。
【0027】
26は時差記憶手段としての時差メモリであり、使用者が入力する標準時に対する時差情報を記憶し時差データP8を出力する。27は演算手段としての演算回路であり、標準時データP2、固有時差データP7、時差データP8を入力し、設定時刻を算出して計時回路23に設定時刻データP12を出力する。また、演算回路27は時差入力データP11を入力して時差メモリ26に時差データを記憶する。28は電源であり、一次電池又は二次電池等によって成り、図示しないが電源ラインを介して各回路ブロックに電源を供給する。
【0028】
次に図2に基づいて、本発明の実施形態である電波修正時計1の基本動作を説明する。電源28が電源ライン(図示せず)を介して各回路ブロックに電力を供給すると、演算回路27は初期化処理を実行して各回路ブロックを初期化する。計時回路23は初期化されてAM00:00:00となり、表示部3の秒針3a、分針3b、時針3cは秒分モータ3e、時モータ3fによって、基準位置であるAM00:00:00に移動する。また、日付表示部3dも日モータ3gによって基準位置に移動する。ここで計時回路23は基準信号源22からの基準信号P3によって計時を開始し、表示部3は計時回路からの秒信号P4、時信号P5、日信号P6によって運針を開始する。
【0029】
受信部20は受信アンテナ4によって微弱な標準電波を受信し、選択的に増幅して標準時情報が埋め込まれたデジタル信号としての受信信号P1を出力する。デコーダ21は受信信号P1を入力し、標準時情報を解読して誤り訂正処理を実行し標準時データP2を出力する。固有時差メモリ24は、電波修正時計1の出荷先の国又は地域に対応して、工場出荷時に標準時に対する時差情報としての固有時差データを記憶される。
【0030】
ここで一例として電波修正時計1がアメリカ合衆国に出荷される場合の、固有時差メモリ24に記憶される時差情報について説明する。アメリカ合衆国の送信基地局は標準時としてUTCを採用しているので、各地域はUTCに対して時差を有している。具体的には、東部のニューヨークは−5時間(以下hと略す)の時差を有し、シカゴでは−6h、デンバーでは−7h、西部のロサンゼルスでは−8hの時差を有している。電波修正時計1をアメリカ合衆国に出荷する場合、一般的にその時計がどの地域で使用されるかは分からないので、標準時に対する時差情報は−5h〜−8hの範囲をカバーすることが好ましい。
【0031】
具体的には、固有時差メモリ24に出荷先の時差範囲の上限と下限である−5hと−8hの対となる二つの固有時差データを記憶させると良い。また、電波修正時計1がニューヨーク又はその近傍に限定して使用される場合などは、固有時差メモリ24には単独データとして−5hの固有時差データだけを記憶させても良い。また、日本などのように送信基地局が国固有の標準時を送信する場合などでは、固有時差メモリ24は0hを記憶させると良い。また、電波修正時計1を世界各国で使用できるようにするために、固有時差メモリ24に各国や地域に対応して、数多くの固有時差データを記憶させ、時計内部で時差データを切り替えて使用しても良い。
【0032】
次に、入力スイッチSW1はリューズ5を右方向に回転させるとONして入力信号P9を出力し、I/F回路25は入力信号P9を入力して時差を1hプラスする時差入力データP11を出力する。また、入力スイッチSW2はリューズ5を左方向に回転させるとONして入力信号P10を出力し、I/F回路25は入力信号P10を入力して時差を1hマイナスする時差入力データP11を出力する。
【0033】
時差メモリ26は、使用者が居る地域の時差を時差データとして記憶する。例えば、ニューヨークに住む使用者はその地域での時差は−5hであるので、リューズ5を操作して入力スイッチSW1、SW2を動作させ、時差メモリ26に−5hの時差データを入力し記憶させれば良い。また、デンバーに居る使用者はその地域の時差である−7hの時差をリューズ5を用いて時差メモリ26に記憶させれば良い。また、日本などのように送信基地局が国固有の標準時を送信する場合などでは、時差メモリ26は通常0hとすると良い。
【0034】
演算回路27は、受信部20が標準電波の受信に成功すると標準時データP2を入力してすると共に、固有時差データP7と時差データP8を入力する。ここで演算回路27は、固有時差データP7と時差データP8が共に0hの場合は、標準時差データP2から得られた標準時刻を設定時刻データP12としてそのまま計時回路23に出力する。計時回路23は、設定時刻データP12を時刻情報として記憶し計時を開始する。表示部3は計時回路23からの秒信号P4、時信号P5、日信号P6を入力して標準時データP2の時刻と日付をそのまま表示する。この動作は一例として日本に於ける電波修正時計1の動作である。
【0035】
また、時差メモリ26の時差データP8が0hで固有時差メモリ24に単独の固有時差データP7が存在する場合は、演算回路27は、標準時データP2に固有時差データP7を加算して設定時差データP12として計時回路23に出力する。この動作は一例としてUTCを標準時として送信し、且つ、国内がUTCに対して一つの時差で実施されている国での電波修正時計1の動作である。
【0036】
また更に一例として、時差メモリ26に先に説明した如くニューヨーク時間である−5hの時差データが記憶されている場合は、演算回路27は時差メモリ26の時差データP8を優先し、標準時データP2に時差データP8の−5hを加算して設定時刻データP12として計時回路23に出力する。この結果、表示部3はUTCに対して−5hの時差を持った時刻(すなわちニューヨーク時間)を表示することが出来る。尚、演算回路27は、時差メモリ26の記憶内容を調べ、時差データの入力ミスを見つけることが出来るが、その動作については、図3〜図6で示す動作フローの中で詳細に説明する。
【0037】
次に図3に基づいて、本発明の実施形態である電波修正時計1が初期化後に最初の標準電波を受信して時刻合わせを行う動作フローを説明する。図3は、電波修正時計1の初期時刻合わせ動作を示すフローチャートである。図3に於いて、電源28が各回路ブロックに供給されると初期化処理が実行され、秒針3a、分針3b、時針3cと日付表示部3dは基準位置にセットされ、前述した如く計時回路23はAM00:00:00に初期化される(Sb1)。
【0038】
次に計時回路23は基準信号P3によって1秒毎の計時処理を開始し、表示部3は計時回路の時刻情報に基づいて1秒運針を開始し時刻情報を表示する(Sb2)。
【0039】
次に受信部20は受信動作を開始して標準電波の検出を行い、標準電波が検出されれば受信動作を実行して次のフローSb4に進み、標準電波が検出できなければ再び計時処理フローSb2に戻り、再度、標準電波の検出を行う(Sb3)。
【0040】
次にデコーダ21は受信部20からの受信信号P1を入力して誤り訂正処理を実行し、正確なデータが取得出来たと判断したときは受信成功と判断してフローSb5に進み、正確なデータが取得出来ないと判断したときは受信失敗と判断して再び計時処理フローSb2に戻る(Sb4)。
【0041】
次に演算回路27はデコーダ21からの標準時データP2を入力して秒、分、時、日、年、閏年、サマータイム有無等の各データを取得し、標準時刻として内部に記憶する(Sb5)。
【0042】
次に演算回路27は固有時差メモリ24にアクセスして固有時差データP7を読み出し、標準時刻に対する有効時差データとして記憶する(Sb6)。
【0043】
次に演算回路27は標準時データP2より取得した標準時刻と有効時差データを加算して設定時刻データP12として出力する(Sb7)。ここで、固有時差データP7が0hであれば、標準時刻=設定時刻データP12となる。
【0044】
次に計時回路23は設定時刻データP12を入力して時刻設定を実行し、表示部3は計時回路23で設定された時刻情報を表示する(Sb8)。以降、計時回路23は設定された時刻情報を基準として計時動作を継続し、表示部3は計時回路23の計時動作に基づいて時刻表示を継続する。
【0045】
次に図4に基づいて、本発明の実施形態である電波修正時計1の時差修正動作フローを説明する。図4は時差修正動作を示すフローチャートである。図4に於いて、使用者が電波修正時計1の時刻表示を修正するためにリューズ5を引くと、リューズの5の検出機構(図示せず)が動作してI/F回路25は時差修正モードに移行する。
【0046】
演算回路27は、I/F回路25が時差修正モードに移行したことを知ると、時差メモリ26の記憶内容を調べて時差データが0hであれば、固有時差メモリ24の固有時差データP7を時差メモリ26に転送する(Sb10)。ここで例えば、固有時差メモリ24にニューヨークの時差である−5hが記憶されていれば、時差メモリ26も同じく−5hとなる。
【0047】
次に演算回路27は、リューズ5の操作によって出力される時差入力データP11を入力し、時差データを+1hする要求で有ればフローSb20に進み、そうでなければ、フローSb12に進む(Sb11)。フローSb12以降については後述する。
【0048】
次に演算回路27は、時差メモリ26に記憶されている時差データP8を1h加算して再び時差メモリ26に記憶させる(Sb20)。
【0049】
次に演算回路27は、時差データP8の値が+11hより大きければフローSb22に進み、そうでなければフローSb13に進む(Sb21)。
【0050】
次に演算回路27は、時差メモリ26の時差データP8を−12hとして時差メモリ26に記憶し、フローSb13に進む(Sb22)。フローSb13以降については後述する。
【0051】
次にフローSb12以降について説明する。演算回路27は、時差入力データP11を調べ、時差データを−1hする要求で有ればフローSb23に進み、そうでなければフローSb13に進む(Sb12)。
【0052】
次に演算回路27は、時差メモリ26に記憶されている時差データを1h減算して再び時差メモリ26に記憶させる(Sb23)。
【0053】
次に演算回路27は、時差データP8の値が−12hより小さければフローSb25に進み、そうでなければフローSb13に進む(Sb24)。
【0054】
次に演算回路27は、時差メモリ26の時差データP8を+11hとして時差メモリ26に記憶させ、フローSb13に進む(Sb25)。
【0055】
次にフローSb13以降について説明する。演算回路27は、標準時刻と時差メモリ26の時差データP8を加算して設定時刻データP12として出力し、計時回路23は設定時刻データP12を入力して時刻情報を修正し、表示部3は修正された時刻情報を表示する(Sb13)。
【0056】
次に演算回路27は、I/F回路25を調べて時差修正モードが継続されていれば再びフローSb11に戻り、時差修正モードが終了されていれば時差修正を終了する(Sb14)。以上の時差修正動作フローにより、時差メモリ26に記憶される時差データP8の範囲は−12hから+11hに決められる。また、以上の説明で明らかなように、本発明の電波修正時計は、時差メモリ26の記憶内容である時差データP8を修正することによって、受信した標準時に対して時差修正を行い、表示時刻を修正することが出来る。具体的には、ニューヨークの時差である−5hを−8hに時差修正してロサンゼルスの時刻を表示することが出来る。
【0057】
次に図5、図6に基づいて、本発明の実施形態である電波修正時計1が使用者による時差設定ミスを検出し補正する動作フローについて説明する。図5、図6は電波修正時計1が時差設定ミスを検出し補正する動作のフローチャートである。始めにフローチャートの各フローを説明し、その次に具体的動作例を説明する。
【0058】
図5に於いて、電波修正時計1の計時回路23は予め設定された時刻情報を計時処理し、表示部3は計時回路23からの時刻情報に基づいて時刻を表示し1秒運針を継続している(Sb30)。
【0059】
標準電波の受信は一定間隔で定期的に実施され、受信が開始されない期間は計時処理フローSb30を繰り返し、受信が開始されると受信フローSb32に進む(Sb31)。尚、標準電波の受信は外部からの操作で強制的に実施しても良い。
【0060】
受信部20は標準電波の受信を開始して受信信号P1を出力し、デコーダ21は受信信号P1を入力して誤り訂正処理を実行し、正確なデータが取得出来たと判断したときは受信成功と判断してフローSb33に進み、正確なデータが取得出来ないと判断したときは受信失敗と判断して再び計時処理フローSb30に戻る(Sb32)。ここで受信に失敗したときは、何度も受信フローを再実行しても良い。
【0061】
次に演算回路27は、デコーダ21からの標準時データP2を入力して秒、分、時、日、年、閏年、サマータイム有無等の各データを取得し、標準時刻として内部に記憶する(Sb33)。
【0062】
次に演算回路27は、時差メモリ26の時差データP8を読み出し、時差データP8にデータが存在すればSb35に進み、時差データP8=0hであればフローSb36に進む(Sb34)。尚、時差データP8=0hは時差修正が行われていないことを示し、フローSb36については後述する。
【0063】
次に演算回路27は、固有時差メモリ26に記憶されている固有時差データP7のデータ形式を調べ、データ形式が単独で有れば図6のフローSb40に進み、データ形式が対で有れば図6のフローSb50に進む(Sb35)。
【0064】
次に固有時差データP7が単独のデータ形式である場合の動作をフローSb40から説明する。演算回路27は、時差データP8がUTCに対して時差が0h以上か、又は0hより小さいか(すなわちマイナス)を調べ、0h以上であればフローSb41に進み、0hより小さければフローSb43に進む(Sb40)。
【0065】
次にフローSb41以降について説明し、フローSb43以降については後述する。演算回路27は、固有時差メモリ24の固有時差データP7と、時差メモリ26の時差データP8から12hを減算した値が等しいかどうかを調べ、等しいときは時差設定ミスが有りと判断してフローSb42に進み、等しくないときは時差設定ミスが無いと判断してフローSb45に進む(Sb41)。
【0066】
次にフローSb41に於いて時差設定ミスが有ると判断されたときは、演算回路27は、時差メモリ26の時差データP8から12hを減算して補正し、フローSb45に進む(Sb42)。
【0067】
次に演算回路27は、補正された時差データである時差データP8を有効時差データとして演算回路27の内部に記憶する(Sb45)。
【0068】
次に演算回路27は、標準時データP2より取得した標準時と補正された時差データとしての有効時差データを加算して設定時刻データP12として出力する(Sb46)。
【0069】
次に計時回路23は設定時刻データP12を入力して時刻修正を実行し、表示部3は計時回路23で修正された時刻情報を表示する(Sb47)。
【0070】
次にフローSb43以降について説明する。演算回路27は固有時差データP7と、時差データP8に12hを加算した値が等しいかどうかを調べ、等しいときは時差データの時差修正ミスが有ると判断してフローSb44に進み、等しくないときは時差修正ミスが無いと判断してフローSb45に進む(Sb43)。
【0071】
次にフローSb43に於いて時差設定ミスが有ると判断されたときは、演算回路27は、時差メモリ26の時差データP8に12hを加算し、フローSb45に進む(Sb44)。フローSb45以降は重複するので説明は省略する。
【0072】
次に時差データP8=0hである場合のフローSb36以降について説明する。演算回路27は、固有時差メモリ24の固有時差データP7を読み出して有効時差データとして内部に記憶し、フローSb46に進む(Sb36)。フローSb46以降の動作は重複するので説明は省略する。
【0073】
次に固有時差データP7が対のデータ形式である場合の動作をフローSb50から説明する。演算回路27は、時差データP8がUTCに対して0h以上か、又は0hより小さいか(すなわちマイナス)を調べ、0h以上であればフローSb51に進み、0hより小さければフローSb52に進む(Sb50)。
【0074】
次にフローSb51について説明する。演算回路27は、A>=(時差データP8−12h)>=Bが成り立つかを調べる。但し、AとBは固有時差メモリ24に記憶される国又は地域の時差範囲を示す対の固有時差データであり、A>Bの関係があるとする。すなわち、時差データP8から12hを減算した値が、一対の固有時差データA,Bが示す時差範囲に含まれているかどうかを調べる。ここで、(時差データP8−12h)が時差範囲に含まれていれば時差設定ミスが有ると判断してフローSb42に進み、時差範囲に含まれてなければ時差設定ミスが無いと判断してフローSb45に進む(Sb51)。尚、フローSb42以降とフローSb45以降の動作説明は重複するので省略する。
【0075】
次にフローSb52について説明する。演算回路27は、A>=(時差データP8+12h)>=Bが成り立つかを調べる。但し、AとBは前述と同様である。すなわち、時差データP8に12hを加算した値が、一対の固有時差データA,Bが示す時差範囲に含まれているかどうかを調べる。ここで、(時差データP8+12h)が時差範囲に含まれていれば時差設定ミスが有ると判断してフローSb44に進み、時差範囲に含まれていなければ時差設定ミスが無いと判断してフローSb45に進む(Sb52)。尚、フローSb44以降とフローSb45以降の動作説明は重複するので省略する。
【0076】
以上、図5、図6に基づいて、電波修正時計1が使用者によって入力された時差の修正ミスを検出し補正する動作フローについて説明した。次に具体的な検出と補正の動作例を説明する。動作の具体例1として、固有時差メモリ24に記憶される固有時差データP7が特定の時差範囲を示す対のデータ形式である場合の時差設定ミスの検出と補正動作について説明する。説明の前提として、電波修正時計1はアメリカ合衆国に出荷され、アメリカ合衆国での時差の上限と下限である−5hと−8hの一対の時差データが固有時差メモリ24に記憶されているとする。また、時差メモリ26には使用者によってシカゴ時間である−6hの時差データが正しく入力されたものとする。
【0077】
図5のフローSb35に於いて、演算回路27は、固有時差メモリ24に記憶されている固有時差データP7のデータ形式を調べ、データ形式が対であるので図6のフローSb50に進む。次にフローSb50に於いて、演算回路27は、時差データP8の内容を調べて−6hであるので0hより小さいと判断しフローSb52に進む(Sb50)。
【0078】
フローSb52に於いて、演算回路27は、A>=(時差データP8+12h)>=Bが成り立つかを調べる。ここでA=−5h、B=−8h、時差データP8=−6hを上記関係式に代入すると、−5h>=−6h+12h>=−8hとなって、この式は成り立たない。この結果、時差設定ミスは無いと判断してフローSb45に進む。
【0079】
フローSb45に於いて、演算回路27は時差データP8(すなわち−6h)を標準時刻に対する有効時差データとして記憶しフローSb46に進む。次にフローSb46において、演算回路27は標準時データP2より取得した標準時刻と有効時差データ(すなわち−6h)を加算して設定時刻データP12として出力しフローSb47に進む。フローSb47に於いて、計時回路23は設定時刻データP12を入力して時刻設定を行い、表示部3は計時回路23で設定された時刻情報を表示する。この結果、電波修正時計1は、UTCに対して−6hの時差を持った時刻(シカゴ時間)を正しく表示することが出来る。
【0080】
次に動作の具体例2として、時差設定作業に於いて間違った時差データを入力した場合の時差設定ミスの検出と補正フローについて説明する。説明の前提として、電波修正時計1は新たに時差設定される前の時刻表示はUTCに対する時差が−10h(ハワイ時間)であり、その時刻はAM9:00であったとする。ここで使用者は、シカゴ時間である−6hの時差で時刻を再設定し表示したいと考え、リューズ5を引いて時差修正の操作を行う。この作業は−10hの時差を−6hにするのであるから時間を4時間進ませれば良い。すなわち、リューズ5を右方向に回転して表示時刻をPM1:00とすれば時差を−6hとすることが出来る。
【0081】
しかし、使用者は、時針が1時の位置に来ればリューズ5をどの方向に回転しても同じと考え、リューズ5を左回転させて時針位置を1時に合わせたとすると、時差は−8h更に遅れることになり、−10hの時差に更に−8hの時差が加算される。この結果、時差メモリ26に記憶される時差データP8は、先に図4で示した時差修正フローに従って+6hとなり、電波修正時計1はAM1:00を表示することになる。よって使用者は電波修正時計1をPM1:00に設定しようとしたが、結果的には電波修正時計1はAM1:00に設定されてしまい、午前と午後が入れ替わり12時間ずれた時刻設定となる。
【0082】
このような時差設定ミスが発生した場合の設定ミス検出と補正動作を以下説明する。フローSb50に於いて、演算回路27は、時差データP8の内容を調べて+6hであるので0h以上であると判断しフローSb51に進む。
【0083】
フローSb51に於いて、演算回路27は、A>=(時差データP8−12h)>=Bが成り立つかを調べる。ここでA=−5h、B=−8h、時差データP8=+6hであるので上記関係式に代入すると、−5h>=+6h−12h>=−8hとなって、この式は成り立つ。この結果、演算回路27は時差設定ミスが有ると判断してフローSb42に進む。
【0084】
フローSb42に於いて、演算回路27は、時差メモリ26の時差データP8から12hを減算しフローSb45に進む。ここで時差データP8は+6hであるので、+6h−12h=−6hの時差データが時差メモリ26に記憶される。すなわち、使用者は時差設定に於いて間違って+6hの時差データを入力してしまったが、フローSb51で設定ミスを検出し、フローSb42で時差データを補正して正しい時差データに再設定することが出来る。尚、フローSb45以降の動作は重複するので説明は省略する。
【0085】
また、時差データP8が0hより小さくマイナス時差である場合はフローSb52に進んで設定ミスの検出と補正を行うが、基本動作は同様であるので説明は省略する。また、時差設定ミスを修正する際に、日付が変更になる場合が考えられるが、日付を表示する日付表示部3dは日モータ3gによって独立して制御されるので、時針3cに関わりなく日付表示も修正することが出来る。
【0086】
次に動作の具体例3として、固有時差メモリ24に記憶される固有時差データP7が単独のデータ形式である場合の時差設定ミスの検出と補正フローについて説明する。説明の前提として、電波修正時計1はアメリカ合衆国に出荷され、ニューヨークでの時差である−5hが固有時差メモリ24に記憶されているとする。また、使用者はニューヨーク時間である−5hの時差データを設定しようとしたが、誤って間違った時差設定をしてしまったとする。また、時差設定される前の時刻表示はUTCに対する時差が−10h(ハワイ時間)であり、その時刻はAM9:00であったとする。
【0087】
ここで使用者は、ニューヨーク時間である−5hの時差で時刻を再設定し表示したいと考え、リューズ5を引いて時差修正の操作を行う。この作業は−10hの時差を−5hにするのであるから時間を5時間進ませれば良い。すなわち、リューズ5を右方向に回転して表示時刻をPM2:00とすれば時差を−5hとすることが出来る。
【0088】
しかし、使用者は、時針が2時の位置に来ればリューズ5をどの方向に回転しても同じと考え、リューズ5を左回転させて時針位置を2時に合わせたとすると、時差は−7h更に遅れることになり、−10hの時差に更に−7hの時差が加算される。この結果、時差メモリ26に記憶される時差データP8は、先に図4で示した時差修正フローに従って+7hとなり、電波修正時計1はAM2:00を表示することになる。よって使用者は電波修正時計1をPM2:00に設定しようとしたが、結果的には電波修正時計1はAM2:00に設定されてしまい、午前と午後が入れ替わり12時間ずれた時刻設定となる。
【0089】
このような時差設定ミスが発生した場合の設定ミス検出と補正動作を以下説明する。図5のフローSb35に於いて、演算回路27は、固有時差メモリ24に記憶されている固有時差データP7のデータ形式を調べ、データ形式が単独であるので図6のフローSb40に進む。フローSb40に於いて、演算回路27は、時差データP8がUTCに対して0h以上か、又は0hより小さいかを調べ、ここでは+7hであるのでフローSb41に進む。
【0090】
フローSb41に於いて、演算回路27は、固有時差メモリ24の固有時差データP7と、時差メモリ26の時差データP8から12hを減算した値が等しいかどうかを調べる。ここで固有時差データP7は−5hであり、使用者が設定した時差データP8は+7hであるので、−5h=+7h−12hの式が成り立ち、時差設定ミスがあると判断してフローSb42に進む。
【0091】
フローSb42に於いて、演算回路27は、時差メモリ26の時差データP8から12hを減算し、フローSb45に進む。ここで、時差データP8は+7hであるので、+7h−12h=−5hが時差メモリ26に記憶される。すなわち、使用者は時差設定に於いて間違って+7hの時差データを入力してしまったが、フローSb41で設定ミスを検出し、フローSb42で時差データを補正して正しい時差データに再設定することが出来る。フローSb45以降の動作は重複するので説明は省略する。尚、時差データP8が0hより小さくマイナス時差である場合はフローSb43に進んで設定ミスの検出と補正を行うが、基本動作は同様であるので説明は省略する。
【0092】
次にサマータイムについての処理を説明する。例えばアメリカ合衆国の場合、通常の時差範囲は前述した如くUTCに対して−5h〜−8hであるが、サマータイムになると時差は1h進んで−4h〜−7hとなる。標準電波はこのサマータイムの有無情報を提供しているので、演算回路27は標準時データP2によってサマータイムの有無を把握することが出来、サマータイムであることを知ると、固有時差メモリ24の固有時差データP7に1hを加算し、対によって成る固有時差データP7を−4hと−7hとして時差設定ミスの検出を計算する。この結果、サマータイムであっても、時差修正のミスを正しく検出し補正することが出来る。
【0093】
また、本発明の時差修正ミスの検出と補正は、標準時に対して時差が進んでいても遅れていても対応することが出来るので、UTCを受信する地球上のどの国や地域に対しても適応可能である。また詳細は省くが、前述したサマータイムを有効にするかの判断を別途設けることで、各国、各地域でサマータイム施行期間のずれ、また施行・未施行に対応することが出来、更に利便性が高まる。
【0094】
尚、時差修正ミスの検出や補正機能を限定し、特定の国や地域に限定した電波修正時計を提供することも可能である。具体例としては、アメリカ合衆国に限定した電波修正時計として、固有時差メモリを不揮発性メモリではなくリードオンリーメモリで構成し、固有時差データをアメリカ合衆国の時差範囲に固定する。また、図6で示した時差修正ミスの検出と補正フローをSb51とSb42だけで構成すれば良い。これにより、不揮発性メモリが不要になり、また、演算回路も縮小できるのでコストダウンが可能となる。
【0095】
また、本発明の実施例は標準時としてUTC時刻を受信した例を主に説明したが、例えば、日本時刻を送信している標準電波を利用する場合に於いても同じことが可能であることは先に述べた通りである。その場合、図4に於いてフローSb21は「+3h<時差データ?」となり、フローSb22は「時差データ=−20h」となり、フローSb24は「−20h>時差データ?」となり、フローSb25は「時差データ=+3h」となる。
【0096】
また、本発明のそれぞれの機能は、マイクロコンピュータ等によるファームウエアによって実現することも可能であるので、図2で示した実施形態の構成に限定されるものではない。また、本発明の実施形態ではアナログ表示方式の電波修正時計を提示したが、これに限定されることはなく、デジタル表示方式、または、アナログとデジタルの複合表示方式の電波修正時計であっても良い。また、本発明の制御方法は時計に限定されるものではなく、電波修正時計機能を有する電子機器に幅広く応用することが出来る。
【0097】
以上のように、本発明の実施形態によれば、電波修正時計の使用者が表示時刻を修正するために受信した標準時に対して時差修正を行う場合、時差修正を間違えて午前と午後を入れ替えて修正してしまっても、その修正ミスを検出して自動的に補正することが出来るので、日付変更が昼の12時に行われるミスや、アラームが12時間ずれて鳴るといった問題を解決することが出来る。また、時差修正ミスの検出と補正は、標準時に対して時差が進んでいても遅れていても対応することが出来るので、UTC等の標準時を受信する地球上のどの国や地域に対しても適応可能であり、国や地域に限定されない電波修正時計を提供することが出来る。また、電波修正時計に於いて、それを使用する使用者が最も犯しやすい操作ミスの一つを防止することが出来るので、電波修正時計の信頼性向上に大変有効である。
【0098】
【発明の効果】
以上の説明によって明らかなように本発明によれば、使用者が標準時に対する時差情報の午前と午後を誤って入力し記憶させたとしても、その誤りを検出して自動的に補正出来るので、時刻の午前と午後を含めた正確な時刻情報を表示する電波修正時計を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態である電波修正時計と標準電波を送信する送信基地局との関係を示した説明図である。
【図2】本発明の実施形態である電波修正時計の回路ブロック図である。
【図3】本発明の実施形態である電波修正時計の初期時刻合わせ動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施形態である電波修正時計の時差修正動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施形態である電波修正時計の時差設定ミス検出と補正動作を示すフローチャート(1)である。
【図6】本発明の実施形態である電波修正時計の時差設定ミス検出と補正動作を示すフローチャート(2)である。
【符号の説明】
1 電波修正時計
2 外装
3 表示部
3a 秒針
3b 分針
3c 時針
3d 日付表示部
3e 秒分モータ
3f 時モータ
3g 日モータ
4 受信アンテナ
5 リューズ
6 バンド
10 送信基地局
11 送信アンテナ
12 原子時計
13 標準電波
20 受信部
21 デコーダ
22 基準信号源
23 計時回路
24 固有時差メモリ
25 I/F回路
26 時差メモリ
27 演算回路
28 電源
SW1、SW2 入力スイッチ
P1 受信信号
P2 標準時データ
P3 基準信号
P4 秒信号
P5 時信号
P6 日信号
P7 固有時差データ
P8 時差データ
P9,P10 入力信号
P11 時差入力データ
P12 設定時刻データ
【発明の属する技術分野】
本発明は時刻情報を受信し、内蔵された計時手段内の時刻情報を自動修正する電波修正時計に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
時刻情報を乗せた標準電波を小型アンテナで受信し、時刻修正を自動的に行う電波修正時計は、アンテナの小型高性能化、受信装置の低消費電力化、コストダウン等の技術開発が進み、製品化が盛んに行われている。また、標準電波を送信する送信基地局も日本だけでなく、アメリカ、ヨーロッパ、アジアと各国に存在し、世界的な広がりを見せている。しかしながら時刻は当然のことではあるが、国や地域によって時差があり、それぞれの国や地域に於いて使用される時計は、その国や地域ごとの標準時を表示するものでなければならない。
【0003】
また、標準電波を送信する世界の送信基地局は、日本のようにその国の標準時を送信している国も有れば、アメリカ合衆国のように協定世界時(以下UTCと略す)を送信している国もある。ここでアメリカ合衆国のようにUTCを送信している国で電波修正時計を使用する場合、電波修正時計はUTCの時刻を表示することになり、正確な時刻を表示出来たとしても、その地域の標準時を表示することが出来ないので、使用者にとってはきわめて利便性が悪い。
【0004】
このような問題点を解決するために、使用者が必要とする時刻と受信する標準時との時差情報を記憶する時差記憶手段を設け、標準時を受信してもこの時差記憶手段に記憶された時差情報で、計時手段の時刻を自動的に補正する提案がなされている。(例えば特許文献1参照)。この方法によれば、電波修正時計はUTCを受信しても時差記憶手段に記憶された地域の時差情報によって、時刻情報を自動的に修正出来るので、手動による時差修正が不要で利便性が良い。
【0005】
【特許文献1】
特開平04−83196号公報(特許請求の範囲、第1図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、時差記憶手段を設けた電波修正時計であっても、使用者が時差情報を誤って入力し、受信する標準時との時差を間違った時差情報として記憶させてしまうと、その電波修正時計は標準時を正しく受信しても、結果として狂った時刻表示をすることになり大きな問題を有している。特に午前表示か午後表示かの判断が難しいアナログ表示方式の電波修正時計に於いては、例えば使用者がAM10時に時計を修正しようとして、誤ってPM10時に修正してしまうような操作ミスが起こりやすい。このような場合、見かけの時刻表示は正しいように見えても12時間のずれが生じているので、日付機能付き時計では昼間の12時に日付が翌日になり、また、アラーム機能付きの時計では、アラームが12時間ずれて鳴るといった大きな問題が生じる。
【0007】
本発明の目的は、上記課題を解決して、電波修正時計の使用者が、国又は地域の時刻に時計を合わせるために時差情報を入力するに於いて、午前と午後を誤り12時間ずれた時差情報を入力したとしても、その時差情報の誤りを検出して自動的に補正し、受信する標準時に対して正しい時差で時刻を表示する電波修正時計を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の電波修正時計は、下記記載の構成と方法を採用する。
【0009】
本発明の電波修正時計は、標準時を受信する受信手段と、前記標準時に対する時差データを記憶する時差記憶手段と、前記受信手段と前記時差記憶手段からの標準時と時差データに基づき前記標準時を基準とする時刻である設定時刻を演算し出力する演算手段と、該演算手段からの設定時刻を時刻情報として設定される機能を含み、且つ、該時刻情報を計時する計時手段と、該計時手段からの時刻情報を表示する表示手段とを有し、前記演算手段は前記時差記憶手段に記憶された前記時差データの誤りを検出して補正する様に構成したことを特徴とする。
【0010】
本発明の電波修正時計により、受信した標準時に対する時差を使用者が誤って記憶させたとしても、その誤りを検出して自動的に補正し正しい時刻情報を表示することが出来る。
【0011】
また更に、時差入力手段を有し、該時差入力手段によって前記時差記憶手段に前記時差データを任意に入力できる様に構成したことを特徴とする。
【0012】
これにより、使用者は受信した標準時に対して任意な時差データを入力することが出来るので、使用者の都合に合わせた時刻を表示させることが出来る。
【0013】
また更に、前記標準時に対する国又は地域の時差を記憶する固有時差記憶手段を有し、該固有時差記憶手段は単独の固有時差データを一つ以上、又は、時差範囲を示す一対の固有時差データを一組以上記憶する様に構成したことを特徴とする。
【0014】
これにより、電波修正時計が使用される国や地域の時差データを固有時差記憶手段に記憶させることが出来る。
【0015】
また、前記演算手段は、前記時差データが前記標準時に対して零乃至進んでいる場合、前記時差データから12時間を減算した値が前記固有時差データに等しいとき、又は前記一対の固有時差データが示す時差範囲に含まれるとき、前記時差データに12時間の誤りがあると判断し、また、前記時差データが前記標準時に対して遅れている場合、前記時差データに12時間を加算した値が前記固有時差データに等しいとき、又は前記一対の固有時差データが示す時差範囲に含まれるとき、前記時差データに12時間の誤りがあると判断することを特徴とする。
【0016】
これにより、電波修正時計は受信した標準時に対して、使用者が誤って入力した時差データの12時間の誤りを検出することが出来る。
【0017】
また、前記演算手段は、前記時差データが前記標準時に対して零乃至進んでおり、且つ、前記時差データに誤りが検出された場合は、前記時差データから12時間を減算した値を時差データとして補正し、また、前記時差データが前記標準時に対して遅れており、且つ、前記時差データに誤りが検出された場合は、前記時差データに12時間を加算した値を時差データとして補正することを特徴とする。
【0018】
これにより、電波修正時計は受信した標準時に対して、使用者が入力した時差データの誤りを正しく補正することが出来る。
【0019】
本発明の制御方法は、標準時を受信する工程と、前記標準時に対する時差データを入力し記憶する工程と、標準時と時差データに基づき標準時を基準とする時刻である設定時刻を算出する工程と、該設定時刻を時刻情報として設定する工程と、設定された時刻情報を計時する工程と、該時刻情報を表示する工程と、前記時差データの誤りを検出する工程と、該時差データの誤りを補正する工程とを有することを特徴とする。
【0020】
本発明の制御方法により、受信した標準時に対する時差を使用者が誤って記憶させたとしても、その誤りを検出して自動的に補正し正しい時刻情報を表示することが出来る。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の実施形態である電波修正時計と標準電波を送信する送信基地局との関係を示した説明図である。図1に於いて1はアナログ表示方式の電波修正時計である。2は金属等によって成る外装であり、3は表示手段としての表示部であり、秒針3a、分針3b、時針3c、及び日付を表示する日付表示部3dによって構成される。4は超小型の受信アンテナであり、外装2の内部の12時の方向に配置されている。5は時刻や日付を修正するリューズである。6は使用者の腕に装着するためのバンドである。
【0022】
10は標準電波を送信するための送信基地局である。11は標準時を乗せた標準電波を放射する送信アンテナであり、12は標準時を高精度で計時する原子時計である。13は送信アンテナ11から送信される標準時を乗せた標準電波である。標準電波13は通常数十KHzの長波によってなり、半径1000Km程度の範囲で受信することが出来る。
【0023】
ここで、電波修正時計1で標準電波13を受信するには、前述した如く、受信アンテナ4が外装2の内部の12時方向に配置されているので、好ましくは電波修正時計1の12時方向を送信基地局10がある方向に向け、受信開始ボタン(図示せず)を操作する。電波修正時計1が標準電波13を受信すると、電波修正時計1内部で受信した標準電波13を解読して、秒分時や日付等の時刻情報と必要に応じて閏年やサマータイムの有無データ等を取得し、取得した時刻情報を計時して、表示部3や日付表示部3dで時刻情報や日付を表示する。尚、標準電波の受信は深夜などのノイズが少なく受信環境の良い時刻に定期的に実行させることが好ましい。
【0024】
次に図2に基づいて本発明の実施形態である電波修正時計1の回路ブロックの構成を説明する。図2に於いて、20は受信手段としての受信部であり、標準電波を受信する受信アンテナ4と接続され、微弱な標準電波を受信して増幅し受信信号P1を出力する。21はデコーダであり、受信信号P1を入力して秒、分、時、日等の標準時としての時刻情報に変換し標準時データP2を出力する。22は内部に水晶発振器(図示せず)を備える基準信号源であり、基準信号P3を出力する。
【0025】
23は計時手段としての計時回路であり、基準信号P3を入力して時刻情報を計時し、秒信号P4、時信号P5、日信号P6を出力する。表示部3は秒信号P4、時信号P5、日信号P6を入力して、秒分モータ3e、時モータ3f、日モータ3gを駆動し、前述した秒針3a、分針3b、時針3c、日付表示部3dによって時刻情報や日付情報を表示する。また、表示部3には各モータ3e〜3gの回転を伝達する輪列等の機械伝達機構があるがここでは説明を省略する。
【0026】
24は不揮発性メモリ等によって成る固有時差記憶手段としての固有時差メモリであり、国又は地域固有の標準時に対する時差情報を複数個記憶し、固有時差データP7を出力する。SW1とSW2は時差入力手段としての入力スイッチであり、前記リューズ5と連動しリューズ5の回転方向に従って選択的にON、OFFを繰り返し、入力信号P9、P10を出力する。25はインターフェース回路(以下I/F回路と略す)であり、入力信号P9,P10を入力して入力スイッチSW1とSW2の動作に応じて時差入力データP11を出力する。
【0027】
26は時差記憶手段としての時差メモリであり、使用者が入力する標準時に対する時差情報を記憶し時差データP8を出力する。27は演算手段としての演算回路であり、標準時データP2、固有時差データP7、時差データP8を入力し、設定時刻を算出して計時回路23に設定時刻データP12を出力する。また、演算回路27は時差入力データP11を入力して時差メモリ26に時差データを記憶する。28は電源であり、一次電池又は二次電池等によって成り、図示しないが電源ラインを介して各回路ブロックに電源を供給する。
【0028】
次に図2に基づいて、本発明の実施形態である電波修正時計1の基本動作を説明する。電源28が電源ライン(図示せず)を介して各回路ブロックに電力を供給すると、演算回路27は初期化処理を実行して各回路ブロックを初期化する。計時回路23は初期化されてAM00:00:00となり、表示部3の秒針3a、分針3b、時針3cは秒分モータ3e、時モータ3fによって、基準位置であるAM00:00:00に移動する。また、日付表示部3dも日モータ3gによって基準位置に移動する。ここで計時回路23は基準信号源22からの基準信号P3によって計時を開始し、表示部3は計時回路からの秒信号P4、時信号P5、日信号P6によって運針を開始する。
【0029】
受信部20は受信アンテナ4によって微弱な標準電波を受信し、選択的に増幅して標準時情報が埋め込まれたデジタル信号としての受信信号P1を出力する。デコーダ21は受信信号P1を入力し、標準時情報を解読して誤り訂正処理を実行し標準時データP2を出力する。固有時差メモリ24は、電波修正時計1の出荷先の国又は地域に対応して、工場出荷時に標準時に対する時差情報としての固有時差データを記憶される。
【0030】
ここで一例として電波修正時計1がアメリカ合衆国に出荷される場合の、固有時差メモリ24に記憶される時差情報について説明する。アメリカ合衆国の送信基地局は標準時としてUTCを採用しているので、各地域はUTCに対して時差を有している。具体的には、東部のニューヨークは−5時間(以下hと略す)の時差を有し、シカゴでは−6h、デンバーでは−7h、西部のロサンゼルスでは−8hの時差を有している。電波修正時計1をアメリカ合衆国に出荷する場合、一般的にその時計がどの地域で使用されるかは分からないので、標準時に対する時差情報は−5h〜−8hの範囲をカバーすることが好ましい。
【0031】
具体的には、固有時差メモリ24に出荷先の時差範囲の上限と下限である−5hと−8hの対となる二つの固有時差データを記憶させると良い。また、電波修正時計1がニューヨーク又はその近傍に限定して使用される場合などは、固有時差メモリ24には単独データとして−5hの固有時差データだけを記憶させても良い。また、日本などのように送信基地局が国固有の標準時を送信する場合などでは、固有時差メモリ24は0hを記憶させると良い。また、電波修正時計1を世界各国で使用できるようにするために、固有時差メモリ24に各国や地域に対応して、数多くの固有時差データを記憶させ、時計内部で時差データを切り替えて使用しても良い。
【0032】
次に、入力スイッチSW1はリューズ5を右方向に回転させるとONして入力信号P9を出力し、I/F回路25は入力信号P9を入力して時差を1hプラスする時差入力データP11を出力する。また、入力スイッチSW2はリューズ5を左方向に回転させるとONして入力信号P10を出力し、I/F回路25は入力信号P10を入力して時差を1hマイナスする時差入力データP11を出力する。
【0033】
時差メモリ26は、使用者が居る地域の時差を時差データとして記憶する。例えば、ニューヨークに住む使用者はその地域での時差は−5hであるので、リューズ5を操作して入力スイッチSW1、SW2を動作させ、時差メモリ26に−5hの時差データを入力し記憶させれば良い。また、デンバーに居る使用者はその地域の時差である−7hの時差をリューズ5を用いて時差メモリ26に記憶させれば良い。また、日本などのように送信基地局が国固有の標準時を送信する場合などでは、時差メモリ26は通常0hとすると良い。
【0034】
演算回路27は、受信部20が標準電波の受信に成功すると標準時データP2を入力してすると共に、固有時差データP7と時差データP8を入力する。ここで演算回路27は、固有時差データP7と時差データP8が共に0hの場合は、標準時差データP2から得られた標準時刻を設定時刻データP12としてそのまま計時回路23に出力する。計時回路23は、設定時刻データP12を時刻情報として記憶し計時を開始する。表示部3は計時回路23からの秒信号P4、時信号P5、日信号P6を入力して標準時データP2の時刻と日付をそのまま表示する。この動作は一例として日本に於ける電波修正時計1の動作である。
【0035】
また、時差メモリ26の時差データP8が0hで固有時差メモリ24に単独の固有時差データP7が存在する場合は、演算回路27は、標準時データP2に固有時差データP7を加算して設定時差データP12として計時回路23に出力する。この動作は一例としてUTCを標準時として送信し、且つ、国内がUTCに対して一つの時差で実施されている国での電波修正時計1の動作である。
【0036】
また更に一例として、時差メモリ26に先に説明した如くニューヨーク時間である−5hの時差データが記憶されている場合は、演算回路27は時差メモリ26の時差データP8を優先し、標準時データP2に時差データP8の−5hを加算して設定時刻データP12として計時回路23に出力する。この結果、表示部3はUTCに対して−5hの時差を持った時刻(すなわちニューヨーク時間)を表示することが出来る。尚、演算回路27は、時差メモリ26の記憶内容を調べ、時差データの入力ミスを見つけることが出来るが、その動作については、図3〜図6で示す動作フローの中で詳細に説明する。
【0037】
次に図3に基づいて、本発明の実施形態である電波修正時計1が初期化後に最初の標準電波を受信して時刻合わせを行う動作フローを説明する。図3は、電波修正時計1の初期時刻合わせ動作を示すフローチャートである。図3に於いて、電源28が各回路ブロックに供給されると初期化処理が実行され、秒針3a、分針3b、時針3cと日付表示部3dは基準位置にセットされ、前述した如く計時回路23はAM00:00:00に初期化される(Sb1)。
【0038】
次に計時回路23は基準信号P3によって1秒毎の計時処理を開始し、表示部3は計時回路の時刻情報に基づいて1秒運針を開始し時刻情報を表示する(Sb2)。
【0039】
次に受信部20は受信動作を開始して標準電波の検出を行い、標準電波が検出されれば受信動作を実行して次のフローSb4に進み、標準電波が検出できなければ再び計時処理フローSb2に戻り、再度、標準電波の検出を行う(Sb3)。
【0040】
次にデコーダ21は受信部20からの受信信号P1を入力して誤り訂正処理を実行し、正確なデータが取得出来たと判断したときは受信成功と判断してフローSb5に進み、正確なデータが取得出来ないと判断したときは受信失敗と判断して再び計時処理フローSb2に戻る(Sb4)。
【0041】
次に演算回路27はデコーダ21からの標準時データP2を入力して秒、分、時、日、年、閏年、サマータイム有無等の各データを取得し、標準時刻として内部に記憶する(Sb5)。
【0042】
次に演算回路27は固有時差メモリ24にアクセスして固有時差データP7を読み出し、標準時刻に対する有効時差データとして記憶する(Sb6)。
【0043】
次に演算回路27は標準時データP2より取得した標準時刻と有効時差データを加算して設定時刻データP12として出力する(Sb7)。ここで、固有時差データP7が0hであれば、標準時刻=設定時刻データP12となる。
【0044】
次に計時回路23は設定時刻データP12を入力して時刻設定を実行し、表示部3は計時回路23で設定された時刻情報を表示する(Sb8)。以降、計時回路23は設定された時刻情報を基準として計時動作を継続し、表示部3は計時回路23の計時動作に基づいて時刻表示を継続する。
【0045】
次に図4に基づいて、本発明の実施形態である電波修正時計1の時差修正動作フローを説明する。図4は時差修正動作を示すフローチャートである。図4に於いて、使用者が電波修正時計1の時刻表示を修正するためにリューズ5を引くと、リューズの5の検出機構(図示せず)が動作してI/F回路25は時差修正モードに移行する。
【0046】
演算回路27は、I/F回路25が時差修正モードに移行したことを知ると、時差メモリ26の記憶内容を調べて時差データが0hであれば、固有時差メモリ24の固有時差データP7を時差メモリ26に転送する(Sb10)。ここで例えば、固有時差メモリ24にニューヨークの時差である−5hが記憶されていれば、時差メモリ26も同じく−5hとなる。
【0047】
次に演算回路27は、リューズ5の操作によって出力される時差入力データP11を入力し、時差データを+1hする要求で有ればフローSb20に進み、そうでなければ、フローSb12に進む(Sb11)。フローSb12以降については後述する。
【0048】
次に演算回路27は、時差メモリ26に記憶されている時差データP8を1h加算して再び時差メモリ26に記憶させる(Sb20)。
【0049】
次に演算回路27は、時差データP8の値が+11hより大きければフローSb22に進み、そうでなければフローSb13に進む(Sb21)。
【0050】
次に演算回路27は、時差メモリ26の時差データP8を−12hとして時差メモリ26に記憶し、フローSb13に進む(Sb22)。フローSb13以降については後述する。
【0051】
次にフローSb12以降について説明する。演算回路27は、時差入力データP11を調べ、時差データを−1hする要求で有ればフローSb23に進み、そうでなければフローSb13に進む(Sb12)。
【0052】
次に演算回路27は、時差メモリ26に記憶されている時差データを1h減算して再び時差メモリ26に記憶させる(Sb23)。
【0053】
次に演算回路27は、時差データP8の値が−12hより小さければフローSb25に進み、そうでなければフローSb13に進む(Sb24)。
【0054】
次に演算回路27は、時差メモリ26の時差データP8を+11hとして時差メモリ26に記憶させ、フローSb13に進む(Sb25)。
【0055】
次にフローSb13以降について説明する。演算回路27は、標準時刻と時差メモリ26の時差データP8を加算して設定時刻データP12として出力し、計時回路23は設定時刻データP12を入力して時刻情報を修正し、表示部3は修正された時刻情報を表示する(Sb13)。
【0056】
次に演算回路27は、I/F回路25を調べて時差修正モードが継続されていれば再びフローSb11に戻り、時差修正モードが終了されていれば時差修正を終了する(Sb14)。以上の時差修正動作フローにより、時差メモリ26に記憶される時差データP8の範囲は−12hから+11hに決められる。また、以上の説明で明らかなように、本発明の電波修正時計は、時差メモリ26の記憶内容である時差データP8を修正することによって、受信した標準時に対して時差修正を行い、表示時刻を修正することが出来る。具体的には、ニューヨークの時差である−5hを−8hに時差修正してロサンゼルスの時刻を表示することが出来る。
【0057】
次に図5、図6に基づいて、本発明の実施形態である電波修正時計1が使用者による時差設定ミスを検出し補正する動作フローについて説明する。図5、図6は電波修正時計1が時差設定ミスを検出し補正する動作のフローチャートである。始めにフローチャートの各フローを説明し、その次に具体的動作例を説明する。
【0058】
図5に於いて、電波修正時計1の計時回路23は予め設定された時刻情報を計時処理し、表示部3は計時回路23からの時刻情報に基づいて時刻を表示し1秒運針を継続している(Sb30)。
【0059】
標準電波の受信は一定間隔で定期的に実施され、受信が開始されない期間は計時処理フローSb30を繰り返し、受信が開始されると受信フローSb32に進む(Sb31)。尚、標準電波の受信は外部からの操作で強制的に実施しても良い。
【0060】
受信部20は標準電波の受信を開始して受信信号P1を出力し、デコーダ21は受信信号P1を入力して誤り訂正処理を実行し、正確なデータが取得出来たと判断したときは受信成功と判断してフローSb33に進み、正確なデータが取得出来ないと判断したときは受信失敗と判断して再び計時処理フローSb30に戻る(Sb32)。ここで受信に失敗したときは、何度も受信フローを再実行しても良い。
【0061】
次に演算回路27は、デコーダ21からの標準時データP2を入力して秒、分、時、日、年、閏年、サマータイム有無等の各データを取得し、標準時刻として内部に記憶する(Sb33)。
【0062】
次に演算回路27は、時差メモリ26の時差データP8を読み出し、時差データP8にデータが存在すればSb35に進み、時差データP8=0hであればフローSb36に進む(Sb34)。尚、時差データP8=0hは時差修正が行われていないことを示し、フローSb36については後述する。
【0063】
次に演算回路27は、固有時差メモリ26に記憶されている固有時差データP7のデータ形式を調べ、データ形式が単独で有れば図6のフローSb40に進み、データ形式が対で有れば図6のフローSb50に進む(Sb35)。
【0064】
次に固有時差データP7が単独のデータ形式である場合の動作をフローSb40から説明する。演算回路27は、時差データP8がUTCに対して時差が0h以上か、又は0hより小さいか(すなわちマイナス)を調べ、0h以上であればフローSb41に進み、0hより小さければフローSb43に進む(Sb40)。
【0065】
次にフローSb41以降について説明し、フローSb43以降については後述する。演算回路27は、固有時差メモリ24の固有時差データP7と、時差メモリ26の時差データP8から12hを減算した値が等しいかどうかを調べ、等しいときは時差設定ミスが有りと判断してフローSb42に進み、等しくないときは時差設定ミスが無いと判断してフローSb45に進む(Sb41)。
【0066】
次にフローSb41に於いて時差設定ミスが有ると判断されたときは、演算回路27は、時差メモリ26の時差データP8から12hを減算して補正し、フローSb45に進む(Sb42)。
【0067】
次に演算回路27は、補正された時差データである時差データP8を有効時差データとして演算回路27の内部に記憶する(Sb45)。
【0068】
次に演算回路27は、標準時データP2より取得した標準時と補正された時差データとしての有効時差データを加算して設定時刻データP12として出力する(Sb46)。
【0069】
次に計時回路23は設定時刻データP12を入力して時刻修正を実行し、表示部3は計時回路23で修正された時刻情報を表示する(Sb47)。
【0070】
次にフローSb43以降について説明する。演算回路27は固有時差データP7と、時差データP8に12hを加算した値が等しいかどうかを調べ、等しいときは時差データの時差修正ミスが有ると判断してフローSb44に進み、等しくないときは時差修正ミスが無いと判断してフローSb45に進む(Sb43)。
【0071】
次にフローSb43に於いて時差設定ミスが有ると判断されたときは、演算回路27は、時差メモリ26の時差データP8に12hを加算し、フローSb45に進む(Sb44)。フローSb45以降は重複するので説明は省略する。
【0072】
次に時差データP8=0hである場合のフローSb36以降について説明する。演算回路27は、固有時差メモリ24の固有時差データP7を読み出して有効時差データとして内部に記憶し、フローSb46に進む(Sb36)。フローSb46以降の動作は重複するので説明は省略する。
【0073】
次に固有時差データP7が対のデータ形式である場合の動作をフローSb50から説明する。演算回路27は、時差データP8がUTCに対して0h以上か、又は0hより小さいか(すなわちマイナス)を調べ、0h以上であればフローSb51に進み、0hより小さければフローSb52に進む(Sb50)。
【0074】
次にフローSb51について説明する。演算回路27は、A>=(時差データP8−12h)>=Bが成り立つかを調べる。但し、AとBは固有時差メモリ24に記憶される国又は地域の時差範囲を示す対の固有時差データであり、A>Bの関係があるとする。すなわち、時差データP8から12hを減算した値が、一対の固有時差データA,Bが示す時差範囲に含まれているかどうかを調べる。ここで、(時差データP8−12h)が時差範囲に含まれていれば時差設定ミスが有ると判断してフローSb42に進み、時差範囲に含まれてなければ時差設定ミスが無いと判断してフローSb45に進む(Sb51)。尚、フローSb42以降とフローSb45以降の動作説明は重複するので省略する。
【0075】
次にフローSb52について説明する。演算回路27は、A>=(時差データP8+12h)>=Bが成り立つかを調べる。但し、AとBは前述と同様である。すなわち、時差データP8に12hを加算した値が、一対の固有時差データA,Bが示す時差範囲に含まれているかどうかを調べる。ここで、(時差データP8+12h)が時差範囲に含まれていれば時差設定ミスが有ると判断してフローSb44に進み、時差範囲に含まれていなければ時差設定ミスが無いと判断してフローSb45に進む(Sb52)。尚、フローSb44以降とフローSb45以降の動作説明は重複するので省略する。
【0076】
以上、図5、図6に基づいて、電波修正時計1が使用者によって入力された時差の修正ミスを検出し補正する動作フローについて説明した。次に具体的な検出と補正の動作例を説明する。動作の具体例1として、固有時差メモリ24に記憶される固有時差データP7が特定の時差範囲を示す対のデータ形式である場合の時差設定ミスの検出と補正動作について説明する。説明の前提として、電波修正時計1はアメリカ合衆国に出荷され、アメリカ合衆国での時差の上限と下限である−5hと−8hの一対の時差データが固有時差メモリ24に記憶されているとする。また、時差メモリ26には使用者によってシカゴ時間である−6hの時差データが正しく入力されたものとする。
【0077】
図5のフローSb35に於いて、演算回路27は、固有時差メモリ24に記憶されている固有時差データP7のデータ形式を調べ、データ形式が対であるので図6のフローSb50に進む。次にフローSb50に於いて、演算回路27は、時差データP8の内容を調べて−6hであるので0hより小さいと判断しフローSb52に進む(Sb50)。
【0078】
フローSb52に於いて、演算回路27は、A>=(時差データP8+12h)>=Bが成り立つかを調べる。ここでA=−5h、B=−8h、時差データP8=−6hを上記関係式に代入すると、−5h>=−6h+12h>=−8hとなって、この式は成り立たない。この結果、時差設定ミスは無いと判断してフローSb45に進む。
【0079】
フローSb45に於いて、演算回路27は時差データP8(すなわち−6h)を標準時刻に対する有効時差データとして記憶しフローSb46に進む。次にフローSb46において、演算回路27は標準時データP2より取得した標準時刻と有効時差データ(すなわち−6h)を加算して設定時刻データP12として出力しフローSb47に進む。フローSb47に於いて、計時回路23は設定時刻データP12を入力して時刻設定を行い、表示部3は計時回路23で設定された時刻情報を表示する。この結果、電波修正時計1は、UTCに対して−6hの時差を持った時刻(シカゴ時間)を正しく表示することが出来る。
【0080】
次に動作の具体例2として、時差設定作業に於いて間違った時差データを入力した場合の時差設定ミスの検出と補正フローについて説明する。説明の前提として、電波修正時計1は新たに時差設定される前の時刻表示はUTCに対する時差が−10h(ハワイ時間)であり、その時刻はAM9:00であったとする。ここで使用者は、シカゴ時間である−6hの時差で時刻を再設定し表示したいと考え、リューズ5を引いて時差修正の操作を行う。この作業は−10hの時差を−6hにするのであるから時間を4時間進ませれば良い。すなわち、リューズ5を右方向に回転して表示時刻をPM1:00とすれば時差を−6hとすることが出来る。
【0081】
しかし、使用者は、時針が1時の位置に来ればリューズ5をどの方向に回転しても同じと考え、リューズ5を左回転させて時針位置を1時に合わせたとすると、時差は−8h更に遅れることになり、−10hの時差に更に−8hの時差が加算される。この結果、時差メモリ26に記憶される時差データP8は、先に図4で示した時差修正フローに従って+6hとなり、電波修正時計1はAM1:00を表示することになる。よって使用者は電波修正時計1をPM1:00に設定しようとしたが、結果的には電波修正時計1はAM1:00に設定されてしまい、午前と午後が入れ替わり12時間ずれた時刻設定となる。
【0082】
このような時差設定ミスが発生した場合の設定ミス検出と補正動作を以下説明する。フローSb50に於いて、演算回路27は、時差データP8の内容を調べて+6hであるので0h以上であると判断しフローSb51に進む。
【0083】
フローSb51に於いて、演算回路27は、A>=(時差データP8−12h)>=Bが成り立つかを調べる。ここでA=−5h、B=−8h、時差データP8=+6hであるので上記関係式に代入すると、−5h>=+6h−12h>=−8hとなって、この式は成り立つ。この結果、演算回路27は時差設定ミスが有ると判断してフローSb42に進む。
【0084】
フローSb42に於いて、演算回路27は、時差メモリ26の時差データP8から12hを減算しフローSb45に進む。ここで時差データP8は+6hであるので、+6h−12h=−6hの時差データが時差メモリ26に記憶される。すなわち、使用者は時差設定に於いて間違って+6hの時差データを入力してしまったが、フローSb51で設定ミスを検出し、フローSb42で時差データを補正して正しい時差データに再設定することが出来る。尚、フローSb45以降の動作は重複するので説明は省略する。
【0085】
また、時差データP8が0hより小さくマイナス時差である場合はフローSb52に進んで設定ミスの検出と補正を行うが、基本動作は同様であるので説明は省略する。また、時差設定ミスを修正する際に、日付が変更になる場合が考えられるが、日付を表示する日付表示部3dは日モータ3gによって独立して制御されるので、時針3cに関わりなく日付表示も修正することが出来る。
【0086】
次に動作の具体例3として、固有時差メモリ24に記憶される固有時差データP7が単独のデータ形式である場合の時差設定ミスの検出と補正フローについて説明する。説明の前提として、電波修正時計1はアメリカ合衆国に出荷され、ニューヨークでの時差である−5hが固有時差メモリ24に記憶されているとする。また、使用者はニューヨーク時間である−5hの時差データを設定しようとしたが、誤って間違った時差設定をしてしまったとする。また、時差設定される前の時刻表示はUTCに対する時差が−10h(ハワイ時間)であり、その時刻はAM9:00であったとする。
【0087】
ここで使用者は、ニューヨーク時間である−5hの時差で時刻を再設定し表示したいと考え、リューズ5を引いて時差修正の操作を行う。この作業は−10hの時差を−5hにするのであるから時間を5時間進ませれば良い。すなわち、リューズ5を右方向に回転して表示時刻をPM2:00とすれば時差を−5hとすることが出来る。
【0088】
しかし、使用者は、時針が2時の位置に来ればリューズ5をどの方向に回転しても同じと考え、リューズ5を左回転させて時針位置を2時に合わせたとすると、時差は−7h更に遅れることになり、−10hの時差に更に−7hの時差が加算される。この結果、時差メモリ26に記憶される時差データP8は、先に図4で示した時差修正フローに従って+7hとなり、電波修正時計1はAM2:00を表示することになる。よって使用者は電波修正時計1をPM2:00に設定しようとしたが、結果的には電波修正時計1はAM2:00に設定されてしまい、午前と午後が入れ替わり12時間ずれた時刻設定となる。
【0089】
このような時差設定ミスが発生した場合の設定ミス検出と補正動作を以下説明する。図5のフローSb35に於いて、演算回路27は、固有時差メモリ24に記憶されている固有時差データP7のデータ形式を調べ、データ形式が単独であるので図6のフローSb40に進む。フローSb40に於いて、演算回路27は、時差データP8がUTCに対して0h以上か、又は0hより小さいかを調べ、ここでは+7hであるのでフローSb41に進む。
【0090】
フローSb41に於いて、演算回路27は、固有時差メモリ24の固有時差データP7と、時差メモリ26の時差データP8から12hを減算した値が等しいかどうかを調べる。ここで固有時差データP7は−5hであり、使用者が設定した時差データP8は+7hであるので、−5h=+7h−12hの式が成り立ち、時差設定ミスがあると判断してフローSb42に進む。
【0091】
フローSb42に於いて、演算回路27は、時差メモリ26の時差データP8から12hを減算し、フローSb45に進む。ここで、時差データP8は+7hであるので、+7h−12h=−5hが時差メモリ26に記憶される。すなわち、使用者は時差設定に於いて間違って+7hの時差データを入力してしまったが、フローSb41で設定ミスを検出し、フローSb42で時差データを補正して正しい時差データに再設定することが出来る。フローSb45以降の動作は重複するので説明は省略する。尚、時差データP8が0hより小さくマイナス時差である場合はフローSb43に進んで設定ミスの検出と補正を行うが、基本動作は同様であるので説明は省略する。
【0092】
次にサマータイムについての処理を説明する。例えばアメリカ合衆国の場合、通常の時差範囲は前述した如くUTCに対して−5h〜−8hであるが、サマータイムになると時差は1h進んで−4h〜−7hとなる。標準電波はこのサマータイムの有無情報を提供しているので、演算回路27は標準時データP2によってサマータイムの有無を把握することが出来、サマータイムであることを知ると、固有時差メモリ24の固有時差データP7に1hを加算し、対によって成る固有時差データP7を−4hと−7hとして時差設定ミスの検出を計算する。この結果、サマータイムであっても、時差修正のミスを正しく検出し補正することが出来る。
【0093】
また、本発明の時差修正ミスの検出と補正は、標準時に対して時差が進んでいても遅れていても対応することが出来るので、UTCを受信する地球上のどの国や地域に対しても適応可能である。また詳細は省くが、前述したサマータイムを有効にするかの判断を別途設けることで、各国、各地域でサマータイム施行期間のずれ、また施行・未施行に対応することが出来、更に利便性が高まる。
【0094】
尚、時差修正ミスの検出や補正機能を限定し、特定の国や地域に限定した電波修正時計を提供することも可能である。具体例としては、アメリカ合衆国に限定した電波修正時計として、固有時差メモリを不揮発性メモリではなくリードオンリーメモリで構成し、固有時差データをアメリカ合衆国の時差範囲に固定する。また、図6で示した時差修正ミスの検出と補正フローをSb51とSb42だけで構成すれば良い。これにより、不揮発性メモリが不要になり、また、演算回路も縮小できるのでコストダウンが可能となる。
【0095】
また、本発明の実施例は標準時としてUTC時刻を受信した例を主に説明したが、例えば、日本時刻を送信している標準電波を利用する場合に於いても同じことが可能であることは先に述べた通りである。その場合、図4に於いてフローSb21は「+3h<時差データ?」となり、フローSb22は「時差データ=−20h」となり、フローSb24は「−20h>時差データ?」となり、フローSb25は「時差データ=+3h」となる。
【0096】
また、本発明のそれぞれの機能は、マイクロコンピュータ等によるファームウエアによって実現することも可能であるので、図2で示した実施形態の構成に限定されるものではない。また、本発明の実施形態ではアナログ表示方式の電波修正時計を提示したが、これに限定されることはなく、デジタル表示方式、または、アナログとデジタルの複合表示方式の電波修正時計であっても良い。また、本発明の制御方法は時計に限定されるものではなく、電波修正時計機能を有する電子機器に幅広く応用することが出来る。
【0097】
以上のように、本発明の実施形態によれば、電波修正時計の使用者が表示時刻を修正するために受信した標準時に対して時差修正を行う場合、時差修正を間違えて午前と午後を入れ替えて修正してしまっても、その修正ミスを検出して自動的に補正することが出来るので、日付変更が昼の12時に行われるミスや、アラームが12時間ずれて鳴るといった問題を解決することが出来る。また、時差修正ミスの検出と補正は、標準時に対して時差が進んでいても遅れていても対応することが出来るので、UTC等の標準時を受信する地球上のどの国や地域に対しても適応可能であり、国や地域に限定されない電波修正時計を提供することが出来る。また、電波修正時計に於いて、それを使用する使用者が最も犯しやすい操作ミスの一つを防止することが出来るので、電波修正時計の信頼性向上に大変有効である。
【0098】
【発明の効果】
以上の説明によって明らかなように本発明によれば、使用者が標準時に対する時差情報の午前と午後を誤って入力し記憶させたとしても、その誤りを検出して自動的に補正出来るので、時刻の午前と午後を含めた正確な時刻情報を表示する電波修正時計を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態である電波修正時計と標準電波を送信する送信基地局との関係を示した説明図である。
【図2】本発明の実施形態である電波修正時計の回路ブロック図である。
【図3】本発明の実施形態である電波修正時計の初期時刻合わせ動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施形態である電波修正時計の時差修正動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施形態である電波修正時計の時差設定ミス検出と補正動作を示すフローチャート(1)である。
【図6】本発明の実施形態である電波修正時計の時差設定ミス検出と補正動作を示すフローチャート(2)である。
【符号の説明】
1 電波修正時計
2 外装
3 表示部
3a 秒針
3b 分針
3c 時針
3d 日付表示部
3e 秒分モータ
3f 時モータ
3g 日モータ
4 受信アンテナ
5 リューズ
6 バンド
10 送信基地局
11 送信アンテナ
12 原子時計
13 標準電波
20 受信部
21 デコーダ
22 基準信号源
23 計時回路
24 固有時差メモリ
25 I/F回路
26 時差メモリ
27 演算回路
28 電源
SW1、SW2 入力スイッチ
P1 受信信号
P2 標準時データ
P3 基準信号
P4 秒信号
P5 時信号
P6 日信号
P7 固有時差データ
P8 時差データ
P9,P10 入力信号
P11 時差入力データ
P12 設定時刻データ
Claims (6)
- 標準時を受信する受信手段と、前記標準時に対する時差データを記憶する時差記憶手段と、前記受信手段と前記時差記憶手段からの標準時と時差データに基づき前記標準時を基準とする時刻である設定時刻を演算し出力する演算手段と、該演算手段からの設定時刻を時刻情報として設定される機能を含み、且つ、該時刻情報を計時する計時手段と、該計時手段からの時刻情報を表示する表示手段とを有し、前記演算手段は前記時差記憶手段に記憶された前記時差データの誤りを検出して補正する様に構成したことを特徴とする電波修正時計。
- 更に時差入力手段を有し、該時差入力手段によって前記時差記憶手段に前記時差データを任意に入力できる様に構成したことを特徴とする請求項1記載の電波修正時計。
- 更に前記標準時に対する国又は地域の時差を記憶する固有時差記憶手段を有し、該固有時差記憶手段は単独の固有時差データを一つ以上、又は、時差範囲を示す一対の固有時差データを一組以上記憶する様に構成したことを特徴とする請求項1又は2記載の電波修正時計。
- 前記演算手段は、前記時差データが前記標準時に対して零乃至進んでいる場合、前記時差データから12時間を減算した値が前記固有時差データに等しいとき、又は前記一対の固有時差データが示す時差範囲に含まれるとき、前記時差データに12時間の誤りがあると判断し、また、前記時差データが前記標準時に対して遅れている場合、前記時差データに12時間を加算した値が前記固有時差データに等しいとき、又は前記一対の固有時差データが示す時差範囲に含まれるとき、前記時差データに12時間の誤りがあると判断することを特徴とする請求項3記載の電波修正時計。
- 前記演算手段は、前記時差データが前記標準時に対して零乃至進んでおり、且つ、前記時差データに誤りが検出された場合は、前記時差データから12時間を減算した値を時差データとして補正し、また、前記時差データが前記標準時に対して遅れており、且つ、前記時差データに誤りが検出された場合は、前記時差データに12時間を加算した値を時差データとして補正することを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載の電波修正時計。
- 標準時を受信する工程と、前記標準時に対する時差データを入力し記憶する工程と、標準時と時差データに基づき標準時を基準とする時刻である設定時刻を算出する工程と、該設定時刻を時刻情報として設定する工程と、設定された時刻情報を計時する工程と、該時刻情報を表示する工程と、前記時差データの誤りを検出する工程と、該時差データの誤りを補正する工程とを有することを特徴とする電波修正時計の制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003058072A JP2004271194A (ja) | 2003-03-05 | 2003-03-05 | 電波修正時計及びその制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003058072A JP2004271194A (ja) | 2003-03-05 | 2003-03-05 | 電波修正時計及びその制御方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004271194A true JP2004271194A (ja) | 2004-09-30 |
Family
ID=33121274
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003058072A Pending JP2004271194A (ja) | 2003-03-05 | 2003-03-05 | 電波修正時計及びその制御方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004271194A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006153655A (ja) * | 2004-11-29 | 2006-06-15 | Seiko Epson Corp | 計時装置および計時装置の制御方法 |
JP2021196355A (ja) * | 2020-06-18 | 2021-12-27 | ウーテーアー・エス・アー・マニファクチュール・オロロジェール・スイス | 自動的な時間及び/又は日付の修正 |
-
2003
- 2003-03-05 JP JP2003058072A patent/JP2004271194A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006153655A (ja) * | 2004-11-29 | 2006-06-15 | Seiko Epson Corp | 計時装置および計時装置の制御方法 |
JP2021196355A (ja) * | 2020-06-18 | 2021-12-27 | ウーテーアー・エス・アー・マニファクチュール・オロロジェール・スイス | 自動的な時間及び/又は日付の修正 |
JP7199472B2 (ja) | 2020-06-18 | 2023-01-05 | ウーテーアー・エス・アー・マニファクチュール・オロロジェール・スイス | 自動的な時間及び/又は日付の修正 |
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