JP2004270535A - シリンダブロック構造 - Google Patents

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Tokuaki Suzuki
徳昭 鈴木
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Abstract

【課題】シリンダライナの変形を抑制すると共に、重量の軽減が得られるエンジンのシリンダブロック構造を提供する。
【解決手段】シリンダライナ12が鋳込まれたシリンダ壁13の外周にウォータジャケット14を介在してシリンダ外周壁15が形成されたシリンダブロック本体11と、内側にクランクシャフト収納空間を形成するクランクケース部21とが一体形成されたシリンダブロック構造において、シリンダブロック本体11のトップデッキ16からクランクケース部21に亘って連続してシリンダ外壁部15にヘッドボルトボス17を一体形成し、このヘッドボルトボス17と略同軸線上でクランクシャフト収納部内に突出して隣接するメインジャーナル24〜28を連結するクランクケース部21に一体形成された連結部31とを備える。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンのシリンダブロック構造に関し、特にシリンダライナが鋳込まれたシリンダブロック本体と内側にクランクシャフト収納空間を形成するクランクケース部とが一体形成されたシリンダブロック構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、自動車用エンジンは、高出力化およびコンパクト化が要求され、これらの要求を満たすものとして、クランクシャフトの長さが大幅に短縮でき、高い捩り剛性と低振動化、高回転域での回転安定性に優れ、かつエンジン全長の短縮による小型化および軽量化など各種のメリットを備えた水平対向型エンジンやV型エンジンが開発されている。
【0003】
図8は水平対向型4気筒エンジンのエンジン本体100の全体斜視図である。エンジン本体100は、クランクシャフト102の回転中心軸線Lを中心として略対称形状に鋳造されたアルミニウム合金製の左右のシリンダブロック110が、複数の結合ボルト109によって一体的に結合されている。
【0004】
左右の各シリンダブロック110について、図8のC矢視図を示す図9、図9のIII−III線断面図を示す図10、図9のIV−IV線断面図を示す図11、右側のシリンダブロックの斜視図を示す図12、および要部を模式的に示す図13を参照して説明する。
【0005】
各シリンダブロック110は、左右のバンクLH、RHのシリンダ列部を形成するシリンダブロック本体111と、シリンダブロック本体111の基端側からエンジン本体100の中心側に延びて内側にクランクシャフト収納空間を形成するクランクケース部121とから構成されている。
【0006】
シリンダブロック本体111は、図9および図13に示すように各気筒に対応して円筒状のシリンダライナ112が並列配置されて鋳込まれかつ基端113aがクランクケース部121内に突出するシリンダ壁113を有している。シリンダ壁113の外周はウォータジャケット114を隔ててシリンダ外壁部115によって囲まれ、シリンダ外壁115はクランクケース部121を介してシリンダ壁113に結合されている。
【0007】
さらに、図9、図10、図11に示すようにシリンダ外壁部115の上面側および下面側のクランクシャフト回転中心軸線L方向両隅部近傍とシリンダ配置間に、それぞれトップデッキ116からクランクケース部121に亘って連続する厚肉に形成されたヘッドボルトボス117が設けられ、それぞれのヘッドボルトボス117にヘッドボルト穴118が形成されている。
【0008】
クランクケース部121は、図10、図11および図12に示すようにシリンダ外壁115に連続形成された上側および下側のスカート壁部122、123によって内側にクランクシャフト収納空間が形成されている。クランクケース部121内には、クランクシャフト102の各ジャーナル部を支持する軸支部124a〜128aが形成された隔壁状のメインジャーナル124〜128が上側スカート壁部122と下側スカート壁部123の間に掛け渡されて設けられている。
【0009】
そして、左右の各シリンダブロック110は、図10および図11に示すように、接合面を形成する各上側スカート壁部122の端部122b、下側スカート壁部123の端部123b、各メインジャーナル124〜128の端部124b〜128bを互いに接合させて、図8のように複数の結合ボルト109によって一体的に結合される。
【0010】
さらに、図13に示すように各シリンダブロック本体111のトップデッキ116に、シリンダガスケット131を介在してシリンダヘッド132がヘッドボルト穴118に螺合するシリンダヘッドボルト133によって取り付けられる。
【0011】
一方、V型エンジンのシリンダブロックは、V型をなした左右の各バンクのシリンダ列を形成するシリンダブロック本体と、このシリンダ本体の集合部より下方に延びる2枚のスカートによって内側にクランクシャフト収納空間が形成されたクランクケース部とから構成されている。そしてシリンダブロック本体の外方にトップデッキからクランクケース部に亘って連続して突出するヘッドボルトボスが形成され、このヘッドボルトボスにシリンダヘッド取付用のヘッドボルト穴が形成されている。また、クランクケース部内には、クランクシャフトの各ジャーナル部を支持する軸支部が形成された隔壁状のメインジャーナルが両スカート壁部の間に掛け渡されて設けられている(例えば、特許文献1参照)。
【0012】
【特許文献1】
特開平4−252843号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記水平対向型エンジンにあっては、図13に模式的に示すように、シリンダブロック110のシリンダブロック本体111に、シリンダガスケット131を介在してシリンダヘッド132を取り付ける工程で、シリンダヘッドボルト133が螺合するヘッドボルトボス117が形成されたシリンダ外壁115にヘッドボルト軸力F1が作用すると共に、このヘッドボルト軸力F1の反力F2がシリンダヘッド132およびシリンダガスケット131を介してシリンダ壁113およびシリンダ壁113に鋳込まれたシリンダライナ112に入力される。
【0014】
これらの荷重によりヘッドボルトボス117とシリンダ壁113およびシリンダライナ112との間で相対的に剪断方向に変形する。これにより図13に破線円Dで示すシリンダ壁113とクランクケース部121との連結部付近が局部的に変形し、この変形によりシリンダライナ112が局部的に変形する。このシリンダライナ112の局部的な変形により、シリンダライナ112内に嵌合して往復動するピストンおよびピストンスリングの挙動を誘発し、ピストンスカートやピストンリングとシリンダライナ112との摺接、いわゆる、あたりが不均一となりピストンスラップ振動の発生要因となり、かつエンジンフリクションが増加する。このエンジンフリクションの増加に伴い、燃費の悪化や潤滑油の消費増加を招く要因となることが懸念される。
【0015】
また、上記特許文献1のV型エンジンのシリンダブロックにあっても、同様にシリンダヘッドの取り付けによるシリンダライナの変形に起因するエンジンフリクションの増加による燃費の悪化、潤滑油の消費増加、およびピストンスラップ振動の発生等が懸念される。
【0016】
この対策として、シリンダブロックの肉厚を増加して、シリンダブロック自体の剛性を向上させることもあるが、シリンダブロックの肉厚増加に伴って重量が増加して燃費の悪化を招くと共に、シリンダブロックを鋳造する際に鋳巣等の鋳造欠陥の発生を誘発する要因となり、シリンダブロックの品質の低下を招くことが懸念される。
【0017】
従って、かかる点に鑑みなされた本発明の目的は、シリンダヘッドボルトによるシリンダヘッドの取り付けに伴うシリンダライナの変形を抑制すると共に、重量の軽減が得られるエンジンのシリンダブロック構造を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する請求項1に記載のシリンダブロック構造の発明は、シリンダライナが鋳込まれた筒状のシリンダブロック本体と、該シリンダブロック本体の基端側に連続して内側にクランクシャフト収納空間を形成するクランクケース部とが一体形成されたシリンダブロック構造において、シリンダヘッド取付用のヘッドボルト穴が設けられ、上記シリンダブロック本体のトップデッキからクランクケース部に亘って連続して上記シリンダブロック本体に一体形成されたヘッドボルトボスと、クランクシャフト回転中心軸線方向に沿って互いに離間して上記クランクシャフト収納空間内に突出する上記クランクケース部に一体形成された複数のメインジャーナルと、上記ヘッドボルトボスと略同軸線上でクランクシャフト収納空間内に突出して上記隣接するメインジャーナル間を連結するクランクケース部に一体形成された連結部とを備えたことを特徴とする。
【0019】
請求項1の発明によると、シリンダブロック本体にシリンダガスケットを介在してシリンダヘッドを取り付ける際に、ヘッドボルトボスが形成されたシリンダブロック本体にヘッドボルト軸力が作用すると共に、シリンダブロック本体およびシリンダライナにその反力が作用する。しかし、ヘッドボルトボスに作用するヘッドボルト軸力は、ヘッドボルトボスと略同軸線上でクランクシャフト収納空間内に膨出して形成され、かつ隣接するメインジャーナル間を一体的に連結する連結部に入力され、剛性が確保されたクランクケース部全体によって強固に支持されてヘッドボルト軸力および反力によるシリンダブロック本体に発生する変形が阻止される。よって、シリンダブロックに鋳込まれたシリンダライナの局部的な変形が阻止されて、シリンダライナ内に嵌合して往復動するピストンおよびピストンスリングの挙動が抑制さてピストンスラップ振動が抑制され、かつエンジンフリクションが低下して燃費の向上および潤滑油の消費が抑制される。
【0020】
また、連結部によって隣接するメインジャーナル間が一体的に結合されてクランクケース部の剛性が向上してクランクケース部に発生する変形、特にクランクシャフトのジャーナル部を支持する各メインジャーナルの変形が有効的に阻止されてクランクシャフトの円滑な回転が確保されてエンジンフリクションの軽減が得られる。
【0021】
さらに、隣接するメインジャーナルを連結部によって結合する簡単な構成によってヘッドボルトボスの支持剛性およびメインジャーナルの剛性が向上することから、シリンダブロックの薄肉化が可能になり、リンダブロックの重量軽減による燃費の向上や、シリンダブロックを鋳造する際に発生する鋳巣等の鋳造欠陥が抑制されて高品質のシリンダブロックが得られる。
【0022】
請求項2に記載のシリンダブロック構造の発明は、シリンダライナが鋳込まれた筒状のシリンダ壁の外周にウォータジャケットを介在してシリンダ外周壁が形成されたシリンダブロック本体と、該シリンダブロック本体の基端側に連続して内側にクランクシャフト収納空間を形成するクランクケース部とが一体形成されたシリンダブロック構造において、シリンダヘッド取付用のヘッドボルト穴が設けられ、上記シリンダブロック本体のトップデッキからクランクケース部に亘って連続して上記シリンダ外壁部に一体形成されたヘッドボルトボスと、クランクシャフト回転中心軸線方向に沿って互いに離間して上記クランクシャフト収納空間内に突出する上記クランクケース部に一体形成された複数のメインジャーナルと、上記ヘッドボルトボスと略同軸線上でクランクシャフト収納空間内に突出して上記隣接するメインジャーナル間を連結するクランクケース部に一体形成された連結部とを備えたことを特徴とする。
【0023】
請求項2の発明によると、シリンダガスケットを介在してシリンダヘッドを取り付ける際に、ヘッドボルトボスが形成されたシリンダ外壁にヘッドボルト軸力が作用すると共に、ヘッドボルト軸力の反力がシリンダヘッドおよびシリンダガスケットを介してシリンダ壁およびシリンダライナに入力される。しかし、ヘッドボルト軸力方向となるヘッドボルトボスと略同軸線上でクランクシャフト収納部内に膨出して隣接するメインジャーナル間を連結する連結部に入力され、剛性が確保されたクランクケース部全体によって強固に支持される。よって、ヘッドボルトボスのトップデッキ側への変形が抑制されて、これらのヘッドボルト軸力および反力による荷重によるヘッドボルトボスとシリンダ壁およびシリンダライナとの間に相対的に発生する剪断方向の変形が阻止されて、シリンダ壁とクランクケース部との連結部付近に発生する局部的な変形が回避されてシリンダライナの局部的変形が回避できる。したがって、シリンダライナ内に嵌合して往復動するピストンおよびピストンスリングの挙動が抑制されてピストンスラップ振動が抑制され、かつエンジンフリクションが低下して燃費の向上および潤滑油の消費が抑制される。
【0024】
また、連結部によって各メインジャーナルが結合されてクランクケース部の剛性が確保できてクランクケース部に発生する変形、特にクランクシャフトのジャーナル部を支持する各メインジャーナルの変形が有効的に阻止されてクランクシャフトの円滑な回転が確保できてエンジンフリクションの軽減が得られる。
【0025】
さらに、隣接するメインジャーナルを連結部によって結合する簡単な構成によってヘッドボルトボスの支持剛性およびメインジャーナルの剛性が向上することから、シリンダブロックの薄肉化が可能になり、シリンダブロックの重量軽減による燃費の向上や、シリンダブロックを鋳造する際に発生する鋳巣等の鋳造欠陥が抑制されて高品質のシリンダブロックが得られる。
【0026】
【実施の形態】
本発明によるシリンダブロック構造の実施の形態を、水平対向型4気筒エンジンを例に図を参照して説明する。
【0027】
図1は水平対向型4気筒エンジンのエンジン本体1の概要を示す全体斜視図である。エンジン本体1は、クランクシャフト2の回転中心軸線Lを中心として左右のバンクLH、RHをそれぞれ形成するアルミニウム合金製で鋳造され、互いに対向する接合面を互いに当接させて、その状態で複数の結合ボルト9によって一体的に結合されている。左右の各シリンダブロック10のトップデッキ16には図示しないシリンダヘッドが取り付けられる。さらに左右のシリンダブロック10の下部に掛け渡されて潤滑油貯留用の図示しないオイルパンが取り付けられる。
【0028】
左右の各シリンダブロック10について、図1のA矢視図を示す図2、図2のI−I線断面図を示す図3、図2のII−II線断面図を示す図4、右側のシリンダブロック10の斜視図を示す図5、要部を模式的に示す図6および図7を参照して説明する。なお、左右の各シリンダブロック10は、必要に応じて左側のシリンダブロック10Lおよび右側のシリンダブロック10Rと区別して説明する。
【0029】
左右の各シリンダブロック10は、それぞれ左右のバンクLH、RHのシリンダ列部を形成する筒状のシリンダブロック本体11と、シリンダブロック本体11の基端側から接合面側、すなわちエンジン本体1の中心側に延びて内側にクランクシャフト収納空間を形成するロングスカート構造のクランクケース部21とが一体に形成されている。
【0030】
シリンダブロック本体11は、図2、図3および図7に示すように各気筒に対応して対摩擦性に優れた鋳鉄製で円筒状に形成されたシリンダライナ12が並列に配置されて鋳込まれ、かつ基端13aがクランクケース部21のクランクシャフト収納空間内に突出する一対の円筒状体が連結された、すなわち断面メガネ状のシリンダ壁13を有している。シリンダ壁13の外周は冷却水の通路となるウォータジャケット14を隔ててシリンダ外壁部15によって囲まれ、かつシリンダ壁13とシリンダ外壁15のトップデッキ16側が部分的に結合されたクローズドデッキ型であって、シリンダ外壁15はクランクケース部21を介してシリンダ壁13と結合している。
【0031】
さらに、シリンダ外壁部15の上面側および下面側のクランクシャフト回転中心軸線L方向の両隅部近傍およびシリンダ配置間に、トップデッキ16からクランクケース部21に亘って連続して厚肉に形成されたヘッドボルトボス17が設けられ、それぞれのヘッドボルトボス17にシリンダヘッド取付用のヘッドボルト穴18が形成されている。
【0032】
クランクケース部21は、図3および図5に示すように上側および下側のスカート壁部22、23によって内側にクランクシャフト収納空間が形成され、上側および下側のスカート壁部22、23はシリンダブロック本体11のシリンダ外壁部15と一体に連続形成されている。また、クランクケース部21には、クランクシャフト2の回転中心軸線L方向に沿って互いに離間し、かつクランクシャフト収納空間内に突出してクランクシャフト2の各ジャーナル部を支持する軸支部24a〜28aが形成された隔壁状の複数のメインジャーナル24〜28が上側スカート壁部22と下側スカート壁部23の間に掛け渡されて一体に設けられている。
【0033】
さらに、右側のシリンダブロック10Rには、その右側のシリンダブロック10Rのシリンダ外壁15に形成された各ヘッドボルトボス17と略同軸線上でクランクケース部21に一体形成されてクランクシャフト収納空間内に膨出し、かつメインジャーナル25と26の各基端部間およびメインジャーナル27と28の各基端部間を連結する連結部31がそれぞれ形成されている。
【0034】
各メインジャーナル25と26の基端部間、およびメインジャーナル27と28の基端部間をそれぞれ連結部31によって連結することによって、互いに連結部31によって連結されたメインジャーナル25と26、27と28の結合剛性が向上し、これらメインジャーナル25、26、27、28と一体鋳造された上側スカート壁部22、下側スカート壁部23およびメインジャーナル24を含むクランクケース部21全体の剛性向上が得られる。
【0035】
また、図6に模式的に示すようにヘッドボルトボス17が連結部31を介して剛性が確保されたクランクケース部31のメインジャーナル25と26に直接的に連結され、各ヘッドボルトボス17とクランクケース部21との結合剛性が確保できる。この結合剛性確保によって各ヘッドボルトボス17に作用するヘッドボルト軸力をそれぞれの連結部31を介してメインジャーナル25と26に確実に伝達でき、剛性が確保されたクランクケース部31全体に分散伝達できる。同様にクランクケース部31のメインジャーナル27と28を結合する連結部31にヘッドボルトボス17が直接的に連結され、ヘッドボルトボス17とクランクケース部21との結合剛性が確保でき、ヘッドボルトボス17に作用するヘッドボルト軸力をメインジャーナル27と28を介してクランクケース部31全体に分散伝達できる。
【0036】
同様に、左側のシリンダブロック10Lには、その右側のシリンダブロック10Lのシリンダ外壁15に形成された各ヘッドボルトボス17と同軸線上でクランクシャフト収納空間内に膨出してメインジャーナル24と25の各基端部間およびメインジャーナル26と27の各基端部間を連結する連結部31がそれぞれクランクケース部21と一体に形成されて、互いに連結部31によって連結されたメインジャーナル24と25、26と27の結合剛性が向上し、これらメインジャーナル24、25、26、27と一体鋳造されたクランクケース部21全体の剛性向上が得られる。また、各ヘッドボルトボス17が連結部31を介して剛性が確保されたクランクケース部31のメインジャーナル24と25、およびメインジャーナル26と27に直接的に連結され、各ヘッドボルトボス17に作用するヘッドボルト軸力をそれぞれの連結部31を介してメインジャーナル24と25、26と27に確実に伝達分散するように構成されている。
【0037】
そして、このように形成された左右の各シリンダブロック10は、図3および図4に示すように、接合面を形成する各上側スカート壁部22の端部22b、下側スカート壁部23の端部23b、各メインジャーナル24〜28の端部24b〜28bが互いに対向して接合させた状態で、複数の結合ボルト9によって図1に示すように一体的に結合される。
【0038】
この結合ボルト9による左右のシリンダブロック10の結合の際、左右のシリンダブロック10のクランクケース部21に形成された、互いの端部22bが圧接する上側スカート壁部22、端部23bが圧接する下側スカート壁部23、各端部24b〜28bが圧接する各メインジャーナル24〜28の剛性が確保されていることから、クランクケース部21に発生する変形が阻止されて、左右のシリンダブロック10の結合剛性が確実に確保できる。また、特にクランクシャフト2のジャーナル部を支持する軸支部24a〜28aが形成された各メインジャーナル24〜28のクランクシャフト回転中心軸線L方向への変形が有効的に阻止されてクランクシャフト2の支持剛性が確保でき、クランクシャフト2の円滑な回転が確保されてエンジンフリクションの軽減が得られ、燃費の向上が図られる。
【0039】
さらに、各左右のシリンダブロック10に形成されたシリンダブロック本体11のトップデッキ16に、シリンダガスケット35を介在してシリンダヘッド36がヘッドボルト穴18に螺合するシリンダヘッドボルト37によって取り付けられる。
【0040】
このとき、例えば右側のシリンダブロック10Rのシリンダブロック本体11に、シリンダガスケット35を介在してシリンダヘッド36を取り付ける際に、図7に示すようにシリンダヘッドボルト37が螺合するヘッドボルトボス17が形成されたシリンダ外壁15にヘッドボルト軸力F1が作用すると共に、ヘッドボルト軸力F1の反力F2がシリンダヘッド36およびシリンダガスケット35を介してシリンダ壁13およびシリンダ壁13に鋳込まれたシリンダライナ12に入力される。
【0041】
ここで、ヘッドボルトボス17に作用するヘッドボルト軸力F1は、ヘッドボルトボス17と同軸上で一体的にクランクケース部21内に膨出して形成された連結部31から各メインジャーナル25、26を介して剛性が確保されたクランクケース部21全体に分散して強固に支持され、ヘッドボルトボス17のトップデッキ16側への変形が有効的に阻止される。これによりヘッドボルト軸力F1および反力F2が減少される。
【0042】
また、同様に他のヘッドボルトボス17と同軸上で一体的にクランクケース部21内に膨出して形成された連結部31から各メインジャーナル27、28を介して剛性が確保されたクランクケース部21全体に分散して強固に支持され、これによりヘッドボルト軸力F1および反力F2が減少される。
【0043】
これらヘッドボルト軸力F1および反力F2の荷重によりヘッドボルトボス17とシリンダ壁13およびシリンダライナ12との間で相対的に発生する剪断方向の変形が阻止される。これにより図7に破線円Aで示すシリンダ壁13とクランクケース部21との連結部付近に発生する局部的な変形が回避されて、シリンダライナ12に局部的な変形が発生することがなくなる。このシリンダライナ12内に嵌合して往復動する図示しないピストンおよびピストンスリングの挙動が抑制されて、ピストンスカートやピストンリングとシリンダライナ12との摺接が均一となりピストンスラップ振動が抑制されると共に、エンジンフリクションが低下して燃費の向上が得られ、かつ潤滑油の消費が抑制される。
【0044】
左側のシリンダブロック10Lにおいても同様に、シリンダ壁13とクランクケース部21との連結部付近に発生する局部的な変形が回避され、これによりシリンダライナ12が局部的な変形が発生することなくなり、このシリンダライナ12内に嵌合して往復動する図示しないピストンおよびピストンスリングの挙動が抑制されて、ピストンスカートやピストンリングとシリンダライナ12との摺接が均一となりピストンスラップ振動が抑制されると共に、エンジンフリクションが低下して燃費の向上が得られ、かつ潤滑油の消費が抑制される。
【0045】
また、ヘッドボルトボスと略同軸線上でかつこのヘッドボルトと連続してクランクケース内に膨出する連結部によって隣接するメインジャーナルを連結する簡単な構成によって、シリンダブロックの肉厚を増加することなくヘッドボルトボスの支持剛性およびクランクケース部の剛性が確保され、シリンダブロックの重量増加による燃費の悪化や、シリンダブロックを鋳造する際に鋳巣等の鋳造欠陥の発生を抑制して品質の低下を有効的に抑制することができる。
【0046】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されることなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、上記実施の形態では水平対向型エンジンを例に説明したが、V型エンジン等に適用することもできる。
【0047】
【発明の効果】
以上説明した本発明のシリンダブロック構造によると、ヘッドボルトボスと略同軸線上でかつこのヘッドボルトと連続してクランクケース内に膨出する連結部によって隣接するメインジャーナルを連結する簡単な構成によって、ヘッドボルトボスの支持剛性およびクランクケース部の剛性が確保される。したがって、シリンダガスケットを介在してシリンダヘッドを取り付ける際に、シリンダブロック本体乃至シリンダ壁とクランクケース部との連結部付近に発生する局部的な変形が回避されて、シリンダライナに局部的な変形が発生することなくなり、シリンダライナ内に嵌合して往復動するピストンおよびピストンスリングの挙動が抑制されてピストンスラップ振動が抑制されると共に、エンジンフリクションが低下して燃費の向上が得られ、かつ潤滑油の消費が抑制される。
【0048】
また、各メインジャーナルの剛性が確保により、クランクケース部に発生する変形が有効的に阻止されてクランクシャフトの円滑な回転が確保できてエンジンフリクションが軽減されて燃費の向上が得られる。
【0049】
さらに、シリンダブロックの重量増加による燃費の悪化や、シリンダブロックを鋳造する際に鋳巣等の鋳造欠陥の発生を抑制して品質の低下を有効的に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるシリンダブロック構造の実施の形態の概要を示すエンジン本体の全体斜視図である。
【図2】図1のA矢視図である。
【図3】図2のI−I線断面図である。
【図4】図2のII−II線断面図である。
【図5】右側のシリンダブロックの斜視図である。
【図6】要部を示す模式図である。
【図7】要部を示す模式図である。
【図8】従来のシリンダブロック構造の概要を示すエンジン本体の全体斜視図である。
【図9】図8のC矢視図である。
【図10】図9のIII−III線断面図である。
【図11】図9のIV−IV線断面図である。
【図12】右側のシリンダブロックの斜視図である。
【図13】要部を示す模式図である。
【符号の説明】
1 エンジン本体
2 クランクシャフト
9 結合ボルト
10 シリンダブロック
11 シリンダブロック本体
12 シリンダライナ
13 シリンダ壁
14 ウォータジャケット
15 シリンダ外壁部
16 トップデッキ
17 ヘッドボルトボス
18 ヘッドボルト穴
21 クランクケース部
22 上側スカート壁部
23 下側スカート壁部
24〜28 メインジャーナル
24a〜28a 軸支部
31 連結部
35 シリンダガスケット
36 シリンダヘッド
37 シリンダヘッドボルト
F1 ヘッドボルト軸力
F2 反力

Claims (2)

  1. シリンダライナが鋳込まれた筒状のシリンダブロック本体と、該シリンダブロック本体の基端側に連続して内側にクランクシャフト収納空間を形成するクランクケース部とが一体形成されたシリンダブロック構造において、
    シリンダヘッド取付用のヘッドボルト穴が設けられ、上記シリンダブロック本体のトップデッキからクランクケース部に亘って連続して上記シリンダブロック本体に一体形成されたヘッドボルトボスと、
    クランクシャフト回転中心軸線方向に沿って互いに離間して上記クランクシャフト収納空間内に突出する上記クランクケース部に一体形成された複数のメインジャーナルと、
    上記ヘッドボルトボスと略同軸線上でクランクシャフト収納空間内に突出して上記隣接するメインジャーナル間を連結する上記クランクケース部に一体形成された連結部とを備えたことを特徴とするシリンダブロック構造。
  2. シリンダライナが鋳込まれた筒状のシリンダ壁の外周にウォータジャケットを介在してシリンダ外周壁が形成されたシリンダブロック本体と、該シリンダブロック本体の基端側に連続して内側にクランクシャフト収納空間を形成するクランクケース部とが一体形成されたシリンダブロック構造において、
    シリンダヘッド取付用のヘッドボルト穴が設けられ、上記シリンダブロック本体のトップデッキからクランクケース部に亘って連続して上記シリンダ外壁部に一体形成されたヘッドボルトボスと、
    クランクシャフト回転中心軸線方向に沿って互いに離間して上記クランクシャフト収納空間内に突出する上記クランクケース部に一体形成された複数のメインジャーナルと、
    上記ヘッドボルトボスと略同軸線上でクランクシャフト収納空間内に突出して上記隣接するメインジャーナル間を連結する上記クランクケース部に一体形成された連結部とを備えたことを特徴とするシリンダブロック構造。
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