JP2004270176A - 橋梁補強工法 - Google Patents

Abstract

【課題】橋梁の床板や桁材を現状のままの状態で、迅速且つ簡便に補強力の向上を図るための工法の提供。
【解決手段】床板下面の桁材を対向する一対の橋台間へ架設したさい、各橋台箇所上に留金支柱を立設させ、且つ桁材下面の直交する方向へ支圧鋼材を当接させるほか、該支圧鋼材を介し桁材及び床板に対し前記対向する各橋台上に取付けた留金支柱間を掛け渡したワイヤーや棒鋼などの緊張材で上向きの補強力が付加されるものとなさしめる。このさい、各橋台箇所の留金支柱は、その対向状態で逆ハ字の対称関係に傾斜配置させたり、各桁材を挟んで両側方へ配設したりする。
【選択図】 図１

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、橋梁補強工法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
橋梁の耐震性や補強性の向上を図る取り組みには、種々なる提案がなされているが、専ら床板や桁材などの構造体に対し、直接或いは間接に施される補強である。
【０００３】
【特許文献１】
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記に於ける橋台や桁材或いは床板などの構造自体の直接的或いは間接的補強には、時間と経費が掛かり過ぎることから、従来構造のままのものを部分的な一部設備の取付け及び配置で簡便且つ効率の良い補強力の向上が図れるようにするものである。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
本発明は床板下面の桁材を対向する一対の橋台間へ架設したさい、各橋台箇所上に留金支柱を立設させ、且つ桁材下面の直交する方向へ支圧鋼材を当接させるほか、該支圧鋼材を介し桁材及び床板に対し前記対向する各橋台上に取付けた留金支柱間を掛け渡したワイヤーや棒鋼などの緊張材で上向きの補強力が付加されるものとなさしめる。
【０００６】
このさい、各橋台箇所の留金支柱を、その対向状態で逆ハ字の対称関係に傾斜配置させたものとなすのであり、また各桁材を挟んでその両側方へ夫々れに留金支柱を設けたものとなすのである。
【０００７】
【発明の実施の形態】
図面は本発明工法の実施例を示すものであって、図１は正面図、図２は図１のＸ−Ｘ線断面図である。各図に於いて１，１は橋台、２は該橋台１，１間に架設する橋梁であって、２ａはその床板、２ｂ，２ｂはその下面側の桁材である。
【０００８】
上記は従来に於ける橋梁の構成であるが、本発明では橋台１，１上へ載置させる桁材箇所に対し、これと並行して留金支柱３を立設させたものとなすのであり、立設にさいしその上端をその固定される基台位置より橋梁床板の奥側端部箇所に位置させるようになすのであり、具体的にはその基台３ａを橋梁奥側端部ｍより少し前方へ位置させる傾斜状態となすのであり、このことは図１で見られる通り一対の対向する橋台上で夫々れの留金支柱３，３は逆ハ字の対称関係となされるものとなる。
【０００９】
４は対向する留金支柱３，３間に掛け渡したワイヤーや棒鋼などの緊張材、５は桁材２ｂの中央箇所の下面側へこれと直交する方向へ配設させた支圧鋼材であって、上記緊張材４の引締めによる緊張力で上向きの支圧力Ｔを桁材２ｂ及び床板２ａに対し付加されるようになさしめるのである。６はその緊張金具としたターンパックルである。上記実施例では緊張金具６を緊張材４の途中に１箇設けたものについて示したが、１箇に限らず２箇となしたり、将又留金支柱３の固定位置付近に取付けたりする構成となすことができる。
【００１０】
本発明の実施に於いて、留金支柱３は桁材２ｂの各端縁部が橋台１，１上へ載置されるさいに、桁材２ｂの左右隣り箇所ではこれを挟む状態に取付けるようになすと良く、即ち本例では図２に見られる通りの如くに実施される。而して、各留金支柱３が相互の対向状態で逆ハ字の対称関係となされることは、上記に於ける緊張材４の強力な引締め作用時に於いて仮に該留金支柱３が中央方向へ引起こされるような力が働いたとしても、各留金支柱３は基台３ａを基点とする引き起こし側となる円弧の頂点が床板２ａの下面と当接するものとなって、緊張材４の緩みの限界的ストッパー作用を果たすものとなるのである。
【００１１】
上記に於ける緊張金具６とされるターンパックルは、図示例に限らず各留金支柱３の箇所へ取付けしめ、該箇所で操作するようになすことができる。また、その使用箇数や緊張材４のワイヤーなどの使用本数或いは掛け方などに関しては任意に設計して実施することのできるものである。
【００１２】
【発明の効果】
本発明は以上の如く構成するものであって、既存設備の構造自体即ち床板や桁材などの構造物自体の補強はさておき、先ず以ってその現状に於ける迅速且つ簡便な補強工事の応急的に行えるものとなるのである。而して、その補強力Ｔは緊張材４の緊張力（締付力）Ｐと牽引角αの積によって計算されるものであり、これが支圧鋼材５を介して桁材２ｂ及び床板２ａに対し上向きの補強力Ｔとして作用するのである。このさい、上記補強力Ｔは支圧鋼材５の高さや緊張材４の締付力の適宜必要な調節で変更可能になすことができる。
本発明者の実験によれば、本発明により桁材１本当たり５〜７ｔｏｎ程度の通行荷重の補強を可能にすることができ、且つこれに対する従来工法との比較でその施工期間や工費を凡そ１／１０以下にすることを可能にできたものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明工法の実施例を示す正面図である。
【図２】図１のＸ−Ｘ線断面図である。
【符号の説明】
１ 橋台
２ 橋梁
２ａ 床板
２ｂ 桁
３ 留金支柱
４ 緊張材
５ 支圧鋼材
６ 緊張金具

Claims (3)

1. 床板下面の桁材を対向する一対の橋台間へ架設したさい、各橋台箇所上に留金支柱を立設させ、且つ桁材下面の直交する方向へ支圧鋼材を当接させるほか、該支圧鋼材を介し桁材及び床板に対し前記対向する各橋台上に取付けた留金支柱間を掛け渡したワイヤーや棒鋼などの緊張材で上向きの補強力が付加されるものとなしたことを特徴とする橋梁補強工法。
2. 各橋台箇所の留金支柱を、その対向状態で逆ハ字の対称関係に傾斜配置させたことを特徴とする請求項１記載の橋梁補強工法。
3. 桁材を挟んで両側方へ夫々れ留金支柱を設けたことを特徴とする請求項１又は２記載の橋梁補強工法。

Images