JP2004269940A - スパッタリングターゲット及びその製造方法これを用いたスパッタ装置、半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】合金としての組成比が容易にコントロールでき、安定した品質のスパッタリングターゲット及びその製造方法これを用いたスパッタ装置、半導体装置を提供する。
【解決手段】主ターゲット材10はベースとなる例えば高純度材料である。この主ターゲット材10に複数の貫通孔が形成され、この各貫通孔内に主ターゲット材とは異なる物質からなる副ターゲット材11が鋲締めされ、埋め込まれた構成となっている。すなわち、ベースとなる主ターゲット材10は比較的安定特性の高純度材料を鍛造、圧延する。これにより、安定な結晶粒のターゲットを作ることができる。次に、主ターゲット材10に対し、ドリル等を用い、エロージョン領域において必要なだけの貫通孔を空ける。次に、合金としたい物質、すなわち副ターゲット材11をリベット形状にし、打ち込み鋲締め形態とする。
【選択図】 図1
【解決手段】主ターゲット材10はベースとなる例えば高純度材料である。この主ターゲット材10に複数の貫通孔が形成され、この各貫通孔内に主ターゲット材とは異なる物質からなる副ターゲット材11が鋲締めされ、埋め込まれた構成となっている。すなわち、ベースとなる主ターゲット材10は比較的安定特性の高純度材料を鍛造、圧延する。これにより、安定な結晶粒のターゲットを作ることができる。次に、主ターゲット材10に対し、ドリル等を用い、エロージョン領域において必要なだけの貫通孔を空ける。次に、合金としたい物質、すなわち副ターゲット材11をリベット形状にし、打ち込み鋲締め形態とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置製造に係り、特に処理チャンバに放電用ガスを導入しプラズマ化することによりイオン衝撃でターゲット原子をはじき出し、被処理基板に対し薄膜を形成するスパッタリングターゲット及びその製造方法これを用いたスパッタ装置及びこれを利用した半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
スパッタ装置は、スパッタ現象を利用して半導体ウェハ、ガラス基板などの被処理基板に薄膜を形成する装置である。すなわち、真空中にArなど不活性原子の放電用ガスを導入し、電極に電圧を加えるとグロー放電が起こる。このとき、プラズマ中のArイオンが陰極のターゲットに衝突してターゲット原子をはじき出す(スパッタする)。スパッタされた原子が陽極側に置かれたウェハ上に沈着して薄膜を形成する。ターゲット材料を選ぶことであらゆる材料の成膜が可能である。
【0003】
半導体装置性能向上のため、LSI製造には例えば配線金属に合金配線を用いている。スパッタ装置も合金膜を堆積させる必要性から、ターゲットには合金が使用される。例えばアルミニウム合金配線は、組成比でAlに0.5%〜2%のCuが含まれている。従って、ターゲットもAl−Cu合金が利用される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような合金用のターゲットを製造する際、溶解した高純度の主材料に対し、合金となる物質を添加して合金インゴットを作る。合金インゴットはさらに鍛造、圧延され、アニールなどの工程を経て目的のターゲットの形状にされる。このとき、合金の組成や鍛造、圧延方法により結晶粒の大小の状態や結晶配向が左右され、半導体製造等では配線性能に影響する。また、異物質の偏析もあり、ターゲット面内の組成分布、ひいては基板堆積膜の組成分布に影響を与える恐れがある。
【0005】
本発明は上記のような事情を考慮してなされたもので、合金としての組成比が容易にコントロールでき、安定した品質のスパッタリングターゲット及びその製造方法これを用いたスパッタ装置、半導体装置を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るスパッタリングターゲットは、
被処理基板上にスパッタ法により薄膜を形成するターゲットであって、
ベースとなる主ターゲット材と、
前記主ターゲット材に複数の貫通孔を有し各貫通孔内に設けられた前記主ターゲット材とは異なる物質からなる副ターゲット材と、
を具備したことを特徴とする。
【0007】
上記本発明に係るスパッタリングターゲットによれば、安定した品質を提供できる。主ターゲット材と副ターゲット材は、通常では合金を作らない物質どうしの組み合わせでも構成が可能である。
【0008】
なお、好ましくは上記本発明に係るスパッタリングターゲットにおいて、前記主ターゲット材の貫通孔はエロージョン領域に沿うように配置されることを特徴とする。エロージョン領域に無駄なく合金のための副ターゲット材を設ける。
さらに、上記本発明に係るスパッタリングターゲットにおいて、前記副ターゲット材は複数種類配されることを特徴とする。所望の数種類の合金化が可能である。
【0009】
本発明に係る別のスパッタリングターゲットは、
被処理基板上にスパッタ法により薄膜を形成するターゲットであって、
互いに異なる物質のそれぞれのターゲット材を具備し、
前記それぞれのターゲット材の所定の組み合わせが中心部から周縁部に向って複数回重ね巻きされた形態となっていることを特徴とする。
【0010】
上記本発明に係るスパッタリングターゲットによれば、安価でかつ安定した品質を提供できる。互いに異なる物質のそれぞれのターゲット材は、通常では合金を作らない物質どうしの組み合わせでも構成が可能である。
なお、好ましくは上記本発明に係るスパッタリングターゲットにおいて、最外周に巻き締め固定用のリングを有することを特徴とする。形状のより安定化を図るために有用である。
【0011】
本発明に係るスパッタリングターゲットの製造方法は、
ベースとなる主ターゲット材を形成する工程と、
前記主ターゲット材の所定領域に複数の貫通孔を形成する工程と、
前記各貫通孔内に前記主ターゲット材とは異なる物質の副ターゲット材を鋲締めにする工程と、
を具備したことを特徴とする。
【0012】
上記本発明に係るスパッタリングターゲットの製造方法によれば、主ターゲット材は安定した結晶粒を持つ高純度材料で構成すればよい。その後に貫通孔の形成、副ターゲット材の鋲締めが行えるので安定した品質を提供できる。それぞれのターゲット材は、通常では合金を作らない物質どうしの組み合わせでも構成が可能である。
【0013】
本発明に係る別のスパッタリングターゲットの製造方法は、
互いに異なる物質のそれぞれのターゲット材を所定長テープ状に加工する工程と、
前記それぞれのターゲット材を重ねた所定の組み合わせを中心部から周縁部に向って複数回巻き締め、平板円形状とする工程と、
を具備したことを特徴とする。
【0014】
上記本発明に係るスパッタリングターゲットの製造方法によれば、所望の種類の所定長テープ状のターゲット材を重ねて巻けばよいので、安価で、安定した品質を提供できる。互いに異なる物質のそれぞれのターゲット材は、通常では合金を作らない物質どうしの組み合わせでも構成が可能である。
【0015】
また、上記本発明に係るスパッタリングターゲットの製造方法において、前記平板円形状の最外周をリングで留める工程を具備したことを特徴とする。これにより、形状のより安定化を図る。
【0016】
本発明に係るスパッタ装置は、上記ずれかに記載のスパッタリングターゲットの製造方法を用いて形成されるターゲットを有することを特徴とする。品質の良い合金膜の堆積、量産性の向上に寄与する。
【0017】
本発明に係る半導体装置は、上記いずれかに記載のスパッタリングターゲットを用いてスパッタ法による成膜を施したことを特徴とする。品質の良い合金膜を配する半導体装置の製造、量産性の向上に寄与する。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の第1実施形態に係るターゲットの構成を示す断面を含む概観図である。スパッタ装置に装備される、被処理基板上にスパッタ法により薄膜を形成するターゲットT1である。主ターゲット材10はベースとなる例えば高純度材料である。この主ターゲット材10に複数の貫通孔Hが形成され、この各貫通孔内に主ターゲット材とは異なる物質からなる副ターゲット材11が鋲締めされ、埋め込まれた構成となっている。この図では隠れた裏面側がスパッタ面となる。
【0019】
副ターゲット材11が鋲締めされる領域は、エロージョン領域であり、所定の規則に従って配列されている。副ターゲット材11は1種類に限らず、複数種類設けてもよい。また、副ターゲット材11を埋め込む貫通孔Hの数や大きさは合金化の組成比に応じて任意に決められる。
【0020】
上記構成のターゲットは次のように構成される。例えばベースとなる主ターゲット材10を形成する。主ターゲット材10は比較的安定特性の高純度材料を鍛造、圧延する。これにより、安定な結晶粒のターゲットを作ることができる。次に、主ターゲット材10に対し、ドリル等を用い、エロージョン領域において必要なだけの貫通孔Hを空ける。次に、合金としたい物質、すなわち副ターゲット材11をリベット形状にし、打ち込み鋲締め形態とする。
【0021】
上記第1実施形態及び方法によれば、安定した品質を提供できる。主ターゲット材10と副ターゲット材11は、通常では合金を作らない物質どうしの組み合わせでも構成が可能である。なお、副ターゲット材11は合金化に応じて複数種類鋲締めしてもよい。所望の数種類の合金化が可能である。
【0022】
図2は、本発明の第2実施形態に係るターゲットの構成を示す概観図である。スパッタ装置に装備される、被処理基板上にスパッタ法により薄膜を形成するターゲットT2である。互いに異なる物質のそれぞれのターゲット材、ここではターゲット材21、ターゲット材22を所定長テープ状に具備し、それぞれのターゲット材を重ね合わせ、この組み合わせが中心部から周縁部に向って複数回重ね巻きされた形態となっている。
【0023】
各ターゲット材21,22はそれ自体の厚さがそのまま組成比に反映される。また、各ターゲット材21,22に限らず、さらに多くの種類のターゲット材を巻くようにしてもよい。重ね巻きのため、困難なら同じターゲット材を薄く数枚重ね合わせることもできる。これにより、組成比は比較的自由に制御できる。
【0024】
上記構成のターゲットは次のように構成される。例えば互いに異なる物質の各ターゲット材21,22を所定長テープ状に加工する。それぞれのターゲット材11,12を組成比に応じて重ねた所定の組み合わせを中心部から周縁部に向って複数回巻き締め、平板円形状とする。
【0025】
上記第2実施形態及び方法によれば、安定した品質を提供できる。できあがるターゲット全体に関しては、鍛造、圧延の工程は必要ない。このため安価で安価で、安定した品質を提供できる。互いに異なる物質のそれぞれのターゲット材は、通常では合金を作らない物質どうしの組み合わせでも構成が可能である。同じターゲット材を薄く数枚重ね合わせることもできる。これにより、組成比は比較的自由に制御できる。
【0026】
また、図3に示すように、上記平板円形状の最外周をリングで留める工程を加えてもよい。最外周に巻き締め固定用のリング23を有することによって、形状のより安定化を図ることができる。リング23はターゲット材に使われている材料が望ましい。
【0027】
また、上記各構成は拡散接合法を経て加工されるようにしてもよい。例えばターゲット材21,22において清浄な金属面を向い合わせ、外圧等を加えて金属接合を生じさせる工程を付加する。これは、ターゲット材21,22を所定長テープ状に加工する前か後いずれかで行えばよい。
【0028】
図4は、本発明の第3実施形態に係るスパッタ装置の一例を示す概観図である。Arなどの放電用ガスが導入される真空の処理チャンバ40内にスパッタリングターゲットTGが置かれている。スパッタリングターゲットTGとしては、前記図1に示すような第1実施形態のターゲットT1、または前記図2、3に示すような第2実施形態のターゲットT2が使用される。スパッタリングターゲットTGに対向するように半導体ウェハWafが載置されるステージ41が配されている。スパッタ電源42によりターゲットTG−チャンバ40間に負電圧が発生される。ステージ41にはRF(高周波)がバイアスされる。スパッタリングターゲットTGは支持部材、いわゆるバッキングプレート43に接合され、その背後に磁石(マグネット)が収容され冷却水が循環するマグネットユニット44が配備されている。
【0029】
上記構成において、負電圧が印加されるスパッタリングターゲットTGから放出された2次電子は、マグネットによる磁界の影響でサイクロイド運動し、Arイオンを作り出す。ArイオンはスパッタリングターゲットTGに衝突し、ターゲット原子をはじき出す(スパッタする)。スパッタされた原子はウェハWaf上に沈着して薄膜を形成する。
【0030】
上記第3実施形態によるスパッタ装置によれば、スパッタリングターゲットTGに前記図1に示すような第1実施形態のターゲットT1、または前記図2に示すような第2実施形態のターゲットT2が使用される。これにより、所望の組成比でコントロールされた安定した成膜が達成できる。ターゲットT1またはT2において主ターゲット材と副ターゲット材として、通常では合金を作らない物質どうしの組み合わせを用いても構成が可能である。これにより、成膜に対し所望の数種類の合金化が可能で、品質の良い合金膜の堆積、量産性の向上に寄与する。また、品質の良い合金膜を配する半導体装置の製造、量産性の向上に寄与する。
【0031】
以上説明したように本発明によれば、スパッタリングターゲットは安価でかつ安定した品質のものが構成できる。互いに異なる物質のそれぞれのターゲット材は、通常では合金を作らない物質どうしの組み合わせでも構成が可能である。また、構造上大型でかつ安定した品質のターゲット材の製作も容易である。この結果、合金としての組成比が容易にコントロールでき、安定した品質のスパッタリングターゲット及びその製造方法これを用いたスパッタ装置、半導体装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係るターゲットの構成を示す概観図。
【図2】第2実施形態に係るターゲットの構成を示す概観図。
【図3】図2の構成の応用例を示す概観図。
【図4】第3実施形態に係るスパッタ装置の一例を示す概観図。
【符号の説明】
10…主ターゲット材、11…副ターゲット材、21,22…ターゲット材、23…巻き締め固定用のリング、40…処理チャンバ、41…ステージ、42…スパッタ電源、43…バッキングプレート、44…マグネットユニット、TG…スパッタリングターゲット。
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置製造に係り、特に処理チャンバに放電用ガスを導入しプラズマ化することによりイオン衝撃でターゲット原子をはじき出し、被処理基板に対し薄膜を形成するスパッタリングターゲット及びその製造方法これを用いたスパッタ装置及びこれを利用した半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
スパッタ装置は、スパッタ現象を利用して半導体ウェハ、ガラス基板などの被処理基板に薄膜を形成する装置である。すなわち、真空中にArなど不活性原子の放電用ガスを導入し、電極に電圧を加えるとグロー放電が起こる。このとき、プラズマ中のArイオンが陰極のターゲットに衝突してターゲット原子をはじき出す(スパッタする)。スパッタされた原子が陽極側に置かれたウェハ上に沈着して薄膜を形成する。ターゲット材料を選ぶことであらゆる材料の成膜が可能である。
【0003】
半導体装置性能向上のため、LSI製造には例えば配線金属に合金配線を用いている。スパッタ装置も合金膜を堆積させる必要性から、ターゲットには合金が使用される。例えばアルミニウム合金配線は、組成比でAlに0.5%〜2%のCuが含まれている。従って、ターゲットもAl−Cu合金が利用される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような合金用のターゲットを製造する際、溶解した高純度の主材料に対し、合金となる物質を添加して合金インゴットを作る。合金インゴットはさらに鍛造、圧延され、アニールなどの工程を経て目的のターゲットの形状にされる。このとき、合金の組成や鍛造、圧延方法により結晶粒の大小の状態や結晶配向が左右され、半導体製造等では配線性能に影響する。また、異物質の偏析もあり、ターゲット面内の組成分布、ひいては基板堆積膜の組成分布に影響を与える恐れがある。
【0005】
本発明は上記のような事情を考慮してなされたもので、合金としての組成比が容易にコントロールでき、安定した品質のスパッタリングターゲット及びその製造方法これを用いたスパッタ装置、半導体装置を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るスパッタリングターゲットは、
被処理基板上にスパッタ法により薄膜を形成するターゲットであって、
ベースとなる主ターゲット材と、
前記主ターゲット材に複数の貫通孔を有し各貫通孔内に設けられた前記主ターゲット材とは異なる物質からなる副ターゲット材と、
を具備したことを特徴とする。
【0007】
上記本発明に係るスパッタリングターゲットによれば、安定した品質を提供できる。主ターゲット材と副ターゲット材は、通常では合金を作らない物質どうしの組み合わせでも構成が可能である。
【0008】
なお、好ましくは上記本発明に係るスパッタリングターゲットにおいて、前記主ターゲット材の貫通孔はエロージョン領域に沿うように配置されることを特徴とする。エロージョン領域に無駄なく合金のための副ターゲット材を設ける。
さらに、上記本発明に係るスパッタリングターゲットにおいて、前記副ターゲット材は複数種類配されることを特徴とする。所望の数種類の合金化が可能である。
【0009】
本発明に係る別のスパッタリングターゲットは、
被処理基板上にスパッタ法により薄膜を形成するターゲットであって、
互いに異なる物質のそれぞれのターゲット材を具備し、
前記それぞれのターゲット材の所定の組み合わせが中心部から周縁部に向って複数回重ね巻きされた形態となっていることを特徴とする。
【0010】
上記本発明に係るスパッタリングターゲットによれば、安価でかつ安定した品質を提供できる。互いに異なる物質のそれぞれのターゲット材は、通常では合金を作らない物質どうしの組み合わせでも構成が可能である。
なお、好ましくは上記本発明に係るスパッタリングターゲットにおいて、最外周に巻き締め固定用のリングを有することを特徴とする。形状のより安定化を図るために有用である。
【0011】
本発明に係るスパッタリングターゲットの製造方法は、
ベースとなる主ターゲット材を形成する工程と、
前記主ターゲット材の所定領域に複数の貫通孔を形成する工程と、
前記各貫通孔内に前記主ターゲット材とは異なる物質の副ターゲット材を鋲締めにする工程と、
を具備したことを特徴とする。
【0012】
上記本発明に係るスパッタリングターゲットの製造方法によれば、主ターゲット材は安定した結晶粒を持つ高純度材料で構成すればよい。その後に貫通孔の形成、副ターゲット材の鋲締めが行えるので安定した品質を提供できる。それぞれのターゲット材は、通常では合金を作らない物質どうしの組み合わせでも構成が可能である。
【0013】
本発明に係る別のスパッタリングターゲットの製造方法は、
互いに異なる物質のそれぞれのターゲット材を所定長テープ状に加工する工程と、
前記それぞれのターゲット材を重ねた所定の組み合わせを中心部から周縁部に向って複数回巻き締め、平板円形状とする工程と、
を具備したことを特徴とする。
【0014】
上記本発明に係るスパッタリングターゲットの製造方法によれば、所望の種類の所定長テープ状のターゲット材を重ねて巻けばよいので、安価で、安定した品質を提供できる。互いに異なる物質のそれぞれのターゲット材は、通常では合金を作らない物質どうしの組み合わせでも構成が可能である。
【0015】
また、上記本発明に係るスパッタリングターゲットの製造方法において、前記平板円形状の最外周をリングで留める工程を具備したことを特徴とする。これにより、形状のより安定化を図る。
【0016】
本発明に係るスパッタ装置は、上記ずれかに記載のスパッタリングターゲットの製造方法を用いて形成されるターゲットを有することを特徴とする。品質の良い合金膜の堆積、量産性の向上に寄与する。
【0017】
本発明に係る半導体装置は、上記いずれかに記載のスパッタリングターゲットを用いてスパッタ法による成膜を施したことを特徴とする。品質の良い合金膜を配する半導体装置の製造、量産性の向上に寄与する。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の第1実施形態に係るターゲットの構成を示す断面を含む概観図である。スパッタ装置に装備される、被処理基板上にスパッタ法により薄膜を形成するターゲットT1である。主ターゲット材10はベースとなる例えば高純度材料である。この主ターゲット材10に複数の貫通孔Hが形成され、この各貫通孔内に主ターゲット材とは異なる物質からなる副ターゲット材11が鋲締めされ、埋め込まれた構成となっている。この図では隠れた裏面側がスパッタ面となる。
【0019】
副ターゲット材11が鋲締めされる領域は、エロージョン領域であり、所定の規則に従って配列されている。副ターゲット材11は1種類に限らず、複数種類設けてもよい。また、副ターゲット材11を埋め込む貫通孔Hの数や大きさは合金化の組成比に応じて任意に決められる。
【0020】
上記構成のターゲットは次のように構成される。例えばベースとなる主ターゲット材10を形成する。主ターゲット材10は比較的安定特性の高純度材料を鍛造、圧延する。これにより、安定な結晶粒のターゲットを作ることができる。次に、主ターゲット材10に対し、ドリル等を用い、エロージョン領域において必要なだけの貫通孔Hを空ける。次に、合金としたい物質、すなわち副ターゲット材11をリベット形状にし、打ち込み鋲締め形態とする。
【0021】
上記第1実施形態及び方法によれば、安定した品質を提供できる。主ターゲット材10と副ターゲット材11は、通常では合金を作らない物質どうしの組み合わせでも構成が可能である。なお、副ターゲット材11は合金化に応じて複数種類鋲締めしてもよい。所望の数種類の合金化が可能である。
【0022】
図2は、本発明の第2実施形態に係るターゲットの構成を示す概観図である。スパッタ装置に装備される、被処理基板上にスパッタ法により薄膜を形成するターゲットT2である。互いに異なる物質のそれぞれのターゲット材、ここではターゲット材21、ターゲット材22を所定長テープ状に具備し、それぞれのターゲット材を重ね合わせ、この組み合わせが中心部から周縁部に向って複数回重ね巻きされた形態となっている。
【0023】
各ターゲット材21,22はそれ自体の厚さがそのまま組成比に反映される。また、各ターゲット材21,22に限らず、さらに多くの種類のターゲット材を巻くようにしてもよい。重ね巻きのため、困難なら同じターゲット材を薄く数枚重ね合わせることもできる。これにより、組成比は比較的自由に制御できる。
【0024】
上記構成のターゲットは次のように構成される。例えば互いに異なる物質の各ターゲット材21,22を所定長テープ状に加工する。それぞれのターゲット材11,12を組成比に応じて重ねた所定の組み合わせを中心部から周縁部に向って複数回巻き締め、平板円形状とする。
【0025】
上記第2実施形態及び方法によれば、安定した品質を提供できる。できあがるターゲット全体に関しては、鍛造、圧延の工程は必要ない。このため安価で安価で、安定した品質を提供できる。互いに異なる物質のそれぞれのターゲット材は、通常では合金を作らない物質どうしの組み合わせでも構成が可能である。同じターゲット材を薄く数枚重ね合わせることもできる。これにより、組成比は比較的自由に制御できる。
【0026】
また、図3に示すように、上記平板円形状の最外周をリングで留める工程を加えてもよい。最外周に巻き締め固定用のリング23を有することによって、形状のより安定化を図ることができる。リング23はターゲット材に使われている材料が望ましい。
【0027】
また、上記各構成は拡散接合法を経て加工されるようにしてもよい。例えばターゲット材21,22において清浄な金属面を向い合わせ、外圧等を加えて金属接合を生じさせる工程を付加する。これは、ターゲット材21,22を所定長テープ状に加工する前か後いずれかで行えばよい。
【0028】
図4は、本発明の第3実施形態に係るスパッタ装置の一例を示す概観図である。Arなどの放電用ガスが導入される真空の処理チャンバ40内にスパッタリングターゲットTGが置かれている。スパッタリングターゲットTGとしては、前記図1に示すような第1実施形態のターゲットT1、または前記図2、3に示すような第2実施形態のターゲットT2が使用される。スパッタリングターゲットTGに対向するように半導体ウェハWafが載置されるステージ41が配されている。スパッタ電源42によりターゲットTG−チャンバ40間に負電圧が発生される。ステージ41にはRF(高周波)がバイアスされる。スパッタリングターゲットTGは支持部材、いわゆるバッキングプレート43に接合され、その背後に磁石(マグネット)が収容され冷却水が循環するマグネットユニット44が配備されている。
【0029】
上記構成において、負電圧が印加されるスパッタリングターゲットTGから放出された2次電子は、マグネットによる磁界の影響でサイクロイド運動し、Arイオンを作り出す。ArイオンはスパッタリングターゲットTGに衝突し、ターゲット原子をはじき出す(スパッタする)。スパッタされた原子はウェハWaf上に沈着して薄膜を形成する。
【0030】
上記第3実施形態によるスパッタ装置によれば、スパッタリングターゲットTGに前記図1に示すような第1実施形態のターゲットT1、または前記図2に示すような第2実施形態のターゲットT2が使用される。これにより、所望の組成比でコントロールされた安定した成膜が達成できる。ターゲットT1またはT2において主ターゲット材と副ターゲット材として、通常では合金を作らない物質どうしの組み合わせを用いても構成が可能である。これにより、成膜に対し所望の数種類の合金化が可能で、品質の良い合金膜の堆積、量産性の向上に寄与する。また、品質の良い合金膜を配する半導体装置の製造、量産性の向上に寄与する。
【0031】
以上説明したように本発明によれば、スパッタリングターゲットは安価でかつ安定した品質のものが構成できる。互いに異なる物質のそれぞれのターゲット材は、通常では合金を作らない物質どうしの組み合わせでも構成が可能である。また、構造上大型でかつ安定した品質のターゲット材の製作も容易である。この結果、合金としての組成比が容易にコントロールでき、安定した品質のスパッタリングターゲット及びその製造方法これを用いたスパッタ装置、半導体装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係るターゲットの構成を示す概観図。
【図2】第2実施形態に係るターゲットの構成を示す概観図。
【図3】図2の構成の応用例を示す概観図。
【図4】第3実施形態に係るスパッタ装置の一例を示す概観図。
【符号の説明】
10…主ターゲット材、11…副ターゲット材、21,22…ターゲット材、23…巻き締め固定用のリング、40…処理チャンバ、41…ステージ、42…スパッタ電源、43…バッキングプレート、44…マグネットユニット、TG…スパッタリングターゲット。
Claims (10)
- 被処理基板上にスパッタ法により薄膜を形成するターゲットであって、
ベースとなる主ターゲット材と、
前記主ターゲット材に複数の貫通孔を有し各貫通孔内に設けられた前記主ターゲット材とは異なる物質からなる副ターゲット材と、
を具備したことを特徴とするスパッタリングターゲット。 - 前記主ターゲット材の貫通孔はエロージョン領域に沿うように配置されることを特徴とする請求項1記載のスパッタリングターゲット。
- 前記副ターゲット材は複数種類配されることを特徴とする請求項1または2記載のスパッタリングターゲット。
- 被処理基板上にスパッタ法により薄膜を形成するターゲットであって、
互いに異なる物質のそれぞれのターゲット材を具備し、
前記それぞれのターゲット材の所定の組み合わせが中心部から周縁部に向って複数回重ね巻きされた形態となっていることを特徴とするスパッタリングターゲット。 - 最外周に巻き締め固定用のリングを有することを特徴とする請求項4記載のスパッタリングターゲット。
- ベースとなる主ターゲット材を形成する工程と、
前記主ターゲット材の所定領域に複数の貫通孔を形成する工程と、
前記各貫通孔内に前記主ターゲット材とは異なる物質の副ターゲット材を鋲締めにする工程と、
を具備したことを特徴とするスパッタリングターゲットの製造方法。 - 互いに異なる物質のそれぞれのターゲット材を所定長テープ状に加工する工程と、
前記それぞれのターゲット材を重ねた所定の組み合わせを中心部から周縁部に向って複数回巻き締め、平板円形状とする工程と、
を具備したことを特徴とするスパッタリングターゲットの製造方法。 - 前記平板円形状の最外周をリングで留める工程を具備したことを特徴とする請求項7記載のスパッタリングターゲットの製造方法。
- 上記請求項6〜8いずれかに記載のスパッタリングターゲットの製造方法を用いて形成されるターゲットを有することを特徴とするスパッタ装置。
- 前記請求項1〜5いずれかに記載のスパッタリングターゲットを用いてスパッタ法による成膜を施したことを特徴とする半導体装置。
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CN100443626C (zh) * | 2006-02-23 | 2008-12-17 | 上海交通大学 | 单靶磁控溅射Cu1-xCrx合金薄膜的方法 |
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2003
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