JP2004270590A - ガス供給システム - Google Patents
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Abstract
【課題】エンジンの冷却水を使用することなく、吸着材からの天然ガスの脱着を促進することができる新たなガス供給システムを提供する。
【解決手段】天然ガスを吸着する吸着材が収容される吸着式ガス貯蔵容器5,5からからエンジン1に至るラインの途中に、吸着材に吸着された天然ガスの脱着を促進できるように、圧力が大気圧以下の状態を作り出す真空ポンプ7を設ける。またエンジンの起動時には、起動用ガス貯蔵容器12からエンジン1に天然ガスを供給する。
【選択図】 図1
【解決手段】天然ガスを吸着する吸着材が収容される吸着式ガス貯蔵容器5,5からからエンジン1に至るラインの途中に、吸着材に吸着された天然ガスの脱着を促進できるように、圧力が大気圧以下の状態を作り出す真空ポンプ7を設ける。またエンジンの起動時には、起動用ガス貯蔵容器12からエンジン1に天然ガスを供給する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、貯蔵したメタン又はメタンを主成分とする燃料ガス(天然ガス)をエンジンに供給するガス供給システムに関し、特に自動車に搭載されるガス供給システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
ガソリンに代えて燃料として天然ガスを使用する自動車が増えてきている。このような自動車では、走行距離を長くするために、圧縮ガスの状態で天然ガスをガス貯蔵容器に貯蔵している。近年、比較的低圧で且つより大量の天然ガスを貯蔵するために、ガス貯蔵容器の内部に活性炭等の吸着材を収容し、該吸着材に天然ガスを吸着させる吸着式ガス貯蔵容器が知られている。
【0003】
しかし、この吸着式ガス貯蔵容器には、天然ガスを充填するとき、吸着材の温度が上昇し、これにより天然ガスを吸着する能力が減ってしまうという問題がある。逆に払い出しするときには、吸熱反応になるので、吸着材の温度が除々に低下し、これにより天然ガスを脱着する能力が落ちてしまうという問題がある。
【0004】
この問題を解決するために、エンジンの冷却水を媒体に使ったり、エンジンの排気ガスを媒体に使ったりして、天然ガスの充填時にガス貯蔵容器を冷却し、天然ガスの払出し時にガス貯蔵容器を加熱する技術が提案されている。
【0005】
例えば特許文献1には、ガス貯蔵容器をエンジンの排気系に近接して設け、且つ該ガス貯蔵容器にエンジンの冷却水用管を螺旋状に巻きつけ、吸着材による燃料ガスの脱着及び離脱が最適な状態になるようにガス貯蔵容器の温度をコントロールする技術が開示されている。
【0006】
特許文献2にも、天然ガスの払出し時に吸着材を加熱するために、エンジンの冷却水を冷却水配管によりガス貯蔵容器に導入する構成が開示されている。この特許文献2では、エンジンの起動時にガス貯蔵タンクの圧力が低下していても、エンジンの始動を確実に行うために、ガス貯蔵タンクからエンジンに至るラインにエンジンの起動時に天然ガスを供給するバッファータンクを設けている。
【0007】
【特許文献1】
特開平11−321352号公報
【特許文献2】
特開2000−136756号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
エンジンの冷却水を使ってガス貯蔵容器を加熱する従来技術にあっては、運転を止めて充填所で天然ガスを充填するときに、ガス貯蔵容器の吸着材が高い温度になっているので、天然ガスの充填能力が低下してしまうというデメリットがある。
【0009】
また、バッファータンクを設けることで、停止直前の圧力を保って再始動に備えるが、ガス貯蔵容器をエンジンの冷却水で加温する場合は、冷却水が所定の温度に温かくなるまで時間を要する。このため、脱着の応答性が悪くなり、バッファータンクの容量も大きなものが必要になる。
【0010】
さらに、残存ガス量及び加熱温度により天然ガスの圧力が変化してしまう(例えば残存ガス量が減ると加熱温度を高めにしないと所定の圧力を保つことができない)ので、天然ガスを所定の圧力に保とうとすると制御が複雑になる。また、冷却水の温度変化に対して、容器強度の面及び容器圧力の面からも温度制御が必要になる。ガス貯蔵容器を複数搭載する場合、全てのガス貯蔵容器に対して熱交換の対策が必要で、ガス貯蔵容器の搭載位置によっては各容器への入出の接続配管が複雑化するという問題もある。
【0011】
そこで、本発明は上述の問題点を解消し、エンジンの冷却水を使用することなく、吸着材からの天然ガスの脱着を促進することができる新たなガス供給システムを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
吸着式ガス貯蔵容器には比較的低圧でガスが吸着されているので、自噴による脱着では、かなりの量の天然ガスが脱着されない。本発明者は、ガス貯蔵容器内部の天然ガスを有効活用するために、エンジンの冷却水を使用してガス貯蔵容器を加熱する替わりに、ガス貯蔵容器の内部圧力を大気圧以下の状態にして、天然ガスの脱着を促進した。
【0013】
すなわち本発明は、天然ガスを吸着する吸着材が収容される吸着式ガス貯蔵容器と、前記吸着材に吸着された天然ガスの脱着を促進できるように、圧力が大気圧以下の状態を作り出す吸引装置と、を備えることを特徴とするガス供給システムにより、上記した課題を解決する。ここで吸引装置には、例えば真空ポンプ、真空ポンプ兼用圧縮機、排風機等を用いることができる。
【0014】
また本発明は、貯蔵した天然ガスをエンジンに供給するガス供給システムであって、天然ガスを吸着する吸着材が収容される吸着式ガス貯蔵容器と、前記吸着式ガス貯蔵容器から前記エンジンに至るラインの途中に設けられ、前記吸着材に吸着された天然ガスの脱着を促進できるように、圧力が大気圧以下の状態を作り出す真空ポンプと、エンジンの起動時に天然ガスをエンジンに供給する起動用ガス貯蔵容器と、備えることを特徴とする。
【0015】
前記ガス供給システムはさらに、前記吸着式ガス貯蔵容器内の圧力が所定圧以上に高い場合に、前記吸着材から脱着された天然ガスに前記真空ポンプを迂回させるバイパスラインを備え、前記真空ポンプは、前記吸着式ガス貯蔵容器内の圧力が所定圧以下の場合に作動することが望ましい。
【0016】
ところで近年、エンジンの吸入系へ圧力をかけて燃料を供給するインジェクションが主流になっている。これに対応するために、本発明のガス供給システムは、天然ガスを吸着する吸着材が収容される吸着式ガス貯蔵容器と、前記吸着式ガス貯蔵容器から前記エンジンに至るラインの途中に設けられ、前記吸着材に吸着された天然ガスの脱着を促進できるように圧力が大気圧以下の状態を作り出すと共に、吸引した天然ガスを圧縮する真空ポンプ兼用圧縮機と、前記真空ポンプ兼用圧縮機から前記エンジンへ至るラインの途中に設けられ、エンジンの起動時に天然ガスをエンジンに供給するバッファータンクと、を備えることを特徴とする。
【0017】
前記ガス供給システムはさらに、前記吸着式ガス貯蔵容器内の圧力が所定圧以上に高い場合に、前記吸着材から脱着された天然ガスに前記真空ポンプ兼用圧縮機を迂回させるバイパスラインを備え、前記真空ポンプ兼用圧縮機は、前記吸着式ガス貯蔵容器内の圧力が所定圧以下の場合に作動するのが望ましい。
【0018】
前記ガス供給システムはさらに、前記真空ポンプ兼用圧縮機により圧縮した天然ガスの熱によって、前記吸着式ガス貯蔵容器を加熱できるように、前記真空ポンプ兼用圧縮機から前記吸着式ガス貯蔵容器を経由して前記バッファータンクに至る熱交換ラインを備えることが望ましい。
【0019】
前記真空ポンプ兼用圧縮機により圧縮した天然ガスの一部を、前記吸着式ガス貯蔵容器の内部に循環させる循環ラインを備えるのが望ましい。
【0020】
前記ガス供給システムはさらに、前記真空ポンプ兼用圧縮機から前記バッファータンクに至るラインの途中に、前記真空ポンプ兼用圧縮機により圧縮した天然ガスを冷却する冷却装置を備えることが望ましい。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して、本発明のガス供給システムの実施形態について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態におけるガス供給システムを示す。このガス供給システムは、貯蔵した天然ガスをエンジンの吸気経路に供給するもので、インジェクションのように加圧する必要のない、例えばミキサー4を有するエンジンに適用される。
【0022】
エンジン1は天然ガスを空気と混合し、そこから自動車を動かすために必要な機械的エネルギを作り出す。エアクリーナを通過したエンジン1の吸気経路には、混合ガスの流れを調節するスロットルバルブ3が設けられる。
【0023】
吸着式ガス貯蔵容器(ANG容器)5,5には、天然ガスを吸着する活性炭、金属錯体等の吸着材が収容される。ガス貯蔵容器5,5の材質には、大気の温度を吸収して吸着材の温度が下がらないように例えば熱伝導性のいいアルミが用いられる。ガス貯蔵容器5,5は、吸熱性を上げるために例えばリブ構造を有するのが望ましい。ガス貯蔵容器5,5が複数設けられる場合には、複数のガス貯蔵容器5,5が並列に接続される。
【0024】
ガス貯蔵容器5,5には、充填所で天然ガスが充填される。ガスの充填時、吸着式ガス貯蔵容器内部の圧力は例えば大気圧以下〜35kg/cm2(3.5MPa)になる。ガス貯蔵容器5,5には、容器内部の圧力を把握できるように圧力センサが取り付けられる。
【0025】
ガス貯蔵容器5,5からエンジン1に至るライン6の途中には、吸着材に吸着された天然ガスの脱着を促進できるように、圧力が大気圧以下の状態(厳密には大気圧未満の状態)を作り出す真空ポンプ7が設けられる。真空ポンプ7の駆動源には、例えば排気ガス、クランクシャフト、バッテリーモータ等を用いることができる。低速時や一次停止等を考慮するとそれらの組合せが望ましい。真空ポンプ7の形式は、圧力が大気圧以下の状態を作り出せるものであれば、容積形(往復式及び回転式)とターボ形(軸流式及び遠心式)とを問わない。
【0026】
この真空ポンプ7により、ガス貯蔵容器5,5内部及びガス貯蔵容器5,5から真空ポンプ7に至るライン6a内部が大気圧以下になる。一方、真空ポンプ7の吐出側のエンジン1に至るライン6bは大気圧になる。真空ポンプ7からエンジン1に至るライン6bには、必要に応じて圧力センサ8や減圧弁9が設けられる。
【0027】
ガス貯蔵容器5,5内の圧力が高い場合は、吸着材から脱着された天然ガスを、真空ポンプ7を経由させないでそのままエンジン1に供給する。このため、ガス貯蔵容器5,5内の圧力が所定圧以上に高い場合に、吸着材から脱着された天然ガスに真空ポンプ7を迂回させるバイパスライン10が設けられる。真空ポンプ7は、ガス貯蔵容器5,5内の圧力が所定圧以下の場合に作動する。なお必要に応じて、真空ポンプ7の吐出側を吸込み側に戻す戻りバイパスライン11が設けられることもある。
【0028】
またこのガス供給システムは、エンジン1の起動時に天然ガスをエンジンに供給する起動用ガス貯蔵容器12を有する。この起動用ガス貯蔵容器12には、例えば200kg/cm2(20MPa)に圧縮した天然ガス(CNG)が貯蔵される。起動用ガス貯蔵容器12から出る吐出ライン13は、真空ポンプ7の吐出側に接続される。起動用ガス貯蔵容器12に吸着された天然ガスは、減圧弁14を介して減圧された後、エンジン1の吸気経路に送られる。起動用ガス貯蔵容器12は、あくまで起動時に使用され、起動時以外はガス貯蔵容器5,5に吸着された天然ガスが優先的に使用される。この起動用ガス貯蔵容器12に替えて、バッファータンクを設けることも可能である。
【0029】
ガス貯蔵容器5,5内の圧力が高い場合、吸着材から脱着した天然ガスは、真空ポンプ7を迂回し、バイパスライン10を経由してエンジン1の吸気経路に供給される。ガス貯蔵容器5,5内の圧力が所定圧以下に低くなった場合、真空ポンプ7が作動し、ガス貯蔵容器5,5内の圧力が大気圧以下にされる。
【0030】
ガス貯蔵容器5,5には比較的低圧で天然ガスが吸着されているので、自噴による脱着では、かなりの量の天然ガスが脱着されない。例えばガス貯蔵容器5,5の内部圧力が1気圧のときには、吸着された天然ガスの3割程度が脱着されずに残る。本実施形態のように、真空ポンプ7でガス貯蔵容器5,5の内部を大気圧以下の真空にすることで、脱着を促進してガス貯蔵容器5,5の内部の天然ガスを有効活用することができる。また、真空で脱着する場合には、ガス貯蔵容器5,5の温度も上昇することがない。このため、冷却水でガス貯蔵容器を加熱する場合に比べ、運転を止めて充填所で天然ガスを充填するときにも、天然ガスの充填能力が低下してしまうこともない。
【0031】
図2は、本発明の第2の実施形態におけるガス供給システムを示す。この実施形態のガス供給システムは、吸気経路へ圧力をかけて燃料を供給するインジェクション16を有するエンジン15に適用される。吸気経路には、排気ガスを使ってエンジン15に送られる空気の量を増やす過給機17と、過給機17で温められた空気を冷やすインタークーラ18と、混合ガスの流れを調節するスロットルバルブ19が設けられる。
【0032】
インジェクション16に天然ガスを供給する場合、天然ガスの圧力を例えば3〜5kg/cm2に高める必要がある。本実施形態では、ガス貯蔵容器21,21からエンジン15に至るライン20の途中に、ガス貯蔵容器21,21側を大気圧以下の状態にすると共に、インジェクション16側を所定の圧力に高める真空ポンプ兼用圧縮機22が設けられる。なお真空ポンプと圧縮機とを兼用させなくても、真空ポンプと圧縮機とを直列的に分けて配列しても良い。
【0033】
真空ポンプ兼用圧縮機22からエンジン15へ至るライン23の途中には、エンジン15の起動時に天然ガスをエンジン15に供給するバッファータンク24が設けられる。バッファータンク24から出る天然ガスは、減圧弁25により減圧された後、インジェクション16に送られる。
【0034】
エンジン15が停止した段階で、バッファータンク24の上流側及び下流側のバルブ26,27を閉じ、バッファータンク24内に所定の圧力がかかった状態で天然ガスを保持しておく。そして、エンジン15の起動時には、バッファータンク24の天然ガスでエンジン15を始動させる。ガス貯蔵容器21,21から所定の流量の天然ガスが確保できるようになったら、バッファータンク24の下流側のバルブを開け、ガス貯蔵容器21,21内の天然ガスをエンジン15に供給する。
【0035】
ガス貯蔵容器21,21内の圧力が高い場合は、真空ポンプ兼用圧縮機22を経由させないで、脱着された天然ガスをそのままバッファータンク24に供給する。このため、吸着材から脱着された天然ガスが真空ポンプ兼用圧縮機22を迂回できるようにバイパスライン29が設けられる。真空ポンプ兼用圧縮機22は、ガス貯蔵容器21,21内の圧力が所定圧以下の場合に作動する。
【0036】
この実施形態のガス貯蔵容器21,21には、真空ポンプ兼用圧縮機22から出る熱交換ライン30が経由する。熱交換の方式は特に限定されることはなく、例えば熱交換ラインがガス貯蔵容器内部の吸着材を直接過熱してもいいし、ガス貯蔵容器の外側から吸着材を加熱してもいい。
【0037】
熱交換ライン30を設けない場合は、図中破線で示すように、圧縮した天然ガスを冷却装置としてのインタークーラ31で冷却した後、バッファータンク24に送る。
【0038】
またこの実施形態では、真空ポンプ兼用圧縮機22により圧縮した天然ガスの一部を、ガス貯蔵容器21,21の内部に循環させる循環ライン32が設けられる。
【0039】
ガス貯蔵容器21,21内の圧力が高い場合、吸着材から脱着した天然ガスは、真空ポンプ兼用圧縮機22を迂回し、バイパスライン29を経由してエンジン115の吸気経路に供給される。ガス貯蔵容器21,21内の圧力が所定圧以下に低くなった場合、真空ポンプ兼用圧縮機22が作動し、ガス貯蔵容器21,21内の圧力が大気圧以下にされる。これにより、脱着を促進してガス貯蔵容器21,21の内部の天然ガスを有効活用することができる。
【0040】
天然ガスの脱着に真空ポンプ7又は真空ポンプ兼用圧縮機22を使用した場合は、立ち上がりがよいので、停止した段階から数秒で天然ガスの流量が確保される。このため、従来のように冷却水でガス貯蔵容器21,21を加熱する場合に比べ応答性がよくなり、バッファータンク24の容量も低減することができる。
【0041】
真空ポンプ兼用圧縮機22により圧縮した天然ガスの熱は、例えば80℃程度になる。一方、脱着によってガス貯蔵容器21,21の温度は例えば0℃〜5℃に低下する。圧縮した天然ガスの熱を利用してガス貯蔵容器21,21を加熱することで、ガス貯蔵容器21,21の温度を例えば5℃〜10℃に上げることができ、したがって天然ガスの脱着をより促進することができる。
【0042】
また、ガス貯蔵容器21,21の外側から吸着材を温める場合は熱効率があまりよくないが、循環ライン32により温めたガスをガス貯蔵容器21,21の内部に戻すことで、効率よく吸着材を温めることができる。
【0043】
なお本発明は、上記実施形態に限られることなく、本発明の要旨を変更しない範囲で種々変更可能である。例えば、本発明は、天然ガスをエンジンに供給するガス供給システムに限られず、水素を水素エンジンあるいは燃料電池に供給するガス供給システムに適用してもよい。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、吸引装置でガス貯蔵容器の内部を大気圧以下にすることで、脱着を促進してガス貯蔵容器内部の天然ガスを有効活用することができる。また、大気圧以下の状態で脱着する場合には、ガス貯蔵容器の温度も上昇させることがないので、運転を止めて充填所で天然ガスを充填するときにも、天然ガスの充填能力が低下してしまうことがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態におけるガス供給システムを示す模式図。
【図2】本発明の第2の実施形態におけるガス供給システムを示す模式図。
【符号の説明】
1,15・・・エンジン
5,21・・・吸着式ガス貯蔵容器
7・・・真空ポンプ
10・・・バイパスライン
12・・・起動用ガス貯蔵容器
22・・・真空ポンプ兼用圧縮機
24・・・バッファータンク
29・・・バイパスライン
30・・・熱交換ライン
31・・・インタークーラ(冷却装置)
32・・・循環ライン
【発明の属する技術分野】
本発明は、貯蔵したメタン又はメタンを主成分とする燃料ガス(天然ガス)をエンジンに供給するガス供給システムに関し、特に自動車に搭載されるガス供給システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
ガソリンに代えて燃料として天然ガスを使用する自動車が増えてきている。このような自動車では、走行距離を長くするために、圧縮ガスの状態で天然ガスをガス貯蔵容器に貯蔵している。近年、比較的低圧で且つより大量の天然ガスを貯蔵するために、ガス貯蔵容器の内部に活性炭等の吸着材を収容し、該吸着材に天然ガスを吸着させる吸着式ガス貯蔵容器が知られている。
【0003】
しかし、この吸着式ガス貯蔵容器には、天然ガスを充填するとき、吸着材の温度が上昇し、これにより天然ガスを吸着する能力が減ってしまうという問題がある。逆に払い出しするときには、吸熱反応になるので、吸着材の温度が除々に低下し、これにより天然ガスを脱着する能力が落ちてしまうという問題がある。
【0004】
この問題を解決するために、エンジンの冷却水を媒体に使ったり、エンジンの排気ガスを媒体に使ったりして、天然ガスの充填時にガス貯蔵容器を冷却し、天然ガスの払出し時にガス貯蔵容器を加熱する技術が提案されている。
【0005】
例えば特許文献1には、ガス貯蔵容器をエンジンの排気系に近接して設け、且つ該ガス貯蔵容器にエンジンの冷却水用管を螺旋状に巻きつけ、吸着材による燃料ガスの脱着及び離脱が最適な状態になるようにガス貯蔵容器の温度をコントロールする技術が開示されている。
【0006】
特許文献2にも、天然ガスの払出し時に吸着材を加熱するために、エンジンの冷却水を冷却水配管によりガス貯蔵容器に導入する構成が開示されている。この特許文献2では、エンジンの起動時にガス貯蔵タンクの圧力が低下していても、エンジンの始動を確実に行うために、ガス貯蔵タンクからエンジンに至るラインにエンジンの起動時に天然ガスを供給するバッファータンクを設けている。
【0007】
【特許文献1】
特開平11−321352号公報
【特許文献2】
特開2000−136756号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
エンジンの冷却水を使ってガス貯蔵容器を加熱する従来技術にあっては、運転を止めて充填所で天然ガスを充填するときに、ガス貯蔵容器の吸着材が高い温度になっているので、天然ガスの充填能力が低下してしまうというデメリットがある。
【0009】
また、バッファータンクを設けることで、停止直前の圧力を保って再始動に備えるが、ガス貯蔵容器をエンジンの冷却水で加温する場合は、冷却水が所定の温度に温かくなるまで時間を要する。このため、脱着の応答性が悪くなり、バッファータンクの容量も大きなものが必要になる。
【0010】
さらに、残存ガス量及び加熱温度により天然ガスの圧力が変化してしまう(例えば残存ガス量が減ると加熱温度を高めにしないと所定の圧力を保つことができない)ので、天然ガスを所定の圧力に保とうとすると制御が複雑になる。また、冷却水の温度変化に対して、容器強度の面及び容器圧力の面からも温度制御が必要になる。ガス貯蔵容器を複数搭載する場合、全てのガス貯蔵容器に対して熱交換の対策が必要で、ガス貯蔵容器の搭載位置によっては各容器への入出の接続配管が複雑化するという問題もある。
【0011】
そこで、本発明は上述の問題点を解消し、エンジンの冷却水を使用することなく、吸着材からの天然ガスの脱着を促進することができる新たなガス供給システムを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
吸着式ガス貯蔵容器には比較的低圧でガスが吸着されているので、自噴による脱着では、かなりの量の天然ガスが脱着されない。本発明者は、ガス貯蔵容器内部の天然ガスを有効活用するために、エンジンの冷却水を使用してガス貯蔵容器を加熱する替わりに、ガス貯蔵容器の内部圧力を大気圧以下の状態にして、天然ガスの脱着を促進した。
【0013】
すなわち本発明は、天然ガスを吸着する吸着材が収容される吸着式ガス貯蔵容器と、前記吸着材に吸着された天然ガスの脱着を促進できるように、圧力が大気圧以下の状態を作り出す吸引装置と、を備えることを特徴とするガス供給システムにより、上記した課題を解決する。ここで吸引装置には、例えば真空ポンプ、真空ポンプ兼用圧縮機、排風機等を用いることができる。
【0014】
また本発明は、貯蔵した天然ガスをエンジンに供給するガス供給システムであって、天然ガスを吸着する吸着材が収容される吸着式ガス貯蔵容器と、前記吸着式ガス貯蔵容器から前記エンジンに至るラインの途中に設けられ、前記吸着材に吸着された天然ガスの脱着を促進できるように、圧力が大気圧以下の状態を作り出す真空ポンプと、エンジンの起動時に天然ガスをエンジンに供給する起動用ガス貯蔵容器と、備えることを特徴とする。
【0015】
前記ガス供給システムはさらに、前記吸着式ガス貯蔵容器内の圧力が所定圧以上に高い場合に、前記吸着材から脱着された天然ガスに前記真空ポンプを迂回させるバイパスラインを備え、前記真空ポンプは、前記吸着式ガス貯蔵容器内の圧力が所定圧以下の場合に作動することが望ましい。
【0016】
ところで近年、エンジンの吸入系へ圧力をかけて燃料を供給するインジェクションが主流になっている。これに対応するために、本発明のガス供給システムは、天然ガスを吸着する吸着材が収容される吸着式ガス貯蔵容器と、前記吸着式ガス貯蔵容器から前記エンジンに至るラインの途中に設けられ、前記吸着材に吸着された天然ガスの脱着を促進できるように圧力が大気圧以下の状態を作り出すと共に、吸引した天然ガスを圧縮する真空ポンプ兼用圧縮機と、前記真空ポンプ兼用圧縮機から前記エンジンへ至るラインの途中に設けられ、エンジンの起動時に天然ガスをエンジンに供給するバッファータンクと、を備えることを特徴とする。
【0017】
前記ガス供給システムはさらに、前記吸着式ガス貯蔵容器内の圧力が所定圧以上に高い場合に、前記吸着材から脱着された天然ガスに前記真空ポンプ兼用圧縮機を迂回させるバイパスラインを備え、前記真空ポンプ兼用圧縮機は、前記吸着式ガス貯蔵容器内の圧力が所定圧以下の場合に作動するのが望ましい。
【0018】
前記ガス供給システムはさらに、前記真空ポンプ兼用圧縮機により圧縮した天然ガスの熱によって、前記吸着式ガス貯蔵容器を加熱できるように、前記真空ポンプ兼用圧縮機から前記吸着式ガス貯蔵容器を経由して前記バッファータンクに至る熱交換ラインを備えることが望ましい。
【0019】
前記真空ポンプ兼用圧縮機により圧縮した天然ガスの一部を、前記吸着式ガス貯蔵容器の内部に循環させる循環ラインを備えるのが望ましい。
【0020】
前記ガス供給システムはさらに、前記真空ポンプ兼用圧縮機から前記バッファータンクに至るラインの途中に、前記真空ポンプ兼用圧縮機により圧縮した天然ガスを冷却する冷却装置を備えることが望ましい。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して、本発明のガス供給システムの実施形態について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態におけるガス供給システムを示す。このガス供給システムは、貯蔵した天然ガスをエンジンの吸気経路に供給するもので、インジェクションのように加圧する必要のない、例えばミキサー4を有するエンジンに適用される。
【0022】
エンジン1は天然ガスを空気と混合し、そこから自動車を動かすために必要な機械的エネルギを作り出す。エアクリーナを通過したエンジン1の吸気経路には、混合ガスの流れを調節するスロットルバルブ3が設けられる。
【0023】
吸着式ガス貯蔵容器(ANG容器)5,5には、天然ガスを吸着する活性炭、金属錯体等の吸着材が収容される。ガス貯蔵容器5,5の材質には、大気の温度を吸収して吸着材の温度が下がらないように例えば熱伝導性のいいアルミが用いられる。ガス貯蔵容器5,5は、吸熱性を上げるために例えばリブ構造を有するのが望ましい。ガス貯蔵容器5,5が複数設けられる場合には、複数のガス貯蔵容器5,5が並列に接続される。
【0024】
ガス貯蔵容器5,5には、充填所で天然ガスが充填される。ガスの充填時、吸着式ガス貯蔵容器内部の圧力は例えば大気圧以下〜35kg/cm2(3.5MPa)になる。ガス貯蔵容器5,5には、容器内部の圧力を把握できるように圧力センサが取り付けられる。
【0025】
ガス貯蔵容器5,5からエンジン1に至るライン6の途中には、吸着材に吸着された天然ガスの脱着を促進できるように、圧力が大気圧以下の状態(厳密には大気圧未満の状態)を作り出す真空ポンプ7が設けられる。真空ポンプ7の駆動源には、例えば排気ガス、クランクシャフト、バッテリーモータ等を用いることができる。低速時や一次停止等を考慮するとそれらの組合せが望ましい。真空ポンプ7の形式は、圧力が大気圧以下の状態を作り出せるものであれば、容積形(往復式及び回転式)とターボ形(軸流式及び遠心式)とを問わない。
【0026】
この真空ポンプ7により、ガス貯蔵容器5,5内部及びガス貯蔵容器5,5から真空ポンプ7に至るライン6a内部が大気圧以下になる。一方、真空ポンプ7の吐出側のエンジン1に至るライン6bは大気圧になる。真空ポンプ7からエンジン1に至るライン6bには、必要に応じて圧力センサ8や減圧弁9が設けられる。
【0027】
ガス貯蔵容器5,5内の圧力が高い場合は、吸着材から脱着された天然ガスを、真空ポンプ7を経由させないでそのままエンジン1に供給する。このため、ガス貯蔵容器5,5内の圧力が所定圧以上に高い場合に、吸着材から脱着された天然ガスに真空ポンプ7を迂回させるバイパスライン10が設けられる。真空ポンプ7は、ガス貯蔵容器5,5内の圧力が所定圧以下の場合に作動する。なお必要に応じて、真空ポンプ7の吐出側を吸込み側に戻す戻りバイパスライン11が設けられることもある。
【0028】
またこのガス供給システムは、エンジン1の起動時に天然ガスをエンジンに供給する起動用ガス貯蔵容器12を有する。この起動用ガス貯蔵容器12には、例えば200kg/cm2(20MPa)に圧縮した天然ガス(CNG)が貯蔵される。起動用ガス貯蔵容器12から出る吐出ライン13は、真空ポンプ7の吐出側に接続される。起動用ガス貯蔵容器12に吸着された天然ガスは、減圧弁14を介して減圧された後、エンジン1の吸気経路に送られる。起動用ガス貯蔵容器12は、あくまで起動時に使用され、起動時以外はガス貯蔵容器5,5に吸着された天然ガスが優先的に使用される。この起動用ガス貯蔵容器12に替えて、バッファータンクを設けることも可能である。
【0029】
ガス貯蔵容器5,5内の圧力が高い場合、吸着材から脱着した天然ガスは、真空ポンプ7を迂回し、バイパスライン10を経由してエンジン1の吸気経路に供給される。ガス貯蔵容器5,5内の圧力が所定圧以下に低くなった場合、真空ポンプ7が作動し、ガス貯蔵容器5,5内の圧力が大気圧以下にされる。
【0030】
ガス貯蔵容器5,5には比較的低圧で天然ガスが吸着されているので、自噴による脱着では、かなりの量の天然ガスが脱着されない。例えばガス貯蔵容器5,5の内部圧力が1気圧のときには、吸着された天然ガスの3割程度が脱着されずに残る。本実施形態のように、真空ポンプ7でガス貯蔵容器5,5の内部を大気圧以下の真空にすることで、脱着を促進してガス貯蔵容器5,5の内部の天然ガスを有効活用することができる。また、真空で脱着する場合には、ガス貯蔵容器5,5の温度も上昇することがない。このため、冷却水でガス貯蔵容器を加熱する場合に比べ、運転を止めて充填所で天然ガスを充填するときにも、天然ガスの充填能力が低下してしまうこともない。
【0031】
図2は、本発明の第2の実施形態におけるガス供給システムを示す。この実施形態のガス供給システムは、吸気経路へ圧力をかけて燃料を供給するインジェクション16を有するエンジン15に適用される。吸気経路には、排気ガスを使ってエンジン15に送られる空気の量を増やす過給機17と、過給機17で温められた空気を冷やすインタークーラ18と、混合ガスの流れを調節するスロットルバルブ19が設けられる。
【0032】
インジェクション16に天然ガスを供給する場合、天然ガスの圧力を例えば3〜5kg/cm2に高める必要がある。本実施形態では、ガス貯蔵容器21,21からエンジン15に至るライン20の途中に、ガス貯蔵容器21,21側を大気圧以下の状態にすると共に、インジェクション16側を所定の圧力に高める真空ポンプ兼用圧縮機22が設けられる。なお真空ポンプと圧縮機とを兼用させなくても、真空ポンプと圧縮機とを直列的に分けて配列しても良い。
【0033】
真空ポンプ兼用圧縮機22からエンジン15へ至るライン23の途中には、エンジン15の起動時に天然ガスをエンジン15に供給するバッファータンク24が設けられる。バッファータンク24から出る天然ガスは、減圧弁25により減圧された後、インジェクション16に送られる。
【0034】
エンジン15が停止した段階で、バッファータンク24の上流側及び下流側のバルブ26,27を閉じ、バッファータンク24内に所定の圧力がかかった状態で天然ガスを保持しておく。そして、エンジン15の起動時には、バッファータンク24の天然ガスでエンジン15を始動させる。ガス貯蔵容器21,21から所定の流量の天然ガスが確保できるようになったら、バッファータンク24の下流側のバルブを開け、ガス貯蔵容器21,21内の天然ガスをエンジン15に供給する。
【0035】
ガス貯蔵容器21,21内の圧力が高い場合は、真空ポンプ兼用圧縮機22を経由させないで、脱着された天然ガスをそのままバッファータンク24に供給する。このため、吸着材から脱着された天然ガスが真空ポンプ兼用圧縮機22を迂回できるようにバイパスライン29が設けられる。真空ポンプ兼用圧縮機22は、ガス貯蔵容器21,21内の圧力が所定圧以下の場合に作動する。
【0036】
この実施形態のガス貯蔵容器21,21には、真空ポンプ兼用圧縮機22から出る熱交換ライン30が経由する。熱交換の方式は特に限定されることはなく、例えば熱交換ラインがガス貯蔵容器内部の吸着材を直接過熱してもいいし、ガス貯蔵容器の外側から吸着材を加熱してもいい。
【0037】
熱交換ライン30を設けない場合は、図中破線で示すように、圧縮した天然ガスを冷却装置としてのインタークーラ31で冷却した後、バッファータンク24に送る。
【0038】
またこの実施形態では、真空ポンプ兼用圧縮機22により圧縮した天然ガスの一部を、ガス貯蔵容器21,21の内部に循環させる循環ライン32が設けられる。
【0039】
ガス貯蔵容器21,21内の圧力が高い場合、吸着材から脱着した天然ガスは、真空ポンプ兼用圧縮機22を迂回し、バイパスライン29を経由してエンジン115の吸気経路に供給される。ガス貯蔵容器21,21内の圧力が所定圧以下に低くなった場合、真空ポンプ兼用圧縮機22が作動し、ガス貯蔵容器21,21内の圧力が大気圧以下にされる。これにより、脱着を促進してガス貯蔵容器21,21の内部の天然ガスを有効活用することができる。
【0040】
天然ガスの脱着に真空ポンプ7又は真空ポンプ兼用圧縮機22を使用した場合は、立ち上がりがよいので、停止した段階から数秒で天然ガスの流量が確保される。このため、従来のように冷却水でガス貯蔵容器21,21を加熱する場合に比べ応答性がよくなり、バッファータンク24の容量も低減することができる。
【0041】
真空ポンプ兼用圧縮機22により圧縮した天然ガスの熱は、例えば80℃程度になる。一方、脱着によってガス貯蔵容器21,21の温度は例えば0℃〜5℃に低下する。圧縮した天然ガスの熱を利用してガス貯蔵容器21,21を加熱することで、ガス貯蔵容器21,21の温度を例えば5℃〜10℃に上げることができ、したがって天然ガスの脱着をより促進することができる。
【0042】
また、ガス貯蔵容器21,21の外側から吸着材を温める場合は熱効率があまりよくないが、循環ライン32により温めたガスをガス貯蔵容器21,21の内部に戻すことで、効率よく吸着材を温めることができる。
【0043】
なお本発明は、上記実施形態に限られることなく、本発明の要旨を変更しない範囲で種々変更可能である。例えば、本発明は、天然ガスをエンジンに供給するガス供給システムに限られず、水素を水素エンジンあるいは燃料電池に供給するガス供給システムに適用してもよい。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、吸引装置でガス貯蔵容器の内部を大気圧以下にすることで、脱着を促進してガス貯蔵容器内部の天然ガスを有効活用することができる。また、大気圧以下の状態で脱着する場合には、ガス貯蔵容器の温度も上昇させることがないので、運転を止めて充填所で天然ガスを充填するときにも、天然ガスの充填能力が低下してしまうことがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態におけるガス供給システムを示す模式図。
【図2】本発明の第2の実施形態におけるガス供給システムを示す模式図。
【符号の説明】
1,15・・・エンジン
5,21・・・吸着式ガス貯蔵容器
7・・・真空ポンプ
10・・・バイパスライン
12・・・起動用ガス貯蔵容器
22・・・真空ポンプ兼用圧縮機
24・・・バッファータンク
29・・・バイパスライン
30・・・熱交換ライン
31・・・インタークーラ(冷却装置)
32・・・循環ライン
Claims (8)
- 貯蔵した天然ガスをエンジンに供給するガス供給システムであって、
天然ガスを吸着する吸着材が収容される吸着式ガス貯蔵容器と、
前記吸着材に吸着された天然ガスの脱着を促進できるように、圧力が大気圧以下の状態を作り出す吸引装置と、を備えることを特徴とするガス供給システム。 - 貯蔵した天然ガスをエンジンに供給するガス供給システムであって、
天然ガスを吸着する吸着材が収容される吸着式ガス貯蔵容器と、
前記吸着式ガス貯蔵容器から前記エンジンに至るラインの途中に設けられ、前記吸着材に吸着された天然ガスの脱着を促進できるように、圧力が大気圧以下の状態を作り出す真空ポンプと、
エンジンの起動時に天然ガスをエンジンに供給する起動用ガス貯蔵容器と、
備えることを特徴とするガス供給システム。 - 前記ガス供給システムはさらに、
前記吸着式ガス貯蔵容器内の圧力が所定圧以上に高い場合に、前記吸着材から脱着された天然ガスに前記真空ポンプを迂回させるバイパスラインを備え、
前記真空ポンプは、前記吸着式ガス貯蔵容器内の圧力が所定圧以下の場合に作動することを特徴とする請求項2に記載のガス供給システム。 - 貯蔵した天然ガスをエンジンに供給するガス供給システムであって、
天然ガスを吸着する吸着材が収容される吸着式ガス貯蔵容器と、
前記吸着式ガス貯蔵容器から前記エンジンに至るラインの途中に設けられ、前記吸着材に吸着された天然ガスの脱着を促進できるように圧力が大気圧以下の状態を作り出すと共に、吸引した天然ガスを圧縮する真空ポンプ兼用圧縮機と、
前記真空ポンプ兼用圧縮機から前記エンジンへ至るラインの途中に設けられ、エンジンの起動時に天然ガスをエンジンに供給するバッファータンクと、
を備えることを特徴とするガス供給システム。 - 前記ガス供給システムはさらに、
前記吸着式ガス貯蔵容器内の圧力が所定圧以上に高い場合に、前記吸着材から脱着された天然ガスに前記真空ポンプ兼用圧縮機を迂回させるバイパスラインを備え、
前記真空ポンプ兼用圧縮機は、前記吸着式ガス貯蔵容器内の圧力が所定圧以下の場合に作動することを特徴とする請求項4に記載のガス供給システム。 - 前記ガス供給システムはさらに、
前記真空ポンプ兼用圧縮機により圧縮した天然ガスの熱によって、前記吸着式ガス貯蔵容器を加熱できるように、前記真空ポンプ兼用圧縮機から前記吸着式ガス貯蔵容器を経由して前記バッファータンクに至る熱交換ラインを備えることを特徴とする請求項4又は5に記載のガス供給システム。 - 前記ガス供給システムはさらに、
前記真空ポンプ兼用圧縮機により圧縮した天然ガスの一部を、前記吸着式ガス貯蔵容器の内部に循環させる循環ラインを備えることを特徴とする請求項4ないし6いずれかに記載のガス供給システム。 - 前記ガス供給システムはさらに、
前記真空ポンプ兼用圧縮機から前記バッファータンクに至るラインの途中に、前記真空ポンプ兼用圧縮機により圧縮した天然ガスを冷却する冷却装置を備えることを特徴とする請求項4ないし7いずれかに記載のガス供給システム。
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JP2003063919A JP2004270590A (ja) | 2003-03-10 | 2003-03-10 | ガス供給システム |
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-
2003
- 2003-03-10 JP JP2003063919A patent/JP2004270590A/ja active Pending
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