JP2004271190A - 衛星航法信号受信方法及びその装置 - Google Patents

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Akira Okuyama
昭 奥山
Kenji Higaki
健二 檜垣
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Abstract

【課題】マルチパス波を受信する場合に、受信信号レベルを実質的に増大させて安定した追尾動作を行わせるとともに、位置計測などの精度を向上させることができる衛星航法信号受信方法及び装置を提供すること。
【解決手段】各受信信号チャネルに複数のフィンガーを設け、各フィンガーにマルチパス波の各パス波のコード位相を設定する。各フィンガーで得られた信号をタイミングを合わせてRAKE合成し、その合成された出力に含まれる航法データを復調する。また、最も遅延時間の短いコード位相を算出し当該所定衛星の距離データとして、測位演算を行う。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、GPS(Global Positioning System)やGPSと同意なロシアのGLONASS(Global Navigation Satellite System)、ヨーロッパのガリレオなどの航法衛星を利用して測位などを行うための、衛星航法信号受信方法及び衛星航法信号受信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、GPSやGLONASS、さらにはガリレオ等の衛星航法システムが良く知られている。以下、代表してGPSについて説明する。
【0003】
GPSシステムは、米国が開発した24個のGPS衛星のシステムで、使用者が3−4個以上の衛星を受信する事により使用者の位置を測定出来るシステムである。衛星は、1.57542GHzの搬送波信号を、衛星毎に割付けられたコードにより変調し、所謂スペクトラム拡散変調した信号を送信する。使用者の受信装置は、スペクトラム拡散された受信信号と、受信機内で発生したレプリカコードと相関を取り、送信時刻から受信時刻までの時間差を測定し、これを受信点から衛星までの距離に換算し、3−4個以上の衛星について測定し受信点の位置計算を行う。
【0004】
図5は、従来のGPS受信装置の構成を示す図である(特許文献1参照)。図6は、コード追尾動作を説明するための図であり、図7は、信号捕捉及び追尾状態を説明するための図である。
【0005】
図5において、高周波部100では、アンテナ1に到来した1.5GHz帯のGPS信号は、RFアンプ2で増幅された後、TCXO(温度補償水晶発振器)8で発振した基準信号と、PLL回路7で位相同期された1.5GHZ帯で発振しているVCO(電圧制御発振器)6の発振信号とが周波数変換回路3で混合されIF周波数に変換される。IF信号に変換されたGPS信号は、IFアンプ4にて増幅された後、デジタル処理を行うためにA/D変換回路5にてディジタル信号に変換される。
【0006】
高周波部100からのディジタル化IF信号は、受信信号処理部200に供給される。この受信信号処理部200は、処理すべき受信チャネル数Nに応じて各チャネル用受信信号処理部210〜2N0が設けられる。通常、Nは4以上である。また、演算制御部300が設けられ、各チャネル用受信信号処理部210〜2N0からの情報を受けて演算したり、各チャネル用受信信号処理部210〜2N0を制御するための制御信号を送出したりする。
【0007】
第1チャネルCH1の受信信号処理部210についてみると、コードP相関器11、コードE相関器12、コードL相関器13は、A/D変換された受信信号と、夫々コード発生器で発生されたコードP(punctual)、コードE(early:Pに対して0.5チップの進み)、コードL(late:Pに対して0.5チップの遅れ)とが入力され、相関値を検出する。
【0008】
搬送波PI相関器14、搬送波PQ相関器15は、コードP相関器11の相関値と搬送波NCO26で発生された搬送波I信号(in−phase)、90°位相差を持つ搬送波Q信号(quadrature−phase)とが入力され夫々相関を取る。搬送波EI相関器16、搬送波LI相関器17は、コードE相関器12、コードL相関器13の相関値と搬送波NCO26で発生されたI信号(in−phase)とが入力され夫々相関を取る。
【0009】
これら搬送波PI相関器14〜搬送波LI相関器17の相関出力は、PILPF18、PQLPF19、EILPF20、LILPF21で濾波され、PIレジスタ22、PQレジスタ23、EIレジスタ24、LIレジスタ25に一旦記憶されて、それぞれ演算制御部300に取り込まれる。また、28は、コードNCO(Numerical Controlled Oscillator)であり、演算制御部300からの制御信号により第1コード発生器27から発生するコード位相を制御する。なお、TCXO8の出力が、基準クロックとして各チャネル用受信信号処理部210〜2N0に供給される。
【0010】
受信信号はスペクトラム拡散されているからその受信レベルは通常は熱雑音以下である。したがって、受信しようとする衛星のコードと同一コードをコード発生器27で発生し、全1023チップを0.5チップ単位でスライディングしながらPIレジスタ22及びPQレジスタ23の相関を取り信号を捕捉する。
【0011】
その捕捉動作を以下信号の流れに従って説明する。A/D変換された受信信号は、コードP相関器11、コードE相関器12、コードL相関器13にて夫々コード発生器で発生されたコードP、コードPに対して0.5チップの進みのコードE、コードPに対して0.5チップの遅れのコードLと相関値を検出する。このときの自己相関特性が図6に示されている。ここで、コードPのみを信号検出の判定に使用する。
【0012】
受信信号の内、コードP相関器11の出力は、搬送波PI相関器14にて、搬送波NCO26で発生した搬送波I信号(in−phase)と、また搬送波PQ相関器15にて搬送波NCO26で発生したQ信号(quadrature−phase)と夫々相関を取る。搬送波PI相関器14の出力はPILPF18に、搬送波PQ相関器15の出力はPQLPF19に入力され、各々のLPFにてノイズ成分が低減された相関値が抽出される。
【0013】
また、受信信号の内コードE相関器12の出力は、搬送波EI相関器16にて、搬送波NCO26で発生した搬送波I信号と相関を取る。コードL相関器13の出力は、搬送波LI相関器17にて、搬送波NCO26で発生した搬送波I信号と、相関を取る。搬送波EI相関器16の出力はEILPF20に、搬送波LI相関器17の出力はLILPF21に入力され、各々のLPFにてノイズ成分が低減された相関値が抽出される。
【0014】
PILPF18〜LILPF21の出力は、演算制御部300への入力タイミングを整えるため、一旦PIレジスタレジスタ22〜LIレジスタ25に蓄えられ、演算制御部300に入力される。演算制御部300では、PIレジスタ22の出力値pi、及びPQレジスタ23出力値pqとを用いて、受信電力Psを算出し、予め設定している閾値THと比較し信号捕捉の有無を判定する。
【0015】
図6のコードPにおいて、0.5チップサーチ時には相関値は▲1▼→▲2▼→▲3▼→▲4▼の順に変化し、▲2▼▲3▼相関値で閾値THを十分に越えた事を認識出来,相関値が最大値を示すコード位相▲2▼(もしくは▲3▼)を捕捉し、信号捕捉動作を終える。即ち、演算制御部300では、PIレジスタ22の出力値をpi、及びPQレジスタ23の出力値をpqとすると、図7に示されるように、信号電力Psを次式にて算出し、予め設定している閾値THと比較し信号捕捉の有無を判定する。
Ps=(pi+pq1/2あるいは簡易的にPs=|pi|+|pq|
【0016】
次に、信号追尾は、コードPが信号レベル最大値で受信されるように、かつ衛星及び使用者の移動に伴い信号が大きく変化したり、コード位相が変化することに追従するために、コードEとコードLは、受信信号に追尾する必要がある。このコードEとコードLは、所謂遅延ロックル・一プ(DLL)を構成しコード位相の追尾に用いられ、コードPが受信信号レベル最大値で受信されるように制御される。
【0017】
受信信号は、コードE相関器12ではコード発生器で発生したコード位相が0.5チップ進んだEコードと、またコードL相関器13ではコード発生器で発生したコード位相が0.5チップ遅れたLコードと夫々相関が取られた後、搬送波E相関器16、搬送波L相関器17にて搬送波NCOで発生したI信号と相関が取られる。さらに受信信号は、P信号と同様EILPF20、LILPF21、EIレジスタ24,LIレジスタ25を経由し演算制御部300に入力される。この時、EIレジスタ24の出力eiをE、LIレジスタ25の出力liをLとすると、図6に示されるように、演算制御部300はE−Lの値が零、即ちコードPが最大相関値を保持するようにコードNCO28を制御する。
【0018】
一方、受信信号の内、コードP相関器11の出力は、搬送波に追尾するため搬送波PI相関器14にて搬送波NCO26で発生したI信号(0°)と、また搬送波PQ相関器15にて搬送波NCO26で発生したQ信号(90°)と夫々相関が取られる。これらは、搬送波信号に追尾するため所謂コスタスル一プを構成し、搬送波位相同期の動作をする。
【0019】
演算制御部300では、前述した受信信号のサーチと捕捉、コード位相追尾、搬送波位相追尾、航法データの復調、測位計算等を主に行う。第一は、信号のサーチと信号捕捉である。第二は、コード位相追尾である。第三は、搬送波位相追尾であるが、演算制御部300は、PIレジスタ22及びPQレジスタ23の信号を受けて、搬送波信号に追尾するために夫々の値を基に位相誤差を算出し、搬送波NCO26を制御し、搬送波位相誤差を補正する。
【0020】
即ちPIレジスタの値をpi、PQレジスタの値をpq、位相誤差をθとすると次式が成り立ちθ値を零にするべく搬送波NCOを制御する。
pi=cosθ
Pq=sinθより
θ=arctan(pq/pi)あるいは簡易的に
=pqSGN(pi) SGN(pi)はpiの符号を表す。
搬送波位相に追尾出来た後、PIレジスタ22には50bpsのデータ信号土Dが含まれており、演算制御部300で復調される。
【0021】
第四は、測位計算である。これは、コード位相同期が出来た後、コード位相の制御量から衛星までの擬似距離を算出し、各チャネルCH1〜CHnにて受信した複数の衛星からの航法データ及び算出した擬似距離より測位計算をする。
【0022】
【特許文献1】
特開平7−27845号公報
【0023】
【発明が解決しようとする課題】
現在のオートノーマス(自律)型GPS受信機の受信感度は、約−132dBm程度である。衛星からの信号が充分なレベルで到達し、受信レベルの高い環境下にある舶用や車載用GPS受信装置では、この受信感度は問題にならない。しかし、携帯電話などの携帯端末搭載型のGPS受信装置においては、屋内等の使用環境下では衛星からの信号が大きく減衰し、−132dBm以下になることが多いため、従来の受信装置の感度では安定して追尾することが困難である。
【0024】
また、屋内では、衛星からの信号が建物や、壁、その他の構造物に反射し、多重反射波(以下、マルチパス波)として受信される場合が殆どである。従来は、マルチパス波の内最も強い信号のパス波を受信していた為、多くの場合に、電波伝搬時間に大きな誤差を持つ。その結果、車載用、船舶用GPS受信装置に比較して、精度が大幅に劣化することになる。
【0025】
今後、GPS受信装置はますます携帯端末に搭載されることが多くなることが予測され、屋内での使用に応えられるように、感度や精度の向上が要求される。
【0026】
そこで、本発明は、GPS等の衛星航法信号受信装置を屋内で使用する場合に、マルチパス波を受信することを逆に利用して、受信信号レベルを実質的に増大させて安定した追尾動作を行わせるとともに、位置計測などの精度を向上させることができる衛星航法信号受信方法及び衛星航法信号受信装置を提供することを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】
請求項1の衛星航法信号受信方法は、複数Nの衛星から、各衛星毎に割り付けられたコードにより変調されている電波を受信して、当該電波に含まれている情報から、少なくとも受信点の位置を計測する衛星航法受信方法において、
所定衛星からのコードと同一のレプリカコードを、前記衛星からのコードとの相関をとりつつそのレプリカコードの位相を所定コードチップ単位毎に順次スライディングし、そのスライディングコード位相に応じた当該受信信号処理フィンガーのスライディング相関出力を出力し、
前記スライディング相関出力を用いて、その出力レベルとコード位相とを含む電力プロファイルを作成し、
この電力プロファイルの出力レベルがピークを示すコード位相に基づいて複数M個の各受信信号処理フィンガーのレプリカコードの位相をそれぞれ決定し、
その決定されたレプリカコードの位相に基づいて前記複数M個の各受信信号処理フィンガーで前記衛星からのコードと相関処理して相関出力を得、
各受信信号処理フィンガーで得られた相関出力を、各受信信号処理フィンガーに設定されたコード位相に基づいて遅延合成し、
その遅延合成された出力に含まれる航法データを復調し、且つ測位演算を行うことを特徴とする。
【0028】
請求項2の衛星航法信号受信方法は、請求項1記載の衛星航法信号受信方法において、前記電力プロファイルの出力レベルのピークを示すコード位相の内で最も遅延時間の短いコード位相を算出し当該所定衛星の距離データとして、測位演算を行うことを特徴とする。
【0029】
請求項3の衛星航法信号受信装置は、複数Nの衛星から、各衛星毎に割り付けられたコードにより変調されている電波を受信して、当該電波に含まれている情報から、少なくとも受信点の位置を計測する衛星航法受信装置において、
前記電波を受信し、所定の中間周波数信号に変換して出力する高周波部、前記高周波部からの中間周波数信号が入力され、所定衛星からのコードの位相に、そのコードと同一のレプリカコードの位相が一致するように相関をとるためのコード相関処理手段、このコード相関手段の出力周波数に、ローカル搬送波の周波数及び位相が同期するように相関をとり、その相関結果を出力するための搬送波相関処理手段、を含む受信信号処理フィンガーを、1衛星受信用に複数M個設けた受信信号処理部と、
所定衛星に対する前記M個の受信信号処理フィンガーからの相関結果の出力を合成するタイミングを合わせて合成出力を得る合成手段と、
前記合成手段からの合成出力に基づいて、搬送波位相誤差を演算し、演算された位相誤差信号を前記搬送波相関処理手段に供給して前記位相誤差が少なくなるように前記ローカル搬送波の位相を制御する搬送波位相制御手段、前記合成手段からの合成出力に含まれる航法データを復調し、測位演算を行う測位演算手段とを含む演算制御部とを備え、
前記受信信号処理部の少なくとも1つの受信信号処理フィンガーは、さらに、前記レプリカコードの位相が所定コードチップ単位毎に順次スライディングされ、そのスライディングコード位相に応じて当該受信信号処理フィンガーのスライディング相関出力を出力するスライディング相関処理手段を有し、
前記演算制御部は、前記スライディング相関出力を用いて、その出力レベルとコード位相とを含む電力プロファイルを作成し、この電力プロファイルの出力レベルがピークを示すコード位相に基づいて前記複数M個の各受信信号処理フィンガーのレプリカコードの位相をそれぞれ決定し且つ前記合成手段における各受信信号処理フィンガーからの合成タイミングを調整することを特徴とする。
【0030】
請求項4の衛星航法信号受信装置は、請求項3記載の衛星航法信号受信装置において、前記演算制御部は、前記電力プロファイルの出力レベルのピークを示すコード位相の内で最も遅延時間の短いコード位相を算出し当該特定衛星の距離データとして用いることを特徴とする。
【0031】
請求項5の衛星航法信号受信装置は、請求項3、4記載の衛星航法信号受信装置において、前記コード相関処理手段は、所定衛星からのコードとこの衛星からのコードに位相を一致させるPコードとの相関をとるコードP相関器と、所定衛星からのコードと前記Pコードよりも所定位相だけ進んだEコードとの相関をとるコードE相関器と、所定衛星からのコードと前記Pコードよりも所定位相だけ遅れたLコードとの相関をとるコードL相関器とを含み、
前記搬送波相関処理手段は、前記Pコード相関器の出力と前記ローカル搬送波の同相成分との相関をとる搬送波PI相関器と、前記Pコード相関器の出力と前記ローカル搬送波の90°位相成分との相関をとる搬送波PQ相関器とを含み、
前記合成手段は、前記各受信信号処理フィンガーの前記搬送波PI相関器の出力を合成するPI合成器と、前記各受信信号処理フィンガーの前記搬送波PQ相関器の出力を合成するPQ合成器と、前記各受信信号処理フィンガーの前記コードE相関器の出力を合成するE合成器と、前記各受信信号処理フィンガーの前記コードL相関器の出力を合成するL合成器とを含み、
前記搬送波位相制御手段における搬送波位相誤差は、前記PI合成器の出力と前記PQ合成器の出力とに基づいて演算され、
前記コード相関処理手段におけるレプリカコードの位相は、前記E合成器の出力と前記I合成器の出力とに基づいて演算されることを特徴とする。
【0032】
【発明の実施の形態】
本発明では、マルチパス波の環境下において、マルチパス波を有効利用するために、マルチパス波を構成する複数のパス波(直接波も含まれ得る)を、各パス波を同一タイミングになるように時間調整を行って重ね合わせて受信(RAKE合成)し、信号レベルを増大させ実質的に受信感度を向上する。例えば同一レベルのマルチパス波を3波受信合成した場合、最大約5dBの改善が可能となる。また、マルチパス波の内、信号レベルが最も強いパス波ではなく、到達時刻の最も早いパス波(即ち、遅延時間の最も短いパス波)信号を測位計算に用いて、位置精度を向上する。
【0033】
以下、本発明の衛星航法信号受信方法及び衛星航法信号受信装置を、GPSに適用した場合の実施の形態を図を参照して説明する。図1は、本発明のGPS受信装置の構成を示す図であり、図2、図3は、電力プロファイル及びRAKE合成を説明する図である。また、図4は、本発明の動作フローを説明する図である。
【0034】
図1において、受信信号処理部200Aは、各チャネル用受信信号処理部210A〜2N0Aからなり、1つの衛星信号受信チャネルとして複数M個の受信信号処理フィンガーを設けている。なお、衛星信号受信チャネル数をNとすると、全体での受信信号処理フィンガーはM×N個となる。この実施の形態ではM=3の例で説明する。
【0035】
第1チャネルCH1の受信信号処理部210Aは、第1〜第3受信信号処理フィンガー(CH1−F1〜CH1−F3)211〜213からなり、第1の受信信号処理フィンガー(CH1−F1)211の構成が図1に示されている。また、第2及び第3の受信信号処理フィンガー212、213の構成は、図1には示されていないが、図5の受信信号処理部210と同じ構成である。
【0036】
第1の受信信号処理フィンガー211においては、第2及び第3の受信信号処理フィンガー212、213の構成と同じ構成(図5の受信信号処理部210の構成)を有するほか、次の構成を付加している。即ち、
【0037】
マルチパス波の電力プロファイル作成等のために、受信信号処理フィンガー211にはさらに、コードP相関器31、搬送波PI相関器32、搬送波PQ相関器33、PILPF34、PQLPF35、PIレジスタ36、PQレジスタ37、第2コード発生器38、コード位相設定回路39を設けている。
【0038】
演算制御部300Aには、各受信信号処理フィンガー211〜2N3にて受信したマルチパス波の各パス波の信号を各チャネルCH1〜CHn分毎に合成するためのRAKE合成回路41〜44を設けている。これらのRAKE合成回路41〜44は、図1では、独立しているように表現されているが、演算制御部300Aの中に設けられている。なお、RAKE合成回路41〜44を、各受信信号処理フィンガー211〜2N3のいずれかに設けるようにしてもよい。
【0039】
また、演算制御部300Aには、受信信号のスレッショルド判定を行うスレッショルド判定手段51、マルチパス波の電力プロファイル作成のための電力プロファイル作成手段52、マルチパス波の電力プロファイル中の最小遅延時間を検出する最小遅延時間検出手段53、及び電力プロファイルを作成する際にコード位相を細かいチップ分(例、数十分の1チップ分)ずつずらせていく高分解能コードチップスライディング手段54を設けている。
【0040】
また、演算制御部300Aには、さらに搬送波位相誤差演算手段61、航法データ復調手段62、コード位相誤差φを零にするためのコード位相誤差演算手段63、測位演算手段64、搬送波位相誤差θを零にするための搬送波位相制御手段65、コード位相制御手段66も、それぞれ設けている。
【0041】
さて、図1のGPS信号受信装置の動作を、図2及び図3の電力プロファイル及びRAKE合成の作用を説明する図、及び図4の動作フローチャートをも参照して、説明する。
【0042】
本GPS信号受信装置の電源が投入されると、初期設定(ステップS101)が行われる。この初期設定では、例えば測位までの時間短縮などのために、現在時刻や現在の推定位置などを設定する。
【0043】
次に、現在時刻及び推定現在位置からその時点での可視衛星を複数個選択する(ステップS102)。
【0044】
次に、チャネルCH1〜CHnの各受信信号処理部210A〜2N0Aに、個々の可視衛星を割り付ける(ステップS103)。そして、ノイズフロアを考慮してそれぞれ閾値THを設定する(ステップS104)。
【0045】
次に、各チャネルCH1〜CHnにおいて、受信信号処理フィンガー211にて搬送波周波数のサーチと高分解能コードチップスライディングサーチを行い(ステップS105)、マルチパス波の受信信号の電力プロファイルを作成する(ステップS106)。
【0046】
電力プロファイルは、高分解能コードチップスライディング手段54の動作と連携し作成される。
【0047】
まず、レプリカコードのコード位相をある値(遅延時間に相当する)に設定する。
【0048】
受信信号処理フィンガー211のコードP相関器31において、A/D変換された受信信号と、第2コード発生器38で発生された受信信号と同一のレプリカコードとの相関が取られる。搬送波PI相関器32と搬送波PQ相関器33において、搬送波NCO26で発生させた搬送波I信号及びこのI信号に対して90°位相のずれた搬送波Q信号とが各々入力され、コードP相関器31の出力との相関が取られて、その相関値が検出される。その後、PILPF34及びPQLPF35にて高域周波数成分ノイズが低減され、相関値がPIレジスタ36とPQレジスタ37を経由し演算制御部300Aに入力される。演算制御部300Aでは、受信電力がスレッショルド判定手段51により設定されたスレッショルドレベルTHを越えた場合、電力プロファイル作成手段52により、その受信電力と同時にコード位相(遅延時間)も記憶される。
【0049】
ここで、受信信号の電力は次式で表される。搬送波の位相誤差をθとすると、信号レベル=cosθ+sinθ=(pi)+(pq)>TH
の場合に、受信電力と遅延時間が記録される。
【0050】
次に、演算制御部300Aは、高分解能コードチップスラディング手段54により、コード位相設定回路39を用いて第2コード発生器38のコード位相を数十分の1チップ移動させる。
【0051】
前述の動作と同様に受信信号との相関値がスレツシヨルドTHを越えた場合、受信電力と遅延時間を電力プロファイルのためにメモリ内に記憶する。これをコード位相が一巡するまで繰り返し行って、演算制御部300Aは、電力プロファイルを作成する。
【0052】
この電力プロファイルの例が、図2と図3にそれぞれ示されている。図2の例では、最も遅延時間の少ない第1パス波Sτ1、その次の第2パス波Sτ2、及び3つの中で最も遅い第3パス波Sτ3が、それらの間隔が2チップ以内に存在している。この場合、電力プロファイルである合成相関値Sτtは連続した特性となって観測される。この合成相関値Sτtの特性の各ピーク点或いは屈曲点が、第1パス波Sτ1、第2パス波Sτ2、及び第3パス波Sτ3のそれぞれのピーク値の存在点を示している。
【0053】
また、図3の例では、最も遅延時間の少ない第1パス波Sτ1、その次の第2パス波Sτ2、及び3つの中で最も遅い第3パス波Sτ3が、それらの間隔が2チップ以上離れて存在しているから、電力プロファイルである合成相関値Sτtは各パス波Sτ1、Sτ2、Sτ3として観測されている。
【0054】
演算制御部300Aは、電力プロファイルと遅延時間をもとにスレツシヨルドTHを越えた信号電力の大きいものから順に各受信信号処理フィンガー211〜213の第1コード発生器27に、第1パス波Sτ1、第2パス波Sτ2、及び第3パス波Sτ3に対応したコード位相を設定する(ステップS107)。
【0055】
各受信信号処理フィンガー211〜213において、第1コード発生器27は、設定されたコード位相でコードP、及びコードPからコード位相が0.5チップ進んだコードE、及びコードPからコード位相が0.5チップ遅れたコードLを出力し、各々コードP相関器11、コードE相関器12、コードL相関器13に入力する。
【0056】
演算制御部300Aでは、ステップS108で、各受信信号処理フィンガー211〜213からの受信信号をRAKE合成して受信し、且つその受信信号の追尾動作を、以下のように行う。
【0057】
即ち、受信信号はコードP相関器11においてコードP信号と相関が取られ、さらに搬送波NCO26で発生したI信号が搬送波PI相関器14と、搬送波NCO26で発生したI信号に対して90°位相のずれたQ信号と搬送波PQ相関器15にて夫々相関が取られる。搬送波PI相関器14の出力はPILPF18に、搬送波PQ相関器15の出力はPQLPF19に、搬送波EI相関器16の出力はEILPF20に、搬送波LI相関器17の出力はLILPF21に入力され、各々のLPFにてノイズ成分が低減された相関値が抽出される。
【0058】
PILPF18の出力は、一旦PIレジスタ22に蓄えられ、他の受信信号処理フィンガーからの異なったパスの出力とともにRAKE合成回路41に入力され、合成されて、演算制御部300Aに入力される。QILPF19の出力は、一旦PQレジスタ23に蓄えられ、他の受信信号処理フィンガーからの異なったパスの出力とともにRAKE合成回路42に入力され、合成されて、演算制御部300Aに入力される。
【0059】
この時、全受信信号処理フィンガー211〜213の中で、最も遅延時間の大きいパス波Sτ3を受信している受信信号処理フィンガー(例、213)からの信号にタイミングを重ね合わせるべくその他の受信信号処理フィンガー(例、211、212)のPIレジスタ22、PQレジスタ23をそれぞれ所定に時間だけ遅延させる。この状態が図2、図3に示されており、第1パス波Sτ1、第2パス波Sτ2、及び第3パス波Sτ3が遅延されて合成されたRAKE合成波Stは、第3パス波Sτ3と同じコード位相(遅延時間)でその相関値が加算されている。
【0060】
ここで各受信信号処理フィンガーの相関値をpi(j)、pq(j) j=1,2…、トータルの信号相関値(RAKE合成波;受信電力)Stとすれば、
St=Σ{(pi(j))+(pq(i)} と表せる。
【0061】
今、受信信号処理フィンガーを3個で考えた場合で、各パス波の受信電力が同一であった場合、従来技術での信号相関値をSc、雑音電力をNc、本発明の方法による信号相関値をSt,雑音電力をNtとするとS/Nの改善度は、以下の関係が成り立つから、4.8dBとなる。
S/N改善度=20log(St/Nt)−20log(Sc/Nc)
ここで、St=3SC、Nt=(3NC)1/2であるから
S/N改善度=20log{3Sc・Nc/(Sc・(3Nc)1/2)} =4.8dB
【0062】
また、演算制御部300Aでは、RAKE合成されたPI相関値pi、PQ相関値pqを基に、搬送波位相誤差演算手段61で搬送波位相誤差θ(図7を参照)を次式から算出し、この搬送波位相誤差θを零にするべく搬送波位相制御手段65により搬送波NCO26を制御し受信搬送波に追尾する。所謂コスタスループを構成している。即ち、位相誤差θは、
θ=arctan(pq/pi)あるいは簡易的に
=pq・SGN(pi)、である。なお、SGN(pi)はpiの符号を表す。
【0063】
また、衛星からの受信信号に含まれる、50bpsの航法データは、PI相関値に含まれており、搬送波位相同期後はRAKE合成回路41で合成された信号相関値(RAKE合成波)Stに基づいて、航法データ復調手段62により航法データが安定して復調される(ステップS110)。航法データDは、BPSK(Bi‐Phase Shift Keying:二相変調)変調されているため、RAKE合成回路41の信号相関値St、即ちPI相関値piを用いて、復調が出来る。
【0064】
一方、コードEに基づく搬送波EI相関器16からの相関値EI及びコードLに基づく搬送波LI相関器17からの相関値LIは、コードPに基づく搬送波PI相関器14からの相関値PIと同じように、夫々EIレジスタ24、LIレジスタ25から出力される。そして、他の各受信信号処理フィンガー(例、212、213)からの相関値とともにRAKE合成回路43、RAKE合成回路44において、それぞれタイミングが合うように遅延してRAKE合成され演算制御部300Aのコード位相誤差演算手段63に入力される。
【0065】
コード位相誤差演算手段63では、RAKE合成回路43及びRAKE合成回路44でそれぞれRAKE合成された2つの相関値によって、受信信号と発生したレプリカコードの位相のずれを算出する。即ち、RAKE合成回路43から得られるコードEの相関値をeiとし、RAKE合成回路44から得られるコードLの相関値をliとすると、コード位相誤差φは次式で表わされる(図6も参照)。
φ=ei−li
【0066】
コード位相制御手段66は、コード位相誤差演算手段63で算出されたコード位相誤差φを零にするべくコードNCO28を制御し、コード位相追尾を行う。所謂従来技術である遅延ロックループを構成する。
【0067】
そして、測位演算手段64では、航法データ復調手段62からの復調データ、最小遅延時間検出手段53からの最小遅延時間信号を受けて、各受信信号処理フィンガーで受信した信号の中で最も遅延時間の小さいパス波のチップ位相を用いて距離計算し、測位計算を行う(ステップS111、S112)。
【0068】
これにより従来の測位に対して測位誤差を改善出来る。即ち、図2及び図3を参照すると、従来技術ではマルチパス信号の内の最も強い信号を示す第2パス波Sτ2によって測位計算していたのに対して、本発明ではマルチパス信号の内の最も遅延時間の少ない信号を示す第1パス波Sτ1によって測位計算するから、測位誤差が大きく改善される。例えば、図2の例では、誤差改善ΔRは、390m(=1.3チップ×300m)になる。
【0069】
以上のようなRAKE受信/信号追尾動作(ステップS108)、航法データ復調(ステップS110)、最短遅延時間による距離計算(ステップS111)、測位計算(ステップS112)が繰り返して行われる。そして、受信信号への追尾状態、即ち当該衛星信号が捕捉可能かどうかをステップS109で常時モニタしており、これらステップS108、S110〜S112の処理中に捕捉ができなくなると、ステップS105に戻る。
【0070】
そして、受信信号処理フィンガー211にて周波数サーチ/高分解能コードチップスライディングサーチ(ステップS105)、電力プロファイル作成(ステップS106)、各受信信号処理フィンガーへの遅延時間割付(ステップS107)を再び行う。その後、ステップS108〜ステップS112の処理を再び繰り返す。
【0071】
受信信号処理フィンガー211に、マルチパス波の電力プロファイル作成等のために、コードP相関器31、搬送波PI相関器32、搬送波PQ相関器33、PILPF34、PQLPF35、PIレジスタ36、PQレジスタ37、第2コード発生器38、コード位相設定回路39を設けている。このようなコードP相関器31〜コード位相設定回路39を設けた受信信号処理フィンガーは、各チャネルCH1〜CHn毎にそれぞれ設けても良いし、或いは、このような受信信号処理フィンガーのコードP相関器31〜コード位相設定回路39を複数のチャネル用に共用するようにしても良い。
【0072】
【発明の効果】
本発明によれば、マルチパス波のみの環境下において、マルチパス波の各パス波を同一タイミングになるように時間調整を行って重ね合わせて合成受信(RAKE合成)するから、受信信号レベルが上昇し実質的に受信感度が上がる。したがって、受信信号レベルが低いマルチパス環境下においても、安定して衛星信号を追尾することができる。
【0073】
また、マルチパス波に含まれる各パス波の内、最も遅延時間の短いパス波を測位基準として用いるから、測位などの測定精度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のGPS受信装置の構成を示す図。
【図2】電力プロファイル及びRAKE合成を説明する図。
【図3】電力プロファイル及びRAKE合成を説明する他の図。
【図4】本発明の動作フローを説明する図。
【図5】従来のGPS受信装置の構成を示す図。
【図6】コード追尾動作を説明するための図。
【図7】信号捕捉及び追尾状態を説明するための図。
【符号の説明】
100 高周波部
200、200A、210〜2N0、210A〜2N0A 受信信号処理部
211〜2N3 受信信号処理フィンガー
300、300A 演算制御部
11 コードP相関器
12 コードE相関器
13 コードL相関器
14 搬送波PI相関器
15 搬送波PQ相関器
16 搬送波EI相関器
17 搬送波LI相関器
18 PILPF
19 PQLPF
20 EILPF
21 LILPF
22 PIレジスタ
23 PQレジスタ
24 EIレジスタ
25 LIレジスタ
26 搬送波NCO
27 第1コード発生器
28 コードNCO
31 コードP相関器
32 搬送波PI相関器
33 搬送波PQ相関器
34 PILPF
35 PQLPF
36 PIレジスタ
37 PQレジスタ
38 第2コード発生器
39 コード位相設定回路
41〜44 RAKE合成回路
51 スレッショルド判定手段
52 電力プロファイル作成手段
53 最小遅延時間検出手段
54 高分解能コードチップスライディング手段
61 搬送波位相誤差演算手段
62 航法データ復調手段
63 コード位相誤差演算手段
64 測位演算手段
65 搬送波位相制御手段
66 コード位相制御手段

Claims (5)

  1. 複数Nの衛星から、各衛星毎に割り付けられたコードにより変調されている電波を受信して、当該電波に含まれている情報から、少なくとも受信点の位置を計測する衛星航法受信方法において、
    所定衛星からのコードと同一のレプリカコードを、前記衛星からのコードとの相関をとりつつそのレプリカコードの位相を所定コードチップ単位毎に順次スライディングし、そのスライディングコード位相に応じた当該受信信号処理フィンガーのスライディング相関出力を出力し、
    前記スライディング相関出力を用いて、その出力レベルとコード位相とを含む電力プロファイルを作成し、
    この電力プロファイルの出力レベルがピークを示すコード位相に基づいて複数M個の各受信信号処理フィンガーのレプリカコードの位相をそれぞれ決定し、
    その決定されたレプリカコードの位相に基づいて前記複数M個の各受信信号処理フィンガーで前記衛星からのコードと相関処理して相関出力を得、
    各受信信号処理フィンガーで得られた相関出力を、各受信信号処理フィンガーに設定されたコード位相に基づいて遅延合成し、
    その遅延合成された出力に含まれる航法データを復調し、且つ測位演算を行うことを特徴とする、衛星航法信号受信方法。
  2. 前記電力プロファイルの出力レベルのピークを示すコード位相の内で最も遅延時間の短いコード位相を算出し当該所定衛星の距離データとして、測位演算を行うことを特徴とする、請求項1記載の衛星航法信号受信方法。
  3. 複数Nの衛星から、各衛星毎に割り付けられたコードにより変調されている電波を受信して、当該電波に含まれている情報から、少なくとも受信点の位置を計測する衛星航法受信装置において、
    前記電波を受信し、所定の中間周波数信号に変換して出力する高周波部、前記高周波部からの中間周波数信号が入力され、所定衛星からのコードの位相に、そのコードと同一のレプリカコードの位相が一致するように相関をとるためのコード相関処理手段、このコード相関手段の出力周波数に、ローカル搬送波の周波数及び位相が同期するように相関をとり、その相関結果を出力するための搬送波相関処理手段、を含む受信信号処理フィンガーを、1衛星受信用に複数M個設けた受信信号処理部と、
    所定衛星に対する前記M個の受信信号処理フィンガーからの相関結果の出力を合成するタイミングを合わせて合成出力を得る合成手段と、
    前記合成手段からの合成出力に基づいて、搬送波位相誤差を演算し、演算された位相誤差信号を前記搬送波相関処理手段に供給して前記位相誤差が少なくなるように前記ローカル搬送波の位相を制御する搬送波位相制御手段、前記合成手段からの合成出力に含まれる航法データを復調し、測位演算を行う測位演算手段とを含む演算制御部とを備え、
    前記受信信号処理部の少なくとも1つの受信信号処理フィンガーは、さらに、前記レプリカコードの位相が所定コードチップ単位毎に順次スライディングされ、そのスライディングコード位相に応じて当該受信信号処理フィンガーのスライディング相関出力を出力するスライディング相関処理手段を有し、
    前記演算制御部は、前記スライディング相関出力を用いて、その出力レベルとコード位相とを含む電力プロファイルを作成し、この電力プロファイルの出力レベルがピークを示すコード位相に基づいて前記複数M個の各受信信号処理フィンガーのレプリカコードの位相をそれぞれ決定し且つ前記合成手段における各受信信号処理フィンガーからの合成タイミングを調整することを特徴とする、衛星航法信号受信装置。
  4. 前記演算制御部は、前記電力プロファイルの出力レベルのピークを示すコード位相の内で最も遅延時間の短いコード位相を算出し当該特定衛星の距離データとして用いることを特徴とする、請求項3記載の衛星航法信号受信装置。
  5. 前記コード相関処理手段は、所定衛星からのコードとこの衛星からのコードに位相を一致させるPコードとの相関をとるコードP相関器と、所定衛星からのコードと前記Pコードよりも所定位相だけ進んだEコードとの相関をとるコードE相関器と、所定衛星からのコードと前記Pコードよりも所定位相だけ遅れたLコードとの相関をとるコードL相関器とを含み、
    前記搬送波相関処理手段は、前記Pコード相関器の出力と前記ローカル搬送波の同相成分との相関をとる搬送波PI相関器と、前記Pコード相関器の出力と前記ローカル搬送波の90°位相成分との相関をとる搬送波PQ相関器とを含み、
    前記合成手段は、前記各受信信号処理フィンガーの前記搬送波PI相関器の出力を合成するPI合成器と、前記各受信信号処理フィンガーの前記搬送波PQ相関器の出力を合成するPQ合成器と、前記各受信信号処理フィンガーの前記コードE相関器の出力を合成するE合成器と、前記各受信信号処理フィンガーの前記コードL相関器の出力を合成するL合成器とを含み、
    前記搬送波位相制御手段における搬送波位相誤差は、前記PI合成器の出力と前記PQ合成器の出力とに基づいて演算され、
    前記コード相関処理手段におけるレプリカコードの位相は、前記E合成器の出力と前記I合成器の出力とに基づいて演算されることを特徴とする、請求項3、4記載の衛星航法信号受信装置。
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